JP6343145B2 - シクロヘキサシランの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る第二のシクロヘキサシランの製造方法は、粗シクロヘキサシランを蒸留して精製シクロヘキサシランを得るにあたり、分子蒸留装置または短行程蒸留装置を用いることを特徴とする。
本発明のシクロヘキサシランの好ましい態様においては、ヘキサシランを2質量%以下の割合で含有するか、シクロヘキサシランの二量体を2質量%以下の割合で含有するか、シロキサン化合物を2質量%以下の割合で含有する。
前記蒸留にあたり、第一の発明では、蒸留時の絶対圧力を2kPa以下とし、粗シクロヘキサシランの加熱温度を25〜100℃とし、第二の発明では、分子蒸留装置または短行程蒸留装置を使用する。かかる第一または第二の発明によれば、装置の閉塞や蒸留の途中停止を回避でき、良好な精製効率で高純度のシクロヘキサシランを得ることができる。
一方、短行程蒸留は、中真空(例えば102Pa〜10-1Pa程度)下で行われ、かつ蒸発面と凝縮面とが相対して配置されている点に特徴がある。
前記蒸発器は、蒸発原料に接触して熱を供給し得る蒸発面を備える。この蒸発面を備えた蒸発器としては、例えば、板状体(例えば、矩形板、円板など)、筒状体、有底容器などが挙げられ、板状体の表面、筒状体の内面又は外面、容器内面などが前記蒸発面となり得る。蒸発原料を薄膜化して蒸発させることが可能である点では、板状体、筒状体などの蒸発器が好ましい。薄膜化して蒸発させると、蒸発原料の蒸発を促進し精製効率を高めることができ、しかも蒸発原料の発泡や沸騰を抑制して蒸発原料にかかる熱履歴を小さく抑えることができる。前記蒸発器が板状体、筒状体である場合、前記蒸発器は必要により強制薄膜化手段も備える。強制薄膜化手段としては、例えば、板状体表面、或いは筒状体の内面又は外面に沿って稼働するワイパーエレメントや、円板や筒状体を回転させて遠心力を発生させ得る強制回転手段などが使用できる。
短行程蒸留に用いる装置においては、前記凝縮器の凝縮面は、前記蒸発器の蒸発面に相対して配置される。分子蒸留に用いる装置においても、蒸発面と凝縮面が相対して配されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、分子蒸留に該当し得る範囲で種々の配置を取ることができる。蒸発面と凝縮面とが相対して配置された装置としては、例えば、外筒と内筒とから構成される二重管構造を有し、外筒の内面を蒸発面或いは凝縮面とし、内筒の外面を凝縮面或いは蒸発面とする装置が挙げられる。蒸発面と凝縮面が相対するとき、凝縮面の面積は蒸発面の面積と同等以上であることが好ましい。
本発明の第一または第二の製造方法で得られた精製シクロヘキサシランは、高純度であり、例えば実施例で後述するガスクロマトグラフィー分析では、通常98面積%以上、好ましくは99面積%以上、より好ましくは99.5面積%以上、さらに好ましくは99.9面積%以上である。
なお、シクロヘキサシランの純度は、キャピラリーカラム(J&W SCIENTIFIC社製「DB−1MS」;0.25mm×50m)を装着したガスクロマトグラフ装置(島津製作所社製「GC2014」)にて、N2をキャリアガスとし、試料注入量1μL、試料注入温度300℃、カラム温度50℃(保持5分)〜20℃/分(昇温10分)〜10℃/分(昇温5分)〜300℃(保持10分)、検出器FID(300℃)の条件でガスクロマトグラフィー分析を行うことにより求めた。
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、ホスフィンとしてトリフェニルホスフィン5.81g(0.022mol)と、塩基性化合物としてジイソプロピルエチルアミン17.2g(0.133mol)と、溶媒として1,2−ジクロロエタン100mLとを入れた。続いてフラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、ハロシラン化合物としてトリクロロシラン18.0g(0.133mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2時間攪拌し、引き続き60℃で8時間加熱攪拌することにより反応させた。得られた反応液を濃縮・洗浄して、非イオン性のドデカクロロシクロヘキサシラン含有化合物([Ph3P]2[Si6Cl12])を白色固体として得た。
製造例で得られた粗シクロヘキサシランを、一般的なガラス製の減圧蒸留装置(釜、分留管、コンデンサー(冷却管)、受器)を用いて、絶対圧力300Pa、蒸発面の温度(釜内の粗シクロヘキサシランの温度)を75℃、凝縮面の温度(コンデンサーの設定温度)を5℃として蒸留し、精製シクロヘキサシランを得た。なお蒸留中、コンデンサーを含む装置内において、シクロヘキサシランの固化は認められなかった。
得られた精製シクロヘキサシランをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサシランが98.9面積%、ヘキサシランが0.6面積%、シクロヘキサシランの二量体が0.5面積%の割合で検出され、シロキサン化合物は検出されなかった(このときのチャートを図1に示す)。また、蒸留収率は90%であった。
製造例で得られた粗シクロヘキサシランを、短行程蒸留装置(フィンテック社製「KDL−01」)を用いて、絶対圧力20Pa、蒸発面の温度を45℃、凝縮面の温度を0℃として蒸留し、精製シクロヘキサシランを得た。なお蒸留中コンデンサーを含む装置内において、シクロヘキサシランの固化は認められなかった。
得られた精製シクロヘキサシランをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサシランが99.1面積%、ヘキサシランが0.4面積%、シクロヘキサシランの二量体が0.5面積%の割合で検出され、シロキサン化合物は検出されなかった。また、蒸留収率は96%であった。
製造例で得られた粗シクロヘキサシランを、短行程蒸留装置(フィンテック社製「KDL−01」)を用いて、絶対圧力100Pa、蒸発面の温度を60℃、凝縮面の温度を0℃として蒸留し、精製シクロヘキサシランを得た。なお蒸留中コンデンサーを含む装置内において、シクロヘキサシランの固化は認められなかった。
得られた精製シクロヘキサシランをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサシランが99.0面積%、ヘキサシランが0.5面積%、シクロヘキサシランの二量体が0.5面積%の割合で検出され、シロキサン化合物は検出されなかった。また、蒸留収率は93%であった。
蒸留の際の絶対圧力を300Paから3kPaに変更し、蒸発面の温度を75℃から130℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粗シクロヘキサシランを蒸留し、精製シクロヘキサシランを得た。なお蒸留中、コンデンサーに固化したシクロヘキサシランが付着したので、蒸留を終了した後、コンデンサーを温めて付着したシクロヘキサシランも精製シクロヘキサシランとして回収した。
得られた精製シクロヘキサシランをガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサシランが95.2面積%、ヘキサシランが2.1面積%、シクロヘキサシランの二量体が2.7面積%の割合で検出され、シロキサン化合物は検出されなかった。また、蒸留収率は42%であった。
Claims (5)
- 粗シクロヘキサシランを蒸留して精製シクロヘキサシランを得るにあたり、
蒸留時の絶対圧力を2kPa以下とし、
粗シクロヘキサシランの加熱温度を25〜100℃とすることを特徴とするシクロヘキサシランの製造方法。 - 粗シクロヘキサシランを蒸留して精製シクロヘキサシランを得るにあたり、
分子蒸留装置または短行程蒸留装置を用いる請求項1に記載のシクロヘキサシランの製造方法。 - 前記蒸留で用いる蒸発器が、遠心型薄膜式蒸発器又は流下型薄膜式蒸発器である請求項1または2に記載のシクロヘキサシランの製造方法。
- 前記蒸留では、シクロヘキサシランを−5℃〜30℃で凝縮させる請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロヘキサシランの製造方法。
- 前記粗シクロヘキサシランは、シクロヘキサシランのハロゲン化物を還元することにより得られた反応混合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のシクロヘキサシランの製造方法。
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