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JP6163736B2 - カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ形成基板および有機el表示装置 Download PDF

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JP6163736B2 JP2012249492A JP2012249492A JP6163736B2 JP 6163736 B2 JP6163736 B2 JP 6163736B2 JP 2012249492 A JP2012249492 A JP 2012249492A JP 2012249492 A JP2012249492 A JP 2012249492A JP 6163736 B2 JP6163736 B2 JP 6163736B2
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Description

本発明は、有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板と、該基板を用いた有機EL表示装置に関し、特に、白色発光タイプの有機EL表示装置用のカラーフィルタ形成基板に関する。
近年、有機EL表示装置は、自己発光性であるために視認性が優れ、バックライトが不要なため、薄く、軽くでき、構造が簡単で低コスト化が期待でき、動画表示にも適していることから、液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置に続くフラットなディスプレイ装置(フラットパネルとも言う)として、研究開発、商品化が進められている。
そして、白色発光タイプの有機EL表示装置においては、図16(a)に示すように、表示の高色純度と高輝度を両立するために、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層を配した画素(着色画素とも言う)のほかに、高い光透過性の高光透過画素を備えたカラーフィルタ形成基板110が用いられるようになってきた。
高光透過画素には、通常、着色していない樹脂層や、R、G、Bの各色を併せた色に合わせて若干着色してある樹脂層を配しているが、ここでは、このような高光透過画素をWHITE画素と言い、WHITE画素に配置されている樹脂層をWHITE層と言う。
また、有機EL表示装置は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置とも言われ、表示装置は、表示パネルとも言われる。
このようなWHITE画素を備えたカラーフィルタ形成基板を用いた白色発光タイプの有機EL表示装置においては、外部から入射される光(以下、外光とも言う)は、WHITE画素を透過し、有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは、有機EL発光素子とも言う)が有する電極及び金属配線で反射され、コントラストが低下するという問題がある。
尚、図16(a)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、97%程度である。
この問題を解決するために、例えば、図16(b)に示すように、上記白色発光タイプの有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の前面(観察者側)に円偏光板130を設け、外部入射光の反射を低減する第1の形態が採られている。
しかし、この第1の形態の場合、円偏光板は透過率を大きく低下させるため、結果として有機EL素子の発光効率が著しく低下し、表示輝度が低下してしまう。
図16(b)に示す有機EL表示装置の場合、前面(観察者側)から入射される外光の反射率は、通常、0.1%程度で、表示の明るさは、図16(a)に示す形態の有機EL表示装置の40%程度である。
また、図16(c)に示すように、WHITE画素に相当する領域に着色材が分散された感光性樹脂からなる層を配し、これを透過率調整部113WAとする、第2の形態も採られている。(特許文献3参照)
この形態の場合、透過率調整部113WAにより、外光の入射や、入射された外光の、有機エレクトロルミネッセンス素子が有する電極及び金属配線での反射を調整することができる。
しかし、この第2の形態の場合、透明基板からなる基材111と各色のカラーフィルタ用各着色層との界面、透明基板からなる基材111と透過率調整部113WAとの界面の反射色が異なり、また、カラーフィルタ用の各着色層の色により画素の透過率が異なるため、反射ムラが見え易い、という問題がある。
第2の形態の場合は、外光の反射低減が不十分であり、外光の反射を十分に低減し、反射ムラをなくすには、例えば、図16(b)に示す形態の有機EL表示装置ように、円偏光板を前面(観察者側)に設けることが必要となる。
このように、表示の高色純度と高輝度を両立するために、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色画素のほかに、高い光透過性のWHITE画素を備え白色発光タイプの有機EL装置においては、WHITE画素を透過し、有機EL素子が有する電極及び金属配線で反射され、コントラストが低下するという問題に対して、上記第1の形態や第2の形態あるいは、第1、第2の両形態を採る形態で対応してきたが、いずれの形態も、外光反射の低減と、表示輝度の低下防止とを達成し、且つ、表示品質の面で満足できるものではなかった。
特開2008−47340号公報 特開2002−377776号公報 特願2011−047924
上記のように、白色発光タイプの有機EL表示装置においては、特に、外光反射の面で満足できるものはなく、この対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、白色発光タイプの有機EL表示装置で、外光反射の低減を可能とすることができる有機EL表示装置を提供しようとするものであり、更には、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止とを達成でき、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置を提供しようとするものである。
また、このような有機EL表示装置の作製を可能とすることができるカラーフィルタ形成基板を提供しようとするものである。
本発明のカラーフィルタ形成基板は、白色光源タイプの有機EL表示装置用で、透明基板からなる基材の一面上に、カラーフィルタ用の複数色の着色層を各色区分けして所定の画素領域に配している、カラーフィルタ形成基板であって、前記カラーフィルタ用の複数色の着色層のうちの1色以上の着色層が配される画素領域には、着色層と光吸収層とを積層した積層構造を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記のカラーフィルタ形成基板であって、前記カラーフィルタ用の複数色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、前記R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えており、前記光吸収層が、前記WHITE画素領域と、前記カラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域とに、形成されていることを特徴とするものである。
そしてまた、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、前記全画素領域に形成されていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層は、樹脂中に色材としてカーボンブラックを分散して含有しているものであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%であることを特徴とするものである。
尚、ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006163736
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層の膜厚が1μm以上であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層の膜厚は、前記光吸収層を積層しない場合において透過率の高い画素領域ほど厚くなっていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層を積層した画素領域の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設していることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのカラーフィルタ形成基板であって、前記積層構造は、光吸収層が基材と着色層との間に形成されている構造であることを特徴とするものであり、前記カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けする画素区分用遮光層(ブラックマトリクスとも言う)と、前記光吸収層とは、樹脂中に色材を分散させた感光性樹脂を用いてフォトリソ法により形成されたものであることを特徴とするものである。
本発明の表示装置は、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないし10のいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とするものである。
(作用)
本発明のカラーフィルタ形成基板は、このような構成にすることにより、白色発光タイプの有機EL表示装置で、外光反射の低減を可能とし、更には、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止とを達成でき、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の作製を可能とすることができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能としている。
カラーフィルタ用の複数色の着色層のうちの1色以上の着色層が配される画素領域には、着色層と光吸収層とを積層した積層構造を備えている請求項1の形態とすることにより、外光反射の低減を可能としている。
具体的には、カラーフィルタ用の複数色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、該R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えおり、前記光吸収層が、前記WHITE画素領域と、前記カラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域とに、形成されている請求項2の発明の形態が挙げられる。
この形態の場合、光吸収層が表示輝度が高いカラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域に形成されているため、他のR、Bの各色の着色層の画素領域に光吸収層を設けなくても、外光反射の低減と、表示輝度の低下防止とを達成できる。
また、光吸収層が、前記全画素領域に形成されている請求項3の発明の形態とした場合には、全画素領域についての外光反射の低減を可能とする。
また、光吸収層としては、具体的には、樹脂中に色材としてカーボンブラックを分散して含有しているものが挙げられるが、これに限定はされない。
また、光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%である請求項5の形態とすることにより、外光反射の低減効果に加えて、表示の際の輝度を、円偏光板を用いた図16(b)に示す第1の形態よりも、大きくできる。
尚、ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006163736
特に、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットである場合、光吸収層を設けたことによる表示の際の色ずれを少ないものとできる。
また、光吸収層の形成は、フォトリソ法を前提として、膜形成後、現像してパターン形成するため、光吸収層としては膜厚が1μm以上が好ましい。
また、前記光吸収層の膜厚は、該光吸収層を積層しない場合において透過率の高い画素領域ほど厚くなっている請求項7の発明の形態とすることにより、各着色層の画素領域における外光反射のムラを少なくすることを可能としている。
また、光吸収層を積層した画素領域の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設している請求項8の発明の形態とすることにより、表示の際、見る方向による視差を少なくできるものとしている。
また、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造である有機EL表示装置においては、有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板との間隔を所定の間隔とするため、積層構造は、光吸収層が基材と着色層との間に形成されている構造である請求項9の発明の形態とすることにより、各色の画素領域において、有機EL素子とカラーフィルタ用の着色層との距離を、従来と同様にとれ、表示の際、見る方向による視差を少なくできる。
請求項9の形態において、カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けする画素区分用遮光層(ブラックマトリクスとも言う)と、前記光吸収層とは、樹脂中に色材を分散させた感光性樹脂を用いてフォトリソ法により形成されたものである請求項10の形態とすることにより、画素区分用遮光層と光吸収層の形成工程を同じフォトリソ工程で一度にできるものとしており、工程の簡略化、材料の共通化が図れる。
本発明の表示装置は、このような構成にすることにより、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色画素のほかにWHITE画素を備えた白色発光タイプ、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の提供を可能としている。
本発明は、このように、白色発光タイプの有機EL表示装置で、外光反射の低減を可能とし、更には、外光反射の低減に加えて表示輝度の低下防止とを達成でき、且つ、表示品質の面で満足できる有機EL表示装置の提供を可能とした。
同時に、そのような有機EL表示装置の作製を可能とすることができるカラーフィルタ形成基板の提供を可能とした。
図1(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第1の例の一部断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す第1例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図2(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第2の例の一部断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す第2例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図3(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第3の例の一部断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す第3例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図4(a)は、図1(a)に示す第1の例の変形例で、図4(b)は、図2(a)に示す第2の例の変形例である。 図5(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第4の例の一部断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す第4例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図6(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第5の例の一部断面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す第5例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図7(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第6の例の一部断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す第6例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図8(a)は、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施の形態の第7の例の一部断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す第7例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図である。 図9(a)は、図3(a)に示す第3の例の変形例のカラーフィルタ形成基板の一部断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示す変形例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置の一部断面図で、図9(c)は、図9(a)のA1−A2から見た一部の図である。 有機EL素子の構成例を示した概略層構成図である。 光吸収層の分光透過率特性を示した図である。 光吸収層の透過率と光吸収層を2回通過した外光の透過率との関係を示した図である。 図13(a)〜図13(d)は、第1の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示した工程断面図である。 図14(a)〜図14(d)は、第2の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示した工程断面図である。 図15(a)〜図15(c)は、第3の例のカラーフィルタ形成基板の作製方法を示した工程断面図である。 図16(a)は、従来のWHITE層を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図16(b)は、図16(a)に示す表示装置の前面(観察者側)に円偏光板を配した有機EL表示装置の一部断面図であり、図16(c)は、図16(a)に示す表示装置において、従来のWHITE層形成領域に透過率調整部を配した有機EL表示装置の一部断面図である。
先ず、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第1の例を、図1(a)に基づいて説明する。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、白色光源タイプの有機EL表示装置に用いられるカラーフィルタ形成基板で、カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、該R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えおり、特に、光吸収層15が、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように、全面に、形成されている。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、図1(a)に示すように、基材11側の一面に画素区分用遮光層12を形成しており、該画素区分用遮光層12を覆うように、各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wを配し、更に各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wを覆うように光吸収層15を配している。
上記有機EL表示装置としては、モバイル機種のノートパソコンや多機能端末機器(高機能端末機器とも言う)等のモバイル電子機器用が挙げられるが、これらに限定はされない。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、白色発光の有機EL素子22を各画素毎に形成した有機EL素子形成基板20と、絶縁性の樹脂層14を間に挟んで、所定の間隔で積層されて、図1(b)に示すように、有機EL表示装置となる。
第1の例のカラーフィルタ形成基板10は、このように、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように全面に渡り光吸収層15を設けていることにより、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて、図1(b)に示す有機EL表示装置を作製した場合、その前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光は、入射時と出射出時との2回、光吸収層15を通過することとなり、出射する反射光を少なくすることができる。
例えば、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、光吸収層15の透過率特性をフラットで60%とした場合、2回光吸収層15を通過する光は、実質60%の60%で36%となる。
また、表示する際の光は、光吸収層15を1回通過して出射されるため、光吸収層15による透過光の低下は1回で済み、例えば、光吸収層15の透過率を60%とすれば、1回光吸収層15を通過による透過光の低下は、実質60%となる。
したがって、第1の例のカラーフィルタを用いた場合は、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す円偏光板を用いた有機EL表示装置に比べて、表示の際の透過光を多くすることを可能としている。
例えば、光吸収層15の透過率特性が、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)においてフラットで60%とすれば、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を36%に低減することができ、表示の際の通過光を60%とでき、表示の際の通過光については、図16(a)に示す有機EL表示装置の40%程度である図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることができる。
光吸収層15の透過率としては、従来の図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減でき、且つ、図16(b)に示す円偏光板を用いた有機EL表示装置に比べて、表示の際の透過光を多くすることからは、C光源の場合、平均透過率が45%〜95%であることが好ましい。
尚、ここでの「平均透過率」とは、光吸収層の透過率を可視光領域全域にわたる透過率が略フラットで、可視光領域全域にわたる透過率を平均することにより得られる値である。
ここでは、顕微分光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて透過スペクトルを測定しており、測定により得られた透過スペクトルより下記(1)式より、XYZ表色系のYの値が求められるが、実質的には、これに相当する。
尚、式(1)においては、P(λ)は、光源の分光組成、y(λ)は、XYZ表示系における等色関数の1つ、τ(λ)は、ここでは、物体の分光透過率、kは定数である。

Figure 0006163736
特に、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットである場合、光吸収層を設けたことによる表示の際の色ずれを少ないものとできる。
尚、光吸収層15の形成には、樹脂中に、主な色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、主な色材の濃度調整により、光吸収層を透過する光の強度を調整でき、また、色調整用の顔料を適宜含有させることにより、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットな透過率特性を容易に得ることができる。
主な色材としてのカーボンブラックの濃度を調整することにより、図12に示すように、種々の透過率を容易に得ることができる。
尚、図12では、光吸収層の透過率の値を横軸で表し、光吸収層の透過率の値に対応した光吸収層を2回通過した場合の透過率を縦軸で表しており、図12における三角印は、カーボンブラック濃度を調整して測定して得た光吸収層の透過率(横軸)と、対応する該吸収層を2回通過した場合の透過率(縦軸)を示している。
図1(b)に示す有機EL装置の場合、外光の反射光は、入射の際と、出射の際の2回、光吸収層を通過するため、ここでは、図12の縦軸を、便宜上、外光の透過率としている。
また、色調整用の顔料を含有量を調整することにより、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)にわたりフラットに近い透過率特性を容易に得ることができる。
光吸収層は、可視光領域(400nm〜700nmの波長範囲)において、フラットに近い光透過特性の方が光吸収層を設けたことによる色ずれは小さく、表示の際の透過光の色ずれ、外光反射の色ずれを小さくすることができる。
例えば、図11に示すフラットに近い透過率特性を有する光吸収層を用いた場合、光吸収層を設けたことによる色ずれの問題はない。
次に、図1(a)に示すカラーフィルタ形成基板10と図1(b)に示す有機EL表示装置の、各部材について説明する。
<基板11>
第1の例に用いられる透明基板からなる基材11としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができ、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができるが、特に、無機基板を用いることが好ましく、無機基板のなかでもガラス基板を用いることが好ましい。
さらには、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。
無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
上記基板は、通常、透明な透明基板が用いられている。
<画素区分用遮光層(ブラックマトリクスとも言う)12>
カラーフィルタ用の各色の着色層の画素領域を区分けする画素区分用遮光層12を形成するための遮光性の着色層としては、例えば、ここでは、エポキシ樹脂等の樹脂で被覆したカーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものが用いられている。
カーボンブラックをピグメント(顔料)としてバインダ樹脂中に分散させたものは、膜厚を比較的薄くして遮光性の樹脂層を形成することができる。
ここでは、画素区分用遮光層の遮光性の着色層の形成をフォトリソグラフィー法を用いているが、この場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、黒色着色剤および感光性樹脂を含有する画素区分用遮光層形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
尚、画素区分用遮光層の遮光性の着色層を、印刷法やインクジェット法を用いて形成する場合もあるが、この場合には、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
尚、画素区分用遮光層の開口パターン形状や各色の着色層の配列は、限定はされない。

画素区分用遮光層の開口パターン形状がストライプ状の形状のものや、くの字形状、デルタ配列などの様に着色層の配列を変えたものも挙げられる。
<着色層13R、13G、13B>
本例では、カラーフィルタ形成用の各色の着色層は、赤色の着色層13R、緑色の着色層13G、青色の着色層13Bの3色の着色層である。
各色の着色層は、各色の顔料や染料等の着色材(色材ともいう)をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成されるものである。
上記着色層に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合、着色材および感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
上記各色の着色層の膜厚は、通常、1μm〜5μm程度で設定される。
着色層の色としては、赤色、緑色、青色の3色を少なくとも含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、赤色、緑色、青色の3色、または、赤色、緑色、青色、黄色の4色、または、赤色、緑色、青色、黄色、シアンの5色等とすることもできる。
尚、赤色(Rとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色(Gとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色(Bとも記載)の着色層に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。
これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
<WHITE層13W>
ここでは、上記の画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
<光吸収層15>
光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から色材を除いた組成の樹脂が用いられて、塗膜される。
塗膜方法としては、フォトリソグラフィー(ダイコート法、スピンコート法)、インクジェット法等が挙げられるが、通常は、フォトリソグラフィーにて塗膜する。
尚、塗膜性や外光反射低減の面からは、光吸収層15の膜厚は0.3μm以上であることが好ましい。
<絶縁性の樹脂層14>
絶縁性の樹脂層14の材料としては、熱硬化性樹脂組成物と光硬化性樹脂組成物が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物としては、上記カラーフィルタ形成用の各色の着色層に用いられるバインダ樹脂と同様のもの、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
この場合も、感光性樹脂を含有する着色部形成用感光性樹脂組成物に、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
熱硬化性樹脂組成物としては、エポキシ化合物を用いたもの、熱ラジカル発生剤をもちいたものがあげられる。
エポキシ化合物としては、カルボン酸やアミン系化合物などにより硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
熱ラジカル発生剤としては過硫酸塩、ヨウ素等のハロゲン、アゾ化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくは、アゾ化合物または有機過酸化物である。
アゾ化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス−[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、および2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられ、有機過酸化物としては、ジ(4−メチルゼンゾイル)ペーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタネート、およびジクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
<有機EL素子形成基板20>
(1) 基材21
基材21としては、基本的に、基材11と同様の材質が用いることができるが、第1の例のカラーフィルタを用いた図1(b)に示す表示装置の場合は、基材11側から外側に出射して表示するため、透明である必要はない。
(2) 有機EL素子22
図1(b)に示す白色発光の有機EL素子22については、図1(b)では明示していないが、例えば、図10に示すような材料構成とする。
図10に示す有機EL素子22は、赤、緑、青に発光する3つの材料を用いて、併せて白色発光とするものです。
(有機EL層26)
有機EL素子22を形成する有機EL層26は、少なくとも発光層27を含む1層もしくは複数層の有機層から構成されるものである。
発光層以外の有機EL層26を構成する有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等を挙げることができる。
この正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合が多い。
また、有機EL層を構成する有機層としては、正孔ブロック層や電子ブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
有機EL層の構成としては、一般的な構成であればよく、発光層のみ、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層、正孔注入層/正孔ブロック層/発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層/電子輸送層などを例示することができる。
白色発光の有機EL素子22における、発光材料は、単一の化合物で構成されることはほとんどなく、一般的には、2つないし3つの色の異なる発光材料を用いている。
発光スペクトルは、各色の発光材料のスペクトルを併せた形となる。
(陽極25、陰極28)
陽極25、陰極28の電極層を形成する導電性材料としては、一般に金属材料が用いられるが、有機物や無機化合物を用いてもよく、複数の材料を混合して用いてもよい。
また、陽極、陰極の電極層は、光の取り出し面に応じて、透明性を有するか否かを適宜選択される。
陽極25には、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料が好ましく用いられ、陰極28には、電子が注入し易いように仕事関数の小さな導電性材料が好ましく用いられる。
前記導電性材料としては、透明性を要求される場合には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、Zn−O−Al、Zn−Sn−O等が挙げられ、透明性が要求されない場合には、金属を用いることができ、具体的にはAu、Ta、W、Pt、Ni、Al、Pd、Cr、あるいは、Al合金、Ni合金、Cr合金等を挙げることができる。
陽極25および陰極28のいずれの電極層も、抵抗が比較的小さいことが好ましい。
電極層の成膜方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法、印刷法等を挙げることができる。
また、電極層のパターニング方法としては、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。
上記第1の例の変形例としては、第1の例において、図4(a)に示すように、光吸収層を、画素毎に分割した形態のものが挙げられる。
図4(a)に示す第1の例の変形例も、基本的に、第1の例と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第2の例を挙げる。
第2の例は、図2(a)に示すように、第1の例とは異なる位置に光吸収層15を配しており、光吸収層15を、着色層13R,13G、13Bと基材11との間に積層形成しているものであり、基材11側の一面に画素区分用遮光層12を形成しており、該画素区分用遮光層12を覆うように、光吸収層15を配し、更に該光吸収層15上に、各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wを配している。
それ以外は、第1の例と同じである。
第2の例も、第1の例と同様の用途の表示装置に用いられるが、図2(b)に示す有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタを用いた場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
第2の例のカラーフィルタ形成基板の場合は、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10aと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
上記第2の例の変形例としては、図4(b)に示すような、第2の例において、光吸収層を、画素毎に分割した形態のものが挙げられる。
図4(b)に示す第2の例の変形例も、基本的に、第2の例と同様の作用効果を奏する。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第3の例を挙げる。
第3の例は、図3(a)に示すように、第2の例の場合と同様、光吸収層15を、着色層13R,13G、13Bと基材11との間に積層形成しているものであるが、第3の例では、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを同じ材料で形成し、且つ、光吸収層15の厚さを画素区分用遮光層12の厚みよりも薄く形成している。
ここでは、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを同じネガ型の感光性樹脂を用いて、同時にフォトリソ法により形成しているが、例えば、露光の際、露光量に階調を持たせることができる1つの階調マスクを用いて、光吸収層15を形成する領域の露光量を、画素区分用遮光層12を形成する領域の露光量に比べて少なくして、両領域を同時に露光し、次いで、現像することにより、形成する画素区分用遮光層12および光吸収層15の膜厚を調整する。
尚、階調マスクをハーフトーンマスクとも言う。
それ以外は、第2の例と同じである。
第3の例も、第1の例、第2の例と同様の用途の表示装置に用いられるが、図3(b)に示す有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタを用いた場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
第3の例のカラーフィルタ形成基板の場合も、第2の例の場合と同様、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10bと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第4の例を挙げる。
第4の例は、図5(a)に示すように、第2の例、第3の例の場合と同様、光吸収層15を、着色層13R,13G、13Bと基材11との間に積層形成しているものであるが、第4の例のカラーフィルタ形成基板10cの場合は、基材11側の一面に該一面を覆うように光吸収層15を配設し、該光吸収層15上に画素区分用遮光層12、および、各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wとを配している。
第4の例のカラーフィルタ形成基板の場合も、第2の例、第3の例の場合と同様、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10bと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第5の例を挙げる。
図6(a)に示す第5の例は、図4(a)に示す、第1の例の変形例に対して、画素区分用遮光層12の厚みを増やし、基材11の一面から光吸収層15の基材11側とは反対側の表面に達するようにしたものであり、それ以外は、第1の例の変形例と同じである。 第5の例も、図6(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタを用いた場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
特に、第5の例の場合は、画素区分用遮光層12が、基材11の一面から光吸収層15の基材11側とは反対側の表面に達する構造であるため、図6(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、隣接する画素間の混色をなくすことを可能としている。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第6の例を挙げる。
図7(a)に示す第6の例は、図4(b)に示す、第2の例の変形例に対して、画素区分用遮光層12の厚みを増やし、基材11の一面から各色の着色層13R、13G、13BやWHITE層13Wの基材11側とは反対側の表面にまで達するようにしたものであり、それ以外は、第2の例の変形例と同じである。
第6の例も、図7(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタを用いた場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
第6の例の場合も、第5の例と同様、画素区分用遮光層12が、基材11の一面から各色の着色層13R、13G、13BやWHITE層13Wの基材11側とは反対側の表面にまで達する構造であるため、図7(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、隣接する画素間の混色をなくすことを可能としている。
次に、本発明のカラーフィルタ形成基板の実施形態の第7の例を挙げる。
図8(a)に示す第7の例は、図5(a)に示す第4の例に対して、画素区分用遮光層12の厚みを増やし、光吸収層15から各色の着色層13R、13G、13BあるいはWHITE層13Wの基材11側とは反対側の表面に達するようにしたものであり、それ以外は、第4の例と同じである。
第7の例も、図8(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、第1の例のカラーフィルタを用いた場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
第7の例の場合も、画素区分用遮光層12が、光吸収層15から各色の着色層13R、13G、13BあるいはWHITE層13Wの基材11側とは反対側の表面に達する構造であるため、図8(b)に示すように有機EL表示装置に用いられた場合、隣接する画素間の混色をなくすことを可能としている。
本発明のカラーフィルタ形成基板は、上記の形態に限定はされない。
例えば、第1の例において、光吸収層15を、WHITE画素領域、カラーフィルタ用のR、G、Bの各色の着色層の画素領域を覆うように、全面に、形成せずに、光透過率が大きいWHITE画素領域と、カラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域だけを覆うように、光吸収層を形成する形態も挙げられる。
この形態のカラーフィルタ形成基板を有機EL表示装置に用いた場合も、第1の例とほぼ同じように、効果的に外光反射の影響を少なくできる。
また、上記各形態のカラーフィルタ形成基板の基材11側でない表面に、即ち、上記の第1の例、第1の例の変形例、第5の例の各例においては光吸収層15上に、上記の第2の例、第2の例の変形例、第3の例、第4の例、第6の例、第7の例の各例においては各色の着色層上に、更に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を形成した形態のものも挙げられる。
散乱層を配した形態とすることにより、散乱層を設けない場合に比べて、観察者の見る方向による視差を改善できる。
また、発光層22を覆う絶縁性の樹脂層を、有機EL表示装置の作製に供与される前に有機EL素子形成基板に予め設けた形態も挙げられる。
また、上記の第1の例〜第7の例、変形例の各例においては、該光吸収層15を積層しない場合において透過率の高い画素領域ほど、光吸収層15の膜厚を厚くしている形態も挙げられる。
このような形態とすることにより、各着色層の画素領域における外光反射のムラを少なくすることができる。
また、上記の第1の例〜第7の例、変形例の各例のカラーフィルタ形成基板において、WHITE画素領域に、WHITE層を配していない形態のものも挙げられる。
このようなカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置についても、同様に、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることができる。
また、第3の例のカラーフィルタ形成基板10bの変形例として、光吸収層15が、図9(a)に示す断面形状のカラーフィルタ形成基板10bAを挙げることができる。
光吸収層15の形状以外は、第3の例と同じである。
図9(a)に示す変形例の場合、光吸収層15は、画素区分用遮光層12の厚さと同じ厚さで形成されている。
この変形例の場合も、同じネガ型の感光性樹脂を用いて、フォトリソ法により、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを、同時に形成するが、例えば、フォトリソ法における露光の際、バイナリーマスクにて、画素区分用遮光層12と光吸収層15の形成領域形を同じ露光量で、同時に露光し、次いで、現像することにより、画素区分用遮光層12および光吸収層15を形成する。
この変形例のカラーフィルタ形成基板を用いた図9(b)に示す有機EL表示装置の場合、第1の例のカラーフィルタを用いた図1(b)に示す有機EL表示装置の場合と同様、図16(a)に示す有機EL表示装置に比べて、前面(観察者側)から外光が入射して、内部の電極や配線で反射して出射する、外光の反射光を低減することができ、表示の際の通過光の低減を少なくして、図16(b)に示す有機EL表示装置に比べて、表示の際の通過光を多くすることを可能としている。
変形例のカラーフィルタ形成基板を用いて有機EL表示装置を作製した場合、第2の例、第3の例の場合と同様、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を用いて有機EL表示装置を作製した場合に比べて、カラーフィルタ10cと有機EL素子22との間隔を狭くでき、結果、第1の例のカラーフィルタ10を用いた場合に比べて、表示の際の混色の少ないものとできる。
図9(b)に示す有機EL表示装置の場合は、光吸収層15を開口させ、該開口面積を制御することにより、各画素部を通る光量を制御して、実質的に光吸収層により透過率制御をしている。
ここでは、光吸収層の開口形状としては、1例として、図9(c)に示すような形状を挙げているが、これに限定はされない。
尚、図9(c)のR色の着色層13R領域が光吸収層の開口領域に相当する。
また、変形例の場合において、各色の着色層は配設される画素領域、WHITE画素で、開口の割合を変化させても良い。
次に、第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法を、図13に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図13(a))、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法で画素区分用遮光層12を形成し(図13(b))、次いで、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを、順次、一般的なフォトリソ法により、それぞれ所定の形成領域に、形成する。(図13(c))
通常、画素区分用遮光層12やカラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13Bは、各色の顔料や染料等の着色材をバインダ樹脂中に分散または溶解させた着色部形成用の樹脂組成物を用いて、フォトリソ法(フォトリソグラフィー法とも言う)により形成するが、これに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
また、WHITE層13Wは、上記の画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられ、フォトリソ法により形成されるが、形成方法はこれに限定はされない。
印刷法や、インクジェット法にて形成することもできる。
次に、光吸収層15を着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように形成する。(図13(d))
光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられて、塗膜される。
塗膜方法としては、ダイコート法、スピンコート法、インクジェット法等が挙げられるが、通常は、ダイコート法、スピンコート法、にて塗膜する。
次に、第2の例のカラーフィルタ形成基板10aの作製方法を、図14に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図14(a))、図13に示す第1の例の作製方法の場合と同様、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法で画素区分用遮光層12を形成する。(図14(b))
次いで、光吸収層15を画素区分用遮光層12形成側全面を覆うように形成する。(図14(c))
光吸収層15の形成は、図13に示す第1の例の作製と同様に行う。
次いで、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを、順次、一般的なフォトリソ法により、それぞれ所定の形成領域に、形成する。(図14(d))
カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wの形成も、図13に示す第1の例の作製と同様に行う。
第2の例の作製方法は、第1の例の作製方法において、処理の順番を変えただけで、工程数は、第1の作製方法と同じである。
次に、第3の例のカラーフィルタ形成基板10bの作製方法を、図15に基づいて、簡単に説明しておく。
予め、透明な基材11を用意しておき(図15(a))、先ず、基材11の一面上に、一般的なフォトリソ法で、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを形成する。(図15(b))
ここでは、画素区分用遮光層12、光吸収層15形成用のネガ型の感光性材料を塗膜した後、露光の際、露光量に階調を持たせることができる1つの階調マスクを用いて、光吸収層15を形成する領域の露光量を、画素区分用遮光層12を形成する領域の露光量に比べて少なくして、両領域を同時に露光し、次いで、現像することにより、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを形成する。
次いで、図13に示す第1の例の作製の場合と同様にして、カラーフィルタ形成用の各色の着色層13R、13G、13BとWHITE層13Wとを形成する。(図15(c)) 第3の例の作製方法は、フォトリソ法により、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを同時に形成するもので、第1の例の作製方法、第2の例の作製方法に比べて、工程数が少なくなる。
また、第3の例の作製方法においては、画素区分用遮光層12形成材料と光吸収層15形成材料を同じくしているので、材料の有効利用が可能である。
図4(a)に示す、第1の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10Aの作製方法は、図13に示す第1の例の作製方法において、光吸収層15の形成方法が異なるが、それ以外は同じである。
図4(a)に示す第1の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10Aの作製においては、光吸収層15形成用の光硬化性の材料を着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように塗布形成し、選択露光し、現像して、光吸収層を、画素毎に分割形成するが、これに限定はされない。
ここでも、光吸収層15を形成する材料としては、樹脂中に、色材としてカーボンブラックを含有し、色調整用にBLUE顔料等含有し、これらを分散させたものが用いられるが、上記樹脂としては、画素区分用遮光層12や着色層13R、13G、13Bを形成する樹脂組成物等から着色材(色材)を除いた組成の樹脂が用いられて、ダイコート法、スピンコート法)、インクジェット法等により塗膜される。
また、図4(b)に示す、第2の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10aAの作製方法は、図14に示す第2の例の作製方法において、光吸収層15の形成方法が異なるが、それ以外は同じである。
ここでは、光吸収層15の形成は、光吸収層15形成用の光硬化性の材料を、画素区分用遮光層が形成された側の基材面に塗布形成し、選択露光し、現像して、光吸収層を、画素毎に分割形成するが、これに限定はされない。
また、図5(a)に示す、第4の例のカラーフィルタ形成基板10cの作製方法は、基本的には、図14に示す第2の例の作製方法において、画素区分用遮光層12の形成と光吸収層15の形成の順番を代えてもので、それ以外は、同じである。
また、図6(a)に示す、第5の例のカラーフィルタ形成基板10Bの作製方法は、図13に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10の作製方法において、画素区分用遮光層12の厚みを厚くし、更に、光吸収層15の形成方法を変え、光吸収層15形成用の光硬化性の材料を、画素区分用遮光層、各着色層、WHITE層が形成された側の基材面に塗布形成し、選択露光し、現像して、光吸収層を、画素毎に分割形成したものである。
また、図7(a)に示す、第6の例のカラーフィルタ形成基板10aBの作製方法は、図4(a)に示す、第1の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10Aの作製方法において、画素区分用遮光層12の厚みを厚くしたものである。
また、図8(a)に示す、第7の例のカラーフィルタ形成基板10cBの作製方法は、図4(b)に示す、第2の例の変形例のカラーフィルタ形成基板10aAの作製方法において、画素区分用遮光層12の厚みを厚くしたものである。
また、図9(a)に示す第3の例のカラーフィルタ形成基板10bAの変形例は、基本的に、第3の例の作製方法と同じである。
[実施例]
実施例を挙げて、本発明を更に説明する。
(実施例1)
実施例1は、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10を作製したもので、以下のように、光硬化性の硬化性樹脂組成物Aを調製して作製し、作製された硬化性樹脂組成物Aを用いて、カラーフィルタ形成用の赤色硬化性樹脂組成物、緑色硬化性樹脂組成物、青色硬化性樹脂組成物、WHITE層形成用の硬化性樹脂組成物、画素区分用遮光層形成用の硬化性樹脂組成物および光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を作製し、これらの硬化性樹脂組成物を用いて、それぞれ、フォトリソ法を行うことにより、カラーフィルタ用の各色着色層、WHITE層、画素区分用遮光層を形成し、また、塗膜して、光吸収層を形成したものです。
ここでは、図13に示す作製方法により、画素区分用遮光層12を形成した後、カラーフィルタ用の赤色の着色層13R、緑色の着色層13G、青色の着色層13B、WHITE層13Wを、それぞれフォトリソ工程で形成し、更に、光吸収層15を形成して、第1の例のカラーフィルタ形成基板10を作製した。
(硬化性樹脂組成物Aの調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63重量部、アクリル酸(AA)を12重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88重量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2、2’ーアゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7重量部添加し、均一に溶解させた。
その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。
得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7重量部、トリエチルアミンを0.4重量部、及びハイドロキノンを0.2重量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記の材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物とした。
・ 上記共重合樹脂溶液(固形分50%) :16重量部
・ ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)
:24重量部
・ オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) :4重量部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン :4重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :52重量部
(画素区分用遮光層(ブラックマトリクス)12の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :75重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光性の着色層用組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :43重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :19重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :38重量部
ガラス基板(旭硝子社製、AN材)上に上記遮光性の着色層用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、遮光性の着色層を形成した。
当該遮光性の着色層を塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより、2.0kWの超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を230℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光性の着色層13Mを表示用領域および額縁部12領域に形成した。
ここでは、上記調整した着色層を全領域上に形成し、フォトリソ法により、画素区分用遮光層および額縁部の遮光性の樹脂層形成した。
加熱処理後の形成膜厚は1.3μmとなった。
尚、上記の樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E)は、平均粒径25nmである。
粒径は、例えば、日機装社製のレーザードップラー散乱光解析粒度分析計(商品名「Microtrac934UPA」)を用い、通常は、着色組成物に含まれる溶剤(希釈溶剤と呼ぶ)で希釈し、着色組成物の顔料粒径の累積が50%を占める粒径を50%平均粒径とし、その値を測定して求める。
(赤色の着色層13Rの形成)
ブラックマトリックス上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥した。
次いで、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kwの超高圧水銀ランプを用いて着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。
次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。
その後、基板を230℃の雰囲気下に15分間放置することにより、加熱処理を施して赤色画素パターンを表示用領域に形成した。
形成膜厚は2.0μmとなった。
<赤色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントレッド177 :3重量部
・ C.I.ピグメントレッド254 :4重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(緑色の着色層13Gの形成)
次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.5μmとなるようにして、緑色画素を表示領域に緑色の着色層からなるレリーフパターンを形成した。
<緑色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントグリーン7 :6重量部
・ C.I.ピグメントイエロー150 :2重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :22重量部
・ 酢酸ー3−メトキシブチル :67重量部
(青色の着色層13Bの形成)
更に、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.4μmとなるようにして、表示領域に青色のレリーフパターンを形成した。
<青色硬化性樹脂組成物の組成>
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :5重量部
・ ポリスルホン酸型高分子分散剤 :3重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :25重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(WHITE層13Wの形成)
本例では、更に、下記組成のWHITE層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、表示領域にWHITE層のレリーフパターンを形成した。
<WHITE層形成用の硬化性樹脂組成物の組成>
・ 硬化性樹脂組成物A :25重量部
・ 酢酸−3−メトキシブチル :67重量部
(光吸収層15の形成)
更に、下記のようにして作製した光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が1.0μmとなるようにして、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように全面に光吸収層を塗膜して形成した。
<光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :2重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :73重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :0.5重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :75.5重量部
上記のようにして、図1(a)に示す第1の例のカラーフィルタ形成基板10を形成した。
次いで、形成された第1の例のカラーフィルタ形成基板10と、有機EL素子形成板20とを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図1(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(実施例2)
実施例2は、図2(a)に示す第2の例のカラーフィルタ形成基板10aを作製したもので、各部形成用の材料は、実施例1と同様のものを用いて、図14に示す作製工程により、各部材の形成工程は、基本的に、実施例1と同じと、形成した。
次いで、形成された第2の例のカラーフィルタ形成基板10aと、有機EL素子形成板20aとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図2(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(実施例3)
実施例3は、図3(a)に示す第3の例のカラーフィルタ形成基板10bを作製したもので、カラーフィルタ形成用の各色の着色層形成用の材料は、実施例1と同様のものを用いて、また、画素区分用遮光層12と光吸収層15形成用の材料として下記のようにして作製した硬化性樹脂組成物を用いて、図15に示す作製工程により、作製した。
ここでは、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、塗布膜厚を変えて、形成膜厚が2.0μmとなるようにして、カラーフィルタ用の各色の着色層13R、13G、13B、WHITE層13Wを覆うように全面に光吸収層を塗膜してフォトリソ法により、画素区分用遮光層12と光吸収層15とを形成した。
<画素区分用遮光層および光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :2重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :73重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :0.65重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :30重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :69.35重量部
ここでは、画素区分用遮光層12と光吸収層15の形成は、下記の硬化性樹脂組成物を用いて、画素区分用遮光層12の厚さが4.5μm、光吸収層の厚さが0.3μmとなるように、露光の際、12形成領域に多く、光吸収層15形成領域に少なく露光した。
次いで、形成された第3の例のカラーフィルタ形成基板10bと、有機EL素子形成板20bとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図2(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例1)
比較例1は、図16(a)に示すカラーフィルタ形成基板110を実施例1と同様にして作製したものである。
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110と、有機EL素子形成板120とを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図16(a)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例2)
比較例2は、図16(b)に示すカラーフィルタ形成基板110aを実施例1と同様にして作製したものである。
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110aと、有機EL素子形成板120aとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図16(b)に示す有機EL表示装置を作製した。
(比較例3)
比較例3は、図16(c)に示すカラーフィルタ形成基板110bを作製したもので、透過率調整部113WAの形成以外は、実施例1と同様にして形成したものである。
透過率調整部113WAの形成は、下記のようにして作製した硬化性樹脂組成物を用いて、フォトリソ法により行った。
<画素区分用遮光層および光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物の作製>
まず、下記分量の成分を混合し、ビーズミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
・ 樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E) :20重量部
・ C.I.ピグメントブルー15:6 :2重量部
・ 高分子分散材(ビックケミー・ジャパン株式会社 Disperbyk 163) :5重量部
・ 溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) :73重量部
次に、下記分量の成分を十分混合して、光吸収層形成用の硬化性樹脂組成物を得た。
・ 上記黒色顔料分散液 :0.5重量部
・ 硬化性樹脂組成物A :23重量部
・ ジエチレングリコールジメチルエーテル :75.5重量部
そして、作製されたカラーフィルタ形成基板110bと、有機EL素子形成板120bとを、絶縁性の樹脂層14を挟んで所定の間隔(1.2mm程度)で積層して、図16(c)に示す有機EL表示装置を作製した。
尚、実施例1〜実施例3の各実施例により作製された各カラーフィルタ形成基板10、10a、10bに用いられた光吸収層15の可視光領域における光透過特性は、図11に示すように、表示の際の可視光領域(400nm〜700nm波長領域)全体にわたり光吸収層の光透過率のバラツキが少ないフラットフラットに近い透過率特性となった。
これより、該光吸収層15の、JIS Z8701のXYZ表色系における透過色度、反射色度は、表1のようになった。
表1は、C光源、D65光源を用いた場合の、反射光による色ずれ色度が小さいことを示しているが、表1からは、このような透過率特性の光吸収層を用いたカラーフィルタ形成基板10、10a、10bを用いて作製された各実施例の有機EL表示措置においても、同様、光吸収層による色ずれは小さいと判断される。

Figure 0006163736
ここでは、上記透過率特性の測定を、顕微分光測光装置(OSP−SP2000、OLYMPUS(株)社製)を用いて、400nm〜700nmの波長範囲で行い、得られた結果から、換算して、JIS Z8701のXYZ表色系における色度座標(x、y)、明るさYにて表した。
また、ここでは、表示装置の場合、外光が2回光吸収層を通過して外光反射となることを想定して、各光源からの光を光吸収層で2回通過させた場合の色度、明るさを、反射色度、明るさとして、x、y、Yで表している。
上記実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の各例のカラーフィルタ形成基板を用いた有機EL表示装置について、表示輝度、外光反射(電源OFF時)、視差を評価した結果は、表2のようになった。

Figure 0006163736
表2における評価は、目視にて、相対的に評価したものである。
表示輝度は、円偏光板を配設した比較例2の有機EL表示装置の評価を×とし、比較例2の有機EL表示装置より、輝度大のものを○としている。
外光反射の評価は、表示電源をOFFにした状態のもので、比較例1の有機EL表示装置の評価を×とし、比較例2の有機EL表示装置の評価を△とし、比較例2よりも外光反射が少ないものを○としている。
視差は、見る方向による差が少ない状態を○、極めて少ない場合を◎としている。
10、10a、10b、10c カラーフィルタ形成基板
10A、10aA、10bA カラーフィルタ形成基板
10B、10aB、10cB カラーフィルタ形成基板
11 基材(透明基板とも言う)
12 画素区分用遮光層(ブラックマトリックスとも言う)
13R 赤色着色層
13G 緑色着色層
13B 青色着色層
13W WHITE層
13RL 赤色の表示色
13GL 緑色の表示色
13BL 青色の表示色
14 絶縁性の樹脂層
15 光吸収層
20、20a、20b、20c 有機EL素子形成基板
20B、20aB、20cB 有機EL素子形成基板
20bA 有機EL素子形成基板
21 基材(透明基板とも言う)
22 有機EL素子
22W 白色光
25 陽極
26 有機EL層
27 発光層
28 陰極
110、110a、110b、 カラーフィルタ形成基板
111 基材(透明基板とも言う)
112 ブラックマトリックス
113R 赤色着色層
113G 緑色着色層
113B 青色着色層
113W WHITE層
113WA 透過率調整部
113RL1、113RL2、113RL3 赤色の表示色
113GL1、113GL2、113GL3 緑色の表示色
113BL1、113BL2、113BL3 青色の表示色
114 絶縁性の樹脂層
120 有機EL素子形成基板
121 基材(透明基板とも言う)
122 有機EL素子
122W 白色光

Claims (9)

  1. 白色光源タイプの有機EL表示装置用で、透明基板からなる基材の一面上に、カラーフィルタ用の複数色の着色層を各色区分けして所定の画素領域に配している、カラーフィルタ形成基板であって、
    前記カラーフィルタ用の複数色の着色層のうちの1色以上の着色層が配される画素領域には、着色層と光吸収層とを積層した積層構造を備えており、
    前記光吸収層のC光源における平均透過率が45%〜95%の範囲内であり、
    380nm〜780nmの波長領域における前記光吸収層の最大光透過率および最小光透過率の差が、20%以下の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  2. 請求項1に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記カラーフィルタ用の複数色の着色層の画素領域として、R、G、Bの3色の着色層の画素領域を有し、且つ、前記R、G、Bの各色の着色層の画素領域のほかに、WHITE画素領域を備えており、前記光吸収層が、前記WHITE画素領域と、前記カラーフィルタ用のG色の着色層の画素領域とに、形成されていることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層が、前記全画素領域に形成されていることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層は、樹脂中に色材としてカーボンブラックを分散して含有しているものであることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層の膜厚が1μm以上であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層の膜厚は、前記光吸収層を積層しない場合において透過率の高い画素領域ほど厚くなっていることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記光吸収層を積層した画素領域の最も外側に、散乱機能を有する層(散乱層とも言う)を配設していることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のカラーフィルタ形成基板であって、前記積層構造は、光吸収層が基材と着色層との間に形成されている構造であることを特徴とするカラーフィルタ形成基板。
  9. 有機EL素子形成基板とカラーフィルタ形成基板とを積層した構造の、白色光源タイプの有機EL表示装置であって、請求項1ないしのいずれかに記載のカラーフィルタ形成基板を用いていることを特徴とする有機EL表示装置。
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