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JP6343956B2 - 読取画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、読取画像処理プログラム及び読取画像処理方法 - Google Patents

読取画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、読取画像処理プログラム及び読取画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、読取画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、読取画像処理プログラム及び読取画像処理方法に関し、特に、画像を読み取るセンサの繋ぎ目部分の処理に関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置のうち、情報の電子化に用いるスキャナの一態様として、A0サイズのような広幅の画像読取装置がある。広幅の画像読取装置においては、低コスト化のため、A4サイズ等の比較的短いラインイメージセンサ複数個を主走査方向に千鳥状に配置し、各ラインイメージセンサによる画像データを合成することにより、広幅の読取処理を可能としたものがある。
上述したA4サイズ等のラインイメージセンサ複数個を主走査方向に千鳥状に配置した構成の場合、ラインイメージセンサの副走査方向の位置が異なるため、A0サイズのような広幅サイズの用紙において、用紙の搬送速度などが原因で、ラインイメージセンサごとの画像データが繋ぎ目部分でずれてしまう問題がある。
このような問題を解決するため、ラインイメージセンサごとの画像データを合成する際に、繋ぎ目付近でぼかし処理などの補正処理を行うことで、ずれを目立たなくする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術では、繋ぎ目付近において、画素の濃淡が周期的に変化する画像、いわゆる網点画像であるか、非網点画像であるかを検知し、その検知結果に基づいて補正処理の要否を決定することにより、補正による副作用を低減する方法が提案されている。
2つのイメージセンサの読取結果が異なる場合の一例として、2つのイメージセンサの画像位置が副走査方向にずれている場合がある。このような場合、網点と非網点とが副走査方向に切り替わる位置で段差が生じ、その部分で2つのイメージセンサの読取結果に差異が生じる。
特許文献1に開示された方法においては、2つのイメージセンサの読取結果が異なる場合には、網点画像であると判断して、補正処理を行わずにスルー処理が行われる。そのため、副走査方向において網点画像と非網点画像とが切り替わるときにもスルー処理が行われることとなってしまう場合がある。その結果、2つのイメージセンサの画像位置が副走査方向にずれている場合に生じる段差が目立ってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、複数のラインイメージセンサによる読取結果を連結することにより広範な画像の読み取りを可能とする画像読取装置において、良好な読取画像を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、複数のラインイメージセンサにおいて各画素に対応する読取素子の並び方向の端部同士が、前記読取素子の並び方向と直交する方向に重複するように配置されて構成された読取部によって読み取られた読取画像を処理する読取画像処理装置であって、前記夫々のラインイメージセンサに含まれる読取素子のうち前記直交する方向に重複している範囲の読取素子によって読み取られた読取画像である繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否かを判断する網点画像判断部と、異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた前記繋ぎ目読取画像に基づき、前記ラインイメージセンサが副走査方向に重複している部分の画像である繋ぎ目画像を生成する繋ぎ目処理部と、前記夫々のラインイメージセンサによって読み取られた読取画像及び生成された前記繋ぎ目画像に基づいて1ライン分の読取画像を生成するライン画像生成部とを含み、前記繋ぎ目処理部は、前記繋ぎ目読取画像が網点画像であるか否かの判断結果が所定の判断結果であった場合、2つのラインイメージセンサによって読み取られた夫々の読取画像を、前記重複している範囲に設定された所定の繋ぎ目位置で連結して前記繋ぎ目画像を生成し、前記繋ぎ目画像を生成する対象のライン及び当該対象のラインの前記副走査方向での周辺のラインにおける前記繋ぎ目読取画像が網点画像であるか否かの判断結果に基づいて前記対象のラインの所定の繋ぎ目位置を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、複数のラインイメージセンサによる読取結果を連結することにより広範な画像の読み取りを可能とする画像読取装置において、良好な読取画像を得ることができる。
本発明の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るスキャナユニットの機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るライン合成処理部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る網点判定動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る網点判定動作において用いられるフィルタの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る網点判定処理を示す図である。 本発明の実施形態に係る乗算管理による重みづけ処理の態様を示す図である。 本発明の実施形態に係るメモリの機能を示す図である。 本発明の実施形態に係る繋ぎ目補正処理における動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る繋ぎ目位置決定処理において参照する判定テーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係る繋ぎ目補正処理の判断結果の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る繋ぎ目位置決定処理における直結処理の別例の態様を示す図である。 本発明の比較例に係る繋ぎ目補正処理の判断結果の例を示す図である。 本発明の比較例に係る繋ぎ目補正処理の判断結果の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、A0サイズに対応した広幅の画像読取装置を含むMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)を例として説明する。
まず、本実施形態に係る画像処理装置1全体のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置と同様の構成を有する。即ち、本実施形態に係る画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像処理装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが画像処理装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、ユーザが画像処理装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースであり、本実施形態においては、タッチパネルやハードキー等によって構成される。
専用デバイス80は、画像処理装置1特有の機能を実現するためのハードウェアであり、紙面上に画像形成出力を実行するプリントエンジンや、紙面上の画像を読み取るためのスキャナユニットである。本実施形態に係る画像処理装置1は、このスキャナユニットに特徴を有する。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、画像処理装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ディスプレイパネル104、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107及びネットワークI/F108を有する。
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140及び入出力制御部150を含む。図2に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、スキャナユニット102、プリントエンジン106を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル104は、画像処理装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像処理装置1を直接操作し、若しくは画像処理装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル104は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル104は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。
ネットワークI/F108は、画像処理装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108は、TCP/IPプロトコルによる通信が可能である。また、ネットワークI/F108は、画像処理装置1がファクシミリとして機能する際に、ファクシミリ送信を実行するためのインタフェースとしても機能する。そのため、ネットワークI/F108は、電話回線にも接続されている。ネットワークI/F108は、図2に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像処理装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像処理装置1の記憶領域に格納され若しくはネットワークI/F108を介して他の情報処理端末や記憶装置に送信される情報である。
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108及びネットワークを介してネットワークに接続された他の機器にアクセスする。
画像処理装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報若しくは画像情報に基づいて描画情報を生成させる。
本実施形態に係る印刷ジョブには、出力対象の画像情報が画像処理装置1の画像処理部130によって解析可能な情報形式で記述された画像の情報の他、画像形成出力に際して設定されるべきパラメータの情報が含まれる。このパラメータの情報とは、例えば、両面印刷の設定、集約印刷の設定、カラー/モノクロの設定等の情報である。
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120は、プリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。即ち、画像処理部130、エンジン制御部120及びプリントエンジン106が画像形成出力部として機能する。プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。
画像処理装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作若しくはネットワークI/F108を介して他の端末から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部140若しくは入出力制御部150が主制御部110にスキャン実行信号を転送する。主制御部110は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部120を制御する。
エンジン制御部120は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部120は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部120の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作すると共に、エンジン制御部120が、読取制御部として機能する。
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCIS(Contact Image Sensor)やCCD(charge−coupled device)等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。なお、CISやCCDの撮像素子は、読取素子の一例に該当する。エンジン制御部120は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部130に転送する。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、エンジン制御部120から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
画像処理部130が生成した画像情報は主制御部110が取得し、主制御部110がHDD40等の画像処理装置1に装着された記憶媒体に保存する。即ち、スキャナユニット102、エンジン制御部120及び画像処理部130が連動して、画像入力部として機能する。画像処理部130によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部150及びネットワークI/F108を介して外部の装置に送信される。
また、画像処理装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部120がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部130が生成した画像情報に基づき、画像処理部130が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部120がプリントエンジン106を駆動する。尚、描画情報と撮像情報との情報形式が同一である場合は、撮像情報をそのまま描画情報として用いることも可能である。
このような構成において、本実施形態は、スキャナユニット102内部の構成に特徴を有する。図3を参照して、スキャナユニット102内部の構成について説明する。図3に示すように、本実施形態に係るスキャナユニット102は、CIS201、CIS202、CIS203、A/D変換器204、A/D変換器205、A/D変換器206、メモリ207、メモリ208、メモリ209及びライン合成処理部210を含む。
CIS201〜203はラインイメージセンサである。この3つのラインイメージセンサのライン幅によってA0サイズの主走査方向幅全体がカバーされるように並べて配置されている。また、3つのラインイメージセンサは千鳥状に配置されており、夫々隣り合うラインイメージセンサの端部の数画素分が主走査方向に重なるように配置されている。換言すると、夫々のラインイメージセンサにおける画素の並び方向の端部同士が、画素の並び方向と直交する方向に重複するように配置されることにより、読取範囲の主走査方向全範囲をカバーする読取部が構成されている。
また、3つのラインイメージセンサは副走査方向にずらされて配置されており、中央に配置されたCIS202が副走査方向の最上流側に配置され、両端のCIS201、CIS203が副走査方向の下流側に配置されている。尚、図3は、機能ブロック図であるが、CIS201〜CIS203は、図3に示すように千鳥状に配置されている。
CIS201から出力される画像データはA/D変換器204によってデジタル信号に変換され、ライン合成処理部210に入力される。CIS202、CIS203から夫々出力される画像データは、夫々A/D変換器205、A/D変換器206によってデジタル信号に変換された後、メモリ207、メモリ208によって夫々所定期間遅延されてからライン合成処理部210に転送される。
メモリ207、メモリ208夫々による遅延は、CIS202、CIS203とCIS201との副走査方向の配置関係の差分を吸収するための遅延である。CIS201は副走査方向の最下流側に配置されており、遅延の必要がないことからメモリによる遅延は不要であり、直接ライン合成処理部210に入力される。他方、CIS203は、調整容易化のためCIS201よりも数ライン上流側に配置されていることから、メモリ208による遅延が必要となる。
ライン合成処理部210は、CIS201とCIS202、CIS202とCIS203とが夫々重なる部分、即ち繋ぎ目での網点の検知、網点の検知結果を考慮した繋ぎ目補正処理、そして、繋ぎ目補正処理が施されたCIS201〜CIS203による読取結果の1ライン化処理を行い、1ライン分の撮像データを生成する。ライン合成処理部210は、そのようにして生成した1ライン分の撮像データを、図2において説明したエンジン制御部に転送する。メモリ209は、ライン合成処理部210によるライン合成処理において用いられる記憶領域である。
次に、本実施形態に係るライン合成処理部210の機能構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、本実施形態に係るライン合成処理部210は、網点検知部211、繋ぎ目補正処理部212、メモリ213及び1ライン化処理部214を含む。尚、図4においては、ライン合成処理部210への入力を1本で示しているが、図3において説明したように、ライン合成処理部210への入力はCIS201〜CS203夫々に対応する3本分である。
網点検知部211は、上述したように、CIS201、CIS202及びCIS203夫々の繋ぎ目部分の画素(以降、「繋ぎ目読取画像」とする)を参照し、繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否かを判断して検知する網点画像判断部である。図5は、本実施形態に係る網点検知部211による網点検知のための処理を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態に係る網点検知部211は、CIS201〜CIS203の画像入力を受け付けると(S501)、検知対象範囲である繋ぎ目部分の画像に対してフィルタ処理を行い(S502)、フィルタ処理後の画像データを単純二値化する(S503)。そして、単純2値化された検知対象である繋ぎ目部分の画像に基づいて網点判定を行う(S504)。
図6は、S502において適用されるフィルタの例を示す図である。網点検知部211は、図6に示すようなフィルタを、検知対象範囲である繋ぎ目部分の画像を構成する各画素を注目画素として適用することにより、S502のフィルタ処理を行う。S503の単純二値化処理において用いられる量子化閾値は、データが8ビットの場合は128、10ビットの場合は512である。
S504において、網点検知部211は、図7に示すように、単純二値化後の画像について、注目領域内の画像が白から黒、若しくは黒から白に変化する変化点の数をカウントし、そのカウント結果が所定の閾値(以降、「変化点閾値」とする)以上であれば網点であると判定する。ここで、検知対象範囲である繋ぎ目部分、即ち注目領域は、例えば、注目画素を中心として左右15画素、合計31画素の範囲である。尚、上述した量子化閾値、変化点閾値及び注目領域の画素数は任意に変更可能である。
また、カラー画像の場合、RGB各色の値から1つのプレーンの画像を生成して上述した処理を実行しても良いし、RGB各色の値に対して上述した処理を実行しても良い。尚、網点検知は公知技術であり、上述した処理によるものの他、様々な方法を用いることが可能である。網点検知部211による検知結果、即ち網点画像か否かの判定結果はメモリ213に入力される。メモリ213は、複数ライン分の網点検知結果を蓄積し、繋ぎ目補正処理部212に入力する。
繋ぎ目補正処理部212は、図示しない重み付け係数部、乗算回路、セレクタ、加算回路等を備えており、夫々のラインイメージセンサによって夫々読み取られた繋ぎ目読取画像に基づき、夫々の主走査ラインにおける繋ぎ目部分の画像(以降、「繋ぎ目画像」とする)を生成する繋ぎ目処理部である。乗算回路には重み付け係数部から重み付け係数が入力される。また、乗算回路及びセレクタは直列に配置され、セレクタには乗算回路からの入力と乗算回路をスルーしたデータが入力される。セレクタは乗算回路からのデータと乗算回路をスルーしたデータのいずれかを選択して出力する。
このような回路は、CIS201とCIS202との繋ぎ目及びCIS202とCIS203との繋ぎ目の夫々に設けられている。各セレクタの後段には加算回路が設けられ、各セレクタからのデータが入力され、加算処理を行った後、補正後データとして出力される。
図8(a)は、繋ぎ目補正処理における重み付け係数の一例を示した図である。図8においては、CIS201とCIS202との繋ぎ目部分について図示しているが、CIS202とCIS203との繋ぎ目も同様である。図8(a)に示す様に、繋ぎ合わせる左右の重なり部分を128画素設定し、16画素単位でCIS201からのデータにおいては左側から順に7/8、6/8、・・・1/8の重み付け係数を第1の乗算回路で演算処理する。CIS202からのデータは、逆に重なり部分の右側から順に7/8、6/8、・・・1/8の重み付け係数を第2の乗算回路で演算処理する。
補正係数に関して今回は16画素単位で1〜7の補正係数にしたが、すべて同じ補正係数にするなど任意に選択できる。その後、加算回路で加算処理を行い、補正後データとする。本方式により、隣り合ったイメージセンサの重なり部分のズレと読み取り時の濃度の段差を段階的に繋ぐことが可能となり、位置ズレ及び濃度段差を吸収することができる。このような処理は、換言すると、異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた繋ぎ目読取画像のうち対応する画素を重み付けにより合成して繋ぎ目画像を生成する合成処理である。
これに対して、網点画像に対して上述したような補正処理を行うと、イメージセンサの位置ズレがある場合などでは網点部分が消えてしまう可能性がある。そこで、網点画像である場合は繋ぎ目補正処理を実施しない。具体的には、上述したセレクタからの出力として乗算回路をスルーしたデータが選択されて出力される。この時、例えば繋ぎ目中心部分より左側はCIS201からのデータを、繋ぎ目中心部分より右側はCIS202からのデータを用いて補正後データとすれば良い。
このような処理は、異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた繋ぎ目読取画像の各画素について、前記異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた前記繋ぎ目読取画像のいずれか一方を選択して繋ぎ目画像を生成する連結処理である。即ち、上述したように、中心部分の左右で分ける場合の他、CIS201からのデータとCIS202からのデータとを交互に選択するような態様も可能である。
また、この場合は、図8(b)に示す重み付け係数を用いて繋ぎ目補正処理を行っても等価である。すなわち、繋ぎ目中心部分より左側はCIS201の重み付け係数を1、CIS202の重み付け係数を0とし、繋ぎ目中心部分より右側はCIS201の重み付け係数を0、CIS202の重み付け係数を1とする。また、上述したように、CIS201からのデータとCIS202からのデータとを交互に選択するような場合、CIS201の重み付け係数を1、0、1、0・・・とし、CIS202の重み付け係数を0、1、0、1・・・とする。
このようなセレクタの切り替えを可能とするため、繋ぎ目補正処理部212には、メモリ213に蓄積された網点検知結果が入力される。そして、繋ぎ目補正処理部212は、現在処理中である主走査ラインの前後複数ライン分の網点検知結果に基づいて、上述した乗算回路からの入力と乗算回路をスルーしたデータのいずれかのデータを選択して出力する。
1ライン化処理部214は、CIS201〜CIS203について並列に転送される夫々の読取画像と、繋ぎ目補正処理部212によって生成された繋ぎ目部分の画像である繋ぎ目画像とに基づいて1ライン分の撮像画像を生成し、後段のモジュールに出力するライン画像生成部である。この後段のモジュールとは、例えば、図2に示すエンジン制御部120である。
尚、繋ぎ目補正処理部212から出力される繋ぎ目画像は、複数ライン分に基づく網点画像の判断に基づいて生成されて出力されるため、CIS201〜CIS203から並列に転送される夫々の読取画像よりも複数ライン分遅れて出力される。そのため、繋ぎ目補正処理部212は、CIS201〜CIS203から並列に転送される夫々の読取画像を一度メモリ209に格納し、繋ぎ目補正処理部212から繋ぎ目画像が出力されるタイミングで、対応する読取画像をメモリ209から読み出し、連結して1ライン分の撮像画像を生成する。
尚、図4に示すライン合成処理部210の構成は、夫々のモジュールがハードウェア回路で実現されても良いし、CPU等の演算装置が、図4に示すような機能を実現するためのソフトウェア・プログラムに従って演算を行うことにより構成されても良い。
ここで、本実施形態に係る要旨は、繋ぎ目補正処理部212が、現在処理中のラインについての網点検知結果のみでなく、副走査方向の前後数ライン分の網点検知結果を参照してセレクタの出力を切り替えることにある。そのため、本実施形態に係るメモリ213は、図9(a)〜(c)いずれかに示すような構成を有する。
図9(a)の態様は、繋ぎ目のどちらか一方側の画像データのみを使って網点検出を行い、検出結果を蓄積する場合について示す。図では、網点検出部より入力された網点検出結果を、4つの格納場所を持ったFIFO(First In, First Out)をライン単位で順次読み出し、繋ぎ目補正処理部へ出力する。これにより、繋ぎ目補正処理部では現ラインである1ラインを含めた5ライン分の網点検出結果に基づき補正処理を実行する。
図9(b)に、繋ぎ目の両側の画像データを使ってそれぞれ網点検出を行い、検出結果を蓄積する場合について示す。繋ぎ目の両側のデータに対応する2本のFIFOで構成され、各FIFOの動作は図9(a)と同様である。
また、図9(c)に、主走査方向の画素単位で繋ぎ目補正処理を実施する場合について示す。繋ぎ合わせる左右のオーバーラップ分の画素幅を持つFIFOを4本持ち、各FIFOを並列に主走査方向の画素単位で順次読み出し、繋ぎ目補正処理部へ出力する。これにより、繋ぎ目補正処理部では現ラインである1ラインを含めた5ライン分の網点検出結果に基づき画素単位で繋ぎ目補正処理を実行する。
また、網点検出結果として、網点/非網点の2値ではなく、網点の周期や周波数を検出し、結果をメモリ213に蓄積する場合には、検出した周期や周波数に応じて所望のbit数分を格納できるFIFOで構成すると良い。尚、メモリ213をライン合成処理部210の内部に設ける場合の他、メモリ209の記憶領域を用いて図9(a)〜(c)のような処理を実現しても良い。
次に、本実施形態に係るライン合成処理部210による繋ぎ目補正処理の要否の判定動作及び繋ぎ目位置の決定方法について、図10を参照して説明する。図10においては、CIS201とCIS202との繋ぎ目における判断について説明するが、CIS202とCIS203との繋ぎ目の場合も同様である。
本実施形態に係る繋ぎ目補正処理部212は、繋ぎ目補正処理の判断対象であるライン及び判断対象であるラインの前1ライン分、合計2ライン分についての網点検知結果を参照して繋ぎ目補正の要否の判定及び繋ぎ目位置を決定する。そのため、図10に示すように、第nライン目の繋ぎ目補正処理の有無の判定に際して、CIS201及びCIS202夫々の画像データについての、網点検知部211による第n−1ライン目及び第nライン目の網点検知処理及びメモリ213への網点検知結果の格納(S1001、S1002)が必要となる。
第n−1ライン目及び第nライン目の網点検知結果がメモリ213に格納されると、繋ぎ目補正処理部212は、処理対象である第nライン目についての網点検知結果を、CIS201、CIS202夫々の場合について読みだし(S1003)、両者が一致しているか否か確認する(S1004)。CIS201、CIS202夫々の第nライン目についての網点検知結果が一致している場合(S1004/YES)、次に、繋ぎ目補正処理部212は、その検知結果が網点であるか否か確認する(S1005)。
S1005の確認の結果、検知結果が網点である場合(S1005/YES)、繋ぎ目補正処理部212は、第nライン目の画像について繋ぎ目補正処理を施すべきでないと判断し、セレクタの出力として乗算回路をスルーしたデータを選択する(S1006)。他方、検知結果が非網点である場合(S1005/NO)、繋ぎ目補正処理部212は、第nライン目の画像について繋ぎ目補正処理が必要であると判断し、セレクタの出力として乗算回路からのデータ、即ち繋ぎ目補正処理が施されたデータを選択する(S1007)。
S1004の判断の結果、第nライン目についての網点検知結果が不一致であった場合(S1004/NO)、第nライン目についての網点検知結果のみで判断することができないため、繋ぎ目補正処理部212は、第nライン目の前1ライン分、即ち、第n−1ライン目の網点検知結果を、CIS201、CIS202夫々について読み出す(S1008、S1009)。そして、繋ぎ目位置を決定する判定テーブルを読み出し(S1010)、この判定テーブルと、第n−1ライン目の網点検知結果と、第nライン目の網点検知結果とから、繋ぎ目位置を決定し(S1011)、このとき決定した位置にて繋ぎ目を直結させる(S1012)。
図11は、本実施形態に係る繋ぎ目補正処理部212による繋ぎ目位置決定処理に用いられる判定テーブルの一例であり、繋ぎ目の両側の画像データを使ってそれぞれ網点検知を行い、ある注目ラインとその1ライン前の網点検知結果に基づき繋ぎ目位置をこの判定テーブルに従って決定する。尚、この判定テーブルは、ライン合成処理部210の内部に設けられた図示しないメモリ等に格納されているものである。
図12は、本実施形態に係る繋ぎ目補正処理部212による繋ぎ目位置決定処理を含む繋ぎ目補正処理の処理結果の一例を示す図であり、副走査方向における網点画像と非網点画像との切り替わる部分における、補正処理前の画像イメージ、網点判定結果、補正処理後の画像イメージを示している。図12においては、網点か非網点かの2パターンのみの場合について記載し、補正前の元画像データは、CIS201とCIS202とで副走査方向に3ライン分ずれている。また、図12においては、最小区画を成す1マス(Xで示す)を1画素として表しており、ハッチングを施したマスを網点とし、ハッチングを施していないマスを非網点として表現している。
図10において説明したように、本実施形態に係る繋ぎ目補正処理においては、処理対象の繋ぎ目部分における一方のラインイメージセンサ及び他方のラインイメージセンサ夫々の読取画像の網点検知結果が一致するか否かを参照し、一致する場合には、従来通り、網点画像であれば補正を禁止し、非網点画像であれば補正処理を行う。他方、繋ぎ目部分における2つのラインイメージセンサの読取画像の網点検知結果が不一致の場合、1ライン前の網点検知結果に従って繋ぎ目位置を決定する。
図12において、「B」で示す注目ラインにおける網点検知結果では、CIS201とCIS202とで網点検知結果が不一致となっている。具体的には、CIS201側のみ読取画像が網点として検知されている。
この場合、「B」の1ライン前、即ち「A」で示すラインの網点検知結果と、図11の判定テーブルとに従って繋ぎ目位置A(n)を左右どちらかに移動するかを表す係数αを決める。図11の判定テーブルを参照すると、係数α=1に決まる。ここで決まった係数αは、次に新たな係数の値が決まるまで保持されるものである。そして、この場合には、繋ぎ目位置A(n)=中心位置であるため、繋ぎ目位置A(n)は繋ぎ目中心(中心位置)のままとなる。
次に、次ラインに処理が移り、「C」で示す注目ラインにおける網点検知結果が、再びCIS201とCIS202とで分かれており、かつ、当該網点検知結果が、「C」の1ライン前、即ち「B」で示すラインの網点検知結果と同等である場合、副走査方向において非網点と網点とが切り替わる部分において、繋ぎ目ずれによる段差が生じているとみなし、図11の判定テーブルに従って繋ぎ目位置をΔdだけ右または左に移動して直結処理を行う。Δdは1ライン毎の繋ぎ目位置の変化量を決めるパラメータであり、通常は数画素の固定値が適切であり、本実施形態では、固定値を2画素としている。この場合、「C」における繋ぎ目位置A(n)は、「A(n)=A(n−1)+1*2」によって決定される。尚、このときのA(n−1)は「B」における繋ぎ目位置である。即ち、「B」における繋ぎ目位置から主走査方向において右に2画素分移動した位置が、「C」における繋ぎ目位置として決定される。同様に、「D」における繋ぎ目位置も、「C」における繋ぎ目位置から主走査方向においてさらに右に2画素分移動した位置として決定される。
同様にして、「E」〜「M」で示すラインについても繋ぎ目位置が決定される。例えば、「F」で示すラインでは、繋ぎ目位置が中心位置から主走査方向において右に2画素分移動した位置に決定され、「G」で示すラインでは、繋ぎ目位置が「F」における繋ぎ目位置から主走査方向においてさらに右に2画素分移動した位置に決定される。
また、「I」で示すラインでは、繋ぎ目位置が中心位置から主走査方向において左に2画素分移動した位置に決定され、「J」で示すラインでは、繋ぎ目位置が「I」における繋ぎ目位置から主走査方向においてさらに右に2画素分移動した位置に決定される。同様に、「L」で示すラインでは、繋ぎ目位置が中心位置から主走査方向において左に2画素分移動した位置に決定され、「M」で示すラインでは、繋ぎ目位置が「L」における繋ぎ目位置から主走査方向においてさらに右に2画素分移動した位置に決定される。
尚、ある注目ラインとその1ライン前の網点検知結果が上記のケースに該当しない場合には、繋ぎ目位置A(n)は中心位置に戻すものとしている(繋ぎ目位置をリセットする)。
また、本実施形態において、1ライン前の繋ぎ目位置A(n−1)、繋ぎ目位置の変化量を決めるパラメータΔd、係数αは、その値を保持/更新するために、図示しないメモリまたはレジスタによってリード/ライト可能な構成としている。
このような処理により、副走査方向において非網点と網点とが切り替わる部分を判別することが可能となり、繋ぎ目位置を階段状に主走査方向に徐々に変化させていくことで、繋ぎ目ずれによる段差部分が目立たない良好な画像を得ることができる。
尚、図8(b)で説明した通り、上記直結処理(S1012)に代えて、CIS201およびCIS202の重み値を変更して繋ぎ目補正処理を行っても、同様の効果を得ることが可能である。この場合には、図13に示すとおり、重み値が0から1に切り替わる位置が繋ぎ目位置A(n)となる。
図14、図15は、本実施形態に対する比較例として、繋ぎ目補正処理の要否の判断に際して、そのラインにおける網点検知結果のみを判断する場合の例を示す図である。図14は、隣接するラインイメージセンサ夫々の網点検知結果が不一致だった場合に、非網点画像の判断結果を優先し、繋ぎ目補正処理を実行する場合の例を示す図である。
図14の場合、CIS201とCIS202との副走査方向のずれによって生じる段差、即ち、6ライン目〜8ライン目及び16ライン目〜18ライン目については、理想通り繋ぎ目補正処理が施されている。しかしながら、網点検知の誤検知が生じた11、13ライン目では、非網点画像が優先的に判断された結果、補正処理を禁止することが理想であるにもかかわらず、補正処理が施される結果となっている。この結果、網点のつぶれやかすれが生じ、画像濃度が低下してしまう問題が生じる。
図15は、隣接するラインイメージセンサ夫々の網点検知結果が不一致だった場合に、網点画像の判断結果を優先し、繋ぎ目補正処理を禁止する場合の例を示す図である。図15の場合、網点検知の誤検知が生じた11、13ライン目では、網点画像が優先的に判断された結果、理想通り補正処理が施されている。他方、CIS201とCIS202との副走査方向のずれによって生じる段差、即ち、6ライン目〜8ライン目及び16ライン目〜18ライン目については、網点画像の判断結果が優先された結果、補正処理を施すことが理想であるにもかかわらず、補正処理が禁止される結果となっている。この結果、この位置でCIS201とCIS202との副走査方向のずれによって生じる段差が目立ってしまう。
このように、本実施形態に係る繋ぎ目補正処理部212によれば、ある注目ラインの繋ぎ目補正処理を実行する際に、注目ラインとその前のラインの網点検知結果に基づいて繋ぎ目位置を可変させることにより、従来のように、副走査方向において非網点と網点とが切り替わる部分を読取中に副走査方向に繋ぎ目ずれが生じていると繋ぎ目ずれによる段差が目立つという問題を解消することが可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係るライン合成処理部210を含む画像処理装置1によれば、複数のラインイメージセンサによる読取結果を連結することにより広範な画像の読み取りを可能とする場合において、隣接するラインイメージセンサによって読み取られた画像を連結する際の補正処理を好適に行うことが可能となる。
尚、図10の例においては、繋ぎ目補正処理部212は、繋ぎ目補正処理の判断対象であるラインと、この判断対象であるラインの前1ライン分、合計2ライン分についての網点検知結果を参照して繋ぎ目補正の要否の判定及び繋ぎ目位置を決定する場合を例として説明した。しかしながら、これは一例であり、判断対象であるラインの後1ラインや、前後の複数ラインの網点検知結果を参照してもよい。これにより、注目ラインとその前後の複数ラインの網点検知結果に基づいて繋ぎ目位置を可変させることにより、従来のように、副走査方向に非網点と網点とが切り替わる部分を読取中に副走査方向に繋ぎ目ずれが生じていると繋ぎ目ずれによる段差が目立つという問題を解消することが可能となる。
これまで本発明の読取画像処理装置、画像読取装置を備える画像形成装置および読取画像処理方法について上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。このため、読取画像処理方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム(読取画像処理プログラム)も提供することができる。このプログラムは、CD−ROM、DVD、USBメモリ、SDカード等の記録媒体に格納して提供することもできるし、ネットワークに接続されたサーバ等に記憶され、ダウンロード要求に応じてネットワークを介して提供することも可能である。
1 画像処理装置
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 専用デバイス
90 バス
100 コントローラ
101 ADF
102 スキャナユニット
103 排紙トレイ
104 ディスプレイパネル
105 給紙テーブル
106 プリントエンジン
107 排紙トレイ
108 ネットワークI/F
110 主制御部
120 エンジン制御部
130 画像処理部
140 操作表示制御部
150 入出力制御部
201、202、203 CIS
204、205、206 A/D
207、208、209 メモリ
210 ライン合成処理部
211 網点検知部
212 繋ぎ目補正処理部
213 メモリ
214 1ライン化処理部
特開2007−336440号公報

Claims (8)

  1. 複数のラインイメージセンサにおいて各画素に対応する読取素子の並び方向の端部同士が、前記読取素子の並び方向と直交する方向に重複するように配置されて構成された読取部によって読み取られた読取画像を処理する読取画像処理装置であって、
    前記夫々のラインイメージセンサに含まれる読取素子のうち前記直交する方向に重複している範囲の読取素子によって読み取られた読取画像である繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否かを判断する網点画像判断部と、
    異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた前記繋ぎ目読取画像に基づき、前記ラインイメージセンサが副走査方向に重複している部分の画像である繋ぎ目画像を生成する繋ぎ目処理部と、
    前記夫々のラインイメージセンサによって読み取られた読取画像及び生成された前記繋ぎ目画像に基づいて1ライン分の読取画像を生成するライン画像生成部とを含み、
    前記繋ぎ目処理部は、
    前記繋ぎ目読取画像が網点画像であるか否かの判断結果が所定の判断結果であった場合、2つのラインイメージセンサによって読み取られた夫々の読取画像を、前記重複している範囲に設定された所定の繋ぎ目位置で連結して前記繋ぎ目画像を生成し、
    前記繋ぎ目画像を生成する対象のライン及び当該対象のラインの前記副走査方向での周辺のラインにおける前記繋ぎ目読取画像が網点画像であるか否かの判断結果に基づいて前記対象のラインの所定の繋ぎ目位置を変化させることを特徴とする読取画像処理装置。
  2. 前記繋ぎ目処理部は、前記対象のライン及び前記対象のラインの前記副走査方向での前後の複数ラインについての前記網点画像判断部の判断結果に基づいて、前記対象ラインにおける前記繋ぎ目位置を主走査方向へ移動させることにより、前記繋ぎ目位置を変化させる
    請求項1に記載の読取画像処理装置。
  3. 前記繋ぎ目処理部は、前記対象のラインにおける前記網点画像判断部の判断結果と、前記対象のラインの前記副走査方向での前後の複数ラインにおける前記網点画像判断部の判断結果とが、同等である場合に、前記対象ラインにおける前記繋ぎ目位置を変化させる
    請求項1に記載の読取画像処理装置。
  4. 前記読取画像処理装置は、前記対象のライン及び前記対象のラインの前記副走査方向での周辺ラインにおける前記網点画像判断部の判断結果を蓄積する蓄積部を備える、
    請求項1に記載の読取画像処理装置。
  5. 複数のラインイメージセンサにおいて各画素に対応する読取素子の並び方向の端部同士が、前記読取素子の並び方向と直交する方向に重複するように配置されて構成された読取部と、
    前記夫々のラインイメージセンサに含まれる読取素子のうち前記直交する方向に重複している範囲の読取素子によって読み取られた読取画像である繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否かを判断する網点画像判断部と、
    異なるラインイメージセンサによって夫々読み取られた前記繋ぎ目読取画像に基づき、前記ラインイメージセンサが副走査方向に重複している部分の画像である繋ぎ目画像を生成する繋ぎ目処理部と、
    前記夫々のラインイメージセンサによって読み取られた読取画像及び生成された前記繋ぎ目画像に基づいて1ライン分の読取画像を生成するライン画像生成部とを含み、
    前記繋ぎ目処理部は、
    所定のラインについての前記繋ぎ目画像を生成するにあたり、当該繋ぎ目画像を生成する対象のライン及び当該対象のラインの前記副走査方向での前後の複数ラインについての前記網点画像判断部の判断結果に基づいて、当該対象のラインにおける前記繋ぎ目読取画像の繋ぎ目位置を変化させることを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項に記載の画像読取装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 複数のラインイメージセンサにおいて各画素に対応する読取素子の並び方向の端部同士が、前記読取素子の並び方向と直交する方向に重複するように配置されて構成された読取部によって読み取られた読取画像を処理する読取画像処理プログラムであって、
    前記夫々のラインイメージセンサに含まれる読取素子のうち前記直交する方向に重複している範囲の読取素子によって読み取られた読取画像である繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否か判断するステップと、
    前記読取部によって前記複数のラインイメージセンサ毎に読み取られた読取画像に対して、所定のラインについての繋ぎ目画像を生成するにあたり、当該繋ぎ目画像を生成する対象のラインにおける前記繋ぎ目読取画像の繋ぎ目位置を変化させるかを、前記対象のライン及び当該対象のラインの副走査方向での前後の複数ラインについての前記判結果に基づいて判断するステップと、
    前記判断の結果に従った処理により、前記ラインイメージセンサが副走査方向に重複している部分の画像である繋ぎ目画像を生成するステップと、
    前記夫々のラインイメージセンサによって読み取られた読取画像及び生成された前記繋ぎ目画像に基づいて1ライン分の読取画像を生成するステップと、
    を情報処理装置に実行させることを特徴とする読取画像処理プログラム。
  8. 複数のラインイメージセンサにおいて各画素に対応する読取素子の並び方向の端部同士が、前記読取素子の並び方向と直交する方向に重複するように配置されて構成された読取部によって読み取られた読取画像を処理する読取画像処理方法であって、
    前記夫々のラインイメージセンサに含まれる読取素子のうち前記直交する方向に重複している範囲の読取素子によって読み取られた読取画像である繋ぎ目読取画像が、画像の濃度が周期的に変化する網点画像であるか否か判断し、
    前記読取部によって前記複数のラインイメージセンサ毎に読み取られた読取画像に対して、所定のラインについての繋ぎ目画像を生成するにあたり、当該繋ぎ目画像を生成する対象のラインにおける前記繋ぎ目読取画像の繋ぎ目位置を変化させるかを、前記対象のライン及び当該対象のラインの副走査方向での前後の複数ラインについての前記判の断結果に基づいて判断し、
    前記判断の結果に従った処理により、前記ラインイメージセンサが副走査方向に重複している部分の画像である繋ぎ目画像を生成し、
    前記夫々のラインイメージセンサによって読み取られた読取画像及び生成された前記繋ぎ目画像に基づいて1ライン分の読取画像を生成することを特徴とする読取画像処理方法。
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