JP6322123B2 - 電流制限回路 - Google Patents
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Description
上記構成においては、高電圧バッテリと高電圧負荷との遮断を目的としてリレーが使用されている。
ここで、電流制限抵抗を用いたプリチャージ回路により電流制限を行う場合の消費電力の大半は、電流制限抵抗で消費(電気エネルギーの熱エネルギーへの変換)される。
このようなプリチャージ回路では、複数の半導体スイッチング素子を使用し、PWM駆動を行っているため、ノイズが発生してしまうとともに、部品点数が増加し、回路構成が複雑となっていた。
以下の説明においては、電気自動車に搭載される電力供給システムを例とする。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の電力供給システムの概要構成ブロック図である。
電力供給システム10は、複数の電池セルが直列接続された高電圧バッテリ11と、車載された外部ECU12と、外部ECU12の制御下で高電圧バッテリ11の電力供給の制御を行う高電圧ジャンクションボックス13と、高電圧ジャンクションボックス13を介して供給された高電圧バッテリ11の電力により動作する高電圧負荷14と、を備えている。
外部ECU12は、高電圧ジャンクションボックス13を制御するための高電位側メインリレー状態信号CP、プリチャージリレー状態信号PCS、低電位側メインリレー状態信号CMを出力する。
ここで、高電圧ジャンクションボックス13は、電流制限回路として機能している。
また、プリチャージリレー22として、NチャネルMOSFETを用いているので、電流制限能力を電流制限抵抗23とともに担うことができ、電流制限抵抗23の小型化が確実に図れる。
ここで、ゲート制御信号GCは、電流制御信号として機能し、ゲート制御回路31は、電流制御部として機能し、電流検出回路32は、電流検出部として機能する。
図2は、電力供給システムの動作タイミングチャートである。図2中において、高電位側メインリレー21Pは、メインリレー(+)と表記し、低電位側メインリレー21Mは、メインリレー(−)と表記している(以下、各図において同様)。
時刻t0において、外部ECU12から高電位側メインリレー21Pを閉状態(オン状態)とするための高電位側メインリレー状態信号CPが入力されると、高電位側メインリレー21Pの接点駆動用コイルに電流が流れ、高電位側メインリレー21Pは、閉状態(オン状態)となる。これにより、電力供給システム10は、システムオン状態(動作状態)に移行する。
図3は、第1実施形態及び従来例の主要回路の構成説明図である。
図3に示すように、電流制限抵抗23として、従来のように電流制限抵抗の抵抗値を利用して電流制限を行う構成の場合には、電流制限抵抗23の抵抗値Rpは、実施形態の電流制限抵抗23の抵抗値Rと比較して大きくなっている。
Rp>R
図4に示すように、従来のように電流制限抵抗の抵抗値を利用して電流制限を行う構成の場合には、図4中、破線で示すように、プリチャージリレー22をオンした瞬間に最も電流値が大きくなり(=電流制限値Ilimに相当する電流値)、その後は時間経過に従って徐々に電流が減少していくようになる。
したがって、第1実施形態のようにプリチャージリレー22を構成しているNチャネルMOSFETにより電流制限を行う方式によれば、従来例と比較して短時間でコンデンサCXのプリチャージを完了できることがわかる。
図5は、第1実施形態における電力消費量の算出説明図である。
まず定電流期間tにおける電流制限抵抗23の消費電力P1Rは、(1)式により表される。
P1R=I2R・t/T …(1)
Vc=I・t/C …(2)
Vc=VB−I・R …(3)
したがって、(2)式及び(3)式に基づいて、定電流期間tを求めると、次式のようになる。
t=C・(VB−I・R)/I …(4)
P1R=I2R・(C/T)・{(VB−I・R)/I} …(5)
P2R=I2R・(C・R/T) …(6)
PR=P1R+P2R
=I2R・(C/T)・{(VB−I・R)/I+R} …(7)
VB/I=Rp
であるので、実施形態における消費電力の合計PRは、(8)式で表されることとなる。
PR=I2R・(C・Rp/T) …(8)
図6は、従来例における電力消費量の算出説明図である。
従来例における電流制限抵抗23(図3参照)の抵抗値をRpとし、プリチャージリレー22を構成しているNチャネルMOSFETのオン抵抗をRonとすると、Rp>>Ronである。
従って、電流制限抵抗23の消費電力PRpは、(9)式で表される。
PRp=I2Rp・(C・Rp/T) …(9)
PR/PRp=R/Rp<1 …(10)
PRon=I2Ron・(C・Rp/T) …(11)
PFET=PRp+PRon−PR
=I2・(C・Rp/T)・(Rp−R+Ron) …(12)
また、プリチャージリレー22を半導体素子としてのNチャネルMOSFETで構成しているので、消費電力を小さくできるとともに、電流制限回路としての高電圧ジャンクションボックス13の小型化が図れる。
さらに電流制限抵抗23をプリチャージリレー22を流れるプリチャージ電流Iを検出する電流検出用抵抗として用いることで、さらなる部品増加を抑制し、高電圧ジャンクションボックス13の小型化を図ることができる。
上記第1実施形態は、高電圧バッテリ11からの高電圧負荷に対する電流を検出する電流検出回路が設けられていない場合の例であったが、第2実施形態は、高電圧バッテリ11からの高電圧負荷14に対する電流を検出する電流検出回路が設けられており、プリチャージ時の電流を検出可能な場合の実施形態である。
図7において、図1と同様の部分は、同一の符号を付すものとする。
図7の第2実施形態の電力供給システム10Aが図1の第1実施形態の電力供給システム10と異なる点は、電流制限抵抗23をなくし、プリチャージリレー22単独でプリチャージ時の電流制限を行うとともに、電流検出回路32に高電位側電流流路LPを流れる電流を検出する電流センサ41を接続した点である。
本第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、電流制限抵抗を全く用いる必要が無いため、さらなる装置コストの削減と、小型化が可能となる。
以上の説明のように、各実施形態によれば、プリチャージリレー22を構成しているNチャネルMOSFET(半導体素子)の性能を十分に生かし、プリチャージ時における電流制限抵抗の消費電力を低減し、あるいは、なくすことができるので、電流制限抵抗23の小型化、あるいは、電流制限抵抗23をなくすことによる、電流制限抵抗23の設置スペースの削減が図れ、ひいては、電流制限回路全体の小型化が可能となる。
これらの結果、製造コストが低く、小型化が図れる電流制限回路を提供できる。
11 高電圧バッテリ
12 外部ECU
13 高電圧ジャンクションボックス
14 高電圧負荷
21M 低電位側メインリレー
21P 高電位側メインリレー
22 プリチャージリレー(電流可変部)
23 電流制限抵抗
24 制御部
31 ゲート制御回路(電流制御部)
32 電流検出回路(電流検出部)
41 電流センサ(電流検出部)
CM 低電位側メインリレー状態信号
CP 高電位側メインリレー状態信号
CX コンデンサ
GC ゲート制御信号(電流制御信号)
I プリチャージ電流
Ilim 電流制限値
LM 低電位側電流流路
LP 高電位側電流流路
MOSFET Nチャネル
PCS プリチャージリレー状態信号
R 抵抗値
Rp 抵抗値
VR 電流検出信号
Vc 電圧
Vref 電流制限基準信号
t 定電流期間
Claims (2)
- 高電圧バッテリと、高電圧負荷を構成するコンデンサとの間に介挿された高電位側メインリレー及び低電位側メインリレーと、
前記低電位側メインリレー又は前記高電位側メインリレーと並列に接続された電流制限抵抗と、
前記電流制限抵抗に直列に接続され、電流制御信号に基づいて電流量が可変な電流可変部と、
制御部と、
を備え、
前記電流可変部は、MOSFET又はIGBTとして構成されており、
前記制御部は、
前記電流制限抵抗を流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出結果に基づいて前記電流制御信号を出力する電流制御部と、
を含み、
前記電流検出部は、前記電流制限抵抗の端子間電圧を検出し、
前記電流制御部は、前記コンデンサのプリチャージにおいて、前記電流制限抵抗に流れる電流が前記電流制限抵抗に対して定められた最大電流値と等しくなるまで前記電流可変部のゲート電圧を上昇させる前記電流制御信号を出力し、かつ前記電流制限抵抗に流れる電流が前記最大電流値で一定となるように前記電流制御信号を制御して前記プリチャージを行う電流制限回路。 - 前記電流可変部は、金属製の筐体又は放熱板に取り付けられている請求項1記載の電流制限回路。
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