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JP6323584B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置および電子機器 Download PDF

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JP6323584B2 JP2017055465A JP2017055465A JP6323584B2 JP 6323584 B2 JP6323584 B2 JP 6323584B2 JP 2017055465 A JP2017055465 A JP 2017055465A JP 2017055465 A JP2017055465 A JP 2017055465A JP 6323584 B2 JP6323584 B2 JP 6323584B2
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Description

本発明は、表示品位の低下を防止した電気光学装置及び電子機器に関する。
近年、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下「OLED」という)などの発光素子を用いた電気光学装置が各種提案されている。このような電気光学装置では、走査線とデータ線との交差に対応して画素回路が設けられる。当該画素回路は、上記発光素子と、書込トランジスターと、駆動トランジスターとを含む構成が一般的である(特許文献1参照)。
特開2007−310311号公報
ところで、データ線と駆動トランジスターとが互いに接近すると、容量結合する度合いが高くなる。このため、データ線が電位変動すると、当該電位変動が寄生容量を介して駆動トランジスターの各部、特にゲートの保持電位を変動させてしまう。従って、目的とする電流を発光素子に流すことができなくなるので、表示品位を低下させてしまう、という問題が指摘された。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、互いに交差する走査線及びデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた画素回路と、を備え、前記画素回路は、駆動トランジスターと、前記データ線及び前記駆動トランジスターのゲートの間に電気的に接続された書込トランジスターと、前記駆動トランジスターのゲートに接続された第1保持容量と、前記駆動トランジスターより供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する発光素子と、導電性の材料よりなる第1シールド部と、を有し、前記データ線と直交し前記駆動トランジスターのゲートを含むように前記画素回路を切断した任意の第1切断面において、前記第1シールド部は、前記駆動トランジスターのゲート及び前記データ線を結ぶ線分と交差する、ことを特徴とする。
本発明では、データ線と直交し且つ駆動トランジスターのゲートを含む任意の第1切断面において、駆動トランジスターのゲートとデータ線との間に位置するように、第1シールド部が設けられる。すなわち、上述した電気光学装置において、前記第1シールド部は、前記駆動トランジスターのゲートと前記データ線との間に配置される。換言すれば、画素回路を平面視した場合、及び、データ線と直交する切断面で断面視した場合に、駆動トランジスターのゲート及びデータ線の間に、第1シールド部が位置する。
従って、本発明では、第1シールド部によって、データ線の電位変動が駆動トランジスターのゲート電極の保持電位に与える影響を低減することができる。すなわち、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
また、上述した電気光学装置において、前記第1シールド部は、前記データ線と同一の配線層に形成された第1中継電極、及び、前記駆動トランジスターのゲートと同一の配線層に形成された第2中継電極、を含む複数の中継電極と、前記複数の中継電極を接続する接続部と、を備え、前記中継電極及び前記接続部は、前記任意の第1切断面と交差する、ことが好ましい。
この発明によれば、データ線と直交する切断面で断面視した場合に、駆動トランジスターのゲート及びデータ線の間に、第1シールド部が位置するため、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となる。
また、上述した電気光学装置において、前記第1シールド部は、前記駆動トランジスターのゲートと前記データ線との間の層のうち、少なくとも2層に配置された前記導電性の材料により形成される態様としてもよい。
この場合も、第1シールド部を、駆動トランジスターのゲート及びデータ線の間に位置するように設けることができるため、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となる。
また、上述した電気光学装置において、前記接続部は、複数のコンタクトホールを備え、前記複数の中継電極のうち、互いに隣り合う配線層に形成される2つの中継電極は、複数の前記コンタクトホールのうち、1つのコンタクトホールにより接続され、当該の1つのコンタクトホールは、前記任意の第1切断面と交差する、ことが好ましい。
この発明によれば、データ線と直交する切断面で断面視した場合に、駆動トランジスターのゲート及びデータ線の間に、第1シールド部が位置するため、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となる。
また、上述した電気光学装置において、前記第1保持容量は、前記駆動トランジスターのゲートに電気的に接続される第1電極、及び、前記駆動トランジスターのソースに電気的に接続される第2電極によって形成され、前記駆動トランジスターのゲートと前記第1電極とを電気的に接続する第1接続配線及び、前記駆動トランジスターのソースと前記第2電極とを電気的に接続する第2接続配線を電位保持部としたとき、前記第1シールド部は、前記データ線と直交し前記電位保持部を含むように前記画素回路を切断した任意の第2切断面において、前記電位保持部及び前記データ線を結ぶ線分と交差する、ことが好ましい。
この発明によれば、データ線と直交し且つ電位保持部を含む任意の第2切断面において、電位保持部とデータ線との間に位置するように、第1シールド部が設けられる。すなわち、画素回路を平面視した場合、及び、データ線と直交する切断面で断面視した場合に、電位保持部及びデータ線の間に、第1シールド部が位置する。
電位保持部は、駆動トランジスターのゲートに接続される配線及びソースに接続される配線である。従って、本発明では、第1シールド部によって、電位保持部、すなわち、駆動トランジスターのゲート及びソースを、データ線から電気的にシールドすることが可能となるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
また、上述した電気光学装置において、前記第1シールド部には、固定電位が供給されることが好ましい。
この場合、第1シールド部が、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
また、上述した電気光学装置において、前記画素回路は、一端が前記駆動トランジスターのソースまたはドレインの一方に電気的に接続され、他端が給電線に電気的に接続された第2保持容量を備え、前記発光素子は、前記駆動トランジスターのソースまたはドレインの一方に電気的に接続され、前記第1シールド部は、前記給電線と電気的に接続されることが好ましい。
例えば、給電線に固定電位または電位の変動幅の小さな信号が供給される場合、第1シールド部が、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
また、上述した電気光学装置において、前記画素回路は、導電性の材料よりなる第2シールド部を有し、前記駆動トランジスターのゲートは、前記第1シールド部と前記第2シールド部との間に設けられることが好ましい。
この発明によれば、画素回路が2本のデータ線の間に設けられる場合に、2本のデータ線に生じる電位変動が当該画素回路の備える駆動トランジスターのゲートに伝播することを防止することができるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
また、上述した電気光学装置において、複数の前記走査線と、複数の前記走査線と交差する複数の前記データ線と、複数の前記走査線と複数の前記データ線との交差に対応して設けられた複数の前記画素回路と、を備え、複数の前記画素回路のうち、互いに隣り合う2つの前記データ線の間に設けられた画素回路が備える前記第2シールド部は、前記任意の第1切断面において、前記互いに隣り合う2つの前記データ線のうち、前記駆動トランジスターのゲートから見て前記第1シールド部とは逆側に位置する1のデータ線と、前記駆動トランジスターのゲートとを結ぶ線分と交差する、ことが好ましい。
この発明によれば、第1シールド部及び第2シールド部によって、駆動トランジスターのゲートを、データ線から電気的にシールドすることが可能となるため、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。
なお、本発明に係る電気光学装置は、各種の電子機器に適用可能である。典型的には、表示装置であり、電子機器としてはパーソナルコンピューターや携帯電話機が挙げられる。特に本願発明は、データ線の電位変動が、画素回路における駆動トランジスターのゲート(ソース)電位に影響を及ぼしにくく、これによって、表示品位の低下を防止することができるので、例えばヘッドマウントディスプレイ用やプロジェクターのように小型の表示装置に好適である。もっとも、本発明に係る電気光学装置の用途は、表示装置に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(光ヘッド)にも適用可能である。
実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。 電気光学装置における画素回路の等価回路を示す図である。 電気光学装置の表示動作を示す図である。 実施形態に係る画素回路の構成を示す平面図である。 実施形態に係る画素回路の構成を示す部分断面図である。 実施形態に係る画素回路の構成を示す部分断面図である。 実施形態に係るシールド部の設けられる範囲を説明する説明図である。 変形例1に係る画素回路の構成を示す平面図である。 変形例2に係る画素回路の構成を示す平面図である。 変形例2に係るシールド部の設けられる範囲を説明する説明図である。 変形例3に係る画素回路の構成を示す平面図である。 変形例4に係る画素回路の構成を示す平面図である。 電気光学装置を適用した電子機器(その1)を示す図である。 電気光学装置を適用した電子機器(その2)を示す図である。 電気光学装置を適用した電子機器(その3)を示す図である。 対比例に係る画素回路の構成を示す平面図である。 対比例に係る画素回路の構成を示す部分断面図である。 変形例10に係る画素回路の構成を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る電気光学装置について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、電気光学装置1は、表示部100、走査線駆動回路210、電源線駆動回路220及びデータ線駆動回路230を含んだ構成となっている。
このうち、表示部100には、m行の走査線112が図において横(X)方向に沿って設けられ、n列のデータ線114が、縦(Y)方向に沿って、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられている。
画素回路110は、表示すべき画像の1画素を表現するものであり、m行の走査線112とn列のデータ線114との交差部に対応して、それぞれ設けられている。従って、本実施形態では、画素回路110がマトリクス状に配列して、横n画素×縦m画素の画像が表示されることになる。なお、m、nは、いずれも自然数である。
表示部100には、1行毎に個別の電源線116及び給電線117が設けられている。なお、図1では省略されているが、後述するように共通電極が各画素回路110にわたって設けられて、素子電源の低位側の電位Vctが供給される。また、走査線112や画素回路110など行を便宜的に区別するために、図1において上から順に1、2、3、…、(m−1)、m行目と呼ぶ場合がある。同様にデータ線114及び画素回路110の列を便宜的に区別するために、図1において左から順に1、2、3、…、(n−1)、n列目と呼ぶ場合がある。
電気光学装置1では、画素回路110がマトリクス状に配列する表示部100の周辺に制御回路200、走査線駆動回路210、電源線駆動回路220及びデータ線駆動回路230が設けられている。制御回路200は、走査線駆動回路210、電源線駆動回路220及びデータ線駆動回路230の動作を制御するほか、各画素回路110で表現すべき画素の階調(輝度)を指定する階調データをデータ線駆動回路230に供給する。
走査線駆動回路210は、1、2、3、…、(m−1)、m行目の走査線112にそれぞれ走査信号Gw(1)、Gw(2)、Gw(3)、…、Gw(m-1)、Gw(m)を供給して、各フレームにおいて1〜m行目を順次走査するものである。なお、本説明において、フレームとは、1カット(コマ)分の画像を電気光学装置1に表示させるのに要する期間をいい、垂直走査周波数が60Hzであれば、その1周期分の16.67ミリ秒の期間をいう。
電源線駆動回路220は、1、2、3、…、(m−1)、m行目の電源線116にそれぞれ信号Vel(1)、Vel(2)、Vel(3)、…、Vel(m-1)、Vel(m)を供給するとともに、これらの信号の電位を、走査線駆動回路210による走査に同期して低位側の電位Vel_Lと高位側の電位Vel_Hとで切り替える。また、電源線駆動回路220は、1、2、3、…、(m−1)、m行目の給電線117に、それぞれランプ信号Vrmp(1)、Vrmp(2)、Vrmp(3)、…、Vrmp(m-1)、Vrmp(m)を、走査線駆動回路210による走査に同期して供給する。
なお、画素回路の駆動方法によっては、給電線117に少なくとも一定の期間、固定電位を供給する形態にも適用可能である。
データ線駆動回路230は、走査線駆動回路210によって走査された行に位置する画素回路110に対し、初期化電位、または、当該画素回路110の階調データに応じた電位のデータ信号を、データ線114を介して供給するものである。便宜的に、1、2、3、…、(n−1)、n列目のデータ線114の各々に供給されたデータ信号を、それぞれVd(1)、Vd(2)、Vd(3)、…、Vd(n-1)、Vd(n)と表記している。
図2を参照して、画素回路110の等価回路について説明する。なお、図2には、i行目及び当該i行目に隣り合う(i+1)行目の走査線112と、j列目及び当該j列目に隣り合う(j+1)列目のデータ線114との交差に対応する2×2の計4画素分の画素回路110が示されている。ここで、i、(i+1)は、画素回路110が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、1以上m以下の整数である。同様に、j、(j+1)は、画素回路110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上n以下の整数である。
図2に示されるように、各画素回路110は、Nチャネル型のトランジスター130、140と、容量素子135、137と、発光素子150とを有する。ここで、各画素回路110については電気的にみれば互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明する。
トランジスター130は、ゲートがi行目の走査線112に電気的に接続される一方、
ドレインがj列目のデータ線114に電気的に接続され、ソースが容量素子135の一端(以下、「第1電極」と称する場合がある)とトランジスター140のゲートとにそれぞれ接続されている。すなわち、トランジスター130は、データ線114とトランジスター140との間に電気的に接続され、データ線114とトランジスター140との間の電気的な接続を制御する書込トランジスターとして機能する。
トランジスター140のドレインは、i行目の電源線116に接続される。また、トランジスター140のソースは、容量素子135の他端(以下、「第2電極」と称する場合がある)、容量素子137の一端、及び、発光素子150の陽極に、それぞれ電気的に接続されている。このトランジスター140は、トランジスター140のゲート及びソース間の電圧に応じた電流を流す駆動トランジスターとして機能する。
容量素子135は、上述のとおり、トランジスター140のゲートに電気的に接続された第1電極と、トランジスター140のソースに電気的に接続された第2電極とから構成される。すなわち、容量素子135は、トランジスター140のゲート及びソース間の電圧を保持する第1保持容量として機能する。
容量素子137は、一端がトランジスター140のソースに電気的に接続され、他端がi行目の給電線117に電気的に接続されている。すなわち、この容量素子137は、トランジスター140のソースと給電線117との間に電気的に介挿された第2保持容量として機能する。
なお、上記におけるトランジスター130、140のソース、ドレインはトランジスター130、140のチャネル型、電位の関係に応じて入れ替わってもよい。また、トランジスターは薄膜トランジスターであっても電界効果トランジスターであってもよい。
なお、以下では、トランジスター130のドレインと走査線112とを電気的に接続する接続配線を、トランジスター130のドレインノードDと称し、トランジスター140のドレインと電源線116とを電気的に接続する接続配線を、トランジスター140のドレインノードdと称する場合がある。また、トランジスター140のゲート、トランジスター130のソース、及び、容量素子135の一端を電気的に接続する接続配線(第1接続配線)を、トランジスター140のゲートノードgと称する場合がある。さらに、トランジスター140のソース、容量素子135の他端、及び、発光素子150の陽極、容量素子137の一端を電気的に接続する接続配線(第2接続配線)を、トランジスター140のソースノードsと称する場合がある。
発光素子150の陽極は、画素回路110毎に個別に設けられる画素電極である。これに対して、発光素子150の陰極は、電位Vctに保たれた共通電極118に、画素回路110にわたって共通接続されている。発光素子150は、互いに対向する陽極と陰極とで有機EL材料からなる発光層を挟持した構造のOLEDであり、陽極から陰極に向かって流れる電流に応じた輝度にて発光する。また、発光素子150の陽極と陰極との間には容量成分152が発生する。
図2において、Gw(i)、Gw(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の走査線112に供給される走査信号を示している。Vel(i)、Vel(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の電源線116に供給される信号を示し、Vrmp(i)、Vrmp(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の給電線117に供給されるランプ信号を示している。また、Vd(j)、Vd(j+1)は、それぞれj、(j+1)列目のデータ線114に供給されるデータ信号を示している。
なお、本実施形態において、トランジスター140のゲート及びソースは、隣り合うデータ線114からシールドされているが、この構造の詳細については後述することにする。
図3を参照して電気光学装置1の動作について説明する。図3は、電気光学装置1における各部の動作を説明するための図である。この図に示されるように、走査線駆動回路210が制御回路200による制御にしたがい、走査信号Gw(1)〜Gw(m)の電位を切り替えることによって、1フレームにおいて1〜m行目の走査線112を1水平走査期間(H)毎に順番に走査する。
1水平走査期間(H)での動作は、各行の画素回路110にわたって共通である。そこで以下については、主にi行目の走査線112が走査されたときに、当該i行目のうちの、j列目の画素回路110について着目して説明する。
本実施形態において、各走査線112の走査期間は、大別すると、時間の順で初期化期間、セット期間及び書込期間に分けられる。このうち、初期化期間及びセット期間については時間的に連続し、セット期間及び書込期間ついては時間的に非連続となっている。
ここで、走査線駆動回路210は、制御回路200による制御に従って次のような走査信号Gw(i)を出力する。すなわち、走査線駆動回路210は、i行目の走査線112の走査期間において走査信号Gw(i)を、初期化期間及びセット期間においてHレベルとし、セット期間の終了時から書込期間の開始時までの期間においてLレベルとし、書込期間において再度Hレベルとし、書込期間の終了時から次のフレームにおけるi行目の初期間期間までLレベルとする。
電源線駆動回路220は、制御回路200による制御に従って次のような信号Vel(i)及びランプ信号Vrmp(i)をそれぞれ出力する。
すなわち、電源線駆動回路220は、i行目の電源線116に供給する信号Vel(i)を、初期化期間において第1電源電位である電位Vel_Lとし、セット期間以降では、第2電源電位である電位Vel_Hとする。なお、電位Vel(i)が電位Vel_Hから電位Vel_Lに遷移するタイミングは、図3においては初期化期間の開始時としているが、発光素子150の発光期間を短くする目的で、初期化期間よりも手前のタイミングで電位Vel_Lに遷移させる場合もある。
また、電源線駆動回路220は、i行目の給電線117に供給するランプ信号Vrmp(i)を、i行目の走査線112の走査期間の開始時から終了時までにかけて、電位Vxから電位Vref(Vx>Vref)に直線的に減少させる。なお、電位Vxと電位Vrefとの差は、実際には微小であり、ランプ信号Vrmp(i)の電位減少が画素回路110の各部に与える影響は、無視できるほどに小さい。
データ線駆動回路230は、制御回路200による制御に従って次のようなデータ信号Vd(1)〜Vd(n)を、それぞれ対応するデータ線114に供給する。すなわち、データ線駆動回路230は、データ信号Vd(1)〜Vd(n)を、初期化期間と、セット期間と、当該セット期間の終了時から時間Tが経過したタイミングTsまでの期間とにわたって、一斉に初期化電位Vofsとし、タイミングTsから次の(i+1)行目の走査線112の走査期間が開始するまでに、i行目と1〜n列目との交差に対応した画素に指定された階調データに応じた電位とする。このため、例えばj列目のデータ線114に供給されるデータ信号Vd(j)は、図3に示されるように、初期化期間の開始時からタイミングTsまでの期間にわたって初期化電位Vofsとなり、タイミングTsから次の(i+1)行目の走査線112の走査期間が開始するまでの期間にわたって、i行j列の画素回路110に指定された階調データに応じた電位Vsigとなる。
さて、i行目の初期化期間では、走査信号の電位Gw(i)がHレベルに遷移して、トランジスター130がオンするので、トランジスター140のゲートノードgは、データ線114に電気的に接続された状態になる。初期間期間においてデータ線114に供給されたデータ信号Vd(j)は電位Vofsであるので、ゲートノードgについても電位Vofsになる。
一方、i行目の電源線116に供給された信号Vel(i)は電位Vel_Lである。本実施形態において電位Vofsから電位Vel_Lを減じた差分電圧(Vofs−Vel_L)がトランジスター140の閾値電圧Vth_trを十分に上回るように設定されている。このため、初期化期間においてトランジスター140が駆動状態になるので、ソースノードs(発光素子150の陽極)は、電位Vel_Lに初期化される。
従って、トランジスター140のゲート及びソースの間の電圧、すなわち容量素子135によって保持される電圧は、電位Vofsと電位Vel_Lとの差分電圧に初期化される。なお、電位Vel_Lと共通電極118の電位Vctとの電位差が発光素子150の発光閾値電圧Vth_oledを下回るような値となるように当該電位Vel_Lが設定されるので、初期化期間において発光素子150は、オフ状態(非発光状態)である。
次に、i行目のセット期間では、走査信号Gw(i)が引き続きHレベルであるので、トランジスター130のオン状態が継続する結果、トランジスター140のゲートノードgは、初期化電位Vofsを維持する。セット期間の開始時において信号Vel(i)は高位側の電位Vel_Hに遷移するので、電流が電源線116からトランジスター140のドレイン、ソースを流れる結果、当該トランジスター140のソースノードsの電位が上昇し始める。また、トランジスター140のゲートノードgは、初期化電位Vofsに維持されているから、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は徐々に減少していく。このとき、ランプ信号Vrmp(i)の電位が経時的に変化しているので、トランジスター140のドレイン・ソース間に流れた電流は、発光素子150の側と容量素子137の側との両側に分岐する。
このうち、発光素子150の側に流れる電流は、発光素子150の容量成分152に流れて、当該容量成分152を充電し始める。この充電がまもなく完了すると、トランジスター140のドレイン・ソース間に流れた電流は、発光素子150の側に電流が流れずに、容量素子137の側のみに流れることになる。
一方、本実施形態において、ランプ信号Vrmp(i)の電位は直線的に減少し、減少率が一定である。このため、容量成分152の充電完了後に、電源線116→ドレインd→ソースs→容量素子137という経路で流れる電流はほぼ一定となる。なお、以下では、このような電源線116→ドレインd→ソースs→容量素子137という経路で流れる電流をセット電流と呼ぶことにする。
セット期間の終了時において、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は、当該セット電流がトランジスター140を流れるのに必要な電圧Vgs1にほぼ等しくなる。このため、トランジスター140のソースノードsは、初期化電位Vofs(ゲートノードgの電位)よりも電圧Vgs1だけ低い電位(Vofs−Vgs1)に設定される。
本実施形態では、この電位(Vofs−Vgs1)と電位Vctとの差、すなわち発光素子150の両端電圧は、発光素子150の発光閾値電圧Vth_oledを下回るように設定される。従って、セット期間においても、発光素子150は非発光状態となる。
なお、電圧Vgs1は、以下の式(1)で表される。
Vgs1=Vth_tr+Va …(1)
式(1)において、Vth_trは、トランジスター140の閾値電圧であり、Vaは、セット電流に応じた電圧である。このため、セット期間において、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は、当該トランジスター140の閾値電圧に対応する電圧にセットされるということもできる。
続いて、i行目のセット期間が完了すると、走査信号Gw(i)がLレベルに遷移するので、トランジスター140がオフ状態になり、トランジスター140のゲートノードgは、フローティング(ハイ・インピーダンス)状態となる。一方、セット期間が完了しても、ランプ信号Vrmp(i)の電位は直線的に減少するので、容量素子137にはセット電流が流れ続ける。ここで、トランジスター140の移動度μが大きいほど、当該トランジスター140に流れる電流の値は大きくなり、ソースの電位の上昇量も大きくなる。反対に、移動度μが小さいほど、トランジスター140に流れる電流の値は小さくなる。換言すれば、移動度μが大きいほどトランジスター140のゲート・ソース間の電圧の減少量(負帰還量)が大きくなる一方、移動度μが小さいほどゲート・ソース間の電圧の減少量(負帰還量)は小さくなる。これにより、トランジスター140の移動度μが画素回路110毎に相違していても、その相違が補償される構成になっている。
本実施形態では、図3に示されるように、セット期間の終了から時間Tだけ経過したタイミングTsにおいて、j列目のデータ線114に供給されるデータ信号Vd(j)が、初期化電位Vofsから階調データに応じた電位Vsigに変化する。
i行目の書込期間では、走査信号の電位Gw(i)が再びHレベルに遷移して、トランジスター130がオンするので、トランジスター140のゲートノードgは、データ線114に電気的に接続された状態となる結果、データ信号Vd(j)の電位Vsigになる。このため、当該電位Vsigに応じた電流がトランジスター140のドレインからソースに向かって流れるので、ソースノードsの電位が上昇する。一方、ランプ信号Vrmp(i)の電位は、引き続き減少するので、容量素子137には電流が流れる。そうとすると、トランジスター140においてドレインからソースに向かって流れた電流は、容量素子135と容量素子137とに分岐して流れる。このとき、電位Vsigに応じてトランジスター140に流れる電流がおおきいほど、容量素子135に流れ込む電流が大きくなり、結果として、トランジスター140のソースノードsの電位上昇量(つまりゲート・ソース間の電圧の減少量)も大きくなる。
また、上述したように、トランジスター140の移動度μを補償する動作は、この書込期間においても引き続き実行される。書込期間の終了時において、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧(容量素子135の保持電圧)は、データ信号Vd(j)の電位Vsigと、トランジスター140の特性(移動度μ)とを反映した値に設定される。詳細には、書込期間の終了時におけるトランジスター140のゲート・ソース間の電圧Vgs2は、以下の式(2)で表される。
Vgs2=Vgs1+ΔV=Vth_tr+Va+ΔV …(2)
式(2)のΔVは、電位Vsig及びトランジスター140の特性(移動度μ)に応じた値となる。
また、書込期間の終了時においてトランジスター140のソースノードsの電位と電位Vctとの差、すなわち発光素子150の両端電圧は、発光素子150の発光閾値電圧Vth_oledを下回るように設定される。従って、書込期間においても発光素子150は非発光状態となる。
i行目の書込期間が終了すると、走査信号の電位Gw(i)がLレベルに遷移するので、トランジスター140がオフ状態になって、ゲートノードgがフローティング状態となる。また、ランプ信号Vrmp(i)の電位減少も終了するので、容量素子137に流れるセット電流もゼロになる。ここで、容量素子135の両端電圧(トランジスター140のゲート・ソース間の電圧)は、書込期間の終点時における電圧Vgs2に維持されるので、当該電圧Vgs2に応じた電流がトランジスター140を流れる結果、ソースノードsの電位が時間経過とともに上昇する。トランジスター140においてゲートノードgはフローティング状態であるから、当該ゲートノードgの電位はソースノードsの電位に連動して上昇する。
結局、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は、書込期間の終点時にセットされた電圧Vgs2に維持されたまま、ソースノードsの電位が時間経過とともに上昇する。
ソースノードsの電位と電位Vctとの差である発光素子150の両端電圧が、発光素子150の発光閾値電圧Vth_oledを超えた時点で、発光素子150に電流が流れ始めて、当該電流に応じた輝度で発光開始となる。
いま、トランジスター140が飽和領域で動作する場合を想定すると、発光素子150に流れる電流Ielは以下の式(3)の形で表現される。なお、βは、トランジスター140トランジスターの利得係数である。
Iel=(β/2)(Vgs2−Vth_tr)…(3)
式(2)の代入によって式(3)は以下のように変形することができる。
Iel=(β/2)(Vth_tr+Va+ΔV−Vth_tr)
=(β/2)(Va+ΔV)
結局、発光素子に流れる電流Ielは、トランジスター140の閾値電圧Vth_trに依存しないので、画素回路110毎に閾値電圧Vth_trが相違しても、その相違が補償されて、輝度のムラが抑制されることになる。
ところで、本実施形態では、i行目の走査期間においてはセット期間の終了時から書込期間の開始時までにわたって走査信号Gw(i)がLレベルであり、トランジスター130がオフするので、トランジスター140のゲートがフローティング状態になる。ここで、タイミングTsにてデータ線114が初期化電位Vofsから電位Vsigに変動するので、当該電位変動が寄生容量(図示省略)を介しトランジスター140のゲートg及びソースsにそれぞれ伝播し、セット期間の終了時にトランジスター140のゲート・ソース間にセットされた電圧Vgs1を変動させてしまう。このため、表示斑や縦スジなどの発生を招き、表示品位を大きく低下させる要因となる。
そこで、本実施形態では、画素回路110を次のように構成して、データ線114の電位変動の影響を受けにくくしている。
この画素回路110の構造について、図4乃至図6を参照して説明する。
図4は、i行j列の画素回路110の構成を示す平面図であり、図5は、図4におけるE−e線で切断した部分断面図であり、図6は、図4におけるF−f線で切断した部分断面図である。なお、図4においてF−f線と、Y軸とは直交する。ここで、Y軸とはデータ線に平行な方向を言う。すなわち、図6は、図4におけるY軸(すなわち、データ線114)と直交する平面において画素回路110を切断した切断面を表している。
また、図4は、トップエミッション構造の画素回路110を観察側から平面視した場合の配線構造を示しているが、簡略化のために、発光素子150における画素電極(陽極)以降に形成される構造体を省略している。図5及び図6については、発光素子150の画素電極までを示し、以降の構造体を省略している。また、以下の各図については、各層、各部材、各領域などを認識可能な大きさとするために、縮尺を異ならせている場合がある。
図5に示すように、画素回路110を構成する各要素は、基板2上に形成される。本実施形態において、基板2は、ガラスやプラスチック等の各種絶縁性材料からなる板状の部材である。
図5に示すように、基板2上には、半導体層130a、140aが設けられる。半導体層130aは、トランジスター130の半導体層として機能し、半導体層140aはトランジスター140の半導体層として機能する。
図5及び図6に示すように、半導体層130a、半導体層140a、及び、基板2を覆うように、ゲート絶縁層L1(第1絶縁層)が設けられる。ゲート絶縁層L1の表面には、アルミニウム等の導電性の材料からなる配線層をパターニングすることにより、走査線112、分岐部112a、中継ノードN11、中継ノードSa1、及び、中継ノードSb1がそれぞれ形成される。なお、以下では、これらゲート絶縁層L1の表面に形成される複数の要素を、第1配線層と総称する場合がある。
図4に示すように、走査線112は、Y軸方向と交差するX方向に延在するとともに、画素回路110毎にY方向に分岐した部分(分岐部112a)を有する。
分岐部112aは、平面視したとき(すなわち、基板2の画素回路110が配置された面に垂直な方向から画素回路110を見たとき)、分岐部112aの一部と半導体層130aの中央部とが互いに重なり合うように設けられる。分岐部112aのうち、平面視したときに半導体層130aと重なり合う部分が、トランジスター130のゲート130gに相当する。また、半導体層130aのうち、平面視したときに分岐部112aと重なり合う部分が、トランジスター130のチャネル領域130cに相当する。
なお、図4において、半導体層130aのうちチャネル領域130cよりもX方向の負側(つまり図において左側)に位置する領域がトランジスター130のドレイン領域130dに相当し、チャネル領域130cよりもX方向の正側(つまり図において右側)に位置する領域がトランジスター130のソース領域130sに相当する。
また、中継ノードN11は、平面視したときに、中継ノードSa1と中継ノードSb1との間に位置し、且つ、中継ノードN11の一部と半導体層140aの中央部とが重なり合うように設けられる(図4参照)。中継ノードN11のうち、平面視したときに半導体層140aと重なり合う部分が、トランジスター140のゲート140gに相当する。
また、半導体層140aのうち、平面視したときに中継ノードN11と重なり合う部分が、トランジスター140のチャネル領域140cに相当する。
なお、図4において、半導体層140aのうち、チャネル領域140cよりもY方向の正側(つまり図において下側)に位置する領域がトランジスター140のドレイン領域140dに相当し、チャネル領域140cよりもY方向の負側(つまり図において上側)に位置する領域がトランジスター140のソース領域140sに相当する。
図4に示すように、中継ノードSa1は、平面視したときに、後に形成されるj列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。なお、本明細書においてY方向に長手が延在する矩形とは、X方向の幅がY方向の幅よりも短い形状を意味する。この中継ノードSa1は、トランジスター140のゲート140gと同一の配線層(第1配線層)に形成される第2中継電極に相当する。中継ノードSb1は、平面視したときに、後に形成される(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
図5及び図6に示すように、走査線112、分岐部112a、中継ノードN11、Sa1、Sb1、及び、ゲート絶縁層L1を覆うように、第2絶縁層L2が形成される。第2絶縁層L2の表面には、導電性の材料からなる配線層をパターニングすることにより、中継ノードN21〜N27、中継ノードSa2、及び、中継ノードSb2がそれぞれ形成される。なお、以下では、これら第2絶縁層L2の表面に形成される複数の要素を、第2配線層と総称する場合がある。
図4に示すように、中継ノードN21及びN22は、平面視したときに、中継ノードSa1と中継ノードSb1との間に位置するように設けられる。
なお、図示は省略するが、平面視したときに、中継ノードSa2は、後に形成されるj列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成され、中継ノードSb2は、後に形成される(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
図5に示すように、中継ノードN23は、ゲート絶縁層L1及び第2絶縁層L2を貫通するコンタクトホールH21を介して、トランジスター130のドレイン領域130dに電気的に接続される。同様に、中継ノードN24は、コンタクトホールH22を介して、トランジスター130のソース領域130sに電気的に接続され、中継ノードN25は、コンタクトホールH23を介して、中継ノードN11に電気的に接続され、中継ノードN26は、コンタクトホールH24を介して、トランジスター140のソース領域140sに電気的に接続され、中継ノードN27は、コンタクトホールH25を介して、トランジスター140のドレイン領域140dに電気的に接続される。
また、図6に示すように、中継ノードSa2は、第2絶縁層L2を貫通するコンタクトホールHsa2を介して、中継ノードSa1に電気的に接続される。同様に、中継ノードSb2は、コンタクトホールHsb2を介して、中継ノードSb1に電気的に接続される。
なお、図4において、コンタクトホールは、異種の配線層同士が重なる部分で「□」印に「×」印を付した部分(例えば、コンタクトホールH51)、または、ハッチングを付した部分(例えば、コンタクトホールHsa4)として示している。
図5及び図6に示すように、中継ノードN21〜N27、Sa2、Sb2、及び、第2絶縁層L2を覆うように、第3絶縁層L3が形成される。第3絶縁層L3の表面には、導電性の材料からなる配線層をパターニングすることにより、中継ノードN31〜N37、中継ノードSa3、Sb3、分岐部117a、117b、及び、給電線117がそれぞれ形成される。なお、以下では、これら第3絶縁層L3の表面に形成される複数の要素を、第3配線層と総称する場合がある。
図4に示すように、給電線117は、X方向に延在するとともに、画素回路110毎にY方向に分岐した部分(分岐部117a、分岐部117b)を有する。
分岐部117aは、平面視したとき、分岐部117aの一部と中継ノードN22の一部とが互いに重なり合うように設けられる。そして、分岐部117aの一部と中継ノードN22の一部とが第3絶縁層L3を挟持することにより、容量素子137が形成される。すなわち、中継ノードN22は、容量素子137の一端として機能し、分岐部117aは、容量素子137の他端として機能する。
また、図4に示すように、中継ノードN31は、平面視したときに、中継ノードN21の一部と中継ノードN31の一部とが互いに重なり合うように設けられる。そして、中継ノードN21の一部と中継ノードN31の一部とが第3絶縁層L3を挟持することにより、容量素子135が形成される。すなわち、中継ノードN21は、容量素子135の第1電極として機能し、中継ノードN31は、容量素子135の第2電極として機能する。
なお、図示は省略するが、中継ノードSa3は、平面視したときに、後に形成されるj列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成され、中継ノードSb3は、平面視したときに、後に形成される(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
図5に示すように、中継ノードN32は、第3絶縁層L3を貫通するコンタクトホールH31を介して、中継ノードN23に電気的に接続される。同様に、中継ノードN33は、コンタクトホールH32を介して、中継ノードN24に電気的に接続され、中継ノードN34は、コンタクトホールH33を介して、中継ノードN25に電気的に接続され、中継ノードN35は、コンタクトホールH34を介して、中継ノードN21に電気的に接続され、中継ノードN36は、コンタクトホールH35を介して、中継ノードN26に電気的に接続され、中継ノードN37は、コンタクトホールH36を介して、中継ノードN27に電気的に接続される。
また、図6に示すように、中継ノードSa3は、第3絶縁層L3を貫通するコンタクトホールHsa3を介して、中継ノードSa2に電気的に接続される。同様に、中継ノードSb3は、コンタクトホールHsb3を介して、中継ノードSb2に電気的に接続される。
図5及び図6に示すように、中継ノードN31〜N37、Sa3、Sb3、分岐部117a、117b、給電線117、及び、第3絶縁層L3を覆うように、第4絶縁層L4が形成される。第4絶縁層L4の表面には、導電性の材料からなる配線層をパターニングすることにより、中継ノードN41〜N43、中継ノードSa4、Sb4、電源線116、及び、分岐部116aがそれぞれ形成される。なお、以下では、これら第4絶縁層L4の表面に形成される複数の要素を、第4配線層と総称する場合がある。
図4に示すように、電源線116は、X方向に延在するとともに、画素回路110毎にY方向に分岐した部分(分岐部116a)を有する。
図5に示すように、中継ノードN43は、第4絶縁層L4を貫通するコンタクトホールH41を介して、中継ノードN32に電気的に接続される。
また、中継ノードN41は、コンタクトホールH42を介して中継ノードN33に電気的に接続されるとともに、コンタクトホールH43を介して中継ノードN34に電気的に接続され、コンタクトホールH44を介して中継ノードN35に電気的に接続される。このため、トランジスター140のゲート140gは、中継ノードN11、N25、N34、N41、N33、及びN24を介してトランジスター130のソース領域130sに電気的に接続されるとともに、中継ノードN11、N25、N34、N41、及びN35を介して中継ノードN21(容量素子135の第1電極)に電気的に接続される。
すなわち、中継ノードN11、N25、N34、N41、N33、N24、N35、及びN21と、これらを接続するコンタクトホールとは、トランジスター140のゲートノードg(第1接続配線)に該当する。
中継ノードN42は、コンタクトホールH45を介して中継ノードN31に電気的に接続されるとともに、コンタクトホールH46を介して中継ノードN36に電気的に接続される。このため、トランジスター140のソース領域140sは、
中継ノードN26、N36、及びN42を介して中継ノードN31(容量素子135の第2電極)に電気的に接続されるとともに(図5参照)、中継ノードN26、N36、及びN42を介して中継ノードN22(容量素子137の一端)に電気的に接続される(図4参照)。
すなわち、中継ノードN26、N36、N42、N31、及びN22と、これらを接続するコンタクトホールとは、トランジスター140のソースノードs(第2接続配線)に該当する。
なお、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は、容量素子135により保持される。すなわち、トランジスター140のゲートノードg(第1接続配線)とソースノードs(第2接続配線)とは、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧を保持する電位保持部に相当する。
分岐部116aは、コンタクトホールH47を介して中継ノードN37に電気的に接続される。このため、トランジスター140のドレイン領域140dは、中継ノードN27、N37、及び分岐部116aを介して、電源線116に電気的に接続される。すなわち、中継ノードN27、N37、及び分岐部116aと、これらを接続するコンタクトホールとは、トランジスター140のドレインノードdに該当する。
また、図4に示すように、中継ノードSa4は、平面視したときに、後に形成されるj列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。また、中継ノードSb4は、平面視したときに、後に形成される(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
図6に示すように、中継ノードSa4は、第4絶縁層L4を貫通するコンタクトホールHsa4を介して、中継ノードSa3に電気的に接続されるとともに、第4絶縁層L4を貫通するコンタクトホールHaを介して、分岐部117aに電気的に接続される。同様に、中継ノードSb4は、コンタクトホールHsb4を介して、中継ノードSb3に電気的に接続されるとともに、コンタクトホールHbを介して、分岐部117bに電気的に接続される。
また、図6に示すように、コンタクトホールHsa4は、平面視したときに、後に形成されるj列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成され、コンタクトホールHsb4は、平面視したときに、後に形成される(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
なお、上述した、コンタクトホールHsa2、Hsa3、Hsb2、及びHsb2についても、コンタクトホールHsa4及びHsb4と同様に、データ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
図5及び図6に示すように、中継ノードN41〜N43、Sa4、Sb4、電源線116、分岐部116a、及び、第4絶縁層L4を覆うように、第5絶縁層L5が形成される。第5絶縁層L5の表面には、導電性の材料からなる配線層をパターニングすることにより、中継ノードN51、中継ノードSa5、Sb5、及び、データ線114がそれぞれ形成される。なお、以下では、これら第5絶縁層L5の表面に形成される複数の要素を、第5配線層と総称する場合がある。
図4に示すように、データ線114は、Y方向に延在する。なお、図4において示される2本のデータ線114のうち、左側(X方向の負側)に位置するデータ線114は、j列目のデータ線114であり、右側(X方向の正側)に位置するデータ線114は、(j+1)列目のデータ線114である。
図5に示すように、j列目のデータ線114は、第5絶縁層L5を貫通するコンタクトホールH51を介して、中継ノードN43に電気的に接続される。このため、トランジスター130のドレイン領域130dは、中継ノードN23、N32、及びN43を介してj列目のデータ線114に電気的に接続される。すなわち、中継ノードN23、N32、及びN43と、これらを接続するコンタクトホールとは、トランジスター130のドレインノードDに該当する。
また、図4に示すように、中継ノードSa5は、平面視したときに、j列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。中継ノードSb5は、平面視したときに、(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。なお、中継ノードSa5及び中継ノードSb5は、データ線114と同一の配線層(第5配線層)に形成される第1中継電極に相当する。
図6に示すように、中継ノードSa5は、第5絶縁層L5を貫通するコンタクトホールHsa5を介して、中継ノードSa4に電気的に接続される。同様に、中継ノードSb5は、コンタクトホールHsb5を介して、中継ノードSb4に電気的に接続される。
また、コンタクトホールHsa5は、平面視したときに、j列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成され、コンタクトホールHsb5は、平面視したときに、(j+1)列目のデータ線114に沿って、Y方向に長手が延在する矩形に形成される。
このように、中継ノードSa1〜Sa5及びコンタクトホールHsa2〜Hsa5は、コンタクトホールHa及び分岐部117aを介して給電線117と電気的に接続する。そのため、中継ノードSa1〜Sa5及びコンタクトホールHsa2〜Hsa5は、ゲート140gを含む中継ノードN11と、中継ノードN21、N22とを、j列目のデータ線114から電気的にシールドする第1シールド部Saとして機能する。
なお、第1シールド部Saのうち、中継ノードSa1〜Sa5の各々を中継電極と称する場合があり、また、中継ノードSa1〜Sa5を接続するコンタクトホールHsa2〜Hsa5を接続部と称する場合がある。すなわち、第1シールド部Saは、複数の中継電極と、接続部とを備える。
また、中継ノードSb1〜Sb5及びコンタクトホールHsb2〜Hsb5は、コンタクトホールHb及び分岐部117bを介して給電線117と電気的に接続する。そのため、中継ノードSb1〜Sb5及びコンタクトホールHsb2〜Hsb5は、ゲート140gを含む中継ノードN11と、中継ノードN21、N22とを、(j+1)列目のデータ線114から電気的にシールドする第2シールド部Sbとして機能する。
なお、第2シールド部Sbのうち、中継ノードSb1〜Sb5の各々を中継電極と称する場合があり、また、中継ノードSb1〜Sb5を接続するコンタクトホールHsb2〜Hsb5を接続部と称する場合がある。すなわち、第2シールド部Sbは、複数の中継電極と、接続部とを備える。
ここで、図7を参照しつつ、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbの形状を詳述する。図7は、図4と同様に、i行j列の画素回路110を平面視したときの配線構造を示す図である。
図7に示すように、第1シールド部Sa(中継ノードSa1〜Sa5及びコンタクトホールHsa2〜Hsa5)及び第2シールド部Sb(中継ノードSb1〜Sb5及びコンタクトホールHsb2〜Hsb5)は、それぞれ、Y方向において、範囲ΔY1を包含する範囲ΔYsを含むように設けられる。ここで、範囲ΔY1とは、図7のY方向において、トランジスター140のゲート140gが存在する範囲である。従って、図7に示すF1−f1線で切断した切断面、及び、F2−f2線で切断した切断面は、図6に示すF−f線で切断した切断面と等しくなる。すなわち、データ線114と直交し、且つ、トランジスター140のゲート140gを含むように画素回路110を切断した切断面を第1切断面としたとき、図6は、任意の第1切断面における部分断面図を表す。換言すれば、任意の第1切断面において、第1シールド部Sa(中継ノードSa1〜Sa5及びコンタクトホールHsa2〜Hsa5)と、第2シールド部Sb(中継ノードSb1〜Sb5及びコンタクトホールHsb2〜Hsb5)とが現れる。
図6に示す任意の第1切断面において、j列目のデータ線114及びゲート140gを結ぶ線分Ln1と、第1シールド部Saとは交差する。従って、任意の第1切断面において断面視した場合、第1シールド部Saは、j列目のデータ線114とゲート140gとの間に設けられる。また、図4に示すように、平面視した場合、j列目のデータ線114とゲート140gとの間には、第1シールド部Saが設けられる。従って、第1シールド部Saは、平面視した場合も、断面視した場合も、ゲート140gを、j列目のデータ線114からシールドする。
同様に、任意の第1切断面において、(j+1)列目のデータ線114及びゲート140gを結ぶ線分Ln2と、第2シールド部Sbとは交差する。従って、任意の第1切断面において断面視した場合、第2シールド部Sbは、(j+1)列目のデータ線114とゲート140gとの間に設けられる。また、図4に示すように、平面視した場合、(j+1)列目のデータ線114とゲート140gとの間には、第2シールド部Sbが設けられる。
従って、第2シールド部Sbは、平面視した場合も、断面視した場合も、ゲート140gを、(j+1)列目のデータ線114からシールドする。
図5及び図6に示すように、中継ノードN51、中継ノードSa5、Sb5、データ線114、及び、第5絶縁層L5を覆うように、第6絶縁層L6が形成される。第6絶縁層L6の表面には、アルミニウムやITO(Indium Tin Oxide)などの導電性を有する配線層をパターニングすることによって、発光素子150の陽極が形成される。発光素子150の陽極は、画素回路110毎に個別の画素電極であり、第6絶縁層L6を貫通するコンタクトホールH61を介して中継ノードN51に電気的に接続される。すなわち、発光素子150の陽極は、図5に示すように、中継ノードN51、N42、N36、及びN26を介して、トランジスター140のソース領域140sに電気的に接続される。
電気光学装置1のうち、発光素子150の陽極以降の構造については図示省略するが、発光素子150の陽極の上には、画素回路110毎に区分けされて、有機EL材料からなる発光層が積層される。そして、発光層の上には、複数の画素回路110の全てにわたって共通の透明電極である陰極(共通電極118)が設けられる。すなわち、発光素子150は、互いに対向する陽極と陰極とで発光層を挟持し、陽極から陰極に向かって流れる電流に応じた輝度にて発光する。発光素子150が発する光のうち、基板2とは反対方向(すなわち、図5において上方向)に向かう光が、観察者に映像として視認される(トップエミッション構造)。このほかにも、発光層を大気から遮断するための封止材などが設けられるが、説明は省略する。
本実施形態に係る電気光学装置1において、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbを設けたことによる効果について言及する前に、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbを有しない対比例での問題点について説明する。
図16は、対比例に係る画素回路110aの構成を示す平面図であり、図17は、図16におけるZ−z線で切断した部分断面図である。対比例に係る画素回路110aは、図6に示した実施形態に係る画素回路110のような第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbを有さない。このため、データ線114の電位が変動すると、図17に示されるように当該電位変動がトランジスター140のゲート140gや、中継ノードN22等に伝播する。中継ノードN22は中継ノードN42を介してトランジスター140のソース領域140sに接続されている。従って、j列の画素回路110aでみたときに、自身に対応するj列目のみならず、隣り合う(j+1)列目のデータ線114が電位変動したときに、当該電位変動がトランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播し、トランジスター140のゲート・ソース間にセットされた電圧を変動させて、表示品位を大きく低下させる要因となる。
これに対して、本実施形態に係る画素回路110は、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbを備える。
第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbには、給電線117を介して、ランプ信号Vrmp(i)が供給される。上述したとおり、電位Vxと電位Vrefとの差は微小である。しかも、電源線駆動回路220は、ランプ信号Vrmp(i)を、i行目の走査線112の走査期間の開始時から終了時までの間、電位Vxから電位Vrefに直線的に緩やかに減少させ、また、i行目の走査線112の走査期間の終了時から次のi行目の走査線112の開始時までの間、一定の電位に保つ。従って、このようなランプ信号Vrmp(i)が供給される第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbにより、トランジスター140のゲート140gを、j列目のデータ線114及び(j+1)列目のデータ線114から電気的にシールドすることが可能になる。
このように、本実施形態では、j列目及び(j+1)列目のデータ線114の電位が変動しても、当該電位変動がトランジスター140のゲート140gに伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
特に画素サイズの微細化が進むと配線間の距離が狭くなり、隣接する配線の電圧変動の影響を受けやすくなる。このため対比例のようにデータ線が電位変動したときに、当該電位変動がトランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播する。するとトランジスター140のゲート・ソース間にセットされた電圧が変動し、表示品位大きく低下するといった問題が顕著になる。これに対し本実施例のような構成とすることで、データ線の電位変動がトランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播し、トランジスター140のゲート・ソース間にセットされた電圧を変動させることを抑制でき、データ線の電位変動に起因する表示品位の低下を防止するができる。本発明は特に画素サイズが1〜10μm程度の微細画素を有する電気光学装置に対して効果が大きい。
なお、図4及び図6からも明らかなように、中継ノードN11、N21、N22、N31、及びN42は、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbの間に設けられる。従って、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbは、中継ノードN42に電気的に接続されるトランジスター140のソースノードsを、j列目のデータ線114及び(j+1)列目のデータ線114からシールドする。これにより、j列目及び(j+1)列目のデータ線114の電位が変動しても、当該電位変動がトランジスター140のソースノードsに伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
<変形例1>
上述した実施形態において、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbには給電線117を介してランプ信号Vrmp(i)が供給されたが、固定電位が供給されるものであってもよい。
図8は、変形例1に係る電気光学装置の備える画素回路110の構成を示す平面図である。変形例1に係る電気光学装置は、1行毎に給電線119を備え、給電線119には、固定電位が供給される。給電線119は、図8に示すように、画素回路110毎にY方向に分岐した部分(分岐部119a、分岐部119b)を有する。分岐部119aは中継ノードSa1に接続され、分岐部119bは中継ノードSb1に接続される。すなわち、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbは、給電線119(及び、分岐部119a、119b)を介して固定電位に設定される。
変形例1に係る画素回路110は、固定電位が供給される第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbにより、トランジスター140のゲート140g及びソース領域140sを、j列目のデータ線114及び(j+1)列目のデータ線114から電気的にシールドすることが可能になる。これにより、j列目及び(j+1)列目のデータ線114の電位が変動しても、当該電位変動がトランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例に係る画素回路110において、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbは、トランジスター140のソース領域140s及びゲート140gをデータ線114からシールドするように設けられたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、第1シールド部Sa及び第2シールド部は、ソースノードs及びゲートノードgをデータ線114からシールドするように設けられてもよい。
図9は、変形例2に係る画素回路110の構成を示す平面図であり、図10は、変形例2に係る画素回路110が備える第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbの設けられる範囲を説明するための説明図である。
図10に示すように、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbは、それぞれ、図10のY方向において、範囲ΔY2を包含する範囲ΔYs2を含むように設けられる。ここで、範囲ΔY2とは、図10のY方向において、電位保持部(トランジスター140のゲートノードg及びソースノードs)が存在する範囲である。すなわち、変形例2に係る画素回路110は、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbの間に、トランジスター140のゲートノードg(すなわち、中継ノードN11、N21、N41、N24、N25、N33、N34、N35、及び、これらを接続するコンタクトホール)と、トランジスター140のソースノードs(すなわち、中継ノードN22、N31、N42、N26、N36、及び、これらを接続するコンタクトホール)とが設けられる。
よって、変形例2に係る画素回路110を平面視した場合、j列目のデータ線114と電位保持部との間には、第1シールド部Saが設けられ、(j+1)列目のデータ線114と電位保持部との間には、第2シールド部Sbが設けられる。
また、データ線114と直交し、且つ、電位保持部を含むように画素回路110を切断した切断面を第2切断面としたとき、任意の第2切断面において、j列目のデータ線114及び電位保持部を結ぶ線分と、第1シールド部Saとは交差し、(j+1)列目のデータ線114及び電位保持部を結ぶ線分と、第2シールド部Sbとは交差する。従って、平面視した場合も、断面視した場合も、第1シールド部Saは電位保持部をj列目のデータ線114からシールドし、第2シールド部Sbは電位保持部を(j+1)列目のデータ線114からシールドする。
これにより、j列目及び(j+1)列目のデータ線114の電位が変動しても、当該電位変動が電位保持部(ソースノードs及びゲートノードg)に伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
<変形例3>
上述した実施形態及び変形例において、画素回路110は、第1シールド部Sa及び第2シールド部Sbを備えるものであったが、画素回路110は、第2シールド部Sbを備えず、第1シールド部Saのみを備えるものであってもよい。
図11は、変形例3に係る画素回路110の構成を示す平面図である。変形例3に係る画素回路110は、トランジスター140のゲート140g及びソース領域140sとj列目のデータ線114との間に、第1シールド部Saを備えるが、ゲート140g及びソース領域140sと(j+1)列目のデータ線114との間には、シールド部を有さない。この場合であっても、j列目のデータ線114の電位変動が、トランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例において、コンタクトホールHsa2〜Hsa5の各々は、1つのコンタクトホールであったが、例えば、図12に示すように、コンタクトホールHsa2〜Hsa5の各々を、それぞれ複数個のコンタクトホールとしてもよい。この場合であっても、j列目のデータ線114の電位変動が、トランジスター140のゲート140g及びソース領域140sに伝播し難くなるので、表示品位の低下を防止することができる。
同様に、コンタクトホールHsb2〜Hsb5の各々を、それぞれ複数個のコンタクトホールとしてもよい。
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例では、給電線117に供給されるランプ信号の電位は、直線的に減少しているが、これに限らず、給電線117に出力される電位の変化の態様は任意である。例えば給電線117に出力される電位の波形が曲線状であってもよい。要するに、給電線117に出力される電位は、トランジスター140にセット電流を流すのであれば、セット期間から書込期間にかけて時間経過とともに変化するものであればよい。また、移動度の補償が重要視されないのであれば、セット電流を流す必要が少ないので、給電線117を定電位とする構成、すなわちDCを供給する構成としてもよい。
<変形例6>
上述した実施形態及び変形例では、基板2としてガラスやプラスチック等の各種絶縁性材料からなる板状の部材を用いたが、基板2に半導体基板を用いてもよい。
<変形例7>
上述した実施形態及び変形例では、画素回路110におけるトランジスター130及びトランジスター140をNチャネル型で統一したが、Pチャネル型で統一しても良い。また、Pチャネル型およびNチャネル型を適宜組み合わせても良い。
<変形例8>
上述した実施形態及び変形例に係る画素回路110は、第1配線層から第5配線層までの5つの配線層を備えるが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、「5」よりも少ない配線層により構成されてもよい。例えば、第2配線層と第3配線層とを同層としてもよい。この場合、例えば、中継ノードN21、N22を第1配線層に設けてもよい。また、例えば、第4配線層と第5配線層とを同層としてもよい。この場合、例えば、電源線116を第1配線層または第2配線層に設けてもよい。また、第3配線層、第4配線層、及び、第5配線層を同層としてもよい。この場合、例えば、電源線116及び給電線117を第1配線層または第2配線層に設けてもよい。
また、第1配線層から第5配線層までの5つの配線層及び、第1絶縁層から第6絶縁層までの6つの絶縁層以外の層を設けるものであってもよい。例えば、第1配線層と基板2との間に、遮光層を別途設けてもよい。また、例えば、中継ノードN11(ゲート140g)を含む第1配線層よりも基板2側に、配線層(以下、「第0配線層」と称する)を設けてもよいし、データ線114を含む第5配線層よりも発光素子150の陽極側に配線層(以下、「第6配線層」と称する)を別途設けてもよい。
<変形例9>
上述した実施形態及び変形例では、第1シールド部Sa(及び、第2シールド部Sb)は、第1配線層から第5配線層にかけて設けられたが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、第1配線層乃至第5配線層のうちの一部の配線層にのみ形成されるものであってもよい。
さらに、上述した変形例8のように、画素回路110が第1配線層から第5配線層までの5つの配線層以外の配線層を有する場合には、第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)も、第1配線層から第5配線層までの5つの配線層以外の配線層を含むように形成されてもよい。例えば、第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)は、第0配線層から第6配線層にかけて設けられるものであってもよい。
いずれにしても、任意の第1切断面において、データ線114及びゲート140gを結ぶ線分Ln1(Ln2)と第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)とが交差するように、第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)を設ければよい。この場合、任意の第2切断面において、データ線114及び電位保持部を結ぶ線分と第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)とが交差するように、第1シールド部Sa(第2シールド部Sb)を設けてもよい。
<変形例10>
上述した実施形態及び変形例は、第1シールド部Saを、複数の中継ノードSa1〜Sa5と、これら複数の中継ノードの各々を電気的に接続する複数のコンタクトホールHsa2〜Hsa5とにより形成するものであったが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、第1シールド部Saの一部または全部を、コンタクトプラグにより形成するものであってもよい。
図18は、変形例10に係る画素回路110を、データ線114と直交し且つトランジスター140のゲート140gを含む第1切断面で切断した断面図である。図18に示すように、変形例10に係る第1シールド部Saは、中継ノードSa2及び中継ノードSa3を備える代わりに、コンタクトホールHsa2、Hsa3、Hsa4を介して、中継ノードSa1及び中継ノードSa4を電気的に接続するコンタクトプラグCPaを備える点で、図6に示した実施形態に係る第1シールド部Saと相違する。コンタクトプラグCPaは、図18に示すように、平面視した場合に同一の位置に設けられる複数のコンタクトホールに導電性材料を注入することにより設けられる。従って、コンタクトプラグCPaは、断面視した場合、図18に示すように、厚み方向(図におけるZ方向)に長辺を有し、横方向(図におけるX方向)に短辺を有する長方形の形状となる。
なお、図18に示す第1シールド部Saは、図6に示す中継ノードSa2、Sa3をコンタクトプラグCPaに代替した構成であるが、図6に示す中継ノードSa1〜Sa5の全てをコンタクトプラグCPaに代替して第1シールド部Saを形成してもよい。この場合、第1シールド部Saの横方向(図4等におけるX方向)の幅を、実施形態に係る第1シールド部Saに比べて狭くすることができるため、画素回路110の更なる小型化が可能となる。
また、図18に示すように、第2シールド部Sbの一部または全部を、コンタクトプラグCPbにより形成してもよい。
<変形例11>
上述した実施形態及び変形例に係る画素回路110は、トランジスター130、140、容量素子135、137、及び発光素子150を備えたが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、例えば、容量素子137を備えないものであってもよい。
<変形例12>
発光素子150としては、OLEDのほか、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子など、電流に応じた輝度で発光する素子が適用可能である。
<応用例>
次に、実施形態に係る電気光学装置1を用いた電子機器について例を挙げて説明する。
図13は、上述した実施形態に係る電気光学装置1を表示装置に適用した電子機器(その1)としてのパーソナルコンピューターの外観を示す図である。パーソナルコンピューター2000は、表示装置としての電気光学装置1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
電気光学装置1において、発光素子150にOLEDを使用した場合、視野角が広く見易い画面表示が可能になる。
図14は、実施形態に係る電気光学装置1を表示装置に適用した電子機器(その2)である携帯電話機の外観を示す図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001や方向キー3002などのほか、受話口3003、送話口3004とともに上述した電気光学装置1を備える。方向キー3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールする。
図15は、実施形態に係る電気光学装置1を表示装置に適用した電子機器(その3)としての携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の外観を示す図である。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001や方向キー4002などのほか、上述した電気光学装置1を備える。携帯情報端末4000では、所定の操作によって住所録やスケジュール帳などの各種の情報が電気光学装置1に表示されるとともに、表示された情報が方向キー4002の操作に応じてスクロールする。
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図13から図15までに示した例のほか、テレビ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。特にマイクロディスプレイとしては、ヘッドマウントディスプレイや、デジタルスチルカメラまたはビデオカメラの電子ビューファインダーなどが挙げられる。
1…電気光学装置、110…画素回路、112…走査線、114…データ線、116…電源線、117…給電線、118…共通電極、130…トランジスター、135、137…容量素子、140…トランジスター、150…発光素子、210…走査線駆動回路、220…電源線駆動回路、230…データ線駆動回路、Sa…第1シールド部、Sb…第2シールド部、140s…ソース領域、140g…ゲート、s…ソースノード、g…ゲートノード。

Claims (8)

  1. 第1の方向に延在する走査線と、
    前記第1の方向に交差する第2の方向に延在するデータ線と、
    前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられた画素回路と、
    を備え、
    前記画素回路は、
    駆動トランジスターと、
    前記データ線及び前記駆動トランジスターのゲートの間に電気的に接続された書込トランジスターと、
    前記駆動トランジスターのゲートに電気的に接続された第1保持容量と、
    前記駆動トランジスターより供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する発光素子と、
    導電性の材料よりなる第1シールド部及び第2シールド部と、
    を有し
    前記第1保持容量は、前記第1シールド部と前記第2シールド部との間に設けられる、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第1シールド部は、
    前記データ線と直交し前記第1保持容量を含むように前記画素回路を切断した任意の画素切断面において、前記第1保持容量及び前記データ線を結ぶ線分と交差する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1シールド部は、前記第1保持容量と前記データ線との間の層のうち、少なくとも2層に配置された前記導電性の材料を含んで形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記第1シールド部は、
    前記データ線と同一の配線層に形成された第1中継電極、及び、前記駆動トランジスターのゲートと同一の配線層に形成された第2中継電極、を含む複数の中継電極と、前記複数の中継電極を接続する接続部と、を備え、
    前記中継電極及び前記接続部は、前記任意の画素切断面と交差する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記接続部は、
    複数のコンタクトホールを備え、
    前記複数の中継電極のうち、互いに隣り合う配線層に形成される2つの中継電極は、複数の前記コンタクトホールのうち、1つのコンタクトホールにより接続され、
    当該の1つのコンタクトホールは、前記任意の画素切断面と交差する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 前記第1シールド部には、固定電位が供給される、
    ことを特徴とする、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
  7. 前記画素回路は、
    一端が前記駆動トランジスターのソースまたはドレインの一方に電気的に接続され、他端が給電線に電気的に接続された第2保持容量を備え、
    前記発光素子は、
    前記駆動トランジスターのソースまたはドレインの一方に電気的に接続され、
    前記第1シールド部は、
    前記給電線と電気的に接続される、
    ことを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の電気光学装置を備える
    ことを特徴とする電子機器。
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