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JP6459497B2 - エンジンの吸気構造 - Google Patents

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JP6459497B2
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Description

本発明は、エンジンの吸気構造に関する。
エンジンの複数の吸気ポートに吸気を導入する複数の吸気路を有し、複数の吸気路のそれぞれにEGRガスが導入されるインテークマニホールドが提供されている(特許文献1参照)。
また、吸気ポートに導入するEGRガスとして、EGRクーラによって冷却されたクールドEGRガスを用いる場合がある。
特開2005−120888号公報
しかしながら、従来は、EGRクーラを用い、EGRクーラによってEGRガスの冷却を行なうことでクールドEGRガスを吸気ポートに供給している。
そのため、複雑で高価なEGRクーラが必要となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成でクールドEGRガスを吸気ポートに導入する上で有利なエンジンの吸気構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明は、吸気にEGRガスを導入するエンジンの吸気構造であって、複数の吸気ポートの開口が並べられインテークマニホールドに連結されるシリンダヘッド側連結部に、前記複数の吸気ポートの開口が並べられた方向に延在するEGRガス導入路が設けられ、前記EGRガス導入路は前記各吸気ポートに連通する複数の連通部を有し、前記シリンダヘッド側連結部に、前記EGRガス導入路に導入されるEGRガスを冷媒で冷却する冷却路が設けられ、前記EGRガス導入路を流れるEGRガスの方向と、前記冷却路を流れる冷媒の方向とは同一であり、前記EGRガス導入路と前記冷却路とは隔壁で仕切られており、前記隔壁の厚さは前記EGRガスおよび前記冷媒の流れの下流に至るほど厚く形成されていることを特徴とする。
発明は、吸気にEGRガスを導入するエンジンの吸気構造であって、複数の吸気ポートの開口が並べられインテークマニホールドに連結されるシリンダヘッド側連結部に、前記複数の吸気ポートの開口が並べられた方向に延在するEGRガス導入路が設けられ、前記EGRガス導入路は前記各吸気ポートに連通する複数の連通部を有し、前記シリンダヘッド側連結部に、前記EGRガス導入路に導入されるEGRガスを冷媒で冷却する冷却路が設けられ、前記EGRガス導入路は、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積が前記EGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも小さく形成され、前記連通部は、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積が前記EGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも大きく形成されていることを特徴とする。
発明は、前記EGRガス導入路は、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
発明は、前記連通部は、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
発明は、前記シリンダヘッド側連結部はガスケットを介して前記インテークマニホールドに連結され、前記EGRガス導入路の前記インテークマニホールド側に位置する箇所は前記ガスケットで仕切られていることを特徴とする。
発明によれば、シリンダヘッド側連結部にEGRガス導入路および冷却路を設けたので、それらEGRガス導入路、冷却路を簡単に製造する上で有利となり、また、メンテナンスも簡単に行え保守点検作業の効率を高める上で有利となる。
また、シリンダヘッド側連結部にEGRガス導入路と冷却路とを設けるといった簡単な構成により、クールドEGRガスを吸気ポートに導入するエンジンの吸気構造を実現することができる。
発明によれば、冷却路の上流部分近傍に位置する気筒が他の気筒に比較して過剰に冷却される現象を緩和でき、失火の発生を防止し、燃焼の安定化を図る上で有利となる。
発明によれば、各気筒に導入されるEGRガスの温度差を抑制でき、NOxの発生を抑制する上で有利となる。
発明によれば、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポートに供給されるEGRガスの流量と、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポートに供給されるEGRガスの流量との均等化を図る上で有利となり、各気筒のEGR率の均等化を図り、NOxの発生を抑制する上で有利となる。
発明によれば、吸気ポートに供給されるEGRガスの流量の均等化を図る上でより有利となる。
発明によれば、ガスケットによりシリンダヘッド側連結部の構造を簡単化する上で有利となる。
第1の実施の形態のエンジンの吸気構造が適用されたエンジンの構成を示す説明図である。 第1の実施の形態のエンジンの吸気構造の斜視図である。 図2のAA線断面図である。 図3のBB線断面図である。 図4のCC線断面の斜視図である。 各気筒におけるEGRガスの温度と冷却水の温度との関係を示す線図である。 第2の実施の形態のエンジンの吸気構造の断面の斜視図であり、図4のCC線断面の斜視図に対応している。
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明のエンジンの吸気構造が適用されたエンジンの構成について説明する。
本実施の形態では、エンジンがディーゼルエンジンである場合について説明する。なお、本発明はガソリンエンジンにも無論適用可能である。
図1に示すように、エンジン10は、エンジン本体12と、吸気通路14と、排気通路16と、過給機18と、低圧EGR装置20と、高圧EGR装置22と、インテークマニホールド24とを含んで構成されている。
エンジン本体12は、シリンダヘッド1202と、シリンダブロック1204とを含んで構成されている。
シリンダヘッド1202に燃焼室が形成され、シリンダブロック1204にピストンを収容する複数の気筒(シリンダ室)が形成されている。
吸気通路14は、吸気管1402の吸気通路部と、インテークマニホールド24の吸気通路部と、エンジン本体12の吸気ポート36とを含んで構成されている。
吸気管1402には、吸気の上流側から下流側に向かって、エアクリーナ1410、低圧スロットル1412、コンプレッサ1802、高圧スロットル1414がこれらの順に設けられている。
排気通路16は、エンジン本体12の排気ポートと、エキゾーストマニホールド1604の排気通路部と、排気管1602の排気通路部とを含んで構成されている。
排気管1602には、排気の上流側から下流側に向かって、タービン1804、排気ガス浄化装置26がこれらの順に設けられている。
過給機18は、コンプレッサ1802とタービン1804とで構成され、排気管1602を通る排気ガスのエネルギーによりタービン1804が回転されることでコンプレッサ1802を回転させ吸気管1402の吸気を圧縮して高圧の吸気としてエンジン本体12に供給するものである。
低圧EGR装置20は、排気ガス浄化装置26から排出される排気ガスを低圧EGRガスとしてコンプレッサ1802の上流側の吸気管1402の箇所に還流するものである。
低圧EGR装置20は、低圧EGRガスを還流する低圧EGR通路2002を備え、低圧EGR通路2002には、低圧EGRガスに含まれる異物(排気系製造時の溶接スパッタやスラグ、触媒片、DPF片など)を除去するEGRフィルタ2004と、低圧EGRガスを冷却する空冷式の低圧EGRクーラ2006と、低圧EGRガスの還流量を制御する低圧EGRバルブ2008とを含んで構成されている。
高圧EGR装置22は、タービン1804の上流側の排気管1604の箇所から取り出した排気ガスをEGRガス(高圧EGRガス)としてコンプレッサ1802の下流側に位置するインテークマニホールド24に還流するものである。
高圧EGR装置22は、排気管1602とインテークマニホールド24とを接続してEGRガスを還流する高圧EGR通路2202と、高圧EGRバルブ2204とを含んで構成されている。
図2に示すように、本実施の形態のエンジンの吸気構造は、インテークマニホールド24とシリンダヘッド1202とを含んで構成されている。
インテークマニホールド24は、吸気入口部40と、吸気入口部40に続く冷却部42と、冷却部42に続く吸気出口部44とを備えている。
吸気入口部40には吸気管1402からの吸気が導入される。
冷却部42は、吸気を冷媒で冷却するものであり、本実施の形態では、冷却部42は、インテークマニホールド24に一体的に設けられている場合について説明する。なお、冷却部42は、インテークマニホールド24と別体に構成され、インテークマニホールド24の上流側に配置されていてもよい。
冷却部42は、吸気入口部40と吸気出口部44とに連通する複数の冷却通路部と、複数の冷却通路部に並設され吸気と冷媒との熱交換を行い吸気を冷却する複数の冷媒路とを含んで構成されている。
本実施の形態では、冷媒として冷却水を用いており、図1に示すように、冷却水が電動ウォータポンプ30によりラジエータ28から冷却水通路32を介して図2に示す冷媒入口部46に供給され、冷媒入口部46から冷媒路を通過した冷却水は冷媒出口部48から冷却水通路32を介してラジエータ28に循環され、ラジエータ28と前記冷媒路との間で循環される。これにより、複数の冷媒路により冷却通路部を流れる吸気が冷却される。
なお、冷媒として冷却水以外の従来公知の様々な冷媒ガス、冷却液を用いてもよいことは無論である。
また、冷却部42を構成する冷却通路部および冷媒路の構造は、従来公知の様々な冷却通路部および冷媒路の構造が採用可能である。
インテークマニホールド24は、ボデー34を有し、図中、符号Wはボデー34の幅方向、符号Hはボデー34の高さ方向、符号Lはボデー34の長さ方向を示す。
図2に示すように、吸気入口部40と冷却部42と吸気出口部44はボデー34に一体に成形され、吸気入口部40および吸気出口部44は、ボデー34の延在方向の両端に位置している。
本実施の形態では、ボデー34はアルミ鋳物により成形されている。
ボデー34がアルミ鋳物により成形されることにより以下の効果が奏される。
1)耐食性に優れるため、冷却部42で生成された酸性の凝縮水による腐食を回避でき耐久性の向上を図る上で有利となる。
2)熱伝導率が高いため、冷却効率の向上を図る上で有利となる。
3)成形時、砂中子により表面がざらざらになるため、熱伝達率の向上を図れ、したがって冷却効率の向上を図る上で有利となる。
4)ボデー34を板金を用いて構成した場合に比較して溶接やカシメ接合が不要となるため、接合部分の破損による冷却水の漏れ出しを防止でき信頼性の向上を図る上で有利となる。
5)ボデー34を板金を用いて構成した場合に比較して接合部分のスペースを省くことで小型化を図る上で有利となる。
図2、図3、図4に示すように、吸気出口部44は、冷却部42の冷却通路部に連通する単一の空間からなる上流出口部50と、上流出口部50に続く複数の吸気通路部52とを有している。
複数の吸気通路部52は、吸気ポート36の開口38に対応してボデー34の幅W方向に並べられている。
ボデー34の端部の平坦なインテークマニホールド側端面54には、複数の吸気通路部52の開口56が並べられて形成されている。
したがって、本実施の形態では、複数の吸気通路部52の開口56が並べられシリンダヘッド1202に連結されるインテークマニホールド側連結部54がボデー34の端部で形成されている。
インテークマニホールド側連結部54には、シリンダヘッド側連結部58のフランジ5802に合わせられ連結されるフランジ5402が形成されている。
図2、図3、図4に示すように、シリンダヘッド1202は、複数の吸気ポート36の開口38がシリンダヘッド側壁面60に並べられインテークマニホールド側連結部54に連結されるシリンダヘッド側連結部58を有している。
複数の吸気ポート36の上流端に位置するシリンダヘッド側連結部58の上部に、複数の吸気ポート36の開口38が並べられた方向に延在するEGRガス導入路62が設けられている。
EGRガス導入路62の底部には、EGRガス導入路62に沿って凹部62Aが延在し、この凹部62Aは各吸気ポート36の上部でそれら吸気ポート36に連通し、それら連通した箇所は、EGRガス導入路62と各吸気ポート36とを連通する複数の連通部62Bとなっている。
図2に示すように、EGRガス導入路62の長手方向の端部は、シリンダヘッド側連結部58の幅方向の端部において供給口62Cとして開口され、供給口62Cに、高圧EGRバルブ2204が介設された高圧EGR通路2202が接続されている。
また、シリンダヘッド側連結部58の上部に、EGRガス導入路62に導入されるEGRガスを冷媒で冷却する冷却路64が設けられている。
冷却路64は、EGRガス導入路62に並設され、冷却路64を流れる冷媒によってEGRガス導入路62を流れるEGRガスが冷却されるように図られている。
また、冷却路64は、EGRガス導入路62に並設されているため、複数の吸気ポート36の開口38が並べられた方向に延在し、本実施の形態では、図2に示すように、複数の気筒74A、74B、74C、74Dが並べられた方向に延在している。
また、EGRガス導入路62を流れるEGRガスの方向と冷却路64を流れる冷媒の方向とは一致している。
図5に示すように、EGRガス導入路62と冷却路64とは隔壁66で仕切られている。
隔壁66の厚さdは、EGRガスおよび冷媒の流れの下流に至るほど厚く形成されている。本実施の形態では、隔壁66の厚さdは、EGRガスおよび冷媒の流れの下流に至るにつれて次第に厚く形成されている。
また、本実施の形態では、隔壁66の厚さdにより、EGRガス導入路62は、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積がEGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも小さく形成されている。本実施の形態では、EGRガス導入路62は、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が小さくなるように形成されている。
また、複数の連通部62Bは、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積がEGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも大きく形成されている。本実施の形態では、複数の連通部62Bは、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が大きくなるように形成されている。
図3に示すように、インテークマニホールド側連結部54とシリンダヘッド側連結部58とは、ガスケット68を介して合わされ、双方のフランジ5402、5802に挿通された不図示のボルト、ナットを介して連結されている。
EGRガス導入路62へのEGRガスの導入は、高圧EGR通路2202、高圧EGRバルブ2204を介して供給口62Cから導入される。
すなわち、高圧EGRバルブ2204はEGRガスの流量を調整するものであり、高圧EGRバルブ2204の制御は、不図示のエンジンECUによってなされる。
本実施の形態では、冷媒としてシリンダヘッド1202およびシリンダブロック1204を冷却する冷却水が用いられている。
シリンダヘッド1202およびシリンダブロック1204に冷却水路70が形成されており、冷却水はシリンダブロック1204に設けられたウォータポンプ72により冷却水路70を循環する。
シリンダヘッド1202側の冷却水路70は、冷却路64と、複数の気筒74A、74B、74C、74Dを挟んで冷却路64に対向し冷却路64と平行に延在する第1水路部分70Aと、各気筒74A、74B、74C、74Dの近傍を通り冷却路64と第1水路部分70Aとを接続する複数の第2水路部分70Bとを含んでいる。
そして、第1水路部分70Aの上流端はウォータポンプ72の吐出口に接続されている。複数の第2水路部分70Bの上流端は第1水路部分70Aに接続され、複数の第2水路部分70Bの下流端は冷却路64に接続されている。冷却路64の下流端は、シリンダブロック1204側の冷却水路の上流端に接続されている。
したがって、冷却路64の上流側部分を通る冷却水の温度が最も低く、冷却路64を下流側に流れるにしたがって冷却水の温度が次第に上昇し、冷却路64の下流側部分を通る冷却水の温度が最も高くなる傾向となる。
次に作用効果について説明する。
エンジン10の運転中、吸気は、インテークマニホールド24の吸気入口部40から冷却部42に導入される。
冷却部42の冷却通路部を通ることによって冷却された吸気は、吸気出口部44を通り複数の吸気通路部52の開口56から複数の吸気ポート36の開口38へ流れる。
この際、高圧EGRバルブ2204が開になると、供給口62CからEGRガス導入路62にEGRガスが供給され、複数の吸気ポート36の開口38へ流れる吸気にEGRガスが複数の連通部62Bを介して混合され、EGRガスが混合された吸気が各吸気ポート36の開口38へ導入される。
この場合、吸気に混合されるEGRガスは、冷却路64が並設されたEGRガス導入路62を通るため、冷却路64を通る冷却水によって冷却され、クールドEGRガスとして吸気に混合される。
したがって、本実施の形態によれば、シリンダヘッド側連結部58にEGRガス導入路62および冷却路64を設けたので、それらEGRガス導入路62、冷却路64を簡単に製造する上で有利となり、また、メンテナンスも簡単に行え保守点検作業の効率を高める上で有利となる。
また、シリンダヘッド側連結部58にEGRガス導入路62と冷却路64とを設けるといった簡単な構成により、クールドEGRガスを吸気ポート36に導入するエンジンの吸気構造を実現することができる。
また、前述したように、冷却水の流れの上流側に位置する冷却路64の部分を通る冷却水の温度が最も低く、冷却水の流れの下流側に位置する冷却路64の部分を通る冷却水の温度が最も高くなる傾向となる。
ここで、エンジン10が第1気筒74A、第2気筒74B、第3気筒74C、第4気筒74Dを有し、冷却路64の冷却水の流れの上流側から下流側に向かうにしたがって第1気筒74A、第2気筒74B、第3気筒74C、第4気筒74Dがこれらの順番で配置されている場合、これらの順番で冷却効果が低下することになる。
そのため、第1気筒74Aが最も冷却されることから第1気筒74Aの冷却が過剰となる傾向にあり、場合によっては、第1気筒74Aにおいて失火が発生するなど燃焼の安定化を図る上で不利が生じるおそれがある。
一方、EGRガス導入路62を流れるEGRガスは、EGRガスが流れる方向と同一の方向に流れる冷却路64の冷却水によって冷却される。
したがって、EGRガスの下流側の方が上流側の方よりもより長い時間冷却水で冷却されることになるので、上流から下流に至るにつれてEGRガスの温度Tgは次第に低下することになる。
言い換えると、EGRガス導入路62を流れるEGRガスの温度Tgは、第1気筒74の近傍で最も高く、第2気筒74の近傍、第3気筒74の近傍に至るにつれて温度が低下し、第4気筒74の近傍で最も低下する。
すなわち、EGRガス導入路62を流れるEGRガスの方向と冷却路64を流れる冷却水の方向とは一致している。そのため、冷却路64の上流部分(第1気筒74の近傍)を流れる冷却水は、EGRガス導入路62に導入されたばかりでまだ冷却されていない高温のEGRガスとの間で熱交換を行なうので、冷却水が昇温される。
そのため、冷却路64の上流部分(第1気筒74Aの近傍)を流れる冷却水の温度Twが上昇するので、第1気筒74Aの近傍における冷却水の温度Twと、第2気筒74B、第3気筒74C、第4気筒74Dの近傍における冷却水の温度Twとの温度差を低減できる。
したがって、冷却路64の上流部分近傍に位置する気筒74Aが他の気筒74B、74C、74Dに比較して過剰に冷却される現象を緩和でき、失火の発生を防止し、燃焼の安定化を図る上で有利となる。
また、前述したように、EGRガス導入路62を流れるEGRガスは、EGRガスが流れる方向と同一の方向に流れる冷却路64の冷却水によって冷却されるため、上流から下流に至るにつれてEGRガスの温度Tgは次第に低下する。
ここで、EGRガス導入路62のEGRガスの流れの上流側から下流側に向かうにしたがって第1気筒74A、第2気筒74B、第3気筒74C、第4気筒74Dがこれらの順番で配置されている場合、各気筒に導入されるEGRガスの温度は、第1気筒74A、第2気筒74B、第3気筒74C、第4気筒74Dの順番で低下することになり、各気筒においてEGRガスの温度差が生じ、NOxの発生を抑制する上で不利となる。
本実施の形態では、EGRガス導入路62と冷却路64とを仕切る隔壁66の厚さdをEGRガスおよび冷却水の流れの下流に至るほど厚く形成した。
そのため、EGRガスおよび冷媒の流れの下流に至るほど冷却水によってEGRガスから奪われる熱量が低下することになる。
この結果、図6に示すように、EGRガスおよび冷媒の流れの下流に至るほど冷却水によるEGRガスの冷却時間が長くなるにも拘わらず、EGRガスの上流から下流にいたる全域においてEGRガスの温度を均一にすることができる。
したがって、各気筒に導入されるEGRガスの温度差を抑制でき、NOxの発生を抑制する上で有利となる。
また、供給口62CからEGRガス導入路62に導入されるEGRガスの流速が高い場合は、EGRガスがEGRガス導入路62を勢い良く流れるため、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量に比較して、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量が増加する傾向となる。
本実施の形態では、EGRガス導入路62は、供給口62Cから離れた側の断面積が供給口62Cに位置する側の断面積よりも小さく形成されているため、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量が抑制される。
そのため、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量と、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量との均等化を図る上で有利となる。
一方、供給口62CからEGRガス導入路62に導入されるEGRガスの流速が遅い場合は、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に対してより多くのEGRガスが供給されるため、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量に比較して、EGRガスの流れの下流側に接続されたEGRガスの流れに供給されるEGRガスの流量が減少する傾向となる。
本実施の形態では、連通部62Bは、供給口62Cから離れた側の断面積が供給口62Cに位置する側の断面積よりも大きな断面積で設けられているため、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量が増加される。
そのため、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量と、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量との均等化を図る上で有利となる。
そのため、供給口62CからEGRガス導入路62に導入されるEGRガスの流速の高低に拘わらず、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量と、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量との均等化を図ることができ、各気筒のEGR率の均等化を図り、NOxの発生を抑制する上で有利となる。
なお、EGR率とは、各気筒に供給される吸気(新気とEGRガスの和)に占めるEGRガスの比率をいう。
また、本実施の形態では、EGRガス導入路62は、供給口62Cから離れるにつれて次第に断面積が小さくなるように形成されている。
そのため、供給口62CからEGRガス導入路62に導入されるEGRガスの流速が高い場合に、EGRガス導入路62の上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量と、EGRガス導入路62の下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量との均等化を図る上でより有利となる。
また、本実施の形態では、連通部62Bは、供給口62Cから離れるにつれて次第に断面積が大きくなるように形成されている。
そのため、供給口62CからEGRガス導入路62に導入されるEGRガスの流速が遅い場合に、EGRガスの流れの上流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量と、EGRガスの流れの下流側に接続された吸気ポート36に供給されるEGRガスの流量との均等化を図る上でより有利となる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図7は、第2の実施の形態のエンジンの吸気構造の断面の斜視図であり、図4のCC線断面の斜視図に対応している。
なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態では、EGRガス導入路62のインテークマニホールド24のフランジ5402寄りの箇所を仕切る壁部と、EGRガス導入路62の底部を仕切る壁部とが、ガスケット68により形成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、ガスケット68は、インテークマニホールド24のフランジ5402寄りのEGRガス導入路62の箇所を仕切る第1仕切り壁部6802と、EGRガス導入路62の底部を仕切る第2仕切り壁部6804とを含んで構成されている。
本実施の形態では、EGRガス導入路62に沿って延在する凹部62Aが、シリンダヘッド側連結部58の壁部と、第2仕切り壁部6804とで構成されている。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、ガスケット68によりシリンダヘッド側連結部58の構造を簡単化する上で有利となる。
10 エンジン
1202 シリンダヘッド
24 インテークマニホールド
36 吸気ポート
38 開口
52 吸気通路部
56 開口
58 シリンダヘッド側連結部
62 EGRガス導入路
62B 連通部
64 冷却路
66 隔壁
68 ガスケット
6802 第1仕切り壁部
6804 第2仕切り壁部

Claims (5)

  1. 吸気にEGRガスを導入するエンジンの吸気構造であって、
    複数の吸気ポートの開口が並べられインテークマニホールドに連結されるシリンダヘッド側連結部に、前記複数の吸気ポートの開口が並べられた方向に延在するEGRガス導入路が設けられ、
    前記EGRガス導入路は前記各吸気ポートに連通する複数の連通部を有し、
    前記シリンダヘッド側連結部に、前記EGRガス導入路に導入されるEGRガスを冷媒で冷却する冷却路が設けられ
    前記EGRガス導入路を流れるEGRガスの方向と、前記冷却路を流れる冷媒の方向とは同一であり、
    前記EGRガス導入路と前記冷却路とは隔壁で仕切られており、
    前記隔壁の厚さは前記EGRガスおよび前記冷媒の流れの下流に至るほど厚く形成されている、
    ことを特徴とするエンジンの吸気構造。
  2. 吸気にEGRガスを導入するエンジンの吸気構造であって、
    複数の吸気ポートの開口が並べられインテークマニホールドに連結されるシリンダヘッド側連結部に、前記複数の吸気ポートの開口が並べられた方向に延在するEGRガス導入路が設けられ、
    前記EGRガス導入路は前記各吸気ポートに連通する複数の連通部を有し、
    前記シリンダヘッド側連結部に、前記EGRガス導入路に導入されるEGRガスを冷媒で冷却する冷却路が設けられ
    前記EGRガス導入路は、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積が前記EGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも小さく形成され、
    前記連通部は、EGRガスの流れの下流側に位置する部分の断面積が前記EGRガスの流れの上流側に位置する断面積よりも大きく形成されている、
    ことを特徴とするエンジンの吸気構造。
  3. 前記EGRガス導入路は、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載のエンジンの吸気構造。
  4. 前記連通部は、EGRガスの流れの上流側から下流側に至るにつれて次第に断面積が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載のエンジンの吸気構造。
  5. 前記シリンダヘッド側連結部はガスケットを介して前記インテークマニホールドに連結され、
    前記EGRガス導入路の前記インテークマニホールド側に位置する箇所は前記ガスケットで仕切られている、
    ことを特徴とする請求項1からの何れか1項記載のエンジンの吸気構造。
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