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JP6358156B2 - 車両の運転支援装置 - Google Patents

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本発明は、車両の自動運転を実行可能な車両の運転支援装置に関する。
車両の自動運転を実現するためには、カメラと、障害物を検知する各種のセンサと、高精度な地図データとが必須である。自動運転を実行するために必要な地図データには、道路幅、車線数、カーブの曲率、道路傾き、交差点位置、交差する道路の角度、制限速度等の各データに加えて、車両を制御するために必要な多数のデータが格納されている。しかし、このような高精度な地図データをデータ整備するためには、コスト及び時間が非常にかかることから、自動運転の導入期においては、高精度の地図データがエリア毎に順次追加されていく事態が想定される。この結果、自動運転可能なエリアと自動運転不可能なエリアが混在する事態となる。このような場合、自動運転可能なエリアの道路を自動運転で走行している状態で、自動運転不可能なエリアの道路に進行すると、突然自動運転を実行できなくなることから、運転者がかなり違和感を感じるような事態が発生するおそれがある。
特開2014−2603号公報
そこで、本発明の目的は、高精度の地図データが整備されているエリアと、高精度の地図データが整備されていないエリアが混在する状況であるときに、運転者が違和感などを感じることを防止できる車両の運転支援装置を提供することにある。
請求項1の発明は、車両を自動運転する走行制御機能を備えた車両の運転支援装置であって、地図データを記憶する記憶部と、現在地から目的地までの誘導経路を計算する経路計算部と、前記誘導経路の全経路に、自動運転に必要な高精度の地図データが備わっているかどうかをチェックするチェック部と、前記誘導経路の全経路に高精度の地図データが備わっていないときには、前記誘導経路の中に自動運転できない部分が存在する旨を報知する報知部とを備えたところに特徴を有する。
本発明の第1実施形態を示す車載ナビゲーションシステムのブロック図 運転切替制御のフローチャート 本発明の第2実施形態を示す運転切替制御のフローチャート 誘導経路を説明する図
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。まず、図1は、本実施形態の自動運転機能付きの車載ナビゲーションシステム1の全体構成を概略的に示すブロック図である。この図1に示すように、車載ナビゲーションシステム1は、位置検出器2と、地図データ入力器3と、操作スイッチ群4と、車載カメラ5と、運転者状態検知器6と、外部メモリ7と、表示装置8と、リモコンセンサ9と、これらに接続された制御装置10とを備えている。
制御装置10は、通常のコンピュータとしての構成を備えており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。この制御装置10には、パーキングブレーキセンサ11と、車速センサ12と、ETC車載機13と、遠隔操作デバイス14と、アイドリングストップ制御ECU15と、携帯電話機16と、車載通信機17と、ボデー系ECU18と、走行制御系ECU19とが接続されている。
位置検出器2は、いずれも周知の地磁気センサ20、ジャイロスコープ21、距離センサ22、及び、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機23を有している。これらのセンサ等20、21、22、23は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補間しながら使用するように構成されている。尚、精度によっては上述したセンサのうちの一部で構成しても良く、更に、ステアリングの回転センサや、各車輪の車輪センサ等を付加するように構成しても良い。
地図データ入力器3は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ(自動運転を実行するために必要な高精度の地図データが整備されたエリアを含む)及び目印データ等を含む各種データを入力するための装置である。媒体としては、そのデータ量からDVD−ROM(または、CD−ROM)を用いるのが一般的であるが、ハードディスク、メモリカード等の媒体を用いてもよい。地図データ入力器3が記憶部を構成する。
操作スイッチ群4は、例えば表示装置8と一体になったタッチスイッチ(タッチパネル)またはメカニカルなスイッチ等で構成されており、ユーザーのスイッチ操作に応じたスイッチ信号を制御装置10へ出力する。
車載カメラ5は、車両の外部状況(前後左右方向、全周囲方向)を撮影する複数のカメラで構成されており、撮影された画像情報は制御装置10へ出力される。運転者状態検知器6は、運転者の状態(運転者が車両を運転可能であるか否かを判断するために必要な情報)を検知して、検知信号を制御装置10へ出力する。具体的には、運転者状態検知器6は、運転者がステアリングを両手で握っていることを検知するセンサや、運転者の心拍数(脈拍)及び血圧を測定するセンサや、運転席シートの着座位置が適切であることを検知するセンサや、運転者の呼気にアルコールが含まれていることを検知するセンサ(いずれも図示しない)などを備え、これらセンサによって、運転者の状態を検知する。この場合、運転者状態検知器6の各種センサのうち、運転者の生体的な情報を得るためのセンサは、衣服やヘアアクセサリなどに取り付け可能なウェアラブルなセンサで構成することが好ましい。運転者状態検知器6が検知部を構成する。
外部メモリ7は、メモリカード等で構成されており、音楽データ等の種々のデータを記憶させることができる。表示装置8は、例えば液晶ディスプレイ等のカラー表示装置で構成されており、表示装置8の画面には、地図と、車両の現在位置マークと、目的地へ誘導するための誘導経路等の付加データとを重ねて表示することができる。
また、車載ナビゲーションシステム1の制御装置10は、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)24を介してリモコンセンサ9から、あるいは操作スイッチ群4により、または、遠隔操作デバイス14により、目的地の位置を入力すると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路(案内経路)を形成して表示する機能、いわゆる経路案内機能を備えている。このように自動的に最適な経路を設定する方法としては、ダイクストラ法等の方法が知られている。制御装置10は、経路計算部、チェック部、報知部及び運転切替部としての各機能を有する。尚、遠隔操作デバイス14は、例えばジョイスティックスイッチ等で構成されている。
制御装置10は、携帯電話機16または車載通信機17を介して外部ネットワーク25との接続が可能なように構成されており、インターネットに接続したり、各種の情報センターに接続したりすることができる。また、制御装置10は、ETC車載機13と通信することにより、ETC車載機13がETC路上機から受信した、料金情報などを取り込むことができる。
制御装置10は、アイドリングストップ制御ECU15、ボデー系ECU18、走行制御系ECU19と通信することにより、各ECU15、18、19に対する設定を行うことができる。また、制御装置10から走行制御系ECU19へ、自動運転用の高精度の地図データ、車両の現在位置の情報、目的地の位置情報、現在位置から目的地までの最適な誘導経路の情報、車載カメラ5により撮影した車両の外部状況の撮影情報、車速情報等を送信することにより、走行制御系ECU19は、高精度の地図データが整備されているエリアにおいて、車両の自動運転を実行できるように構成されている。また、制御装置10は、アイドリングストップ制御ECU15に対してアイドリングストップ機能のオンまたはオフを指示する指示信号を送信することができる構成となっている。
尚、図1において、制御装置10に対して、パーキングブレーキセンサ11、車速センサ12、ETC車載機13、遠隔操作デバイス14、アイドリングストップ制御ECU15、携帯電話機16、車載通信機17、ボデー系ECU18、走行制御系ECU19等を直接的に接続するように構成したが、これに代えて、制御装置10に対して、車載LANを介して、パーキングブレーキセンサ11、車速センサ12、ETC車載機13、遠隔操作デバイス14、アイドリングストップ制御ECU15、携帯電話機16、車載通信機17、ボデー系ECU18、走行制御系ECU19等を接続するように構成しても良い。
次に、上記した構成の車載ナビゲーションシステム1の制御装置10の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートは、制御装置10の制御のうちの、自動運転手動運転の切替制御の内容を示す。まず、車両のイグニッションスイッチがオンされると、図2のステップS10において、操作スイッチ群4またはリモコン12を操作することにより目的地が入力(設定)される。そして、ステップS10では、制御装置10は、車両の現在位置から上記目的地までの最適な誘導経路を計算し、計算された経路と車両の現在位置と現在位置周辺の地図を表示装置8に表示する。
続いて、ステップS20へ進み、目的地までの誘導経路の全経路に、自動運転に必要な高精度の地図データが備わっているかどうかをチェックする。そして、高精度の地図データが全て備わっている場合には(ステップS30にて「YES」)、ステップS40へ進み、自動運転制御を実行する旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に通知し、車両の自動運転制御を実行する。尚、図1には、図示していないが、車載ナビゲーションシステム1は音声出力装置を備えており、制御装置10は音声出力装置を介して音声を出力することができる。
この後、ステップS50へ進み、目的地に到着したか否かを判断し、到着していないときには(「NO」)、ステップS40へ戻り、自動運転制御を続ける。また、上記ステップS50において、目的地に到着したときには(「YES」)、ステップS60へ進み、到着案内を報知、例えば目的地に到着した旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に報知する。
また、上記ステップS30において、高精度の地図データが全て備わっていないときには(「NO」)、ステップS70へ進み、誘導経路について、高精度の地図データが備わっている部分(エリア)と、高精度の地図データが備わっていない部分(エリア)とが混在しているかどうかをチェックする。ここで、混在しているときには(ステップS80にて「YES」)、ステップS90へ進み、自動運転と手動運転が混在するルート(誘導経路)ですという旨のメッセージを、表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に報知する。
次いで、ステップS100へ進み、誘導経路の中で、高精度の地図データが備わっているエリアでは、車両の自動運転を実行し、高精度の地図データが備わっていないエリアでは、車両の手動運転を実行する。この場合、車両の自動運転の実行前には、これ以降(これから)、自動運転を実行するという旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりする。そして、同様に車両の手動運転の実行前には、これ以降(これから)、手動運転を実行するという旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりする。また、手動運転時には、通常のカーナビの迷路案内を実行する。
この後、ステップS110へ進み、目的地に到着したか否かを判断し、到着していないときには(「NO」)、ステップS100へ戻り、自動運転または手動運転を続ける。また、上記ステップS110において、目的地に到着したときには(「YES」)、ステップS120へ進み、到着案内を報知、例えば目的地に到着した旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に報知する。
また、上記ステップS80において、地図データの混在がないとき、即ち、誘導経路について高精度の地図データが全く備わっていないときには(「NO」)、ステップS130へ進み、目的地まで手動運転で走行するルート(誘導経路)ですという旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に報知する。続いて、ステップS140へ進み、手動運転を実行する。尚、手動運転時には、通常のカーナビの経路案内を実行するように構成されている。
この後、ステップS150へ進み、目的地に到着したか否かを判断し、到着していないときには(「NO」)、ステップS140へ戻り、手動運転を続ける。また、上記ステップS150において、目的地に到着したときには(「YES」)、ステップS160へ進み、到着案内を報知、例えば目的地に到着した旨のメッセージを表示装置8に表示したり音声で出力したりして運転者に報知する。
このような構成の本実施形態によれば、現在地から目的地までの誘導経路の全経路に高精度の地図データが備わっていないときに、誘導経路の中に自動運転できない部分が存在する旨を報知する(図2のステップS90、ステップS130)ように構成したので、高精度の地図データが整備されているエリアと、高精度の地図データが整備されていないエリアが混在する状況であるときに、運転者は、誘導経路の中に自動運転できない部分が存在することが明確にわかることから、違和感などを感じることがなくなる。
また、上記実施形態においては、誘導経路について、高精度の地図データが備わっている部分と、高精度の地図データが備わっていない部分とが混在しているときに、自動運転と手動運転が混在する誘導経路である旨を報知する(図2のステップS90)ように構成したので、運転者は、自動運転と手動運転が混在することが明確に認識できる。
また、上記実施形態においては、自動運転の実行前に、これから自動運転を実行する旨を報知し、手動運転の実行前に、これから手動運転を実行する旨を報知する(図2のステップS100)ように構成したので、運転者は、自動運転の実行または手動運転の実行を明確に認識できる。更に、上記実施形態では、誘導経路について、高精度の地図データが全く備わっていないときに、目的地まで手動運転で走行する誘導経路である旨を報知する(図2のステップS130)ように構成したので、運転者は、手動運転しかできないことを明確に認識できる。
図3及び図4は、本発明の第2実施形態を示すものである。第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。第2実施形態では、高精度の地図データが備わっているエリアと、高精度の地図データが備わっていないエリアとが混在しているときに、運転者の状態をチェックして、手動運転ができないときには、自動運転可能な誘導経路を設定し直すように構成した。以下、具体的に説明する。
まず、ステップS10からステップS60までの処理は、第1実施形態と同じである。ステップS30において、高精度の地図データが全て備わっていないときに(「NO」)、ステップS200へ進み、運転者状態検知器6からの検出信号に基づいて運転者の状態(運転者がステアリングを両手で握っているか、運転者の心拍数(脈拍)及び血圧の測定結果、運転席シートの着座位置が適切であるか、運転者の呼気にアルコールが含まれているか等)をチェックし、運転者が手動運転可能であるかどうかを判断する。
ここで、運転者が手動運転できない状態であるときには(ステップS210にて「YES」)、ステップS220へ進み、制御装置10は、現在地から目的地まで自動運転可能な誘導経路(案内経路)、即ち、現在地から目的地までの全経路について高精度の地図データが備わっている誘導経路を設定し直す(再計算する)。例えば、図4に示すように、エリアBが、高精度の地図データが備わっていないエリアであるときに(エリアB以外のエリアは高精度の地図データが備わっているエリアであるとき)、ステップS10でエリアBを通るルートBが誘導経路として設定されていたとする。このような場合に、ステップS220では、エリアBを通らないルートAを設定し直す。ここで、ルートBは、最短距離、最短時間、最少燃費等を優先する誘導経路である。ルートAは、遠回りとなっても、自動運転を継続できる誘導経路である。尚、この場合、自動運転可能な誘導経路を設定し直したことや、さらに、遠回りの誘導経路になったことなどを、運転者に報知する(表示装置8に表示したり、音声出力したりする)ことが好ましい。
この後、ステップS40へ進み、これ以降は、ステップS40からステップS60までの処理を、第1実施形態と同様に実行する。尚、上記ステップS220において、自動運転可能な誘導経路を設定できないときには、その旨を運転者に報知して制御を中止するように構成することが好ましい。
また、上記ステップS210において、運転者が手動運転できる状態であるときには(「NO」)、ステップS80へ進む。この後は、ステップS80からステップS160までの処理を、第1実施形態と同様に実行する。
上述した以外の第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第2実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2実施形態によれば、運転者が手動運転できない状態であるとき、自動運転できる誘導経路を設定し直すことにより、目的地まで自動運転で走行することができる。
尚、上記第2実施形態では、運転者が手動運転できない状態であるとき、自動運転できる誘導経路を設定し直すように構成したが、これに限られるものではなく、手動運転エリアに入る前に、運転者が自動運転を希望する場合に、その希望を入力可能なように構成して、自動運転できる誘導経路を設定し直すように構成しても良い。
図面中、1は車載ナビゲーションシステム、2は位置検出器、3は地図データ入力器(記憶部)、5は車載カメラ、6は運転者状態検知器(検知部)、8は表示装置、10は制御装置(経路計算部、チェック部、報知部、運転切替部)、16は携帯電話機、17は車載通信機、18はボデー系ECU、19は走行制御系ECUである。

Claims (6)

  1. 車両を自動運転する走行制御機能を備えた車両の運転支援装置(1)であって、
    地図データを記憶する記憶部(3)と、
    現在地から目的地までの誘導経路を計算する経路計算部(10)と、
    前記誘導経路の全経路に、自動運転に必要な高精度の地図データが備わっているかどうかをチェックするチェック部(10)と、
    前記誘導経路の全経路に高精度の地図データが備わっていないときには、前記誘導経路の中に自動運転できない部分が存在する旨を報知する報知部(10)と、
    を備えた車両の運転支援装置。
  2. 前記報知部(10)は、前記誘導経路について、高精度の地図データが備わっている部分と、高精度の地図データが備わっていない部分とが混在しているときには、自動運転と手動運転が混在する誘導経路である旨を報知することを特徴とする請求項1記載の車両の運転支援装置。
  3. 前記誘導経路について、高精度の地図データが備わっている部分では、自動運転を実行し、高精度の地図データが備わっていない部分では、手動運転を実行する運転切替部(10)を備えたことを特徴とする請求項2記載の車両の運転支援装置。
  4. 前記報知部(10)は、自動運転の実行前に、これから自動運転を実行する旨を報知し、手動運転の実行前に、これから手動運転を実行する旨を報知することを特徴とする請求項3記載の車両の運転支援装置。
  5. 前記報知部(10)は、前記誘導経路について、高精度の地図データが全く備わっていないときには、目的地まで手動運転で走行する誘導経路である旨を報知することを特徴とする請求項1記載の車両の運転支援装置。
  6. 運転者の状態を検知する検知部(6)を備え、
    前記経路計算部(10)は、前記誘導経路について、高精度の地図データが備わっている部分と、高精度の地図データが備わっていない部分とが混在しているときであって、運転者の状態が手動運転不可能な状態であるときには、現在地から目的地まで自動運転可能な誘導経路を再計算することを特徴とする請求項1記載の車両の運転支援装置。
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