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JP6383940B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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JP6383940B2 JP2014043541A JP2014043541A JP6383940B2 JP 6383940 B2 JP6383940 B2 JP 6383940B2 JP 2014043541 A JP2014043541 A JP 2014043541A JP 2014043541 A JP2014043541 A JP 2014043541A JP 6383940 B2 JP6383940 B2 JP 6383940B2
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Description

本発明は、ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置に関する。
従来、この種のモータ駆動装置では、例えば特許文献1に開示されたように、モータの還流電流により位置検出が正確に取れなくなるのを防ぐため、還流電流による発生するスパイク電圧を検出したときにマスク信号を生成し、あらかじめ定めた時間経過によって解除して位置を検出しながら駆動している。
図9はスパイク電圧のマスク期間をあらかじめ定めた時間によって設定する第二の従来のモータ駆動装置のブロック図を示す。図9に示すように交流電源301は整流平滑部302の302(a)〜302(d)によって整流される。その後302eによって平滑され、インバータ303に入力する。インバータ303は、6個のスイッチング素子を3相ブリッジ接続することにより構成される。インバータ303は直流電力を所定の周波数の交流電力に変換し、ブラシレスDCモータ304に入力する。位置検出部305はブラシレスDCモータに流れる3相の電流のうち1相の電流を検出し、検出した電流値に応じて、位置検出マスク時間設定部306によって位置検出マスク時間が設定される。
位置検出部305は、インバータ303の出力端子の電圧に基づき、ブラシレスDCモータ304の回転により発生する誘起電圧の情報を取得する。この情報を基に位置検出部305は、ブラシレスDCモータ304の回転子304aの相対位置を検出する。ただし、位置検出マスク時間設定部306によって設定されたマスク時間が終了するまで誘起電圧の情報は取得しない。位置検出部305で検出した相対位置により、通電巻線切換部307では通電相の切り替えを行い、通電巻線切換部307が決定した通電相に基づきドライブ部308がインバー303のスイッチング素子304a〜304fを駆動する。
特開平10−028395号公報
しかしながら上記従来の構成は、時間によってマスク期間が決定されるため、モータの電流が急激に変化する場合はスパイク幅が変動するため、あらかじめ設定されたマスク期間では対応できず、位置検出が不正確となり電流に乱れが発生し、モータの効率が低下するなどの課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、モータ電流の急激な変化に対しても安定した電流波形で駆動し、高効率な運転を可能にするモータ駆動装置を提供する。
本発明のモータ駆動装置は、交流電源と、前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路からの出力を平滑する平滑部と、スイッチング素子と還流電流用ダイオードで構成され前記平滑部より得られる直流を交流に変換するインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するブラシレスDCモータと、前記還流電流用ダイオードに電流が流れている間に端子電圧に発生するスパイク電圧を検出し前記ブラシレスDCモータの端子電圧に現れる誘起電圧から回転子の回転位置を検出する端子電圧検出部と、前記インバータが前記ブラシレスDCモータに供給する電力の供給タイミングを前記端子電圧検出部の情報に基づき通電角が120度以上150度以下の矩形波で前記インバータに出力するドライブ部を有するモータ駆動装置において、前記ドライブ部は、スパイク電圧が発生している期間に対し閾値を定め、この閾値よりも長くスパイク電圧が発生した場合は、前記閾値のタイミングを矩形波の通電を切り替える基準となる前記回転子の位置を検出したものとみなし、誘起電圧から回転子の基準となる位置検出したときと同様の矩形波を前記ドライブ部から前記インバータに出力するもので、前記閾値は、60degより長く設定し、前記閾値を超過した際の次回の閾値を60degより短く設定する。
かかる構成によれば、スパイク電圧が確実に終了した後に位置検出を行うため、電流の急激な変化に対しても、誘起電圧とスパイク電圧を分けることができ、モータ位相の遅れやスパイク電圧を誘起電圧が閾値を超過した状態と誤検出することなく、正確な位置検出を行うことで安定した電流波形で駆動する。また、スパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間を60deg相当より長く設定すれば、より幅広い速度変動や電流変動に対応が可能となる。ただし、次回のスパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間は60degより短くし遅れ位相の可能性に対して進角を進み側に変更する。
本発明のモータ駆動装置は、電流の急激な変化が起きた場合であっても、正確な位置検出を行い安定した電流波形で駆動し、高効率な運転が可能となるモータ駆動装置を提供できる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 同実施の形態における駆動信号波形を示すタイミング図 同実施の形態における駆動信号と電流波形の関係を示す波形図 同実施の形態における電流経路を示す経路図 従来のモータ駆動装置の母線電圧波形を示す波形図 同実施の形態における母線電圧波形を示す波形図 同実施の形態における誘起電圧0クロスが検出可能な端子電圧波形を示す波形図 同実施の形態における誘起電圧0クロスが検出不可能な端子電圧波形を示す波形図 同実施の形態におけるブラシレスDCモータの要部断面図 従来のモータ駆動装置のブロック図
交流電源と、前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路からの出力を平滑する平滑部と、スイッチング素子と還流電流用ダイオードで構成され前記平滑部より得られる直流を交流に変換するインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するブラシレスDCモータと、前記還流電流用ダイオードに電流が流れている間に端子電圧に発生するスパイク電圧を検出し前記ブラシレスDCモータの端子電圧に現れる誘起電圧から回転子の回転位置を検出する端子電圧検出部と、前記インバータが前記ブラシレスDCモータに供給する電力の供給タイミングを前記端子電圧検出部の情報に基づき通電角が120度以上150度以下の矩形波で前記インバータに出力するドライブ部を有するモータ駆動装置において、前記ドライブ部は、スパイク電圧が発生している期間に対し閾値を定め、この閾値よりも長くスパイク電圧が発生した場合は、前記閾値のタイミングを矩形波の通電を切り替える基準となる前記回転子の位置を検出したものとみなし、誘起電圧から回転子の基準となる位置検出したときと同様の矩形波を前記ドライブ部から前記インバータに出力するもので、前記閾値は、60degより長く設定し、前記閾値を超過した際の次回の閾値を60degより短く設定するため、電流の急激な変化に対しても、位置検出とスパイク電圧を分けることができ、モータ位相の遅れやスパイク電圧を誘起電圧と誤検出することなく、正確な位置検出を行うことで安定した電流波形で駆動することとなり、電流の急激な変化が起きた場合であっても、正確な位置検出を行い安定した電流波形で駆動し、高効率な運転が可能なモータ駆動装置を提供できる。
また、特に第1の発明の前記ドライブ部はスパイク電圧が発生している期間に対し閾値を定め、この閾値よりも長くスパイク電圧が発生した場合は、前記閾値のタイミングを矩形波の通電を切り替える基準となる前記回転子の位置を検出したものとみなし、誘起電圧から回転子の基準となる位置を検出したときと同様の矩形波を前記ドライブ部から前記インバータに出力するとしたことで、スパイク電圧によって、誘起電圧が隠れてしまうような負荷の大きな状態であっても、適切なタイミングで転流を行うことができ、安定した駆動を行うことができる。また、スパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間を60deg相当より長く設定すれば、より幅広い速度変動や電流変動に対応が可能となる。ただし、次回のスパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間は60degより短くし遅れ位相の可能性に対して進角を進み側に変更する。
の発明は、特に第1の発明の前記平滑部は前記交流電源の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を決定した小容量のコンデンサとリアクタで構成されるとしたことにより、モータ駆動装置は小型となり、前記交流電源の略2倍の周期で前記モータに流れる電流が大きく脈動しスパイク電圧幅が大きく変動することとなっても、スパイク電圧が消失するのを検出し、正確な位置検出が可能となるため、安定して駆動可能な小型のモータ駆動装置を提供することができる。
の発明は、特に第1または第2の発明のブラシレスDCモータはレシプロ圧縮機を駆動させる動力とするものである。往復運動を行うレシプロタイプは、冷媒の圧縮工程と吸入工程で負荷が大きく異なり、それに合わせて電流および速度が変動するが、スパイク電圧の消失を待って位置検出を行うことにより、圧縮機の圧縮および吸入工程でも適切に前記ブラシレスDCモータの回転子の位置を検出することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図である。図1において、交流電源1は一般的な商用電源で、日本においては実効値100Vの50または60Hzの電源である。モータ駆動装置22は、交流電源1に接続され、ブラシレスDCモータ5を駆動する。以下、モータ駆動装置22について説明する。
整流回路2は、交流電源1を入力として交流電力を直流電力に整流するものであり、ブリッジ接続された4個の整流ダイオード2a〜2dで構成される。
平滑部3は整流回路2の出力側に接続され、整流回路2の出力を平滑する。平滑コンデンサ3eと、リアクタ3fとから構成される。平滑部3からの出力はインバータ4に入力される。
また、平滑コンデンサ3eとリアクタ3fは、共振周波数が交流電源周波数の40倍より高い周波数になるように設定される。これによって、共振周波数による電流は電源高調波規制の範囲外となり、高調波電流を低減することができる。また、平滑コンデンサ3eをこのような値とすることで、母線電圧は大きなリプル成分を含み、交流電源1から平滑コンデンサ3eに流れる電流も交流電源1の周波数成分に近い電流となるため高調波電流を低減することができる。
なお、リアクタ3fは、交流電源1と平滑コンデンサ3eの間に挿入するため、整流ダイオード2a〜2dの前後どちらでも構わない。更にリアクタ3fは、高周波除去手段を構成するコモンモードフィルタを回路に設けた場合、高周波除去手段のリアクタンス成分との合成成分を考慮する。
インバータ4は、平滑部3からの電圧に交流電源1の電源周期の2倍周期で大きなリプル成分を含んだ直流電力を交流電力に変換する。インバータ4は、6個のスイッチング素子4a〜4fを3相ブリッジ接続して構成される。また、6個の還流電流用ダイオード4g〜4lは、各スイッチング素子4a〜4fに、逆方向に接続される。
ブラシレスDCモータ5は、永久磁石を有する回転子5aと、3相巻線を有する固定子5bとから構成される。ブラシレスDCモータ5は、インバータ4により作られた3相交流電流が固定子5bの3相巻線に流れることにより、回転子5aを回転させる。
端子電圧検出部6は、本実施の形態においてはブラシレスDCモータ5の端子電圧を取得する。還流電流が流れている間、端子電圧はインバータ4の直流母線電圧のP側またはN側と還流電流用ダイオード4g〜4lの電圧降下分だけ電位差を持って張り付くことになるので、端子電圧検出部6が端子電圧を取得することで、還流電流が流れている状態のスパイク電圧の発生有無を検出することができる。一方で、ブラシレスDCモータ5の回転子5aの磁極相対位置を検出する。具体的には、位置検出部は、固定子5bの3相巻線に発生する誘起電圧に基づいて、回転子5aの相対的な回転位置を検出している。
また、スパイク電圧と誘起電圧のゼロクロスの基準となる電圧は3相分の端子電圧から仮想中点を作っても良いし、直流母線電圧を取得しその電圧としても良い。本実施の形態では仮想中点とする。
ドライブ部7は端子電圧検出部6で検出された情報からスパイク電圧が消失し、誘起電圧から検出されるブラシレスDCモータの回転子5aの位置に基づき、インバータ4がブラシレスDCモータ5の3相巻線に供給する電力の供給タイミングとPWM制御するドライブ信号を出力する。具体的にはドライブ信号は、インバータ4のスイッチング素子4a〜4fをオンまたはオフ(以下、オン/オフと記す)する。これにより、固定子5bに最適な交流電力が印加され、回転子5aが回転し、ブラシレスDCモータ5が駆動される。
また、ドライブ部7では端子電圧検出部6で検出した位置の変化の速度からブラシレスDCモータの駆動速度を推定する。この推定した速度を元にスパイク電圧が発生または予め定めておいた誘起電圧の特定の位置を検出してから所定の時間経過してもなお、スパイク電圧の消失が検出されなかった場合、位置検出が発生したとみなしインバータ4がブラシレスDCモータ5の3相巻線に供給する電力の供給タイミングを指示するドライブ信号を出力する。PWMデューティ幅は位置情報から計算した速度情報と目標速度の差分から決定する。
次に、本実施の形態におけるモータ駆動装置22を用いた電気機器について説明する。電気機器の一例として、冷蔵庫21について説明する。
冷蔵庫21には圧縮機17が搭載されているが、ブラシレスDCモータ5の回転子5aの回転運動は、クランクシャフト(図示せず)により、往復運動に変換される。クランクシャフトに接続されたピストン(図示せず)は、シリンダ(図示せず)内を往復運動することにより、シリンダ内の冷媒を圧縮する。つまり、ブラシレスDCモータ5と、クランクシャフト、ピストン、シリンダにより、圧縮機17が構成される。
圧縮機17の圧縮方式(機構方式)は、ロータリー型やスクロール型など、任意の方式が用いられる。本実施の形態においては、レシプロ型の場合について説明する。レシプロ型の圧縮機17は吸入と圧縮の工程でのトルク変動が大きく、速度および電流値が大きく変動するため、スパイク幅を速度や転流前の電流などで一律に推定することが困難である。
圧縮機17で圧縮された冷媒は、凝縮器18、減圧器19、蒸発器20を順に通って、再び圧縮機17に戻るような冷凍サイクルを構成する。この時、凝縮器18では放熱を、蒸発器20では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。この冷凍サイクルを搭載して冷蔵庫21が構成される。ここで、別な電気機器の例としては、送風機があり、ブラシレスDCモータ5が駆動する送風機のファンを備えたものがある。
以上のように構成されたモータ駆動装置22について、その動作を説明する。まず、駆動信号とPWM出力する相の決定に関して説明する。図2は電気角1周期の本実施の形態
におけるインバータ4の駆動信号波形を示すタイミング図である。
図2において、それぞれの波形はスイッチング素子4a、4c、4e、4b、4d、4fをオン/オフするためのドライブ信号で、スイッチング素子4a〜4fは駆動信号がハイのときにスイッチング素子をオンさせるアクティブハイの素子である。スイッチングアーム決定部10では図2に示すように、30degを基準に60degごとにPWM出力する側のアームを切り換えるように予めテーブルを持っている。上アームがPWM出力する位相は30〜90deg、150〜210deg、270〜330degとなり、それ以外の位相では下アームがPWM出力を行う。PWM出力を行っていない側のアームはその間オン出力となるよう設定している。どの相に通電するかは波形生成部11で行っており、本実施の形態では120deg矩形波で行っているため、上側アームのスイッチング素子4a、4c、4eをそれぞれ120degずつずらして通電している。下側アームも同様に120degずつずらして、スイッチング素子4b、4d、4fを通電している。スイッチング素子4aと4b、4cと4d、4eと4fはそれぞれお互いの通電期間の間に60degずつのオフ期間が存在する。
なお、本実施の形態では120deg通電で説明しているが、150degなど広角での駆動も可能で120degでの制御同様オフした通電相と反対側のアームをオン状態にするだけで容易に実現が可能である。広角にすることで電流ピークが下がることと、電流のコギング成分が低減されるため、駆動速度と極数の積によって現れる周波数成分の電源高調波が緩和される。
次に、ブラシレスDCモータの通電相が切り換わる際の駆動信号波形と電流の流れについて図3および図4を用いて説明する。図3は通電相が切り換わるタイミングを拡大した本実施の形態における駆動信号と電流波形の関係を示す図である。図4は本実施の形態における電流経路を示す図である。
図3におけるV相電流とはスイッチング素子4cと4dにつながる固定子5bの巻き線に流れる電流で、母線電流とは平滑コンデンサ3eからインバータ4に流れる電流を示している。
図3の(4)から(5)に通電パターンが切り換わるときの位相は図2の90degとなっている。図3の(1)と(3)は同じ電流経路を通り、図4の(a)に示すように平滑コンデンサ3eからインバータ4のスイッチング素子4aと4jを通り再び平滑コンデンサ3eに戻る電流経路を通る。
また、図3の(2)と(4)は同じ電流経路を通り、図4の(b)に示すように、平滑コンデンサ3eからの電流経路は無く、スイッチング素子4aを流れていた電流は還流電流用ダイオード4hを通り、還流電流となる。
この状態で、図3の(4)から(5)に移り、通電相が切り換わると、図4(c)に示す電流経路となる。位相が90degであるので、通電相が切り換わると同時に、PWM出力する相は上アームから下アームに切り換わる。これによって、スイッチング素子4aはオン出力になり、スイッチング素子4fはPWM出力を開始する。つまり通電相の切り換えと同時に、出力を停止した通電相(下アーム)と反対側のアーム(上アーム)の通電相をオン出力したこととなる。出力を停止した通電相側のアーム(下アーム)で次に出力を開始する通電相はPWM出力となり、PWM出力による制御は継続して可能となる。ただし、図3の(5)の区間ではPWMがオフタイミングであるため即座にオンとはならない。
このように、下アームであるスイッチング素子4dの出力が停止したと同時に、スイッチング素子4aをオン出力としているので、V相電流は還流電流用ダイオード4iを通ったあとスイッチング素子4aを通りブラシレスDCモータ5へと電流が流れるループが形成される。スイッチング素子4aのオンは60degの間保たれるので、V相電流が0になるまでスイッチング素子4aはオンを継続することとなり、平滑コンデンサ3eへの電流経路は発生せず、母線電圧が上昇することは無い。
一方で、従来の一般的なPWM制御では上側か下側片方をSWするため、仮に上側を常時SWしているとすると、90degで通電相が切り替わるときにPWMがオフしているタイミングでは電流が流れていた相の電流経路がなくなるため、回生が発生し平滑コンデンサ3eにエネルギーが戻り母線電圧が上昇してしまう。
また、図3の(6)の区間でもV相電流は流れているが、スイッチング素子4aがオンしているため、図3の(5)の区間と同様に、V相電流が平滑コンデンサ3eに戻る経路は発生しない。このときスイッチング素子4fが通電相切り換え後初めてオンするため、図4の(d)の電流が流れ始め母線電流が流れ始める。図3の(7)の区間ではV相電流が0となったため、図4の(d)の電流経路のみとなる。図3の(8)の区間では、図4の(e)に示すような従来同様のPWMオフときの電流経路となり、平滑コンデンサ3eへの経路は同様に発生せず母線電圧の上昇は起こらない。
通電相を切り換えた際の従来の母線電圧波形を図5Aに本実施の形態の通電相を切り換えた際の母線電圧波形を図5Bに示す。従来の方式では平滑コンデンサ3eにエネルギーがチャージされる経路が存在するため、小容量の平滑コンデンサ3eでは図5Aのアに示すように母線電圧が急激に上昇している。一方、本実施の形態の図5Bの母線電圧波形では母線電圧の上昇が発生しておらず安定した滑らかな駆動が可能となる。
次に、端子電圧検出部6の動作について図4、図6および図7を用いて説明する。図6は同実施の形態における誘起電圧の0クロスが検出可能な端子電圧波形を示す図である。図7は同実施の形態における誘起電圧0クロスが検出不可能な端子電圧波形を示す図である。
まず、図6において、90degのタイミングで、スイッチング素子4aがPWMからオン出力に切り替わり、スイッチング素子4dはオンからオフに切り替わり、スイッチング素子4fはPWM出力に切り替わる。このとき、図4の(c)に示すようにスイッチング素子4cと4dにつながる出力端子に流れる電流は還流電流用ダイオード4iを通り、スイッチング素子4cと4dにつながる端子電圧にはスパイク電圧が現れる。図6においては、(1)のタイミングまでスパイク電圧が発生している。端子電圧検出部6は母線電圧÷2よりも低い電圧となったことを検出し、スパイク電圧が消失したことを把握する。次に120degのタイミングで誘起電圧0クロスが発生するため、端子電圧検出部6は母線電圧÷2を端子電圧が越えたことを検出し、位置検出が発生したことを検出する。位置検出が発生した場合は、前回位置検出として処理されたタイミングから今回の位置検出までの時間を記録し、この時間をもとに速度を算出する。
一方で、図7において、図6同様90degのタイミングでスイッチング素子4aがPWMからオン出力に切り替わり、スイッチング素子4dはオンからオフに切り替わり、スイッチング素子4fはPWM出力に切り替わる。このとき、図4の(c)に示すようにスイッチング素子4cと4dにつながる出力端子に流れる電流は還流電流用ダイオード4iを通り、スイッチング素子4cと4dにつながる端子電圧にはスパイク電圧が現れる。図7においては(2)のタイミングまでスパイク電圧が発生している。スパイク電圧が消失するタイミングは誘起電圧0クロスとなる120degよりも後に発生しているため、端
子電圧検出部6は母線電圧÷2を端子電圧が下回ったことを検出できず、スパイク電圧の消失を検出できないこととなる。
しかし、本実施の形態ではドライブ部7は90degの転流のタイミングで、タイマをスタートさせており速度から計算した60deg相当の時間が経過した場合は30deg相当の時間に位置検出が発生したとみなし、60deg相当のタイミングで転流を行う。これにより、スパイク電圧が誘起電圧0クロスを隠すような場合であっても、適切なタイミングでの転流が可能となる。また、スパイク電圧の終わりを検出しているため、負荷変動や母線電圧変動などブラシレスDCモータ5が遅れ位相となり転流後すぐに位置検出タイミングが発生する場合であっても、予め定めたマスク期間がないため正確な位置検出を行うことができる。また、本実施の形態ではスパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間を60deg相当としたが、時間を短く設定すれば、進角が大きくなるため次回位置検出では転流から位置検出が発生するまでの時間が長くなり、誘起電圧0クロスによる位置検出が行える。また、スパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間を60deg相当より長く設定すれば、より幅広い速度変動や電流変動に対応が可能となる。ただし、次回のスパイク電圧の消失が確認できないと判断する時間は60degより短くし遅れ位相の可能性に対して進角を進み側に変更する。
次に、本実施の形態のブラシレスDCモータ5の構造について説明する。図6は、本実施の形態におけるブラシレスDCモータ5の回転子の、回転軸に対して垂直断面を示した断面図である。
回転子5aは、鉄心5gと4枚のマグネット5c〜5fとから構成される。鉄心5gは、0.35〜0.5mm程度の薄い珪素鋼板を打ち抜いたものを積み重ねて構成される。マグネット5c〜5fは、円弧形状のフェライト系永久磁石がよく用いられ、図示したように、円弧形状の凹部が外方を向くように、中心対称に配置される。一方、マグネット5c〜5fとして、ネオジウムなどの希土類の永久磁石を用いる場合は、平板形状の場合もある。
このような構造の回転子5aにおいて、回転子5aの中心から、1つのマグネット(例えば5f)の中央に向かう軸をd軸とし、回転子5aの中心から、1つのマグネット(例えば5f)とこれに隣接するマグネット(例えば5c)との間に向かう軸をq軸とする。d軸方向のインダクタンスLdとq軸方向のインダクタンスLqは逆突極性を有し、異なるものとなる。つまりこれは、モータとしては、マグネットの磁束によるトルク(マグネットトルク)以外に、逆突極性を利用したトルク(リラクタンストルク)を有効に使える。したがって、モータとして、よりトルクが有効的に利用できる。この結果、本実施の形態としては、高効率なモータが得られる。
また、永久磁石にネオジウムなどの希土類磁石を採用してマグネットトルクの割合を多くしたり、インダクタンスLd、Lqの差を大きくしてリラクタンストルクの割合を多くしたりすると、最適な通電角を変えることにより効率を上げることができる。
次に、本実施の形態のモータ駆動装置22を冷蔵庫21や空気調和機に用いて、圧縮機17を駆動した場合について説明する。従来のモータ駆動装置では平滑コンデンサやリアクタが大きくなりシステムに組み込むには大きなスペースが必要であった。しかしながら、本実施の形態では平滑コンデンサを400μF程度必要であったものを数μFに低減することが可能となり、体積にして1/3以下に低減できる。また、冷蔵庫21のような低負荷での駆動であれば、リアクタも数ミリHあったものをフィルタのインダクタンス成分で賄うことが可能となり、大幅なサイズダウンと低コスト化が可能となる。
一定速でのみ駆動するコンプレッサ制御のシステムにおいて、従来の可変速度駆動が可能なモータ駆動装置ではスペースが狭く容易に組み込むことができなかった。しかしながら、本実施の形態では非常に小型化できるため、設置スペースの制約が緩和され、可変速度駆動が可能なモータ駆動装置を、一定速でのみ駆動するコンプレッサシステムに組み込むことが容易となる。速度可変となれば、冷蔵庫のシステム効率を向上させることができ、より省エネルギーな冷蔵庫を提供することができる。
以上ように、本実施の形態においては、交流電源1と、交流電源1から入力された交流を直流に整流する整流回路2と、整流回路2からの出力を平滑する平滑部3と、スイッチング素子4a〜4fと還流電流用ダイオード4g〜4lで構成され平滑部3より得られる直流を交流に変換するインバータ4と、インバータ4から得られる交流を入力とし負荷を駆動するブラシレスDCモータ5と、還流電流用ダイオード4g〜4lに電流が流れている間に端子電圧に発生するスパイク電圧を検出しブラシレスDCモータ5の端子電圧に現れる誘起電圧から回転子の回転位置を検出する端子電圧検出部6と、インバータ4がブラシレスDCモータ5に供給する電力の供給タイミングを端子電圧検出部6が検出した情報に基づき通電角が120度以上150度以下の矩形波またはそれに準じる波形でインバータ4に出力するドライブ部7を有し、端子電圧検出部6はスパイク電圧が消失したことを検出し、消失検出後に誘起電圧から回転子の位置検出をするとしたことにより、スパイク電圧が確実に終了した後に位置検出を行うため、電流の急激な変化に対しても、位置検出とスパイク電圧を分けることができ、モータ位相の遅れやスパイク電圧を誘起電圧と誤検出することなく、正確な位置検出を行うことで安定した電流波形で駆動することとなり、電流の急激な変化が起きた場合であっても、正確な位置検出を行い安定した電流波形で駆動し、高効率な運転が可能なモータ駆動装置を提供できる。
また、本実施の形態のドライブ部7はスパイク電圧が発生している期間に閾値を定め、閾値よりも長くスパイク電圧が発生した場合は、運転速度などの運転状態に応じて決定した時間経過に基づき波形を出力するとしたことで、スパイク電圧によって、誘起電圧が隠れてしまうような負荷の大きな状態であっても、適切なタイミングで転流を行うことができ、安定した駆動を行うことができる。
また、本実施の形態の平滑部3は交流電源1の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を決定した小容量の平滑コンデンサ3eとリアクタ3fで構成されるとしたことにより、モータ駆動装置22は小型となり、交流電源1の略2倍の周期で前記モータに流れる電流が大きく脈動しスパイク電圧幅が大きく変動することとなっても、スパイク電圧が消失するのを検出し、正確な位置検出が可能となるため、安定して駆動可能な小型のモータ駆動装置を提供することができる。
また、本実施の形態のブラシレスDCモータ5はレシプロ式の圧縮機17を駆動させる動力とするものである。往復運動を行うレシプロタイプは、冷媒の圧縮工程と吸入工程で負荷が大きく異なり、それに合わせて電流および速度が変動するが、スパイク電圧の消失を待って位置検出を行うことにより、圧縮機17の圧縮および吸入工程でも適切にブラシレスDCモータ5の回転子の位置を検出することができる。
本発明のモータ駆動装置は、スパイク電圧の発生状況によらず安定した駆動を可能とする。これにより、冷蔵庫や送風機のみならず、自動販売機やショーケース、ヒートポンプ給湯器における圧縮機に適用できる。その他、洗濯機や掃除機、ポンプなどブラシレスDCモータを用いる電気機器の安定駆動にも適用できる。
1 交流電源
2 整流回路
3e 平滑コンデンサ
3f リアクタ
4 インバータ
5 ブラシレスDCモータ
5a 回転子
5b 固定子
6 端子電圧検出部
7 ドライブ部
17 圧縮機
21 冷蔵庫
22 モータ駆動装置

Claims (3)

  1. 交流電源と、前記交流電源から入力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路からの出力を平滑する平滑部と、スイッチング素子と還流電流用ダイオードで構成され前記平滑部より得られる直流を交流に変換するインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するブラシレスDCモータと、前記還流電流用ダイオードに電流が流れている間に端子電圧に発生するスパイク電圧を検出し前記ブラシレスDCモータの端子電圧に現れる誘起電圧から回転子の回転位置を検出する端子電圧検出部と、前記インバータが前記ブラシレスDCモータに供給する電力の供給タイミングを前記端子電圧検出部の情報に基づき通電角が120度以上150度以下の矩形波で前記インバータに出力するドライブ部を有するモータ駆動装置において、前記ドライブ部は、スパイク電圧が発生している期間に対し閾値を定め、この閾値よりも長くスパイク電圧が発生した場合は、前記閾値のタイミングを矩形波の通電を切り替える基準となる前記回転子の位置を検出したものとみなし、誘起電圧から回転子の基準となる位置検出したときと同様の矩形波を前記ドライブ部から前記インバータに出力するもので、前記閾値は、60degより長く設定し、前記閾値を超過した際の次回の閾値を60degより短く設定するモータ駆動装置。
  2. 前記平滑部は前記交流電源の周波数の40倍より高い共振周波数となるよう値を決定した小容量のコンデンサとリアクタで構成される請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記ブラシレスDCモータはレシプロ圧縮機を駆動する請求項1または2のいずれかに記載のモータ駆動装置。
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