JP6329033B2 - サーマルプリンタモジュールおよびサーマルプリンタ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のサーマルプリンタによれば、着脱式のプラテンローラを本体フレームに対して精度良く位置決め可能とされている。
この種のサーマルプリンタモジュールは、開閉可能なカバーを有する筐体内に設置されるのが一般的であるが、これらの筐体は、重量やコストの面を考慮して、あまり高強度にはなっていない。したがって、このような筐体が落下した場合、その落下衝撃により筐体に慣性力や歪み、捩れが生じてしまい、これらの力が本体フレームやロックアームに対して作用することで、上述したように不具合が生じてしまう。また、このようなプリンタ筐体においてプラテンローラの脱落が生じると、カバーが開放してしまうことになり、装置の破損やロール紙の脱落などが起こり、プリンタの使用者に不利益をもたらしてしまう。
本発明によれば、長孔の長手方向に沿って軸部を相対移動させることにより、回動位置とロック位置とを移行することができる。したがって、ロックアームに対して回動軸の位置を移動させる移動機構を容易に形成できる。
本発明によれば、抱え込み部がプラテンローラを保持する際に、プラテンローラの外周面におけるより広い領域で接触して保持するため、プラテンローラをより安定して保持することができる。また、プラテンローラを抱え込み部の円弧状の部分で保持することで、回動軸がロック位置にある状態で、抱え込み部の先端の回転軌跡がプラテンローラに干渉し、ロックアームの回動が制限される構造を容易に形成できる。
本発明によれば、上記のサーマルプリンタモジュールを備えているので、プラテンローラを安定して保持するとともに、落下衝撃等の外力に強いサーマルプリンタが得られる。
(サーマルプリンタ)
図1は、ペーパーカバーが閉位置にあるときのサーマルプリンタの斜視図である。図2は、ペーパーカバーが開位置にあるときのサーマルプリンタの斜視図である。なお、サーマルプリンタは、設置面に載置された状態で使用され、図中において矢印UPを上方と定義し、矢印FRを前方と定義し、矢印LHを左方と定義する。
図3は、サーマルプリンタモジュールの斜視図である。
図3に示すように、サーマルプリンタモジュール30は、本体フレーム31と、サーマルヘッド41と、プラテンローラ51と、ロックアーム61と、を備えている。
本体フレーム31は、底部において左右方向(請求項における「第1方向」に相当。)に延在する紙収容部32と、紙収容部32の左右方向両側から上方に向けて立設された一対の側壁部33と、紙収容部32の前方から上方に向けて立設された前壁部34と、を有する。なお、ここでは、紙収容部32がサーマルプリンタモジュール30(本体フレーム31)に含まれるものとして記載されているが、もちろん紙収容部32がサーマルプリンタモジュール30とは別体に設けられていてもよい。その一例としては、この紙収容部32が、ケーシング3の内面の一部に一体的に形成されるような形態が考えられる。
紙収容部32は、ロール紙PRを保持する。紙収容部32は、断面円弧状の部材であり、後端がペーパーカバー20(図2参照)の後端側まで延出するとともに、前端が後述するプラテンローラ51の下方まで延出している。紙収容部32の後端縁には、ペーパーカバー20を回動可能に支持するヒンジ部32aが形成されている。また、紙収容部32の前端の上部には、紙収容部32の曲面に沿うように、ガイド部材37が配置されている。記録紙P1は、ガイド部材37により、後述するサーマルヘッド41に向かってスムーズに導入される。
各側壁部33の上端縁には、下方に向けて切り込まれたローラ挿入溝35が形成されている。ローラ挿入溝35には、プラテンローラ51が上下方向(請求項における「第2方向」に相当。)に沿って着脱可能な状態で挿入される。図4に示すように、ローラ挿入溝35は、左右方向から見て、前後方向に沿う溝底面35aと、溝底面35aの前端から上方に延びる溝前面35bと、溝底面35aの後端から上方に延びる溝後面35cと、溝後面35cの上端から上方に向かって斜め後方に延びる溝傾斜面35dと、により画成されている。
図3に示すように、サーマルヘッド41は、記録紙P1に対して印刷を行うものであり、前後方向から見て矩形状に形成されている。サーマルヘッド41は、ケーシング3の上壁10の内側であって、開口部3a内に露出するように配置されるとともに、その長手方向と記録紙P1の幅方向とが一致した状態で配置されている。サーマルヘッド41のヘッド面41aには、左右方向に平行にかつライン状に並んだ多数の発熱素子42が配列されている。ヘッド面41aは、記録紙P1の印字面との対向しており、プラテンローラ51の外周面との間で記録紙P1を挟持し得るようになっている。サーマルヘッド41の発熱素子42は、図示しない制御部からの信号に基づいて、それぞれ発熱するように制御されている。サーマルヘッド41は、発熱素子42の発熱が制御されて、各種の文字や図形等を記録紙P1の印字面へ印刷する。
サーマルヘッド41は、本体フレーム31に支持されたヘッド支持体45に貼り付け固定されている。図5および図6に示すように、ヘッド支持体45は、左右方向を長手方向とした板状の部材であり、一対の側壁部33の間に配置されているとともに、後面にサーマルヘッド41が貼り付け固定されている。ヘッド支持体45は、本体フレーム31の前壁部34の後方に配置され、下端部が第1シャフト38に回動可能に支持されている。第1シャフト38は、中心軸の軸方向が左右方向に沿うように配置され、かつ軸方向の両端部が一対の側壁部33にそれぞれ固定されている。また、図3に示すように、ヘッド支持体45と前壁部34との間には、左右方向に沿って複数(本実施形態では3個)の弾性部材46が介装されている。弾性部材46は、ヘッド支持体45と前壁部34とを互いに離間させる方向に向けて付勢している。すわなち、弾性部材46は、ヘッド支持体45を前方に向けて常に押圧するように構成されている。
プラテンローラ51は、サーマルヘッド41に対向配置され、サーマルヘッド41との間に記録紙P1を挟んだ状態で左右方向周りに回転することで、記録紙P1を送り出す。プラテンローラ51は、ローラシャフト52と、ローラシャフト52に外装されたローラ本体53と、ローラシャフト52の両端に装着された一対の軸受54と、を有する。ローラシャフト52は、本体フレーム31の一対の側壁部33の離間距離よりやや長く形成されている。ローラ本体53は、例えばゴム等により形成され、ローラシャフト52の軸方向に沿って、ローラシャフト52の両端を除く全体に亘って一様に配置されている。
図7は、ロックアームの斜視図である。
図4および図7に示すように、ロックアーム61は、左右方向に沿う回動軸(中心軸Q)周りに回動可能に支持され、ローラ挿入溝35に挿入されたプラテンローラ51を保持する。ロックアーム61は、本体フレーム31の一対の側壁部33に沿ってそれぞれ延びる一対の側板部62と、一対の側板部62を接続する背板部66と、を有する。なお一対の側板部62は、同一形状に形成されているため、以下の説明では一方の側板部62についてのみ説明する。また以下ロックアーム61の構成の説明では、特に記載のない限り、ロックアーム61がローラ挿入溝35に挿入されたプラテンローラ51を保持している状態(図4に示す状態。以下、「保持状態」という。)について説明する。
また先端部64bは、第2シャフト82が長孔81のロック位置にある状態(図4)において、第2シャフト82の中心軸Qとの距離が、第2シャフト82の中心軸Qと軸受54の外周面との最長距離より、短くなるように形成されている。これにより側板部62は、図4に示す状態においては、先端部64bが軸受54に接触することで、中心軸Q周りの回動が制限される。さらに先端部64bは、第2シャフト82が長孔81の回動位置にある状態(図8)において、第2シャフト82の中心軸Qとの距離が、第2シャフト82の中心軸Qと軸受54の外周面との最長距離より、大きくなるように形成されている。これにより側板部62は、先端部64bが軸受54に接触せずに、中心軸Q周りを回動することができる(図8参照)。
以下、サーマルプリンタの動作について説明する。以下では、ペーパーカバー20の前端縁に取り付けられたプラテンローラ51を本体フレーム31から取り外す動作について説明する。
図8から図10は、ロックアームの動作を示す説明図であり、図3のIV−IV線に相当する部分における断面図である。
以上で、プラテンローラ51を本体フレーム31から取り外す動作が終了する。
この構成によれば、ロックアーム61は、各付勢部材71,72により保持状態を維持するように付勢されるとともに、保持状態において中心軸Qがロック位置に位置するように付勢される。このため、プラテンローラ51を保持するロックアーム61は、プラテンローラ51を解放するまでに、移動機構80により中心軸Qを回動位置へ移動させる動作と、中心軸Q周りに回動してプラテンローラ51を解放する動作と、の2段階の動作が必要となる。これにより、プラテンローラ51は、ロックアーム61に対して外力が作用してもローラ挿入溝35から脱落しにくくなる。また、抱え込み部64の先端部64bは、保持状態においてプラテンローラ51の中心軸Pと中心軸Qとを含む仮想面Fよりサーマルヘッド41側に位置するように形成されているため、プラテンローラ51の脱落をより確実に抑制できる。したがって、プラテンローラ51を安定して保持することが可能なサーマルプリンタモジュールが得られる。
また、本実施形態のサーマルプリンタモジュール30は、ロックアーム61がサーマルヘッド41から離れる方向に回動するように構成していることにより、装置の小型化とレイアウト性の向上を図っている。本体フレーム31のサーマルヘッド41側には、サーマルヘッド41の他に、駆動手段58や歯車伝達機構57などの多数の部品が配されている。したがって、サーマルヘッド41側にロックアーム61が回動する構成の場合には、これらの部品との干渉を避けるためのスペースを確保する必要があり、結果的に装置が大型化してしまうが、本実施形態のサーマルプリンタモジュール30では、上述した構成によりこのような不具合を回避している。
この構成によれば、長孔81の長手方向に沿って第2シャフト82(中心軸Q)を相対移動させることにより、回動位置とロック位置とを移行することができる。したがって、ロックアーム61に対して中心軸Qの位置を移動させる移動機構80を容易に形成できる。
この構成によれば、抱え込み部64がプラテンローラ51を保持する際に、プラテンローラ51の外周面におけるより広い領域で接触して保持するため、プラテンローラ51をより安定して保持することができる。また、プラテンローラ51を抱え込み部64の円弧状の部分で保持することで、中心軸Qがロック位置にある状態で、抱え込み部64の先端部64bの回転軌跡がプラテンローラ51に干渉し、ロックアーム61の回動が制限される構造を容易に形成できる。
例えば、上記実施形態においては、プラテンローラ51の取り外し動作には、レバー90を用いているが、これに限定されず、例えばリンク機構やカム機構等を用いてもよい。
Claims (4)
- 本体フレームと、
該本体フレームに取り付けられたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドに対向配置され、前記サーマルヘッドとの間に記録紙を挟んだ状態で第1方向周りに回転することで、前記記録紙を送り出すプラテンローラと、
前記本体フレームに形成され、前記プラテンローラが、前記第1方向に直交する第2方向に沿って着脱可能な状態で挿入されるローラ挿入溝と、
前記第1方向に沿う回動軸周りに回動可能に支持され、前記ローラ挿入溝に挿入された前記プラテンローラを保持するロックアームと、
前記回動軸を移動させる移動機構と、
前記ロックアームを付勢する付勢部材と、を備え、
前記ロックアームは、前記プラテンローラを保持している保持状態において、前記プラテンローラを挟んで前記サーマルヘッドとは反対側の領域から、前記サーマルヘッドに向かって延出する抱え込み部を備え、
前記抱え込み部の先端部は、前記保持状態において前記プラテンローラの中心軸と前記回動軸とを含む仮想面より前記サーマルヘッド側に位置するように形成され、
前記移動機構は、前記保持状態において前記ロックアームの回動が制限されるロック位置と、前記保持状態と前記プラテンローラが前記ローラ挿入溝から着脱可能な解放状態との間で前記ロックアームの回動が自在となる回動位置と、の間で前記回動軸を移動させ、
前記付勢部材は、前記保持状態において前記回動軸が前記回動位置から前記ロック位置に向かう方向に前記ロックアームを付勢しつつ、前記回動軸が前記回動位置に位置する状態において前記ロックアームが前記解放状態から前記保持状態に向かう方向に前記ロックアームを付勢している、
ことを特徴とするサーマルプリンタモジュール。 - 前記移動機構は、
前記ロックアームに形成された長孔と、
前記本体フレームに固定され、前記長孔に嵌め込まれた軸部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタモジュール。 - 前記抱え込み部は、前記プラテンローラに接触する部分が、前記第1方向から見て前記プラテンローラの外周面に沿う円弧状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルプリンタモジュール。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のサーマルプリンタモジュールを備える、
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
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