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JP6356598B2 - 半導体製造装置用部品 - Google Patents

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本発明は、本発明は、半導体集積回路の製造工程または液晶表示装置の製造工程等において用いられる半導体製造装置用部品に関するものである。
半導体製造装置用部品として、例えば、特許文献1に記載の半導体製造装置用ガスシャワー体が知られている。特許文献1に記載の半導体製造装置用ガスシャワー体は、複数の貫通孔を有するセラミックス焼結体基材と、セラミックス焼結体基材の内部に形成されたプラズマ発生用の導電層とを備えている。
特開2001−274103号公報
一般的に、導電層は、セラミックス焼結体基材の表面に設けられた凹部に引き出される。引き出された導電層は、凹部に挿入されたリード端子に接合材を介して接続される。このとき、凹部の内部には接合材が充填されることになる。ここで、半導体製造装置用部品を使用する際に、プラズマ発生用である導電層に高周波の印加を行なうと、セラミックス焼結体基材の温度が上昇する。これに伴って、導電層、リード端子および接合材の温度が上昇する。
このとき、凹部の内部に充填された接合材とセラミックス焼結体基材との間で熱応力が発生し、セラミックス焼結体基材にクラックが生じてしまうおそれがあった。その結果、半導体製造装置用部品の長期信頼性を向上させることが困難であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱応力の発生を低減し、セラミックス焼結体基材にクラックが生じることを抑制することで、半導体製造装置用部品の長期信頼性を向上させることにある。
本発明の一態様の半導体製造装置用部品は、リード端子が挿入される凹部を表面に有するセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられて前記凹部の底面および壁面に引き出された内部電極と、前記凹部に挿入されて前記内部電極に導電性の接合材を介して接合されたリード端子とを備えており、前記接合材は、前記内部電極のうち前記底面に位置する部分と前記リード端子とを接合し、前記内部電極のうち前記壁面に位置する部分と前記リード端子とを接合するとともに、隅部および開口部から離れている。
本発明の一態様の半導体製造装置用部品によれば、熱応力が最も集中しクラックの起点になりやすい隅部と接合材との間に、隙間を有する。このため、リード端子と内部電極とを接合しつつも、セラミックス体と接合材との間に生じる熱応力を低減できる。その結果、半導体製造装置用部品の長期信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の半導体製造装置用部品を示す断面図である。 図1に示した半導体製造装置用部品をガスシャワー体として用いるときの模式図である。 図1に示した半導体製造装置用部品の凹部近傍を示す部分断面図である。 半導体製造装置用部品の変形例を示す部分断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る半導体製造装置用部品10について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態の半導体製造装置用部品10は、セラミック体1とセラミック体1の内部に設けられた内部電極2と、内部電極2に接続されたリード端子3とを備えている。本実施形態における半導体製造装置用部品10は、半導体製造装置用のガスシャワー体として用いられる。ガスシャワー体は、半導体ウエハの表面に反応ガスを均一に吹き込ませるために用いられる。
セラミック体1は、例えば円板状の部材である。セラミック体1は複数の貫通孔4を有している。貫通孔4は、反応ガスを通過させるために設けられている。具体的には、セラミック体1の上面側に反応ガスを供給すると、セラミック体1の貫通孔4を通って反応ガスがセラミック体1の下面側から噴出される。貫通孔4をセラミック体1に多数分布させておくことによって、セラミック体1の表面に噴出する反応ガスの量や位置を調整することができる。セラミック体1は、例えば、窒化アルミニウムセラミックス等のセラミックス材料から成る。セラミック体1は、例えば、セラミックグリーンシートを積層して、焼結することによって作製できる。セラミックス材料としては、特に、窒化アルミニウムが好ましい。窒化アルミニウムを用いることによって、熱伝導に優れるとともにプラズマ環境下における耐腐食性に優れるセラミック体1とすることができる。
セラミック体1は、例えば、以下の寸法に設定できる。具体的には、直径を300〜500mm、厚みを3〜15mmに設定できる。また、貫通孔4は、例えば、10〜20mm程度の間隔を開けてほぼ全体に均等に分布させることができる。
内部電極2は、プラズマを発生させるための電極である。内部電極2は、セラミック体1の内部にセラミック体1の上下面に沿って広範囲に設けられている。内部電極2は、貫通孔4の壁面に露出することが無いように貫通孔4と間隔を開けて形成されている。具体的には、例えば、貫通孔4が円形状の場合には、貫通孔4よりも径が大きく中心が貫通孔4の中心と同一となる円形の非形成部を有する。
内部電極2は、例えば、タングステン等の金属材料から成る。内部電極2は、セラミック体1をセラミックグリーンシートの積層によって形成する際に、一部のセラミックグリーンシートの表面に内部電極2の原料となるペースとを印刷するとともに、セラミックグリーンシートとともに焼結することによって作製できる。内部電極2は、以下の寸法に設定できる。具体的には、外周部分の直径を290〜490mm、厚みを30〜50μmに設定できる。貫通孔4とは、例えば、1.5〜2.5mmの間隔を開けて形成される。
シャワーヘッドとして半導体製造装置用部品10を用いる際には、図2に示すように、あわせて試料保持具8を用いる。試料保持具8は、例えば、セラミック材料から成り、上面において半導体ウエハ等の試料9を保持する。試料保持具の内部には、上面に沿ってプラズマ発生用の電極11が設けられている。内部電極2とプラズマ発生用の電極11との間に高周波の電圧を印加すると、内部電極2とプラズマ発生用の電極11との間に電界が生じる。このとき、半導体製造装置用部品10の貫通孔4を通って噴出された反応ガスが半導体ウエハ上に供給されると、電界によって反応ガスが励起されてプラズマが発生する。このようにして形成されたガスプラズマによって、半導体ウエハの表面上で所定の膜形
成またはエッチングを行なうことができる。
本実施形態の半導体製造装置用部品10は、セラミック体1の表面にリード端子3が挿入される凹部5が設けられている。より具体的には、セラミック体1の上面に凹部5が設けられている。そして、図3に示すように、内部電極2は凹部5の底面に引き出されている。本実施形態においては、内部電極2は、凹部5の壁面に引き出されるとともに、凹部5の壁面から底面にかけて引き出されている。なお、内部電極2のうち、セラミック体1に埋設されている部分と、凹部5の底面に形成されている部分とは、異なる材料から成っていてもよいし、別々に形成されていてもよい。このような場合も、1つの内部電極2として見なすことができる。
そして、凹部5の内部にはリード端子3が挿入されている。リード端子3は、内部電極2と外部の電源とを接続するための部材である。リード端子3は、金属材料から成る。特に、リード端子3が非磁性金属から成ることが好ましい。一般に、高周波の電圧を印加した際にリード端子3が磁性金属の場合には、渦電流が発生してしまい、発熱が生じてしまう。リード端子3として非磁性金属を用いることで、渦電流の発生を抑制できる。リード端子3に用いられる非磁性金属としては、例えば、タングステンが挙げられる。
リード端子3は、内部電極2に導電性の接合材7を介して接合されている。これにより、リード端子3と内部電極2とが電気的に接続されている。接合材7としては、例えば、銀銅ろう等を用いることができる。
本実施形態の半導体製造装置用部品10は、少なくとも接合材7が凹部5の底面において、隅部から離れて設けられている。これにより、熱応力が最も集中しやすくクラックの起点になりやすい隅部と接合材7との間に、隙間を有することとなる。このため、リード端子3と内部電極2とを接合しつつも、セラミックス体と接合材7との間に生じる熱応力を低減できる。その結果、半導体製造装置用部品10の長期信頼性を向上させることができる。
凹部5の寸法は、例えば、内径を3〜5mmに、深さを2〜4mmに設定できる。リード端子3の寸法は、例えば、直径を2〜4mmに設定できる。接合材7と隅部との間隔は、例えば、0.3〜0.6mm程度に設定できる。なお、ここでいう「隅部」とは、凹部5の底面と壁面とを繋ぐ部分を意味している。具体的には、凹部5が、円柱状や四角柱状の場合には、底面と壁面とが成す角の部分を隅部と見なすことができる。また、底面と壁面とが滑らかに連続しているような場合には、底面と壁面とを繋ぐ領域の全体を隅部として見なすことができる。
さらに、本実施形態においては、接合材7が凹部5の壁面とリード端子3の周囲との間に設けられており、かつ開口部6からは離れている。開口部6は、セラミック体1の表面と凹部5の壁面とによって角部が形成されていることから、熱応力が集中しやすい傾向にあるが、開口部6から離して接合材7を設けることによって、開口部6の角部において熱応力が集中することを抑制できる。その結果、半導体製造装置用部品10の長期信頼性を向上させることができる。なお、図3においては、凹部5の底面にある接合材7と、凹部5の壁面とリード端子3の周囲との間にある接合材7とが、別々に存在しているが、これに限られない。具体的には、凹部5の底面にある接合材7が隅部を避けつつ、凹部5の壁面に這い上がっていてもよい。
さらに、図4に示すように、接合材7が隅部だけではなく壁面から離れて設けられていてもよい。言い換えると、接合材7が凹部5の底面にのみ接触していてもよい。これにより、接合材7とセラミック体1との間に発生する熱応力が、1つの面(凹部5の底面)か
ら発生するようになる。一般的に、接合材7が凹部5の底面および壁面の両方に接触しているような場合には、熱応力が異なる2つの面(凹部5の底面および壁面)から発生することから、セラミック体1にねじれるような力がかかる場合がある。図4に示すように、接合材7を凹部5の底面にのみ接触させることによって、セラミック体1にねじれるような力がかかることを抑制することで、クラックの発生をさらに抑制できる。
さらに、セラミック体1がリード端子3よりも熱膨張率が大きいことが好ましい。セラミック体1の熱膨張率をリード端子3の熱膨張率よりも大きくすることによって、半導体製造装置用部品10の冷却時に、セラミック体1とリードとの接合部において、セラミック体1に引張応力が発生することを抑制できる。これにより、ヒートサイクル下においてセラミック体1に熱応力が発生することをさらに低減できる。セラミック体1がリード端子3よりも熱膨張率が大きいようにするためには、例えば、セラミック体1として窒化アルミニウムを用いるとともに、リード端子3としてタングステンを用いればよい。このとき、セラミック体1の熱膨張率は、例えば、5.1×10−6/Kになり、リード端子3の熱膨張率は、例えば、4.5×10−6/Kになる。
なお、本実施形態においては、凹部5がセラミック体1の上面に設けられていたが、これに限られない。例えば、側面または下面等の他の面に設けられていてもよい。また、本実施形態においては、半導体製造装置用部品10をガスシャワー体として用いた例を説明したが、これに限られない。例えば、半導体ウエハ等を保持するための試料保持具として用いても構わない。また、本実施形態においては、内部電極2としてプラズマ用の電極を用いた場合を説明したが、これに限られない。ヒータ等の電極を内部電極2として用いてもよい。
上述の半導体製造装置用部品10の製造方法を説明する。なお、セラミック体1に窒化アルミニウムセラミックスを用いた場合を例に説明するが、アルミナセラミックス等の他のセラミック材料の場合であっても同様の方法で製造することができる。
まず、主原料となる窒化アルミニウム粉末と微量の焼結助剤とを、ウレタンまたはナイロン等の樹脂で内張りを施したボールミル中に投入し、イオン交換水または有機溶媒等の溶媒および金属またはセラミックス体から成るボールと共に24〜72時間の湿式粉砕混合を行なう。
こうして粉砕混合した原料スラリー中に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールまたはアクリル樹脂等の有機バインダおよび可塑剤ならびに消泡剤を添加して、さらに24〜48時間の混合を行なう。混合された有機−無機混合スラリーをドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法または押し出し成形法等によって、厚さ20μm〜20mmのセラミックグリーンシートに成形する。
そして、セラミック体1を形成するセラミックグリーンシートに内部電極2を形成するためのペースト状電極材料を印刷成形する。ペースト状電極材料としては、白金、タングステン、モリブデン等を用いることができる。
このとき、貫通孔4に対応する箇所にはペース状電極材料を印刷しないようにレジスト等を用いる。
次に、セラミック体1における所定の位置に内部電極2が形成されるように、ペースト状電極材料が印刷されていないセラミックグリーンシートとペースト状電極が印刷されたセラミックグリーンシートとを積層する。ここで、積層されたセラミックグリーンシート同士を密着させるために、例えば、熱板を用いた加圧プレスを行う。具体的には、グリー
ンシートに混合された有機バインダおよび可塑剤を適正な配分とし、グリーンシート積層体と熱板の間に適正な粘弾塑性による変形性を有する緩衝材を挿入して、さらに適正な温度と圧力と保持時間で加圧する。
次に、得られた積層体にガス穴として複数の貫通孔4を形成する。例えば、マシニングセンターで所望の形状、配置で穴を形成する。
次に、得られた積層体を所定の温度および所定の雰囲気中にて焼成する。そして、焼成後のセラミック体1の表面をマシニングセンター、ロータリー加工機または円筒研削盤を用いて所定の形状に加工する。さらに面を所定の平面度および表面粗さに加工する。
さらに、内部電極2のパターンおよび埋設される深さに応じて、マシニングセンター等を用いて内部電極2が露出するように凹部5を形成する。さらに、凹部5の壁面および底面に、電極ペーストを塗布し熱処理を施すことで、内部電極2のうち凹部5の壁面および底面に位置する部分を形成する。
そして、凹部5にリード端子3を挿入して、銀銅ろう等の接合材7を用いてリード端子3と内部電極2とを接合する。接合の際には、凹部5の隅部に接合材7が接触することが無いように、隅部に窒化ホウ素等の離型材を塗布しておくとよい。以上のようにして、半導体製造装置用部品10を作製できる。
1:セラミック体
2:内部電極
3:リード端子
4:貫通孔
5:凹部
6:開口部
7:接合材
10:半導体製造装置用部品

Claims (3)

  1. リード端子が挿入される凹部を表面に有するセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられて前記凹部の底面および壁面に引き出された内部電極と、前記凹部に挿入されて前記内部電極に導電性の接合材を介して接合されたリード端子とを備えており、
    前記接合材は、前記内部電極のうち前記底面に位置する部分と前記リード端子とを接合し、前記内部電極のうち前記壁面に位置する部分と前記リード端子とを接合するとともに、隅部および開口部から離れていることを特徴とする半導体製造装置用部品。
  2. 前記リード端子が非磁性金属から成ることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置用部品。
  3. 前記セラミック体が、前記リード端子よりも熱膨張率が大きいことを特徴とする請求項1または請求項に記載の半導体製造装置用部品。
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