JP6322688B1 - ノズルヘッド、および電界紡糸装置 - Google Patents
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Abstract
Description
電界紡糸装置には、原料液を排出する複数のノズル孔が設けられている。この場合、ノズル孔の数を増やせば、単位時間あたり、または単位面積あたりのファイバの生成量を増加させることができる。そのため、互いに平行となるように設けられた2つの板状部の端面に複数のノズル孔を一列に並べて設けたノズルヘッドが提案されている。この様な構成を有するノズルヘッドとすれば、生産性を向上させることができる。
そのため、ノズルヘッドの小型化と駆動電圧の低減とを図ることができる技術の開発が望まれていた。
なお、図1〜図3中のX軸、Y軸は互いに直交する方向を表している。この場合、X軸は、本体部22が延びる方向(軸方向)を表している。
図1に示すように、電界紡糸装置1には、ノズルヘッド2、原料液供給部3、電源4、収集部5、および制御部6が設けられている。
ノズル20は、複数設けられている。複数のノズル20は、複数のノズル群に分けて設けられている。この場合、1つのノズル群には少なくとも1つのノズル20が設けられている。なお、以下においては、一例として、1つのノズル群に複数のノズル20が設けられる場合を説明する。
1つのノズル群において、複数のノズル20は、X軸方向に並べて設けられている。例えば、第1のノズル群12aは、本体部22と接続され、X軸方向に並べて設けられた複数のノズル20を含んでいる。第2のノズル群12bは、本体部22と接続され、X軸方向に並べて設けられた複数のノズル20を含んでいる。図1および図2に例示をしたノズルヘッド2は、8つのノズル20が2つのノズル群12a、12bに分けて設けられている。なお、ノズル群の数、1つのノズル群に属するノズル20の数は例示をしたものに限定されるわけではなく、収集体51の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
この様にすれば、X軸方向から見て、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20とを平行とした場合よりも、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面との間の距離L1を、長くすることができる。そのため、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面との間で電界干渉が生じるのを抑制することができる。その結果、ファイバ100の形成を安定させることができる。
本発明者らの得た知見によれば、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20が延びる方向と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20が延びる方向との間のX軸方向に投影した角度θ1は、30°以上、150°以下とすることが好ましい。
θ1を30°以上、150°以下とすれば、ノズルヘッド2の小型化と、第1のノズル群12aと第2のノズル群12bの電界干渉の抑制と、部材表面への安定したファイバ100の堆積とを実現するのに好適である。さらに、原料液の揮発性を向上させるとともに、複数のノズルヘッド2を配置する場合には、θ1は、45°以上、75°以下とすることがより好適である。
ノズル20の長さ寸法には特に限定はない。
第1のノズル群12aに属する複数のノズル20のピッチ寸法は、例えば、20mm程度とすることができる。第2のノズル群12bに属する複数のノズル20のピッチ寸法は、例えば、20mm程度とすることができる。
ノズル20の接続部21側の端部は、接続部21に固定されている。接続部21は、本体部22に着脱自在に設けられている。すなわち、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20、および第2のノズル群12bに属する複数のノズル20は、本体部22と着脱自在に接続されている。例えば、接続部21の本体部22側の端部に雄ネジを設け、本体部22の側面に雌ネジを設けるようにすることができる。また、ルアーテーパ(luer taper)(ルアーアダプタ、ルアーロック、ルアーコネクタ、ルアーフィットなどとも称される)を用いて、接続部21を本体部22に着脱自在に設けることもできる。例えば、接続部21の本体部22側にメスルアー(female luer)を設け、本体部22の側面にオスルアー(male luer)を設けるようにすることができる。すなわち、接続部21は、ネジまたはルアーテーパを用いて本体部22に接続されている。
接続部21は、導電性材料から形成されている。接続部21の材料は、導電性と原料液に対する耐性を有するものとすることが好ましい。接続部21は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
本実施の形態に係るノズルヘッド2には、接続部21が設けられているので、複数のノズル20を本体部22から一本ずつ取り外すことができる。そして、取り外した複数のノズル20を溶媒を用いて一括洗浄したり、付着した原料液が固化する前に拭き取ったりすることができる。なお、クリーニングに用いる溶媒は、後述する原料液に含まれる溶媒と同じとすることができる。
θ1=180°−θ2
図4(a)、(b)は、ノズル120の模式断面図である。
図3に示すように、ノズルヘッド2aは、ノズル120、接続部21、本体部22、および取付部23を有する。
前述したノズル20は針状を呈しているが、ノズル120は円錐状を呈している。ノズル120の先端の断面寸法は、例えば、1mm程度とすることができる。円錐状を呈したノズル120とすればノズル120自体の機械的強度を高めることができる。また、ノズル120の先端を尖らせることができるので、ノズル120の排出口20a側の端面において電界集中が生じ易くなる。そのため、ノズル120と収集体51の間に形成される電界の強度を高めることができるので、円筒状を呈するノズルとした場合に比べて、電源4により印加される電圧を低くすることができる。すなわち、駆動電圧を低減することができる。ただし、針状のノズル20とすれば、駆動電圧をより低くすることができる。
収納部31は、原料液を収納する。収納部31は、原料液に対する耐性を有する材料から形成されている。収納部31は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
高分子物質には特に限定がなく、形成したいファイバ100の材質に応じて適宜変更することができる。高分子物質は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、アラミドなどとすることができる。
なお、高分子物質および溶媒は、例示をしたものに限定されるわけではない。
また、原料液制御部33は、原料液の供給の開始と、供給の停止を切り替えるものとすることもできる。
電源4は、例えば、直流高圧電源とすることができる。電源4は、例えば、10kV以上100kV以下の直流電圧を出力するものとすることができる。
収集体51は、複数のノズル20の原料液が排出される側に設けられている。収集体51は、接地されている。収集体51には、ノズル20に印加する電圧と逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。収集体51は、導電性材料から形成することができる。収集体51の材料は、導電性と原料液に対する耐性を有するものとすることが好ましい。収集体51の材料は、例えば、ステンレスなどとすることができる。
収集体51は、例えば、板状やシート状を呈し、移動しないものとすることもできる。ただし、収集体51を移動させるようにすれば、連続的な堆積作業が可能となる。そのため、ファイバ100からなる堆積体110の生産効率を向上させることができる。
また、図1に例示をした堆積調整部52および電源53は、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20、および第2のノズル群12bに属する複数のノズル20に対してそれぞれ1組設けられている。なお、堆積調整部52および電源53は、1組だけ設けるようにしてもよいし、複数の堆積調整部52に対して電源53を1つだけ設けるようにしてもよい。
原料液は、表面張力によりノズル20の排出口20aの近傍に留まっている。
電源4は、ノズル20に電圧を印加する。すると、排出口20aの近傍にある原料液が所定の極性に帯電する。図1に例示をしたものの場合には、排出口20aの近傍にある原料液がプラスに帯電する。
Claims (9)
- 原料液が収納可能な空間を内部に有する本体部と、
前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第1のノズル群と、
前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第2のノズル群と、
を備え、
前記本体部が延びる方向から見て、前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、先端側になるに従い前記第1のノズル群に属する前記ノズルから離れる方向に延び、
前記本体部が延びる方向から見て、前記本体部の断面形状は多角形であり、
前記第1のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の第1の面に設けられ、
前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の前記第1の面とは異なる第2の面に設けられているノズルヘッド。 - 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部と着脱自在に接続されている請求項1記載のノズルヘッド。
- 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの先端と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの先端との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL1、
前記本体部が延びる方向から見て、前記本体部の断面寸法をL3とした場合に、以下の式を満足する請求項1または2に記載のノズルヘッド。
L1>L3 - 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの先端と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの先端との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL1、
前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの前記本体部側の端面と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの前記本体部側の端面との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL2とした場合に、以下の式を満足する請求項1〜3のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
L1>L2 - 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルが延びる方向と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルが延びる方向との間の前記本体部が延びる方向に投影した角度は、30°以上、150°以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
- 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルと、前記本体部とのそれぞれの間に設けられた接続部をさらに備え、
前記接続部は、ネジまたはルアーテーパを用いて前記本体部に接続されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のノズルヘッド。 - 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、針状または円錐状を呈している請求項1〜6のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
- 前記第1のノズル群は、前記本体部が延びる方向に並べて設けられた複数のノズルを含み、
前記第2のノズル群は、前記本体部が延びる方向に並べて設けられた複数のノズルを含む請求項1〜7のいずれか1つに記載のノズルヘッド。 - 請求項1〜8のいずれか1つに記載のノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドに原料液を供給可能な原料液供給部と、
前記ノズルヘッドに所定の極性の電圧を印加可能な電源と、
を備えた電界紡糸装置。
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