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JP6449594B2 - リチウムイオン電池用正極物質及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン電池用正極物質及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリチウムイオン電池用正極物質、該活物質を用いたリチウムイオン電池正極、この正極を有するリチウムイオン電池、及び上記リチウムイオン電池用正極物質の製造方法に関する。
スマートフォン、タブレット型パソコン等の小型電子機器の普及により、ユーザーが屋外で長時間これら小型電子機器を携帯し利用することは、もはや一般的になっている。そのため、これら小型電子機器の電源である電池には長時間の使用に耐える高容量の電池であることが求められており、そのような要求を満たすリチウムイオン二次電池が盛んに研究開発されている。同時に、スマートフォン、タブレット型パソコン等の小型電子機器の更なる高機能化、高性能化が図られており、そのような高機能・高性能小型電子機器では消費電力の増大が避けられない。したがって、電池の高容量化への要求がますます高まっている。
また、近年は、エネルギー受給に対する危機意識や環境志向の高まりよって、風力発電、メガソーラー発電、家庭用太陽光発電といった、従来型の集中型発電所とは異なる独立分散型発電設備の設置が増えている。しかしながら、風力発電、太陽光発電等の自然エネルギーを利用した発電設備が従来の発電施設に比べて電気供給の安定性に劣るという問題は、未だ解決されていない。2011年3月11日に発生した東日本大震災、その後に引き起こされた原子力発電所停止にかかる給電状況の悪化以来、地震等の災害発生時における事業所や家庭単位での電力確保の重要性が、広く認識されるようになってきた。このため、消費地点単位で電源確保を確保する定置用蓄電池に注目が集まっている。しかしながら、現在の技術によれば、このような定置用蓄電池によって電気容量を確保するためには非常に大きな蓄電設備が必要とされる。このため、日本の住宅環境においてはそのような蓄電設備は、現時点では実用性を欠く。
更に自動車産業においては、エネルギー効率のよい電気自動車、ハイブリッド自動車に注目が集まり、これらの自動車の開発が盛んに行われている。しかしながら、電池容量の不足による航続距離の不十分さ、加えて市中における充電設備の絶対的不足という問題は解決されていない。そのため、現時点では、電気エネルギーだけで動く電気自動車は、ハイブリッド自動車ほどには普及していない。電池容量の向上は、これら新型自動車の実用性を左右する課題である。
上述のような、電子機器、電力確保、自動車などの産業を支える共通の製品の一つがリチウムイオン電池である。上述のような問題点に共通する原因が、リチウムイオン電池の体積当たりの容量が足りないことにある。リチウムイオン電池の体積当たりの容量が足りないという問題を引き起こす大きな要因は、リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質の単位体積当たりの放電容量が小さいことである。
その一方で、リチウムイオン電池の用途拡大に伴って、リチウムイオン電池には、過酷な環境下でも電池特性が維持されること、安全性が高く長期使用に耐えることが求められている。このため、リチウムイオン電池用正極活物質には、充放電を繰り返しても充放電特性が低下しないこと、例え酸素や水分に接したとしてもその表面が酸化されにくいこと、充放電に伴う発熱量が小さいことなどが求められている。
リチウムイオン電池用正極活物質としては、LCO型正極活物質(Li、Coの複合酸化物)が挙げられるが、放電容量が低く、改質が必要とされる。これに対して、LNCO型正極活物質(Li、Ni、Coの複合酸化物)、特にLNCAO正極活物質(Li、Ni、Co、Alの複合酸化物)は、LCO型正極活物質に比べて安価で放電容量が高いことが利点とされる。
正極活物質の耐久性や安全性を高めるために、正極活物質粒子の表面改質が従来から行われてきた。例えば、特許文献1、2には、LNCO型正極活物質の表面を様々な金属酸化物で被覆することが記載されている。しかし、これらの表面改質された正極活物質が、良好な充放電特性と耐久性、安全性を兼ね備えるものであることは確認できていない。LNCO型、特にLNCAO型正極活物質を様々な特性で改質できる表面改質剤は、未だ見出されていない。
特開2009−38021号公報 特開平11−16566号公報
そこで本発明は、電気特性だけでなく、安全性、耐久性などの様々な要求をバランスよく達成できるLNCO型正極活物質の表面改質剤を探索した。
その結果、そのような表面改質剤として硝酸コバルトを新たに見出した。
すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)以下の一般式(1)で表されるニッケルリチウム金属複合酸化物の表面にコバルト化合物が被覆されたものであり、上記コバルト化合物は硝酸コバルトのエタノール溶液に上記ニッケルリチウム金属複合酸化物を混合し、得られた混合物を乾燥、次いで焼成することにより生成したものである、リチウムイオン電池用正極活物質。
Figure 0006449594
(ただし式(1)中、Mは、Co,Mn,Fe、Cuから選ばれる1つ以上の金属元素であり、NはAl、W、Ta、Bから選ばれる1つ以上の金属元素であり、0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.005<z<0.10である。)
(発明2)一般式(1)におけるMがCoである、発明1のリチウムイオン電池用正極活物質。
(発明3)一般式(1)におけるNがAlであることを特徴とする、発明1または2のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
(発明4)一般式(1)におけるMがCoであり、かつ、NがAlであることを特徴とする、発明1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
(発明5)ニッケルリチウム金属複合酸化物に対して0.1〜10.0モル%のコバルト化合物で表面が被覆されていることを特徴とする、発明1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
(発明6)コバルト化合物が硝酸コバルト由来であることを特徴とする、発明1〜5のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
(発明7)発明1〜6のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質を用いることを特徴とする、リチウムイオン電池用正極。
(発明8)発明7に記載のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とする、リチリウムイオン電池。
(発明9)以下の一般式(1)で表されるニッケルリチウム金属複合酸化物の表面にコバルト化合物を被覆する工程を含み、上記被覆する工程では硝酸コバルトのエタノール溶液に上記ニッケルリチウム金属複合酸化物を混合し、得られた混合物を乾燥、次いで焼成する、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
Figure 0006449594
(ただし式(1)中、Mは、Co,Mn,Fe、Cuから選ばれる1つ以上の金属元素であり、NはAl、W、Ta、Bから選ばれる1つ以上の金属元素であり、0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.005<z<0.10である。)
(発明10)一般式(1)におけるMがCoであることを特徴とする、発明9に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
(発明11)一般式(1)におけるNがAlであることを特徴とする、発明9または10に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
(発明12)一般式(1)における一般式(1)におけるMがCoであり、かつ、NがAlであることを特徴とする、発明9〜11のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
(発明13)ニッケルリチウム金属複合酸化物に対して0.1〜10.0モル%のコバルト化合物で表面を被覆することを特徴とする、発明9〜12のいずれかに記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質は、水分や炭酸ガスによる性能劣化が起こりにくく、高い充放電効率を示し、発熱量が低減できる。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質を構成するニッケルリチウム金属複合酸化物は、以下の一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0006449594
(ただし式(1)中、Mは、Co,Mn,Fe、Cuから選ばれる1つ以上の金属元素であり、NはAl、W、Ta、Bから選ばれる1つ以上の金属元素であり、0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.005<z<0.10である。)
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質を構成するニッケルリチウム金属複合酸化物は、好ましくは、上記一般式(1)においてMがCo、NがAlである、以下の一般式(2)で表される化合物である。(ただし式(2)中、0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.005<z<0.10である。)
Figure 0006449594
上記ニッケルリチウム金属複合酸化物は、以下の方法により製造することができる。
(1.原料の溶解)原料としては、一般式(1)を構成する金属の、硫酸塩、硝酸塩などの可溶性金属塩を用いることができる。硝酸塩を用いた場合、硝酸性窒素を含む廃液処理にコストがかかるため、硝酸塩の使用は工業的には好ましくない。通常は一般式(1)を構成する金属の硫酸塩が用いられる。本発明の低アルカリ性LNCAO系正極活物質の製造方法では、まず、原料である硫酸ニッケル、硫酸コバルトのそれぞれを水に溶解する。
(2.沈殿)硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、沈殿剤としての水酸化ナトリウムとアンモニア水を沈殿槽内で混合する。水酸化ニッケルと水酸化コバルトの共沈殿物が生成する。
(3.濾過・洗浄)沈殿物を濾過し、水分を除去して水酸化物ケーキを分離する。水酸化物ケーキを水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸イオンを除去する。さらに水酸化物ケーキを純粋で洗浄して水酸化ナトリウムを除去する。こうして水酸化ニッケルと水酸化コバルトからなる前駆体ケーキが得られる。
(4.乾燥)前駆体ケーキを乾燥する。乾燥方法は、大気圧下での熱風乾燥、赤外線乾燥、真空乾燥などのいずれでもよい。真空乾燥を行うことにより短時間で乾燥することができる。前駆体中の水分が1重量%程度になるまで乾燥する。
(5.粉体混合)乾燥後の前駆体粉末に、水酸化アルミニウムと水酸化リチウム粉末を加え、剪断力をかけて混合する。
(6.焼成)混合物を酸素存在下で焼成する。焼成により、以下の反応が起こる。
Figure 0006449594
Figure 0006449594
Figure 0006449594
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質は、上述の工程を経て得られたニッケルリチウム金属複合酸化物の表面を以下の方法によりコバルト化合物で被覆することによって、得られる。
(被覆用コバルト原料)本発明では、最終的にニッケルリチウム金属複合酸化物の表面を覆うコバルト化合物を供給するための原料として、硝酸コバルトを用いる。硝酸コバルトとして、硝酸コバルト六水和物:Co(NO・6HOを用いる。
(被覆用コバルト化合物の混合)ニッケルリチウム金属複合酸化物と硝酸コバルト六水和物のエタノール溶液を混合し、60〜90℃で加熱する。その後、混合物を乾燥する。
(混合物の焼成)乾燥された上記混合物を酸素存在下で焼成する。焼成温度は500〜800℃の範囲である。焼成の過程で硝酸イオンが分解し、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面とコバルト成分が反応し、コバルト化合物からなる被覆層が形成される。こうして、コバルト化合物で表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物からなる、本発明の正極活物質が得られる。
コバルト化合物で表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物の充放電容量、充放電効率は、コバルト化合物で被覆していないニッケルリチウム金属複合酸化物の充放電容量、充放電効率と同等か、これより高い。したがって、本発明の正極活物質は初期電気特性が改善している。
コバルト化合物で表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物の水分吸収量、炭酸ガス吸収量は、コバルト化合物で被覆していないニッケルリチウム金属複合酸化物の水分吸収量、炭酸ガス吸収量よりも極めて低い。したがって、本発明の正極活物質は、水分や空気に対する暴露耐性が向上している。
水分や炭酸ガスを吸収した後は、コバルト化合物で被覆していないニッケルリチウム金属複合酸化物の放電容量、充放電効率は大きく低下する。これに対して、水分や炭酸ガスを吸収した後でも、コバルト化合物で表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物の放電容量、充放電効率の低下はごくわずかである。したがって、本発明の正極活物質では、水分や空気への暴露による電池特性の低下が抑制されている。
コバルト化合物で表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物の示差走査熱量計によって測定された発熱量は、コバルト化合物で被覆していないニッケルリチウム金属複合酸化物の発熱量に比べて格段に低い。したがって、本発明の正極活物質は安全性が改善している。
本発明のリチウムイオン電池の正極活物質のみでリチウムイオン電池の正極活物質を構成してもよいし、本発明の正極活物質に、その長所が発現する程度の量で他の正極活物質を混合してもよい。例えば、本発明の正極活物質50重量部と、本発明以外のリチウムイオン電池二次電池用正極活物質50重量部とを混合したものを、正極活物質として用いることができる。リチウムイオン電池の正極を製造する場合には、上述の本発明の正極活物質、導電助剤、バインダー、分散用有機溶媒を加えて正極用合剤スラリーを調製し、電極に塗布する。
以下の方法で、本発明のリチウムイオン電池用正極活物質を構成するニッケルリチウム金属複合酸化物を製造した。
(ニッケルリチウム金属複合酸化物の調製)硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを溶解させた水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、生じた沈殿を濾過、洗浄、乾燥した。水酸化ニッケル−水酸化コバルト共沈物が得た。得られた水酸化ニッケル−水酸化コバルト共沈物に水酸化リチウムと水酸化アルミニウムを粉体で混合し焼成原料を得た。この焼成原料を酸素気流中、780℃で焼成した。LiNi0.825、Co0.155、Al0.02で表されるニッケルリチウム金属複合酸化物が得られた。
[実施例1]
焼成後のニッケルリチウム金属複合酸化物150gを秤量した。これに対して0.25モル%に相当する硝酸コバルトを含む硝酸コバルト六水和物を、50mlエタノール溶液に溶解し、硝酸コバルトのエタノール溶液を調整した。ニッケルリチウム金属複合酸化物と上記硝酸コバルトのエタノール溶液を混合し、80℃で1時間加熱した。液状成分が揮発して混合物が粉状になってから、温度80℃において混合物を2時間乾燥した。乾燥された混合物を酸素ガス中、750℃で4時間焼成した。本発明の正極活物質を得た。
[実施例2]
焼成後のニッケルリチウム金属複合酸化物に対して1モル%に相当する硝酸コバルトを含む硝酸コバルト六水和物を用いた点以外は実施例と同じ条件で、本発明の正極活物質を得た。
[実施例3]
焼成後のニッケルリチウム金属複合酸化物に対して4モル%に相当する硝酸コバルトを含む硝酸コバルト六水和物を用いた点以外は実施例と同じ条件で、本発明の正極活物質を得た。
[比較例1]
被覆前のニッケルリチウム金属複合酸化物を比較用の正極活物質とした。
[比較例2]
(酸化ジルコニウム被覆正極活物質の製造)焼成後のニッケルリチウム金属複合酸化物150gと、これに対して4モル%に相当する酸化ジルコニウムを含む酸化ジルコニウム水ゾル150gを混合した。混合物をろ過し、得られた固形物を90℃に保ち、8時間乾燥した。乾燥された混合物を酸素ガス中、750℃で4時間焼成した。酸化ジルコニウムで表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物が得られた。
[比較例3]
(アルミナ被覆正極活物質の製造)焼成後のニッケルリチウム金属複合酸化物150gと、これに対して5モル%に相当するアルミナを混合した。混合物を酸素ガス中、700℃で4時間焼成した。アルミナで表面が被覆されたニッケルリチウム金属複合酸化物が得られた。
実施例、比較例で得られた正極活物質の環境暴露に対する耐性を以下の方法で評価した。
(暴露試験)正極活物質を、相対湿度58%、30℃に保たれた空気恒温槽内に72時間暴露した。暴露前後の、正極活物質の総水分量と炭酸イオン含有量の変化を測定した。暴露前後の正極活物質の総水分量の変化を表1に示す。暴露前後の正極活物質の炭酸イオン含有量の変化を表2に示す。
Figure 0006449594

表1に示すように、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されている実施例1,2,3は、比較例1,2,3に比べ総水分量の変化が少ない。すなわち、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されることにより、外気中の水分によるニッケルリチウム金属複合酸化物を含む正極活物質の性能劣化が起こりにくい。
Figure 0006449594

表2に示すように、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されている実施例1,2,3は、比較例1,2,3に比べ炭酸イオン量の変化が少ない。すなわち、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されることにより、外気中の炭酸ガスによるニッケルリチウム金属複合酸化物を含む正極活物の性能劣化が起こりにくい。
実施例、比較例で得られた正極活物質の初期電気特性を以下の方法で評価した。
(初期電気特性)実施例、比較例の正極活物質を、上記暴露条件に置かず、ただちにそれらの充電容量、放電容量、充放電効率を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006449594

表3に示すように、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されている実施例1,2,3は、比較例1,2と同等かあるいはそれを上回る充放電効率を示す。すなわち、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されても、ニッケルリチウム金属複合酸化物を含む正極活物質の初期電気特性は損なわれないか、あるいは向上する。
実施例、比較例で得られた正極活物質の環境暴露による電気特性の変化を以下の方法で評価した。
(環境暴露を経た電気特性)正極活物質を相対湿度50%、25℃に保たれた空気恒温槽内に7日間暴露した。暴露前後の充電容量、放電容量、充放電効率を測定し、比較した。評価結果を表4に示す。
Figure 0006449594
表4に示すように、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されている実施例1では、環境暴露後にも関わらず充放電効率が向上している。これに対して被覆していない比較例1では、環境暴露後の充放電効率は低下している。すなわち、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆すると、ニッケルリチウム金属複合酸化物を含む電気特性は環境暴露により損なわれることはない。
さらに、実施例、比較例について、以下の方法で熱安定性を評価した。評価結果を表5に示す。
(熱安定性)前述の初期電気特性の評価で用いた方法に準じた方法で正極活物質を充電し、その示差走査熱量分析を行った。示差走査熱量の測定には日立ハイテクサイエンス社製 DSC−7020 示差走査熱量計を用いた。
Figure 0006449594
表5に示すように、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆されている実施例1,2,3では、被覆していない比較例1に比べて発熱量は小さい。すなわち、ニッケルリチウム金属複合酸化物の表面が硝酸コバルト由来のコバルト化合物で被覆すると、ニッケルリチウム金属複合酸化物を含む正極活物質の発熱量が低減される。
本発明は、初期電気特性、安全性、耐久性に優れるリチウムイオン電池の製造に貢献する。本発明の正極活物質を用いて、より小型の電子機器や、蓄電設備や車両などのより高い安全性と耐久性が求められる工業製品に用いられるリチウムイオン電池が提供されることが、期待される。

Claims (13)

  1. 以下の一般式 (1)で表されるニッケルリチウム金属複合酸化物の表面にコバルト化合物が被覆されたものであり、上記コバルト化合物は硝酸コバルトのエタノール溶液に上記ニッケルリチウム金属複合酸化物を混合し、得られた混合物を乾燥、次いで焼成することにより生成したものである、リチウムイオン電池用正極活物質。
    Figure 0006449594

    (ただし式(1)中、Mは、Co,Mn,Fe、Cuから選ばれる1つ以上の金属元素であり、
    NはAl、W、Ta、Bから選ばれる1つ以上の金属元素であり、
    0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.005<z<0.10である。)
  2. 一般式(1)におけるMがCoである、請求項1に記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
  3. 一般式(1)におけるNがAlであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
  4. 一般式(1)におけるMがCoであり、かつ、NがAlであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
  5. ニッケルリチウム金属複合酸化物に対して0.1〜10.0モル%のコバルト化合物で表面が被覆されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
  6. コバルト化合物が硝酸コバルト由来であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質を用いることを特徴とする、リチウムイオン電池用正極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン電池用正極を備えることを特徴とする、リチリウムイオン電池。
  9. 以下の一般式(1)で表されるニッケルリチウム金属複合酸化物の表面にコバルト化合物を被覆する工程を含み、上記被覆する工程では硝酸コバルトのエタノール溶液に上記ニッケルリチウム金属複合酸化物を混合し、得られた混合物を乾燥、次いで焼成する、リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
    Figure 0006449594

    (ただし式(1)中、Mは、Co,Mn,Fe、Cuから選ばれる1つ以上の金属元素であり、NはAl、W、Ta、Bから選ばれる1つ以上の金属元素であり、
    0.90<x<1.10、0.01<y<0.15、0.01<z<0.10である。)
  10. 一般式(1)におけるMがCoであることを特徴とする、請求項9に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
  11. 一般式(1)におけるNがAlであることを特徴とする、請求項9または10に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
  12. 一般式(1)における一般式(1)におけるMがCoであり、かつ、NがAlであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
  13. ニッケルリチウム金属複合酸化物に対して0.1〜10.0モル%のコバルト化合物で表面を被覆することを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
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