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JP6331275B2 - カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置 Download PDF

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JP6331275B2 JP2013135713A JP2013135713A JP6331275B2 JP 6331275 B2 JP6331275 B2 JP 6331275B2 JP 2013135713 A JP2013135713 A JP 2013135713A JP 2013135713 A JP2013135713 A JP 2013135713A JP 6331275 B2 JP6331275 B2 JP 6331275B2
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Description

本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板と、該基板を用いた有機EL表示装置に関し、特に、白色発光タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板に関する。
近年、有機EL表示装置は、自己発光性であるために視認性が優れ、バックライトが不要なため、薄く、軽くでき、構造が簡単で低コスト化が期待でき、動画表示にも適していることから、液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置に続くフラットなディスプレイ装置(フラットパネルとも言う)として、研究開発、商品化が進められている。
そして、通常、白色発光の有機EL素子(有機発光素子、有機EL発光素子とも言う)を用いた白色発光タイプの有機EL表示装置としては、図13(a)に示すように、表示の高色純度と高輝度を両立するために、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層を配した画素(着色画素とも言う)のほかに、高い光透過性の高光透過画素を備えた形態が採られている。
尚、高光透過画素には、通常、着色していない樹脂層や、R、G、Bの各色を併せた色に合わせて若干着色してある樹脂層を配しているが、このような高光透過画素をWHITE画素と言い、WHITE画素に配置されている樹脂層をWHITE層と言う。
また、図13(b)に示すように、上記白色発光タイプの有機EL表示装置の前面(観察者側)に円偏光板130を設け、外部入射光の反射を低減する形態も採られている。
あるいはまた、図13(c)に示すように、WHITE画素に相当する領域に着色材が分散された感光性樹脂からなる層を配し、これを透過率調整部113WAとして、外光の入射や、入射された外光の、有機EL素子が有する電極及び金属配線での反射を調整する形態も採られている。(特許文献3参照)
図13(a)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、97%程度である。
図13(b)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、0.1%程度で、表示の明るさは、図13(a)に示す形態の有機EL表示装置の40%程度である。
図13(b)に示す有機EL表示装置の場合、透過率調整部113WAにより、外光の入射や、入射された外光の、有機EL素子が有する電極及び金属配線での反射を調整することができるが、外光の反射低減が不十分であり、反射ムラが見え易い。
尚、有機EL表示装置は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置とも言われ、表示装置は、表示パネルとも言われる。
このように、白色発光の有機EL素子を用いた白色発光タイプの有機EL表示装置には種々の形態があり、いずれの形態も、各画素毎に白色発光の有機EL素子を対応して配し、各画素毎にTFT素子により制御駆動しているが、いずれの形態の場合も、表示装置の高精細化に伴い、ある画素領域についてみると、その画素領域の着色層に、隣接する画素を表示するための有機EL素子からの白色光が直接入り込み、あるいは、隣接する画素を表示するための有機EL素子からの白色光が該隣接する画素のカラーフィルタ用の着色層を通過して入り込み、これらが原因で、見る方向によって、表示される画像の色シフトや混色が発生していた。
これは、表示装置を高精細化した場合、画素サイズ(ピクセルサイズ)が小さくなるため、カラーフィルタ形成基板の各色の着色層の画素領域を区分けするブラックマトリクスとも呼ばれる遮光層の幅を一定にすると画素開口率が大幅に低下するため、遮光層の幅をできるだけ細くし、開口率を確保してするようにしていることと、有機EL素子からの光が、全て、カラーフィルタ形成基板に対して、その基材面に直交する方向に入射するのではなく、入射する角度に広がりをもっていることに、起因している。
尚、ある画素を表示するための有機EL素子からの白色光が、該画素のカラーフィルタ用の着色層を通過して、隣接する画素の着色層に入り込む場合には、2つの着色層の可視領域での透過特性により、ほとんど吸収されるため、特に、ある画素を表示するための有機EL素子からの白色光が、直接、隣接する画素の着色層に入り込むことが、表示される画像の色シフトや混色に大きく影響をしている。
そして、表示の高精細、高品質化の要求に伴い、各画素については、隣接する画素の有機EL素子から光の入り込みが、品質上、無視できなくなってきた。
図13に示す各表示装置120、120a、120bの場合、発光する有機EL素子の光を効率的に取り出すために、有機EL素子を配した有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板との間に、絶縁性樹脂からなる接着剤層(例えば、光学接着剤、紫外線硬化樹脂、光学弾性樹脂などによって構成されるもので、図13の114に相当する)を配して、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを貼り合わせて、有機EL表示装置を形成している。
これは、上記接着剤を不活性ガスと置き換えた中空構造の場合に比べて、光の直進性が良くなり、光の取り出し効率が良くなるためである。
しかし、上記接着剤としては、溶剤分を含まないことが要求され、粘度が高い無溶剤接着剤が用いられるため、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、上記接着剤を介して貼り合わせする際に、気泡が生じることがあり、該気泡が原因で表示にムラが発生することにより、貼り合わせ工程での歩留まり低下させていた。
特開2008−47340号公報 特開2002−377776号公報 特願2011−047924
上記のように、白色発光タイプの有機EL表示装置においては、特に、表示の高精細、高品質化の要求に伴い、品質上、各画素については、隣接する画素の有機EL素子からの光の入り込みが、無視できなくなってきて、この対応が求められていた。
また、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、接着剤を介して貼り合わせする際に、気泡が生じることがあり、該気泡が原因で表示にムラが発生するという問題もあり、この対応も求められていた。
本発明は、これらに対応するもので、白色発光タイプの有機EL表示装置において、各画素についての隣接する画素の有機EL素子からの光の入り込みに起因する、表示される画像の色シフトや混色を防止あるいは抑制でき、更に、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、接着剤を介して貼り合わせする際に発生する気泡に起因する表示のムラをなくすことができる、白色発光タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板を提供しようとするものである。
また、そのようなカラーフィルタ形成基板を用いた白色発光タイプの有機EL表示装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板は、透明基板からなる基材の一面上に、カラーフィルタ用の各色の着色層を、各色それぞれ、所定の画素領域に配し、且つ、画素区分用遮光領域に遮光層を配して画素領域を区分けしている白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であって、前記基材から最も離れた前記遮光層の面の位置を、前記着色層の基材側ではない面よりも、前記基材から離れた位置とし、前記着色層及び前記遮光層を覆うように透明な平坦化層を配設していることを特徴とする。
請求項2の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、着色層同士を離間して、前記各着色層を配しているものであり、前記遮光層は、1層の遮光性層からなる構造で、前記基材の一面に接して、前記平坦化層側に形成され、前記各画素領域から延設された着色層同士が離間した部分を埋めているものであることを特徴とする。
尚、ここでの「1層の遮光性層からなる構造」とは、遮光性層全体が、連続した1層形態である層構造で、且つ、同材料からなることを意味している。
請求項3の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項2に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記遮光層の前記各着色層よりも前記基材から離れた部分の幅は、着色層同士が離間した部分を埋めている遮光部の幅よりも広いことを特徴とする。
請求項4の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記画素区分用遮光領域には、隣接する画素のカラーフィルタ用の各色の着色層がそれぞれ延設され、隙間なく配設されており、前記遮光層は、1層の遮光性層からなる構造で、前記着色層の前記基材でない面に接して、前記平坦化層側に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記遮光層は、第1の遮光性層と第2の遮光性層とを、前記基材に直交する方向において離して設けた2層の遮光性層からなる構造であり、前記基材の一面に接して、第1の遮光性層を配設し、該第1の遮光層を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、前記画素区分用遮光領域内において隙間なく配しているものであり、且つ、前記画素区分用遮光領域の各色の着色層の前記基材側でない面に接して、前記平坦化層側に、第2の遮光性層を配設していることを特徴とする。
請求項6の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項5に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記第2の遮光性層は、青色顔料を含む着色層からなることを特徴とする。 請求項7の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項6に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記青色顔料を含む着色層は、カラーフィルタ用の青色着色層と同じものであることを特徴とする。
尚、ここでの「2層の遮光性層からなる構造」とは、第1の遮光性層と第2の遮光性層とを、前記基材の面に直交する方向において離して設けた2層の構造であり、また、第1の遮光性層、第2の遮光性層の各遮光性層は、それぞれ、連続した1層形態である層構造で、且つ、同材料からなることを意味している。
請求項8の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記基材の一面に接して、第1の遮光性層を配設し、該第1の遮光性層を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、第1の遮光性層領域内において離間して配しているものであり、前記第1の遮光性層領域内における着色層同士が離間した部分を埋め、且つ、前記画素区分用遮光領域の各色の着色層の前記基材側でない面に接して、前記平坦化層側に、前記離間した部分よりも幅広にして、第2の遮光性層を配設していることを特徴とする。
ここでの、第1の遮光性層、第2の遮光性層の各遮光性層は、それぞれ、全体が、連続した形態で、且つ、同材料からなることを意味している。
請求項9の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記平坦化層が、無機組成物からなることを特徴とする。
請求項10の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記遮光層領域において基材面から凸形状となる、前記平坦化層の基材側とは反対側の面の凸部の段差は、0. 5μm以下であることを特徴とする。
ここで、「前記平坦化層の基材側とは反対側の面の凸部の段差」とは、遮光層上の平坦化層の基材から遠い面と、着色層上の平坦化層の基材から遠い面との、基材面に直交する方向の距離の差であることを意味する。
尚、図1(c)に示すように、平坦化層の基材側とは反対側の面は、画素の中心付近、着色層を覆う部分では平坦となるが、遮光層12を覆う部分が凸形状となる。
請求項11の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項10に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記凸部における平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離が、画素中央部における前記平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離と同じくなる位置であって、且つ、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置、までの距離が、1. 0μm以上であることを特徴とする。
請求項12の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記平坦化層の厚さが2. 0μm以下であることを特徴とする。
請求項13の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記画素領域に、光吸収層が積層して形成されていることを特徴とする。
請求項14の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項13に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層は、樹脂中に色材としてカーボンブラックもしくはチタンブラック等の黒色顔料を分散して含有しているものであることを特徴とする。
請求項15の発明のカラーフィルタ形成基板は、請求項13ないし14のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%であることを特徴とする。
尚、ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006331275
請求項16の発明の有機EL表示装置は、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないし15のいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とする。
(作用)
本発明のカラーフィルタ形成基板は、このような構成にすることにより、特に、表示の高精細、高品質化の要求に対応して、各画素についての隣接する画素の有機EL素子からの光の入り込みに起因する、表示される画像の色シフトや混色を防止あるいは抑制でき、更には、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、接着剤を介して貼り合わせする際に発生する気泡に起因する表示のムラをなくすことができる、白色発光タイプの有機EL表示装置を、作製することができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能としている。
具体的には、透明基板からなる基材の一面上に、カラーフィルタ用の各色の着色層を、各色それぞれ、所定の画素領域に配し、且つ、画素区分用遮光領域に遮光層を配して画素領域を区分けしている白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であって、前記基材から最も離れた前記遮光層の面の位置を、前記着色層の基材側ではない面よりも、前記基材から離れた位置とし、前記着色層及び前記遮光層を覆う透明な平坦化層を配設している請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板の形態とすることにより、これを達成している。
更に具体的には、請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板であって、着色層同士を離間して、前記各着色層を配しているものであり、前記遮光層は、1層構造で、前記基材の一面に接して、前記平坦化層側に形成され、前記各画素領域から延設された着色層同士が離間した部分を埋めている、請求項2の発明の形態が、挙げられる。
あるいは、請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板であって、前記画素区分用遮光領域には、隣接する画素のカラーフィルタ用の各色の着色層がそれぞれ延設され、隙間なく配設されており、前記遮光層は、1層構造で、前記着色層の前記基材でない面に接して、前記平坦化層側に形成されている請求項4の発明の形態が、挙げられる。
あるいは、請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板であって、前記遮光層は、第1の遮光層と第2の遮光層とを、前記基材に直交する方向において離して設けた2層構造であり、前記基材の一面に接して、第1の遮光層を配設し、該第1の遮光層を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、前記画素区分用遮光領域内において隙間なく配しているものであり、且つ、前記画素区分用遮光領域の各色の着色層の前記基材側でない面に接して、前記平坦化層側に、第2の遮光層を配設している請求項5の発明の形態が、挙げられる。
あるいは、請求項1の発明のカラーフィルタ形成基板であって、前記基材の一面に接して、第1の遮光性層を配設し、該第1の遮光性層を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、第1の遮光性層領域内において離間して配しているものであり、前記第1の遮光性層領域内における着色層同士が離間した部分を埋め、且つ、前記画素区分用遮光領域の各色の着色層の前記基材側でない面に接して、前記平坦化層側に、前記離間した部分よりも幅広にして、第2の遮光性層を配設している請求項8の発明の形態が、挙げられる。
ここで、本発明のカラーフィルタ形成基板を用いた白色光源タイプの有機EL表示装置における各画素についての隣接する画素の有機EL素子からの光の入り込みに起因する、表示される画像の色シフトや混色を防止あるいは抑制できることを、図9に基づいて簡単に説明する。
尚、図9(b)、図9(c)に示す各カラーフィルタ形成基板においては、接着層14と平坦化層16とは、屈折率が近いものであることを前提としております。
まず、従来のカラーフィルタ形成基板10Aを用いた白色光源タイプの有機EL表示装置の場合、図9(a)に示すように、画素領域17aに配された有機EL素子からの白色光は、大半は、光線L11のように、カラーフィルタ形成基板10Aの基材11の面に直交する方向に進み、画素領域17aの着色層13Rに到達して通過するが、一部は、光線L13のように、画素領域17aに配される着色層13Rを通過して隣接する画素領域17bの着色層13Gに入射され通過し、あるいは、光線L12のように、直接、隣接する画素領域17bに配される着色層13Gに入射されて通過する。
光線L13の場合は、着色層13R、着色層13Gを通過するため、着色層13R、着色層13Gの透過特性からほとんどがカットされるが、光線L12の場合は、着色層13Gのみを通過するため、本来出射されるべきでない光が着色層13Gの透過特性で出射されることとなる。
このため、特に、このような光線L12が原因で、見る方向によっては、表示される画像の色シフトや混色が発生していた。
一方、図9(b)に示すように、請求項2の発明の形態のカラーフィルタ形成基板10を用いた有機EL表示装置の場合は、図9(a)に示す光線L12に相当する光線L22を遮光性層12でカットし、図9(a)に示す光線L13に相当する光線(図示していない)もカットしている。
このため、このような光線に起因する、見る方向による、表示される画像の色シフトや混色は発生しない。
また、図9(c)に示すように、請求項4の発明の形態のカラーフィルタ形成基板10aを用いた有機EL表示装置の場合は、図9(a)に示す光線L12に相当する光線L22を遮光性層12aでカットし、図9(a)に示す光線L13に相当する光線L33は、一部通過する。
この形態の場合、図9(a)に示す光線L12に相当する光線L22を遮光性層12aでカットしているため、見る方向による、表示される画像の色シフトや混色は発生しない。
請求項4の発明の形態においては、図9(a)に示す光線L13に相当する光線L33の大半を、第1の遮光層12b1でカットできればよく、第1の遮光層12b1の線幅を第2の遮光層12b2の線幅よりも小としても、同様に、図9(a)に示す光線L12、L13に相当する光線に起因する、見る方向による、表示される画像の色シフトや混色は発生しない。
また、請求項5の発明の形態のカラーフィルタ形成基板10aを用いた有機EL表示装置の場合は、図9(a)に示す光線L12に相当する光線を、図3に示す第2の遮光性層12b2でカットし、図9(a)に示す光線L13に相当する光線の大半を、図3に示す第1の遮光性層12b1でカットするため、図9(a)に示す光線L12、L13に相当する光線に起因する表示される画像の色シフトや混色は発生しない。
また、請求項8の発明の形態のカラーフィルタ形成基板10h2を用いた有機EL表示装置の場合は、図9(a)に示す光線L12に相当する光線を遮光性層12H2でカットすることができ、図9(a)に示す光線L13に相当する光線の大半もカットすることができるため、図9(a)に示す光線L12、L13に相当する光線に起因する表示される画像の色シフトや混色は発生しない。
請求項2の発明の形態において、前記遮光層の前記各着色層よりも前記基材から離れた部分の幅は、着色層同士が離間した部分を埋めている遮光部の幅よりも広い、請求項3の発明の形態の図4に示すカラーフィルタ形成基板10h1を用いた有機EL表示装置の場合も、表示される画像の色シフトや混色を効果的に抑制することが可能であるが、カラーフィルタ形成基板10h1の場合、前記遮光層の前記各着色層よりも前記基材から離れた部分の幅と、着色層同士が離間した部分を埋めている遮光部の幅とを、同じ幅にしたカラーフィルタ形成基板(図1参照)を用いた場合に比べて、各色の着色層の形成の位置精度を比較的ラフにできる。
上記本発明の請求項5の発明の形態のカラーフィルタ形成基板において、第2の遮光性層を青色色材を含む樹脂組成物層に置き換えた請求項6の発明の形態のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の場合は、図9(a)に示す光線L12に相当する光線は、前記青色色材を含む樹脂組成物層の透過特性から、各画素の領域に配される着色層を通過する際に、効果的に吸収され、図9(a)に示す光線L12に相当する光線に起因する、表示される画像の色シフトや混色を効果的に抑制することを可能としている。
そして、前記青色色材を含む樹脂組成物層が、カラーフィルタ用の青色着色層と同じ樹脂組成物からなる請求項7の形態の場合には、その作製において、カラーフィルタ用の青色着色層と前記青色色材を含む樹脂組成物層の形成を一緒の処理にて行うことを可能としている。
上記いずれかの形態のカラーフィルタ形成基板において、前記平坦化層が、無機組成物からなる請求項9の形態の場合には、ガスバリア性能を確保し易い。
上記いずれかの形態のカラーフィルタ形成基板において、前記遮光層領域において基材面から凸形状となる、前記平坦化層の基材側とは反対側の面の凸部の段差は、0. 5μm以下である請求項10の形態の場合には、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、絶縁性樹脂からなる接着剤により貼り合わせた構造の有機EL表示装置を作製する際、接着剤による貼り合わせ工程における気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
更に、前記凸部における平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離が、画素中央部における前記平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離と同じくなる位置であって、且つ、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置、までの距離が、1. 0μm以上である請求項11の形態の場合には、貼り合わせ工程において、塗れ性を良くでき、一層、気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
凸部の段差については、平坦化層形成の際、平坦化層形成用樹脂を固定して、遮光層の基材から最も離れた遮光層の面の位置を変化させることにより、段差の大きさを変えて、種々の段差にて、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを接着剤層で貼り合わせをした場合の結果から、段差が0. 5μm以下が好ましい。
また、距離Ldについては、遮光層の基材から最も離れた遮光層の面の位置を固定して、平坦化層形成用樹脂の溶剤分の量を変えることにより、変化させて、種々の距離Ldにて、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを接着剤層で貼り合わせをした場合の結果から、距離Ldが、1. 0μm以上であることが好ましい。
尚、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを貼り合わせする際の、接着剤は、無溶媒系で粘度が高く、貼り合わせは、通常、該接着剤を一方の基板の複数個所に適量垂らした後に、気泡を抜くために両基板間を真空引きしながら、両基板間が所定の隙間を得るように圧接して、該接着剤が両基板間全体に行き渡るようにする。
上記いずれかの形態のカラーフィルタ形成基板において、前記平坦化層の厚さが2. 0μm以下である請求項12の形態の場合には、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、低光弾性の絶縁性樹脂からなる接着剤により貼り合わせた構造の有機EL表示装置において、光学特性を確保し、また、表示装置全体を薄くできる。
上記いずれかの形態において、前記画素領域に光吸収層を積層して形成されている請求項13の形態とすることにより、混色防止作用の他に、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止とを達成できる表示装置の作製を可能としている。
光吸収層としては、具体的には、樹脂中に色材としてカーボンブラックやチタンブラックなどの黒色顔料を分散して含有しているものが挙げられるが、これに限定はされない。 これらの形態において、前記光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%である請求項15の形態の場合、特に、外光反射の低減効果に加えて、表示の際の輝度を、円偏光板を用いた図13(b)に示す形態よりも、大きくできる。
尚、ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006331275
特に、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットである場合、光吸収層を設けたことによる表示の際の色ずれを少ないものとできる。
本発明は、このように、特に、表示の高精細、高品質化の要求に対応して、各画素についての隣接する画素の有機EL素子からの光の入り込みに起因する、表示される画像の色シフトや混色を防止あるいは抑制でき、更には、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、接着剤を介して貼り合わせする際に発生する気泡に起因する表示のムラをなくすことができる、白色発光タイプの有機EL表示装置の作製ができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能とした。
図1(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第1の例の一部断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す第1例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図であり、図1(c)は、図1(a)のA1部を拡大して分かり易く示した断面図である。 図2(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第2の例の一部断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す第2例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図であり、図2(c)は、図2(a)のA2部を拡大して分かり易く示した断面図である。 図3(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第3の例の一部断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す第3例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図であり、図3(c)は、図3(a)のA3部を拡大して分かり易く示した断面図である。 本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第1の例の変形例の一部断面図である。 図5(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第4の例の一部断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す第4例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図6(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第5の例の一部断面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す第5例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第6の例の一部断面図である。 図8(a)は、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板の一部断面図であり、図8(b)、図8(c)は、それぞれ、第1の例のカラーフィルタ形成基板の変形例を示した一部断面図である。 図9(a)は、従来のカラーフィルタ形成基板10Aを用いた有機EL表示装置における有機EL素子から光線を示した一部断面図で、図9(b)は、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いた有機EL表示装置における有機EL素子から光線を示した一部断面図で、図9(c)は、図2(a)に示す第2の例のカラーフィルタ形成基板10aを用いた有機EL表示装置における有機EL素子から光線を示した一部断面図である。 有機EL素子の構成例を示した概略層構成図である。 光吸収層の分光透過率特性を示した図である。 光吸収層の透過率と光吸収層を2回通過した外光の透過率との関係を示した図である。 図13(a)は、従来のWHITE層を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図13(b)は、図13(a)に示す表示装置の前面(観察者側)に円偏光板を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図13(c)は、図13(a)に示す表示装置において、従来のWHITE層形成領域に透過率調整部を配した有機EL表示装置の一部断面図である。
先ず、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第1の例を、図1(a)に基づいて説明する。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、透明基板からなる基材11の一面11S上に、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bを、各色それぞれ、所定の画素領域17に配し、且つ、画素区分用遮光領域18に遮光層12を配して画素領域17を区分けしている、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であり、図1(a)に示すように、着色層同士を離間して、前記各着色層を配しており、遮光層12は、1層の遮光性層からなる構造で、基材11の一面11Sに接して形成され、各画素領域から延設された着色層同士が離間した部分を埋めている。
ここでは、遮光性層12の幅を、画素区分用遮光領域18の幅としている。
特に、第1の例においては、基材11から最も離れた遮光層12の面12Sの位置を、各着色層13R、13G、13Bの基材11側ではない面よりも、基材11から離れた位置とし、各着色層及び遮光層12を覆うように透明な平坦化層16を配設している。
第1の例においては、図1(c)に示すように、平坦化層16は、遮光層12を覆う部分において、基材11の面11Sから離れる方向に凸形状となる凸部16Tを有するが、平坦化層16の基材11側とは反対側の面の凸部の段差δ1は、0. 5μm以下である。 更に、第1の例においては、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld1が、1. 0μm以上である。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、図1(b)に示すように、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、これらに限定はされない。
尚、図1(a)では、WHITE画素を明示していないが、WHITE画素の領域も、画素区分用遮光層12にて区分けしている。
特に、本例では、画素区分用遮光領域18の遮光層12は、前記基材11の一面11Sに接した一層からなる。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、白色発光の有機EL素子(有機発光素子、有機EL発光素子とも言う)を各画素毎に形成した有機EL素子層22Aを有する有機EL素子形成基板20と、絶縁性の樹脂層14を間に挟んで、所定の間隔で積層されて、図1(b)に示すように、有機EL表示装置となる。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10においては、基材11から最も離れた遮光層12の面12Sの位置を、各着色層13R、13G、13Bの基材11側ではない面よりも、基材11から離れた位置としていることにより、白色発光タイプの有機EL表示装置に用いられた場合、図9(a)に示す従来の有機EL表示装置における光線L12、光線L13に相当する、ある画素17の有機EL素子から発光された光が隣接する画素の領域の着色層に入るそれぞれの光線を、カットすることができるものとし、これにより、このような光線に起因する、見る方向により、表示される画像の色シフトや混色を発生しないようにしている。
そして、平坦化層16の凸部16Tの段差δ1を、0. 5μm以下とすることにより、有機EL素子形成基板20とカラーフィルタ形成基板10とを、絶縁性樹脂からなる接着剤14により貼り合わせた構造の有機EL表示装置(図1(b)参照)を作製する際、接着剤14による貼り合わせ工程における気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
更に、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld1を、1. 0μm以上としていることにより、貼り合わせ工程において、塗れ性を良くでき、一層、気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
図1(a)に示すカラーフィルタ形成基板10と図1(b)に示す有機EL表示装置の、各部材について説明する。
<基板11>
第1の例に用いられる透明基板からなる基材11としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができるが、特に、無機基板を用いることが好ましく、無機基板のなかでもガラス基板を用いることが好ましい。
さらには、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。
無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
上記基板は、通常、透明な透明基板が用いられている。
<画素区分用遮光領域の遮光層12>
カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けする画素区分領域の遮光層12を形成するための遮光性の着色層としては、例えば、ここでは、エポキシ樹脂等の樹脂で被覆したカーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものが用いられている。
カーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものは、膜厚を比較的薄くして遮光性の樹脂層を形成することができる。
ここでは、画素区分用遮光領域の遮光層12用の遮光性の着色層の形成をフォトリソグラフィー法を用いているが、この場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する画素区分用遮光領域の遮光層12形成用の感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
尚、画素区分用遮光領域の遮光層12形成用の遮光性の着色層を、印刷法やインクジェット法を用いて形成する場合もあるが、この場合には、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
尚、画素区分用遮光領域の遮光層12の開口パターン形状や各色の着色層の配列は、限定はされない。 画素区分用遮光領域の遮光層12の開口パターン形状がストライプ状の形状のものや、くの字形状、デルタ配列などの様に着色層の配列を変えたものも挙げられる。
また、ここでは、可視光領域での光学濃度が2. 0以上、好ましくは4. 0以上のものを遮光層としている。
<着色層13R、13G、13B>
本例では、カラーフィルタ形成用の各色の着色層は、赤色の着色層13R、緑色の着色層13G、青色の着色層13Bの3色の着色層である。
各色の着色層は、各色の顔料や染料等の着色材(色材ともいう)をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成されるものである。
上記着色層に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、着色材および感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
上記各色の着色層の膜厚は、通常、1μm〜5μm程度で設定される。
着色層の色としては、赤色、緑色、青色の3色を少なくとも含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、赤色、緑色、青色の3色、または、赤色、緑色、青色、黄色の4色、または、赤色、緑色、青色、黄色、シアンの5色等とすることもできる。
尚、赤色(Rとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色(Gとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色(Bとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
<WHITE層>
図1(a)では、明示していないが、上記の画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
<平坦化層16>
平坦化層16用の材料としては、光学特性が良く、平坦性が良く、各着色を保護でき、接着層14との接合性が良いものが好ましいが、塗膜して形成する熱硬化性樹脂組成物と光硬化性樹脂組成物が挙げられる。
フィルムをラミネートして平坦化層16を形成するフィルム部材である場合には、特に、作製面から好ましい。
第1の例では、画素中央での平坦化層16の厚さt1を2μm以下としているが、2μm以下とすることにより、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを、絶縁性樹脂からなる接着剤層により貼り合わせた構造の有機EL表示装置において、良好な光学特性を確保し、また、表示装置全体を薄くできる。
塗膜形成用の光硬化性樹脂組成物としては、上記カラーフィルタ形成用の各色の着色層に用いられるバインダ樹脂と同様のもの、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合も、感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
尚、第1の例では、カラーフィルタ形成基板は面付けして各着色層、遮光層12を形成した後に、樹脂組成物をスピンコーテイング法により塗布する。
塗膜形成用の熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ化合物を用いたもの、熱ラジカル発生剤をもちいたものがあげられる。
エポキシ化合物としては、カルボン酸やアミン系化合物などにより硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
熱ラジカル発生剤としては過硫酸塩、ヨウ素等のハロゲン、アゾ化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、アゾ化合物または有機過酸化物である。
アゾ化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、および2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられ、有機過酸化物としては、ジ(4−メチルゼンゾイル)ペーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタネート、およびジクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
ラミネート形成用のフィルム部材としては、熱硬化性の樹脂フィルム(シートとも言う)が挙げられるが、ロールラミネーターなどで画素区分け用の遮光層やカラーフィルタ用の各色の着色層が形成された側上にフィルム部材を置き、熱と圧力で樹脂を流動させ、封止させる。
例えば、半硬化のエポキシ樹脂をベースとする樹脂フィルムの両面を剥離性のフイルムで保護した形態で用いる場合には、扱いが容易で、ロールラミネーターで低温で短時間に貼り付け、別の硬化炉でキュアーすることができる。
また、平坦化層を、ITOやSiO2 やSix y z (窒化シリケート:x、y、zは整数)やSix y z (炭化シリケート:x、y、zは整数)のような無機組成物で形成しても良い。
平坦化層が、無機組成物からなる場合には、ガスバリア性を確保し易い。
<接着剤層14>
絶縁性の樹脂層である接着剤層14の材料としては、熱硬化性樹脂組成物と光硬化性樹脂組成物が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物としては、上記カラーフィルタ形成用の各色の着色層に用いられるバインダ樹脂と同様のもの、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合も、感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ化合物を用いたもの、熱ラジカル発生剤をもちいたものがあげられる。
エポキシ化合物としては、カルボン酸やアミン系化合物などにより硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
熱ラジカル発生剤としては過硫酸塩、ヨウ素等のハロゲン、アゾ化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、アゾ化合物または有機過酸化物である。
アゾ化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、および2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられ、有機過酸化物としては、ジ(4−メチルゼンゾイル)ペーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタネート、およびジクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
<有機EL素子形成基板20>
(1) 基材21
基材21としては、基本的に、基材11と同様の材質が用いることができるが、第1の例のカラーフィルタを用いた図1(b)に示す表示装置の場合は、基材11側から外側に出射して表示するため、透明である必要はない。
(2) 有機EL素子(有機発光素子、有機EL発光素子とも言う)22
図1(b)に示す白色発光の有機EL素子22については、図1(b)では明示していないが、例えば、図10に示すような材料構成とする。
図10に示す有機EL素子22は、赤、緑、青に発光する3つの材料を用いて、併せて白色発光とするものです。
勿論、所望の白色発光ができれば、上記の3つの材料の組み合わせに限らない。
(有機EL層26)
有機EL素子22を形成する有機EL層26(図1の22Aに相当)は、少なくとも発光層27を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。
発光層以外の有機EL層26を構成する有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。
この正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合が多い。
また、有機EL層を構成する有機層としては、正孔ブロック層や電子ブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
有機EL層の構成としては、一般的な構成であればよく、発光層のみ、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層、正孔注入層/正孔ブロック層/発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層/電子輸送層などを例示することができる。
白色発光の有機EL素子22における、発光材料は、単一の化合物で構成されることはほとんどなく、一般的には、2つないし3つの色の異なる発光材料を用いている。
発光スペクトルは、各色の発光材料のスペクトルを併せた形となる。
(陽極25、陰極28)
陽極25、陰極28の電極層を形成する導電性材料としては、一般に金属材料が用いられるが、有機物や無機化合物を用いてもよく、複数の材料を混合して用いてもよい。
また、陽極、陰極の電極層は、光の取り出し面に応じて、透明性を有するか否かを適宜選択される。
陽極25には、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましく用いられ、陰極28には、電子が注入し易いように仕事関数の小さな導電性材料が好ましく用いられる。
前記導電性材料としては、透明性を要求される場合には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、Zn−O−Al、Zn−Sn−O等が挙げられ、透明性が要求されない場合には、金属を用いることができ、具体的にはAu、Ta、W、Pt、Ni、Al、Pd、Cr、あるいは、Al合金、Ni合金、Cr合金等を挙げることができる。
陽極25および陰極28のいずれの電極層も、抵抗が比較的小さいことが好ましい。
電極層の成膜方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法、印刷法等を挙げることができる。
また、電極層のパターニング方法としては、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第2の例を挙げる。
第2の例のカラーフィルタ形成基板10aも、第1の例と同様、透明基板からなる基材11の一面11S上に、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bを、各色それぞれ、所定の画素領域17に配し、且つ、画素区分用遮光領域18に遮光層12aを配して画素領域17を区分けしている、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であるが、図2(a)に示すように、第2の例は、特に、画素区分用遮光領域18には、隣接する画素のカラーフィルタ用の各色の着色層がそれぞれ延設され、隙間なく配設されており、前記遮光層12aは、1層の遮光性層からなる構造で、前記着色層の前記基材でない面に接して、前記平坦化層16側に形成されている。
ここでは、遮光性層12aの幅を、画素区分用遮光領域18の幅としている。
また、ここでも、基材11から最も離れた遮光層12aの面12aSの位置を、各着色層13R、13G、13Bの基材11側ではない面よりも、基材11から離れた位置とし、各着色層及び遮光層12aを覆うように透明な平坦化層16を配設している。
そして、第1の例と同様、図2(c)に示すように、平坦化層16は、遮光層12aを覆う部分において、基材11の面11Sから離れる方向に凸形状となる凸部16Tを有するが、平坦化層16の基材11側とは反対側の面の凸部の段差δ2は、0. 5μm以下である。
更に、第1の例と同様、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld2が、1. 0μm以上である
第2の例のカラーフィルタ形成基板10aも、図2(b)に示すように、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、用途は、これらに限定はされない。
各部材としては、第1の例と同様のものを適用する。
第2の例のカラーフィルタ形成基板10aにおいても、基材11から最も離れた遮光層12の面12aSの位置を、各着色層13R、13G、13Bの基材11側ではない面よりも、基材11から離れた位置としていることにより、白色発光タイプの有機EL表示装置に用いられた場合、図9(a)に示す従来の有機EL表示装置における光線L12、光線L13に相当する、ある画素17の有機EL素子から発光された光が隣接する画素の領域の着色層に入るそれぞれの光線を、カットすることができるものとし、これにより、このような光線に起因する、見る方向により、表示される画像の色シフトや混色を発生しないようにしている。
そして、平坦化層16の凸部16Tの段差δ2を、0. 5μm以下とすることにより、有機EL素子形成基板20とカラーフィルタ形成基板10とを、絶縁性樹脂からなる接着剤14により貼り合わせた構造の有機EL表示装置(図1(b)参照)を作製する際、接着剤14による貼り合わせ工程における気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。 更に、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld2を、1. 0μm以上としていることにより、貼り合わせ工程において、塗れ性を良くでき、一層、気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第3の例を挙げる。
第3の例のカラーフィルタ形成基板10bも、第1の例、第2の例と同様、透明基板からなる基材11の一面11S上に、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bを、各色それぞれ、所定の画素領域17に配し、且つ、画素区分用遮光領域18に遮光層12bを配して画素領域17を区分けしている、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であるが、図3(a)に示すように、遮光層12bは、第1の遮光性層12b1と第2の遮光性層12b2とを、基材11に直交する方向において離して設けた2層の遮光性層からなる構造であり、基材11の一面11Sに接して、第1の遮光性層12b1を配設し、該第1の遮光1b1層を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、前記画素区分用遮光領域内において隙間なく配しているものであり、且つ、前記画素区分用遮光領域18の各色の着色層の基材11側でない面に接して、平坦化層16側に、第2の遮光性層12b2を配設している。
ここでは、第1の遮光性層12b1の幅と第2の遮光性層12b2の幅を同じく、画素区分用遮光領域18の幅としている。
また、ここでも、画素区分用遮光領域18の第2の遮光層12b2の、基材11の一面11Sから最も離れた面12bSは、カラーフィルタ用の各色の着色層の前記基材11側でない側の面よりも、前記基材11の一面11Sから離れた位置に形成されている。
そして、第1の例、第2の例と同様、図2(c)に示すように、平坦化層16は、遮光層12aを覆う部分において、基材11の面11Sから離れる方向に凸形状となる凸部16Tを有するが、平坦化層16の基材11側とは反対側の面の凸部の段差δ3は、0. 5μm以下である。
更に、第1の例、第2の例と同様、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld3が、1. 0μm以上である
第3の例のカラーフィルタ形成基板10bも、図3(b)に示すように、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、用途は、これらに限定はされない。
各部材としては、第1の例と同様のものを適用する。
第3の例のカラーフィルタ形成基板10bにおいても、基材11から最も離れた遮光層12の面12bSの位置を、各着色層13R、13G、13Bの基材11側ではない面よりも、基材11から離れた位置としていることにより、白色発光タイプの有機EL表示装置に用いられた場合、図9(a)に示す従来の有機EL表示装置における光線L12、光線L13に相当する、ある画素17の有機EL素子から発光された光が隣接する画素の領域の着色層に入るそれぞれの光線を、カットすることができるものとし、これにより、このような光線に起因する、見る方向により、表示される画像の色シフトや混色を発生しないようにしている。
そして、平坦化層16の凸部16Tの段差δ3を、0. 5μm以下とすることにより、有機EL素子形成基板20とカラーフィルタ形成基板10とを、絶縁性樹脂からなる接着剤14により貼り合わせた構造の有機EL表示装置(図1(b)参照)を作製する際、接着剤14による貼り合わせ工程における気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。 更に、凸部16Tにおける平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離が、画素中央部における平坦化層16の基材11側とは反対側の面の基材面11Sからの距離と同じくなる位置で、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置までの、距離Ld3を、1. 0μm以上としていることにより、貼り合わせ工程において、塗れ性を良くでき、一層、気泡の発生を抑制でき、気泡に起因する表示のムラを防止でき、該貼り合わせ工程での歩留まりを向上できるものとしている。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第4の例を挙げる。
第5の例のカラーフィルタ形成基板10cは、図5(a)に示すように、図3(a)に示す第3の例のカラーフィルタ形成基板10bにおいて、第2の遮光層12b2の線幅を、前記第1の遮光層12b1の線幅よりも大きして、且つ、第2の遮光性層12b2の幅を、画素区分用遮光領域18の幅としているもので、それ以外は、第3の例と同じである。
第4の例は、第2の遮光層12c2の線幅は、第1の遮光層12c1の線幅よりも大きく、且つ、第2の遮光性層12c2の幅を、画素区分用遮光領域18の幅である。
第4の例のカラーフィルタ形成基板10cも、図5(b)に示すように、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、用途は、これらに限定はされない。
各部材としては、第1の例と同様のものを適用する。
平坦化層16の形状も、第3の例と同様である。
第4の例のカラーフィルタ形成基板10cも、第3の例のカラーフィルタ形成基板10bと同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第5の例を挙げる。
図6(a)に示す第5の例のカラーフィルタ形成基板10dは、図5(a)に示す第4の例のカラーフィルタ形成基板10cにおいて、光吸収層15を各色の着色層13R、13G、13Bと第2の遮光層12c2との間に配したもので、光吸収層15は、各色の着色層13R、13G、13B全体を覆うように配されている。
ここでは、光吸収層15を各色の着色層13R、13G、13Bと第2の遮光層12d2との間に配している。
本例でも、図6(a)に示すように、第2の遮光層12d2の線幅を、第1の遮光層12d1の線幅よりも大とし、且つ、第2の遮光性層12d2の幅を、画素区分用遮光領域18の幅としているもので、それ以外は、第4の例と同じである。
第5の例のカラーフィルタ形成基板10dも、図6(b)に示すように、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、用途は、これらに限定はされない。
各部材としては、第1の例と同様のものを適用する。
平坦化層16の形状も、第4の例と同様である。
本例の場合は、このような形態故に、第4の例と同様の作用効果を得るに加えて、光吸収層15を設けたことにより、外光の反射光を低減することができる。
以下、光吸収層15について説明しておく。
<光吸収層15>
光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックやチタンブラック等の黒色顔料を含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から色材を除いた組成の樹脂が用いられて、塗膜される。
塗膜方法としては、フォトリソグラフィー(ダイコート法、スピンコート法)、インクジェット法等が挙げられるが、通常は、フォトリソグラフィーにて塗膜する。
塗膜性や外光反射低減の面からは、光吸収層15の膜厚は0.3μm以上であることが好ましい。
主な色材の濃度調整により、光吸収層を透過する光の強度を調整でき、また、色調整用の顔料を適宜含有させることにより、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットな透過率特性を容易に得ることができる。
主な色材としてのカーボンブラックやチタンブラック等の黒色顔料の濃度を調整することにより、図12に示すように、種々の透過率を容易に得ることができる。
尚、図12では、光吸収層の透過率の値を横軸で表し、光吸収層の透過率の値に対応した光吸収層を2回通過した場合の透過率を縦軸で表しており、図12における三角印は、カーボンブラック濃度を調整して測定して得た光吸収層の透過率(横軸)と、対応する該吸収層を2回通過した場合の透過率(縦軸)を示している。
また、色調整用の顔料を含有量を調整することにより、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)にわたりフラットに近い透過率特性を容易に得ることができる。
光吸収層は、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、フラットに近い光透過特性の方が光吸収層を設けたことによる色ずれは小さく、表示の際の透過光の色ずれ、外光反射の色ずれを小さくすることができる。
例えば、図11に示すフラットに近い透過率特性を有する光吸収層を用いた場合、光吸収層を設けたことによる色ずれの問題はない。
例えば、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、光吸収層15の透過率特性をフラットで60%とした場合、2回光吸収層15を通過する光は、実質60%の60%で36%となる。
また、表示する際の光は、光吸収層15を1回通過して出射されるため、光吸収層15による透過光の低下は1回で済み、例えば、光吸収層15の透過率を60%とすれば、1回光吸収層15を通過による透過光の低下は、実質60%となる。
したがって、第5の例のカラーフィルタ形成基板を用いた場合、光吸収層15の透過率特性が、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)においてフラットで60%とすれば、図13(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を36%に低減することができ、表示の際の通過光を60%とでき、表示の際の通過光については、図13(a)に示す有機EL表示装置の40%程度である図13(b)に示す円偏光板を用いた有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることができる。
尚、光吸収層15の透過率としては、従来の図13(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減でき、且つ、図13(b)に示す円偏光板を用いた有機EL表示装置に比べて、表示の際の透過光を多くすることからは、C光源の場合、平均透過率が45%〜95%であることが好ましい。
ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006331275
特に、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットである場合、光吸収層を設けたことによる表示の際の色ずれを少ないものとできる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第6の例を挙げる。
図7に示す第6の例のカラーフィルタ形成基板10eは、第1の例と同様、透明基板からなる基材11の一面11S上に、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bを、各色それぞれ、所定の画素領域17に配し、且つ、画素区分用遮光領域18に遮光層12aを配して画素領域17を区分けしている、白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であるが、図7に示すように、第2の例は、特に、基材11の一面11Sに接して、第1の遮光性層12e1を配設し、該第1の遮光性層12e1を覆うようにして、各画素領域から延設された着色層同士を、第1の遮光性層領域内において離間して配しているものであり、前記第1の遮光性層領域内における着色層同士が離間した部分を埋め、且つ、前記画素区分用遮光領域の各色の着色層の前記基材側でない面に接して、前記平坦化層側に、前記離間した部分よりも幅広にして、第2の遮光性層12e2を配設している。
ここでは、第1の遮光層12e1の幅と、第2の遮光性層12e2の幅とを画素区分け用遮光領域の幅としている。
第6の例のカラーフィルタ形成基板10eも、有機EL素子形成基板20と接着剤層14を介して貼り合わされて有機EL表示装置を形成する。
ここでの有機EL表示装置は、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用であるが、用途は、これらに限定はされない。
各部材としては、第1の例と同様のものを適用する。
平坦化層16の形状も、第1の例と同様である。
このような形態故に、第1の例と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のカラーフィルタ形成基板は、上記の形態に限定はされない。
例えば、上記の実施例3〜実施例5の各例において、それぞれ、第2の遮光層12b2、12c2、12d2を青色色材を含む樹脂組成物層に置き換えた形態も挙げられる。 これらの形態における、青色色材を含む樹脂組成物層は、その透過特性から、各画素の領域に配される着色層を通過する際に、効果的に吸収され、図9(a)に示す光線L12に相当する光線に起因する、表示される画像の色シフトや混色を効果的に抑制することを可能としている。
尚、前記青色色材を含む樹脂組成物層が、カラーフィルタ用の青色着色層と同じ樹脂組成物からなる場合には、作製において、カラーフィルタ用の青色着色層と前記青色色材を含む樹脂組成物層の形成を一緒の処理にて行うことができる。
また、第2の例の変形例として、カラーフィルタ用の各色の着色層を覆う保護層を配して、保護層の基材11側でない側の面に、遮光層(図2の遮光層12aに相当)が形成されている形態も挙げられる。
この形態の場合、保護層に配設により平坦化や下地の安定化が見込まれ、遮光層を確実に形成し易くなり、更に、前記保護層が、無機組成物からなる場合には、ガスバリア性を確保でき、遮光層の形成の際の下地として安定化できる。
勿論、第2の例と同様の作用効果を得ることができる。
同様に、第3の例〜第5の例の各例の変形例として、カラーフィルタ用の各色の着色層を覆う保護層を配して、保護層の基材11側でない側の面に、第2の遮光層(図3の遮光層12b2、図5の遮光層12c2、図6の遮光層12d2に相当)が形成されている形態も挙げられる。
これらの形態の場合、保護層に配設により平坦化や下地の安定化が見込まれ、遮光層を確実に形成し易くなり、更に、前記保護層が、無機組成物からなる場合には、ガスバリア性を確保でき、遮光層の形成の際の下地として安定化できる。
勿論、これらの形態の場合も、第3の例〜第5の例の各例と同様の作用効果を得ることができる。
第1の例の変形例として、図4に示すような、遮光層12の各着色層よりも基材11から離れた部分の幅W1が、着色層同士が離間した部分を埋めている遮光部の幅W2よりも広い形態が挙げられる。
ここでは、幅W1を画素区分用遮光領域18の幅としており、第1の例と同様の作用を効果を得ることができる。
また、第1の例(図8(a)の10)の変形例として、図8(b)、図8(c)に、それぞれ示す、各着色層の基材11側に光吸収層15を配した形態も挙げられる。
各部材としては、光吸収層15以外、第1の例と同様のものを適用する。
平坦化層16の形状も、第1の例と同様である。
本例の場合は、このような形態故に、第1の例と同様の作用効果を得るに加えて、光吸収層15を設けたことにより、外光の反射光を低減することができる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の作製方法の例を簡単に説明しておく。
先ず、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法の1例を挙げる。
予め、透明な基材11を用意しておき、先ず、該基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法で画素区分用遮光領域の遮光層12を形成し、次いで、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを、順次、一般的なフォトリソ法により、それぞれ、所定の形成領域に形成する。
通常、画素区分用遮光領域の遮光層12やカラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bは、各色の顔料や染料等の着色材をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成するが、これに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
尚、WHITE画素がある場合には、更に、WHITE層を、上記の画素区分用遮光領域の遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
そして、遮光層12、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを形成後に、熱硬化性樹脂組成物と光硬化性樹脂組成物を用いて、平坦化層16を塗膜形成する。
図4に示す第1の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10h1についても、第1の例と同様に形成することができる。
図2(a)に示す第2の例のカラーフィルタ形成基板10aの作製方法は、前述の第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法において、画素区分用遮光領域の遮光層12の形成と各色の着色層13R、13G、13Bの順を変えて行う。
各層の形成方法は、上記の第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法の場合と同じである。
図3(a)に示す第3の例のカラーフィルタ形成基板10bの作製方法は、遮光層の形成を、各色の着色層13R、13G、13Bの形成の前後に行う。
各層の形成方法は、上記の第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法の場合と同じである。
図5(a)に示す第4の例のカラーフィルタ形成基板10cの作製方法、第3のカラーフィルタ形成基板10bの作製方法と基本的には同じである。
図6(a)に示す第5の例のカラーフィルタ形成基板10dの作製方法は、第3のカラーフィルタ形成基板10bの作製方法における、第2の遮光層12d2の形成前に、予め、光球種層を形成しておくもので、他は同じである。
図7に示す第6の例のカラーフィルタ形成基板10eの作製方法は、図2(a)に示す第2の例のカラーフィルタ形成基板10aの作製方法と同様にして行うことができる。
また、図8(b)に示す形態のカラーフィルタ形成基板10fの作製の場合には、第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法において、各色の着色層13R、13G、13Bの形成の前に光吸収層の形成を行う行程を増やす。
光吸収層の形成は、フォトリソ法やインクジェット法等にて行うことができる。
また、図8(c)に示す形態のカラーフィルタ形成基板10gの作製の場合には、第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法において、遮光層12の形成の前に光吸収層の形成を行う。
光吸収層の形成は、塗布法等にて行うことができる。
[実施例]
更に、実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
実施例1は、図1(a)に示す1例のカラ−フィルタ形成基板を作製したもので、以下のように、光硬化性の硬化性樹脂組成物Aを調製して作製し、作製された硬化性樹脂組成物Aを用いて、カラーフィルタ形成用の赤色硬化性樹脂組成物、緑色硬化性樹脂組成物、青色硬化性樹脂組成物、画素区分用遮光部における遮光性の樹脂遮光膜形成用の硬化性樹脂組成物を作製し、これらを用いて、各硬化性樹脂組成物毎にフォトリソ法を行い、カラーフィルタ用の各着色樹脂層、画素区分用遮光部を形成したものです。
ここでは、画素区分用遮光部12を形成した後、カラーフィルタ用の赤色の着色樹脂層13R、緑色の着色樹脂層13G、青色の着色樹脂層13Bを、それぞれフォトリソ工程で形成した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
・ 上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(画素区分用遮光部12の形成)
先ず、基材11であるガラス基板(旭硝子社製、AN材)の一面上に、遮光層12形成用の黒色の遮光性の光硬化性樹脂組成物を用いて、フォトリソ法により、形成膜厚が2.5μmとなるように、画素区分用遮光部を形成した。
<遮光層12形成用の黒色の遮光性の光硬化性樹脂組成物の作製>
先ず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液Bを調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光性の樹脂遮光膜形成用の組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液B :43重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :38重量部
基材11の一面に、上記遮光性の樹脂遮光膜形成用の組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性樹脂層を形成した。
当該遮光性の着色樹脂層を塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して、画素区分用遮光部12を所定形状に形成した。
尚、上記の樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E)は、平均粒径25nmである。
粒径は、例えば、日機装社製のレーザードップラー散乱光解析粒度分析計(商品名「Microtrac934UPA」)を用い、通常は、着色組成物に含まれる溶剤(希釈溶剤と呼ぶ)で希釈し、着色組成物の顔料粒径の累積が50%を占める粒径を50%平均粒径とし、その値を測定して求める。
次いで、以下のようにして、カラ−フィルタ用の各色の着色樹脂層を形成した。
(1)赤色の着色樹脂層13Rの形成
ブラックマトリックス上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。
次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素パターンを表示用領域13Sに形成した。
形成膜厚は2.0μmとなった。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントレッド177 :3重量部
・ C.I.ピグメントレッド254 :4重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(2)緑色の着色樹脂層13Gの形成
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、緑色画素を表示用領域に緑色の着色層からなるレリーフパターンを形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントグリーン58 :7重量部
・ C.I.ピグメントイエロー138 :1重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :22重量部
・ 酢酸ー3−メトキシブチル :67重量部
(3)青色の着色樹脂層13Bの形成
更に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、表示用領域に青色のレリーフパターンを形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :4重量部
・ C.I.ピグメントバイオレット23:1重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :25重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(平坦化層16の形成)
上記のようにして着色樹脂層13を形成した基板上に、前述の硬化性樹脂組成物Aをスピンコーティング法により塗布、乾燥し、乾燥塗膜2.0μmの塗布膜を形成した。
硬化性樹脂組成物Aの塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて平坦化層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液23℃)中に1 分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後基板を230℃の雰囲気中に15分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成した。
このようにして、図1(a)に示す例のカラーフィルタ形成基板10を作製した。
このとき図1(c)に示すδ1、Ld1の値はそれぞれ0.3μm、1.0μmであった。
(実施例2)
画素区分用遮光部12の膜厚を2.7μmにする以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ形成基板10を作製した。
このとき図1(c)に示すδ1、Ld1の値はそれぞれ0.5μm、1.2μmであった。
(実施例3)
保護膜16形成時の乾燥条件をゆるやかにする以外は実施例2とどうようにしてカラーフィルタ形成基板10を作製した。
乾燥条件を変更することで、保護膜のレベリング性が変わり、図1(c)に示すδ1、Ld1の値はそれぞれ0.5μm、1.5μmであった。
(比較例1)
画素区分用遮光部12の膜厚を3.0μmにする以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ形成基板10を作製した。このとき図1(c)に示すδ1、Ld1の値はそれぞれ0.7μm、1.3μmであった。
(比較例2)
保護膜16形成時の乾燥条件をきつくする以外は実施例2とどうようにしてカラーフィルタ形成基板10を作製した。乾燥条件を変更することで、保護膜のレベリング性が変わり、図1(c)に示すδ1、Ld1の値はそれぞれ0.5μm、0.7μmであった。
各実施例、各比較例のカラーフィルタ形成基板について、それぞれ、所定の方法により形成した白色光源の有機EL素子と、UV硬化性の樹脂接着剤(SVR1320: デクセリアルズ株式会社製)を用いて貼り合わせを行いパネルを作製し、作製された各パネルの表示ムラの有無を目視にて確認した。
結果、表1に示すように、実施例1〜3の各カラーフィルタ形成基板を用いた場合には、表示ムラの発生はみられなかったが、比較例1、2の各カラーフィルタ形成基板を用いた場合には、表示ムラの発生が確認された。

Figure 0006331275
これより、凸部の段差については、0. 5μm以下が好ましく、また、距離Ld1については、1. 0μm以上であることが好ましい。
また、実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2の各カラーフィルタ形成基板を用いて作製した各パネルについて、表示される画像の色シフトや混色の有無を目視にて検査したが、表示される画像の色シフトや混色は見られなかった。
10、10a、10b、10c カラーフィルタ形成基板
10d、10e、10f、10g カラーフィルタ形成基板
10h1 カラーフィルタ形成基板
11 基材(透明基板とも言う)
11S 基材面
12、12a、12A 遮光性層
12b1、12c1、12d1 第1の遮光性層(単に遮光性層とも言う)
12b2、12c2、12d2 第2の遮光性層(単に遮光性層とも言う)
12e1 第1の遮光性層(単に遮光性層とも言う)
12e2 第2の遮光性層(単に遮光性層とも言う)
12S、12aS、 (基材から最もはなれた遮光層の)面
12bS、12cS、12dS (基材から最もはなれた遮光層の)面
12hS、12eS (基材から最もはなれた遮光層の)面
13R 赤色着色層
13G 緑色着色層
13B 青色着色層
14 接着剤層(絶縁性の樹脂層)
15 光吸収層
16 平坦化層
17 画素領域
17a〜17f 画素領域
18 画素区分用遮光領域
20 有機EL素子形成基板
21 基材(透明基板とも言う)
22 有機EL素子(有機発光素子、有機EL発光素子とも言う)
22A 有機EL素子層
25 陽極
26 有機EL層
27 発光層
28 陰極
Ld1、Ld2、Ld3 距離(長さ)
δ1、δ2、δ3 段差
t1、t2、t3 (画素中央部の)厚さ
110、110a、110b、 カラーフィルタ形成基板
111 基材(透明基板とも言う)
112 ブラックマトリックス
113R 赤色着色層
113G 緑色着色層
113B 青色着色層
113W WHITE層
113WA 透過率調整部
113RL1、113RL2、113RL3 赤色の表示色
113GL1、113GL2、113GL3 緑色の表示色
113BL1、113BL2、113BL3 青色の表示色
114 絶縁性の樹脂層
120 有機EL素子形成基板
121 基材(透明基板とも言う)
122 有機EL素子
122W 白色光

Claims (8)

  1. 透明基板からなる基材の一面上に、カラーフィルタ用の各色の着色層を、各色それぞれ、所定の画素領域に配し、且つ、画素区分用遮光領域に遮光層を配して画素領域を区分けしている白色光源タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板であって、
    前記基材から最も離れた前記遮光層の面の位置を、前記着色層の基材側ではない面よりも、前記基材から離れた位置とし、
    前記着色層と、前記遮光層とは、平面視上重ならない配置であり、
    前記着色層及び前記遮光層を覆うように透明な平坦化層を配設しており、
    前記遮光層領域において基材面から凸形状となる、前記平坦化層の基材側とは反対側の面の凸部の段差は、0.5μm以下であり、
    前記凸部における平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離が、画素中央部における前記平坦化層の基材側とは反対側の面の基材面からの距離と同じくなる位置であって、且つ、基材面に沿い画素を直交する方向において、前記各着色層よりも前記基材から離れた部分における前記遮光層の端から、最も近い位置、までの距離が、1.0μm以上であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  2. 請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、着色層同士を離間して、前記各着色層を配しているものであり、前記遮光層は、1層の遮光性層からなる構造で、前記基材の一面に接して、前記平坦化層側に形成され、前記各画素領域から延設された着色層同士が離間した部分を埋めているものであることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記平坦化層が、無機組成物からなることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記平坦化層の厚さが2.0μm以下であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記画素領域に、光吸収層が積層して形成されており、
    380nm〜780nmの波長領域における前記光吸収層の最大光透過率および最小光透過率の差が、20%以下の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層は、樹脂中に色材としてカーボンブラックもしくはチタンブラックを分散して含有しているものであることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  7. 請求項5または請求項6に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  8. 有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とする有機EL表示装置。
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