JP6332663B2 - 2輪倒立振子型車両 - Google Patents
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Description
請求項5記載の発明は、前記第1旋回制御手段は、前記一方のジンバル軸を回動させる速度を、前記回転角センサによって検出される回転角の時間微分値である操舵角速度または操舵角速度の時間微分値である操舵角加速度に応じて制御する手段(52A)を含み、前記第2旋回制御手段は、前記他方のジンバル軸を回動させる速度を、前記回転角センサによって検出される回転角の時間微分値である操舵角速度または操舵角速度の時間微分値である操舵角加速度に応じて制御する手段(52A)を含む、請求項4に記載の2輪倒立振子型車両である。
請求項7記載の発明は、前記第1旋回制御手段は、前記一方のジンバル軸を回動させる速度を、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて制御する手段(52A)を含み、前記第2旋回制御手段は、前記他方のジンバル軸を回動させる速度を、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて制御する手段を含む、請求項6に記載の2輪倒立振子型車両である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る2輪倒立振子型車両の外観を図解的に示す斜視図である。
2輪倒立振子型車両1は、運転者が搭乗する車体(ステップベース)2と、車体2に回転自在に支持された左車輪3および右車輪4と、左車輪3および右車輪4をそれぞれ回転駆動する左車輪駆動モータ5(図4参照)および右車輪駆動モータ6(図4参照)と、車体2に取り付けられたハンドルポスト7と、ハンドルポスト7の上端に固定されたハンドル8と、ハンドル8の左端部および右端部にそれぞれ取り付けられた左側押ボタン9および右側押ボタン10とを含む。
図2および図3を参照して、第1フライホイール装置20は、第1回転軸21を中心に平面視で反時計方向に回転駆動されるフライホイール本体22と第1回転軸21を回転自在に支持する第1ハウジング(支持体)23とを有する第1フライホイール24を含んでいる。第1フライホイール本体22は、図2および図3には図示されていない第1フライホイール駆動モータ(第1FW駆動モータ)25(図4参照)によって回転駆動される。
制御装置40には、車輪速センサ11,12、前後傾きセンサ13、左側押ボタン9、右側押ボタン10等の出力信号が入力される。
制御装置40は、マイクロコンピュータ41と、マイクロコンピュータ41によって制御される複数の駆動回路42〜49とを含んでいる。複数の駆動回路42〜49には、左車輪駆動モータ5の駆動回路42、右車輪駆動モータ6の駆動回路43、第1フライホイール駆動モータ(第1FW駆動モータ)25の駆動回路44、第1拘束機構27のアクチュエータの駆動回路45、第1ジンバル軸回動用モータ28の駆動回路46、第2フライホイール駆動モータ(第2FW駆動モータ)35の駆動回路47、第2回拘束機構37のアクチュエータの駆動回路48および第2ジンバル軸回動用モータ38の駆動回路49が含まれている。
安定化制御部51は、車体2が前後方向に倒れないように安定化制御を行うものである。具体的には、安定化制御部51は、車輪速センサ11,12によって検出される各車輪3,4の車輪速および前後傾きセンサ13によって検出される前後傾き角およびその角速度に基いて、車体2が前後方向に倒れないように安定化させるのに必要な駆動トルクを演算する。そして、安定化制御部51は、各車輪駆動用モータ5,6の出力トルクが、演算された駆動トルクと等しくなるように、これらのモータ5,6の駆動回路42,43を制御する。これにより、運転者が自身の重心を前にずらすことによって前進走行ができ、自身の重心を後ろにずらすことによって後進走行ができる。このような安定化制御は、たとえば、特許文献3に開示されているように、よく知られている制御である。
図5A〜図5Cを参照して、旋回制御部52による旋回制御の考え方について説明する。
図6Aを参照して、旋回制御部52は、左側押しボタン9がオンか否かを判定する(ステップS1)。左側押しボタン9がオフであれば(ステップS1:NO)、旋回制御部52は、「第1フライホイール定常制御処理(第1FW定常制御処理)」を行う(ステップS2)。次に、旋回制御部52は、右側押しボタン10がオンか否かを判別する(ステップS3)。右側押しボタン10がオフであれば(ステップS3:NO)、旋回制御部52は、「第2フライホイール定常制御処理(第2FW定常制御処理)」を行う(ステップS4)。そして、旋回制御部52は、今演算周期での処理を終了する。
前記ステップS1において、左側押しボタン9がオンであると判別されたときには(ステップS1:YES)、旋回制御部52は、右側押しボタン10がオンか否かを判別する(ステップS6)。右側押しボタン10がオフであれば(ステップS6:NO)、旋回制御部52は、「第1フライホイール定常制御処理」を行った後(ステップS7)、左旋回制御処理を行う(ステップS8)。左旋回制御処理については、後述する。この後、旋回制御部52は、今演算周期での処理を終了する。
左旋回制御処理では、旋回制御部52は、まず、第1回転軸21のZ方向軸に対する傾斜角度が所定の閾値より小さいか否かを判別する(ステップS11)。この閾値は、たとえば、20degに設定される。この判別は、具体的には、第1ジンバル軸26の基準回転角度位置からの回転量が所定回転量より小さいか否かに基いて判別される。
右旋回制御処理では、旋回制御部52は、まず、第2回転軸31のZ方向軸に対する傾斜角度が所定の閾値より小さいか否かを判別する(ステップS21)。この閾値は、たとえば、20degに設定される。この判別は、具体的には、第2ジンバル軸36の基準回転角度位置からの回転量が所定回転量より小さいか否かに基いて判別される。
この2輪倒立振子型車両1Aでは、第1実施形態のような左側押しボタン9および右側押しボタン10は設けられていない。この2輪倒立振子型車両1Aでは、ハンドルポスト7は、車体2に回転自在に支持されている。図示しないが、車体2には、ハンドルポスト7を中立位置(ハンドル8がY方向と平行となる位置)に付勢する付勢機構が設けられている。また、車体2内には、ハンドル8の操舵方向を検出するために、ハンドルポスト7の回転角および回転方向(以下、「操舵方向」という)を検出する回転角センサ14が設けられている。また、この2輪倒立振子型車両1Aでは、旋回制御方法が、第1実施形態と異なっている。
制御装置40A内のマイクロコンピュータ41Aは、安定化制御部51と旋回制御部52Aとを含んでいる。安定化制御部51は、第1実施形態の安定化制御部51と同様である。旋回制御部52Aには、回転角センサ14によって検出されるハンドルポスト7の回転角および操舵方向が入力する。
旋回制御部52Aは、回転角センサ14によって検出されたハンドルポスト7の回転角および操舵方向を取得する(ステップS31)。そして、旋回制御部52Aは、操舵方向が左方向であるか否かを判別する(ステップS32)。操舵方向が左方向でなければ(ステップS32:NO)、旋回制御部52Aは、「第1フライホイール定常制御処理(第1FW定常制御処理)」を行う(ステップS33)。
前記ステップS34において、操舵方向が右方向であると判別されたときには(ステップS34:YES)、旋回制御部52Aは、右旋回制御処理を行った後(ステップS36)、今演算周期での処理を終了する。右旋回制御処理は、前述の図6Cを用いて説明した右旋回制御処理と同様である。ただし、第2実施形態においては、図6CのステップS22において、ハンドルポスト7の回転角の時間微分値である操舵角速度(ハンドルポスト7の回転角の時間的変化量)または操舵角速度の時間微分値である操舵角加速度に応じて、第2ジンバル軸36の回転量を変化させるようにしてもよい。具体的には、操舵角速度または操舵角加速度が大きいほど、その演算周期における第2ジンバル軸36の回転量を大きくする。これにより、操舵角速度または操舵角加速度が大きいほど、第2ジンバル軸36を回動させる速度(第2回転軸31を傾斜させる速度)が速くなるので、操舵角速度または操舵角加速度に応じて旋回速度を制御できるようになる。
また、図6BのステップS12において、操舵トルクの大きさ(絶対値)、操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度(操舵トルクの時間的変化量)または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて、第1ジンバル軸26の回転量を変化させるようにしてもよい。同様に、図6CのステップS22において、操舵トルクの大きさ(絶対値)、操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度(操舵トルクの時間的変化量)または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて、第2ジンバル軸36の回転量を変化させるようにしてもよい。
この2輪倒立振子型車両1Bでは、左車輪3と右車輪4とは、前後方向位置がずれて配置されている。この実施形態では、左車輪3が車体2の前寄りの位置に取り付けられ、右車輪4が車体2の後寄りの位置に取り付けられている。
この2輪倒立振子型車両1Bでは、車体2に対する左車輪3の前後方向位置が右車輪4の前後方向位置より前側にあるため、両車輪3,4が同じ回転速度で回転した場合には、車体2は図11の矢印Aで示すように右方向に旋回する。そこで、図11の矢印Bで示すように、フライホール装置20によって車体2を左方向に旋回させるためのジャイロモーメントを発生させることにより、車体2を直進させることができる。
車体2を左方向に旋回させる場合には、フライホール装置20の第1ジンバル軸回動用モータ28を回転駆動させて第1ジンバル軸26を前方に向かって反時計方向に回動させることにより、図5Bに示すように第1回転軸21をZ方向軸に対して傾斜させる。これにより、フライホイール装置20によるジャイロモーメントが増大するので、車体2は左方向に旋回する。
また、次のような旋回制御を行うことも可能である。
車体2を左方向に旋回させる場合には、フライホール装置20の第1ジンバル軸回動用モータ28を回転駆動させて第1ジンバル軸26を前方に向かって反時計方向に回動させることにより、第1回転軸21のZ方向軸に対する傾斜角を増大させる。これにより、フライホイール装置20によるジャイロモーメントが増大するので、車体2は左方向に旋回する。
Claims (7)
- 車体が前後方向に倒れないよう前記車体を安定化させるための機構を有する2輪倒立振子型車両であって、
第1回転軸を中心に所定の第1回転方向に回転駆動される第1フライホイール本体および前記第1回転軸を回転自在に支持する第1支持体を含む第1フライホイールと、
前記第1支持体に固定されており、前記第1回転軸と直交しかつ前記車体の前後方向に延び、前記車体に回転自在に支持された第1ジンバル軸と、
前記第1ジンバル軸の前記車体に対する回転を拘束するための第1拘束手段と、
第2回転軸を中心に前記第1回転方向とは反対方向の第2回転方向に回転駆動される第2フライホイール本体および前記第2回転軸を回転自在に支持する第2支持体を含む第2フライホイールと、
前記第2支持体に固定されており、前記第2回転軸と直交しかつ前記車体の前後方向に延び、前記車体に回転自在に支持された第2ジンバル軸と、
前記第2ジンバル軸の前記車体に対する回転を拘束するための第2拘束手段と、
前記第1ジンバル軸または前記第2ジンバル軸を旋回方向に応じて選択的に回動させることにより、前記車体を旋回させる旋回手段と、を含む2輪倒立振子型車両。 - 前記旋回手段は、
左旋回指令を入力するための第1入力手段と、
右旋回指令を入力するための第2入力手段と、
前記第1ジンバル軸を回動させるための第1電動モータと、
前記第2ジンバル軸を回動させるための第2電動モータと、
常時は、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸の回転を、それぞれ前記第1拘束手段および前記第2拘束手段によって拘束させる手段と、
前記第1入力手段によって左旋回指令が入力され、前記第2入力手段によって右旋回指令が入力されていないときには、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸のうちの所定の一方のジンバル軸を、それに対応する電動モータによって所定の第3回転方向に回動させる手段と、
前記第2入力手段によって右旋回指令が入力され、前記第1入力手段によって左旋回指令が入力されていないときには、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸のうちの他方のジンバル軸を、それに対応する電動モータによって前記第3回転方向と反対方向の第4回転方向に回動させる手段と、を含む請求項1に記載の2輪倒立振子型車両。 - 前記車体に回転自在に取り付けられ、上部にハンドルが設けられたハンドルポストと、
前記ハンドルの操舵方向を検出する操舵方向検出手段とをさらに含み、
前記旋回手段は、
前記第1ジンバル軸を回動させるための第1電動モータと、
前記第2ジンバル軸を回動させるための第2電動モータと、
常時は、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸の回転を、それぞれ前記第1拘束手段および第2拘束手段によって拘束させる手段と、
前記操舵方向検出手段によって検出された操舵方向が左操舵方向であるときには、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸のうちの所定の一方のジンバル軸を、それに対応する電動モータによって所定の第3回転方向に回動させる第1旋回制御手段と、
前記操舵方向検出手段によって検出された操舵方向が右操舵方向であるときには、前記第1ジンバル軸および前記第2ジンバル軸のうちの他方のジンバル軸を、それに対応する電動モータによって前記第3回転方向と反対方向の第4回転方向に回動させる第2旋回制御手段と、を含む請求項1に記載の2輪倒立振子型車両。 - 前記操舵方向検出手段が、前記ハンドルポストの回転角および回転方向を検出するための回転角センサである、請求項3に記載の2輪倒立振子型車両。
- 前記第1旋回制御手段は、前記一方のジンバル軸を回動させる速度を、前記回転角センサによって検出される回転角の時間微分値である操舵角速度または操舵角速度の時間微分値である操舵角加速度に応じて制御する手段を含み、
前記第2旋回制御手段は、前記他方のジンバル軸を回動させる速度を、前記回転角センサによって検出される回転角の時間微分値である操舵角速度または操舵角速度の時間微分値である操舵角加速度に応じて制御する手段を含む、請求項4に記載の2輪倒立振子型車両。 - 前記操舵方向検出手段が、前記ハンドルに加えられる操舵トルクを検出するためのトルクセンサである、請求項3に記載の2輪倒立振子型車両。
- 前記第1旋回制御手段は、前記一方のジンバル軸を回動させる速度を、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて制御する手段を含み、
前記第2旋回制御手段は、前記他方のジンバル軸を回動させる速度を、前記トルクセンサによって検出される操舵トルクの時間微分値である操舵トルク変化速度または操舵トルク変化速度の時間微分値である操舵トルク変化加速度に応じて制御する手段を含む、請求項6に記載の2輪倒立振子型車両。
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