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JP6322688B1 - ノズルヘッド、および電界紡糸装置 - Google Patents

ノズルヘッド、および電界紡糸装置 Download PDF

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JP6322688B1
JP6322688B1 JP2016234931A JP2016234931A JP6322688B1 JP 6322688 B1 JP6322688 B1 JP 6322688B1 JP 2016234931 A JP2016234931 A JP 2016234931A JP 2016234931 A JP2016234931 A JP 2016234931A JP 6322688 B1 JP6322688 B1 JP 6322688B1
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Abstract

【課題】ノズルヘッドの小型化と駆動電圧の低減とを図り得るノズルヘッド及び電界紡糸装置の提供。【解決手段】ノズルヘッド2は、原料液が収納される空間を内部に有する本体部22と、本体部22と接続され、少なくとも1つのノズル20を含む第1のノズル群12aと、本体部22と接続され、少なくとも1つのノズル20を含む第2のノズル群12bと、を備えており、本体部22が延びる方向から見て、第2のノズル群12bに属するノズルは、先端側になるに従い第1のノズル群12aに属するノズルから離れる方向に延びているノズルヘッド2。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ノズルヘッド、および電界紡糸装置に関する。
エレクトロスピニング法(電界紡糸法、電荷誘導紡糸法などとも称される)により、微細なファイバを部材の表面に堆積させる電界紡糸装置がある。
電界紡糸装置には、原料液を排出する複数のノズル孔が設けられている。この場合、ノズル孔の数を増やせば、単位時間あたり、または単位面積あたりのファイバの生成量を増加させることができる。そのため、互いに平行となるように設けられた2つの板状部の端面に複数のノズル孔を一列に並べて設けたノズルヘッドが提案されている。この様な構成を有するノズルヘッドとすれば、生産性を向上させることができる。
ところが、互いに平行となるように設けられた2つの板状部において板状部同士の間の距離を短くすると、2つの板状部同士の間で電界干渉が生じ、ファイバの形成が不安定になる。そのため、2つの板状部同士の間の距離をある程度長くする必要があり、ノズルヘッドの小型化が困難となっていた。また、板状部にノズル孔を設けると、ノズル孔が開口する部分において電界集中が生じ難くなるので、駆動電圧を低くすることが困難となっていた。
そのため、ノズルヘッドの小型化と駆動電圧の低減とを図ることができる技術の開発が望まれていた。
特開2012−184518号公報 特開2013−231247号公報
本発明が解決しようとする課題は、ノズルヘッドの小型化と駆動電圧の低減とを図ることができるノズルヘッド、および電界紡糸装置を提供することである。
実施形態に係るノズルヘッドは、原料液が収納可能な空間を内部に有する本体部と、前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第1のノズル群と、前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第2のノズル群と、を備えている。前記本体部が延びる方向から見て、前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、先端側になるに従い前記第1のノズル群に属する前記ノズルから離れる方向に延び、前記本体部が延びる方向から見て、前記本体部の断面形状は多角形であり、前記第1のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の第1の面に設けられ、前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の前記第1の面とは異なる第2の面に設けられている。
本実施の形態に係る電界紡糸装置1を例示するための模式図である。 本実施の形態に係るノズルヘッド2を例示するための模式斜視図である。 他の実施形態に係るノズルヘッド2aを例示するための模式斜視図である。 (a)、(b)は、ノズル120の模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、図1〜図3中のX軸、Y軸は互いに直交する方向を表している。この場合、X軸は、本体部22が延びる方向(軸方向)を表している。
図1に示すように、電界紡糸装置1には、ノズルヘッド2、原料液供給部3、電源4、収集部5、および制御部6が設けられている。
図1および図2に示すように、ノズルヘッド2は、ノズル20、接続部21、本体部22、および取付部23を有する。
ノズル20は、複数設けられている。複数のノズル20は、複数のノズル群に分けて設けられている。この場合、1つのノズル群には少なくとも1つのノズル20が設けられている。なお、以下においては、一例として、1つのノズル群に複数のノズル20が設けられる場合を説明する。
1つのノズル群において、複数のノズル20は、X軸方向に並べて設けられている。例えば、第1のノズル群12aは、本体部22と接続され、X軸方向に並べて設けられた複数のノズル20を含んでいる。第2のノズル群12bは、本体部22と接続され、X軸方向に並べて設けられた複数のノズル20を含んでいる。図1および図2に例示をしたノズルヘッド2は、8つのノズル20が2つのノズル群12a、12bに分けて設けられている。なお、ノズル群の数、1つのノズル群に属するノズル20の数は例示をしたものに限定されるわけではなく、収集体51の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
また、図2に示すように、X軸方向において、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の位置と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の位置とが異なるものとなっている。例えば、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20が、互いに1/2ピッチずれた位置に設けられるようにすることができる。この様にすれば、第1のノズル群12aに属する一のノズル20から引き出された原料液から形成されたファイバ100が堆積する領域と、一のノズル20に隣接するノズル20から引き出された原料液から形成されたファイバ100が堆積する領域との間に、第2のノズル群12bに属するノズル20から引き出された原料液から形成されたファイバ100を堆積させることができる。
そのため、第1のノズル群12aにおける複数のノズル20のピッチ寸法と、第2のノズル群12bにおける複数のノズル20のピッチ寸法とを長くしたとしても、堆積体110にムラが生じるのを抑制することができる。また、このことは、複数のノズル20の、X軸方向における見かけ上のピッチ寸法を短くすることができることを意味する。そのため、同じ数のノズル20を一列に並べた場合に比べて、本体部22の長さを短くすることができ、ひいてはノズルヘッド2の小型化を図ることができる。
また、第1のノズル群12aにおける複数のノズル20のピッチ寸法と、第2のノズル群12bにおける複数のノズル20のピッチ寸法とを長くすることができるので、第1のノズル群12a内における複数のノズル20の排出口20a側の端面同士の間の電界干渉、第2のノズル群12b内における複数のノズル20の排出口20a側の端面同士の間の電界干渉、および、第1のノズル群12aに属するノズル20の排出口20a側の端面と第2のノズル群12bに属するノズル20の排出口20a側の端面との間の電界干渉を抑制することができる。そのため、ファイバ100の形成を安定させることができる。
複数のノズル20は、針状を呈している。ノズル20の内部には、原料液を排出するための孔が設けられている。原料液を排出するための孔は、ノズル20の接続部21側の端面と、ノズル20の原料液が排出される側の端面(先端)との間を貫通している。ノズル20の内部に設けられた孔の、原料液が排出される側の開口が排出口20aとなる。
また、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20は、互いに平行となっている。第2のノズル群12bに属する複数のノズル20は、互いに平行となっている。
また、Y軸方向から見て、第1のノズル群12aに属するノズル20と、第2のノズル群12bに属するノズル20とは、互いに平行となっている。
ただし、X軸方向から見て、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20が延びる方向は、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20が延びる方向と交差している。すなわち、X軸方向から見て、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20が延びる方向は、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20が延びる方向と平行とはなっていない。
また、X軸方向から見て、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20は、先端側(排出口20a側)になるに従い第1のノズル群12aに属する複数のノズル20から離れる方向に延びている。X軸方向から見て、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の先端と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の先端との間のX軸方向に投影した距離L1は、本体部22の断面寸法L3よりも長い。
この様にすれば、X軸方向から見て、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20とを平行とした場合よりも、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面との間の距離L1を、長くすることができる。そのため、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の排出口20a側の端面との間で電界干渉が生じるのを抑制することができる。その結果、ファイバ100の形成を安定させることができる。
本発明者らの得た知見によれば、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20が延びる方向と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20が延びる方向との間のX軸方向に投影した角度θ1は、30°以上、150°以下とすることが好ましい。
θ1を30°以上、150°以下とすれば、ノズルヘッド2の小型化と、第1のノズル群12aと第2のノズル群12bの電界干渉の抑制と、部材表面への安定したファイバ100の堆積とを実現するのに好適である。さらに、原料液の揮発性を向上させるとともに、複数のノズルヘッド2を配置する場合には、θ1は、45°以上、75°以下とすることがより好適である。
また、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20の接続部21側の端面と、第2のノズル群12bに属する複数のノズル20の接続部21側の端面との間の距離L2を、距離L1より短くすることができる。そのため、本体部22の断面寸法L3を距離L1より短くすることが容易となる。本体部22の断面寸法L3を距離L1より短くすることができれば、ノズルヘッド2の小型化を図ることができる。
ノズル20の外形には特に限定はないが、針状とすることで、ノズル20の排出口20a側の端面において電界集中が生じ易くなる。ノズル20の排出口20a側の端面において電界集中が生じれば、ノズル20と収集体51の間に形成される電界の強度を高めることができる。そのため、電源4により印加される電圧を低くすることができる。すなわち、駆動電圧を低減させることができる。この場合、ノズル20の断面寸法は、例えば、1mm程度とすることができる。
排出口20aの断面寸法(原料液の排出方向に対して直交する方向の断面の寸法)には特に限定はない。排出口20aの断面寸法は、形成したいファイバ100の断面寸法に応じて適宜変更することができる。排出口20aの断面寸法は、例えば、200μm以上とすることができる。
ノズル20の長さ寸法には特に限定はない。
第1のノズル群12aに属する複数のノズル20のピッチ寸法は、例えば、20mm程度とすることができる。第2のノズル群12bに属する複数のノズル20のピッチ寸法は、例えば、20mm程度とすることができる。
ノズル20は、導電性材料から形成されている。ノズル20の材料は、導電性と原料液に対する耐性を有するものとすることが好ましい。ノズル20は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
接続部21は、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20、および第2のノズル群12bに属する複数のノズル20と、本体部22とのそれぞれの間に設けられている。
ノズル20の接続部21側の端部は、接続部21に固定されている。接続部21は、本体部22に着脱自在に設けられている。すなわち、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20、および第2のノズル群12bに属する複数のノズル20は、本体部22と着脱自在に接続されている。例えば、接続部21の本体部22側の端部に雄ネジを設け、本体部22の側面に雌ネジを設けるようにすることができる。また、ルアーテーパ(luer taper)(ルアーアダプタ、ルアーロック、ルアーコネクタ、ルアーフィットなどとも称される)を用いて、接続部21を本体部22に着脱自在に設けることもできる。例えば、接続部21の本体部22側にメスルアー(female luer)を設け、本体部22の側面にオスルアー(male luer)を設けるようにすることができる。すなわち、接続部21は、ネジまたはルアーテーパを用いて本体部22に接続されている。
接続部21の内部には、原料液を本体部22からノズル20に供給するための孔が設けられている。接続部21の内部に設けられた孔は、ノズル20の内部に設けられた孔、および、本体部22の内部に設けられた空間22bと繋がっている。
接続部21は、導電性材料から形成されている。接続部21の材料は、導電性と原料液に対する耐性を有するものとすることが好ましい。接続部21は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
ここで、排出された原料液が、ノズル20の排出口20a側の端面およびその近傍に付着する場合がある。付着した原料液が固まると、排出される原料液の量が少なくなったり、原料液が排出されなくなったりするおそれがある。そのため、必要に応じて、あるいは定期的に、ノズル20の排出口20a側の端面およびその近傍をクリーニングしている。この場合、ノズル20は針状を呈しているため強度が低くなるので、複数のノズル20を一括してクリーニングすると複数のノズル20が曲がったり折れたりするおそれがある。そのため、複数のノズル20を一本ずつクリーニングする必要がある。
本実施の形態に係るノズルヘッド2には、接続部21が設けられているので、複数のノズル20を本体部22から一本ずつ取り外すことができる。そして、取り外した複数のノズル20を溶媒を用いて一括洗浄したり、付着した原料液が固化する前に拭き取ったりすることができる。なお、クリーニングに用いる溶媒は、後述する原料液に含まれる溶媒と同じとすることができる。
本体部22は、棒状を呈している。本体部22の内部には、原料液が収納される空間22bが設けられている。また、本体部22には、供給口22aが設けられている。原料液供給部3から供給された原料液は、供給口22aを介して本体部22の内部に設けられた空間22bに導入される。供給口22aの配設位置と数には、特に限定はない。例えば、供給口22aは、本体部22の側面に設けることもできるし、取付部23に設けることもできる。
本体部22の断面形状には特に限定はないが、複数の接続部21を設けることを考慮すると、本体部22の断面形状は正多角形とすることが好ましい。正多角形は、線対称な図形であるため、複数のノズル20を複数の群に分けて設けるのが容易となる。例えば、図1および図2に例示をした本体部22の断面形状は、正六角形である。この場合、本体部22の一の側面に第1のノズル群12aに属する複数のノズル20を設け、本体部22の隣接する側面に第2のノズル群12aに属する複数のノズル20を設けるようにすれば、前述した角度θ1が60°となるようにすることができる。本体部22の断面形状を円形とし、複数の接続部21が設けられる部分に平面部(座面)を設けるようにしてもよい。
また、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20を設ける面と、第2のノズル群12aに属する複数のノズル20を設ける面とがなす角度をθ2とすれば、前述した角度θ1は以下の式で表すことができる。
θ1=180°−θ2
図2に示すように、取付部23は、本体部22の両端に設けられている。取付部23は、例えば、円柱状を呈したものとすることができる。取付部23は、収集体51の上方の所定の位置に設けられた図示しない保持具に着脱自在に保持される。すなわち、ノズルヘッド2は、収集体51の上方の所定の位置に着脱自在に設けられている。なお、取付部23に雌ネジや雄ネジなどの締結手段を設けるようにしてもよい。
図3は、他の実施形態に係るノズルヘッド2aを例示するための模式斜視図である。
図4(a)、(b)は、ノズル120の模式断面図である。
図3に示すように、ノズルヘッド2aは、ノズル120、接続部21、本体部22、および取付部23を有する。
前述したノズル20は針状を呈しているが、ノズル120は円錐状を呈している。ノズル120の先端の断面寸法は、例えば、1mm程度とすることができる。円錐状を呈したノズル120とすればノズル120自体の機械的強度を高めることができる。また、ノズル120の先端を尖らせることができるので、ノズル120の排出口20a側の端面において電界集中が生じ易くなる。そのため、ノズル120と収集体51の間に形成される電界の強度を高めることができるので、円筒状を呈するノズルとした場合に比べて、電源4により印加される電圧を低くすることができる。すなわち、駆動電圧を低減することができる。ただし、針状のノズル20とすれば、駆動電圧をより低くすることができる。
また、図4(a)、(b)に示すように、円錐状を呈したノズル120とすれば、ノズル120の内部に設けられた孔120aの断面寸法を大きくすることができる。この場合、図4(a)に示すように、孔120aは排出口20aから離れるに従い断面寸法が漸増するようにすることができる。また、図4(b)に示すように、孔120aは排出口20aから離れるに従い断面寸法が段階的に大きくなるようにすることもできる。孔120aは原料液の流路となるので孔120aの断面寸法を大きくすることができれば、流路抵抗を低減させることができる。そのため、原料液の供給が円滑となるようにすることができる。
図1に示すように、原料液供給部3は、収納部31、供給部32、原料液制御部33、および配管34を有する。
収納部31は、原料液を収納する。収納部31は、原料液に対する耐性を有する材料から形成されている。収納部31は、例えば、ステンレスなどから形成することができる。
原料液は、高分子物質を溶媒に溶解したものである。
高分子物質には特に限定がなく、形成したいファイバ100の材質に応じて適宜変更することができる。高分子物質は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン、アラミドなどとすることができる。
溶媒は、高分子物質を溶解することができるものであればよい。溶媒は、溶解させる高分子物質に応じて適宜変更することができる。溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ベンゼン、トルエンなどとすることができる。
なお、高分子物質および溶媒は、例示をしたものに限定されるわけではない。
原料液は、表面張力により排出口20aの近傍に留まる様にされる。そのため、原料液の粘度は、排出口20aの寸法などに応じて適宜変更することができる。原料液の粘度は、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。また、原料液の粘度は、溶媒と高分子物質の混合割合により制御することができる。
供給部32は、収納部31に収納されている原料液を本体部22に供給する。供給部32は、例えば、原料液に対する耐性を有するポンプなどとすることができる。また、供給部32は、例えば、収納部31にガスを供給し、収納部31に収納されている原料液を圧送するものとすることもできる。
原料液制御部33は、本体部22に供給される原料液の流量、圧力などを制御して、新しい原料液が本体部22の内部に供給された際に、本体部22の内部にある原料液が排出口20aから押し出されないようにする。なお、原料液制御部33に対する制御量は、排出口20aの寸法や原料液の粘度などにより適宜変更することができる。原料液制御部33に対する制御量は、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
また、原料液制御部33は、原料液の供給の開始と、供給の停止を切り替えるものとすることもできる。
なお、供給部32および原料液制御部33は、必ずしも必要ではない。例えば、本体部22の位置より高い位置に収納部31を設けるようにすれば、重力を利用して原料液を本体部22に供給することができる。そして、収納部31の高さ位置を適宜設定することで、本体部22の内部にある原料液が排出口20aから押し出されないようにする。なお、収納部31の高さ位置は、排出口20aの寸法や原料液の粘度などにより適宜変更することができる。収納部31の高さ位置は、実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
配管34は、収納部31と供給部32との間、供給部32と原料液制御部33との間、原料液制御部33と本体部22との間に設けられている。配管34は、原料液の流路となる。配管34は、原料液に対する耐性を有する材料から形成されている。
電源4は、本体部22および接続部21を介してノズル20に電圧を印加する。なお、複数のノズル20と電気的に接続された図示しない端子を設けるようにしてもよい。この場合、電源4は、図示しない端子を介してノズル20に電圧を印加する。すなわち、電源4から複数のノズル20に電圧が印加できるようになっていればよい。
ノズル20に印加する電圧(駆動電圧)の極性は、プラスとすることもできるし、マイナスとすることもできる。ただし、ノズル20にマイナスの電圧を印加すれば、ノズル20の先端から電子が放出されるので異常放電が発生しやすくなる。そのため、図1に示すように、ノズル20に印加する電圧の極性はプラスとすることが好ましい。
ノズル20に印加する電圧は、原料液に含まれる高分子物質の種類、ノズル20と収集体51との間の距離などに応じて適宜変更することができる。例えば、電源4は、ノズル20と収集体51との間の電位差が10kV以上となるように、ノズル20に電圧を印加するものとすることができる。この場合、板状のノズルとすれば、ノズルに印加する電圧は70kV程度となる。一方、本実施の形態に係る針状のノズル20とすれば、ノズル20に印加する電圧を50kV以下にすることができる。そのため、駆動電圧の低減を図ることができる。
電源4は、例えば、直流高圧電源とすることができる。電源4は、例えば、10kV以上100kV以下の直流電圧を出力するものとすることができる。
収集部5は、収集体51、堆積調整部52、および電源53を有する。
収集体51は、複数のノズル20の原料液が排出される側に設けられている。収集体51は、接地されている。収集体51には、ノズル20に印加する電圧と逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。収集体51は、導電性材料から形成することができる。収集体51の材料は、導電性と原料液に対する耐性を有するものとすることが好ましい。収集体51の材料は、例えば、ステンレスなどとすることができる。
図1に例示をした収集体51は、帯状を呈している。収集体51の一方の端部は回転ローラ51aに設けられ、収集体51の他方の端部は回転ローラ51bに設けられている。回転ローラ51a、51bには、モータなどの駆動機構が接続されている。収集体51は、一対の回転ローラ51a、51bの間を往復移動するものとすることができる。なお、ベルトコンベアのように一対の回転ローラ51a、51bの間を収集体51が移動するようにしてもよい。
また、収集体51は、例えば、回転するドラムとしてもよい。
収集体51は、例えば、板状やシート状を呈し、移動しないものとすることもできる。ただし、収集体51を移動させるようにすれば、連続的な堆積作業が可能となる。そのため、ファイバ100からなる堆積体110の生産効率を向上させることができる。
収集体51の上に形成された堆積体110は、作業者により収集体51から取り外される。堆積体110は、例えば、不織布やフィルタなどに用いられる。なお、堆積体110の用途は例示をしたものに限定されるわけではない。
また、収集体51は、省くこともできる。例えば、導電性を有する部材の表面に、ファイバ100からなる堆積体110を直接形成することもできる。この様な場合には、導電性を有する部材を接地したり、導電性を有する部材にノズル20に印加する電圧と逆極性の電圧を印加したりすればよい。
堆積調整部52は、収集体51の、ノズル20が設けられる側とは反対側に設けられている。堆積調整部52は、導電性材料から形成されている。堆積調整部52は、例えば、ステンレスなどの金属から形成することができる。堆積調整部52の収集体51側の端部は尖っている。堆積調整部52の収集体51側の端部が尖っていれば、電界集中が生じ易くなる。そのため、ノズル20と堆積調整部52の間に電界を形成するのが容易となる。
電源53は、堆積調整部52に電圧を印加する。電源53は、ノズル20に印加される電圧と逆極性の電圧を堆積調整部52に印加する。電源53は、例えば、直流高圧電源とすることができる。電源53は、例えば、10kV以上100kV以下の直流電圧を出力するものとすることができる。
ノズル20に印加する電圧と逆極性の電圧が堆積調整部52に印加されると、ノズル20と堆積調整部52の間にも電界が形成される。ノズル20と収集体51の間に形成された電界は、ノズル20と堆積調整部52の間に形成された電界の影響を受けて変化する。ノズル20の排出口20aの近傍にある原料液は、電気力線に沿って作用する静電力によって引き出される。そのため、ノズル20と収集体51の間に形成される電界を変化させれば、ファイバ100を堆積させる領域を変化させることができる。すなわち、堆積調整部52は、ノズル20と収集体51の間に形成される電界を変化させて、ファイバ100を堆積させる領域を変化させる。
堆積調整部52および電源53を設ける様にすれば、堆積させたい領域にファイバ100を堆積させることが容易となる。また、堆積調整部52および電源53を設ける様にすれば、堆積体110の厚みの均一化、ファイバ100の局所的な堆積、堆積体110に形成されたピンホール等の開口部分の補修などを行うことができる。
また、堆積調整部52に印加される電圧を制御することで、ノズル20と堆積調整部52の間に形成される電界、ひいては、ノズル20と収集体51の間に形成される電界を制御することができる。
また、堆積調整部52を移動させる図示しない駆動装置を設けることができる。堆積調整部52を移動させる様にすれば、電界の制御がより容易となる。
また、図1に例示をした堆積調整部52および電源53は、第1のノズル群12aに属する複数のノズル20、および第2のノズル群12bに属する複数のノズル20に対してそれぞれ1組設けられている。なお、堆積調整部52および電源53は、1組だけ設けるようにしてもよいし、複数の堆積調整部52に対して電源53を1つだけ設けるようにしてもよい。
制御部6は、供給部32、原料液制御部33、電源4、電源53、および、回転ローラ51a、51bに接続された駆動機構の動作を制御する。制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを備えたコンピュータとすることができる。
次に、電界紡糸装置1の作用について説明する。
原料液は、表面張力によりノズル20の排出口20aの近傍に留まっている。
電源4は、ノズル20に電圧を印加する。すると、排出口20aの近傍にある原料液が所定の極性に帯電する。図1に例示をしたものの場合には、排出口20aの近傍にある原料液がプラスに帯電する。
収集体51は、接地されているので、ノズル20と収集体51の間に電界が形成される。そして、電気力線に沿って作用する静電力が表面張力より大きくなると、排出口20aの近傍にある原料液が静電力により収集体51に向けて引き出される。引き出された原料液は、引き伸ばされ、原料液に含まれる溶媒が揮発することでファイバ100が形成される。形成されたファイバ100が収集体51の上に堆積することで、堆積体110が形成される。また、堆積調整部52に印加する電圧、および堆積調整部52の位置の少なくともいずれかを制御することで、ファイバ100を堆積させる領域を変化させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 電界紡糸装置、2 ノズルヘッド、3 原料液供給部、4 電源、5 収集部、6 制御部、12a 第1のノズル群、12b 第2のノズル群、20 ノズル、20a 排出口、21 接続部、22 本体部、22b 空間、31 収納部、32 供給部、33 原料液制御部、100 ファイバ、110 堆積体、120 ノズル、120a 孔

Claims (9)

  1. 原料液が収納可能な空間を内部に有する本体部と、
    前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第1のノズル群と、
    前記本体部と接続され、少なくとも1つのノズルを含む第2のノズル群と、
    を備え、
    前記本体部が延びる方向から見て、前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、先端側になるに従い前記第1のノズル群に属する前記ノズルから離れる方向に延び
    前記本体部が延びる方向から見て、前記本体部の断面形状は多角形であり、
    前記第1のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の第1の面に設けられ、
    前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部の前記第1の面とは異なる第2の面に設けられているノズルヘッド。
  2. 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、前記本体部と着脱自在に接続されている請求項1記載のノズルヘッド。
  3. 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの先端と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの先端との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL1、
    前記本体部が延びる方向から見て、前記本体部の断面寸法をL3とした場合に、以下の式を満足する請求項1または2に記載のノズルヘッド。
    L1>L3
  4. 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの先端と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの先端との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL1、
    前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルの前記本体部側の端面と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルの前記本体部側の端面との間の、前記本体部が延びる方向に投影した距離をL2とした場合に、以下の式を満足する請求項1〜3のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
    L1>L2
  5. 前記本体部が延びる方向から見て、前記第1のノズル群に属する前記ノズルが延びる方向と、前記第2のノズル群に属する前記ノズルが延びる方向との間の前記本体部が延びる方向に投影した角度は、30°以上、150°以下である請求項1〜のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
  6. 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルと、前記本体部とのそれぞれの間に設けられた接続部をさらに備え、
    前記接続部は、ネジまたはルアーテーパを用いて前記本体部に接続されている請求項1〜のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
  7. 前記第1のノズル群に属する前記ノズル、および前記第2のノズル群に属する前記ノズルは、針状または円錐状を呈している請求項1〜のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
  8. 前記第1のノズル群は、前記本体部が延びる方向に並べて設けられた複数のノズルを含み、
    前記第2のノズル群は、前記本体部が延びる方向に並べて設けられた複数のノズルを含む請求項1〜のいずれか1つに記載のノズルヘッド。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載のノズルヘッドと、
    前記ノズルヘッドに原料液を供給可能な原料液供給部と、
    前記ノズルヘッドに所定の極性の電圧を印加可能な電源と、
    を備えた電界紡糸装置。
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