JP6369347B2 - 深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管及びその製造方法 - Google Patents
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(1)質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜2.2%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.006%以下、Nb:0.010〜0.100%、Ti:0.001〜0.050%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、体積率で90%以上のベイニティックフェライト相を主相とし、該主相と、体積率で10%以下(0%を含む)の第二相とからなり、前記ベイニティックフェライト相の平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径:20nm未満の微細なNb析出物が、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、75%以下分散してなる組織と、を有することを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.1%以下、Mo:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、B:0.0030%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。
(4)熱延鋼板を、スパイラル造管機で連続的にスパイラル状に巻きながら、該熱延鋼板の幅方向端面同士を溶接するスパイラル鋼管の製造方法であって、前記熱延鋼板を、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜2.2%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.006%以下、Nb:0.010〜0.100%、Ti:0.001〜0.050%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成の鋼素材に、加熱温度:1150〜1250℃の温度域で均熱する加熱を施したのち、仕上圧延終了温度:750℃以上とする熱間圧延を施し、該熱間圧延終了後、板厚中央部温度で750℃〜650℃の温度域での平均冷却速度が8〜70℃/sとなるように加速冷却を施し、巻取温度:400〜580℃で巻き取る工程を施して製造された厚肉熱延鋼板とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。
(5)(4)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.1%以下、Mo:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、B:0.0030%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。
(6)(4)または(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。
(7)(1)ないし(3)のいずれかに記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の両管端に螺子部材を取り付けてなる深井戸向け高強度厚肉コンダクターケーシング。
Cは、鋼管の強度増加に寄与する重要な元素であり、所望の高強度を確保するためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.12%を超えて多量に含有すると、溶接性が低下する。このため、Cは0.01〜0.12%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.03〜0.10%、より好ましくは0.03〜0.08%である。
Siは、固溶強化により、鋼管の強度増加に寄与する元素であり、このような効果を得て、所望の高強度を確保するためには0.05%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を、超えて過剰に含有すると、スパイラル溶接部にMA(島状マルテンサイト)などの硬質相を生じやすく、溶接HAZ靭性を低下させる。このようなことから、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.05〜0.30%である。
Mnは、鋼管の強度増加に寄与する元素であり、所望の高強度を確保するためには1.0%以上の含有を必要とする。一方、2.2%を超えて多量に含有すると、Siと同様に、MAを生成しやすくし、溶接性を低下させる。このため、Mnは1.0〜2.2%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.2〜2.0%である。
Pは、鋼中に不純物として存在し、しかも結晶粒界等に偏析し易く、低温靭性等鋼管特性に悪影響を及ぼす元素であり、できるだけ低減することが好ましいが、0.03%までは許容できる。このようなことから、Pは0.03%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。なお、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、鋼中では、MnS等の粗大な硫化物系介在物として存在し、延性や靭性の低下を招くため、できるだけ低減することが望ましいが、0.005%までは許容できる。このようなことから、Sは0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.004%以下である。なお、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.0001%以上とすることが好ましい。
Alは、鋼の脱酸剤として有用に作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.001%以上含有する必要がある。一方、0.10%を超えて多量に含有すると、Al酸化物を生成し、鋼の清浄度を低下させる。このため、Alは0.001〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.08%である。
Nは、鋼中では不可避的不純物として存在し、固溶してあるいは窒化物を形成して、鋼管の母材部あるいはスパイラル溶接部の靭性低下を招く。このため、できるだけ低減することが望ましいが、0.006%までは許容できる。このようなことから、Nは0.006%以下に限定した。
Nbは、本発明では重要な元素である。鋼素材(スラブ)加熱時に、鋼中にNb炭窒化物として存在し、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、組織微細化に寄与する元素である。また、Nbは、600℃以上に加熱するSR処理時に微細析出し、SR処理後の鋼管母材部の強度低下を抑制する。このような効果を得るためには、0.010%以上の含有を必要とする。一方、0.100%を超える過剰の含有は、鋼管の靭性に悪影響を及ぼし、コンダクターケーシング用として所望の靭性を確保できないという懸念がある。このため、Nbは0.010〜0.100%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.020〜0.080%である。
Tiは、Nと結合しTi窒化物を形成し、鋼管靭性に悪影響を及ぼすNを固定し、鋼管靭性を向上させる作用を有する。このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.050%を超えて含有すると、鋼管靭性の著しい低下を招く。このため、Tiは0.001〜0.050%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.030%である。
V、Mo、Cr、Cu、Ni、Bはいずれも、焼入れ性向上を介して、鋼管の強度増加に寄与する元素であり、必要に応じて、選択して含有できる。これらの元素の含有は、とくに、肉厚が15mm以上の厚肉の場合に、パーライト、ポリゴナルフェライトの生成を防止し、所望の強度、靭性を確保するうえで有効である。このような効果を得るためには、V:0.005%以上、Mo:0.05%以上、Cr:0.05%以上、Cu:0.05%以上、Ni:0.05%以上、B:0.0005%以上、含有することが望ましい。一方、V:0.1%、Mo:0.5%、Cr:0.5%、Cu:0.5%、Ni:1.0%、B:0.0030%を、それぞれ超える含有は、溶接性および靱性の低下を招くとともに、材料コストの高騰を招く。このため、含有する場合には、V:0.1%以下、Mo:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、B:0.0030%以下に、それぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはV:0.08%以下、Mo:0.45%以下、Cr:0.3%以下、Cu:0.35%以下、Ni:0.35%以下、B:0.0025%以下である。
Ca、REMはいずれも、伸展したMnS等の硫化物系介在物を球状の硫化物系介在物とする介在物の形態制御に寄与する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためには、Ca、REMともに0.0005%以上含有する必要がある。一方、Ca、REMとも0.0050%を超えて含有すると、酸化物系介在物が増加し、靱性を低下させる。このため、含有する場合には、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%の範囲に限定することが好ましい。
深井戸向けコンダクターケーシング用として所望の高強度、靭性を兼備させるために、本発明スパイラル鋼管では、体積率で90%以上のベイニティックフェライト相を主相とする組織を有する。なお、ここでいうベイニティックフェライト相には、アシキュラーフェライト相をも含むものとする。ベイニティックフェライト相が90%未満、すなわち主相以外の第二相が10%以上となると、所望の靭性を確保できなくなる。主相以外の第二相としては、パーライト、縮退パーライト、ベイナイト相、マルテンサイト相などの硬質相が例示できる。このようなことから、主相であるベイニティックフェライト相の体積率は90%以上に限定した。なお、好ましくは95%以上である。
深井戸向けコンダクターケーシング用として、所望の高強度、靭性を兼備させるために、本発明では、主相であるベイニティックフェライト相を平均粒径が10μm以下と微細な組織とする。平均粒径が10μmを超えて大きくなると、所望の高靭性を保持することができなくなる。このため、主相であるベイニティックフェライト相の平均粒径は10μm以下に限定した。なお、ここでいう「粒径」は、SEM/EBSD法で、隣接する結晶粒の間の方位差を求め、方位差が15°以内の領域の大きさをいうものとする。
SR処理前に未析出であったNbは、600℃以上の温度範囲で施されるSR処理の最中に20nm未満の微細なNb析出物(主として炭窒化物)として析出し、SR処理中の回復・再結晶による降伏強さの低下を抑制する作用、すなわち優れた耐SR処理性を付与する作用、を有する。このため、本発明では、鋼管母材部に析出した、粒径:20nm未満の微細なNb析出物を、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)が、75%以下となるようにする。微細なNb析出物の析出量が、Nb換算で、75%を超えると、SR処理の際にオストワルド成長が生じ、Nb炭窒化物の消滅・粗大化が起こり、回復・再結晶による降伏強度低下を抑制することが困難になり、所望の耐SR処理性を確保できなくなる。このため、粒径:20nm未満の微細なNb析出物量はNb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、75%以下に限定した。なお、析出強化により、母材部の高強度化を図るためには、粒径:20nm未満の微細なNb析出物量は、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、20%以上とすることが好ましい。
熱延鋼板の靱性向上のためには、結晶粒の微細化が期待できる程度の低い加熱温度とすることが好ましいが、加熱温度が1150℃未満では、加熱温度が低すぎて、未溶解炭化物の固溶が進まず、API X80グレード以上の所望の高強度を確保できない場合がある。一方、加熱温度が1250℃を超える高温では、オーステナイト(γ)粒の粗大化が生じ、靭性が低下するうえ、スケール生成量の増加を招き、表面性状の悪化を招く恐れがある。また、過剰な高温で加熱すると、エネルギーロスの増大を招き、経済的に不利になる。このため、鋼素材の加熱温度は、1150〜1250℃の温度域の温度とした。なお、当該加熱温度での均熱保持(加熱時間)は、60min以上とすることが、スラブの加熱温度均一化の観点からも好ましい。
仕上圧延終了温度が、750℃未満では、フェライト変態が開始し、生成した粗大なフェライトが加工されるため、強度の低下を招く。このため、仕上圧延終了温度は、750℃以上に限定した。なお、仕上圧延では、板厚中心温度で930℃以下の未再結晶温度域での圧下率を20%以上に調整することが好ましい。未再結晶温度域での圧下率が20%未満では、未再結晶温度域での圧下率が少なく、フェライトの核生成サイトが少なく、フェライト粒の微細化を達成できない恐れがある。そのため、未再結晶温度域での圧下率は20%以上に調整することが好ましい。なお、圧延機への負荷の観点から、熱間圧延での累積圧下率は95%以下とすることが好ましい。
750℃〜650℃の温度域での平均冷却速度が8℃/s未満では、冷却速度が遅く、生成する組織が、平均粒径が10μm超の粗大なポリゴナルフェライト相とパーライトとなり、深井戸向けコンダクターケーシング用として要求される靭性、強度を確保できなくなる。一方、平均冷却速度が70℃/sを超えると、マルテンサイト相が生成し、靭性が低下する恐れがある。そのため、750℃〜650℃の温度域での平均冷却速度を8〜70℃/sの範囲に限定した。なお、好ましくは10〜50℃/sである。上記した温度はいずれも、板厚中央部温度である。
巻取温度が580℃を超えると、粒径:20nm未満の微細なNb析出物の析出が促進される。そのため、巻取工程を経た熱延鋼板中の、粒径:20nm未満の微細なNb析出物量はNb換算で、全Nb量に対する比率(%)が75%を超える。一方、巻取温度が400℃を下回ると、Nb炭窒化物の析出が不十分となり、X80級以上の高強度を確保できなくなる場合がある。このため、巻取温度は400〜580℃の範囲に限定した。これにより、粒径:20nm未満の微細なNb析出物が、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、75%以下で分散した組織を確保でき、600℃以上の温度域で実施されるSR処理における降伏強さの低下を防止できる。なお、巻取温度は、好ましくは460〜550℃である。上記した温度はいずれも、板表面温度である。
(1)組織観察
得られたスパイラル鋼管の母材部から組織観察用試験片を採取し、管軸方向断面(L断面)の肉厚中央位置が観察面となるように研磨し、腐食(腐食液:ナイタール)し、走査型電子顕微鏡SEM(倍率:1000倍)を用いて組織を観察し、少なくとも2視野で撮像した。得られた組織写真を用いて、画像解析し、組織の同定と、各相の分率を求めた。
また、得られたスパイラル鋼管の母材部から、電解抽出用試験片を採取し、電解液(10%アセチルアセトン−1%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノール溶液)中で、電流密度:20mA/cm2で電解した。得られた電解残渣を、液に溶かし、アルミフィルター(孔径:0.02μm)で捕集し、アルミフィルターを通過した液について、ICP発光分光法でNb量を分析し、粒径20nm未満の析出Nb量を求め、全Nb量に対する比率(%)として析出Nb量比を算出した。
得られたスパイラル鋼管の母材部から、引張方向が円周方向となるように、ASTM A 370の規定に準拠して、板状引張試験片を採取し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。
(3)衝撃試験
得られたスパイラル鋼管の母材部から、ASTM A 370の規定に準拠して、試験片長手方向が円周方向(C方向)となるように、Vノッチ試験片を採取し、試験温度:−40℃でシャルピー衝撃試験を各3本実施し、吸収エネルギーvE−40(J)を求め、3本の平均値を当該鋼管のvE−40とした。
(4)SR処理試験
得られたスパイラル鋼管の母材部から試験材を採取し、採取した試験材を、表5に示すSR処理を想定した加熱温度に保持した熱処理炉に装入し、試験材の温度が(加熱温度−10℃)に到達した時点から、表4に示す所定の保持時間経過した後、熱処理炉から取り出し、放冷した。熱処理済みの試験材から、引張方向が円周方向となるように、ASTM A 370の規定に準拠して、板状引張試験片を採取し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。なお、SR処理前後の降伏強さの差ΔYSを算出した。SR処理後の強度が低い場合には、ΔYSは負となる。また参考として、SR処理後の試験材から電解抽出用試片を採取し、(1)と同様に、析出Nb量比を求めた。
2 端面加工機(エッジミラー)
3 スパイラル造管機(成形ロール)
4 スパイラル溶接機
5 ロール保持冶具
6 スパイラル鋼管
Claims (7)
- 質量%で、
C :0.01〜0.12%、 Si:0.05〜0.50%、
Mn:1.0〜2.2%、 P :0.03%以下、
S :0.005%以下、 Al:0.001〜0.10%、
N :0.006%以下、 Nb:0.010〜0.100%、
Ti:0.001〜0.050%
を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成と、
体積率で90%以上のベイニティックフェライト相を主相とし、該主相と、体積率で10%以下(0%を含む)の第二相とからなり、前記ベイニティックフェライト相の平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径:20nm未満の微細なNb析出物が、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、75%以下分散してなる組織と、
を有することを特徴とする高靭性、さらに耐SR処理性に優れた深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.1%以下、Mo:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、B:0.0030%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管。
- 熱延鋼板を、スパイラル造管機で連続的にスパイラル状に巻きながら、該熱延鋼板の幅方向端面同士を溶接するスパイラル鋼管の製造方法であって、
前記熱延鋼板を、質量%で、
C :0.01〜0.12%、 Si:0.05〜0.50%、
Mn:1.0〜2.2%、 P :0.03%以下、
S :0.005%以下、 Al:0.001〜0.10%、
N :0.006%以下、 Nb:0.010〜0.100%、
Ti:0.001〜0.050%
を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成の鋼素材に、
加熱温度:1150〜1250℃の温度域で均熱する加熱を施したのち、仕上圧延終了温度:750℃以上とする熱間圧延を施し、該熱間圧延終了後、板厚中央部温度で750℃〜650℃の温度域での平均冷却速度が8〜70℃/sとなるように加速冷却を施し、巻取温度:400〜580℃で巻き取る工程を施して製造された厚肉熱延鋼板とし、前記スパイラル鋼管を、前記組成と、体積率で90%以上のベイニティックフェライト相を主相とし、該主相と、体積率で10%以下(0%を含む)の第二相とからなり、前記ベイニティックフェライト相の平均粒径が10μm以下であり、かつ粒径:20nm未満の微細なNb析出物が、Nb換算で、全Nb量に対する比率(%)で、75%以下分散してなる組織とを有し、高強度で高靭性、さらに耐SR処理性に優れたスパイラル鋼管とすることを特徴とする深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。 - 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.1%以下、Mo:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Cu:0.5%以下、Ni:1.0%以下、B:0.0030%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項4に記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0050%、REM:0.0005〜0.0050%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項4または5に記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の深井戸向けコンダクターケーシング用高強度厚肉スパイラル鋼管の両管端に螺子部材を取り付けてなる深井戸向け高強度厚肉コンダクターケーシング。
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