次に、実施の形態に係る吸収性物品としての使い捨ておむつ1について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)使い捨ておむつの全体概略構成
図1は、本実施の形態において使い捨ておむつを構成する使い捨ておむつ1の概略斜視図である。図2は、本実施の形態に係る使い捨ておむつ1の展開平面図である。図3は、図2に示すX1−X’1線に沿った使い捨ておむつ1の幅方向断面図である。図4は、図2に示すX2−X’2線に沿った使い捨ておむつ1の前後方向断面図である。使い捨ておむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつである。
使い捨ておむつ1は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向Lと、前後方向Lに直交する幅方向Wと、着用者に向かう内方向IN及び内方向と反対側に向かう外方向OUTを有する厚み方向Tと、を有する。
使い捨ておむつ1は、図2に示すように、使い捨ておむつ1の前後方向において、着用者の前胴回りに当てられる前胴回り領域S1と、着用者の後胴回りに当てられる後胴回り領域S2と、着用者の股下に当てられ、前胴回り領域S1と後胴回り領域S2との間に位置する股下領域S3と、を有する。
前胴回り領域S1の幅方向W外側に位置する前胴回り縁部4が、後胴回り領域S2の幅方向Wの外側に位置する後胴回り縁部6と接合され、かつ前胴回り縁部4’が、後胴回り縁部6’と接合されることによって、使い捨ておむつ1がパンツ型に形成される。パンツ型の使い捨ておむつの前胴回り領域及び後胴回り領域には、互いの縁部が接合された接合部11が形成されており、股下領域S3は、接合部11よりも前後方向内側の領域である。
使い捨ておむつ1には、図1に示すように、パンツ型に形成された状態で、着用者の腰回りを囲んで配置される腰回り開口部8と、着用者の脚回りを囲んで配置される一対の脚回り開口部9と、が形成される。
使い捨ておむつ1は、表面シート10、吸収体40及び吸収体裏面シート30等を含む吸収性本体1Aと、前側外装トップシート70F、後側外装トップシート70R及び外装バックシート80等を含む外装体1Bと、から構成されており、これらは互いに、接着剤や熱融着などによって接合されている。
外装体1Bは、外装トップシートとしての前側外装トップシート70F及び後側外装トップシート70Rと、外装バックシートとしての前側外装バックシート80F及び後側外装バックシート80Rと、外装センターシート100と、を含み、使い捨ておむつ1の外装部分を構成する。外装体1Bは、吸収体40を含む吸収性本体1Aよりも外方向OUTに位置し、使い捨ておむつの非肌当接側の面に配置される。
前側外装トップシート70Fは、前胴回り領域S1と股下領域S3とに跨がって配置されている。後側外装トップシート70Rは、後胴回り領域S2と股下領域S3とに跨がって配置されている。前側外装トップシート70Fと後側外装トップシート70Rとは、前後方向に離間して配置されており、厚み方向において前側外装バックシート80F又は後側外装バックシート80Rと、吸収性本体1Aとの間に配置される。
前側外装トップシート70F及び後側外装トップシート70Rは、エアスー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、防水フィルムなどによって形成できる。本実施の形態に係る前側外装トップシート70F及び後側外装トップシート70Rは、ポリプロピレンからなる目付15g/m2のSMS不織布によって形成されている。
前側外装バックシート80F及び後側外装バックシート80Rは、着用時において外側に位置する、つまり、着用者の肌から離れる側に配置される。前側外装バックシート80Fは、前胴回り領域S1と股下領域S3とに跨がって配置されている。後側外装バックシート80Rは、後胴回り領域S2と股下領域S3とに跨がって配置されている。前側外装バックシート80Fと後側外装バックシート80Rとは、前後方向に離間して配置されている。前側外装バックシート80Fの前端部及び後側外装バックシート80Rの後端部は、肌当接面側に折り返され、前側外装トップシート70Fの前端部及び後側外装トップシート70Rの後端部を包むように配置される。前側外装トップシート及び前側外装バックシートは、前側外装体を構成し、後側外装トップシート及び後側外装バックシートは、後側外装体を構成する。
外装バックシートは、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、防水フィルムなどによって形成できる。本実施の形態に係る外装バックシートは、ポリプロピレンからなる目付18g/m2のスパンボンド不織布によって形成されている。
外装センターシート100は、前側外装体と後側外装体とを連結する。具体的には、外装センターシート100は、前後方向において、前側外装トップシート70F及び前側外装バックシート80Fの後端部と後側外装トップシート70R及び後側外装バックシート80Rの前端部との間に位置し、厚み方向において、前側外装トップシート70Fと吸収体裏面シート30又は弾性材被覆シート43との間、及び後側外装トップシート70Rと吸収体裏面シート30又は弾性材被覆シート43との間に位置する。外装センターシート100の一部は、後述する重畳領域に配置されるように構成されており、第3シート材として機能する。
外装センターシート100を備えることにより、前側外装トップシート70F及び前側外装バックシート80Fと、後側外装トップシート70R及び後側外装バックシート80Rと、を繋ぐことができる。よって、外装トップシート及び外装バックシートが前後方向に離間する形態において、吸収性本体1Aがむき出しになることを防止することができる。更に、製造過程において、離間した前側外装体と後側外装体とを連結した状態で、脚回り開口部を形成したり、吸収性本体1Aと貼り合わせたりすることができる。
外装センターシート100は、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、防水フィルムなどによって形成できる。本実施の形態に係る外装センターシート100は、ポリプロピレンからなる目付19g/ m2のスパンボンド不織布によって形成されている。
吸収性本体1Aは、表面シート10、セカンドシート15、吸収体裏面シート及び防漏部を含み、外装体1Bよりも着用者側に配置される。
表面シート10は、着用者の肌に直接的に接し得る肌当接面を形成するシートである。表面シート10は、吸収体40よりも肌当接面側に配置される。表面シート10は、親水性不織布や織物、開口プラスチックフィルム、開口疎水性不織布などの液透過性のシートによって形成されている。本実施の形態に係る表面シート10は、ポリプロピレンからなる目付23g/m2の親水性スパンボンド不織布によって形成されている。
表面シート10の非肌当接面側には、セカンドシート15が接合されている。セカンドシート15は、表面シート10と吸収体40との間に配置される。セカンドシート15を設けることにより、体液の吸収速度を速くすることができ、かつ吸収後における体液の逆戻りを抑制することができる。
セカンドシート15は、例えば、エアスルー不織布や、開孔フィルムなどが用いられる。本実施の形態のセカンドシート15は、目付30g/m2のエアスルー不織布(親水性)によって形成されている。表面シート10とセカンドシート15は、接着剤によって接合されている。
吸収体40は、表面シート10とセカンドシート15とが接合された複合シートと、吸収体裏面シート30との間にホットメルト型接着剤によって接合される。ホットメルト型接着剤は、複合シート及び裏面シートにそれぞれ塗工され、例えば、スパイラル塗工方法により、それぞれ目付5g/m2,8g/m2で塗られる。
吸収体40は、粉砕パルプや高吸収性ポリマーなどの混合粉体で形成される。吸収体40は、着用者の非肌当接面側に位置する第1層41と、第1層41と重ねられ、かつ着用者の肌当接面側に位置する第2層42と、によって構成されている(図5参照)。
第1層41には、前後方向に延びる中央スリット45及びサイドスリット46が形成されている。中央スリット45は、第1層41の幅方向中央に形成され、サイドスリット46は、中央スリット45よりも幅方向の両外側に形成されている。
使い捨ておむつ1は、中央スリット45に重なるように配置された中央弾性材44を有する。吸収体40に形成されたこれらの弾性材やスリット等によって、使い捨ておむつ1が着用された際に吸収体40が曲がるように構成されている。本実施の形態において、中央弾性材44及び中央スリット45は、吸収体が内方向に向かって凸に曲がることができるように形成された曲部を構成する。また、サイドスリット46は、吸収体が外方向に向かって凸に曲がることができるように形成されている。なお、吸収体の構造については、後述にて詳細に説明する。
吸収体裏面シート30は、吸収体40の非肌当接面側に設けられている。吸収体裏面シート30は、液不透過性フィルムなど(例えば、ポリエチレン)のシートによって形成されている。吸収体裏面シート30は、吸収体よりも外方向OUTに配置され、かつ液不透過性である。吸収体裏面シート30は、吸収体40よりも前後方向外側に延出して配置されている。
防漏部は、防漏サイドシート32と、防漏弾性材33と、を有し、吸収体40の幅方向端部において前後方向に沿って配置されている。防漏サイドシート32は、吸収体40の幅方向Wの両側端において、表面シート10、吸収体裏面シート30を一体に包むように設けられる。防漏サイドシート32は、液不透過性の不織布などのシートによって形成されている。防漏サイドシート32の幅方向の一方の端部は、吸収体裏面シート30の非肌面側の面に接合されており、防漏サイドシート32の幅方向の他方の端部は、吸収体40の幅方向側部から表面シート側に折り返され、表面シート10の肌当接面側の面に接合されている。
防漏サイドシート32は、ホットメルト接着剤によって表面シート等に接合されている。本実施の形態では、ビード塗工によって目付0.1g/mでホットメルト型接着剤を複数本塗布した。また、防漏サイドシート32は、疎水性の不織布シートによって構成され、本実施の形態では、ポリプロピレンの目付15g/m2のSMS不織布によって構成されている。
防漏弾性材33は、吸収体裏面シート30と防漏サイドシート32と間に、前後方向に伸長した状態で貼りあわされている。防漏弾性材33は、吸収体の幅方向における両端部をそれぞれ前後方向に収縮している。防漏弾性材の固定手段としては、ホットメルト型接着剤を例示できる。本実施の形態は、防漏弾性材33としてスパンデックスを用い、Vスロット方式により直接塗工している。より、具体的には、防漏弾性材33は、780dtexの太さ、2.3倍の伸長倍率で3本伸長固定される。
防漏弾性材33は、後述するレッグギャザーと平面視で略連なるように配置されている。このように防漏弾性材とレッグギャザーを配置することにより、着用者の足繰りを囲むように締め付けることができ、脚繰りのフィット性が向上し、使い捨ておむつのズレや漏れの防止する効果が得られる。
前胴回り領域S1及び後胴回り領域S2には、ウエストギャザー3及び胴回りギャザー7が設けられる。ウエストギャザー3及び胴回りギャザー7は、吸収体40の幅方向Wに沿って伸縮するように配設される合成ゴムなどの細長いウエスト弾性材3A及び胴回り弾性材7Aを有する。ウエスト弾性材3A及び胴回り弾性材7Aは、使い捨ておむつ1の幅方向Wに対して伸長された状態で接着剤(例えばホットメルト接着剤)によって、前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80F、及び後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間に接合されている。
ウエストギャザー3及び胴回りギャザー7は、前胴回り領域S1における吸収性物品1の幅方向W外側に位置する一方の前胴回り縁部4から他方の前胴回り縁部4‘まで連続し、後胴回り領域S2における吸収性物品1の幅方向W外側に位置する一方の後胴回り縁部6から他方の後胴回り縁部6‘まで連続する。
脚回り開口部9の周囲には、レッグギャザー5が設けられる。レッグギャザーは、伸縮するように配設される合成ゴムなどの細長い脚回り弾性材によって形成されている。脚回り弾性材は、前胴回り領域S1に配置された前脚回り弾性材5Fと、後胴回り領域S2に配置された後脚回り弾性材5Rと、によって構成されている。レッグギャザー5は、吸収体40を横断しないように設けられている。
脚回り弾性材は、前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80F、及び後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間に接合されている。前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80Fは、弾性部材としての前脚回り弾性材5Fを挟んで配置される第1シート材と第2シート材であり、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rは、弾性部材としての後脚回り弾性材5Rを挟んで配置される第1シート材と第2シート材である。
ウエストギャザー3、胴回りギャザー7及びレッグギャザー5を配置することにより、使い捨ておむつを腰回りで保持することができ、使い捨ておむつ全体が引き下がることを防止できる。
本実施の形態に係るウエスト弾性材は、前胴回り領域S1及び後胴回り領域S2ともに、940dtexの太さ、3.5倍の伸長倍率で6本伸長固定されている。また、胴回り弾性材は、780dtexの太さ、3.0倍の伸長倍率で伸長固定されている。ウエスト弾性材及び胴回り弾性材の固定手段は、例えば、ホットメルト型接着剤を例示できる。本実施の形態では、Vスロット方式によってホットメルト型接着剤を弾性材に直接塗工している。
本実施の形態に係る脚回り弾性材は、780dtexの太さ、1.5〜3.5倍の伸長倍率で3本伸長固定される。脚回り弾性材は、部分ごとに倍率の勾配をつけた状態で配置されている。
脚回り弾性材は、少なくとも脚回り弾性材が配置された領域を含んで配置された第1接着領域R1(図8参照)と、第1接着領域と一部が重なって配置された第2接着領域R2と、において、外装トップシートと外装バックシートとの間に接合されている。脚回り弾性材の接合方法については、後述にて詳細に説明する。
中央弾性材44は、厚み方向Tにおいて中央スリット45と重なる位置に設けられている。中央弾性材44は、内方向INに凸、つまり、吸収体40が着用者に向けて凸に曲がるように、前後方向に沿って吸収体40に重なるように形成されている。中央弾性材44が、中央スリット45に重なるように配置されているため、中央スリット45を上方(着用者側)へより安定的に屈曲させることができる。中央弾性材44は、吸収性物品の幅方向中心において前後方向に沿って、伸長状態で配置されている。中央弾性材44は、股下領域S3に配置される。
中央弾性材44は、弾性材被覆シート43と吸収体裏面シート30の間に、伸長された状態で設けられている。中央弾性材44は、1.4〜3.0倍の伸長倍率で配置される。
本実施の形態に係る中央弾性材は、620dtexの太さのスパンデックスであり、2.0倍の伸長倍率で7本伸長固定される。中央弾性材の間隔は、5mmであり、接着長さは全て120mmである。
弾性材被覆シート43は、不織布などのシートで構成されており、弾性部材としての中央弾性材の外方向に配置されるシート材として機能する。本実施の形態では、ポリプロピレンからなる目付15g/m2のスパンボンド不織布(疎水性)を用いた。
中央弾性材44の素材には、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、スパンデックス、発泡ポリウレタン等を挙げることができる。その他、中央弾性材44の材料としては、ウレタン系、ポリスチレン系などのエラストマー繊維と延伸可能なポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性繊維を混合し、延伸加工を施すことによって形成した伸縮不織布などの弾性シートを用いてもよい。
なお、上述した使い捨ておむつ1を構成する各部材は、例えば、特開2006−346439号公報に記載された材料を用いてもよい。
(2)吸収体の構造
図5は、吸収体40の平面図である。図5に示すように、吸収体40は、第1層41と、第1層41と重ねられる第2層42とを有する。第1層41は、着用者の非肌当接面側に位置し、第2層42は、着用者の肌当接面側に位置する。
第1層41の前後方向の長さは、第2層42の前後方向の長さよりも長い。第1層41は、後胴回り領域S2、股下領域S3及び前胴回り領域S1に跨って配置され、第2層42は、股下領域S3と前胴回り領域S1とに跨って配置されている。第2層42の幅方向の長さは、第1層41の幅方向の長さよりも短い。第1層41は、第2層42よりも幅方向外側に張り出している。
第1層41と、第2層42とは、綿状パルプと高分子吸収性ポリマー(SAP)とから構成されている。
第1層41は、例えば、パルプ100〜500g/m2とSAP20〜500g/m2とを混合させて形成することができる。本実施の形態に係る第1層41は、パルプ280g/m2とSAP170g/m2とが混合されて形成されている。
第1層41には、中央スリット45と一対のサイドスリット46が形成されている。中央スリット45は、幅方向Wの中央部に形成されている。中央スリット45の前後方向における長さは、サイドスリット46の前後方向における長さよりも長い。本実施の形態では、中央スリットの幅は、40mmであり、サイドスリット46の幅は、それぞれ10mmである。
第2層42は、例えば、パルプ100〜500g/m2とSAP0〜500g/m2とを混合させて形成することができる。本実施の形態に係る第2層42は、パルプ260g/m2とSAP160g/m2とが混合されて形成されている。
第2層42は、砂時計形状である。第2層42の前後方向中央部は、幅方向の長さが短く形成された幅狭部42Nである。この幅狭部42Nの外側端部と、サイドスリット46の内側端部とは一致している。このような構成によれば、サイドスリット46の幅方向端部に吸収体40の剛性差が形成され、サイドスリット46を基点に安定的に吸収体を屈曲させることができる。
また、サイドスリット46において表面シート10と吸収体裏面シート30とが貼り合わされて固定されることにより、吸収体を型崩れされることなく屈曲させることができる。
更に、図2に示すように、幅方向において、セカンドシート15の端部は、サイドスリットよりも内側に位置している。セカンドシート15が配置された領域と、セカンドシート15が配置されていない領域(セカンドシート15の幅方向の端部よりも幅方向外側の領域)は、剛性が異なる。セカンドシートの有無による剛性差を設けることにより、サイドスリット46によって構成されるサイド曲部を基点に曲がり易くなる。
また、中央スリット45を形成することにより、吸収体40の中央部分を着用者側である内方向INに凸に曲がり易くすることができる。サイドスリット46は、中央スリット45よりも幅方向外側に形成されている。サイドスリット46は、前後方向に沿って延在する縦長の形状を有する。一対のサイドスリット46は、外方向OUTに凸、つまり吸収体40が中央スリット45と逆の凸に曲がるように、前後方向に沿って吸収体40に形成されている。
股下領域S3において、第2層42の幅方向における外側端部42Wは、第1層のサイドスリット46の内側端部41Wと重なっており、前後方向に沿って配置されている。第2層42の外側端部42Wよりも幅方向外側は、第1層41のみによって構成され、外側端部42Wよりも内側は、中央スリット45が形成された部分を除いて、第1層41と第2層42とによって構成される。よって、第1層41の内側端部41Wと第2層42の外側端部42Wとを境界として、吸収体40の剛性及び厚みが変化する。本実施の形態では、剛性等が変化する第2層の外側端部42Wを境界として、吸収体が曲がる。
(3)吸収体の形状変化
図6は、使い捨ておむつ1の着用状態を模式的に示す断面図(図1のX1−X’1線基準)である。使い捨ておむつ1が着用されると、吸収体の股下領域S3は、着用者の股間に当てられる。着用者の脚等によって、吸収体には、幅方向外側から幅方向内側に向かって力が掛かる。吸収体40は、中央弾性材44及び中央スリット45と、サイドスリット46と、を基点として吸収体40が曲がり、使い捨ておむつ1の幅方向Wに沿った断面形状は、波状に変形する。よって、吸収体40の股下領域S3は、規則的に折り畳まれた状態となる。
吸収体40は、中央弾性材44によって内方向INに凸となった吸収体40の頂面が着用者の股間部に当接する。曲部による凸状部分が形成される部分は、第2層42のみによって構成されており、比較的厚みが薄い。一方、曲部による凸状部分とサイドスリットによる凸状部分との間は、第1層41と第2層42とが重なっており、比較的厚みが厚く、剛性が高い。曲部とサイドスリットとの間の剛性が高い部分によって曲部による凸状部分を支持することができ、曲部による凸形状の安定性を向上させることができる。
また、着用者が両脚を閉じると、使い捨ておむつ1の断面形状は、吸収体は、曲部及びサイドスリットで折り畳まれ、互いに密着した状態で、股間部の下方においてコンパクトに配置される。
このとき、中央弾性材44及び中央スリット45によって形成される曲部は、着用者の股間部と当接するように位置する。一方、サイドスリット46によって形成される曲部は、非肌当接面側に凸状であり、着用者の排泄口と当接し難い位置となる。
着用者の股間部において吸収体が密着しているので、肌伝いするような尿速の遅い尿が排出された場合であっても、体液の漏れを防止できる。また、折り畳まれた状態で、吸収体の肌から離れた部分の曲部においては、前後方向に延びる凹みが形成されるため、体液を前後方向外側へ拡散させることができ、横漏れを防止することができる。
吸収体に形成した中央スリット45、サイドスリット46を基点に折りまげるため、吸収体40に厚さの薄い部分を形成して凸状部分とする場合と比較して、吸収体40が液体を吸収して膨らんだ場合でも吸収体40が曲がり易くなる。また、使い捨ておむつ1を着用して吸収体40が変形したときの断面形状は、非肌当接面側から肌当接面側に向かって狭くなる先細り形状である。よって、着用者の股間部の隙間に収まり易く違和感を与えにくい。
また、曲部によって形成される凸状部分は、第2層42のみによって構成されており、第1層41と第2層42とが積層されて構成された部分よりも厚みが薄い。すなわち、曲部によって形成される凸状部分は、厚みが薄くかつ高さが高いため、股間部の狭い隙間に挿入され易くなり、排泄口と密着し易くなる。よって、排尿口と吸収体とが密着するため、排泄された尿を迅速に吸収することができる。また、着用者の股間部の肌に近い部分においては、吸収体の厚みが薄く、肌から遠い部分で厚みが厚くなるように折り畳まれるため、違和感なくフィットさせることができる。
また、第1層と第2層の両方に、開口部やサイドスリットを設けた場合、第1層と第2層とを重ね合わせるときの位置ずれが生じることがある。例えば、幅方向に位置ずれが生じると、左右に配置された一対のサイドスリットの幅が狭くなり、規則的な変形ができなくなったり、左右アンバランスな吸収体となり、吸収性や装着感に悪影響を及ぼしたりするおそれがある。しかし、第1層と第2層のうちいずれか一方に、開口部やサイドスリットを設けたことにより、サイドスリット等の位置ずれを防止できる。
(4)吸収性物品の製造方法
本実施の形態に係る吸収性物品の製造方法の一例について説明する。図7は、吸収性物品の製造方法を説明するための図であり、吸収性物品が製造されている過程の一部を示している。図7は、製造過程における構成部品の搬送する方向を搬送方向MDとして示し、当該搬送方向と交差する方向を交差方向CDとして示す。吸収性物品の製造方法は、吸収性物品1が幅方向において連続した状態で製造する。
なお、本実施の形態において説明しない方法については、既存の方法を用いることができる。また、以下に説明する製造方法は、一例であり、他の製造方法によって製造することもできる。
吸収性物品の製造方法は、吸収性本体形成工程S1と、外装体形成工程S2と、脚回り形成工程S3と、構成部品接合工程S4と、折り畳み工程S5と、接合工程S6と、切断工程S7と、を少なくとも含む。
吸収性本体形成工程S1では、吸収性本体1Aを形成する。具体的には、例えば、吸収材料を積層して吸収体40を成型したり、防漏部を形成し、吸収体裏面シート30を構成するウェブと接合した後に、上記連続ウェブ上に吸収体40を配置したり、表面シート10を構成するウェブを合流させた後に、両側部の上記防漏部連続体を表面シート側に折り返したりする。
外装体形成工程S2では、外装体1Bを形成する。本実施の形態では、着用者の腹側に配置される外装シートが連続した前側連続体75Fと着用者の背側に配置される外装シートが連続した後側連続体75Rとを別々に形成し、外装センターシート100を介して前側連続体75Fと後側連続体75Rを連結して、外装体1Bを製造するように構成されている。
具体的には、前側外装トップシート70Fを構成する(前側外装トップシート)ウェブ70FWと前側外装バックシート80Fを構成する(前側外装バックシート)ウェブ80FWとの間に、胴回り弾性材7A、ウエスト弾性材3A及び前脚回り弾性材5Fを配置して、前側連続体75Fを形成し、かつ、後側外装トップシート70Rを構成する(後側外装トップシート)ウェブ70RWと後側外装バックシート80Rを構成する(後側外装バックシート)ウェブ80RWとの間に、胴回り弾性材7A、ウエスト弾性材3A及び後脚回り弾性材5Rを配置して、後側連続体75Rを形成する。
次いで、前脚回り弾性材5Fと後脚回り弾性材5Rの不要な部分(前側連続体75F及び後側連続体75Rから外側にはみ出した部分)を切断した後、前側連続体75Fと後側連続体75Rとを外装センターシート100によって接合する。これにより、個々の製品の外装体1Bが幅方向に連続した外装連続体90が形成される。この外装体形成工程S2における前脚回り弾性材5Fと後脚回り弾性材5Rを外装トップシート等に接合する工程については、後述にて詳細に説明する。
脚回り形成工程S3は、前脚回り弾性材5F及び後脚回り弾性材5Rに沿って外装体1Bを切断する。これにより、着用者の脚回りに配置される脚回り開口部が形成される。
構成部品接合工程S4は、外装体1Bと吸収性本体1Aとを接合する。具体的には、脚回り開口部が形成された外装体1Bの連続体上に吸収性本体1Aを配置し、接着剤を介して吸収性本体1Aと外装体1Bとを接合する。
折り畳み工程S5では、吸収性本体1Aと外装体1Bとが接合された吸収性物品の連続体を、交差方向の中心を含み、かつ搬送方向に沿った折り目を基点に折り畳む。
接合工程S6では、折り畳んだ吸収性物品の幅方向の端部を接合する。具体的には、前胴回り縁部4と後胴回り縁部6とを接合し、かつ前胴回り縁部4’と後胴回り縁部6’とを接合する。
切断工程S7では、吸収性物品の連続体を吸収性物品の前後方向(交差方向)に沿って一製品の大きさに切断する。これにより、吸収性物品1が製造される。
次いで、上述した外装体1Bの製造工程の一部である、前脚回り弾性材5Fと後脚回り弾性材5Rを外装トップシートと外装バックシートとの間に接合する方法について、図8を参照して詳細に説明する。図8は、外装トップシートと外装バックシートとの間において接着剤を塗布した第1接着領域と第2接着領域を模式的に示した図である。
なお、外装トップシートと外装バックシートとの間には、第1接着領域及び第2接着領域の他に、ウエスト弾性材3Aを接合するための接着領域や胴回り弾性材を接合するための接着領域、及び前側外装バックシートの前端部と後側外装バックシートの後端部を折り返して接合ための接合領域が設けられている。これらの接着領域については、説明の都合上、省略しているが、例えば、Vスロット方式やスパイラル方式によって接着剤を塗布することによって形成できる。
前脚回り弾性材5Fは、前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80Fとの間の第1接着領域R1と第2接着領域R2とにおいて、前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80Fとに接合されている。後脚回り弾性材5Rは、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間の第1接着領域R1と第2接着領域R2とにおいて、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとに接合されている。
本実施の形態では、第1接着領域R1は、非接触方式の塗工方法によって接着剤が塗布されており、第2接着領域R2は、接触方式の塗工方法によって接着剤が塗布されている。なお、第1接着領域の塗工方法は、接触方式の塗工方法であってもよく、第2接着領域の塗工方法は、非接触方式の塗工方法であってもよく、本実施の形態の方法に限定されない。
第1接着領域R1と第2接着領域R2とは、一部が重なって配置されている。第1接着領域R1は、少なくとも脚回り弾性材が配置された領域を含み、かつ脚回り弾性材を外装トップシートと外装バックシートとの間に接合するための弾性材接着領域R11と、外装トップシートと外装バックシートを接合するためのシート接着領域R12と、を含む。
前脚回り弾性材5Fを前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80Fとの間に接合する方法は、図7に示す前側外装トップシート70Fを構成する前側外装トップシートウェブ70FW上に接着剤を塗布して、図8(a)に示す第2接着領域R2を設けた後、前側外装トップシート70Fを構成する前側外装トップシートウェブ70FW上に接着剤を塗布して、弾性材接着領域R11を設ける。また、前側外装バックシート80Fを構成する前側外装バックシートウェブ80FW上に接着剤を塗布して、シート接着領域R12を設ける。
次いで、前側外装トップシートウェブ70FWと前側外装バックシートウェブ80FWとのいずれか一方に、伸長した状態で前脚回り弾性材5Fを配置する。このとき、前脚回り弾性材5Fを、交差方向に揺動しながら、前側外装トップシートウェブ70FW上又は前側外装バックシートウェブ80FW上と、前側外装トップシートウェブ70FWの後端部又は前側外装バックシートウェブ80FWの後端部よりも後方にはみ出した領域と、に跨がるように配置する。
前側外装トップシートウェブ70FWの後端部又は前側外装バックシートウェブ80FWの後端部よりも後方にはみ出した前脚回り弾性材を、伸長状態でベルト等に挟んで搬送する。次いで、前側外装トップシートウェブ70FW及び前側外装バックシートウェブ80FWの他方を一方のウェブ上に配置する。これにより、前脚回り弾性材は、前側外装トップシートウェブ70FWと前側外装バックシートウェブ80FWとが重なる領域と、前側外装トップシートウェブ70FWと前側外装バックシートウェブ80FWからはみ出した領域と、に跨がって配置される。
この状態で、当該ウェブ同士を厚み方向にプレスする。このようにプレスすることにより、前脚回り弾性材を強固にウェブ間に接合できる。その後、前側外装トップシートウェブ70FW又は前側外装バックシートウェブ80FWの後端部よりも後方にはみ出した前脚回り弾性材を、前側外装トップシートウェブ70FW又は前側外装バックシートウェブ80FWの後端部に沿って切断する。これにより、前側外装トップシート70Fと前側外装バックシート80Fとの間に前脚回り弾性材5Fが配置される。
後脚回り弾性材5Rを後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間に接合する方法は、図7に示す後側外装トップシート70Rを構成する後側外装トップシートウェブ70RW上に接着剤を塗布して、図8(a)に示す第2接着領域R2を設けた後、後側外装トップシート70Rを構成する後側外装トップシートウェブ70RW上に接着剤を塗布して、弾性材接着領域R11を設ける。また、後側外装バックシート80Rを構成する後側外装バックシートウェブ80RW上に接着剤を塗布して、シート接着領域R12を設ける。
次いで、後側外装トップシートウェブ70RWと後側外装バックシートウェブ80RWとのいずれか一方に、伸長した状態で後脚回り弾性材5Rを配置する。このとき、後脚回り弾性材5Rを、交差方向に揺動しながら、後側外装トップシートウェブ70RW上又は後側外装バックシートウェブ80RW上と、後側外装トップシートウェブ70RW上の前端部又は後側外装バックシートウェブ80RWの前端部よりも前方にはみ出した領域と、に跨がるように配置する。
後側外装トップシートウェブ70RWの前端部又は後側外装バックシートウェブ80RWの前端部よりも前方にはみ出した後脚回り弾性材5Rを、伸長状態でベルト等に挟んで搬送する。次いで、後側外装トップシートウェブ70RW及び後側外装バックシートウェブ80RWの他方を、一方のウェブ上に配置する。これにより、後脚回り弾性材は、後側外装トップシートウェブ70RWと後側外装バックシートウェブ80RWとが重なる領域と、後側外装トップシートウェブ70RWと後側外装バックシートウェブ80RWからはみ出した領域と、に跨がって配置される。
この状態で、当該ウェブ同士を厚み方向にプレスする。このようにプレスすることにより、後脚回り弾性材を強固にウェブ間に接合できる。その後、後側外装トップシートウェブ70RW又は後側外装バックシートウェブ80RWの前端部よりも前方にはみ出した後脚回り弾性材5Rを、後側外装トップシートウェブ70RW又は後側外装バックシートウェブ80RWの前端部に沿って切断する。これにより、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間に後脚回り弾性材5Rが配置される。
次いで、図8及び図9に基づいて、第1接着領域R1及び第2接着領域R2について詳細に説明する。図9は、図8に示す接着領域を模式的に示す断面図(図2に示すX3-X’3線基準)である。
図8(a)は、図2に示す展開図において、第2接着領域R2と、弾性材接着領域R11と、を示した図である。第2接着領域R2は、前脚回り弾性材5Fの後端部と後脚回り弾性材の前端部をカバーするように設けられており、前脚回り弾性材5Fの後端部と後脚回り弾性材の前端部を確実に外装トップシートと外装バックシートとの間に接合するための接着剤が塗布されている。
第2接着領域R2は、前側外装トップシート及び後側外装トップシートに対して目付10g/m2でホットメルト型接着剤が塗布された領域である。第2接着領域R2には、スロットコーター方式による接触塗工で接着剤が塗布されている。第2接着領域R2の塗工幅は、約20mmである。
第2接着領域R2には、前脚回り弾性材5Fの後端部と、後脚回り弾性材5Rの前端部と、が配置されている。第2接着領域R2は、左右の脚回り弾性材に対してそれぞれ設けられており、幅方向に非連続的に配置されている。なお、第2接着領域R2は、幅方向に連続していてもよい。しかし、第2接着領域R2を非連続的に設けることにより、接着剤による外装体の硬化を抑制し、外装体の柔軟性を確保することができる。なお、第2接着領域の塗工パターンは、本実施の形態の形状に限られず、例えば、ストライプ状であってもよい。
前胴回り領域S1の第2接着領域R2は、前側外装トップシート70Fの後端部よりも前方に配置され、後胴回り領域S2の第2接着領域R2は、後側外装トップシート70Rの前端部よりも後方に位置する。第2接着領域R2と、前側外装トップシート70Fの後端部又は後側外装トップシート70Rの後端部との距離は、5mmである。
スロットコーター方式は、接触型の塗布方法であり、非接触型の塗布方法よりも塗布位置のずれが少ない。例えば、非接触型のスパイラル方式で接着剤を塗工すると、外装トップシートの端部付近の接着剤がはみ出して、製造上の不具合が発生するおそれがある。しかし、接触型のスロットコーター方式で塗工することにより、接着剤のはみ出しを防止することができる。このように、接触型の塗布方法を用いることにより、脚回り弾性材の切断箇所となる外装トップシートの端部近傍に接着剤を塗布し、切断箇所の近傍において脚回り弾性材を固定することができる。
弾性材接着領域R11は、脚回り弾性材が配置された全領域をカバーするように設けられており、脚回り弾性材全体を外装トップシートと外装バックシートとの間に接合するための接着剤が塗布されている。弾性材接着領域R11は、第2接着領域の上から接着剤が塗布されており、第2接着領域R2の一部に重なっている。
弾性材接着領域R11は、前側外装トップシート70F及び後側外装トップシート70Rに対して目付8g/m2でホットメルト型接着剤が塗布された領域である。弾性材接着領域R11には、スパイラル方式による非接触塗布にて接着剤が塗布されている。弾性材接着領域R11の塗工幅は、1つのノズル当り約18mmである。この塗工幅によって、幅方向に沿って前後方向に複数列塗工されている。
また、スパイラル方式でも上記例示したものよりも、振幅を狭くして1本当りの塗工幅を狭くし、かつ隣り合うスパイラルホットメルトの間隔を狭くした方式(マルチスパイラル方式)がある。このマルチスパイラル方式は、通常スパイラル方式よりも塗工長さ方向に対して、幅方向の塗工ズレが少なく、隙間ができにくいといった特長があり、本発明の重畳領域に使用すると、弾性部材端部の抜けを少なくし、弾性部材端部の位置をより安定させることができるといったメリットがある。重畳領域に使用するものとして、マルチスパイラル方式以外に、サミットノズル方式なども例示できる。
前胴回り領域S1の弾性材接着領域R11は、前側外装トップシート70Fの後端部よりも前方に配置され、後胴回り領域S2の弾性材接着領域R11は、後側外装トップシート70Rの前端部よりも後方に配置されている。弾性材接着領域R11と、前側外装トップシート70Fの後端部又は後側外装トップシートの後端部との距離は、10mmである。
スパイラル方式は非接触塗工であり、エアーの影響を受け易く、塗工位置がずれ易い。しかし、弾性材接着領域R11を、前側外装トップシート70Fの後端部又は後側外装トップシートの後端部から10mm離間させることにより、外装シートから接着剤がはみ出すことを抑制し、接着剤が着用者の肌につくといったトラブルや製造ライン中でのトラブルを抑制することができる。
また、弾性材接着領域R11は、前胴回り縁部4, 4’と、後胴回り縁部6,6’と接合される接合部11に重ならないように設けられている。例えば、接合部11に接着剤が塗布されていると、接合部11のシール強度(本実施形態ではソニックシール)が低下するおそれがあるためである。
更に、脚回り弾性材の伸長応力は、脚回り弾性材の全体にて均一ではなく、股下領域側の伸長応力が高く、前胴回り領域側(又は後胴回り領域側)の伸長応力が低くなるように構成されている。よって、脚回り弾性材の接合部側の端部の伸長応力は、比較的低く構成されている。
このように脚回り弾性材が配置されているため、弾性材接着領域R11を接合部11に重ならないように設けて、弾性材接着領域R11によって脚回り弾性材の接合部側の端部をカバーできない場合であっても、脚回り弾性材の接合部側の端部の抜けを防止できる。また、脚回り弾性材の接合部側の端部近傍には胴回り弾性材7Aが配置されているため、脚回り弾性材によって外装体1Bを十分に収縮できない場合であっても、胴回り弾性材によって外装体1Bを収縮できる。
図8(b)は、図2に示す展開図において、シート接着領域R12を示した図である。シート接着領域R12は、外装トップシートと外装バックシートとを接合するための接着剤が塗布されている。シート接着領域R12は、前側外装バックシート80F及び後側外装バックシート80Rに対して目付1.5g/m2でホットメルト型接着剤が塗布された領域である。
シート接着領域R12には、コントロールシーム方式による非接触塗布にて接着剤が塗布されている。コントロールシーム方式によれば、比較的細かい線径で面状に薄く塗工できる。よって、外装トップシート及び外装バックシートの風合いを保ちつつ、外装トップシートと外装バックシートとの間に大きな非接合部(浮いた状態)を設けず、見た目の良さを損なわないようにすることができる。また、コントロールシーム方式は、スパイラル方式と比べて、塗工ノズル(塗出口)ピッチを狭く構成でき、ノズル間からの塗布面に隙間ができにくいため、シート間の不規則な大きな浮きができず、見た目を良好にできる。このように、比較的薄く、かつ面状に接着剤を塗布する方法としては、Ω方式やサミットノズル方式を例示できる。
前胴回り領域S1のシート接着領域R12は、前側外装トップシート70Fの後端部よりも前方に配置され、後胴回り領域S2の弾性材接着領域R11は、後側外装トップシート70Rの前端部よりも後方に配置されている。シート接着領域R12と、前側外装トップシート70Fの後端部又は後側外装トップシート70Rの後端部との距離は、8mmである。
シート接着領域R12は、前胴回り縁部4, 4’と、後胴回り縁部6,6’と接合される接合部11に重なっている。シート接着領域R12は、上述のように弾性材接着領域R11と比較して接着剤の目付が低く、接合部11のシール強度に与える影響が少ないためである。なお、シート接着領域R12は、接合部11に重ならないように配置されていてもよい。
図8(c)は、外装センターシート100に接着剤が塗布されたセンター接着領域R3を示した図である。センター接着領域R3は、外装センターシート100と前側外装バックシート80F(又は後側外装バックシート80R)とを接合するための接着剤が塗布された領域と、外装センターシート100と前側外装トップシート70F(又は後側外装トップシート70R)とを接合するための接着剤が塗布された領域と、を含む領域である。本実施の形態においては、外装センターシート100は、センター接着領域R3を介して前側外装トップシート70Fの後端部と、後側外装トップシート70Rの前端部と、に接合されている。
センター接着領域R3は、外装センターシート100に対して目付8g/m2でホットメルト型接着剤が塗布された領域である。センター接着領域R3には、スロットコーター方式による接触塗布にて接着剤が塗布されている。外装センターシート100と、前側外装体又は後側外装体と、が重なる前後方向の長さ30mmに対して、センター接着領域R3の前後方向の長さは、20mmである。センター接着領域R3の前側及び後側のそれぞれに5mmずつ接着剤が塗布されていない非塗工領域がある。非塗工領域の前後方向の長さが5mmであり、使い捨ておむつ全体と比較して短い長さであるため、例えば、外装センターシート100の非塗工領域がめくれた場合であっても、見栄えを損なうことはない。特に、最も外側に外装センターシートが配置される場合に外装センターシートのめくれを抑制できる。
外装センターシート100のうち、前側外装バックシート80F(又は後側外装バックシート80R)に重なる領域は、第1接着領域と第2接着領域とが重なる重畳領域R4に重なる第3シート材として機能している。
本実施の形態では、接着剤としてベースポリマーが合成ゴム系(SIS)であるホットメルト接着剤を使用した。ベースポリマーがEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)であるEVA系、またはポリオレフィンなどであるオレフェフィン系のホットメルトを使用してもよい。しかし、接着力(タック力)と凝集力を兼ね備えたベースポリマーが合成ゴム系の接着剤が好適である。
また、弾性部材が天然ゴムや合成ゴムなどで扁平した形状の場合には、SEPS系など接着力に優れたものがよく、弾性部材がスパンデックスなどで接着面積が小さい場合には、凝集力の高いものがよく、合成ゴム系の中でもSISやSBSのものが望ましい。
次いで、図9に基づいて、弾性部材の接合状態について説明する。後脚回り弾性材5Rの前端部は、脚回り弾性材が切断される前の状態で後側外装トップシートの前端部及び前側外装バックシートの前端部に一致まで存在する。しかし、脚回り弾性材が切断されると、脚回り弾性材の伸長状態が解除される。後側外装トップシートの前端部及び前側外装バックシートの前端部には、第1接着領域及び第2接着領域が設けられてなく、後脚回り弾性材5Rの前端部が外装シートに接合されていないため、後脚回り弾性材5Rの前端部は、切断後に伸長方向の内側(本実施の形態における後方側)に収縮する。
収縮した後脚回り弾性材5Rの前端部51は、第1接着領域R1と第2接着領域R2とが重なる重畳領域R4において保持される。重畳領域R4は、第1接着領域と第2接着領域とが重なっており、接着剤の目付が(第1接着領域や第2接着領域よりも)高くなり、接着力が高い。よって、重畳領域R4において後脚回り弾性材5Rの前端部51の移動を抑制することができる。このように、後脚回り弾性材5Rの前端部51を重畳領域R4に配置することにより、意図した位置に脚回り弾性材を伸長状態で配置し、この弾性部材によって意図した領域の脚回り開口部近傍を収縮させることができる。よって、脚回りのフィット性を高める(ことができる。
このように、脚回り弾性材が配置された領域のうち、脚回り弾性材の収縮力が比較的高く作用する脚回り弾性材の端部(切断箇所となる端部)が配置される部分に、重畳領域R4を設けて接着剤の目付を高くすることにより、カットバックによる脚回り弾性材の移動を効果的に低減することができる。
なお、本実施の形態では、第1接着領域の目付よりも第2接着領域の目付よりも高く構成して、脚回り弾性材の切断される端部近傍の接着剤を高く構成している。しかし、第1接着領域の目付を第2接着領域の目付よりも高く構成してもよい。
また、重畳領域R4は、第1接着領域を構成する弾性材接着領域R11とシート接着領域R12のうち、少なくともいずれか一方と第2接着領域とが重なる領域であればよい。更に、第1接着領域は、弾性材接着領域R11とシート接着領域R12のいずれかのみによって構成されていてもよい。
外装トップシート、外装バックシート及び外装センターシートは、不織布によって構成されており、接着剤の目付が高すぎると、接着剤が透過して露出するおそれがある。しかし、重畳領域R4を覆うように外装センターシート100が配置されており、重畳領域R4のシートの層数は、第1接着領域R1における、外装センターシート100が重なる部分以外の第1接着領域R1のシート材層数よりも多い。よって、重畳領域R4の接着剤の目付が高く、接着剤がシート材から浸み出した場合であっても、カバー材としての外装センターシート100によって保護できる。したがって、接着剤が着用者の肌等に付着することを抑制でき、肌トラブル等を防止することができる。
また、接着剤を比較的多く塗布されたシート(例えば、重畳領域が設けられたシート)の外側にもう1枚シートを重ね合わせるように構成してもよい。重畳領域が設けられたシートの外方向にシートを設けることにより、風合いを柔らかくすることができる。なお、本実施の形態では、重畳領域を覆うように外装センターシートを設けているが、他のシート材を配置して、重畳領域を覆うようにしてもよい。
外装体1Bは、脚回り弾性材よって外装体が収縮する収縮領域R5と、収縮領域の収縮方向において収縮領域R5に隣接して配置され、かつ外装体が脚回り弾性材によって収縮しない非収縮領域R6と、を有している(図9参照)。非収縮領域は、収縮領域よりも、弾性部材が切断される外装体1Bの端部側に配置されている。
収縮領域R5とは、伸長固定した弾性部材の収縮によって、弾性部材と重なるシートの長さが収縮前に比べて短くなった状態の領域をいう。ここでいう収縮とは、繊維の長さが収縮前に比べて短くなった状態をいい、三次元的なコイル状の捲縮を発現して見掛けの繊維長さが短くなった状態も含む。なお、収縮領域は、実質的に伸縮性が発現する領域をいい、弾性部材が存在する領域であっても、例えば、ヒートシール等が施されて剛性が高くなることによって、実質的に伸縮性が発現しなくなっている領域は含まない。これに対して、非収縮領域R6とは、幅方向にも長手方向にも伸縮力を有さない領域をいう。非収縮領域の伸縮力は0(N/cm)である。収縮領域R5の非収縮領域側の端部とは、収縮領域R5と非収縮領域R6の境界である。
収縮領域R5の非収縮領域の境界は、例えば、見た目の収縮状態に基づいて判断することができる。具体的には、ギャザーの有無によって判断し、ギャザーが形成されない平らな状態の領域が非収縮領域であり、ギャザーが生じている領域が収縮領域である。ギャザーの端部が収縮領域と非収縮領域の境界となる。
また、収縮領域R5と非収縮領域R6の境界は、以下の2つの方法のいずれかによっても検出できる。
第1の検出方法は、長さに基づいて収縮領域R5と非収縮領域R6の境界を検出する。まず、収縮領域の端部と思われる箇所にマーキングする。力を加えないでサンプルを放置した状態で、マーキング位置より非収縮領域側に向けて、任意の長さで他方端をマーキングする。そして、マーキングした2点間の距離を測定する。この距離を自然長の距離Aとする。
次いで、マーキングした2点間を手で引っ張って伸長させて、マーキングした2点間の距離を測定する。この距離を伸長時の距離Bとする。
このとき、B>Aの関係を満たす場合は、測定した2点間は収縮領域に含まれていると判定する。
よって、収縮領域の端部と思われる箇所のマーキングの位置を修正し、非収縮領域側にずらした位置にマーキングし、再度測定する。
一方、測定の結果、B=Aの関係を満たす場合は、測定した2点間は非収縮領域に含まれていると判定する。
収縮領域R5と非収縮領域R6の境界を決めるために、収縮領域側にマーキングし、再度測定してみる。マーキングした2点間の距離が、自然状態の距離Aと、伸長状態の距離Bと、が同じ距離になる点を検出し、その点を収縮領域と非収縮領域の境界とする。
また、第2の検出方法は、応力に基づいて収縮領域R5と非収縮領域R6の境界を検出する。
1) 測定対象となるサンプルを用意し、見た目で収縮領域と非収縮領域の境界と思われる箇所(ギャザーの端部)を含むように、弾性部材及びそれに重なるシート部材を所定の寸法で採取する。サンプルの寸法は、例えば、幅を10mmとして、長さを自然長(伸長時長さ)で50mmに印をつけ、100mm長さを採取する。
2)上記サンプル50mmに印をつけた部分を引張試験機のチャック内に位置するように設定し、チャック間に挟んでセットする。
3)50mm長さの95%、すなわちチャック間が47.5mmになったときの応力値を求める。
4)収縮領域側の長さを短くなるように、サンプルのマーキング長さを短くし、その長さに対してチャック間が同様に95%になったときの応力値を求める。
5)上記応力がゼロになったときの収縮領域側のマーキング位置が、収縮領域と非収縮領域の境界となる。
なお、応力を測定するサンプルの幅及び長さは製品の状態により、適宜変更してもよい。
収縮領域R5の非収縮領域側の端部(収縮領域と非収縮領域との境界)が重畳領域にあるため、重畳領域が設けられた部分からシート材を収縮させることができ、意図した領域を収縮させることができる。例えば、非連続的にレッグギャザーを設ける場合において、非連続的に配置された脚回り弾性材の端部の抜けを抑えることができる。よって、配置した脚回り弾性材が有効に作用し、レッグギャザーを設けたい場所に最小必要限度の弾性材を配置して実現できる。更に、弾性部材を挟み込むシートも無駄にならないため、コストパフォーマンスに優れたギャザーを設けることができる。
(5)変形例
次いで、変形例に係る使い捨ておむつについて、図10〜図18を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態において、上述の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、変形例1に係る使い捨ておむつを示した図である。図11は、図10に示すX4-X’4線に沿った外装体の断面図である。変形例1に係る使い捨ておむつは、外装センターシート100を備えてなく、前側外装トップシート及び前側外装バックシートと、後側外装トップシート及び後側外装バックシートと、が吸収性本体1Aによって連結されている。
前脚回り弾性材5Fは、幅方向に連続して配置されており、後脚回り弾性材5Rは、非連続的に配置されている。脚回り開口部9及び後脚回り弾性材は、吸収性本体1Aよりも幅方向外側に位置しており、吸収性本体1Aに重なっていない。
変形例1に係る使い捨ておむつは、第3シート材として補助シートを備えている。補助シート101は、後側外装トップシートと後側外装バックシートとの間に配置されている。補助シート101は、目付13g/m2のSMS不織布によって形成されており、変形例1の外装トップシートは、目付18g/m2のスパンボンド不織布によって形成されており、外装バックシートは、目付16g/m2のスパンボンド不織布によって形成されている。
このように構成された使い捨ておむつの製造方法は、補助シート101又は外装バックシートに、補助シート101と外装バックシートとを接合するための補助シート接着領域R7を設ける。補助シート接着領域R7には、目付8g/m2でスロットコーター方式による接触塗工で接着剤が塗布されている。そして、補助シート101と外装バックシートとを接合する。
次いで、補助シート101と外装バックシートとを接合した複合シートの脚回り弾性材が配置される側の面に第2接着領域R2を設ける。第2接着領域R2には、目付10g/m2でスロットコーター方式による接触塗工で接着剤が塗布されている。複合シートの脚回り弾性材が配置される側の面に、弾性材接着領域R11を設けた後、脚回り弾性材を伸長状態で配置する。弾性材接着領域R11には、目付8g/m2でスパイラル方式による非接触塗工で接着剤が塗布されている。
また、外装トップシートに、外装トップシートと複合シートとを接合するためのシート接着領域R12を設ける。シート接着領域R12には、目付1.5g/m2でコントロールシーム方式による非接触塗工で接着剤が塗布されている。外装トップシートと複合シートとを重ねてプレスした後、外装トップシート及び複合シートからはみ出した脚回り弾性材を切断することにより、外装体を製造することができる。
更に、変形例1の使い捨ておむつは、吸収性本体よりも脚回り開口部が幅方向外側に位置するため、吸収性本体1Aを外装体1Bに貼り合せた後に、脚回り開口部を形成してもよい。
図12は、変形例2に係る使い捨ておむつを構成する外装体の断面図である。変形例1に係る使い捨ておむつは、外装トップシートと外装バックシートとの間に補助シート101が設けられているが、変形例2に係る使い捨ておむつは、外装トップシートよりも内方向に補助シートが配置されている。なお、補助シート101は、外装バックシートよりも外方向に配置されていてもよい。
補助シート101は、目付16g/ m2のスパンボンド不織布によって形成されており、外装トップシートは、目付15g/ m2のSMS不織布によって形成されており、外装バックシートは、目付16g/ m2のスパンボンド不織布によって形成されている。
このように構成された使い捨ておむつの製造方法は、外装トップシートに第2接着領域R2を設ける。第2接着領域R2には、目付20g/m2でスロットコーター方式による接触塗工で、ストライプ状に接着剤が塗布されている。第2接着領域R2は、2mm幅で5本設けられており、各第2接着領域R2の間は、2mmあいている。このように第2接着領域を設けることにより、3重にシートが重なる重畳領域の硬さを和らげることができる。
次いで、外装トップシートに弾性材接着領域R11を設けた後、脚回り弾性材を伸長状態で配置する。弾性材接着領域R11には、目付8g/ m2でスパイラル方式による非接触塗工で接着剤が塗布されている。
また、外装バックシートに、外装トップシートと外装トップシートとを接合するためのシート接着領域R12を設ける。シート接着領域R12には、目付1.5g/ m2でコントロールシーム方式による非接触塗工で接着剤が塗布されている。そして、外装トップシートと外装バックシートとを接合する。
そして、補助シート101に、補助シート101と外装トップシートとを接合するための補助シート接着領域R7を設ける。補助シート接着領域R7には、目付8g/m2でスロットコーター方式による接触塗工で接着剤が塗布されている。そして、補助シート101と外装トップシートとを接合する。
図13は、変形例3に係る使い捨ておむつの展開平面図である。変形例1の使い捨ておむつと比較して、後脚回り弾性材が異なっている。変形例3の後脚回り弾性材5Rの前胴回り領域側の端部は、後側外装トップシートの前端部及び後側外装バックシートの前端部に配置されていなく、幅方向中央側の吸収性本体の側部に配置されている。
このような後脚回り弾性材を配置する方法は、例えば、左側の脚回り弾性材と右側の脚回り弾性材とを連続した状態で配置し、製品中央部において後脚回り弾性材を切断する。図13に切断箇所Cを模式的に示す。製品中央部で切断された後脚回り弾性材5Rは、幅方向外側に収縮して、左右の後脚回り弾性材が離間して配置される。
予め、吸収性本体の両側部に第2接着領域R2を設け、脚回り弾性部材が配置される領域に第1接着領域R1を設け、かつ第1接着領域と第2接着領域とが重なる重畳領域R4を被覆するように、外装トップシートの内方向に補助シート101を配置する。このように、第1接着領域R1、第2接着領域R2及び補助シート101を設けることにより、カットバックした弾性部材を重畳領域にて保持し、意図した領域に伸長状態の弾性部材を配置することができる。
図14は、変形例4に係る使い捨ておむつの図2に示すX3-X’3線を基準とした模式断面図である。変形例4に係る使い捨ておむつは、実施の形態に係る使い捨ておむつに対して、後脚回り弾性材5Rの前端部51の位置が異なっている。
変形例4に係る使い捨ておむつの後脚回り弾性材5Rの前端部51は、重畳領域R4に配置されてなく、重畳領域R4よりも前方に位置している。しかし、後脚回り弾性材5Rの前端部51は、接着剤によって後側外装トップシート等に確実に接着されてなく、後脚回り弾性材5Rは、前端部51から一定の領域において、非伸長状態である。よって、後脚回り弾性材5Rによる収縮領域R5の非収縮領域R6側の端部は、後脚回り弾性材5Rの前端部51よりも後方であり、重畳領域R4の前端部と一致している。
なお、変形例4に係る使い捨ておむつは、収縮領域R5の非収縮領域R6側の端部が重畳領域R4の前端部と一致しているが、この構成に限られない。例えば、収縮領域R5の非収縮領域R6側の端部が、重畳領域R4内に配置されていてもよい。また、後脚回り弾性材5Rの前端部51は、重畳領域よりも外方(図14に示す前方)、かつ第2接着領域R2と重なる領域内に配置されていてもよいし、重畳領域よりも外方、かつ第2接着領域R2と重ならない領域内に配置されていてもよい。
図15は、変形例5に係る使い捨ておむつの図2に示すX3-X’3線を基準とした模式断面図である。変形例5に係る使い捨ておむつは、実施の形態に係る使い捨ておむつに対して、後脚回り弾性材5Rの前端部51の位置、及び後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの位置関係が異なっている。
変形例5に係る使い捨ておむつの後脚回り弾性材5Rの前端部51は、第2接着領域R2の前後方向端部と一致している。しかし、後脚回り弾性材5Rの前端部51は、接着剤によって後側外装トップシート等に確実に接着されていなく、後脚回り弾性材5Rは、前端部51から一定の領域において、非伸長状態で配置されている。よって、後脚回り弾性材5Rによる収縮領域R5の非収縮領域R6側の端部は、後脚回り弾性材5Rの前端部51よりも後方であり、重畳領域R4の前端部よりも後方に位置する。すなわち、後脚回り弾性材5Rによる収縮領域R5の非収縮領域R6側の端部は、重畳領域R4内に位置する。
また、変形例5に係る後側外装バックシート80Rの前端部は、後側外装トップシート70Rの前端部よりも前方に位置する。後側外装バックシート80Rの前端部が、後側外装トップシート70Rの前端部よりも前後方向外側(図15に示す前側)に位置しているため、後側外装トップシート70Rの前端部近傍に塗布された第2接着領域R2の前端部が、後側外装バックシート80Rの前後方向外側にはみ出すことを防止できる。例えば、製造時に、後側外装トップシート70Rの位置がずれたり、後側外装バックシート80Rの位置がずれたり、第2接着領域の位置がずれたりした場合であっても、第2接着領域を後側外装バックシート80Rによって覆うことができ、接着剤が露出することを防止できる。
なお、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rとの間の接着剤の露出を防ぐ観点から、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rのうち、外方向OUTに位置するシート材の端部を内方向INに位置するシート材の端部よりも延出して配置することが望ましい。しかし、変形例として、内方向INに位置するシート材の端部を外方向OUTに位置するシート材の端部よりも延出して配置してもよい。
また、第2接着領域R2は、第1接着領域R1よりも目付が高く、接着剤がはみ出しやすい。よって、第2接着領域R2の接着剤の露出を防ぐ観点から、シート材の端部側に塗布する接着剤(第2接着領域R2を構成する接着剤)を配置するシート材を、他のシート材よりも前後方向内側に配置することが望ましい。
また、後側外装トップシート70Rの前端部と後側外装バックシート80Rの前端部との距離L1は、0〜15mmが望ましい。例えば、後側外装トップシート70Rの前端部と後側外装バックシート80Rの前端部の距離L1が長すぎると、後側外装トップシート70Rと後側外装バックシート80Rが積層する領域が短くなり、脚回り弾性材が露出するおそれがある。
実施形態のように、外装体を構成するシート材の端部に沿って弾性部材を切断する構成のみならず、外装体の端部以外の部分で弾性部材を切断する形態においても適用することができる。
図16〜18は、変形例6に係る吸収性物品としての使い捨ておむつを示した図である。図16は、変形例6に係る使い捨ておむつの展開平面図である。変形例6に係る使い捨ておむつは、吸収性本体1Aと、吸収性本体1Aよりも外方向に配置される外装体1Bと、を備える。使い捨ておむつは、着用者の股間部に当てられる股下領域S3と、股下領域の前方に配置される前胴回り領域S1と、股下領域の後方に配置される後胴回り領域S2と、を備える。吸収体40は、吸収体40の幅方向中心よりも幅方向両外側に位置し、かつ吸収体が外方向に凸に曲がることができるように形成された一対の曲部を有している。
曲部は、長手方向に沿って形成された圧搾部47である。圧搾部は、吸収体を厚み方向に圧縮されて形成されている。なお、本実施の形態の曲部は、圧搾部によって構成されているが、吸収体に形成されたスリット(例えば、サイドスリット46)によって構成されていてもよい。また、吸収体40は、一対の圧搾部47間に配置され、曲部を有しない中央吸収部を有する。中央吸収部は、吸収体40の圧搾部47の間の領域であり、曲部を構成する圧搾部及びスリットが形成されていない領域である。
一対の曲部は、吸収体が外方向に変形した際に着用者の臀部を覆うように変形させる変形基点となるため、着用者の臀部の窪んでいる位置よりも幅方向外側に位置することが望ましい。また、一対の曲部間の距離(中央吸収部の幅方向における長さ)は、後述する便の収容空間等に応じて適宜設定することができ、本実施の形態では、50mmである。
外装体1Bには、複数の弾性部材としての後脚回り弾性材5Rが配置されている。後脚回り弾性材5Rは、幅方向に延びる直線状の直線部52と、直線部52よりも幅方向両外側に位置し、かつ幅方向内側から幅方向外側に向かって前後方向内側である前側から前後方向外側である後側に延びる曲線状の曲線部53と、を有する。直線部52は、胴回り弾性材に沿って配置されている。曲線部は、脚回り開口部9に沿って配置されている。
後脚回り弾性材5Rの直線部52は、吸収体の圧搾部47に重なっている。直線部52と圧搾部47は、厚み方向において重なっている。なお、直線部52と圧搾部47とが重なっている状態とは、直線部52と圧搾部47とが接した状態で重なっている状態のみならず、本実施の形態のように、後側外装トップシート70R等、他の部材を介して重なっている状態も含む概念である。
後脚回り弾性材5Rの曲線部53は、吸収体40よりも幅方向外側に配置されている。後脚回り弾性材5Rの曲線部53は、吸収体と厚み方向において重ならないように配置されている。
後脚回り弾性材5Rの曲線部53の伸長率は、後脚回り弾性材5Rの直線部52の伸長率よりも高い。ここでいう伸長率とは、使い捨ておむつの伸長させた伸長状態における伸長率でSある。伸長率は、例えば、以下の方法によって測定できる。
弾性部材を100%伸長させた状態で製品を固定し、直線部(インナー幅方向両端部間)及び曲線部(係止の内側から前記インナー幅方向両端部)の寸法を測定する(この寸法をIとする)。前記記載した直線部及び曲線部の端部に印を入れた後、弾性部材部分をカットする。ホットメルト等の付着物を完全に取り除いた後、ものさしにて非伸長状態の弾性部材を真直ぐに置いた状態で寸法を測定する(この寸法をIIとする)。I/IIの計算値を伸長率とする。
具体的には、直線部の伸長率は、1.2〜1.6倍であり、曲線部の伸長率は、2.1〜2.5倍である。
このように構成された使い捨ておむつは、着用者に着用された状態で、着用者の脚によって吸収体がはさまれることにより、吸収体40の一対の圧搾部47を介して吸収体40が外方向に変形する。吸収体40が圧搾部47を起点に変形するため、圧搾部47間の吸収体が着用者の股間部に対向して配置される。このとき、吸収体40の圧搾部47間は、曲部が形成されていない中央吸収部であるため、圧搾部47間の中央吸収部は、変形基点となり難い。よって、着用者の股間部の下方に股間部と離間して平面状態の吸収体が配置され、着用者の下方に便等の収容空間を形成できる。
また、一対の圧搾部に直線部が重なっているため、直線部の収縮により一対の曲部間の距離が短くなり、着用者の股間部に対向して配置される空間の幅方向長さが短くなる。吸収体の幅は、股間部に対向する領域からその前後方向に向かって広がる。よって、吸収体が股下から前後方向外側に向かって幅方向内側から幅方向外側に広がるお椀形状となる。お尻等の身体の丸みに沿って吸収体を配置できる。
更に、直線部よりも曲線部の伸長率が高いため、吸収体よりも幅方向外側に位置する外装体及び吸収性本体が収縮し易くなる。吸収体よりも幅方向外側の領域が収縮することにより、吸収体を引き上げ易くなり、吸収体を着用者の身体に沿って配置できる。
例えば、吸収体と重なって配置される弾性部材(本実施の形態においては、後脚回り弾性材5R)の伸長率が比較的高いと、脚回り弾性材の収縮によって吸収体が意図しない状態で変形することがある。吸収体は、着用者に当たる部分であり、吸収体に意図しない凹凸が形成されると、吸収体と身体とが点であたりやすくなり、吸収体のあたる部分とあたらない部分の感触に差が発生し、不快感が発生してしまう。また、意図しない凹凸が吸収体の表面に形成されると、身体に沿って配置される部分が一定に形成されず、便を収容する空間がなくなってしまい、便漏れが発生しやすくなることがある。
また、吸収体に圧搾部等の曲部を形成することにより、意図した位置で吸収体を変形させることができる。しかし、吸収体が身体に対して密着していない場合には、着用者が歩くなどの動作をした際に、吸収体と体との間に隙間が更に生じ、脚に吸収体が当たり、不快感が生じ易くなる。さらに、吸収体が身体に対して密着していない場合には、着用者に長時間装着された状態されると、使い捨ておむつがずれ落ちることがあり、隙間の発生による漏れが生じ易くなる。
このような問題に対して、変形例6に係る吸収性物品によれば、曲部である圧搾部47を介して吸収体を意図した状態に変形させて、着用者の下方に便を収容する空間を形成できる。更に、吸収体の圧搾部に重なる後脚回り弾性材5Rの伸長率が比較的低いため、吸収体に意図しない凹凸が形成されることを抑制し、吸収体を着用者の身体に沿って配置できる。
次いで、図17及び図18に基づいて、変形例6に係る使い捨ておむつの装着時の変形態様について説明する。図17は、変形例6に係る使い捨ておむつの伸長状態を示しており、(a)は、図16に示すX5-X’5線の断面図であり、(b)は、図16に示すX6-X’6線の断面図である。図18は、変形例6に係る使い捨ておむつの自然状態を示しており、(a)は、図16に示すX5-X’5線の断面図であり、(b)は、図16に示すX6-X’6線の断面図である。
なお、伸長状態とは、使い捨ておむつを構成する表面シート10や外装トップシート等の皺が目視にて視認できない状態まで、脚回り弾性材や腰回り弾性材を伸長させた状態である。また、自然状態とは、使い捨ておむつを、20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において24時間放置した状態である。
使い捨ておむつを伸長させた伸長状態では、使い捨ておむつの後脚回り弾性材5R等の弾性部材が伸長されており、外装体1Bや吸収体40等は弾性部材によって収縮していない。よって、X5-X’5線の断面図における圧搾部47間の距離D1と、X6-X’6線の断面図における圧搾部47間の距離D2とは、同じ長さである。
一方、使い捨ておむつの自然状態では、使い捨ておむつは、後脚回り弾性材5R等の弾性部材によって収縮する。着用時は、使い捨ておむつは、自然状態よりも伸長状態に近くなる。吸収体40は、後脚回り弾性材によって収縮し、X5-X’5線の断面図における圧搾部間の距離D1は、X6-X’6線の断面図における圧搾部47間の距離D2よりも短くなる。このとき、吸収体40は、圧搾部47を起点に変形した状態で幅方向に収縮するため、吸収体は、着用者の臀部の丸みに沿って曲線状に変形する。更に、吸収体よりも幅方向外側に位置する脚回り弾性材5Rの曲線部53の伸長率が、吸収体と重なる脚回り弾性材5Rの直線部52の伸長率よりも高いため、吸収体40よりも幅方向外側において使い捨ておむつがより収縮する。よって、吸収体よりも幅方向外側に位置する外装体が着用者の身体に密着し、着用者の臀部を覆うように使い捨ておむつが装着される。
また、着用者の身体と接する吸収体は、比較的伸長率が低い直線部と重なっているため、変形し難い。また、吸収体よりも幅方向外側は、比較的伸長率の高い曲線部が配置されているため、吸収体が配置された領域よりも収縮し易い。曲線部は、後方に向かって幅方向外側に向かって配置されており、着用された状態で脚回りの後部を後側に引き上げるように作用する。よって、着用された状態で、使い捨ておむつには、吸収体を斜め上に引き上げる力が作用し、吸収体が身体に密着する。吸収体よりも幅方向外側の領域が使い捨ておむつ全体を引き上げることにより、着用者の身体に沿って吸収体が配置され、歩行時に吸収体が変形し難くなり、吸収体が両足間に当たることによる不快感や吸収体のよれを防止することができる。
また、脚回り弾性材5Rによって使い捨ておむつ全体を引きあげる力が作用するため、吸収体の幅方向の位置ずれを防止し、吸収体の幅方向端部が脚の付け根に食い込むことを抑制することができる。
なお、脚回り弾性材は弾性力が強すぎると、着用者への刺激が強く、肌荒れや赤みが発生してしまうおそれがある。一方で脚回り弾性材の弾性力が弱すぎると、上述の引き上げる力が弱く、使いにくくなったり、体に密着しにくくなったりするため、470dtex〜940dtexを使用することが好ましく、脚回り弾性材の本数は、2〜4本が好ましい。
更に、直線部52は、吸収体の前後方向中心よりも後方において吸収体に重なるため、着用者の臀部に当たる領域の吸収体をお椀状に変形できる。よって、臀部の丸みにそって吸収体を配置できる。
吸収体は、吸収体の幅方向の長さが吸収体の前後方向中央部から前後方向外側に向かって長くなる傾斜領域48を有している。後脚回り弾性材5Rの直線部52は、吸収体の傾斜領域48に重なる。傾斜領域は、吸収体の幅方向外側端部のうち、吸収体の幅方向の長さが前後方向外側(前側及び後側)に向かって長くなる領域である。図16において、傾斜領域を一点鎖線で囲んで示す。
吸収体は、吸収体の長手方向中心に位置する最狭領域、吸収体の長手方向の両端部に位置する最広領域、及び傾斜領域から構成されている。尻側の傾斜領域は、最狭領域及び最広領域の間に位置する。仰向け寝や横寝時における横漏れは、傾斜領域から尿が出るものが多い。更に、傾斜領域に皺やたくれが発生すると、吸収体が体に沿わない形状になり、横漏れが更に生じ易くなる。しかし、後脚回り弾性材5Rの直線部52が吸収体の傾斜領域48に重なっているため、後脚回り弾性材5Rの直線部52を引っ張ることにより、吸収体の傾斜領域の皺を取ることができる。特に、着用者が自ら装着せずに、介護者が装着させる際に、後脚回り弾性材5Rの直線部52を引っ張って、吸収体の皺やたくれを容易に取ることができる。吸収体の皺やたくれを低減することにより、体液の漏れを軽減させることができる。
なお、変形例6の使い捨ておむつは、弾性部材としての後脚回り弾性材5Rが直線部及び曲線部を有し、かつ曲部に跨って配置されているが、弾性部材としての前脚回り弾性材5Fが直線部及び曲線部を有し、かつ曲部に跨って配置され、着用者の前側に配置される部分がお椀状に変形するように構成されていてもよい。
次いで、図19に基づいて、変形例7に係る吸収性物品としての使い捨ておむつについて説明する。変形例7に係る使い捨ておむつは、圧搾部47が長手方向に対して傾斜している。一対の圧搾部47間の距離は、圧搾部の前後方向内側(前側)よりも圧搾部の前後方向外側(後側)の方が長い。このように圧搾部47が前後方向外側に向かって広がる形状であるため、吸収体が脚回り弾性材5Rによって変形した際に、吸収体の前側における圧搾部間の距離を吸収体の後側における圧搾部47間の距離よりも短くでき、より股下領域から後胴回り領域に向かって広がるお椀状に使い捨ておむつを変形できる。
また、変形例6及び変形例7に係る吸収体は、前後方向中心から前後方向外側に向かって幅方向の長さが長くなる砂時計形状であるが、吸収体の形状は、これに限定されない。例えば、吸収体の幅方向の長さが一定であってもよい。
変形例6及び変形例7に係る吸収体の曲部は、圧搾部によって構成されているが、スリットによって曲部を構成してもよい。例えば、吸収体40の厚みが比較的薄い場合には、吸収体に圧搾部47を形成することにより、圧搾部47が形成された領域と周囲の領域との間に剛性差が生じ、圧搾部を基点として吸収体を変形させることができる。また、吸収体40の厚みが比較的厚い場合には、圧搾部の深さを深く形成する必要がある。
一方、曲部としてスリットを用いる場合は、スリットを基点として吸収体を変形させることができる。スリットは、圧搾部よりも吸収体の厚みに起因せずに設置できる。しかし、スリットを形成した部分には吸収性材料であるパルプ等が配置されていないため、スリットを伝って尿が流れてしまうことがある。特に横寝、仰向き寝の状態では、排尿点から尿がスリットを流れてしまうと、尿が流れる方向が重力方向となるため、スリット上で流速が早くなり、漏れが発生し易くなる。よって、着用者の姿勢によらず、漏れ難くする観点によれば、スリットよりも圧搾部を形成することが好ましい。
(6)その他の実施の形態
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施の形態では、パンツ型の使い捨ておむつとして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、オープン型の使い捨ておむつ、失禁用パッド及び生理用ナプキンなどに適用してもよい。
上述の実施形態では、弾性部材として脚回り弾性材を挙げて説明したが、本発明における弾性部材は、レッグサイドギャザーを構成する弾性部材等の他の弾性部材において適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、外装センターシートや補助シートが第3シート材として機能しているが、吸収性本体の一部が第3シート材として機能してもよい。
また、上述した実施形態では、後脚回り弾性材5Rと、後脚回り弾性材を挟んで配置される後側外装トップシート70R及び後側外装バックシート80Rを例示して説明しているが、本発明は、当該実施形態に限られず、前脚回り弾性材5Fと、前脚回り弾性材を挟んで配置される前側外装トップシート70F及び前側外装バックシート80Fに適当可能である。この場合、弾性部材の端部は、前脚回り弾性材5Fの後端部であり、収縮領域の非収縮領域側の端部は、前胴回り領域における収縮領域の後端部である。
上述した実施の形態では、前後方向に連続した吸収性本体を切断した後、90度方向転換して外装体1Bに貼付するように構成しているが、この構成に限定されない。
本実施の形態では、吸収体40は、第1層41と第2層42との2層構造であるが、本発明に係る着用物品の吸収体40は、第1層のみであってもよいし、3層以上で構成されていてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。