JP6338083B2 - 車両用ブレーキシステム - Google Patents
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Description
特許文献1の入力装置において、ブレーキ操作子には、ストロークセンサが接続されている。ストロークセンサは、ブレーキ操作子の操作量となる実ストローク量(原位置からの踏み込み量)を検出する。検出された操作量は、電気信号に変換されてモータを駆動源とするピストンによってブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置等に出力される。
また、ブレーキシステム用入力装置によれば、操作者のブレーキ操作による入力をハウジング内のストロークセンサで検出することができる。また、ストロークセンサにより検出された操作量の検出信号は、制御基板に直接入力される。このように、本発明では、ストロークセンサが基体に取り付けられたハウジング内に備わるため、ストロークセンサを有しながらも基体の小型化が可能となり、車両に搭載するためのスペースを確保し易いという利点が得られる。
また、ブレーキシステム用入力装置にストロークセンサが備わることで、ストロークセンサがブレーキシステム用入力装置と別体に構成される場合に比べて、ストロークセンサの設置および信号線の配索を必要としないため、ブレーキシステム用入力装置を車両に搭載するときの組み付け工数が少なくなるとともに、部品点数を少なくして製造コストの低減を図ることができる。
また、ハウジング内においてサブ基板の取付位置を調節することにより、マスタシリンダ側に備わる被検出部材との相対的な位置関係を容易に調節することができる。このことは、検出精度の向上に寄与する。
本実施形態では、本発明のブレーキシステム用入力装置(以下、「入力装置」という)を、図1に示す車両用ブレーキシステムAに適用した場合を例として説明する。
図1に示すように、車両用ブレーキシステムAは、原動機(エンジンや電動モータ等)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものである。
車両用ブレーキシステムAは、エンジン(内燃機関)のみを動力源とする自動車のほか、モータを併用するハイブリッド自動車やモータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車等にも搭載することができる。
なお、以下の説明における各方向は、入力装置1を説明する上で便宜上設定したものであるが、本実施形態においては、入力装置1を車両に搭載したときの方向と概ね一致している。
第二シリンダ穴31は、第一シリンダ穴21の左側方に配置された有底円筒状の穴であり(図2参照)、基体10の後面10cに開口している。第二シリンダ穴31の軸線L2は、第一シリンダ穴21の軸線L1に平行である。
第三シリンダ穴41は、第一シリンダ穴21の下方に配置された有底円筒状の穴であり、収容溝10hの底面に開口している。第三シリンダ穴41の軸線L3は、第一シリンダ穴21の軸線L1に平行である。
マグネット65は、円筒状を呈しており、第一ピストン23の後面と球状先端部28cと前記止め輪29とにより囲われて形成される空間内に保持されている。これによりマグネット65は、第一ピストン23の摺動とともに、第一シリンダ穴21の軸線L1に沿って前後方向に移動する。
なお、ブーツ27の前端部27bは、シリンダ延出部10gに形成された周溝10rに係合されている。
リザーバユニオンポート17の底面には、第一シリンダ穴21の内周面に通じている連通穴17aが開口している。
また、リザーバ26の給液管26bにはメインリザーバ(図示せず)から延ばされたホース26c(図1参照)が連結されている。
モータシリンダ40の第一圧力室41cは、後記する第一連絡液圧路14aを介して、第一メイン液圧路11aに通じている。
モータシリンダ40の第二圧力室41dは、後記する第二連絡液圧路14bを介して、第二メイン液圧路11bに通じている。
モータ46の前端面は、基体10のモータ取付部10iの後面に取り付けられている。出力軸46aは挿通穴10jに挿通され、収容溝10h内に突出している。出力軸46aの前端部には、平歯車である駆動ギア46bが取り付けられている。
モータ46は、基体10の下面10eの直下に配置され、基体10の最下部(モータ取付部10i)に取り付けられている。また、出力軸46aの軸線L4は、軸線L3に平行である。
駆動伝達部47は、開口部41b側の第三ピストン43に当接しているロッド47aと、ロッド47aを取り囲むように配置された平歯車である従動ギア47cと、を備えている。
ロッド47aと従動ギア47cとは、図示しないボールねじ機構を介して連結されている。また、従動ギア47cは、出力軸46aの駆動ギア46bに噛み合っている。
したがって、出力軸46aが回転すると、その回転駆動力が駆動ギア46bおよび従動ギア47cに入力される。そして、ボールねじ機構を介して、ロッド47aに直線方向の軸力が付与され、ロッド47aが前後方向に進退移動する。
ロッド47aが後方に移動したときには、両第三ピストン42,43がロッド47aからの入力を受けて第三シリンダ穴41内を摺動し、両圧力室41c,41d内のブレーキ液を加圧する。
このようなストロークセンサ60は、マグネット65の前後方向の移動を検出することで、第一ピストン23の摺動ストロークを検出する。
なお、ストロークセンサ60は、図2において、基体10の右側面10a1に近接するものを示したが、右側面10a1との間に所定の隙間を設けてもよい。
また、ストロークセンサ60は、基体10と第一ピストン23の周壁を挟んでマグネット65に対向するものを示したが、これに限られることはなく、例えば、ブレーキペダルPが踏み込まれていないマスタシリンダ20の初期位置において対向していなくてもよい。
なお、図示は省略するが、液圧制御装置2は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための電子制御装置等を備えている。
二つのメイン液圧路11a,11bは、図1に示すように、マスタシリンダ20の第一シリンダ穴21を起点とする液圧路である。
第一メイン液圧路11aは、マスタシリンダ20の第一圧力室21cに通じている。また、第二メイン液圧路11bは、マスタシリンダ20の第二圧力室21dに通じている。両メイン液圧路11a,11bの終点である二つの出力ポート16には、液圧制御装置2に至る配管Ha,Hbが連結されている。
第一切換弁15aは、第一メイン液圧路11aの下流側(出力ポート16側)を、第一メイン液圧路11aの上流側(マスタシリンダ20側)または第一連絡液圧路14aに連通させる三方向電磁弁であり、後記する電子制御装置50によって連通状態が切り換わる。
第二切換弁15bは、第一切換弁15aと同様な三方向電磁弁であり、第二メイン液圧路11bの下流側を、第二メイン液圧路11bの上流側または第二連絡液圧路14bに連通させる。
第二圧力センサ18bは、第二切換弁15bよりも下流側に配置されており、第二切換弁15bによって、第二メイン液圧路11bの下流側と第二連絡液圧路14bとが通じた状態にあるときには、モータシリンダ40で発生したブレーキ液圧を検知する。
車両用ブレーキシステムAでは、車両のイグニッションスイッチがONになったり、ブレーキペダルPが僅かに操作されたことをストロークセンサ60が検知したりすると、図1に示すように、第一切換弁15aにより、第一メイン液圧路11aの上流側と下流側とが遮断されるとともに、第一メイン液圧路11aの下流側と第一連絡液圧路14aとが連通される。また、第二切換弁15bにより、第二切換弁15bの上流側と下流側とが遮断されるとともに、第二メイン液圧路11bの下流側と第二連絡液圧路14bとが連通される。また、常閉型電磁弁13は開弁する。
電子制御装置50は、モータシリンダ40から出力されたブレーキ液圧(第二圧力センサ18bで検知されたブレーキ液圧)と、マスタシリンダ20から出力されたブレーキ液圧(第一圧力センサ18aで検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいてモータ46の回転数等を制御する。このようにして、入力装置1ではブレーキペダルPの操作量に応じてブレーキ液圧を発生させる。
また、入力装置1にストロークセンサ60が備わることで、ストロークセンサ60が入力装置1と別体に構成される場合に比べて、ストロークセンサ60の設置および信号線の配索を必要としないため、入力装置1を車両に搭載するときの組み付け工数が少なくなるとともに、部品点数を少なくして製造コストの低減を図ることができる。
図3を参照して第2実施形態の入力装置について説明する。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、制御基板52がメイン基板53と、メイン基板53と階層上に配置されたサブ基板54とから構成されており、ストロークセンサ60がサブ基板54に配置されて(実装されて)いる点である。サブ基板54は、メイン基板53と基体10との間に配置されている。
なお、ストロークセンサ60は、図3において、基体10の右側面10a1に近接するものを示したが、右側面10a1との間に隙間を設けてもよい。
また、ストロークセンサ60は、基体10と第一ピストン23の周壁を挟んでマグネット65に対向するものを示したが、これに限られることはなく、例えば、ブレーキペダルPが踏み込まれていないマスタシリンダ20の初期位置において対向していなくてもよい。
マグネット65は、第1実施形態のものと同様に、第一ピストン23の内側において、球状先端部28cの周囲に配置されている。
また、ハウジング51内においてサブ基板54の取付位置を調節することにより、マスタシリンダ20側に備わるマグネット65との相対的な位置関係を容易に調節することができる。このことは、検出精度の向上に寄与する。
前記各実施形態において、マグネット65は、第一ピストン23の大気側に設けられるものを示したが、第一ピストン23と一体的に保持されていればこれに限定されない。例えば、第一ピストン23の外周面に周溝を設けてマグネットを配置してもよい。
2 液圧制御装置
10 基体
20 マスタシリンダ
40 モータシリンダ
51 ハウジング
51a 側壁
52 制御基板
53 メイン基板
54 サブ基板
55 バスバー
50 電子制御装置
60 ストロークセンサ
65 マグネット(被検出部材)
A 車両用ブレーキシステム
P ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
Claims (4)
- 操作者のブレーキ操作が入力されるブレーキシステム用入力装置を備えた車両用ブレーキシステムであって、
前記ブレーキシステム用入力装置は、
基体と、
前記基体に設けられ、ブレーキ操作子に連結されたピストンによってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、
前記基体に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジング内に収容される制御基板と、
前記制御基板に搭載され、前記ピストンの摺動ストロークを検出するためのストロークセンサと、
前記ピストンに取り付けられ、前記ストロークセンサにより検出される被検出部材と、
を具備しており、
前記ストロークセンサで検出された電気信号に基づいてモータを駆動してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダを備えたことを特徴とする車両用ブレーキシステム。 - 前記制御基板は、メイン基板とサブ基板とからなり、
前記サブ基板に前記ストロークセンサが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキシステム。 - 前記メイン基板と、前記サブ基板とは、前記ハウジングの側壁に埋設されたバスバーで接続されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキシステム。
- 前記ストロークセンサは、前記制御基板のうち前記基体に対向する面に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキシステム。
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