パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機には、制御基板を収容した基板ボックスを遊技盤の裏面側に開閉可能に取り付けるようにしたものがある。例えば上記特許文献1には、所定の軸を中心として回動し得るヒンジ部材を介して基板ボックスを遊技盤の裏面側に開閉可能に連結固定するようにした取付構造が開示されている。このような基板ボックスの取付構造によれば、例えば基板ボックスの裏面側の点検等を、基板ボックスを取り外すことなく開くだけで容易に行うことが可能となり、したがって作業性を良好とすることができる。
しかしながら、上記のような取付構造においては、例えば基板ボックスを取り付ける前の搬送時や、基板ボックスの点検のために該基板ボックスを開いた時等に、ヒンジ部材が振動や傾き等により自然と回動して搬送作業や点検作業の邪魔になったり、搬送や保管の際に起立して納まりの悪い体勢となったりしやすいという問題があった。また、基板ボックスを取り付ける際にヒンジ部材が動いて取付作業が煩瑣となりやすいという問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、基板ボックスがヒンジ部材を介して開閉可能に連結固定された遊技機において、ヒンジ部材の不要な回動を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げる。(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前面枠の斜視図である。図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、その最下部に下皿ユニット13を有し、内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、樹脂ベース25(図6参照)と、この樹脂ベース25の後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と演出ボタン79が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。前面枠セット14の上部には、スピーカからの音を出力するための音出力口24が設けられている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図4および図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口を備える一般入賞装置31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動入賞装置33、第2の始動口を備える第2の始動入賞装置34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置371A、普通図柄表示装置371B、装飾図柄表示装置42を備える可変表示装置ユニット35等が設けられている。これらの一般入賞装置31、可変入賞装置32、第1の始動入賞装置33、第2の始動入賞装置34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口(収容部の入口)61が配置されている。大入賞口61については、後に言及する。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞装置31、可変入賞装置32および第1の始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置は、第1の始動入賞装置33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置は第2の始動入賞装置34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置は、後にも言及する表示装置371Aにおける第1表示部の9個のLEDセグメントで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチ或いは12インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置は、後述する表示装置371B内に配置された普通図柄用の2個のランプ(以下、第1ランプおよび第2ランプとも称す)を備えている。この実施例では、普通図柄用の第1ランプは、その外観形状は「○」形状となっている一方、第2ランプは、第1ランプの右側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置は、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過する毎に例えば第1および第2ランプによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、第1および第2ランプが交互に光り、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、第1および第2ランプは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっているが、その具体的な構成については後述する。簡略に触れれば、特別図柄表示装置が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32が受球状態となり、遊技球の入賞を許す。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の受球状態が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動入賞装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす金属板にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51および外レール52の後側端縁(遊技盤30に対向する端縁)には、所定間隔をおいて複数個所に鋲56が設けられており、内レール51および外レール52は該鋲56を打ちつけるようにして遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6はパチンコ機10の背面の構成を示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を3つの取付台に分けて搭載して3つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板、電源監視基板、これら基板を収容する基板ボックスおよび該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される主制御装置261を一つにユニット化し、表示制御基板、該表示制御基板を収容する基板ボックスおよび装飾図柄表示装置42から構成される表示制御装置45とサブ制御基板および該サブ制御基板を収容する基板ボックスから構成されるサブ制御装置262とを後述する外包部材82に搭載してユニット化し、さらに払出制御基板、該払出制御基板を収容する基板ボックス(払出制御基板ケース)および該基板ボックスを封印する封印ユニットから構成される払出制御装置311と電源基板、発射制御基板およびこれら基板を収容する基板ボックス(電源・発射制御基板ケース203A)から構成される電源・発射制御装置とを1つの取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、各ユニットを上記の順に「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも上記第3制御基板ユニット203に一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここでは第3制御基板ユニット203を「裏パックユニット203」とも称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。更に、これに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
上述した第1制御基板ユニット201は、その遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板を有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。この基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
第2制御基板ユニット202は、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御を司る表示制御装置45と主制御基板からの指示に従い音声ランプ制御を司るサブ制御基板とを有する。上記表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42および表示制御基板がユニットとして構成され、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて後述する外包部材82の背面側に取り付けられている。上記サブ制御基板は透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容され、上記表示制御装置45の背面側に取り付けられている。
次に、前記第3制御基板ユニット(裏パックユニット)203は、払出制御基板、電源基板、発射制御基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記電源基板および発射制御基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力されるとともに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われる。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース(図示せず)内に収納されており、上記電源基板および発射制御基板は、透明樹脂材料等よりなる電源・発射制御基板ケース203A内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース(図示せず)内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチと電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔が設けられている。この通気孔は各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔が比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ359とが一体化するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ359が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチの左方には、前面枠開検出スイッチ(図示せず)が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチからホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置は上記したように9個のLEDセグメントで構成されており、普通図柄表示装置は上記したように普通図柄用の第1および第2ランプで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
電源監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544と、を備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。なお、払出制御装置311への信号の送信は、主制御装置261を介して行われる。
主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、9個のLEDセグメントの点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動入賞装置33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、大当たりを示す点灯パターンあるいは外れを示す点灯パターンが表示され、外れの場合は、始動入賞装置33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動入賞装置33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動入賞装置33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、第1ランプ(外観が○形状)と、第2ランプ(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動入賞装置34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、第1ランプで停止した場合に第1の始動入賞装置33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動入賞装置34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置801の保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動入賞装置33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、9個のLEDセグメントが上記とは別の特定の点灯パターンで停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、9つのLEDセグメントで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動入賞装置33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動入賞装置34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動入賞装置34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
尚、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理の詳細については、ここでは詳細説明を省く。
しかし、要約すれば、上述のように、始動入賞装置33への入賞により、主制御装置261において所定の確率の当否抽選がなされ、当たりに際しては、特別遊技状態に移行するのであり、これに伴って可変入賞装置32が入賞球の受球状態となるものである。
(可変入賞装置と捕集部)
この実施例においては、上記の可変入賞装置32は、次のように構成されている。
この可変入賞装置32の基本構成は、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ大入賞口61からの入球を収容部(図示せず)に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサ(図示せず)に至って検出するように構成されている。
そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動入賞装置33(33a及び33b:図4および図5参照)が設けられ、前記始動入賞装置33への入球により、主制御装置261によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記大入賞口61から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
(特徴構成)
上記パチンコ機10においては、前述の通り、遊技を制御する主制御基板が内部に収容され、第1制御基板ユニット201としてユニット化された第1制御基板ボックス201Aが、係合機構を介して遊技盤30の裏面側に取り付けられている。以下、この第1制御基板ボックス201Aおよびその取付構造を記述する。
第1制御基板ボックス201Aは、図11ないし図15に示すように、外形が概略直方体状であって、より具体的には概略横長の長方形の正面形状を有し前後方向にやや厚みを有する概略平板状に閉塞されたケースであり、制御基板の表面側を覆うボックスカバー71と、制御基板の裏面側を覆うボックスベース72とから構成され、したがって、後述する破断ネジ挿通部84F、矩形状突起部851等の突起部を除き、ボックスカバー71のほぼ全体が表面側被覆領域を形成し、ボックスベース72のほぼ全体が裏面側被覆領域を形成している。上記ボックスカバー71およびボックスベース72は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、ボックスカバー71およびボックスベース72のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。該第1制御基板ボックス202Aは、第1ケース即ちボックスカバー71と第2ケース即ちボックスベース72とをつき合わせた状態で内部に制御基板が収容される構成となっている。
上記ボックスカバー71およびボックスベース72は、図16にも示すように、それぞれ透明樹脂を概略横長の長方形状に成形してなり、ボックスカバー71は、やや厚みを有して内部に収容スペースが形成され一方面側が開放されたカバーとなっており、ボックスベース72は該ボックスカバー71の開放側を覆う平板状の部材となっている。
図16および図17に示すように、上記ボックスカバー71の上端縁および下端縁には、ボックスベース72へ向けて垂直に延出する鉤状片73が、上下各8個ずつ長さ方向に間隔をおいて配列されている。該鉤状片73は、ボックスカバー71の天板および底板からそれぞれボックスベース72へ向けて垂直に延出し、先端側で直角に図16および図17における左方に延びて、平面視鉤形状(L字形状)をなすようにボックスカバー71に一体成形されている。ボックスベース72の上端縁および下端縁には、上記ボックスカバー71の鉤状片73に対応する位置にそれぞれ係合スロット74が設けられている。該係合スロット74は、ボックスベース72の天板部および底板部のそれぞれにおけるボックスカバー71側端縁から、鉤状片73の全幅W1より僅かに広い幅W2をもって内側に陥入し、その内奥側で直角に左方に延びて、平面視鉤形状(L字形状)をなす空洞部となっている。なお、ボックスベース72の天板部および底板部において、ボックスカバー71の上下各8個の鉤状片73のうちの図16および図17における右端に形成された上下1組の鉤状片73に対応する位置には、上記係合スロット74の左方に延びる先端部に相当する部分のみが形成され、この部分の右端はボックスベース72の右端に位置していて、これよりも右方は外部空間となっている(図示せず)。また、図16では、係合スロット74が露出して図示されるように天板72Tが分解して示されているが、該天板72Tは実際にはボックスベース72の天板部に溶着して一体化(または一体成形)されており、したがって係合スロット74の外側面部(上壁部)は該天板72Tにより閉塞されている。
上記ボックスカバー71は、図中の矢印A1に示すように鉤状片73をボックスベース72の係合スロット74にそれぞれ奥まで挿入するようにして、図18ないし図20に示すようにボックスベース72に重合され、ついで図中の矢印A2に示すようにボックスカバー71をボックスベース72に対し図18ないし図20における左方へ(またはボックスベース72をボックスカバー71に対し図18ないし図20における右方へ)即ちボックスカバー71およびボックスベース72の左右両端が揃うよう互いに寄せ合うようにスライドさせて図21および図22に示すように鉤状片73を係合スロット74に係合させ、これにより図21ないし図23に示すように第1制御基板ボックス201Aが閉塞される。
第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図16、図25および図26における左側端縁部)は、封印金具75F、75Sにより封印されるようになっている。ボックスベース72の一方側端縁部(図25および図26における左側端縁部)には、図25ないし図26に示すように、該一方側端縁よりも若干内側寄りの位置に、該一方側端縁に平行に上下に延びる2条のリブ(突条)72R、72Lが設けられ、これにより、両リブ72R、72Lの間に、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、図25および図26における上側である他方側へ向かって凹入する溝部が形成されている。
上記リブ72R、72L間の溝部には、1枚の金属板を該溝部の内面形状に沿って断面略コ字形状に折曲され、該溝部にほぼ等しい長さを有する受け金具76が嵌装され、中央部に突設されネジ挿通孔が穿設された突片(図示せず)で後述するようにネジにより固定されるようになっている。該受け金具76の一方側端縁はさらに延出して、前記2条のリブ72R、72Lのうちの内側(図25および図26における右側)のリブ72Rの先端に沿って該リブ72Rの外側面までを覆うように折曲されている。該受け金具76には、長さ方向に距離をおいた4箇所にそれぞれ係合片76Eが形成されている。該係合片76Eは、受け金具76における内側のリブ72Rの内面に当接する片に、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、図25および図26における上側である他方側へ向かって延びてコ字状に折り返す形状に切込みを入れ、該切込みの内側部分を溝部内にむけてやや傾斜するように引き起こして形成されている。
上記受け金具76が嵌装されたリブ72R、72Lは、図16に示すように被覆部材77が取り付けられて覆われるようになっている。該被覆部材77は、リブ72R、72Lにほぼ等しい長さを有する樹脂製の部材であり、図25ないし図26にも示すように、図25および図26における下側であるボックスカバー71側から、受け金具76が嵌装されたリブ72R、72Lをほぼ覆う断面概略コ字形状の溝部を有している。該被覆部材77において前記受け金具76の係合片76Eに対応する4箇所には、封印金具75F、75Sの幅より若干大きい長さを有するスリット状の金具挿通孔77Pがそれぞれ穿設され、各金具挿通孔77Pを上側、下側および外側(図25および図26における左側)の三方から平面視略コ字形状をなして包囲する周壁77Fがそれぞれ形成されている。該周壁77Fは、後述するボックスカバー71の金具挿通部78F、78Sを収容し得るものとなっている。該被覆部材77の中央部には図16に示すようにネジ挿通部77Sが形成され、前記内側のリブ72Rの中央部には内部にネジ穴を有する螺入部(図示せず)が一体的に形成されており、該ネジ挿通部77Sおよび螺入部には、間に前記受け金具76の突片を介在させた状態でネジ(破断ネジでもよい)が螺入され、これにより被覆部材77および受け金具76が、前記リブ72R、72L上に固定されるようになっている。
ボックスカバー71の一方側端縁部(図24における左側端縁部)には、図24に示すように、上記被覆部材77の4箇所の金具挿通孔77Pに対応する4箇所に、それぞれ金具挿通部78F、78Sが設けられている。該4箇所の金具挿通部78F、78Sのうち、上端および下端の2箇所の金具挿通部(以下、両端金具挿通部とも称す)78Fは、ボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に、正面視概略コ字形状をなす周壁により上側面、下側面および外側面(図24における左側面)の三面が構成された直方体状の外形をなして突出するように一体成形され、その先端面(図24における左側面)よりやや内側に該先端面に平行な仕切壁が形成されて、これにより該先端面と仕切壁との間に、前後方向に貫通し封印金具75Fの幅より若干大きい上下長を有する正面視縦長の貫通部781Fが形成されている。上記両端金具挿通部78Fの間の2箇所の金具挿通部(以下、中央金具挿通部とも称す)78Sは、上記両端金具挿通部78Fとほぼ同様に、正面視概略コ字形状をなす周壁により概略直方体状の外形をなして突出するようにボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に一体成形され、そのボックスベース72側(図24における後側)端面部は奥側壁が形成されてほぼ閉塞されているが、該奥側壁の先端部(図24における左端部)には、封印金具75Sの幅より若干大きい長さを有するスリット状の金具挿通孔が穿設されている(図示せず)。上記中央金具挿通部78Sの先端面(図24における左側面)を構成する先端面壁には、ボックスベース72側端縁(図24における後側端縁)から中央辺りまで並行して水平に延びる2条の切り込みが形成され、両切り込みの間に弾性片781Sが形成されている。該弾性片781Sの内側面における先端近傍には、図25に示すように、先端側およびその反対側の両側で先細りする台形状の断面形状をなして突出する係合突起782Sが形成されている。このように係合突起782Sが両側をテーパ状に形成されていることにより、後述するように中央封印金具75Sの係合孔751Sへ出入することが容易となっている。また特に、後述するように中央封印金具75Sを仮固定する場合には、該弾性片781Sが容易に外側へ弾性変形して中央封印金具75Sを受容することができる一方、該中央封印金具75Sをさらに奥へ押し込んで封印する場合には、該弾性片781Sが前記被覆部材77の周壁77Fに抵触するため、中央封印金具75Sを強く押し込まないと外側へ弾性変形することができないようになっており、これにより、不用意に封印操作がなされないようになっている。なお、このように中央封印金具75Sを押し込み難くするには、前記弾性片781Sの係合突起782Sにおけるテーパ面の勾配を変えるようにしてもよい。上記中央金具挿通部78Sの内部におけるボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)には、図24に示すように、水平に延びる案内リブ783Sが一体的に形成されている。
上記両端金具挿通部78Fと中央金具挿通部78Sとの間には、架橋片81が一体成形により架設されている。また、2箇所の中央金具挿通部78Sの間の位置においては、側面視コ字形状をなして延出し上下端がステーにより補強された形状を有する蓋部83がボックスカバー71の一方側端面(図24における左側端面)に一体成形されており、前述のようにして第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態では、この蓋部83が前記被覆部材77のネジ挿通部77Sを上方、下方および後方(図24における前方)から包囲するように覆い、これにより外部からネジ挿通部77Sのネジを取り外すことができないようになっている。
前述のようにして第1制御基板ボックス201Aが閉塞された後、上記両端金具挿通部78Fから封印金具(以下、両端封印金具とも称す)75Fが挿入され、これにより第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図26における左側端縁部)が封印される。該両端封印金具75Fは、長方形の片状の金属板よりなり、一方端部には図26に示す矩形状の係合孔751Fが穿設されている。図26に示すように、第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態で、該係合孔751F形成側から該両端封印金具75Fを両端金具挿通部78Fの貫通部781Fに挿通し、さらに被覆部材77の金具挿通孔77Pも挿通して、ボックスベース72におけるリブ72R、72L間の溝部の内奥まで進入させると、受け金具76の係合片76Eが係合孔751F内に係合して両端封印金具75Fが引き出せない状態となり、これにより、該封印金具75Fがかんぬきのように機能する体勢に保持され、ボックスカバー71とボックスベース72とを互いにずらすようにスライドさせて鉤状片73と係合スロット74との係合状態を解除することが不可となって、第1制御基板ボックス201Aが封印されることとなる。
上記のようにして両端金具挿通部78Fの位置で両端封印金具75Fにより封印がなされるが、この段階では中央金具挿通部78Sの位置では封印がなされず、両端金具挿通部78Fにおける封印状態が解除された後に再び封印がなされる段階で中央金具挿通部78Sの位置で封印がなされる。即ち、両端金具挿通部78Fは初回の封印に使用され、中央金具挿通部78Sは2回目の封印に使用される。なお、図16ないし図26では、初回の封印が解除された後に再び第1制御基板ボックス201Aが閉塞されて封印がなされるまでの状況が示されており、このため同図においては、両端金具挿通部78Fはボックスカバー71から分離され、ボックスベース72側に残留した状態となっている(分離操作については後述)。
2回目の封印を行う際には、中央金具挿通部78Sから封印金具(以下、中央封印金具とも称す)75Sが挿入され、これにより第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部(図16ないし図26における左側端縁部)が再び封印される。
該中央封印金具75Sは、図16および図25に示すように、前記両端封印金具75Fと基本的に同様の構成を有する金具となっており、一方端部に矩形状の係合孔751Sが穿設されているが、他方端部が直角に折曲されて押圧片752Sが形成されている点で異なる。押圧片752Sの先端縁には切欠753Sが形成されている。該中央封印金具75Sは、押圧片752Sを内側(図16および図25における右側)に向けて、係合孔751S形成側から中央金具挿通部78Sに挿入され、ほぼ全体が中央金具挿通部78S内に収容されると、図25(a)に示すように、前記弾性片781Sの係合突起782Sが係合孔751S内に係合し、これにより該中央封印金具75Sがこの位置に仮固定される。この位置では、中央封印金具75Sはボックスカバー71側のみにあってボックスベース72側には到達しておらず、したがって第1制御基板ボックス201Aは封印されておらず自在に開閉可能な状態にある。即ち、中央封印金具75Sは、これを用いる以前の段階から予めボックスカバー71に仮固定して装着しておくことができるようになっている。
図21に示すように、第1制御基板ボックス201Aが閉塞された状態で、図中の矢印A3で示すように中央封印金具75Sの押圧片752Sを中央金具挿通部78S内へ押し込むと、この押圧力により弾性片781Sを外側へ弾性変形させ係合突起782Sを係合孔751Sから押し出して係合状態を解除し、一方、押圧片752Sの切欠753Sが中央金具挿通部78S内の案内リブ783Sに嵌合してこれに沿って案内されながら、中央封印金具75Sが中央金具挿通部78S内をボックスベース72側へ陥入していく。図25(b)に示すように、中央封印金具75Sの先端部が被覆部材77の金具挿通孔77Pに挿通され、ボックスベース72におけるリブ72R、72L間の溝部の内奥まで進入すると、前述の両端封印金具75Fの場合と同様に、受け金具76の係合片76Eが係合孔751S内に係合して封印金具75Sが引き出せない状態となり、これにより、該封印金具75Sがかんぬきのように機能する体勢に保持され、ボックスカバー71とボックスベース72とを互いにずらすようにスライドさせて鉤状片73と係合スロット74との係合状態を解除することが不可となって、第1制御基板ボックス201Aが再び封印されることとなる。
上記第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)は、後述する破断ネジにより封印されるようになっている。ボックスカバー71における金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)の上端部および下端部には、図11、図12および図15に示すように、それぞれ破断ネジ挿通部84Fが設けられている。該破断ネジ挿通部84Fは、図12に示すように、ボックスカバー71の一方側端面(図12における右側端面)から外側(図12における右側)へ正面視U字形状をなすように先端で丸く折り返すように延出した周壁841の奥側端縁(図12における後側端縁)よりやや内側の位置に奥壁を設け、該周壁841内の空間を前後に2分して該奥壁より外側(図12における後側)を嵌合部とし(図示せず)、該奥壁より内側(図12における前側)の空間における先端(図12における右側端)より内側に仕切壁842を設け、該仕切壁842より先端側をネジ収容部843、反対側を破断部844とした構成となっている。上記ネジ収容部843における奥壁には図15に示すようにネジ挿通孔845が穿設されている。ボックスベース72の一方側端縁(図12における右側端縁)には、上記上下の破断ネジ挿通部84Fに対応する位置に、螺入部85Fがそれぞれ設けられている。該螺入部85Fは、ボックスベース72の一方側端面(図12における右側端面)から外側(図12における右側)へ正面視コ字形状をなして折り返すように延出した延出部の先端部に、前後方向に延び内部にネジ孔が設けられた円筒形状部が一体的に形成された構成となっている。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図10に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
前述のようにして鉤状片73を係合スロット74に挿入するようにしてボックスカバー71をボックスベース72に重合すると、上記ボックスベース72の螺入部85Fがボックスカバー71における破断ネジ挿通部84Fの嵌合部内における破断部844に対応する位置に入り込んで嵌合し、ついでボックスカバー71およびボックスベース72の左右両端が揃うよう互いに寄せ合うようにスライドさせて鉤状片73を係合スロット74に係合させると、螺入部85Fが破断ネジ挿通部84Fの嵌合部内で先端側へスライド移動してネジ収容部843に対応する位置にくる。この状態で、破断ネジ挿通部84Fのネジ収容部843から破断ネジを挿入して螺入部85Fに螺入させ、該破断ネジの頭部を破断させることにより、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11、図12および図15における左側端縁部)と反対側の端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)が封印される。
また、上記第1制御基板ボックス201Aにおける上記破断ネジ挿通部84F形成側端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)は、外部との電波の送受信を行うように構成されたシール(封印シール)601によっても封印されるようになっている。第1制御基板ボックス201Aにおける当該端縁部(図11、図12および図15における右側端縁部)には、矩形状突起部851が設けられており、該矩形状突起部851は、第1制御基板ボックス201Aのボックスカバー71およびボックスベース72の右側端縁部分に、互いに合同な縦長の長方形状を有する突起片をそれぞれ右方へ突出するように形成しておき、ボックスカバー71にボックスベース72を嵌着するとともにこれら突起片を重合させるようにすることによって構成されている。封印シール601は、横断面コの字形状をなすように折り曲げた状態で、前記ボックスカバー71およびボックスベース72の両突起片を跨ぐようにして貼付されている。
封印シール601は、図29および図30に示すように、前記第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851の上下面を除く3面を折り曲げ状態でほぼ全面的に覆い得る長方形状の平面形状を有し、図28に示すように、基材層602、粘着材層603および剥離紙604を積層して構成され、粘着材層603上にはICタグユニット605が配置されている。
基材層602は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムよりなり、封印シール601を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の適度な脆性を有するとともに、粘着材層603を構成する粘着剤に対する溶解性を有するトルエン等の有機溶剤や粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば50℃以上)の熱により変色するものとなっている。これにより、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりすると、基材層602が変色して不正行為の痕跡が残るようになっている。
粘着剤層603を構成する粘着剤は、一旦貼付した後に剥がされると基材層602から剥がれる程度の粘着力を有している。よって、封印シール601が剥がされた場合には再度貼付することが困難であり、さらに粘着剤層603の一部が被着体側に残存することとなる。これにより、封印シール601を不正に剥がした場合に痕跡を残すことができる。
ICタグユニット605は、ICチップ605aおよびアンテナ605bより構成されており、帯状に延びる長尺状のアンテナ605bの中央付近にICチップ605aが配置されている。ICチップ605aは集積回路として形成されるものであり、制御部およびメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ605bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ605aの厚みよりも薄い。また、アンテナ605bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ605aのメモリー領域に格納されたID情報は、制御部により呼び出されてアンテナ605bから発信し得るように構成されており、アンテナ605bから発信されたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーから前記周波数の微弱な電波で呼び出しが行われ、この電波で誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界内にアンテナ605bが位置する程度に、スキャナーをアンテナ605bに近接させると、アンテナ605bに電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ605aではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報が制御部で呼び出されてアンテナ605bから送信され、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。
ICタグユニット605(アンテナ605b)は、図30に示すように、粘着剤層603が形成された基材層602に対し、当該基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ605bは基材層602の対角線上にはなく、アンテナ605bの長手方向が基材層602の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ605bはその長手方向が基材層602のすべての辺方向と交差することとなる。そして、前記矩形状突起部851を構成する両突起片に跨って封印シール601が貼付されているのに伴って、アンテナ605bも両突起片に跨っている。
また、封印シール601には、アンテナ605bの長手方向に沿って多数のアンテナ用切り込み606が等間隔に並置するようにして形成されている。アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通している(なお、図29ではアンテナ用切り込み606は図示省略している)。ちなみに、アンテナ用切り込み606が延びる方向は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向であるため、基材層602のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ605bはアンテナ用切り込み606により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とは、アンテナ605bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
上記封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から剥がそうとする場合、できるだけ該封印シール601を損なわないようにするには、剥がす力に伴う応力が、基材層602の隅角に対して局所的に集中したり封印シール601の折り曲げ部分に集中したりしないように、封印シール601の短辺に沿う方向に剥がすことが必要となるが、この方向はアンテナ605bの延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ605bの周囲に位置するアンテナ用切り込み606の端部に集中することで、アンテナ用切り込み606を端緒とする断裂が生じて基材層602が破壊され、これに伴いアンテナ605bが分断されることとなる。アンテナ605bが分断されるとID情報がアンテナ605bから送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851からできる限りきれいに剥がして第1制御基板ボックス201Aを開封し、制御基板80に対して不正を行った後に、第1制御基板ボックス201Aを封印すべく封印シール601を再度きれいに原状に復すように貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
封印シール601の4隅には、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通する隅部切り込み607がそれぞれ形成されている。詳細には、隅部切り込み607は、封印シール601の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく隅角側から(即ち封印シール601の辺に対し斜方向に)剥がされたとしても、隅部切り込み607から封印シール601に破壊が生じることとなる。これにより、不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール601の外縁には、図29に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み608が形成されている。これら外縁切り込み608は、内側から外側に向けて開く鋭角のV字状となっており、さらに封印シール601の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部に集中して封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。これにより、封印シール601が剥がされたことの痕跡を残すことができ、制御基板80に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
ただし、上記のように外縁切り込み608が形成された構成においては、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされると封印シール601の破壊が生じ難い。即ち、封印シール601をその角から剥がす場合や、封印シール601の外縁における隣り合う外縁切り込み608間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込み608の内側端部に集中するため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ易いのに対し、矩形状の封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込み608の内側端部に分散されるため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ難い。よって、後者の方式で封印シール601が剥がされると、外縁切り込み608では不正の痕跡が残らない場合がある。ところが、前述したように、アンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されているので、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされたとしてもアンテナ605bが分断されることとなる。これにより、不正行為を容易に発見することができる。
基材層602の表面には、図29に示すように、インク塗布部609、識別情報部610および機種情報部611が設けられている。インク塗布部609には、紫外線等の特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部610には、複数の数字が記載されており、当該識別情報部610に記載される数字は遊技機毎に異なっている。この場合に、識別情報部610に記載される数字はICチップ605aに格納されているID情報と対応づけて設定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部610に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように設定されている。機種情報部611には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
ここで、封印シール601の図29における上部領域R1は、図27に示すように、ボックスカバー71の突起片の表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、第1制御基板ボックス201Aに対峙する位置からは、インク塗布部609および識別情報部610を視認することができるので、インク塗布部609および識別情報部610の確認作業を容易に行うことができる。また、封印シール601の図29における中間領域R2は、図27に示すように、ボックスカバー71およびボックスベース72の両突起片の突出端面(即ち矩形状突起部851の突出端面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、機種情報部611に記載された内容は第1制御基板ボックス201Aを取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、ボックスベース72の突起片の表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。
上述のようにインク塗布部609および識別情報部610が設けられていることにより、第1制御基板ボックス201Aが不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の基板ボックスが正規の第1制御基板ボックス201Aと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部609に特定の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の基板ボックスのシールにICタグユニットが設けられていたとしても、ID情報をスキャナーで読み取り、その情報と識別情報部610の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
上記構成によれば、制御基板80を収容するボックスカバー71とボックスベース72とを跨ぐようにしてICタグユニット605を有する封印シール601が貼り付けられているので、第1制御基板ボックス201Aを開封するためには、矩形状突起部851から封印シール601を剥がし当該矩形状突起部851のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が基材層602の隅角部分に集中し、基材層602は適度な脆性を有しているので、基材層602が大きく破壊されることとなる。また、封印シール601の外縁には、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み608が形成されているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、基材層602がより破壊されやすくなっている。さらに、封印シール601が第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けられているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様に基材層602が大きく破壊されることとなる。この場合、封印シール601が不正に剥がされたこと、即ち、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。よって、制御基板80に対して不正を行おうとする者は、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力を基材層602の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにすることとなる。ところが、アンテナ605bをその長手方向が封印シール601のすべての辺方向と交差するように配置する構成とすることにより、封印シール601をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ605bの長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ605bが長尺状であり、アンテナ605bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップ605aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ605bを基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成とすることにより、アンテナ605bを基材層602の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ605bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、封印シール601が剥がされた場合におけるアンテナ605bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ605aをアンテナ605bの長手方向の略中央に配置する構成とすることにより、上記のとおりアンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ605aの位置は封印シール601の中央付近となる。よって、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ605aは所定の厚みを有するため、封印シール601におけるICチップ605aの周囲と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ605aが封印シール601の外縁側にあるとその外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との隙間に指を掛けることで封印シール601が剥がし易くなる。これに対して、ICチップ605aの位置が封印シール601の中央付近であることにより、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601の外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間に隙間が生じることはない。
また、基材層602におけるアンテナ605bの周囲にアンテナ用切り込み606を形成する構成とすることにより、封印シール601が剥がされた場合にアンテナ用切り込み606の端部から基材層602が破壊されるのに伴ってアンテナ605bも破壊され、その位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。よって、アンテナ605bが分断され易くなり、主基板に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み606をアンテナ605bの長手方向及び基材層602のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み606のアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ605bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み606はアンテナ605bに達する位置まで形成されているので、封印シール601が不正に剥がされた場合にアンテナ605bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、遊技機の製造時における封印シール601の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ605bを挟んで位置するアンテナ用切り込み606が繋がりそれに伴ってアンテナ605bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、封印シール601の4隅に、基材層602の表面側から粘着材層603の背面側まで貫通するL字状の隅部切り込み607をそれぞれ形成する構成とすることにより、封印シール601がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込み607の端部に集中し、隅部切り込み607から封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。よって、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が封印シール601に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込み607を介した封印シール601の破壊を回避すべく、封印シール601の一辺に沿う方向に当該封印シール601が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ605bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
なお、粘着材層603を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶剤が封印シール601にかけられたり塗布されたりした場合、基材層602が変色する構成とすることにより、溶剤により粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、封印シール601に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、基材層602が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
以上の構成により、上記第1制御基板ボックス201Aは、製造段階においては、2箇所の両端金具挿通部78F、2箇所の破断ネジ挿通部84Fおよび矩形状突起部851の計5箇所で、それぞれ両端封印金具75F、破断ネジおよび封印シール601により封印される。点検等により開封する場合には、両端金具挿通部78Fを、図23中の仮想線L1で示すように貫通部781Fより内側の周壁および架橋片81でニッパ等により切断するとともに、破断ネジ挿通部84Fを破断部844で切断して、それぞれボックスカバー71から分離し、また封印シール601を剥離ないし破断するようにして、封印を解除する。この後、再度第1制御基板ボックス201Aを封印する場合には、前述したように2箇所の中央金具挿通部78Sで中央封印金具75Sにより封印され、再度開封する場合には、中央金具挿通部78Sを前記両端金具挿通部78Fの場合と同様に切断するようにして封印を解除する。
上記のように第1制御基板ボックス201Aが再度封印し得る構成となっていることで、付随的な不正行為をも効果的に抑止することができる。例えば、初回の封印が解除されて第1制御基板ボックス201A内の制御基板を不正基板に交換されたような場合、この第1制御基板ボックス201Aを不正発覚により取り外した後に、不正基板を元の制御基板に戻して不正の状況が把握できないようにするといった付随的な不正行為がなされることがあるが、不正基板に交換された第1制御基板ボックス201Aを再度封印するようにしておくことにより、上述のような付随的な不正行為を困難とすることができる。
上記第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11および図12における左側端縁部)には、図11ないし図14に示すように、係合機構の第2機構部である連結封止部86が設けられている。該連結封止部86は、概略縦長の直方体形状の外形を有し、図31ないし図33に示すように、外側ブロック86Eに内側ブロック86Nを装填するようにして構成されている。
上記外側ブロック86Eは、概略縦長の箱状に成形され、図33に示すように一側面(遊技盤30側面)がほぼ開放されて受入開口861が形成されている(以下、該受入開口861形成側面を後側面とする)。該受入開口861が形成された後側面に隣接する右側面部には、図31および図32に示すように、上端よりやや下方の高さ位置から下端よりやや上方の高さ位置まで上下に延び、前端から中央よりやや後方の位置まで前後に延びる概略縦長の直方体形状のネジ固定部862が、内外に突出するように一体的に形成されている。該ネジ固定部862内の空間は仕切壁が形成されて上下に4等分されるとともに、後端よりやや内側には奥壁(図示せず)が形成され、これにより、奥壁の前側に上下に4個のネジ収容部862Hが、後側に上下に4個の嵌合部(図示せず)がそれぞれ形成されている。各ネジ収容部862Hにおける奥壁にはそれぞれネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。該ネジ固定部862において外側ブロック86Eの右側面より内側(左側)に陥入する部分の上壁、下壁および左側壁は、図33に示すように外側ブロック86Eの後端の位置よりも若干後方の位置まで延出し、外側ブロック86Eの右側面より外側(右側)に突出する部分の上壁および下壁の後端縁は、図32に示すようにそれぞれ上方および下方に延びて段面部862Sを形成し、その上端縁および下端縁からそれぞれ後方に延出している。該ネジ固定部862の左側壁における内側面(左側面)862Nの中央には、図33に示すように前後に延びる仕切リブ863が形成されている。該ネジ固定部862における左側壁の内奥側端に連続する外側ブロック86Eの内壁面には、後述するヒンジ部材90における挿入片923の凹凸部928に対応する凹凸部(図示せず)が形成されている。
上記外側ブロック86Eの右側面における上下両端縁の後部からは、正面視コ字形状の嵌合片864がそれぞれ延出している。また、外側ブロック86Eの前側面において、上端部の左右2箇所および下端部右寄りの1箇所の計3箇所には、ネジ取出部869R、869L、869Bがそれぞれ設けられている。これらのうち、右上のネジ取出部869Rは、外側ブロック86Eの前側面を構成する前側壁に矩形状の貫通孔を穿設し、該貫通孔の上辺、下辺および右辺の各辺の中央から前方に延出片がそれぞれ延出し、各延出片の延出端が中央に向かって直角に延びて正面視T字形状をなすように交わる形状を有する突起部を前側壁に一体的に形成するようにして設けられ、右下のネジ取出部869Bは該右上のネジ取出部869Rと同様に構成され、左上のネジ取出部869Lは該右上のネジ取出部869Rと左右対称となるように構成されている。これらネジ取出部869R、869L、869Bは、後述する内側ブロック86Nのネジ収容腔870R、870L、870Bに収容された予備の破断ネジ(図示せず)を取り出すためのものであり、それぞれ、正面視中央からT字状に延びる延出片をニッパ等により切断して突起部を切除し貫通孔を開放して、内部から破断ネジを取り出すようになっている。このとき、正面視中央からT字状に延びる延出片が外側ブロック86Eの前側面より前方に延出しているため切断しやすく、さらに、右上および左上のネジ取出部869R、869Lは、それぞれの右部および左部の延出片が正面視中央から互いに逆方向に外側へ(それぞれ右方および左方へ)延びているため、一方のネジ取出部869R/869Lにおける右部/左部の延出片を、他方のネジ取出部869L/869Rが邪魔となることなく容易に切断し得るようになっている。
上記内側ブロック86Nは、上記外側ブロック86Eの受入開口861の内部形状に対応して、上下にやや長く延びる直方体の上端および下端がそれぞれ一方側(右側)へ直角に延出する、正面視概略C字形状(コの字の左右対称形状)の外形に成形されたほぼ中空の部材となっている。該内側ブロック86Nは、正面部のみがほぼ開放され、上記外側ブロック86Eの3箇所のネジ取出部869R、869L、869Bに対応して、右上、左上および右下の3箇所にネジ収容腔870R、870L、870Bがそれぞれ形成されている。これらネジ収容腔870R、870L、870Bはいずれも、断面矩形状で前後方向に長く延び、前端が開放され後端が内側ブロック86Nの背面壁により閉塞されている。該ネジ収容腔870R、870L、870Bにはそれぞれ予備の破断ネジ(図示せず)が収容されるようになっている。
上記内側ブロック86Nにおける背面の上端縁、下端縁および左端縁からは前記外側ブロック86Eの背面の外周とほぼ合同の外周を有するフランジ865が延出している。該内側ブロック86Nにおける上下の延出部の先端面には、先方(右方)へ水平に延出しその先端から前方へ延びて平面視概略鉤形状をなし、その先端部に、テーパ状の前面および垂直な後面を有して側面視台形状に高さ方向中央へ向かって下方ないし上方へ突出する係合突起が形成された係合片866がそれぞれ一体的に形成されている。
上記内側ブロック86Nにおける上下の延出部の間に延びる中央側面867には、裏打金具868が装着・固定される。該裏打金具868は、1枚の金属板の一方側端縁を折り返すように折曲して折返し片868Fが設けられ、上下2箇所に係合片868Eがそれぞれ形成された構成となっている。該係合片868Eは、後側から前側へ向かって延びてコ字状に折り返す形状に金属板に切込みを入れ、該切込みの内側部分を外側にむけてやや傾斜するように引き起こして形成されている。該裏打金具868は、内側ブロック86Nの中央側面867を構成する壁の前端縁に折返し片868Fを前方から嵌着するようにして該中央側面867上に重合され固定される。
上記裏打金具868が装着された内側ブロック86Nは、ネジ収容腔870R、870L、870Bにそれぞれ予備の破断ネジ(図示せず)を収容して、図67に示すように、外側ブロック86Eの受入開口861内に挿入され、段面部862Sに係合片866が係合することにより係止固定されて、連結封止部86が構成される。この状態で、外側ブロック86Eにおけるネジ固定部862の左側面862Nと内側ブロック86Nの中央側面867とは所定間隔をおいて離隔しており、これにより、外側ブロック86Eと内側ブロック86Nとの間に、上下に長く延び、前後に奥行を有する挿入口が形成されるようになっている。
上記連結封止部86は、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図11および図12における左側端縁部)に取付固定される。図16に示すように、ボックスベース72の一方側端縁部(図16における左側端縁部)には、螺入部88および嵌着部89が設けられている。螺入部88は、ボックスベース72の一方側端面(図16における左側端面)における高さ方向中央部に、水平に延出する延出片を介して一体的に形成された、内部にネジ孔を有して前後に延びる円筒状体88Pを、互いに若干間隔をおいて上下に4個並置するようにして構成されている。嵌着部89は、螺入部88のやや上方およびやや下方において、ボックスベース72の一方側端面(図16における左側端面)の後端縁から正面視矩形状の端板891T、891Bがそれぞれ垂直に延出し、上方の端板891Tにおける上端部には、上端縁および先端縁(図16における左側端縁)の上部に沿って正面視鉤形状に屈曲しさらにその下端が内側(図16における右側)に屈曲した形状を有する嵌合片892Tが前方に延出するとともに、下方の端板891Bにも該上方の嵌合片892Tと上下対称をなす嵌合片892Bが形成された構成となっている。連結封止部86は、内側ブロック86Nが装填された外側ブロック86Eの受入開口861形成側(後側)を後方に、外側ブロック86Eのネジ固定部862形成側(右側)を右方にそれぞれ向けた体勢で、外側ブロック86Eの上下の嵌合片864を嵌着部89の上下の嵌合片892T、892Bにそれぞれ嵌入するようにして、ボックスベース72の一方側端縁部(図16における左側端縁部)に前方から嵌着される。これにともない、螺入部88の4個の円筒状体88Pが外側ブロック86Eにおけるネジ固定部862の4個の嵌合部にそれぞれ嵌入する。この状態で、該ネジ固定部862のいずれかのネジ収容部862Hから破断ネジが螺入され、該破断ネジの頭部を破断させることにより、連結封止部86がボックスベース72に封止状態で固定される。この固定状態では、連結封止部86の外側ブロック86Eがネジ固定部862でボックスベース72に固定されているが、内側ブロック86Nも、係合片866がボックスベース72の端板891T、891Bに当って後方へ抜き出すことが不可となっており、したがって外側ブロック86Eとともに封止状態となっている。
なお、「封止」とは、痕跡を残すことなく固定状態を解除することができない状態とすることを意味し、上記のように破断ネジを用いて固定することや、さらにはこれ以外にも、例えば、「1WAYネジ」と称される、一方向にのみ回るネジを用いて固定すること、封印シールを貼付すること、等をいずれも含意する。
上記連結封止部86は、上記のようにして破断ネジにより封止状態で固定されているので、例えば第1制御基板ボックス201Aの取り外しが必要な場合には、螺入部88の円筒状体88Pを切り離すことにより封止状態を解除することができる。この後、連結封止部86を再度第1制御基板ボックス201Aに固定する場合には、前記内側ブロック86Nのネジ収容腔870R、870L、870Bのいずれかに収容された予備の破断ネジ(図示せず)を外側ブロック86Eのネジ取出部869R、869L、869Bから取り出して未使用の3個のネジ収容部862Hのいずれかに螺入し破断させるようにする。このように、1回の封止につき1個の円筒状体88Pで破断ネジにより封止・固定するようにすることで、計4回まで封止および解除を繰り返すことができる。
上記のようにして連結封止部86が固定された状態では、該連結封止部86の後端である背面は、第1制御基板ボックス201Aの後端であるボックスベース72の背面とほぼ面一となって後方に突出せず、一方、該連結封止部86の前端である外側ブロック86Eのネジ取出部869R、869L、869Bは、第1制御基板ボックス201Aの前端であるボックスカバー71の前面よりもわずかに後方の位置にきて前方に突出しないようになっている。即ち、ネジ取出部869R、869L、869Bも含め連結封止部86の前後方向の厚さが、第1制御基板ボックス201Aの前後方向の厚さより小となっていて、第1制御基板ボックス201Aより前方にも後方にも突出することなく設けられている。
上記連結封止部86は、図34ないし図40に示すように、ヒンジ部材90に連結される。該ヒンジ部材90は、図41および図42に示すように、固定部91に可動部92が回動自在に連結された構成となっている。固定部91は、概略帯状に延びる金属板を側面視コ字形状に折曲して上下に腕金片911T、911Bをそれぞれ形成し、該腕金片911T、911Bの先端部に軸挿通孔をそれぞれ穿設したものとなっている。図34ないし図40に示すように、遊技盤30の裏面における下部には球集合板460が固定され、この球集合板460は、遊技盤30の左端近傍から右端近傍まで横長に延びる概略板状体であり、入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が一体的に形成されたものとなっている。該球集合板460の左端部には、図41および図42に示すように、角形状(四角柱をやや変形した形状)に突出する中空の基台部460Bが形成され、該基台部460Bの先端面には上下に2条のスリットが穿設されている。上記固定部91は、該基台部460Bの内部から腕金片911T、911Bをスリットを通して外部へ突出させるようにして、該基台部460Bに固定されており、これにより、球集合板460の外部からは該固定部91が取り外せないようになっている。
可動部92は、図41および図42に示すように、金属板を折曲して構成され、概略矩形状の本体片921の一端縁(図41および図42における前側端縁)から中間片922が一方(図41および図42における右方)に直角に折曲するように延出し、その延出端から挿入片923が、上記本体片921と反対側(図41および図42における前側)に直角に折曲するように延出し、これにより上記本体片921、中間片922および挿入片923が、平面視S字状に屈曲しながら連続するように形成されている。上記本体片921の中間片922に連続する端縁に隣接する一端縁(図41および図42における下端縁)における該中間片922側と反対側の端部(図41および図42における後端部)からは、上記中間片922と同方向に上部軸支片924Tが直角に折曲するように延出し、該上部軸支片923Tの先端部には軸挿通孔が穿設されている。上記中間片922において本体片921および挿入片923にそれぞれ連続する端縁に隣接する両側部のうち、上記上部軸支片924T形成側と同一側にある一側部(図41および図42における下側部)はさらに延出し、その延出端から上記本体片921側と同一側(図41および図42における後側)に下部軸支片924Bが直角に折曲するように延出し、上記上部軸支片924Tと平面視で重なる位置まで延びて、先端部に軸挿通孔が穿設されている。
上記固定部91における腕金片911T、911Bの先端縁は可動部92の回動に抵触し難い半円形状とされ、可動部92における上部軸支片924Tの先端縁も回動に好適な半円形状とされているが、下部軸支片924Bは矩形状となっていて、両側端縁部の先端近傍はそれぞれ、平面視V字形状をなして外側(図41および図42における下側)へ隆起するように変形加工され、これにより概略三角錐形状に外方(図41および図42における下方)へ突出する右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lがそれぞれ形成されている。
上記可動部92における挿入片923には、両側(図41および図42における上下)2箇所に並置するように矩形状の係合孔926がそれぞれ穿設され、また、該挿入片923の先端縁中央から、上記両係合孔926の間を通り、中間片922に連続する端縁の近傍までスリット状に延びる切欠927が形成されている。さらに、挿入片923の先端縁における切欠927より内側(図41および図42における下側)には、両側(図41および図42における上下)に並ぶ凸部が突出するように凹凸部928が形成されている。
上記可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bは、固定部91における上下の腕金片911T、911Bに、それぞれ上側から重合され、軸挿通孔に回動軸93が挿通されて枢着され、これにより可動部92が固定部91に回動自在に連結されるようになっている。該回動軸93にはコイルバネ931が外嵌されており、下部軸支片924Bを下方の腕金片911B上に圧しつけるように付勢するようになっている。また、この枢着状態で、回動軸93の上端部は上方の腕金片911Tよりもやや上方まで突き出てそのぶん余裕が形成されるようになっており、これにより可動部92をコイルバネ931の付勢力に抗して固定部91に対し上方にずらすように移動させ得るようになっている。
上記構成により、ヒンジ部材90においては、図43ないし図66に示すように該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置に保持し得る仮保持機構が構成されるようになっている。
上記ヒンジ部材90の可動部92を内側(図43ないし図66における右側)へ回動させると、下部軸支片924Bの右側係止突起925Rが、可動部92全体をコイルバネ931の付勢力に抗して上方に押し上げるように移動させながら、固定部91における下方の腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図43ないし図50に示すように可動部92が内側(図43ないし図66における右側)へ最大限に回動すると、右側係止突起925Rは、図48および図50によく表れているように、該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から外方(左方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)に係合した状態に保持され、これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から逆方向に戻るように回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置では、可動部92が外方(図43ないし図66における左方)へも後方(図43ないし図66における前方)へも突出することなく、内側へ折り畳まれた体勢となっているので、最も邪魔にならず納まりが良好であり、したがってこの位置は、例えば基板ボックスを取り付ける前の搬送時や保管時に好適であって、このため本明細書ではこの位置を「収納位置」とする。
上記収納位置にある可動部92を逆方向に戻るように回動させると、下部軸支片924Bの右側係止突起925Rが再び腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図51ないし図58に示すように可動部92が後方(図43ないし図66における前方)へまっすぐ突出する位置までくると、右側係止突起925Rは、図56および図58によく表れているように、該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)から内方(右方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)に係合した状態に保持され、またこれと同時に、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lが該腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)に当接する位置まできて該端縁に係合した状態に保持される。即ち、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lおよび右側係止突起925Rが腕金片911Bを両側から挟持するようにして係合し、下部軸支片924Bが腕金片911Bと同一方向(後方;図43ないし図66における前方)に延びる体勢となる。これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から内側へも外側へも回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置は、後述するように第1制御基板ボックス201Aが取り付けられる取付位置である。
上記取付位置にある可動部92を外側(図43ないし図66における左側)へ回動させると、下部軸支片924Bの左側係止突起925Lが、可動部92全体をコイルバネ931の付勢力に抗して上方に押し上げるように移動させながら、下方の腕金片911Bの外側端縁(図43ないし図66における左側端縁)から該腕金片911B上に乗り上げ、この後、該腕金片911B上を摺動しながら移動し、図59ないし図66に示すように可動部92が外側(図43ないし図66における左側)へ最大限に回動すると、左側係止突起925Lは、図64および図66によく表れているように、該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)から内方(右方)へ脱落し、以降、コイルバネ931の付勢力により下方に圧しつけられることで該腕金片911Bの内側端縁(図43ないし図66における右側端縁)に係合した状態に保持され、これにより、外力が加えられない限り可動部92がこの位置から逆方向に戻るように回動することがなく、したがってこの位置に仮保持される。この位置は、第1制御基板ボックス201Aが取り付けられた状態では該第1制御基板ボックス201Aを開いたときの位置であり、このため本明細書ではこの位置を「開位置」とする。
上記第1制御基板ボックス201Aは、上記ヒンジ部材90の可動部92を取付位置とした状態で、図35ないし図40に示すように遊技盤30の裏面側から取り付けられる。このとき、図39および図40に示すように、第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部に固定された連結封止部86が、ヒンジ部材90の可動部92における挿入片923を挿入口86S内に挿入するようにして、該ヒンジ部材90に連結固定される。
連結封止部86の挿入口86S内にヒンジ部材90の挿入片923を挿入すると、該挿入片923は、挿入口86S内に形成されている前記仕切リブ863を切欠927内に導入することにより、該仕切リブ863に抵触することなく挿入口86S内に挿入されていき、先端が挿入口86Sの内奥に達すると、先端縁の凹凸部928が前記外側ブロック86E内の凹凸部に嵌合して適合し、該挿入片923のほぼ全体が挿入口86S内に納まる。該挿入片923がこの位置まで挿入されると、図68および図71に示すように、裏打金具868の係合片868Eが該挿入片923の係合孔926内に係合し、これにより該挿入片923が挿入口86Sから抜け出せない状態となって、連結封止部86がヒンジ部材90に連結封止されることとなる。こうして、第1制御基板ボックス201Aが図34に示すように遊技盤30の裏面側に取り付けられる。
また、上記のようにして連結封止部86の挿入口86S内にヒンジ部材90の挿入片923が挿入された状態では、挿入口86Sにおける挿入片923の一方面側(連結封止部86における内側ブロック86N側)の半分すなわち挿入片923に対し裏打金具868の係合片868Eが存在する側の半分が、ヒンジ部材90の可動部92において挿入片923に連続し挿入口86Sより外側に露出する中間片922により覆われて閉塞される。即ち、該中間片922が、挿入口86Sの一部を覆う遮蔽部となっており、これにより外部から裏打金具868の係合片868Eを不正に操作することが困難となっている。
上記のようにして連結封止部86をヒンジ部材90に連結固定することにより、第1制御基板ボックス201Aの一方側端縁部が遊技盤30の裏面側に取り付けられるが、第1制御基板ボックス201Aの他方側端縁部は、該第1制御基板ボックス201Aと遊技盤30との間に介在するように配置されたスペーサ部材に着脱自在に取り付けられ固定されるようになっている(図示せず)。
上記のようにして第1制御基板ボックス201Aが取り付けられた後、例えば点検等を行う場合は、第1制御基板ボックス201Aをヒンジ部材90で回動させるようにして開き戸式に開放することができるが、最大限に開放すると、ヒンジ部材90の可動部92が開位置にきて、これにより第1制御基板ボックス201Aが最大限に開放した体勢に仮保持される。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、制御基板を内部に収容する第1制御基板ボックス201Aが、所定の軸すなわち回動軸93を中心として回動し得るヒンジ部材90を介して開閉可能に連結固定された構成において、上記ヒンジ部材90が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置すなわち取付位置、収納位置ないし開位置に保持し得る仮保持機構を備える構成としたので、パチンコ機10の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材90を仮保持機構により所定の角度位置に保持しておくことにより、ヒンジ部材90の不要な回動を抑制することができる。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を第1制御基板ボックス201Aが取り付けられる取付位置に保持し得るものとなっているので、第1制御基板ボックス201Aの取付時に、ヒンジ部材90を取付位置に保持して動かないようにしておくことにより、第1制御基板ボックス201Aを容易かつ確実に取り付けることができ、ヒンジ部材90が動いて取付作業が煩瑣となるといった難点もなく作業性が良好となっている。
特に、例えば基板ボックスが前面ないし後面に沿った方向(例えば左右方向)にスライドさせるようにしてヒンジ部材等に取り付けられる場合には、該ヒンジ部材等の位置を視認しながら基板ボックスを取り付けることもあまり困難とはならないのに対し、本実施形態のパチンコ機10では第1制御基板ボックス201Aが前面ないし後面に垂直な方向(即ち後方向)からヒンジ部材90に取り付けられるようになっているので、該第1制御基板ボックス201A自体により視界が遮られてヒンジ部材90の位置が視認しづらくなり、ヒンジ部材90が動いたりすると取付作業が煩瑣となりやすい。このため、上述のようにヒンジ部材90を取付位置に保持することが作業性を良好とする上で特に有効となっている。
換言すれば、本実施形態のパチンコ機10では、前述の通り第1制御基板ボックス201A内の視認性を良好に維持するとともに第1制御基板ボックス201Aの前後のスペースを確保するために、連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられ、これにともない第1制御基板ボックス201Aが後方向からヒンジ部材90に取り付けられることとなって、取付作業が煩瑣となりやすく、このためヒンジ部材90を取付位置に保持する構成が特に有効な配置構成となっているともいうことができる。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を折り畳んだ収納位置に保持し得るものとなっているので、例えば第1制御基板ボックス201Aを取り付ける前の搬送時や保管時に、ヒンジ部材90を収納位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材90を、搬送作業の邪魔になったり、搬送や保管の際に起立して納まりの悪い体勢となったりすることなく、整然と収納した体勢としておくことができる。
またこの場合、仮保持機構は、前記取付位置の場合における機構を用いてヒンジ部材90を収納位置に保持し得るようになっているので、そのぶん構成が簡略となっている。即ち、ヒンジ部材90を収納位置に保持するには、例えば、球集合板に適宜な係合部を設け、ヒンジ部材90の先端部をこの係合部に係合させることにより収納位置に保持する機構とすることも考えられるが、本実施形態のパチンコ機10では、このような係合部を設けなくともヒンジ部材90を収納位置に保持することができ、そのぶん球集合板460等に付加的な仮保持構造を追加することも不要となっている。
また、上記仮保持機構が、ヒンジ部材90を第1制御基板ボックス201Aを開いた開位置に保持し得るものとなっているので、第1制御基板ボックス201Aの点検のために該第1制御基板ボックス201Aを開いた時に、ヒンジ部材90を開位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材90が動いて点検作業の邪魔になるといった難点もなく作業性が良好となっている。
また、ヒンジ部材90が、板状片同士すなわち可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bと固定部91における上下の腕金片911T、911Bとをそれぞれ重合し回動軸93を挿通して枢着することにより構成され、上記仮保持機構が、上記板状片すなわち可動部92および固定部91のうちの一方である可動部92を他方である固定部91にむけて付勢手段であるコイルバネ931により付勢するとともに、上記双方の板状片すなわち可動部92および固定部91に、互いに係合し合う係止機構を設けることにより構成されているので、多数の部品を要することもなく簡潔な構成により効果的に機能し得るヒンジ部材90および仮保持機構となっている。
また、上記係止機構が、一方の板状片である可動部92の下部軸支片924Bに、他方の板状片である固定部91の(下方の)腕金片911Bにむけて突出して該腕金片911Bの辺縁部に係合する右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lを設けることにより構成されているので、一方の板状片である可動部92の下部軸支片924Bに設けた右側係止突起925Rおよび左側係止突起925Lを係合させる対象として他方の板状片である固定部91の腕金片911Bの辺縁部を利用できるため、そのぶんより簡略な係止機構となっている。
また、パチンコ機10においては、制御基板を内部に収容する第1制御基板ボックス201Aが、係合機構を介してパチンコ機10の裏面側に連結固定され、上記第1制御基板ボックス201Aは、制御基板の表面側を覆う表面側被覆領域を形成するボックスカバー71と、制御基板の裏面側を覆う裏面側被覆領域を形成するボックスベース72とを有し、上記係合機構は、係合部である係合孔926が形成された挿入片923を有する第1機構部すなわちヒンジ部材90と、上記挿入片923を受容して上記係合孔926を内部の係合片868Eで係合させ得る挿入口86Sを有する第2機構部すなわち連結封止部86とで構成され、上記パチンコ機10の裏面側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、上記第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられた構成において、上記第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられている構成となっているので、第1制御基板ボックス201A内に収容された制御基板を表側ないし裏側から視た場合に連結封止部86が邪魔になることがなく、したがって制御基板の視認性が良好に維持され、内部状況の確認に支障をきたすようなこともない。また、第1制御基板ボックス201Aにおける表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域の前後のスペースを連結封止部86が占有することがなく、したがってそのぶん第1制御基板ボックス201A周辺のスペースが確保されている。
また、第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86の前後方向の厚さが、第1制御基板ボックス201Aの前後方向の厚さより小となっていて、前記第1制御基板ボックス201Aより前方にも後方にも突出することなく設けられているので、第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が第1制御基板ボックス201Aの厚さの範囲内に納まっており、したがって遊技盤30の裏側における前後方向のスペースがより無駄なく有効に利用されるようになっている。
また、遊技盤30側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、前記第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられている。第2機構部である連結封止部86は、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923を受容する部位であるため、そのぶん必然的に該挿入片923よりも大きく構成されており、したがって上記パチンコ機10のように第1制御基板ボックス201A側に連結封止部86が設けられていると、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを第1制御基板ボックス201Aの前面部にも後面部にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けるようにした効果がより有効に発揮されている。
また、第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に、該第1制御基板ボックス201Aを封印するための封印部すなわち金具挿通部78F、78S、破断ネジ挿通部84Fおよび矩形状突起部851が設けられ、第1制御基板ボックス201A側に設けられた第2機構部である連結封止部86が、上記3箇所の封印部のいずれの前面部にも後面部にも重ならない位置に設けられているので、該封印部の視認性も第2機構部である連結封止部86によって阻害されることがなく、該封印部の状況を確認するのに支障をきたすようなこともない。
また、上記封印部の前後においても、第2機構部である連結封止部86がスペースを占有することがないため、そのぶん該封印部における前後方向のスペースが確保されている。
また、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923に所定の凹凸部928が形成され、第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内に、上記挿入片923の凹凸部928と嵌合し得る凹凸部が形成されている。本実施形態のパチンコ機10は、同一部品から構成される同一構成の製品であって当選確率のみを互いに異なるように設定した複数種の製品に製造され、当該パチンコ機10の前面部に、遊技者に視認されるように当該パチンコ機10の当選確率が表示されるようになっている(図示せず)。このため、この所定の当選確率が表示された製品に、当該当選確率に設定された主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201Aが正しく取り付けられている必要があるが、異なる当選確率に設定された主制御基板同士であっても同一部品から構成されているため、当該主制御基板がいずれの当選確率に設定されたものであるのか見分けがつき難い。したがって、所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率とは異なる当選確率に設定された主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201Aが誤って取り付けられてしまう不良(誤組付)が生じやすい。そこで、上記パチンコ機10においては、所定の当選確率が表示された製品の遊技盤30側に設けられる第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923の凹凸部928と、当該当選確率に設定された主制御基板の第1制御基板ボックス201A側に設けられる第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内の凹凸部とが互いに嵌合し得るように形成され、これとは異なる当選確率に設定された製品においては凹凸部の形状、位置、数等が変えられており、所定の当選確率が表示された製品には当該当選確率に設定された主制御基板を収容した第1制御基板ボックス201Aしか取り付けられないようになっていて、これにより誤組付が効果的に防止されるようになっている。
また、第1機構部と第2機構部とを互いに係合させた状態にあるとき、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させて第1機構部の係合部ないし第2機構部の係合部を動かすようにすると、この係合状態が解除されて第1制御基板ボックス201Aが不正に取り外されることとなる場合があるが、これに対し上記パチンコ機10においては、第1機構部であるヒンジ部材90における挿入片923の2個所に係合部として係合孔926がそれぞれ形成され、第2機構部である連結封止部86の挿入口86S内に、上記挿入片923の2個所の係合孔926とそれぞれ係合し得る係合部として2箇所に係合片868Eが形成された構成、即ち、第1機構部および第2機構部のそれぞれにおける複数個所(2箇所)に係合部が設けられ、これにより互いに係合し合う係合部が複数組(2組)設けられた構成となっているので、第1機構部(ヒンジ部材90)と第2機構部(連結封止部86)との係合を解除するには複数箇所(2箇所)における係合状態を同時に解除することが必要となり、したがって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、上記第1機構部の係合部である係合孔926および第2機構部の係合部である係合片868Eよりなる2組の間を仕切る仕切部として仕切リブ863が設けられているので、上記係合孔926と係合片868Eとがそれぞれ係合した2箇所の間が仕切リブ863によって互いに隔絶されており、したがって2箇所における係合状態を同時に解除することがより困難となって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、第1機構部であるヒンジ部材90の挿入片923が第2機構部である連結封止部86の挿入口86Sに挿入された状態で該挿入口86Sの少なくとも一部を覆う遮蔽部として中間片922がヒンジ部材90に設けられているので、例えば上記挿入口86S内に針金等の不正具を進入させることが、遮蔽部である中間片922が障害となって困難となっており、したがって第1制御基板ボックス201Aの不正な取り外しがより困難となっている。
また、上記挿入片923が金属板を成形してなるものであり、第2機構部である連結封止部86の挿入口86Sに挿入された状態で該挿入口86Sより外側に露出した部分を一方に折り曲げることにより上記遮蔽部である中間片922が形成されているので、折曲加工により容易に遮蔽部である中間片922が挿入片923と一体的に形成されている。
(変更態様)
上記パチンコ機10には、例えば以下に列挙するように様々な変更を加えることが可能である。
(1)前記実施形態においては、遊技盤30側に第1機構部であるヒンジ部材90が設けられ、第1制御基板ボックス201A側に第2機構部である連結封止部86が設けられていたが、これとは逆に、遊技盤側に第2機構部を設け、基板ボックス側に第1機構部を設けるようにしてもよい。例えば、基板ボックスに、遊技盤側へむけて突出するとともに係合部が形成された挿入片を設け、遊技盤の裏面に固定された球集合板に、該挿入片を受容してその係合部を内部で係合させ得る挿入口を形成するようにした構成等が挙げられる。
ただし、前述の通り、第2機構部は、第1機構部の挿入片を受容する部位であるため、そのぶん第1機構部よりも大きく構成されざるを得ず、したがって基板ボックス側に第2機構部を設けたほうが、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを基板ボックスの前面部にも後面部にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにした本発明の効果がより有効に発揮されることとなる。
(2)前記実施形態においては、第2機構部である連結封止部86が、第1制御基板ボックス201Aにおける金具挿通部78F、78S形成側端縁部(図34ないし図38上の左側端縁部)に固定されるようになっているが、このように該第2機構部を基板ボックスの周縁に直接的に固定する以外にも、例えば、適宜な架設部材を介して、基板ボックスの周縁から離隔した周囲に設けるようにしてもよい。あるいはこの場合、基板ボックスと第2機構部との間に介在する架設部材も、該基板ボックスまたは第2機構部のいずれかの一部を構成するものとみなすこともできる。
また、第2機構部を基板ボックスの周縁部に一体的に形成するようにしてもよい。ただし、第2機構部は、内部に係合部が形成されることから、前記実施形態におけるように基板ボックスとは別に組み立てるほうが構成しやすい。
(3)前記実施形態においては、第1機構部であるヒンジ部材90の係合部として係合孔926が、第2機構部である連結封止部86の係合部として係合片868Eがそれぞれ設けられていたが、これとは逆に、第1機構部に係合片を、第2機構部に係合孔をそれぞれ設けるようにしてもよい。また、第1機構部および第2機構部のそれぞれの係合部としては、上記のような係合片および係合孔以外にも、互いに係合し得るものであれば任意のものを用いることができる。
(4)前記実施形態においては、 ヒンジ部材90が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における取付位置、収納位置ないし開位置の3通りの位置に保持し得る仮保持機構を備えるものとなっていたが、仮保持機構としては、ヒンジ部材90を上記3通りの位置に保持し得るものに限定されるものではなく、回動範囲内における少なくとも1つの位置に保持し得るものであればよい。特に、上記3通りの位置のなかでも取付位置が最も重要であり、ついで開位置および収納位置がこの順に重要であるので、仮保持機構はヒンジ部材90を少なくとも取付位置に保持し得、望ましくは開位置にもあわせて保持し得、さらに望ましくは収納位置にもあわせて保持し得るように構成することが好ましい。ヒンジ部材90を1つの位置に保持し得るものとする場合、例えば、ヒンジ部材において互いに重合される一組の片のうちの一方片に係止突起を設け、この係止突起に係合し得る係合穴を他方片に設けるようにすることにより仮保持機構を構成することができる。ただし、前記実施形態においては、前述の通り下部軸支片924Bの左側係止突起925Lおよび右側係止突起925Rが腕金片911Bを両側から挟持するようにして係合する構成となっており、この構成によれば、該腕金片911Bの両側端縁を利用してきわめて簡潔な構成によってヒンジ部材90を3通りの位置に保持し得る仮保持機構を構成することができる。
(5)前記実施形態においては、ヒンジ部材90の可動部92が固定部91にむけて付勢手段であるコイルバネ931により付勢されるようになっていたが、例えばコイルバネ931にかえて、ウェーブワッシャと称される弾性を有するワッシャを付勢手段として用い、これにより簡略な構成の仮保持機構とするようにしてもよい。このように付勢手段としてウェーブワッシャを用いて前記実施形態の構成を一部変更するとすれば、例えば、ヒンジ部材90の可動部92における上部軸支片924Tおよび下部軸支片924Bを、固定部91における上下の腕金片911T、911Bに回動軸93ではなくリベットにより上下それぞれにおいて枢着し、上部軸支片924Tと上方の腕金片911Tとの間にウェーブワッシャを介装するようにすればよい(図示せず)。なおこのとき、上部軸支片924Tと上方の腕金片911Tとは、前記実施形態の場合とは逆に、上部軸支片924Tが下側、腕金片911Tが上側にくるように重合し、これらの間にウェーブワッシャを介装することにより、可動部92を固定部91にむけて付勢するようにすることができる。
(6)前記実施形態は、A)第1制御基板ボックス201A側に設けられた連結封止部86が、該第1制御基板ボックス201Aの前面部にも後面部にも重なることなく該第1制御基板ボックス201Aの周囲の位置に設けられている構成、ならびにB)ヒンジ部材90が、該ヒンジ部材90を回動範囲内における所定の角度位置すなわち取付位置、収納位置ないし開位置に保持し得る仮保持機構を備える構成、のいずれをも備えるものとなっていたが、上記A)、B)のうちの一方の構成のみを備えるものとしてもよい。上記A)の構成のみを備えるものとする場合、仮保持機構を備えないヒンジ部材を用いてもよいが、さらには例えば、ヒンジ部材を用いることなく(即ち回動による開閉機構を省略して)、遊技盤側に第1機構部または第2機構部を設け、基板ボックス側に第2機構部または第1機構部を設けるようにしてもよい。上記B)の構成のみを備えるものとする場合、基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部の位置は問わず、基板ボックスにおける任意の位置に設けるようにしてもよいが、さらには、ヒンジ部材と基板ボックスとの取付構造も任意のものでよく、例えばヒンジ部材を基板ボックスに破断ネジ等により直接的に固定するようにしてもよい。さらにはまた、例えばヒンジ部材を遊技盤側でなく基板ボックス側に設けておくようにしてもよい。
(7)前記実施形態においては、主制御基板を収容する第1制御基板ボックス201Aについて説明したが、第1制御基板ボックス201Aと同様の構成ならびにその取付構造は、主制御基板以外にも、表示制御基板、サブ制御基板、払出制御基板、電源基板、発射制御基板等の各種の制御基板を収容する基板ボックスに適用することができる。
(8)前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる発明をいずれも開示している。
本発明にかかる遊技機は、手段1として、
制御基板を内部に収容する基板ボックスが、所定の軸を中心として回動し得るヒンジ部材を介して開閉可能に連結固定された遊技機であって、
前記ヒンジ部材が、該ヒンジ部材を回動範囲内における所定の角度位置に保持し得る仮保持機構を備えることを特徴とする。
上記手段1の構成によれば、遊技機の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材を仮保持機構により所定の角度位置に保持しておくことにより、ヒンジ部材の不要な回動を抑制することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を基板ボックスが取り付けられる取付位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段2の構成によれば、基板ボックスの取付時に、ヒンジ部材を取付位置に保持して動かないようにしておくことにより、基板ボックスを容易かつ確実に取り付けることができ、ヒンジ部材が動いて取付作業が煩瑣となるといった難点もなく作業性を良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段1または手段2の遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を折り畳んだ収納位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段3の構成によれば、例えば基板ボックスを取り付ける前の搬送時や保管時に、ヒンジ部材を収納位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材を、搬送作業の邪魔になったり、搬送や保管の際に起立して納まりの悪い体勢となったりすることなく、整然と収納した体勢としておくことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段1から手段3のいずれかの遊技機において、
前記仮保持機構が、ヒンジ部材を基板ボックスを開いた開位置に保持し得るものであることを特徴とする。
上記手段4の構成によれば、基板ボックスの点検のために該基板ボックスを開いた時に、ヒンジ部材を開位置に保持して動かないようにしておくことにより、ヒンジ部材が動いて点検作業の邪魔になるといった難点もなく作業性を良好とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段1から手段4のいずれかの遊技機において、
前記ヒンジ部材が、板状片同士を重合し軸を挿通して枢着することにより構成され、前記仮保持機構が、前記板状片のうちのいずれか一方の板状片を他方の板状片にむけて付勢手段により付勢するとともに、前記双方の板状片に、互いに係合し合う係止機構を設けることにより構成されていることを特徴とする。
上記手段5の構成によれば、多数の部品を要することもなく簡潔な構成により効果的に機能し得るヒンジ部材および仮保持機構とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記係止機構が、前記板状片のうちのいずれか一方の板状片に、他方の板状片にむけて突出して該上記他方の板状片の辺縁部に係合する係止突起を設けることにより構成されていることを特徴とする。
上記手段6の構成によれば、板状片のうちのいずれか一方の板状片に設けた係止突起を係合させる対象として他方の板状片の辺縁部を利用できるため、そのぶんより簡略な係止機構とすることができる。
る。
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段5または手段6の遊技機において、
前記付勢手段が、前記板状片の間に介装された弾性を有するワッシャとなっていることを特徴とする。
上記手段7の構成によれば、仮保持機構の構成をさらに簡略化することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段1から手段7のいずれかの遊技機において、
前記基板ボックスが、係合機構を介して遊技機の裏面側に連結固定され、
前記基板ボックスは、制御基板の表面側を覆う表面側被覆領域と裏面側を覆う裏面側被覆領域とを有し、
前記係合機構は、係合部が形成された挿入片を有する第1機構部と、前記挿入片を受容して前記係合部を内部で係合させ得る挿入口を有する第2機構部とで構成され、前記遊技機の裏面側に第1機構部または第2機構部が設けられ、前記基板ボックス側に第2機構部または第1機構部が設けられ、
前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が、該基板ボックスの表面側被覆領域にも裏面側被覆領域にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けられていることを特徴とする。
本発明において、「表面側被覆領域」および「裏面側被覆領域」とは、制御基板の外形を表面側および裏面側に向けて基板面に垂直な方向に投影した場合に、基板ボックスを構成する壁面上に形成される図形によって包囲される領域のことである。したがって、表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域内にある基板ボックスの壁面は、制御基板に平行な平面だけでなく、それ以外の平面や、さらには平面以外の、曲面や凹凸を有するもの等の任意の形状のものが含まれる。
上記手段8の構成によれば、基板ボックス内に収容された制御基板を表側ないし裏側から視た場合に第2機構部または第1機構部が邪魔になることがなく、したがって制御基板の視認性が良好に維持され、内部状況の確認に支障をきたすようなこともない。
また、基板ボックスにおける表面側被覆領域ないし裏面側被覆領域の前後のスペースを第2機構部または第1機構部が占有することがなく、したがってそのぶん遊技機の裏面側における前後方向のスペースを確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段8の遊技機において、
前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部の前後方向の厚さが、前記基板ボックスの前後方向の厚さと同じまたはこれより小となっていて、前記基板ボックスより前方にも後方にも突出することなく設けられていることを特徴とする。
上記手段9の構成によれば、基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が基板ボックスの厚さの範囲内に納まり、したがって遊技盤の裏側における前後方向のスペースをより無駄なく有効に利用することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段8または手段9の遊技機において、
前記遊技盤側に第1機構部が設けられ、前記基板ボックス側に第2機構部が設けられていることを特徴とする。
第2機構部は、第1機構部の挿入片を受容する部位であるため、そのぶん第1機構部よりも大きく構成されざるを得ず、したがって上記手段10のように基板ボックス側に第2機構部が設けられていると、視認性の面でも占有スペースの面でも影響がより大きいので、これを基板ボックスの前面部にも後面部にも重なることなく該基板ボックスの周囲の位置に設けるようにした本発明の効果がより有効に発揮されることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段8から手段10のいずれかの遊技機において、
前記基板ボックスの周囲の位置に、該基板ボックスを封印するための封印部が設けられ、前記基板ボックス側に設けられた第2機構部または第1機構部が、該封印部の前面部にも後面部にも重ならない位置に設けられていることを特徴とする。
本発明において、「基板ボックスを封印する」とは、痕跡を残すことなく基板ボックスを開封することができない状態とすることを意味する。
上記手段11の構成によれば、封印部の視認性も第2機構部または第1機構部によって阻害されることがなく、封印部の状況を確認するのに支障をきたすようなこともない。
また、封印部の前後においても、第2機構部または第1機構部がスペースを占有することがないため、そのぶん封印部における前後方向のスペースを確保することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段8から手段11のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部の挿入片に所定の凹凸部が形成され、前記第2機構部の挿入口内に、前記挿入片の凹凸部と嵌合し得る凹凸部が形成されていることを特徴とする。
遊技機においては、例えば、同一部品から構成されたものであって当選確率のみが異なるように設定されたものがあり、この場合、遊技機の前面部に、遊技者に視認されるように当該遊技機の当選確率が表示されるようになっている。このため、この所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率に設定された主制御基板が正しく取り付けられている必要があるが、異なる当選確率に設定された主制御基板であっても、同一部品から構成されたものであるため見分けがつき難く、したがって所定の当選確率が表示された遊技機に、当該当選確率とは異なる当選確率に設定された主制御基板が誤って取り付けられてしまう不良(以下、「誤組付」とも称す)が生じやすい。そこで、上記手段12の構成によれば、所定の当選確率が表示された遊技機の遊技盤側に設けられる第1機構部または第2機構部の凹凸部と、当該当選確率に設定された主制御基板の基板ボックス側に設けられる第2機構部または第1機構部の凹凸部とを互いに嵌合し得るように形成しておき、これとは異なる当選確率に設定された遊技機においては凹凸部の形状、位置、数等を変えるようにすることにより、所定の当選確率が表示された遊技機には当該当選確率に設定された主制御基板しか取り付けられないようにして誤組付を効果的に防止するようにすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段8から手段12のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部における挿入片の複数個所に係合部がそれぞれ形成され、前記第2機構部における挿入口内に、前記挿入片の複数個所の係合部とそれぞれ係合し得る係合部が形成されていることを特徴とする。
第1機構部と第2機構部とを互いに係合させた状態にあるとき、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させて第1機構部の係合部ないし第2機構部の係合部を動かすようにすると、この係合状態が解除されて基板ボックスが不正に取り外されることとなる場合があるが、上記手段13のように第1機構部および第2機構部のそれぞれにおける複数個所に係合部が設けられ、これにより互いに係合し合う係合部が複数組設けられた構成によれば、第1機構部と第2機構部との係合を解除するには複数箇所における係合状態を同時に解除することが必要となり、したがって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段13の遊技機において、
前記第1機構部の係合部および第2機構部の係合部よりなる組の間を仕切る仕切部が設けられていることを特徴とする。
上記手段14の構成によれば、第1機構部の係合部と第2機構部の係合部とがそれぞれ係合した複数箇所の間が仕切部によって互いに隔絶されることとなり、したがって複数箇所における係合状態を同時に解除することがより困難となって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段8から手段14のいずれかの遊技機において、
前記第1機構部の挿入片が前記第2機構部の挿入口に挿入された状態で該挿入口の少なくとも一部を覆う遮蔽部が設けられていることを特徴とする。
上記手段15の構成によれば、例えば第2機構部の挿入口内に針金等の不正具を進入させることが遮蔽部が障害となって困難となり、したがって基板ボックスの不正な取り外しをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段16として、手段15の遊技機において、
前記挿入片が金属板を成形してなるものであり、前記第2機構部の挿入口に挿入された状態で該挿入口より外側に露出した部分を一方に折り曲げることにより前記遮蔽部が形成されていることを特徴とする。
上記手段16の構成によれば、折曲加工により容易に遮蔽部を挿入片と一体的に形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段17として、手段1から手段16のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、基板ボックスを開閉可能に連結固定するヒンジ部材が仮保持機構を備える構成としたことにより、遊技機の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材の不要な回動を抑制することが可能なパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段18として、手段1から手段16のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、基板ボックスを開閉可能に連結固定するヒンジ部材が仮保持機構を備える構成としたことにより、遊技機の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材の不要な回動を抑制することが可能なスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段19として、手段1から手段16のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、基板ボックスを開閉可能に連結固定するヒンジ部材が仮保持機構を備える構成としたことにより、遊技機の保管、搬送、組立、点検等の際にヒンジ部材の不要な回動を抑制することが可能な、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。