[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6324327B2 - パッシブレーダ装置 - Google Patents

パッシブレーダ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6324327B2
JP6324327B2 JP2015013340A JP2015013340A JP6324327B2 JP 6324327 B2 JP6324327 B2 JP 6324327B2 JP 2015013340 A JP2015013340 A JP 2015013340A JP 2015013340 A JP2015013340 A JP 2015013340A JP 6324327 B2 JP6324327 B2 JP 6324327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
direct wave
pulse
arrival time
unit
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015013340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016138787A (ja
Inventor
聡宏 伊藤
聡宏 伊藤
正資 大島
正資 大島
若山 俊夫
俊夫 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2015013340A priority Critical patent/JP6324327B2/ja
Publication of JP2016138787A publication Critical patent/JP2016138787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6324327B2 publication Critical patent/JP6324327B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

この発明は、自身では電波の送信を行わずに、既存の電波送信源から送信された電波を受信して、観測対象である目標の観測を行うパッシブレーダ装置に関するものである。
パッシブレーダ装置は、既存の電波送信源から送信された電波の直接波を受信する直接波受信系と、直接波受信系と隣接している位置に設置されており、既存の電波送信源から送信されたのち、観測対象である目標に反射された電波の反射波を受信する反射波受信系とから構成されており、直接波受信系により受信された直接波と、反射波受信系により受信された反射波とを比較することで、目標の観測が行われる。
以下の特許文献1には、既存の電波送信源として、パルスを発信するパルスレーダが用いられているパッシブレーダ装置が開示されている。
特開2013−29420号公報(段落番号[0007]、図2)
従来のパッシブレーダ装置は以上のように構成されているので、直接波受信系と反射波受信系を隣接して設置することを前提としている。したがって、既存のパルスレーダから送信されたパルスの直接波を受信することができない位置には反射波受信系を設置することができない。このため、反射波受信系の設置位置が、既存のパルスレーダから送信されたパルスの直接波を受信できる位置に制限されてしまうという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、既存のパルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信することができない位置に反射波受信系を設置しても、目標の観測を実施することができるパッシブレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明の第1の発明に係るパッシブレーダ装置は、パルスを発信するパルスレーダを見通せる位置に設置され、パルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信する直接波受信系と、直接波受信系と別の位置に設置され、パルスレーダから発信されたのち、観測対象である目標に反射されたパルスの反射波を受信する反射波受信系とから構成されており、直接波受信系が、直接波の到来時刻を推定して、その到来時刻を示す時刻情報を送信し、反射波受信系が、反射波の受信信号を出力する信号受信部と、直接波受信系から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報が示す到来時刻と、パルスレーダ、直接波受信系及び反射波受信系の設置位置とから、直接波が反射波受信系に到来する時刻を推定する第1の到来時刻推定部と、第1の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻と信号受信部から出力された受信信号を用いて、前記第1の到来時刻推定部により直接波の到来時刻が推定される毎に、隣接している到来時刻の間で、前記信号受信部から出力された受信信号を積分することで、前記反射波受信系の設置位置から前記目標が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジ及び前記目標のドップラ周波数であるバイスタティックドップラ周波数を算出し、目標を観測する目標観測部とを備え、信号受信部は、局部発振信号を出力する第1の局部発振器と、前記第1の局部発振器から出力された局部発振信号を用いて、前記反射波の周波数を変換する第1の周波数変換器と、前記第1の周波数変換器により周波数が変換された反射波をデジタル信号に変換する第1のアナログデジタル変換器と、前記第1のアナログデジタル変換器により変換されたデジタル信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後のデジタル信号を前記反射波の受信信号として出力する第1のパルス圧縮器とを具備し、前記目標観測部による受信信号の積分結果から静止物のドップラ周波数を探索して、前記静止物のドップラ周波数から前記局部発振信号の周波数誤差を推定する第1の周波数誤差推定部と、前記第1の周波数誤差推定部により推定された周波数誤差を用いて、前記目標観測部により算出されたバイスタティックドップラ周波数を補正するドップラ周波数補正部とを備えたものである。
この発明によれば、直接波受信系が、直接波の到来時刻を推定して、その到来時刻を示す時刻情報を送信し、反射波受信系の第1の到来時刻推定部が、直接波受信系から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報が示す到来時刻と、パルスレーダ、直接波受信系及び反射波受信系の設置位置とから、直接波が反射波受信系に到来する時刻を推定するように構成したので、既存のパルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信することができない位置に反射波受信系を設置しても、目標の観測を実施することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。 Ref受信系4又はSur受信系6の一部がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。 Ref受信系4における信号の遷移を示す説明図である。 Sur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。 Sur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。 この発明の実施の形態3によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。 Sur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。 この発明の実施の形態4によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。 Ref受信系4における信号の遷移を示す説明図である。 Sur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。 この発明の実施の形態5によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるパッシブレーダ装置を示す構成図である。
図1において、パルスレーダ1は観測対象である目標2に向けて、パルスを繰り返し発信する既存のレーダである。
目標2は例えば飛行機や船舶などの移動体が該当する。ただし、停止中の飛行機や船舶なども観測対象に含まれる。
Ref受信系アンテナ3はパルスレーダ1を見通せる位置に設置されており、パルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信する。
Ref受信系4はRef受信系アンテナ3の受信信号から、その直接波の到来時刻TOA(Time of Arrival)を推定して、その到来時刻TOAを示す時刻情報を送信する。
なお、Ref受信系アンテナ3及びRef受信系4から直接波受信系が構成されている。
Sur受信系アンテナ5はRef受信系アンテナ3と別の位置に設置され、パルスレーダ1から発信されたのち、目標2に反射されたパルスの反射波を受信する。
図1の例では、Sur受信系アンテナ5は、パルスレーダ1との間に遮蔽物が存在しているために、パルスレーダ1から発信されたパルスの直接波を受信することができない位置に設置されているが、パルスレーダ1から発信されたパルスの直接波を受信することができる位置に設置されていてもよい。
Sur受信系6はRef受信系4から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報が示す到来時刻TOAと、配置情報が示すパルスレーダ1、Ref受信系アンテナ3及びSur受信系アンテナ5の設置位置とから、直接波がSur受信系アンテナ5に到来する時刻TOAを推定する。
また、Sur受信系6は推定した直接波の到来時刻TOAとSur受信系アンテナ5により受信された反射波を用いて、目標2を観測する。
なお、Sur受信系アンテナ5及びSur受信系6から反射波受信系が構成されている。
Ref受信系4の局部発振器11は基準信号である周波数fLOの局部発振信号を出力する発振器である。
RF部12は局部発振器11から出力された周波数fLOの局部発振信号を用いて、Ref受信系アンテナ3の受信信号の周波数を変換する周波数変換器である。例えば、RF部12は受信信号の周波数をダウンコンバートする。
また、RF部12はRef受信系アンテナ3の受信信号又は周波数変換後の受信信号を必要に応じて増幅する。
ADC13はRF部12による周波数変換後の受信信号をA/D変換して、デジタルの受信信号(デジタル信号)を出力するアナログデジタル変換器である。
パルス圧縮器14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、ADC13から出力されたデジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号を出力する処理を実施する。
TOA推定部15は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、パルス圧縮器14から出力されたパルス圧縮後の受信信号から直接波の到来時刻TOAを推定し、その到来時刻TOAを示す時刻情報を出力する処理を実施する。
送信部16はSur受信系6の受信部25と無線又は有線で接続されており、TOA推定部15から出力された時刻情報をSur受信系6の受信部25に送信する通信機器である。
Sur受信系6の局部発振器21は基準信号である周波数fLOの局部発振信号を出力する発振器である。
RF部22は局部発振器21から出力された周波数fLOの局部発振信号を用いて、Sur受信系アンテナ5の受信信号の周波数を変換する周波数変換器である。例えば、RF部22は受信信号の周波数をダウンコンバートする。
また、RF部22はSur受信系アンテナ5の受信信号又は周波数変換後の受信信号を必要に応じて増幅する。
ADC23はRF部22による周波数変換後の受信信号をA/D変換して、デジタルの受信信号(デジタル信号)を出力するアナログデジタル変換器である。
パルス圧縮器24はADC23から出力されたデジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号を出力する処理を実施する。
なお、局部発振器21、RF部22、ADC23及びパルス圧縮器24から信号受信部が構成されている。
受信部25はRef受信系4の送信部16と無線又は有線で接続されており、Ref受信系4の送信部16から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報を補正TOA生成部26に出力する通信機器である。
補正TOA生成部26はパルスレーダ1、Ref受信系アンテナ3及びSur受信系アンテナ5の設置位置を示す配置情報を入力し、その配置情報が示す設置位置を用いて、受信部25から出力された時刻情報が示す到来時刻TOAを補正することで、直接波がSur受信系アンテナ5に到来する時刻である補正TOAを算出する処理を実施する。
なお、受信部25及び補正TOA生成部26から第1の到来時刻推定部が構成されている。
レンジング部27はパルス圧縮器24から出力されたパルス圧縮後の受信信号から反射波の到来時刻を推定し、その反射波の到来時刻と、補正TOA生成部26により算出された補正後の直接波の到来時刻である補正TOAとの時刻差から、Sur受信系アンテナ5の設置位置から目標2が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジRBiを算出する処理を実施する。
また、レンジング部27はパルスヒット毎、即ち、TOA推定部15により直接波の到来時刻TOAが推定されて、補正TOA生成部26により直接波の到来時刻が補正される毎に、バイスタティックレンジRBiを算出すると、各パルスヒットに対応するバイスタティックレンジRBiを示すレンジプロファイルを生成する処理を実施する。なお、レンジング部27は目標観測部を構成している。
目標検出測位部28はレンジング部27により生成されたレンジプロファイルを参照して、目標2の検出処理や測位処理を実施する。
図1の例では、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、レンジング部27及び目標検出測位部28のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、レンジング部27、目標検出測位部28がコンピュータで構成されていてもよい。
図2はRef受信系4又はSur受信系6の一部がコンピュータで構成される場合のハードウェア構成図である。
例えば、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、レンジング部27及び目標検出測位部28がコンピュータで構成される場合、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、レンジング部27及び目標検出測位部28の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリ31に格納し、当該コンピュータのプロセッサ32がメモリ31により格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
なお、Ref受信系4の構成要素であるパルス圧縮器14及びTOA推定部15についても、コンピュータで構成されていてもよく、コンピュータで構成される場合には、パルス圧縮器14及びTOA推定部15の処理内容を記述しているプログラムを図2に示すコンピュータのメモリ31に格納し、当該コンピュータのプロセッサ32がメモリ31により格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
パルスレーダ1は、観測対象である目標2に向けて、パルスを繰り返し発信する。
Ref受信系アンテナ3は、パルスレーダ1を見通せる位置に設置されており、パルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信する。
Ref受信系4は、Ref受信系アンテナ3の受信信号から、その直接波の到来時刻TOAを推定して、その到来時刻TOAを示す時刻情報をSur受信系6に送信する。
以下、Ref受信系4の処理内容を具体的に説明する。
図3はRef受信系4における信号の遷移を示す説明図である。
Ref受信系4の局部発振器11は、基準信号である周波数fLOの局部発振信号をRF部12に出力する。
RF部12は、局部発振器11から周波数fLOの局部発振信号を受けると、その局部発振信号をRef受信系アンテナ3の受信信号に乗算することで、Ref受信系アンテナ3の受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の受信信号をADC13に出力する。
なお、RF部12は、Ref受信系アンテナ3の受信信号又は周波数変換後の受信信号を必要に応じて増幅する。
ADC13は、RF部12から周波数変換後の受信信号を受けると、その受信信号をA/D変換して、デジタルの受信信号をパルス圧縮器14に出力する。
図3(a)は、ADC13から出力されたデジタルの受信信号を示しており、送信源であるパルスレーダ1がアンテナ装置の電子制御や機械回転によって、電波照射方位が時間変動する場合、Ref受信系アンテナ3により受信されたパルス毎に振幅(電力)が変動する。
パルス圧縮器14は、ADC13からデジタルの受信信号を受けると、デジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号をTOA推定部15に出力する。
パルス圧縮器14による受信信号のパルス圧縮処理は、レプリカ信号による整合フィルタ(Matched Filter)処理が該当し、時間領域でのシフト相関演算処理や周波数領域でのスペクトル乗算処理などで実現することができる。
図3(b)は、パルス圧縮器14から出力されたパルス圧縮後の受信信号を示している。
TOA推定部15は、パルス圧縮器14からパルス圧縮後の受信信号を受けると、パルス圧縮後の受信信号から直接波の到来時刻TOAを推定し、その到来時刻TOAを示す時刻情報を送信部16に出力する。
即ち、TOA推定部15は、予め設定された閾値と、パルス圧縮後の受信信号であるパルスの振幅(電力)とを比較し、その閾値より電力が大きいパルスの立ち上がり時刻を到来時刻TOAとして抽出し、その到来時刻TOAを示す時刻情報を送信部16に出力する。
送信源であるパルスレーダ1の空中線電力やアンテナパターン、パルスレーダ1とRef受信系アンテナ3の間の距離、Ref受信系4における利得や雑音、パルス圧縮の利得等から容易に計算されるRef受信系アンテナ3の受信パルスのSNR(Signal to Noise Ratio)を考慮し、上記の閾値は、パルス圧縮後の受信信号であるパルスだけが、所望のSNRを上回るような値に設定される。
図3(c)は、TOA推定部15により推定された到来時刻TOAを示している。
送信部16は、Sur受信系6の受信部25と無線又は有線で接続されており、TOA推定部15から出力された時刻情報をSur受信系6の受信部25に送信する。
送信部16から送信される時刻情報は、到来時刻TOAとして、各パルスの立ち上がり時刻を示す情報であり、各時刻の複素振幅のサンプリング情報であるパルス圧縮後の受信信号と比較して、データ量が大幅に削減されているため、高速な通信回線を用いなくても通信可能である。
Sur受信系アンテナ5は、パルスレーダ1との間に遮蔽物が存在しているために、パルスレーダ1から発信されたパルスの直接波を受信することができない位置に設置されており、パルスレーダ1から発信されたのち、目標2に反射されたパルスの反射波を受信する。
Sur受信系6は、Ref受信系4から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報が示す到来時刻TOAと、配置情報が示すパルスレーダ1、Ref受信系アンテナ3及びSur受信系アンテナ5の設置位置とから、Sur受信系アンテナ5の設置位置で直接波を受信した場合と等価な直接波の到来時刻TOAを推定する。
また、Sur受信系6は、その推定した直接波の到来時刻TOAとSur受信系アンテナ5により受信された反射波を用いて、目標2を観測する。
以下、Sur受信系6の処理内容を具体的に説明する。
図4はSur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。図4では説明の便宜上、目標2の反射波のみを記載している。
Sur受信系6の局部発振器21は、Ref受信系4の局部発振器11と同様に、基準信号である周波数fLOの局部発振信号をRF部22に出力する。
Sur受信系6のRF部22は、局部発振器21から周波数fLOの局部発振信号を受けると、その局部発振信号をSur受信系アンテナ5の受信信号に乗算することで、Sur受信系アンテナ5の受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の受信信号をADC23に出力する。
なお、RF部22は、Sur受信系アンテナ5の受信信号又は周波数変換後の受信信号を必要に応じて増幅する。
ADC23は、RF部22から周波数変換後の受信信号を受けると、その受信信号をA/D変換して、デジタルの受信信号をパルス圧縮器24に出力する。
図4(a)は、ADC23から出力されたデジタルの受信信号を示しており、送信源であるパルスレーダ1がアンテナ装置の電子制御や機械回転によって、電波照射方位が時間変動する場合、Sur受信系アンテナ5により受信されたパルス毎に振幅(電力)が変動する。
パルス圧縮器24は、ADC23からデジタルの受信信号を受けると、Ref受信系4のパルス圧縮器14と同様に、デジタルの受信信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後の受信信号をレンジング部27に出力する。
図4(b)は、パルス圧縮器24から出力されたパルス圧縮後の受信信号を示している。
受信部25は、Ref受信系4の送信部16から送信された時刻情報を受信し、その時刻情報を補正TOA生成部26に出力する。
ただし、この時刻情報は、Ref受信系アンテナ3の設置位置で直接波を受信した場合の直接波の到来時刻TOAを示すものであって、Sur受信系アンテナ5の設置位置で直接波を受信した場合の直接波の到来時刻TOAを示すものではない。このため、この時刻情報が示す直接波の到来時刻TOAをそのまま用いて、目標2の距離等の算出を行うと、Ref受信系アンテナ3とSur受信系アンテナ5の設置位置の違いに依存する誤差が生じる。
そこで、補正TOA生成部26は、Ref受信系アンテナ3とSur受信系アンテナ5の配置の関係に基づいて、その時刻情報が示す到来時刻TOAを補正することで、直接波がSur受信系アンテナ5に到来する時刻である補正TOAを算出する。
以下、補正TOA生成部26の処理内容を具体的に説明する。
まず、補正TOA生成部26は、パルスレーダ1、Ref受信系アンテナ3及びSur受信系アンテナ5の設置位置を示す配置情報を入力し、その配置情報が示す設置位置にしたがって、時刻情報が示す直接波の到来時刻TOAを遅らせる遅延時間τを算出する。
即ち、補正TOA生成部26は、下記の式(1)によって遅延時間τを算出する。
Figure 0006324327
式(1)において、RTx−Surはパルスレーダ1とSur受信系アンテナ5の間の距離、RTx−Refはパルスレーダ1とRef受信系アンテナ3の間の距離である。
また、pTxはパルスレーダ1の位置ベクトル、pSurはSur受信系アンテナ5の位置ベクトル、pRefはRef受信系アンテナ3の位置ベクトルである。
cはパルスレーダ1から発信されたパルスの伝搬速度、||・||はユークリッドノルムである。
補正TOA生成部26は、遅延時間τを算出すると、その遅延時間τを受信部25から出力された時刻情報が示す到来時刻TOAに加算することで、その到来時刻TOAを補正する。
実際には、Sur受信系アンテナ5ではパルスの直接波を受信することができないが、補正後の到来時刻TOAである補正TOAは、Sur受信系アンテナ5の設置位置で直接波を受信した場合と等価な直接波の到来時刻である。
補正TOA=到来時刻TOA+τ (2)
図4(c)は、補正TOA生成部26により算出された補正TOAを示している。
レンジング部27は、パルス圧縮器24からパルス圧縮後の受信信号を受けると、パルス圧縮後の受信信号から反射波の到来時刻を推定する。
即ち、レンジング部27は、Ref受信系4のTOA推定部15と同様に、予め設定された閾値と、パルス圧縮後の受信信号であるパルスの振幅(電力)とを比較し、その閾値より電力が大きいパルスの立ち上がり時刻を反射波の到来時刻として抽出する。
送信源であるパルスレーダ1の空中線電力やアンテナパターン、パルスレーダ1とSur受信系アンテナ5の間の距離、Sur受信系6における利得や雑音、パルス圧縮の利得等から容易に計算されるSur受信系アンテナ5の受信パルスのSNRを考慮し、上記の閾値は、パルス圧縮後の受信信号であるパルスだけが、所望のSNRを上回るような値に設定される。
レンジング部27は、反射波の到来時刻を推定すると、その反射波の到来時刻と補正TOA生成部26により算出された補正TOAとの時刻差ΔTOAから、Sur受信系アンテナ5の設置位置から目標2が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジRBiを算出する。
即ち、レンジング部27は、下記の式(3)に示すように、反射波の到来時刻と補正TOAとの時刻差ΔTOAにパルスの伝搬速度cを乗算することで、バイスタティックレンジRBiを算出する。
Figure 0006324327
式(3)において、PTgtは目標2が存在している可能性がある位置の位置ベクトルである。
なお、バイスタティックレンジRBiは、パルスを送受信するアンテナが同一であるモノスタティックレーダで観測されるレンジとは異なるものである。
即ち、モノスタティックレーダで観測されるレンジは、レーダを中心として、目標が円周上に存在する円(球)の情報であるのに対し、パッシブレーダのバイスタティックレンジRBiは、送信源であるパルスレーダ1とSur受信系アンテナ5を焦点として、目標が円周上に存在する楕円(球)の情報である。
ただし、バイスタティックレンジを観測する場合でも、通常のモノスタティックレーダと同様に、目標2の方位情報等と組み合わせることで、目標2の位置推定を容易に行うことができる。
レンジング部27は、パルスヒット毎に、バイスタティックレンジRBiを算出すると、各パルスヒットに対応するバイスタティックレンジRBiを示すレンジプロファイルを生成する。
図4(d)では、パルス圧縮後の受信信号であるパルス毎に、補正TOAが基準時刻(時刻=0)に設定されており、←→は各パルスヒットでのバイスタティックレンジを示している。
目標検出測位部28は、レンジング部27がレンジプロファイルを生成すると、そのレンジプロファイルを参照して、目標2の検出処理や測位処理を実施する。
目標2の検出処理や測位処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、目標2の検出処理や測位処理を実施する際、送信源であるパルスレーダ1の各パルスヒットでのビーム指向方位の情報を使用するようにしてもよい。また、各パルスヒットのレンジプロファイルをノンコヒーレントに加算する処理を適用することが可能である。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、Ref受信系4のTOA推定部15が、パルス圧縮後の受信信号から直接波の到来時刻TOAを推定して、送信部16が、直接波の到来時刻TOAを示す時刻情報を送信し、Sur受信系6が、Ref受信系4から送信された時刻情報が示す到来時刻TOAと、パルスレーダ1、Ref受信系アンテナ3及びSur受信系アンテナ5の設置位置とから、直接波がSur受信系アンテナ5に到来する時刻を推定し、その推定した直接波の到来時刻とSur受信系アンテナ5により受信された反射波を用いて、Sur受信系アンテナ5の設置位置から目標2が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジRBiを算出するように構成したので、既存のパルスレーダ1から発信されたパルスの直接波を受信することができない位置にSur受信系アンテナ5を設置しても、バイスタティックレンジRBiを算出することができる効果を奏する。
即ち、Sur受信系アンテナ5の設置位置が、パルスの直接波を受信できる位置に制限されないため、目標2の観測に適している位置に設置することができるため、バイスタティックレンジRBiの算出精度を高めることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、Sur受信系アンテナ5の設置位置から目標2が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジRBiを算出するものを示したが、この実施の形態2では、さらに、目標2のドップラ周波数を示すバイスタティックドップラ周波数を算出するものを説明する。
図5はこの発明の実施の形態2によるパッシブレーダ装置を示す構成図であり、図5において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
Sur受信系6のヒット間積分部41はパルスヒット毎、即ち、TOA推定部15により直接波の到来時刻TOAが推定されて、補正TOA生成部26により直接波の到来時刻が補正される毎に、パルスヒット間で、パルス圧縮器24から出力されたパルス圧縮後の受信信号を積分することで、バイスタティックレンジRBi及びバイスタティックドップラ周波数からなるレンジドップラマップを生成する処理を実施する。なお、ヒット間積分部41は目標観測部を構成している。
目標検出測位部42はヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを参照して、目標2の検出処理や測位処理を実施する。
図5の例では、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42がコンピュータで構成される場合、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42の処理内容を記述しているプログラムを図2に示すコンピュータのメモリ31に格納し、当該コンピュータのプロセッサ32がメモリ31により格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
ただし、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、ヒット間積分部41及び目標検出測位部42の処理内容だけを説明する。
図6はSur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。図6では説明の便宜上、目標2の反射波のみを記載している。
Sur受信系6のヒット間積分部41は、パルス圧縮器24からパルス圧縮後の受信信号を受けると、パルスヒット間で、パルス圧縮器24から出力されたパルス圧縮後の受信信号を積分することで、バイスタティックレンジRBiを算出するレンジング処理だけでなく、バイスタティックドップラ周波数を算出するドップラ処理を併せて行う構成となっている。
以下、ヒット間積分部41の処理内容を具体的に説明する。
ヒット間積分部41は、補正TOA生成部26が図6(a)に示すような補正TOAを算出すると、各々の補正TOAを基準時刻(時刻=0)とする新たな時間軸t’を設定する。
図6(b)では、パルス圧縮後の受信信号であるパルス毎に、基準時刻が設定されていることを示している。
そして、ヒット間積分部41は、隣接している補正TOAの間のパルス圧縮後の受信信号の時間サンプルを縦方向に並べた2次元データのマップとして、レンジヒットマップを生成する。
図6(c)は、レンジヒットマップを示している。なお、t’の単位は時間であるが、t’を距離に変換することが可能であり、図6(c)では、説明の便宜上、t’をレンジとして記述している。例えば、t’にパルスの伝搬速度を乗算することで距離に変換することができる。
ヒット間積分部41は、レンジヒットマップを生成すると、そのレンジヒットマップの各レンジにおいて、ドップラ周波数に応じた位相補償を行いながら、パルス圧縮後の受信信号をパルスヒット間で積分を行うことで、図6(d)に示すようなレンジドップラマップを生成する。レンジドップラマップは、バイスタティックレンジRBiと目標2のドップラ周波数fを示すバイスタティックドップラ周波数からなるマップであるため、レンジドップラマップが生成されれば、目標2のドップラ周波数fが算出されたことと等価である。
このパルスヒット間の積分処理は、パルスヒットをサンプルタイミングとする以下の離散フーリエ変換として処理することができる。
Figure 0006324327
式(4)において、y(t’,f)はドップラ周波数fについてのヒット間積分結果、x(t’,i)はiヒット目におけるパルス圧縮後の受信信号、Nはヒット数、TOAはiヒット目における反射波のTOAの値である。
ここでは、ヒット間積分部41が、パルス圧縮後の受信信号の積分処理として、パルスヒットをサンプルタイミングとして、パルス圧縮後の受信信号を離散フーリエ変換する例を示しているが、パルスレーダ1から等間隔でパルスが発信される場合、即ち、TOAが等間隔である場合、パルス圧縮後の受信信号の積分処理として、パルス圧縮後の受信信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)するようにしても、レンジドップラマップを生成することができる。
また、パルスレーダ1から等間隔で発信されるパルスの間隔が途中で切り替えられる場合、例えば、パルスレーダ1からTの間隔で複数のパルスが発信された後、パルスレーダ1からTの間隔で複数のパルスが発信されるような場合、パルス圧縮後の受信信号を同一間隔のパルスに対応する受信信号単位にグループ分けし、パルス圧縮後の受信信号の積分処理として、同一グループに属する受信信号毎に、当該受信信号を高速フーリエ変換するようにしてもよい。
例えば、パルスレーダ1から発信されるパルスの間隔がTからTに切り替えられた場合、パルス圧縮後の受信信号を、Tの間隔でパルスが発信されているときの受信信号と、Tの間隔でパルスが発信されているときの受信信号とにグループ分けする。
そして、Tの間隔でパルスが発信されているときの受信信号を高速フーリエ変換し、また、Tの間隔でパルスが発信されているときの受信信号を高速フーリエ変換するようにする。
目標検出測位部42は、ヒット間積分部41がレンジドップラマップを生成すると、そのレンジドップラマップを参照して、目標2の検出処理や測位処理を実施する。
目標2の検出処理や測位処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、この実施の形態2では、目標検出測位部42が、レンジドップラマップを参照して、目標2の検出処理や測位処理を実施するので、例えば、ドップラ周波数が非ゼロの成分のみを検出対象とすることで、移動している目標2のみを検出する等の処理も可能である。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、ヒット間積分部41が、パルスヒット間で、パルス圧縮器24から出力されたパルス圧縮後の受信信号を積分することで、目標2のレンジドップラマップを生成するように構成したので、上記実施の形態1と同様の効果を奏する他に、目標2のドップラ周波数fの算出精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、Sur受信系6の局部発振器21が、基準信号である周波数fLOの局部発振信号を出力するものを示しているが、その局部発振信号の周波数に誤差が含まれている場合、その誤差の影響で、目標2のドップラ周波数fの算出結果にも誤差が生じる。
この実施の形態3では、局部発振信号の周波数に含まれている誤差を推定して、目標2のドップラ周波数fの算出結果を補正するものについて説明する。
図7はこの発明の実施の形態3によるパッシブレーダ装置を示す構成図であり、図7において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
Sur受信系6の局部発振器51は基準信号である局部発振信号を出力する発振器である。この局部発振信号の周波数には周波数誤差Δfが含まれているため、この局部発振信号の周波数は(fLO+Δf)になっている。
周波数誤差推定部52はヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを参照して、静止クラッタ源であるグランドクラッタ50のドップラ周波数を探索し、グランドクラッタ50のドップラ周波数から周波数誤差Δfを推定する処理を実施する。なお、周波数誤差推定部52は第1の周波数誤差推定部を構成している。
ドップラ周波数補正部53は周波数誤差推定部52により推定された周波数誤差Δfを用いて、ヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを補正する処理を実施する。
この実施の形態3では、局部発振器51が第1の局部発振器を構成し、RF部22が第1の周波数変換器を構成し、ADC23が第1のアナログデジタル変換器を構成し、パルス圧縮器24が第1のパルス圧縮器を構成している。
図7の例では、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41、目標検出測位部42、周波数誤差推定部52及びドップラ周波数補正部53のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、Sur受信系6の構成要素であるパルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41、目標検出測位部42、周波数誤差推定部52及びドップラ周波数補正部53がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41、目標検出測位部42、周波数誤差推定部52及びドップラ周波数補正部53がコンピュータで構成される場合、パルス圧縮器24、補正TOA生成部26、ヒット間積分部41、目標検出測位部42、周波数誤差推定部52及びドップラ周波数補正部53の処理内容を記述しているプログラムを図2に示すコンピュータのメモリ31に格納し、当該コンピュータのプロセッサ32がメモリ31により格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
この実施の形態3では、Sur受信系6の局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれており、局部発振器51から周波数(fLO+Δf)の局部発振信号が出力される点で、上記実施の形態2と相違している。
また、局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfの影響で生じる目標2のドップラ周波数fの算出結果の誤差を補償する点で相違している。
Sur受信系6のヒット間積分部41は、上記実施の形態2と同様に、パルス圧縮後の受信信号をパルスヒット間で積分を行うことで、図6(d)に示すようなレンジドップラマップを生成する。
ただし、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれているため、その周波数誤差Δfの影響で、レンジドップラマップから得られる目標2のドップラ周波数fは誤差を含んでいるものとなる。
周波数誤差推定部52は、ヒット間積分部41がレンジドップラマップを生成すると、そのレンジドップラマップを参照して、グランドクラッタ50のドップラ周波数を探索する。
図8はSur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。図8では、目標2の反射波のほかに、グランドクラッタ50の反射波も記載している。
グランドクラッタ50は静止物であるため、グランドクラッタ50のドップラ周波数は、本来0であるが、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれているため、図8(a)に示すように、グランドクラッタ50のドップラ周波数が非ゼロの領域に発生している。
周波数誤差推定部52は、グランドクラッタ50のドップラ周波数を探索すると、そのドップラ周波数と0の差分が、局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfであると推定する。
このとき、レンジドップラマップ上には、目標2の反射波の成分も存在しているが、一般的に、グランドクラッタ50の反射波の電力は、目標2の反射波の電力より大きいので、単純にレンジドップラマップ上で、最も電力が大きいピークの探索を行い、そのピークの電力をグランドクラッタ50の反射波の電力として扱うようにすればよい。
ドップラ周波数補正部53は、周波数誤差推定部52が周波数誤差Δfを推定すると、その周波数誤差Δfを用いて、ヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを補正する。
即ち、ドップラ周波数補正部53は、図8(b)に示すように、局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfだけ、レンジドップラマップのドップラ周波数軸の原点をシフトさせることで、レンジドップラマップを補正する。
これにより、グランドクラッタ50のドップラ周波数が0になるようにレンジドップラマップが補正されるので、補正後のレンジドップラマップから得られる目標2のドップラ周波数fも補正されて、ドップラ周波数fの誤差が補償される。
目標検出測位部42は、ドップラ周波数補正部53がレンジドップラマップを補正すると、補正後のレンジドップラマップを参照して、上記実施の形態2と同様に、目標2の検出処理や測位処理を実施する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、ヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを参照して、グランドクラッタ50のドップラ周波数を探索し、グランドクラッタ50のドップラ周波数から、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定する周波数誤差推定部52を設け、ドップラ周波数補正部53が、周波数誤差推定部52により推定された周波数誤差Δfを用いて、ヒット間積分部41により生成されたレンジドップラマップを補正するように構成したので、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれている場合でも、目標2のドップラ周波数fを正確に算出することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定して、目標2のドップラ周波数fの算出結果を補正するものを示したが、この実施の形態4では、更に、Ref受信系4の局部発振器から出力される局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定して、TOA推定部15により推定された直接波の到来時刻TOAを補正するものについて説明する。
図9はこの発明の実施の形態4によるパッシブレーダ装置を示す構成図であり、図9において、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
Ref受信系4の局部発振器61は基準信号である局部発振信号を出力する発振器である。この局部発振信号の周波数には周波数誤差Δfが含まれているため、この局部発振信号の周波数は(fLO+Δf)になっている。
ヒット間積分部62はパルスヒット毎、即ち、TOA推定部15により直接波の到来時刻が推定される毎に、パルスヒット間でパルス圧縮器14から出力されたパルス圧縮後の受信信号を積分することで、バイスタティックレンジ及びバイスタティックドップラ周波数からなるレンジドップラマップを生成する処理を実施する。
直接波探索部63はヒット間積分部62により生成されたレンジドップラマップを参照して、パルスレーダ1から発信された直接波のドップラ周波数を探索し、直接波のドップラ周波数から、局部発振器61から出力された局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定する処理を実施する。
なお、ヒット間積分部62及び直接波探索部63から第2の周波数誤差推定部が構成されている。
到来時刻補正部64は直接波探索部63により推定された周波数誤差Δfを用いて、TOA推定部15により推定された直接波の到来時刻TOAを補正する処理を実施する。
この実施の形態4では、局部発振器61が第2の局部発振器を構成し、RF部12が第2の周波数変換器を構成し、ADC13が第2のアナログデジタル変換器を構成し、パルス圧縮器14が第2のパルス圧縮器、TOA推定部15が第2の到来時刻推定部を構成している。
図9の例では、Ref受信系4の構成要素であるパルス圧縮器14、TOA推定部15、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、Ref受信系4の構成要素であるパルス圧縮器14、TOA推定部15、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、パルス圧縮器14、TOA推定部15、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64がコンピュータで構成される場合、パルス圧縮器14、TOA推定部15、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64の処理内容を記述しているプログラムを図2に示すコンピュータのメモリ31に格納し、当該コンピュータのプロセッサ32がメモリ31により格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
この実施の形態4では、Ref受信系4の局部発振器61から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれており、局部発振器61から周波数(fLO+Δf)の局部発振信号が出力される点で、上記実施の形態3と相違している。
また、局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfの影響で生じる直接波の到来時刻TOAの誤差を補正する点で相違している。
Ref受信系4のヒット間積分部62は、パルス圧縮器14からパルス圧縮後の受信信号を受けると、パルスヒット間でパルス圧縮後の受信信号を積分することで、バイスタティックレンジ及びバイスタティックドップラ周波数からなるレンジドップラマップを生成する。
レンジドップラマップを生成する処理自体は、Sur受信系6のヒット間積分部41の処理内容と同様であるため詳細な説明を省略する。
直接波探索部63は、ヒット間積分部62がレンジドップラマップを生成すると、そのレンジドップラマップを参照して、パルスレーダ1から発信された直接波のドップラ周波数を探索する。
図10はRef受信系4における信号の遷移を示す説明図である。図10では、説明の便宜上、直接波のみを記載している。
直接波もグランドクラッタ50と同様に、本来はドップラ周波数が0となる信号成分であるが、局部発振器61から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれているため、図10(a)に示すように、直接波のドップラ周波数が非ゼロの領域に発生している。
直接波探索部63は、直接波のドップラ周波数を探索すると、そのドップラ周波数と0の差分が、局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfであると推定する。
図10(a)には、反射波の成分を記載していないが、レンジドップラマップ上には、目標2の反射波の成分も存在することがある。一般的に、直接波の電力は、目標2の反射波の電力より大きいので、単純にレンジドップラマップ上で、最も電力が大きいピークの探索を行い、そのピークの電力を直接波の電力として扱うようにすればよい。
到来時刻補正部64は、直接波探索部63が局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定すると、その周波数誤差Δfを用いて、TOA推定部15により推定された直接波の到来時刻TOAを補正する。
即ち、到来時刻補正部64は、例えば、パルスレーダ1から発信されるパルスの信号波形、パルスの信号時間長T、パルスの周波数帯域幅Bなどから容易に決定される時間ずれ関数d(・)を用いて、到来時刻TOAの時間ずれd(Δf)を算出し、その時間ずれd(Δf)をTOA推定部15により推定された直接波の到来時刻TOAに加算することで、直接波の到来時刻TOAを補正する。下記の式(5)は、時間ずれd(Δf)の算出例を示している。
Figure 0006324327
図10(b)(c)は到来時刻補正部64による補正前後の到来時刻TOAを示している。
送信部16は、Sur受信系6の受信部25と無線又は有線で接続されており、到来時刻補正部64により補正された到来時刻TOAを示す時刻情報をSur受信系6の受信部25に送信する。
図11はSur受信系6における信号の遷移を示す説明図である。
Sur受信系6の処理内容は、上記実施の形態3と同様であるため詳細な説明を省略する。
ただし、ドップラ周波数補正部53が、上記実施の形態3と同様に、レンジドップラマップにおけるバイスタティックドップラ周波数を補正するほかに、レンジドップラマップにおけるバイスタティックレンジを補正することもできる。
即ち、ドップラ周波数補正部53が、到来時刻補正部64と同様の方法で、局部発振器51から出力される局部発振信号に含まれている周波数誤差Δfの影響で生じる反射波の到来時刻TOAの時間ずれd(Δf)を算出する。
そして、ドップラ周波数補正部53が、その時間ずれd(Δf)にパルスの伝搬速度cを乗算することで、その時間ずれd(Δf)に伴うレンジずれを算出したのち、そのレンジずれをバイスタティックレンジRBiに加算することで、バイスタティックレンジRBiを補正することができる。
図11(b)は、バイスタティックドップラ周波数とバイスタティックレンジを補正している様子を示している。
この場合、局部発振器51から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれている場合でも、バイスタティックドップラ周波数とバイスタティックレンジの双方を正確に算出することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、パルスヒット間で、パルス圧縮器14から出力されたパルス圧縮後の受信信号を積分することで、バイスタティックレンジ及びバイスタティックドップラ周波数からなるレンジドップラマップを生成するヒット間積分部62と、ヒット間積分部62により生成されたレンジドップラマップを参照して、パルスレーダ1から発信された直接波のドップラ周波数を探索し、直接波のドップラ周波数から、局部発振器61から出力された局部発振信号の周波数に含まれている周波数誤差Δfを推定する直接波探索部63とを設け、到来時刻補正部64が、直接波探索部63により推定された周波数誤差Δfを用いて、TOA推定部15により推定された直接波の到来時刻TOAを補正するように構成したので、局部発振器61から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれている場合でも、バイスタティックドップラ周波数及びバイスタティックレンジを正確に算出することができる効果を奏する。
この実施の形態4では、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64を実装しているRef受信系4を上記実施の形態3のパッシブレーダ装置に適用する例を示しているが、ヒット間積分部62、直接波探索部63及び到来時刻補正部64を実装しているRef受信系4を上記実施の形態1,2のパッシブレーダ装置に適用するようにしてもよい。
上記実施の形態1のパッシブレーダ装置に適用した場合、局部発振器61から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれている場合でも、バイスタティックレンジを正確に算出することができる効果を奏する。
また、上記実施の形態2のパッシブレーダ装置に適用した場合、局部発振器61から出力される局部発振信号の周波数に周波数誤差Δfが含まれている場合でも、この実施の形態4と同様に、バイスタティックドップラ周波数及びバイスタティックレンジを正確に算出することができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、Ref受信系アンテナ3と別に位置に、1つのSur受信系アンテナ5が設置されて、そのSur受信系アンテナ5とSur受信系6が接続されているものを示したが、Ref受信系アンテナ3と別に位置に、複数のSur受信系アンテナ5が設置されて、複数のSur受信系アンテナ5がSur受信系6とそれぞれ接続されているものであってもよい。
図12はこの発明の実施の形態5によるパッシブレーダ装置を示す構成図であり、図12の例では、Ref受信系アンテナ3と別に位置に、2つのSur受信系アンテナ5が設置されて、2つのSur受信系アンテナ5がSur受信系6とそれぞれ接続されている。
このとき、Ref受信系4の送信部16は、到来時刻TOAを示す時刻情報を2つのSur受信系6に送信し、2つのSur受信系6は、その時刻情報が示す到来時刻TOAを用いて、上記実施の形態1〜4と同様の処理を実施する。
これにより、上記実施の形態1〜4と同様の効果を奏するほか、複数のSur受信系6を設置しても、Sur受信系6毎に、Ref受信系4を設置する必要がないため、Ref受信系4の設置数を削減することができる効果も奏する。
この実施の形態5では、複数のSur受信系6と別個に、1つのRef受信系4を独立に設置しているが、複数のSur受信系6のうち、パルスレーダ1を見通せる位置にSur受信系アンテナ5が設置されているSur受信系6とRef受信系4をセットにし、このSur受信系6とRef受信系4の組をパッシブレーダとして取り扱うようにしてもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 パルスレーダ、2 目標、3 Ref受信系アンテナ(直接波受信系)、4 Ref受信系(直接波受信系)、5 Sur受信系アンテナ(反射波受信系)、6 Sur受信系(反射波受信系)、11 局部発振器、12 RF部(第2の周波数変換器)、13 ADC(第2のアナログデジタル変換器)、14 パルス圧縮器(第2のパルス圧縮器)、15 TOA推定部(第2の到来時刻推定部)、16 送信部、21 局部発振器(信号受信部)、22 RF部(第1の周波数変換器、信号受信部)、23 ADC(第1のアナログデジタル変換器、信号受信部)、24 パルス圧縮器(第1のパルス圧縮器、信号受信部)、25 受信部(第1の到来時刻推定部)、26 補正TOA生成部(第1の到来時刻推定部)、27 レンジング部(目標観測部)、28 目標検出測位部、31 メモリ、32 プロセッサ、41 ヒット間積分部(目標観測部)、42 目標検出測位部、50 グランドクラッタ(静止物)、51 局部発振器(第1の局部発振器)、52 周波数誤差推定部(第1の周波数誤差推定部)、53 ドップラ周波数補正部、61 局部発振器(第2の局部発振器)、62 ヒット間積分部(第2の周波数誤差推定部)、63 直接波探索部(第2の周波数誤差推定部)、64 到来時刻補正部。

Claims (9)

  1. パルスを発信するパルスレーダを見通せる位置に設置され、前記パルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信する直接波受信系と、前記直接波受信系と別の位置に設置され、前記パルスレーダから発信されたのち、観測対象である目標に反射されたパルスの反射波を受信する反射波受信系とから構成されており、
    前記直接波受信系は、前記直接波の到来時刻を推定して、前記到来時刻を示す時刻情報を送信し、
    前記反射波受信系は、
    前記反射波の受信信号を出力する信号受信部と、
    前記直接波受信系から送信された時刻情報を受信し、前記時刻情報が示す到来時刻と、前記パルスレーダ、前記直接波受信系及び前記反射波受信系の設置位置とから、前記直接波が前記反射波受信系に到来する時刻を推定する第1の到来時刻推定部と、
    前記第1の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻と前記信号受信部から出力された受信信号を用いて、前記第1の到来時刻推定部により直接波の到来時刻が推定される毎に、隣接している到来時刻の間で、前記信号受信部から出力された受信信号を積分することで、前記反射波受信系の設置位置から前記目標が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジ及び前記目標のドップラ周波数であるバイスタティックドップラ周波数を算出し、前記目標を観測する目標観測部とを備え、
    前記信号受信部は、
    局部発振信号を出力する第1の局部発振器と、
    前記第1の局部発振器から出力された局部発振信号を用いて、前記反射波の周波数を変換する第1の周波数変換器と、
    前記第1の周波数変換器により周波数が変換された反射波をデジタル信号に変換する第1のアナログデジタル変換器と、
    前記第1のアナログデジタル変換器により変換されたデジタル信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後のデジタル信号を前記反射波の受信信号として出力する第1のパルス圧縮器とを具備し、
    前記目標観測部による受信信号の積分結果から静止物のドップラ周波数を探索して、前記静止物のドップラ周波数から前記局部発振信号の周波数誤差を推定する第1の周波数誤差推定部と、
    前記第1の周波数誤差推定部により推定された周波数誤差を用いて、前記目標観測部により算出されたバイスタティックドップラ周波数を補正するドップラ周波数補正部とを備えたことを特徴とする
    パッシブレーダ装置。
  2. 前記目標観測部は、前記信号受信部より出力された受信信号から前記反射波の到来時刻を推定し、前記反射波の到来時刻と前記第1の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻との時刻差から、前記反射波受信系の設置位置から前記目標が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジを算出することを特徴とする請求項1記載のパッシブレーダ装置。
  3. 前記直接波受信系は、
    局部発振信号を出力する第2の局部発振器と、
    前記第2の局部発振器から出力された局部発振信号を用いて、前記直接波の周波数を変換する第2の周波数変換器と、
    前記第2の周波数変換器により周波数が変換された直接波をデジタル信号に変換する第2のアナログデジタル変換器と、
    前記第2のアナログデジタル変換器により変換されたデジタル信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後のデジタル信号を前記直接波の受信信号として出力する第2のパルス圧縮器と、
    前記第2のパルス圧縮器より出力された直接波の受信信号から、前記直接波の到来時刻を推定する第2の到来時刻推定部と、
    前記第2の到来時刻推定部により直接波の到来時刻が推定される毎に、隣接している到来時刻の間で、前記第2のパルス圧縮器から出力された直接波の受信信号を積分し、前記受信信号の積分結果から前記直接波のドップラ周波数を探索して、前記直接波のドップラ周波数から、前記第2の局部発振器より出力された局部発振信号の周波数誤差を推定する第2の周波数誤差推定部と、
    前記第2の周波数誤差推定部により推定された周波数誤差を用いて、前記第2の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻を補正する到来時刻補正部と、
    前記到来時刻補正部により補正された直接波の到来時刻を示す時刻情報を送信する送信部とから構成されていることを特徴とする請求項または請求項記載のパッシブレーダ装置。
  4. パルスを発信するパルスレーダを見通せる位置に設置され、前記パルスレーダから発信されたパルスの直接波を受信する直接波受信系と、前記直接波受信系と別の位置に設置され、前記パルスレーダから発信されたのち、観測対象である目標に反射されたパルスの反射波を受信する反射波受信系とから構成されており、
    前記直接波受信系は、前記直接波の到来時刻を推定して、前記到来時刻を示す時刻情報を送信し、
    前記反射波受信系は、
    前記反射波の受信信号を出力する信号受信部と、
    前記直接波受信系から送信された時刻情報を受信し、前記時刻情報が示す到来時刻と、前記パルスレーダ、前記直接波受信系及び前記反射波受信系の設置位置とから、前記直接波が前記反射波受信系に到来する時刻を推定する第1の到来時刻推定部と、
    前記第1の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻と前記信号受信部から出力された受信信号を用いて、前記第1の到来時刻推定部により直接波の到来時刻が推定される毎に、隣接している到来時刻の間で、前記信号受信部から出力された受信信号を積分することで、前記反射波受信系の設置位置から前記目標が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジ及び前記目標のドップラ周波数であるバイスタティックドップラ周波数を算出し、前記目標を観測する目標観測部とを備え、
    前記直接波受信系は、
    局部発振信号を出力する第2の局部発振器と、
    前記第2の局部発振器から出力された局部発振信号を用いて、前記直接波の周波数を変換する第2の周波数変換器と、
    前記第2の周波数変換器により周波数が変換された直接波をデジタル信号に変換する第2のアナログデジタル変換器と、
    前記第2のアナログデジタル変換器により変換されたデジタル信号をパルス圧縮し、パルス圧縮後のデジタル信号を前記直接波の受信信号として出力する第2のパルス圧縮器と、
    前記第2のパルス圧縮器より出力された直接波の受信信号から、前記直接波の到来時刻を推定する第2の到来時刻推定部と、
    前記第2の到来時刻推定部により直接波の到来時刻が推定される毎に、隣接している到来時刻の間で、前記第2のパルス圧縮器から出力された直接波の受信信号を積分し、前記受信信号の積分結果から前記直接波のドップラ周波数を探索して、前記直接波のドップラ周波数から、前記第2の局部発振器より出力された局部発振信号の周波数誤差を推定する第2の周波数誤差推定部と、
    前記第2の周波数誤差推定部により推定された周波数誤差を用いて、前記第2の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻を補正する到来時刻補正部と、
    前記到来時刻補正部により補正された直接波の到来時刻を示す時刻情報を送信する送信部と具備いることを特徴とする
    パッシブレーダ装置。
  5. 前記目標観測部は、前記信号受信部より出力された受信信号から前記反射波の到来時刻を推定し、前記反射波の到来時刻と前記第1の到来時刻推定部により推定された直接波の到来時刻との時刻差から、前記反射波受信系の設置位置から前記目標が存在している可能性がある位置までの距離であるバイスタティックレンジを算出することを特徴とする請求項4記載のパッシブレーダ装置。
  6. 前記目標観測部は、前記信号受信部から出力された受信信号の積分処理として、前記受信信号を離散フーリエ変換することを特徴とする請求項から請求項5のうちのいずれか1項記載のパッシブレーダ装置。
  7. 前記目標観測部は、前記パルスレーダから等間隔でパルスが発信される場合、前記信号受信部から出力された受信信号の積分処理として、前記受信信号を高速フーリエ変換することを特徴とする請求項から請求項5のうちのいずれか1項記載のパッシブレーダ装置。
  8. 前記目標観測部は、前記パルスレーダから等間隔で発信されるパルスの間隔が途中で切り替えられる場合、前記信号受信部から出力された受信信号を同一間隔のパルスに対応する受信信号単位にグループ分けし、前記信号受信部から出力された受信信号の積分処理として、同一グループに属する受信信号毎に、当該受信信号を高速フーリエ変換することを特徴とする請求項から請求項5のうちのいずれか1項記載のパッシブレーダ装置。
  9. 前記直接波受信系と別の位置に、前記反射波受信系が複数設置されており、
    前記直接波受信系は、前記直接波の到来時刻を推定して、前記到来時刻を示す時刻情報を前記複数の反射波受信系に送信することを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載のパッシブレーダ装置。
JP2015013340A 2015-01-27 2015-01-27 パッシブレーダ装置 Active JP6324327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015013340A JP6324327B2 (ja) 2015-01-27 2015-01-27 パッシブレーダ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015013340A JP6324327B2 (ja) 2015-01-27 2015-01-27 パッシブレーダ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016138787A JP2016138787A (ja) 2016-08-04
JP6324327B2 true JP6324327B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=56560060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015013340A Active JP6324327B2 (ja) 2015-01-27 2015-01-27 パッシブレーダ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6324327B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102365932B1 (ko) * 2017-08-03 2022-02-22 한국전자통신연구원 국부발진 주파수 특성 정합을 위한 레이더 시스템 및 이의 구동방법
CN108919208A (zh) * 2018-04-03 2018-11-30 芜湖泰贺知信息系统有限公司 一种基于反射的无源雷达参考信号获取方法
DE102018208992A1 (de) * 2018-06-07 2019-12-12 Robert Bosch Gmbh Radarsensorsystem
KR102628655B1 (ko) * 2018-06-29 2024-01-24 삼성전자주식회사 레이더 구동 장치 및 방법
WO2020100275A1 (ja) * 2018-11-16 2020-05-22 三菱電機株式会社 レーダ装置及び信号処理方法
WO2022059090A1 (ja) * 2020-09-16 2022-03-24 日本電気株式会社 レーダ装置、イメージング方法およびイメージングプログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0527020A (ja) * 1991-07-16 1993-02-05 Mitsubishi Electric Corp マルチスタテイツクレーダ装置
US6633259B1 (en) * 1999-03-05 2003-10-14 Rannuch Corporation Method and apparatus for improving utility of automatic dependent surveillance
JP5705057B2 (ja) * 2011-07-28 2015-04-22 三菱電機株式会社 パッシブレーダ装置
EP2960675A1 (en) * 2013-02-25 2015-12-30 Mitsubishi Electric Corporation Passive radar device
FR3006060B1 (fr) * 2013-05-24 2016-12-02 Thales Sa Procede de localisation d'une cible et systeme radar multistatique pour la mise en œuvre d'un tel procede

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016138787A (ja) 2016-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3021132B1 (en) Mimo radar system
JP6324327B2 (ja) パッシブレーダ装置
US9835723B2 (en) Radar ambiguity resolving detector
JP6818541B2 (ja) レーダ装置および測位方法
JP5871559B2 (ja) レーダ装置
US9470784B2 (en) Radar device
JP2016151425A (ja) レーダ装置
US10613197B2 (en) Antenna specification estimation device and radar device
JP6576595B2 (ja) レーダ装置
US7961147B1 (en) Long baseline phase interferometer ambiguity resolution using frequency differences
US20180143297A1 (en) Decentralised radar system
JP2009025159A (ja) レーダ装置
JP5660973B2 (ja) レーダ装置
EP3399334B1 (en) Object detecting device and sensor device
JP2016151424A (ja) レーダ装置
JP2010175457A (ja) レーダ装置
KR101705532B1 (ko) 주파수 변조 레이더 및 그것의 제어방법
JP6573748B2 (ja) レーダ装置
JP6494869B1 (ja) レーダ装置
KR20200053222A (ko) 거리, 각도 속도를 정밀 측정하기 위한 레이더 장치 및 레이더 신호 처리 방법
JP5501578B2 (ja) レーダ装置
JP2007225319A (ja) パルスレーダ装置
JP2008151578A (ja) 相対位置推定システム
JP2020125979A (ja) 目標検知装置、目標推定方法およびプログラム
JP2012233739A (ja) レーダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6324327

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250