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JP6452698B2 - バンコマイシン誘導体、その製造方法及び応用 - Google Patents

バンコマイシン誘導体、その製造方法及び応用 Download PDF

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JP6452698B2 JP2016535311A JP2016535311A JP6452698B2 JP 6452698 B2 JP6452698 B2 JP 6452698B2 JP 2016535311 A JP2016535311 A JP 2016535311A JP 2016535311 A JP2016535311 A JP 2016535311A JP 6452698 B2 JP6452698 B2 JP 6452698B2
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Description

本発明は、バンコマイシン誘導体及びその製造方法に関する。
1940年にペニシリンが臨床的に使用された後、数千の抗生物質が開発されており、また、数百は、一般的に臨床で使用されている。2006年には、世界で最も売れている500個の薬の中に77種の抗生剤が入り、それらは上位19カテゴリーであった。臨床診療における抗生物質の普及とともに、細菌の薬剤耐性が徐々に進化して、より多くの抗生物質が徐々にその有効性を失うようになっていた。
バンコマイシンは、ストレプトミセス・オリエンタリス(Streptomyces orientalis)菌株によって産生されるオリゴペプチド系抗生物質である。強い抗菌力を持って主にグラム陽性菌に有効であるとして、1958年米国FDAにより臨床使用が承認され、これまで細菌感染に対する人間のための最後の防衛線とみなされていた。1990年代までは、すなわち、バンコマイシンがほぼ40年間使用された後に、バンコマイシン耐性菌が発見され、医療分野でパニックが起きた。そのため、抗生物質の発見及び修飾(modification)への緊急の必要性がある。
長期間にわたるバンコマイシンの修飾の際に、イーライリリー(Eli Lilly)社の科学者らは、WO9630401A1に、上記化合物の多糖部分への脂肪族又は芳香環鎖の導入によってその活性を大きく向上させ、薬物耐性菌に対して非常に優れた阻害効果を示すことを見出した。例えば、以下の式で表されるオリタバンシン(oritavancin)である。
文献[“Synthesis of Vancomycinfrom the Aglycon.” J. Am. Chem. Soc. 1999、 121、1237-1244]によれば、長鎖で修飾されたバンコマイシン誘導体は、殺菌プロセスにおいて2つの作用メカニズムを示す:多糖部分の本来の結合メカニズムに加えて、多糖部分は、細胞壁の合成プロセスに関与するグリコシルトランスフェラーゼを阻害することができる。これらの2つのメカニズムは、相互補完的であり、活性を有意に向上させる目的を達成する。
しかしながら、脂肪族又は芳香環鎖の導入で、上記新規の化合物の脂溶性(LogP)は大きく増加するので、イオンチャネルに結合すると共に、心血管系に悪影響を及ぼし得る心血管系に対する毒性及び副作用も増加してしまう。
本発明は、バンコマイシン誘導体、及び、その製造方法を提供する。その誘導体は、有効に増加された水溶性と、減少された脂溶性を有するので、高脂溶性に起因した上記問題を解決する。
具体的に、以下の式(I)の化合物を提供する:
式中、
R1は-NHCH3又は-NH2であり;
R2はH又は4-エピ-バンコサミニル(vancosaminyl)であり;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり、ここでRaはH、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル、又はC2-C12アルキニルであり;
R4は水素、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、(C1-C20アルキル)-R5又は(C1-C20アルキル)-O-R5であり、ここでR5は以下の構造を有する:
(a)未置換のC5-C12アリール、一置換のC5-C12アリール又は多置換のC5-C12アリール、ここで置換体は独立して以下である:
(I)ヒドロキシル
(II)ハロゲン
(III)ニトロ
(IV)アミノ
(V)C1-C20アルキル
(b)以下の構造:
A1は-OC(A2)2-C(A2)2-O-、-O-C(A2)2-O-、-C(A2)2-O-、-C(A2)2-N-、又は-C(A2)2-C(A2)2-C(A2)2-C(A2)2-であり、ここでA2は独立して水素又はC1-C20アルキルである
(c)以下の構造:
pは1-5であり、ここでR7は独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1-C20アルキル
(d)以下の構造:
qは0−4であり、ここでRは独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1−C20アルキル
rは1−5であるが、q+rは5以下であり;
Zは以下の場合であり:
(I)単一結合
(II)−(C1−C12)アルキル−
は独立して以下である:
(I)C5−C12アリール
(II)C5−C12ヘテロアリール
(III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
(a)水素
(b)ヒドロキシル
(c)ハロゲン
(d)ニトロ
(e)アミノ
(f)C1−C20アルキル。
式(I)で表されるバンコマイシン誘導体を提供する:
式中、
R1は-NHCH3又は-NH2であり;
R2はH又は4-エピ-バンコサミニルであり;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり、ここでRaはH、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル、又はC2-C12アルキニルであり;
R4はC1-C20アルキルである。
以下の式(I)で表されるバンコマイシン誘導体を提供する:
式中、
R1は-NHCH3又は-NH2であり;
R2はH又は4-エピ-バンコサミニル;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり、ここでRaはH、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル又はC2-C12アルキニルであり;
R4は(C1-C20アルキル)-R5であり、ここでR5は以下の構造を有する:
pは1-5であり、ここでR7は独立して以下の基である:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1-C20アルキル。
以下の式(I)で表されるバンコマイシン誘導体を提供する:
式中、
R1は-NHCH3又は-NH2であり、
R2はH又は4-エピ-バンコサミニルであり;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり;ここでRaはH、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル、又はC2-C12アルキニルであり;
R4は(C1-C20アルキル)-R5であり、ここでR5は以下の構造を有する:
qは0−4であり、ここで、Rは独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1−C20アルキル
rは1−5であるが、q+rは5以下であり;
Zは以下の場合であり:
(I)単一結合
(II)−(C1−C12)アルキル−
は独立して以下であり:
(I)C5−C12アリール
(II)C5−C12ヘテロアリール
(III)以下から独立して選択された1−5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
(a)水素
(b)ヒドロキシル
(c)ハロゲン
(d)ニトロ
(e)アミノ
(f)C1−C20アルキル。
以下の式(I)で表されるバンコマイシン誘導体を提供する:
式中、
R1は-NHCH3又は-NH2であり;
R2はH又は4-エピ-バンコサミニルであり;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり;ここで、RaはHであり;
R4は(C1-C20アルキル)-R5であり、ここでR5は以下の構造を有し:
qは0−4であり、ここで、Rは独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1−C20アルキル
rは1−5であるが、q+rは5未満であり、
Zは以下の場合であり:
(I)単一結合
(II)−(C1−C12)アルキル−
は独立して以下であり:
(I)C5−C12アリール
(II)C5−C12ヘテロアリール
(III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
(a)水素
(b)ヒドロキシル
(c)ハロゲン
(d)ニトロ
(e)アミノ
(f)C1−C20アルキル。
式(I)で表される化合物又はその臨床的に許容される塩を含む医薬を提供する。該医薬は、グラム陽性菌又はバンコマイシン耐性菌による感染症の治療に有効である。
バンコマイシン誘導体の製造方法を提供する。ここで、生成物は、極性溶媒中でバンコマイシン又はその類似体、及び、以下の[化13]で表される化合物を、還元剤と還元反応させてから、加水分解することで得られる。式中RがHでないときは、生成物は、還元後に更なる加水分解なしで直接に得られる。
バンコマイシン及びその類似体は、式(II)のバンコマイシン、式(III)のノルバンコマイシン(norvancomycin)、式(IV)の4-エピ-バンコサミニルバンコマイシン(4-epi-vancosaminyl vancomycin)、又は、式(V)の4-エピ-バンコサミニルノルバンコマイシン(4-epi-vancosaminyl norvancomycin)である。
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり;
R3は-(R)COORa、-(S)COORa、又は-(R/S)COORaであり、RaはH、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル又はC2-C12アルキニルであり;
R4は水素、C1-C20アルキル、C5-C12アリール、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、(C1-C20アルキル)-R5又は(C1-C20アルキル)-O-R5であり、R5は以下の構造を有する:
(a)未置換のC5-C12アリール、一置換のC5-C12アリール又は多置換のC5-C12アリール、ここで、置換体は独立して以下であり:
(I)ヒドロキシル
(II)ハロゲン
(III)ニトロ
(IV)アミノ
(V)C1-C20アルキル
(b)以下の構造:
A1は-OC(A2)2-C(A2)2-O-、-O-C(A2)2-O-、-C(A2)2-O-、-C(A2)2-N-、又は、-C(A2)2-C(A2)2-C(A2)2-C(A2)2-であり、ここで、A2は独立して水素又はC1-C20アルキルであり、
(c)以下の構造:
Pは1-5であり、ここでR7は独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1-C20アルキル
(d)以下の構造:
qは0−4であり、ここでRは独立して以下の基であり:
(I)水素
(II)ヒドロキシル
(III)ハロゲン
(IV)ニトロ
(V)アミノ
(VI)C1−C20アルキル
rは1−5であるが、q+rは5以下であり、
Zは以下の場合であり:
(I)単一結合
(II)−(C1−C12)アルキル−
は独立して以下であり:
(I)C5−C12アリール
(II)C5−C12ヘテロアリール
(III)以下から独立して選択された1−5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
(a)水素
(b)ヒドロキシル
(c)ハロゲン
(d)ニトロ
(e)アミノ
(f)C1−C20アルキル。
極性溶媒は、メタノール、エタノール、イソープロパノール、tert-ブタノール、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミドであり、温度は、0〜80℃であり;還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ボランまたはボランを含有する複合体、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素カリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素カリウムであり;還元剤に対するバンコマイシンの当量比は1:0.8〜5.0である。
以下で本発明を詳細に説明する。
特に断らない限り、本明細書で使用される「ハロゲン」とは、Xで表されるフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を指す。
特に断らない限り、本明細書に使用される「C1-C20」とは、1〜20個の炭素原子を含有する、ノーマル(normal)、二級、三級、又は、環状のC1-C20炭化水素基であり、例として以下の構造を含むが、それらに限定されない:-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3、-CH2CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)CH2CH2CH3、-CH(CH2CH3)2、-C(CH3)2CH2CH3、-CH(CH3)CH(CH3)2、-CH2CH2CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)CH2CH3、-CH2C(CH3)3、-CH2CH2CH2CH2CH2CH3、-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3、-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3)、-C(CH3)2CH2CH2CH3、-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3、-CH(CH3)CH2CH(CH3)2、-C(CH3)(CH2CH3)2、-CH(CH2CH3)CH(CH3)2、-C(CH3)2CH(CH3)2、-CH(CH3)2C(CH3)3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロブチルメチル、1-シクロプロピル-1-エチル、2-シクロプロピル-1-イル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、1-シクロブチル-1-エチル、2-シクロブチル-1-エチル、1-シクロプロピル-1-プロピル、2-シクロプロピル-1-プロピル、3-シクロプロピル-1-プロピル、2-シクロプロピル-2-プロピル、および1-シクロプロピル-2-プロピル。
特に断らない限り、本明細書で使用される「C2-C12アルケニル」とは、2〜12個の炭素原子を含有する、ノーマル、二級、三級、又は、環状のC2-C12アルケン基であり、例として、-CH=CH2、-CH=CHCH3、-CH2CH=CH2、-C(=CH2)(CH3)、-CH=CHCH2CH3、-CH2CH=CHCH3、-CH2CH2CH=CH2、-CH=C(CH3)2、-CH2C(=CH2)(CH3)、-C(=CH2)CH2CH3、-C(CH3)=CHCH3、-C(CH3)CH=CH2、-CH=CHCH2CH2CH3、-CH2CH=CHCH2CH3、-CH2CH2CH=CHCH3、-CH2CH2CH2CH=CH2、-C(=CH2)CH2CH2CH3、-C(CH3)=CHCH2CH3、-CH(CH3)CH=CHCH3、-CH(CH3)CH2CH=CH2、-CH2CH=C(CH3)2、1-シクロペント-1-エニル(1-cyclopent-1-enyl)、1-シクロペント-2-エニル、1-シクロペント-3-エニル、1-シクロヘキサ-1-エニル(1-cyclohex-1-enyl)、1-シクロヘキサ-2-エニル、および1-シクロヘキサ-3-エニルを含むがそれらに限定されない。
特に断らない限り、本明細書で使用される「C2-C12アルキル」とは、2〜12個の炭素原子を含有する、ノーマル、二級、三級、または環状のC2-C12アルキン基であり、例として、-CCH、-CCCH3、-CH2CCH、-CCCH2CH3、-CH2CCCH3、-CH2CH2CCH、-CH(CH3)CCH、-CCCH2CH2CH3、-CH2CCCH2CH3、-CH2CH2CCCH3及び-CH2CH2CH2CCHを含む。
特に断らない限り、本明細書で使用される「C5-C12アリール」とは、5〜12個の炭素原子を含有する芳香環、又は、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香環を含むが、それらに限定されない。例は、以下の通りである:
塩は、無機酸または有機酸に由来するアニオンのような適切なアニオンと形成されたものが挙げられる。適切な酸は、安定な塩を形成するのに十分に酸性であるもの、好ましくは、低毒性の酸を含む。例えば、本発明の塩は、特定の無機酸または有機酸(例えば、HF、HCl、HBr、HI、H2SO4、H3PO4)との酸付加(酸添加)によって、または、塩基性中心(basic center)(典型的には、アミン)を有する有機カルボン酸又は有機スルホン酸の添加によって、形成することができる。有機スルホン酸として、C6-C16アリールスルホン酸、C6-C16ヘテロアリールスルホン酸及びC1-C16アルキルスルホン酸が挙げられ、例えば、フェニルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、n-プロピルスルホン酸、イソプロピルスルホン、n-ブチルスルホン酸、sec-イソブチルスルホン酸、tert-ブチルスルホン酸、ペンチルスルホン酸、及び、ヘキシルスルホン酸がある。有機カルボン酸の例としては、C6-C16アリールカルボン酸、C4-C16ヘテロアリールカルボン酸及びC1-C16アルキルカルボン酸が挙げられ、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、グルタル酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、および2-フェノキシ安息香酸がある。塩はまた、1つ以上のアミノ酸と本発明の化合物の付加塩を含む。多くのアミノ酸、特に天然のタンパク質の構成要素であるアミノ酸が適切であるが、典型的には、側鎖に塩基性または酸性基を含有するもの(例えば、リジン、アルギニンまたはグルタミン酸)または中性基を含有するもの(例えば、グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシンまたはロイシン)である。これらの塩は、一般に、特に哺乳動物のための、生物学的に適合性の、または薬学的に許容される、または、非毒性のものである。本発明の化合物の塩は、結晶または非晶質形態であり得る。
特に断らない限り、本明細書で使用される以下の[化19]は、以下の[化20]に示す基を含むが、それらに限定されない。
特に断らない限り、本明細書で使用される[化21]:
は、以下の基を含むが、それらに限定されない:
R7はC1-12アルキル又はC1-12アルコキシルである。
特に断らない限り、本明細書で使用される[化23]:
は、以下の基を含むが、それらに限定されない:
式中、Rは独立して以下である:
(I)C5−C12アリール
(II)C5−C12ヘテロアリール
(III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
(a)水素
(b)ヒドロキシル
(c)ハロゲン
(d)ニトロ
(e)アミノ
(f)C1−C20アルキル。
(1)本発明は、グリセラート(glycerate)部分が、バンコマイシン誘導体と脂溶性修飾基との間に導入されて、アミノ酸同様の高水溶性を有する化合物を提供することで、効果的に水溶性が改善され、かつ、化合物の脂溶性が減少された一群の化合物を提供する。それによって、高脂溶性に起因した問題を解決し、医薬に調剤された後に、心血管系への副作用を低減する。
(2)本発明は、ほとんどが、バンコマイシン感受性細菌に対して様々な程度の阻害活性を示す一群の化合物を提供する。ここで、脂肪族長鎖及び置換されたビフェニル誘導体は、バンコマイシンの阻害活性よりも優れた阻害活性を有するが、それは、バンコマイシン耐性菌感染症の治療に陽性である。
インビトロ活性アッセイ
本発明の式(I)の化合物又はその臨床的に許容される塩は、グラム陽性細菌又はバンコマイシン耐性細菌感染症の治療への使用を目的としている。活性を検証するために、本発明の化合物の群に対してインビトロ(in vitro)活性アッセイを行った(表1)。
(表続く)
(表続く)
インビトロ活性アッセイは中国薬局方2010、II巻、付録XIA、抗生物質の微生物同定に基づいて行われた。バンコマイシン感受性の黄色ブドウ球菌株(Newman及びMu50)を試験株として選択し、トリプチケースソイブロス(trypticase soy broth)を培地として選択した。次のように最小阻止濃度(MIC)アッセイを行った:試験化合物をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解して1.28mg/mlのストック溶液を調製し、そのストック溶液を培地で希釈して初期濃度1.28μg/mlにした。その後半分に希釈して、64μg/ml〜0.125μg/mlの試験溶液を調製し、中国薬局方2010、II巻、付録XIA、抗生物質の微生物同定、カッププレート法に基づいてアッセイを行った。ここでは、バンコマイシンおよびブランクを対照群として使用した。式(I)の化合物のインビトロ活性アッセイの結果を表2にまとめた。
この結果から、各群の化合物は、バンコマイシン感受性黄色ブドウ球菌株に対して様々な抗菌活性を呈することが分かった。R5基の脂溶性の増加に伴って、細菌に対する化合物の阻害活性が増強される傾向がある。
化合物の溶解性試験
各化合物の溶解性試験は、中国薬局方2005、II巻、一般的な注意事項のガイドラインに従って行った:微粉状の化合物を秤量し、該化合物を異なる容積の水の中に置き、5分間隔で30秒間強く振り、30分以内に溶解挙動を観察し、該化合物の溶解度範囲を得る(ここで、すべての溶解度データ範囲は、25℃の温度で測定した)。バンコマイシンおよび類似体の溶解度を表3にまとめた。
構造内へグリセラート(grycerate)部分を導入した後、化合物の水溶性(水溶解度)がオリタバンシンに比較して、1〜2桁増大したことが溶解度データより分かる。この結果は、グリセラート部分が、水溶解度を増加させるのに重要な役割を果たしていることを示す。
製造方法
請求項1〜5のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体の製造方法を提供する:
ここで、生成物は、極性溶媒中でバンコマイシン又はその類似体、及び、以下の[化26]で表される化合物を、還元剤と反応させてから、加水分解することで得られる。式中RがHでないときは、生成物は、還元後に更なる加水分解なしで直接に得られる。

具体的に、反応は、以下のように行われる:
本発明については、以下の非限定的な実施例をもって更に詳述する。
実施例1
合成手順:
ステップ1:
500mlの単口フラスコに水素化ナトリウム2.19gを入れ、N,N-ジメチルホルムアミド100mlで懸濁し、窒素雰囲気下、0〜5℃に冷却した。4-クロロフェニルベンジルアルコール10.0gをN、N-ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、ゆっくりと反応溶液に滴下した。その後、反応物を0.5時間攪拌し、ブロモ酢酸エチル7.6gを加えた。その後、一晩温度を35〜40℃に上昇させて、TLCにより反応の完了を確認してから、反応物を氷水1Lに注ぎ、抽出用の酢酸エチル500mlを加え、有機相を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸トリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで乾燥するまで濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、10%酢酸エチル/石油エーテルで溶出するカラムにより精製して、83.0%の収率で油状液体11.0gを得た。
ステップ2:
100mlの単口フラスコにtert-ブトキシド2.5gを入れ、それをジエチルエーテル15mlで分散させ、ギ酸メチル2.2ml中前のステップから得た生成物5.9gの溶液を窒素雰囲気下、ゆっくりと添加した。反応液を室温で一晩反応させ、そして、TLCによって反応の完了を確認してから、ジエチルエーテル50mlを添加し、0.5時間攪拌してから、吸引濾過し、濾過ケーク(filter cake)を減圧下で乾燥させ、白色固体5.6gを得た。
ステップ3:
100mlの単口フラスコにバンコマイシン743mgを入れ、それを80℃でN,N-ジメチルホルムアミド40mlに溶解させ、前のステップから得た生成物214mgを添加し、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウム63mgを数回に分けて添加した後、2時間反応させた。酢酸1mlを加え、0.5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル50mlに注ぐと固体が沈殿した。吸引濾過し、濾過ケークをメタノールとジエチルエーテルの混合溶媒(1:3)40mlで攪拌/洗浄し、吸引濾過した。それによって得た粗生成物を分取HPLCにより単離して、生成物100mgを得た。MS m/e 1750.4、1751.4、1752.4 (M+1)
ステップ4:
前のステップから得た生成物30mgをテトラヒドロフラン3mlと水3mlの混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム4.6mgを撹拌しながら添加した。反応液を4時間攪拌し、酢酸18mgを加えて反応をクエンチした後、有機溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、分取HPLCによって精製して、生成物9.7mgを得た。MS m/e 1736.5、1738.5、1739.5 (M+1)
実施例2
化合物V9、V11、V13、V15、V20、V21、V22、V23、V24、V25、V55、V61等は、実施例1に記載した方法に基づいて製造した。
実施例3
合成手順:
ステップ1:
100mlの単口フラスコにn-ブタノール20mlを入れ、ナトリウム片1.80gを氷水浴中で加えてから、固体が溶解するまでその混合物を還流下で加熱し、室温に冷却し、ブロモ酢酸エチル10.0gを添加し、その後、温度を40〜50℃に上昇させ、一晩撹拌し、TLCによって反応の完了を確認してから、ジエチルエーテル100mlを加え、混合物を水50mlで3回洗浄し、有機相を減圧下、ロータリーエバポレーターで乾燥させて、油性液体9.1gを得た。これを、次のステップでそのまま使用した。
ステップ2:
100mlの単口フラスコにtert-ブトキシド2.5gを入れ、ジエチルエーテル15mlで分散させ、ギ酸メチル2.2ml中前のステップから得た生成物3.0gの溶液を窒素雰囲気下、ゆっくりと添加した。反応液を室温で一晩反応させ、そして、TLCによって反応の完了を確認してから、ジエチルエーテル50mlを添加し、0.5時間攪拌し、吸引濾過し、濾過ケークを減圧下で乾燥させて白色固体2.9gを得た。
ステップ3:
250mlの単口フラスコにバンコマイシン1.48gを入れ、それを80℃でN,N-ジメチルホルムアミド80mlに溶解させ、前のステップから得た生成物276mgを添加し、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウム126mgを数回に分けて添加した後、2時間反応させた。酢酸5mlを加え、0.5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル100mlに注ぐと固体が沈殿した。吸引濾過し、濾過ケークをメタノールとジエチルエーテルの混合溶媒(1:3)40mlで攪拌/洗浄し、吸引濾過した。それによって得た粗生成物を分取HPLCにより単離して、生成物56mgを得た。MS m/e 1606.5、1607.5、1608.5 (M+1)
ステップ4:
前のステップから得た生成物30mgをテトラヒドロフラン3mlおよび水3mlの混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム7.8mgを撹拌しながら添加し、反応液を4時間攪拌した。酢酸18mgを添加して反応をクエンチした後、有機溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、分取HPLCにより精製して、生成物5.0mgを得た。MS m/e 1592.2、1593.2 (M+1)
実施例4
化合物V16、V19、V26、V27、V30、V31、V32、V33、V67、V68等は、実施例1に記載した方法に基づいて製造した。
実施例5
合成手順:
ステップ1:
250mlの単口フラスコにノルバンコマイシン1.5gを入れ、それを80℃でN,N-ジメチルホルムアミド80mlに溶解し、実施例1のステップ2から得た生成物250mgを添加し、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウム130mgを数回に分けて添加した後、2時間反応させた。酢酸5mlを加え、0.5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル100mlに注ぐと固体が沈殿した。吸引濾過し、濾過ケークをメタノールとジエチルエーテルとの混合溶媒(1:3)40mlで攪拌/洗浄し、吸引濾過した。それによって得た粗生成物を分取HPLCにより単離して、生成物15mgを得た。MS m/e 1736.5、 1737.5、 1738.5 (M+1)
ステップ2:
前のステップから得た生成物5mgをテトラヒドロフラン1mlおよび水1mlの混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム2.0mgを撹拌しながら添加し、反応液を1時間攪拌した。酢酸10mgを添加して反応をクエンチした後、有機溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、分取HPLCにより精製して、生成物3.5mgを得た。MS m/e 1722.5、 1723.5、 1724.5 (M+1)
実施例6
化合物V51、V52、V53、V54、V55、V57、V58、V59、V60、V68等は、実施例1に記載した方法に基づいて製造した。
実施例7
合成手順:
ステップ1:
500mlの単口フラスコに4-エピ-バンコサミニルバンコマイシン3.1gを入れ、それを80℃でN,N-ジメチルホルムアミド150mlに溶解し、実施例1のステップ2から得た生成物500mgを添加し、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウム250mgを数回に分けて添加した後、2時間反応させた。酢酸7mlを加え、0.5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル150mlに注ぐと固体が沈殿した。吸引濾過し、濾過ケークをメタノールとジエチルエーテルの混合溶媒(1:3)40mlで攪拌/洗浄し、吸引濾過した。それによって得た粗生成物を分取HPLCにより単離して、生成物7.8mgを得た。MS m/e 1896.5、 1893.5、 1894.5 (M+1)
ステップ2:
前のステップから得た生成物5mgをテトラヒドロフラン1mlおよび水1mlの混合溶媒に溶解し、水酸化リチウム2.0mgを撹拌しながら添加し、反応液を1時間攪拌した。酢酸10mgを添加して反応をクエンチした後、有機溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、分取HPLCにより精製して、生成物1.8mgを得た。MS m/e 1881.5、1880.5、1879.5 (M+1)
実施例8
化合物V61、V62、V63、V64、V65、V66、V69等は、実施例7に記載した方法に基づいて製造した。

Claims (7)

  1. 式(I)で表されるバンコマイシン誘導体:
    式中、
    は−NHCH又は−NHであり;
    はH又は4−エピ−バンコサミニルであり;
    は−(R)COOR、−(S)COOR、又は−(R/S)COORであり、ここでRはH、C1−C20アルキル、フェニル、C2−C12アルケニル、又はC2−C12アルキニルであり;
    はC6−C20アルキル、(C1−C20アルキル)−R又は(C1−C20アルキル)−O−Rであり、ここでRは以下の構造を有する:
    (a)一置換のフェニル又は多置換のフェニル、ここで置換体は独立して以下である:
    (I)ヒドロキシル、
    (II)ハロゲン、
    (III)ニトロ、
    (IV)アミノ、若しくは
    (V)C1−C20アルキル;又は
    (b)以下の構造:
    は−OC(A)2−C(A)2−O−、−O−C(A)2−O−、−C(A)2−O−、若しくは−C(A)2−C(A)2−C(A)2−C(A)2−であり、ここでAは独立して水素又はC1−C20アルキルである;又は
    (d)以下の構造:
    qは0−4であり、ここでRは独立して以下の基であり:
    (I)水素、
    (II)ヒドロキシル、
    (III)ハロゲン、
    (IV)ニトロ、
    (V)アミノ、若しくは
    (VI)C1−C20アルキル;
    rは1−5であるが、q+rは5以下である;
    Zは以下の場合であり:
    (I)単一結合、若しくは
    (II)−(C1−C12)アルキル−;
    は独立して以下である:
    (III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニルである:
    (b)ヒドロキシル、
    (c)ハロゲン、
    (d)ニトロ、
    (e)アミノ、若しくは
    (f)C1−C20アルキル;
    ここで
    用語“アルキル”は、ノーマル、二級、又は三級炭化水素基であり、
    用語“アルケニル”は、ノーマル、二級、又は三級アルケン基であり、そして
    用語“アルキニル”は、ノーマル、二級、又は三級アルキン基である。
  2. は−NHCH又は−NHであり;
    はH又は4−エピ−バンコサミニルであり;
    は−(R)COOR、−(S)COOR、又は−(R/S)COORであり、ここでRはH、C1−C20アルキル、フェニル、C2−C12アルケニル、又はC2−C12アルキニルであり;
    はC6−C20アルキルである、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体。
  3. は−NHCH又は−NHであり;
    はH又は4−エピ−バンコサミニル;
    は−(R)COOR、−(S)COOR、又は−(R/S)COORであり、ここでRはH、C1−C20アルキル、フェニル、C2−C12アルケニル又はC2−C12アルキニルであり;
    は(C1−C20アルキル)−Rであり、ここでRは以下の構造を有する:
    pは1−5であり、ここでRは独立して以下の基:
    (II)ヒドロキシル、
    (III)ハロゲン、
    (IV)ニトロ、
    (V)アミノ、若しくは
    (VI)C1−C20アルキル、である、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体。
  4. は−NHCH又は−NHであり、
    はH又は4−エピ−バンコサミニルであり;
    は−(R)COOR、−(S)COOR、又は−(R/S)COORであり;ここでRはH、C1−C20アルキル、フェニル、C2−C12アルケニル、又はC2−C12アルキニルであり;
    は(C1−C20アルキル)−Rであり、ここでRは以下の構造を有する:
    qは0−4であり、ここでRは独立して以下の基であり:
    (I)水素、
    (II)ヒドロキシル、
    (III)ハロゲン、
    (IV)ニトロ、
    (V)アミノ、若しくは
    (VI)C1−C20アルキル;
    rは1−5であるが、q+rは5以下であり;
    Zは以下の場合であり:
    (I)単一結合;若しくは
    (II)−(C1−C12)アルキル−
    は独立して以下であり:
    (III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニル:
    (b)ヒドロキシル、
    (c)ハロゲン、
    (d)ニトロ、
    (e)アミノ、若しくは
    (f)C1−C20アルキル、である、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体。
  5. は−NHCH又は−NHであり;
    はH又は4−エピ−バンコサミニルであり;
    は−(R)COOR、−(S)COOR、又は−(R/S)COORであり;ここでRはHであり;
    は(C1−C20アルキル)−Rであり、ここでRは以下の構造を有し:
    qは0−4であり、ここでRは独立して以下の基であり:
    (I)水素、
    (II)ヒドロキシル、
    (III)ハロゲン、
    (IV)ニトロ、
    (V)アミノ、若しくは
    (VI)C1−C20アルキル;
    rは1−5であるが、q+rは5以下であり、
    Zは以下の場合であり:
    (I)単一結合、若しくは
    (II)−(C1−C12)アルキル−;
    は独立して以下であり:
    (III)以下から独立して選択された1〜5個の置換体で置換されたフェニル又は未置換のフェニル:
    (b)ヒドロキシル、
    (c)ハロゲン、
    (d)ニトロ、
    (e)アミノ、又は
    (f)C1−C20アルキル、である請求項1に記載のバンコマイシン誘導体。
  6. 以下の化合物からなる群から選択される、請求項1に記載のバンコマイシン誘導体:
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のバンコマイシン誘導体を含む、グラム陽性菌又はバンコマイシン耐性菌による感染症の治療のための医薬組成物。
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