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JP4470352B2 - 遊技機 - Google Patents

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JP4470352B2
JP4470352B2 JP2001283525A JP2001283525A JP4470352B2 JP 4470352 B2 JP4470352 B2 JP 4470352B2 JP 2001283525 A JP2001283525 A JP 2001283525A JP 2001283525 A JP2001283525 A JP 2001283525A JP 4470352 B2 JP4470352 B2 JP 4470352B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、パチンコ球を使用するパチンコ機、メダル、コイン等を使用するスロット機(スロットマシンとも呼ばれている)、あるいは、パチンコ球を使用してスロットル機とほぼ同様の遊技が行えるようにした遊技機(別名、パチスロ機、スロパチ機、パロット機等とも呼ばれている。)等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機、スロット機等の遊技機においては、例えば、外枠(本体、機枠ともいう)と内枠(前面枠ともいう)、遊技機本体と遊技部、内枠とガラス枠又は上皿、遊技盤とその裏面側に設けたパネルカバー等のように、ベースとなる本体とその本体に対して回動する扉体との関係にある二部材は、通常、ヒンジ機構によって開閉可能すなわち回動可能に連結されている。
【0003】
遊技機においては、例えば、外枠(本体)に対し開閉可能に連結される内枠(扉体)に固定した遊技盤等の前面側に、図柄、画像等を表示する表示装置が突出する場合がある。
このような場合に、一般的なヒンジ機構によって、外枠と内枠とを一軸線回りに開閉可能に連結されたものがある。しかし、ほぼ裏返すように開かれる内枠の前面側に突出している付属部品(例えば前記表示装置)が、隣りの遊技機の付属部品(例えばカードリーダ装置)と衝突するおそれがある。このため、内枠の開放角度が小さく制限されるという不具合が生じる。
【0004】
上記した不具合を解消するには、外枠と内枠にそれぞれ両端部を回動可能に連結するアーム部材を備えたヒンジ機構を採用すればよいことも周知である。このようなヒンジ機構を採用すれば、外枠及び内枠に対するアーム部材の回動によって、隣りの遊技機から離れる方向へ内枠の回動中心をスライドさせながら、内枠を開くことができる。したがって、隣り合わせの遊技機の付属部品同志の衝突を回避しながらも、内枠の開放開度を増大することができる。
【0005】
上記アーム部材の組付工程としては、外枠と内枠のうちの一方の部材(例えば、内枠)にアーム部材を回動可能に取付けるアーム先付け工程と、その後でアーム部材を他方の部材(例えば、外枠)に回動可能に連結するアーム後付け工程がある。
そして、従来では、アーム先付け工程からアーム後付け工程までの間においては、一方の部材(例えば、内枠)に先付けされたアーム部材が自由状態のまま放置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
遊技機の製造工程においては、前記アーム部材のアーム先付け工程とアーム後付け工程との間にいくつかの中間工程が存在する。なお、中間工程としては、例えば、アーム部材が先付けされた一方の部材(例えば、内枠)に穴あけ加工を施す穴あけ工程、その一方の部材に付属部品を取付ける部品取付工程、その一方の部材に電気配線を行う配線工程等がある。
【0007】
従来では、前にも述べたように、アーム先付け工程からアーム後付け工程までの間の中間工程において、一方の部材(例えば、内枠)に回動可能に取付けられたアーム部材が自由状態のまま放置されていた。このため、中間工程の作業時に、アーム部材がぶらぶらと揺動してしまうことから、その作業の邪魔になるという問題が残っていた。
【0008】
なお、上記中間工程におけるアーク部材の揺動を防止する対策としては、例えば、アーム部材を一方の部材(例えば、内枠)にねじ等の固定部材で固定しておくことが容易に考えられる。しかし、固定部材による固定では、アーム部材を他方の部材(例えば、外枠)に連結する際に、固定部材を取外す手間が必要となるうえ、固定部材の取り忘れがあると、内枠の開閉動作が損なわれる等の理由から、好ましい対策とは言えない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、ヒンジ機構のアーム部材を一方の部材に回動可能に設けた後から他方の部材に回動可能に連結されるまでの間におけるアーム部材の揺動を防止することのできる遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする遊技機により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載された遊技機によると、ヒンジ機構のアーム部材を一方の部材に回動可能に設けた後から他方の部材に回動可能に連結されるまでの間において、アーム部材に他方の部材に対する連結にともなって一方の部材に対する相対位置が連結前位置から連結後位置へ軸方向に変位する連結ピンを備えて、一方の部材に設けたアームストッパが、アーム部材の連結前位置にある連結ピンをアーム部材の回動方向に関して所定の位置に保持する。これにより、アーム部材の揺動を防止することができる。なお、本明細書でいう「ヒンジ機構」は、アーム部材を介して二部材を開閉可能に連結するだけでなく回動可能に連結する機構の全てを対象としている。
さらに、アーム部材の連結ピンの連結後位置への軸方向の変位を利用して、その連結ピンに対するアームストッパの保持が解放される。これにより、アームストッパを取外さなくても、二部材の回動動作が損なわれることがない。また、アーム部材の連結ピンに対するアームストッパの保持を解放するために、例えばアームストッパを取り外す等の余計な手間を掛ける必要もない。
【0013】
また、請求項に記載された遊技機によると、アームストッパが有する弾性により、アーム部材の回動を利用して連結前位置にある連結ピンを移動させることができる。したがって、アームストッパに対するアーム部材の連結前位置にある連結ピンを保持させたり、その保持を解放させたりすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
この発明の実施の形態1を図面にしたがって説明する。実施の形態1では、パチンコ球を使用してスロット機と同様の遊技が行える遊技機を例示する。なお、この種の遊技機の基本的な構成については、例えば、特公平8−8941号公報、特公平8−11138号公報等に開示されたものとほとんど同様の構成であるから、その詳細な説明については省略する。
【0015】
図1に遊技機の本体と扉体の開状態を示す斜視図、図2に同じく本体と扉体の閉状態を示す正面図、図3に同じく本体と扉体の閉状態を示す背面図が示されている。
図1〜図3に示すように、ほぼ矩形枠状に枠組みされた本体2の前側には、ほぼ矩形板状の扉体1が上下のヒンジ機構3(後述する)によって開閉可能すなわち回動可能に連結されている。扉体1及び本体2は、例えば木製、合成樹脂製等により形成されている。なお、図面において、前後上下左右の各方向については、各図に矢印で示す通りに定める。また、扉体1は、本体2に閉じた状態(図2及び図3参照)において、図示しない施錠装置により施錠可能である。また、施錠装置の施錠を解除することによって、扉体1を開けることができる(図1参照)。
【0016】
なお、図示しないが、扉体1には、3個のリールを回転可能に装備した遊技パネル、遊技を始動するスタートレバー、各リール毎に対応する各停止ボタン、球を取り込む球取込装置、球取込装置にパチンコ球を供給するための上皿の他、下皿、スピーカ等が配設されている。また、本体2には、マイクロコンピュータを使用した制御装置、制御装置等に電力を供給する電源装置、球の誘導樋等が配設されている。
また、本遊技機は、上皿からのパチンコ球(単に、球という)を取り込んだ球取込装置が、例えば所定数の球を光センサ等の検出器が確認することにより、1ゲームが可能になる。そして、スタートレバーを操作することにより、3つのリールが回転を開始した後、各停止ボタンを押して各リールを停止させる。停止された各リールの図柄の並びが特定図柄になると、スロット機のコインの代わりに、所定数の球が球払出装置によって上皿へ払い出される。なお、上皿がオーバフローしたときの球は下皿へ払い出される。
【0017】
図1〜図3に示すように、前記扉体1には、遊技パネル(図示省略)を装着するための開口孔1a、スピーカ(図示省略)を装着するための開口孔1b、球取込装置(図示省略)を装着するための開口孔1cが形成されている。さらに、扉体1には、上皿(図示省略)へ球を供給するための上皿供給口1d、下皿(図示省略)へ球を排出する下皿口1eが形成されている。
【0018】
次に、上記本体2と扉体1とを開閉可能に連結している上下のヒンジ機構3について説明する。なお、上下のヒンジ機構3は、ほぼ上下対称状に配置されたものであるから、上側のヒンジ機構3について述べることにし、下側のヒンジ機構3についての説明は省略する。
【0019】
図1に示すように、ヒンジ機構3は、前記扉体1に取り付けられる扉体側取付プレート10と、前記本体2に取り付けられる本体側取付プレート20と、扉体側取付プレート10及び本体側取付プレート20を回動可能に連結するアーム部材30とから構成されている。以下、順に説明する。
【0020】
まず、扉体側取付プレート10を説明する。扉体側取付プレート10は、金属製であり、取付片部10a(図2参照)と連結片部10b(図1参照)と有する断面ほぼL字板状に形成されている。
扉体側取付プレート10は、図1及び図2に示すように、連結片部10bを扉体1の左上隅角部の上端面に沿わせた状態で、取付片部10aを扉体1の左上隅角部の前面に対しねじ、ビス等の固定手段によって固定することによって、扉体1に装着されている。
【0021】
また、図8に扉体1の斜視図、図10に同じく背面図が示されている。図8及び図10に示すように、扉体側取付プレート10の連結片部10bの左端部の上面には、案内ピン11が突出されている。
【0022】
次に、アーム部材30を説明する。図8及び図10に示されるアーム部材30は、金属製であり、ほぼ長細板状に形成されている。アーム部材30の一端部は、前記扉体側取付プレート10における連結片部10bの下面のほぼ中央部に対し取付軸31を介して回動可能に取付けられている。なお、アーム部材30は長細板状以外の形状に変更してもよい。
また、図9に図8のIX矢視部の部分拡大図を示すように、アーム部材30の他端部には、連結ピン35(後述する)を挿通するためのピン孔32が形成されている。
【0023】
次に、本体側取付プレート20を説明する。図4にアーム部材の連結状態を示す扉体の斜視図、図6に同じく背面図が示されている。図4及び図6に示される本体側取付プレート20は、金属製であり、取付片部20aと連結片部20bと有する断面ほぼL字状に形成されている。
本体側取付プレート20は、図3に示すように、取付片部20aを前記本体2における左枠部2aの上端部の外側面にねじ、ビス等の固定手段によって固定するとともに、連結片部20bを前記本体2における上枠部2bの左端部の上面にねじ、ビス等の固定手段によって固定することによって、本体2に装着されている。
【0024】
なお、下側のヒンジ機構3における本体側取付プレート20は、上側の本体側取付プレート20と若干形状が異なっている。この本体側取付プレート20は、取付片部20a(図1参照)を前記本体2における左枠部2aの下端部の内側面にねじ、ビス等の固定手段によって固定するとともに、連結片部20b(図3参照)を前記本体2における下枠部2cの裏面にねじ、ビス等の固定手段によって固定することによって、本体2に装着されている。
【0025】
図5に図4のV矢視部の部分拡大図を示すように、前記本体側取付プレート20における連結片部20bの左端部には、連結ピン35(後述する)を挿通するためのピン孔22が形成されている。
また、本体側取付プレート20における連結片部20bの左半部の前縁部には、下面開口状をなしかつ左右方向に直線状に延びる案内溝(図示省略)が形成されている。この案内溝に対し前記扉体側取付プレート10の連結片部10bの案内ピン11が回動可能にかつ左右方向にスライド可能に係合されている。
【0026】
図4及び図6に示すように、前記本体側取付プレート20と前記アーム部材30とは、次に述べる連結ピン35によって回動可能に連結されている。
図6のVII矢視部の部分拡大図を示した図7において、連結ピン35は、ほぼ円板状の頭部35aと、その頭部35aの軸心上に突出する大径軸部35bと、その大径軸部35b上に突出する小径軸部35cと、その小径軸部35cの先端部において径方向(図7において紙面表裏方向)に突出する抜け止めピン35dを有している。
【0027】
図7に示すように、前記本体側取付プレート20のピン孔22には、前記連結ピン35の小径軸部35cが上向き方向に挿通されている。そのピン孔22には、連結ピン35の小径軸部35cの抜け止めピン35dが通過可能な凹部22aが形成されている。
また、前記アーム部材30のピン孔32には、前記連結ピン35の小径軸部35cが、前記本体側取付プレート20のピン孔22への挿入に先立って挿通されている。なお、アーム部材30のピン孔32には、前記本体側取付プレート20のピン孔22の凹部22aと同様の凹部(図示省略)が形成されている。
【0028】
前記連結ピン35は、その小径軸部35cを抜け止めピン35dとともに、前記アーム部材30のピン孔32に凹部(図示省略)を利用して挿通させた後、前記本体側取付プレート20のピン孔22に凹部22aを利用して挿通させたうえで、所定角度(例えば90°)で回動させる。これによって、図5に示すように、本体側取付プレート20のピン孔22の凹部22aに対する抜け止めピン35dの位置がずれることによって、連結ピン35がアーム部材30に対して抜け止めされる。この状態では、本体側取付プレート20の連結片部20bの上面に突出されたほぼ半球状をなす一対の凸部23の相互間に、連結ピン35の抜け止めピン35dが置かれる(図7参照)。これによって、連結ピン35の不用な軸回りの回動が防止される。
【0029】
しかして、図7に示すように、前記アーム部材30のピン孔32に対する前記連結ピン35の挿入に先立って、連結ピン35にはコイルばね38が嵌合されている。コイルばね38は、連結ピン35の頭部35aとアーム部材30との間に圧縮状態に置かれる。このコイルばね38の弾性によって、連結ピン35の抜け止めピン35dが、常には、前記本体側取付プレート20の連結片部20bの上面に当接する状態、すなわち連結片部20bの凸部23の相互間に置かれた状態に保持される。
【0030】
上記したように、遊技機の本体2と扉体1とが上下のヒンジ機構3により開閉可能に連結されている(図1参照)。
したがって、本体2に閉じられた扉体1は、連結ピン35及び取付軸31(図8参照)のそれぞの軸回りのアーム部材30の回動によって、回動支点である扉体側取付プレート10の案内ピン11(図8及び図10参照)を、図1において左から右方へ本体側取付プレート20の案内溝(図示省略)に沿ってスライドさせながら開けることができる。このため、隣りに配置した遊技機の付属部品(例えばカードリーダ装置)に対する扉体1の付属部品(例えば表示装置)の衝突を回避しながらも、扉体の開放開度を増大することができる。
【0031】
ところで、前記アーム部材30の組付け工程としては、扉体1にアーム部材30を回動可能に取付けるアーム先付け工程と、その後でアーム部材30を本体2に回動可能に連結するアーム後付け工程が必要である。そして、アーム先付け工程とアーム後付け工程との間において、扉体1の扉体側取付プレート10に対し取付軸31を介して回動可能に取付けられたアーム部材30が、自由状態のまま放置されていては、ぶらぶらと揺動することになる。なお、このときの連結ピン35は、コイルばね38の弾性によって、抜け止めピン35dがアーム部材30(詳しくは、ピン孔32の周辺部)の上面に当接した状態すなわち連結前位置に保持される(図9参照)。また、連結ピン35は、扉体1に対する相対位置が連結前位置(図11参照)から連結後位置(図7参照)へ軸方向(図7において上方)に移動すなわち変位するとともに、軸回り方向に回動すなわち変位するものであり、本明細書でいう「変位部」に相当する。
【0032】
上記アーム部材30の揺動を防止するために、本実施の形態では、前記扉体1に対し次に詳述するアームストッパ40が設けられている(図8及び図10参照)。なお、図11に図10のXI矢視部の部分拡大図、図12に図11のXII−XII線断面図が示されている。
【0033】
図11及び図12に示されているアームストッパ40は、樹脂製であり、ほぼ四角形板状の取付板部41、及び、その取付板部41の一側縁部から垂直状に突出された突片状のストッパ片42を一体成形してなる。ストッパ片42の先端部は、前記連結ピン35の頭部35aの外周面の一部に倣うようになだらかに曲がっている。また、ストッパ片42は、その曲がり方向とは反対の方向へ弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている(図12中、二点鎖線42参照)。
【0034】
前記アームストッパ40は、取付板部41が前記扉体1の裏面に対してねじ、釘、接着剤等の固定手段を介して固定されている。アームストッパ40のストッパ片42は、前記扉体1に対する前記アーム部材30の折り畳み状態(図8の実線30参照)において、前記連結前位置にある連結ピン35の頭部35aの外周面(詳しくは、取付軸31(図10参照)側に位置する外周面)に対し接触される(図9及び図11参照)。この状態では、扉体1の扉体側取付プレート10に対して、アーム部材30が折り畳まれた状態(図8の実線30参照)に保持される。なお、図9及び図11に示すように、ストッパ片42における連結ピン35の頭部35aに対する反接触側の面の中央部には、ストッパ片42の基端部から先端部に向かって直線状に延びるリブ42Aが形成されている。
【0035】
また、アームストッパ40のストッパ片42が弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている(図12中、二点鎖線42参照)。
したがって、アーム部材30を展開する方向(図9及び図12における矢印Y方向参照)へ回動させると、連結ピン35の頭部35aがアームストッパ40のストッパ片42に対して摺動していきながら、そのストッパ片42を弾性変形させる。これによって、連結ピン35の頭部35aがストッパ片42から抜け外れた後、ストッパ片42が原状位置に弾性復元する。
上記のように、ストッパ片42の前記弾性を利用して、連結ピン35の頭部35aがストッパ片42から抜け外れることにより、連結ピン35の頭部35aに対するストッパ片42の保持を解放することができる(図8中、二点鎖線30参照)。
【0036】
続いて、アーム部材30を扉体1に折り畳む方向(図9及び図12における矢印Y方向と反対の方向)へ回動させると、連結ピン35の頭部35aが、アームストッパ40のストッパ片42の先端部に当接しながら相対的に摺動していきながら、そのストッパ片42を弾性変形させる。これにより、連結ピン35の頭部35aがストッパ片42の内側に入り込んた後、ストッパ片42が原状位置に弾性復元することによって、連結ピン35が保持される(図11及び図12参照)。
【0037】
また、図5及び図7に示すように、前記連結ピン35が前記本体側取付プレート20の連結片部20bに連結されるときは、連結ピン35が軸方向(図において上方)に移動されかつ軸回りに所定角度で回動される。そして、連結ピン35の上昇にともない、その頭部35aがアームストッパ40のストッパ片42から離れた位置へ上昇する。したがって、連結ピン35の頭部35aが、ストッパ片42との接触を回避することができる。これにより、連結ピン35に対するアームストッパ40の保持が解放されるため、本体2と扉体1との開閉に連動してアーム部材30が作動することができる。
【0038】
上記した遊技機によると、ヒンジ機構3のアーム部材30を扉体1に回動可能に設けた後から本体2に回動可能に連結されるまでの間の中間工程において、扉体1に設けたアームストッパ40が、アーム部材30の連結前位置にある連結ピン35(詳しくは頭部35a)を、アーム部材30の回動方向に関して所定の位置すなわち折り畳み位置に保持する(図9及び図11参照)。これにより、アーム部材30の揺動を防止することができ、ひいては中間工程での作業性を向上することができる。なお、中間工程としては、例えば、アーム部材30が先付けされた扉体1に穴あけ加工を施す穴あけ工程、その扉体1に付属部品を取付ける部品取付工程、その扉体1に電気配線を行う配線工程等がある。
【0039】
さらに、アーム部材30の連結ピン35(詳しくは頭部35a)の連結後位置への変位を利用して、その連結ピン35に対するアームストッパ40の保持が解放される(図5及び図7参照)。これにより、アームストッパ40を取外さなくても、本体2に対する扉体1の開閉動作すなわち回動動作が損なわれることがない。また、アーム部材30の連結ピン35(詳しくは頭部35a)に対するアームストッパ40の保持を解放するために、例えばアームストッパ40を取り外す等の余計な手間を掛ける必要もない。
【0040】
また、本体2に対して回動可能に連結されかつアーム部材30に連結前位置から連結後位置へ軸方向に変位可能に設けられる連結ピン35を、アーム部材30に備えた軸方向の変位部として流用することができる。
【0041】
また、アームストッパ40のストッパ片42は、アーム部材30の連結前位置にある連結ピン35の頭部35aを、アーム部材30の回動を利用して移動可能とする弾性を有している(図12中、二点鎖線42参照)。このため、アームストッパ42が有する弾性により、アーム部材30の回動を利用して連結前位置にある連結ピン35を移動させることができる。したがって、アームストッパ40に対するアーム部材30の連結前位置にある連結ピン35の頭部35aを保持させたり、その保持を解放させたりすることができる。
【0042】
[実施の形態2]
この発明の実施の形態2を図13の説明図にしたがって説明する。なお、実施の形態2は、実施の形態1におけるアームストッパ40のストッパ片42と連結ピン35の頭部35aとの係合関係に変更を加えたものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。
【0043】
図13に示すように、アームストッパ40のストッパ片42を、連結前位置にある連結ピン35の頭部35a(図13中、二点鎖線35a参照)の端面に当接する位置に配置する。ストッパ片42の先端部の上面には、ほぼ円錐状の係合凸部42aが形成されている。また、ストッパ片42は、係合凸部42aの突出方向とは反対の方向(図13において下方)へ弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている(図13中、二点鎖線42参照)。
【0044】
また、連結ピン35の頭部35aの端面すなわち下面の中央部には、前記アームストッパ40のストッパ片42の係合凸部42aに嵌合可能な係合凹部35eが形成されている。
【0045】
実施の形態2によると、連結前位置にある連結ピン35の頭部35a(図13中、二点鎖線35a参照)の係合凹部35eに、アームストッパ40のストッパ片42の係合凸部42aが接触すなわち嵌合される。この状態では、アーム部材30が、扉体1の扉体側取付プレート10に対して折り畳んだ状態に保持されることにより、アーム部材30の揺動が防止される(図8参照)。
【0046】
また、アームストッパ40のストッパ片42が弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている(図13中、二点鎖線42参照)。
したがって、アーム部材30を展開する方向(図9及び図12における矢印Y方向参照)へ回動させると、連結ピン35の頭部35aにおける係合凹部35eの斜面が、アームストッパ40のストッパ片42の係合凸部42aに対して摺動していきながら、そのストッパ片42を弾性変形させる。そして、連結ピン35の頭部35aの端面が、アームストッパ40のストッパ片42の係合凸部42aの先端部を摺動し終えることによって、ストッパ片42の係合凸部42aから連結ピン35の頭部35aが抜け外れる。その後、ストッパ片42は、原状位置に弾性復元する。
上記のように、ストッパ片42の前記弾性を利用して、連結ピン35の頭部35aがストッパ片42の係合凸部42aから抜け外れることにより、連結ピン35の頭部35aに対するストッパ片42の係合凸部42aの保持を解放することができる(図8中、二点鎖線30参照)。
【0047】
続いて、アーム部材30を扉体1に折り畳む方向(図9及び図12における矢印Y方向と反対の方向)へ回動させると、連結ピン35の頭部35aがアームストッパ40のストッパ片42における係合凸部42aの斜面に当接しながら相対的に摺動していきながら、そのストッパ片42を弾性変形させる。そして、連結ピン35の頭部35aの端面が、ストッパ片42における係合凸部42aの先端部を摺動していき、係合凹部35eにストッパ片42の係合凸部42aが対応することによって、ストッパ片42が原状位置に弾性復元する。これにより、連結ピン35の頭部35aの係合凹部35eにストッパ片42の係合凸部42aが嵌合し、連結ピン35が保持される(図11及び図12参照)。
【0048】
また、連結ピン35が連結後位置(図13中、実線35参照)に変化すると、連結ピン35の上昇にともない、その頭部35aがアームストッパ40のストッパ片42から離れた位置へ上昇する。したがって、連結ピン35の頭部35aが、ストッパ片42との接触を回避し、ストッパ片42の係合凸部42aに対する連結ピン35の頭部35aの係合凹部35eの係合を解除することができる。これにより、連結ピン35に対するアームストッパ40の保持が解放される。
【0049】
上記した実施の形態2によっても実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
[実施の形態3]
この発明の実施の形態3を図14及び図15にしたがって説明する。なお、実施の形態3は、実施の形態1における連結ピン35の頭部35aの形状に変更を加えたものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。
図14及び図15に示すように、前記実施の形態1における連結ピン35の頭部35aの相反する外周部分を切除することにより、その頭部35aに相互に平行状をなす一対の平坦面35fが設けられている。これにより、連結ピン35の頭部35aが、外周部分が切除されない円弧部の外径よりも幅の狭い二面幅部を有するほぼ長円形状に形成されている。
【0051】
実施の形態3によると、連結前位置にある連結ピン35の頭部35a(図14中、二点鎖線35a参照)における平坦面35f以外の円弧部の外周面に、アームストッパ40のストッパ片42が接触する。この状態では、アーム部材30が、扉体1の扉体側取付プレート10に対して折り畳んだ状態に保持されることにより、アーム部材30の揺動が防止される(図8参照)。
【0052】
また、連結ピン35が連結後位置(図14中、実線35参照)に上昇して軸回り方向に所定角度(すなわち90°)で回動されると、その頭部35aの一方の平坦面35fがストッパ片42に対応する。したがって、連結ピン35の頭部35aが、ストッパ片42との接触を回避することができる。これにより、連結ピン35に対するアームストッパ40の保持が解放される。
【0053】
上記した実施の形態3によっても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
また、実施の形態3によると、本体2に対して回動可能に連結されかつアーム部材30に連結前位置から連結後位置へ軸回り方向に変位可能に設けられる連結ピン35を、アーム部材に備えた軸回り方向の変位部として流用することができる。
【0054】
また、アームストッパ40のストッパ片42としては、連結ピン35の頭部35aの下降位置(連結前位置)のみならず、その頭部35aの上昇位置においても対応するような幅寸法(図14において上下方向の寸法)及び/又は配置関係をもって配置しても差し支えない。このため、アームストッパ40の幅寸法、及び/又は、アームストッパ40の上下方向に関する配置にかかる自由度を増大することが可能である。
【0055】
また、連結ピン35の頭部35aには、相互に平行状をなす平坦面35fを形成している。このため、連結ピン35が連結後位置(図14中、実線35参照)に上昇して軸回り方向のどちら回り方向にでも所定角度(すなわち90°)で回動すれば、その頭部35aの一方の平坦面35fをストッパ片42に対応させることができて便利である。なお、連結ピン35の頭部35aの平坦面35fの個数を増減することが可能である。
【0056】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、パチンコ球を使用してスロット機と同様の遊技が行える遊技機に限定されるものではなく、パチンコ球を使用するパチンコ機、メダル、コイン等を使用するスロット機等の遊技機にも適用することができる。また、本発明は、扉体1と本体2との関係にある二部材に広く適用でき、例えば内枠とガラス枠、内枠と上皿、遊技盤とその裏面側に設けたパネルカバー、遊技盤と基板ボックス等の回動する関係にある二部材に適用することができる。また、アーム部材30を本体2に回動可能に設けた後で扉体1に回動可能に連結するようにしてもよい。この場合のアームストッパ40は、本体2に設けられる。また、アーム先付け工程とアーム後付け工程との間の中間工程の有無は本発明の要旨を左右するものではない。
【0057】
また、アームストッパ40は、アーム部材30自体が扉体1に対する連結前位置と連結後位置とで変位可能に設けられていれば、アーム部材30に対し連結ピン35を軸方向の移動を規制した状態で設けることが可能となる。また、アーム部材30自体を変位部として取り扱うこともできる。また、アーム部材30の変位部として、連結ピン35又はアーム部材30自体以外の専用の変位部を設定することもできる。また、アームストッパ40のストッパ片42は、弾性を有していないものであってもよい。また、上記実施の形態では、扉体1に設けたアームストッパ40が、アーム部材30の連結前位置にある連結ピン35(詳しくは頭部35a)をアーム部材30の折り畳み位置に保持したが、そのアーム部材30の回動位置は折り畳み位置以外の位置に設定することもできる。また、扉体1に設けたアームストッパ40を、アーム部材30の連結前位置にある連結ピン35(例えば頭部35a)に対し、接触あるいは当接若しくは係合の他、嵌合させることによって、連結ピン35をアーム部材30の回動方向に関して所定の位置に保持することも考えられる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、ヒンジ機構のアーム部材を二部材のうちの一方の部材に回動可能に設けた後から他方の部材に回動可能に連結されるまでの間において、アーム部材の揺動を防止することができる。
さらに、この発明によれば、アーム部材の連結ピンの連結後位置への軸方向の変位を利用して、その連結ピンに対するアームストッパの保持が解放されることにより、アームストッパを取外さなくても、二部材の回動動作が損なわれることがない。また、アーム部材の連結ピンに対するアームストッパの保持を解放するために、例えばアームストッパを取り外す等の余計な手間を掛ける必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る遊技機の本体と扉体の開状態を示す斜視図である。
【図2】同じく本体と扉体の閉状態を示す正面図である。
【図3】同じく本体と扉体の閉状態を示す背面図である。
【図4】アーム部材の連結状態を示す扉体の斜視図である。
【図5】図4のV矢視部の部分拡大図である。
【図6】アーム部材の連結状態を示す扉体の背面図である。
【図7】図6のVII矢視部の部分拡大図である。
【図8】アーム部材の取付状態を示す扉体の斜視図である。
【図9】図8のIX矢視部の部分拡大図である。
【図10】アーム部材の取付状態を示す扉体の背面図である。
【図11】図10のXI矢視部の部分拡大図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】この発明の実施の形態2を示す説明図である。
【図14】この発明の実施の形態3を示す説明図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【符号の説明】
1 扉体(二部材のうちの一方の部材)
2 本体(二部材のうちの他方の部材)
3 ヒンジ機構
10 扉体側取付プレート
20 本体側取付プレート
30 アーム部材
35 連結ピン(変位部)
40 アームストッパ

Claims (2)

  1. 二部材がヒンジ機構により回動可能に連結され、
    前記ヒンジ機構が、前記二部材のうちの一方の部材に回動可能に設けた後で他方の部材に回動可能に連結されるアーム部材を備えている遊技機であって、
    前記アーム部材は、連結ピンを備え、
    該連結ピンは、前記他方の部材に対する連結にともなって前記一方の部材に対する相対位置が連結前位置から連結後位置へ軸方向に変位
    前記一方の部材には、前記連結前位置にある連結ピンを、前記アーム部材の回動方向に関して所定の位置に保持可能なアームストッパを設け、
    前記アーム部材の連結ピンの連結後位置への軸方向の変位を利用して、その連結ピンに対する前記アームストッパの保持を解放可能に構成したことを特徴とする遊技機。
  2. 前記アームストッパは、前記アーム部材の連結前位置にある連結ピンを前記アーム部材の回動を利用して移動可能とする弾性を有していることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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