JP6239361B2 - 電源装置及び溶接用電源装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、溶接用の出力電力を生成する溶接用電源装置でのトランスの偏磁抑制が可能となる。
図1に示すように、アーク溶接機10は、これに用いる溶接用電源装置11のプラス側の出力端子o1に溶接トーチTHの電極WEを接続し、マイナス側の出力端子o2に溶接対象(母材)Mを接続して、電源装置11にて生成した直流出力電力に基づいて電極WEの先端にてアークを生じさせ、溶接対象Mのアーク溶接を行うものである。また、このアーク溶接機10は消耗電極式であり、電極WEとして用いるワイヤをアークによる消耗に応じて送給する送給装置WFを用いる。
通常動作モードでは、第1,第4スイッチング素子TR1,TR4の組をA相の組、第2,第3スイッチング素子TR2,TR3の組をB相の組とすると、スイッチング素子TR1〜TR4を動作させる制御パルス信号のオンパルス幅の設定の際には、A相の組のオンパルスとその直後のB相の組のオンパルスとが対とされ、一対単位でそのオンパルス幅が変更される。換言すると、対をなすA相・B相のオンパルス同士のパルス幅は同幅に設定される。制御パルス信号のこの一対単位でのオンパルス幅(デューティ)の調整により、電源装置11にて所望の出力電力が生成されるようになっている。
偏磁補正モードでは、対のA相・B相のオンパルス幅を同幅に設定するのを止め、本実施形態では例えばA相のオンパルス幅の調整が行われる。
(1)本実施形態では、トランスINTに印加される高周波交流電圧の正側及び負側電圧Va,Vbとその印加時間ta,tbとが検出され、正側及び負側の積Xa,Xbを互いに比較することでトランスINTに印加する高周波交流電圧の各極性の不平衡、即ち偏磁状態が検出される。そして、積Xa,Xbの差Xcと閾値th1,th2との比較によりトランスINTの偏磁が許容範囲よりも増大したと判定した場合、トランスINTに印加する高周波交流電圧の正側電圧Vaを生成するインバータ回路14のスイッチング素子TR1,TR4の組のオン時間(オンパルス幅)を、負側電圧Vbを生成するスイッチング素子TR2,TR3の組のオン時間に対して相違させ、トランスINTに対して高周波交流電圧の各極性で同等の印加状態となるようなオン時間の設定がなされる。このような偏磁補正処理が行われることでトランスINTに対する印加電圧の各極性が同等で平衡状態となり、トランスINTの偏磁を抑制することができる。
・トランスINTに印加する高周波交流電圧の各極性の不平衡を検出するのに、トランスINTに三次コイルとしての検出コイルL3と電圧検出器21とを設置して行ったが、これ以外の検出手法を用いてトランスINTへの印加電圧を直接又は間接的に検出してもよい。
・アーク溶接用の電源装置11に適用したが、他の溶接用の電源装置や溶接以外の電源装置に適用してもよい。
(イ)トランスの一次側に設けられ、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子の動作により直流電圧から高周波交流電圧を生成するインバータ回路と、前記インバータ回路の前段に設けられ、前記高周波交流電圧の正側及び負側電圧の生成に用いる第1及び第2コンデンサの各充電電圧を交互に前記インバータ回路に印加するように動作する補助回路とを備える電源装置に対し、前記トランスの二次側にて所望出力電力を生じさせるように前記インバータ回路及び前記補助回路の動作を制御する電源装置の制御装置であって、
前記トランスに印加される高周波交流電圧の正側及び負側電圧を直接又は間接的に検出すると共に、
その検出電圧を少なくとも用いて前記トランスに印加する高周波交流電圧の各極性の不平衡を検出しこの不平衡から偏磁状態を検出して、偏磁が許容範囲よりも増大したと判定した場合には、前記高周波交流電圧の正側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組と、前記高周波交流電圧の負側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組との各オン時間を相対的に相違させ、前記トランスに対して高周波交流電圧の各極性で同等の印加状態とする偏磁補正処理を行うようにしたことを特徴とする電源装置の制御装置。
13 補助回路
14 インバータ回路
20 制御回路
21,21a,21b 電圧検出器
C1 第1平滑コンデンサ(第1コンデンサ)
C2 第2平滑コンデンサ(第2コンデンサ)
INT トランス
L3 検出コイル
TR1〜TR4 スイッチング素子
ta,tb 印加時間
Va 正側電圧
Vb 負側電圧
Claims (4)
- トランスの一次側に設けられ、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子の動作により直流電圧から高周波交流電圧を生成するインバータ回路と、
前記インバータ回路の前段に設けられ、前記高周波交流電圧の正側及び負側電圧の生成に用いる第1及び第2コンデンサの各充電電圧を交互に前記インバータ回路に印加するように動作する補助回路と、
前記トランスの二次側にて所望出力電力を生じさせるように前記インバータ回路及び前記補助回路の動作を制御する制御回路と
を備えた電源装置であって、
前記トランスに印加される高周波交流電圧の正側及び負側電圧を直接又は間接的に検出する電圧検出器を備え、
前記制御回路は、前記トランスに印加する高周波交流電圧の正側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組と、前記高周波交流電圧の負側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組との各オン時間が同じに設定された状態において、前記電圧検出器にて取得した検出電圧に基づく前記トランスに印加する高周波交流電圧の正側電圧とその印加時間との積と、前記電圧検出器にて取得した検出電圧に基づく前記トランスに印加する高周波交流電圧の負側電圧とその印加時間との積との比較により前記トランスに印加する高周波交流電圧の各極性の不平衡を検出しこの不平衡から偏磁状態を検出して、偏磁が許容範囲よりも増大したと判定した場合には、前記高周波交流電圧の正側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組と、前記高周波交流電圧の負側電圧を生成する前記インバータ回路のスイッチング素子の組とのうち一方側のスイッチング素子の組のみのオン時間を前記同じに設定された状態のときのオン時間から調整することで他方側のスイッチング素子の組とオン時間を相違させ、前記トランスに対して高周波交流電圧の各極性で同等の印加状態とする偏磁補正処理を行うようにしたことを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載の電源装置において、
前記電圧検出器は、前記トランスに三次コイルとして設置した検出コイルの端子電圧から前記トランスに印加する高周波交流電圧の検出を行うように構成されたことを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載の電源装置において、
前記電圧検出器は、前記トランスに印加する高周波交流電圧の生成の元となる前記第1及び第2コンデンサの各充電電圧の検出を行うように構成されたことを特徴とする電源装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置を用い、溶接用の出力電力を生成するように構成されたことを特徴とする溶接用電源装置。
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