次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄変動演出を実行可能な図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13aで前後に開口する窓口13bを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記バチンコ機10(実施例では前枠13)の前面には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下領域75a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下領域75b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、前記操作ハンドル16に、打球発射装置によるパチンコ球の発射強度を変更する発射強度変更ボタン16bが設けられている。この発射強度変更ボタン16bは、遊技者が操作ハンドル16を持ったまま操作(押圧操作)することが可能な位置に設けられている。打球発射装置は、「左打ち」が行われている状態で、前記発射強度変更ボタン16bが操作された場合は、操作レバー16aの回動量が変更されなくても発射強度を「右打ち」となる強度に変更するよう構成されている。そして、発射強度変更ボタン16bの操作を解除すると、打球発射装置の発射強度が操作レバー16aの回動量に応じた発射強度に戻るよう構成されている。すなわち、操作レバー16aの回動量を変更することなく、発射強度変更ボタン16bの操作と操作解除によって「左打ち」と「右打ち」とを打ち分けることができ、「右打ち」から「左打ち」に切り替える場合にも無駄球が多く発生するのを抑制し得るようになっている。
前記前枠13には、窓口13bの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域75に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されると共に、遊技領域75の最下部位置に、該遊技領域75に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。ここで、実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として枠状装飾体25や各種入球部(始動入賞部29、特別入賞部40、ゲート部48、普通入賞部82,87、開放始動部96等)を設置する装着口が形成されている。すなわち、前記打球発射装置から発射されて遊技領域75を流下するパチンコ球が前記遊技盤20に設けられた入球部(始動入賞部29、特別入賞部40、ゲート部48、普通入賞部82,87、開放始動部96等)に入球(入賞)することにより、入球した入球部に応じた賞球の払い出しや図柄変動演出の実行等の所定の遊技処理が行われ、遊技領域75の最下部まで流下したパチンコ球がアウト口22を介して機外に排出されるよう構成される。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域75の略中央で開口する装着口に、表示窓部25aが形成されたセンター役とも称される装飾部材25が取り付けられ、該装飾部材25の表示窓部25aを介して図柄表示装置17の表示部17aを遊技盤20の前面から目視し得るよう構成されている。ここで、実施例では、前記図柄表示装置17の表示部17aが視認可能に臨む前記装飾部材25は、前後に開口する枠状に形成されて、当該装飾部材25の開口部により表示窓部25aが形成されている。なお、以下の説明では、表示窓部25aが設けられた装飾部材を枠状装飾体25と指称するものとする。すなわち、前記枠状装飾体25の表示窓部25aの後方に前記図柄表示装置17の表示部17aが位置している。なお、枠状装飾体25は、前後に開口する枠状である必要はなく、当該開口部の一部または前部を透明なパネルで覆うようにすることも可能である。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域75内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の側方に、遊技領域75を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域75を流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域75を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口30,31を有する始動入賞部29および特別入賞口41を有する特別入賞部40が取り付けられている。
前記枠状装飾体25の外側に画成される遊技領域75は、図2に示す如く、該枠状装飾体25の左側方を流下したパチンコ球がアウト口22に至る第1球流下領域75aおよび枠状装飾体25の右側方を流下したパチンコ球がアウト口22に至る第2球流下領域75bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域75内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1球流下領域75aか、或いは第2球流下領域75bの何れかを流下するよう構成される。また、枠状装飾体25には、表示窓部25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)にステージ28が設けられて、前記遊技領域75に開口すると共にステージ28に連通する球導入部28aが設けられ、遊技領域75を流下するパチンコ球を枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込み得るよう構成される。そして、球導入部28aからステージ28に案内されたパチンコ球は、ステージ28上を左右に転動した後に、前記始動入賞部29の上方位置で遊技領域75に排出される。
(始動入賞部29について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記入球部としてパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(特図始動口)30,31を備えた始動入賞部29が設けられている。前記始動入賞部29は、前記始動入賞口30,31が上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口30は、遊技領域75内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口31を挟む左右両側には、該第2始動入賞口31を開閉可能に構成された始動口開閉部材(開閉部材)33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の始動口開閉部材33,33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。このように、実施例の始動入賞部29において、上側に位置する第1始動入賞口30がパチンコ球の入賞態様を可変不能な固定始動口として機能し、下側に位置する第2始動入賞口31がパチンコ球の入賞態様を可変可能な開閉手段を備えた可変始動口として機能するよう構成されている。また、前記始動口開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記始動口開閉部材33が開放位置に変位した状態では、始動口開閉部材33で受け止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記始動口開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態において前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31が開放するようにしてもよい。
前記始動入賞部29は、前記第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが各種入賞情報(後述する各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り判定(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する第1または第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が実行されるようになっている。すなわち、図柄表示装置17は、第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御CPU60aにより特図当り判定(当り判定)が実行されることを契機として図柄変動演出を実行可能に構成されている。そして、前記第1または第2特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、該第1または第2特図表示部50A,50Bに所定の特図当り表示(大当り表示)となる特図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な特図当り遊技(当り遊技)が付与され、特図当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放する特図当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
また、第1または第2特図表示部50A,50Bでの特図変動表示に関連して、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われ、第1または第2特図表示部50A,50Bの特図変動表示の結果に合わせて、該図柄表示装置17に所定の特図当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されるように構成されている。すなわち、メイン制御CPU60aによる特図当り判定(当り判定)が当りの判定結果の場合に、特図当り遊技が行われることを示す特図当り表示が、図柄変動演出の結果として図柄表示装置17に表示されるようになっている。そして、パチンコ機10では、図柄表示装置17に特図当り表示が表示されることで当り遊技が付与されるよう構成されている。ここで、特図当り遊技としては、特図当り遊技の発生に伴って遊技状態(確変状態や変短状態)の変動が生じ得る大当り遊技と、特図当り遊技の発生に伴って遊技状態(確変状態や変短状態)の変動が生じない小当り遊技とが設定可能である。実施例では、後述のように、特図当り遊技として複数種類の大当り遊技が設定されており、特図当り判定の結果に応じて何れかの大当り遊技が生起されるようになっている。また、メイン制御CPU60aによる特図当り判定がはずれの判定結果の場合には、大当り遊技が行われないことを示す後述するはずれ表示を、図柄変動演出の結果として図柄表示装置17に表示し得るよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号を受信すると、図示しない払出制御基板に制御信号を出力して、該球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
(特別入賞部40について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記入球部としてパチンコ球が入賞可能な特別入賞口41を備えた特別入賞部40が設けられている。前記特別入賞部40の特別入賞口41は、特別入賞開閉部材(開閉手段)43によって開閉されるよう構成される。特別入賞開閉部材43は、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)に連繋されて、該特別入賞ソレノイド42を駆動することで、特別入賞開閉部材43が特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を阻止する閉鎖位置と該特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を許容する開放位置との間を移動するよう構成される。また特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44が配設されている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図8参照)、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、該メイン制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、特別入賞部40は、特別入賞開閉部材43により特別入賞口41を常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、後述する特図当り遊技(当り遊技)の発生に伴って特別入賞口41を開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。すなわち、特別入賞部40は、当り遊技状態(特別遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。前記特別入賞開閉部材43は、前記始動入賞部29の第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、メイン制御基板60における特図当り判定の結果として当りが発生した場合に開放されるようになっており、実施例では、メイン制御基板60における特図当り判定の判定結果が当りであることによって、特別入賞開閉部材43を開放するための所定条件が成立するよう設定されている。
(開放始動部96について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、パチンコ球が入賞可能な開放始動口97を備える開放始動部96が設けられている。前記開放始動部96は、遊技領域75内で開放始動口97が常に開口する常時開放タイプの入球口とされている。実施例では、前記遊技盤20の第2球流下領域75bを流下するパチンコ球が開放始動口97に入賞可能な位置に前記開放始動部96が設けられている。開放始動部96は、開放始動口97に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての開放始動検出センサ98(図8参照)が設けられている。開放始動検出センサ98は前記メイン制御基板60に配線接続されており、該開放始動検出センサ98によるパチンコ球の検出(すなわち開放始動口97へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、開放始動検出センサ98によるパチンコ球の検出(すなわち開放始動口97へのパチンコ球の入賞)を契機として、前記メイン制御CPU60aは、前記特図当り判定を行うことなく前記特別入賞部40を開閉作動(具体的には特別入賞開閉部材43を開閉作動)することが可能に構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、前記第1および第2始動入賞口30,31の何れかへのパチンコ球の入賞に伴って行われる特図当り判定が当りの判定結果となることを契機として前記メイン制御CPU60aが前記特別入賞部40を開閉作動することを決定可能に構成されるだけでなく、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞に伴って特図当り判定をおこなうことなくメイン制御CPU60aが前記特別入賞部40を開閉作動することを決定可能に構成されている。
前記第2球流下領域75bに開放始動部96を配置したパチンコ機10では、該第2球流下領域75bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下領域75aを流下する場合(左打ちの場合)に較べて開放始動部96の開放始動口97にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。すなわち、「左打ち」と「右打ち」とを遊技者が意図的に打ち分けることで、パチンコ球を開放始動口97へ入賞させたり入賞させないようにすることができるようになっている。具体的には、第1球流下領域75aをパチンコ球が流下する場合には開放始動部96の開放始動口97へのパチンコ球の入賞確率が0%となると共に、第2球流下領域75bをパチンコ球が流下する場合には開放始動部96の開放始動口97へパチンコ球が入賞可能に構成されている。すなわち、実施例では、遊技者が「右打ち」を行うことで開放始動部96の開放始動口97に意図的にパチンコ球を入賞させ得るようになっている。
(装飾ユニット81,86について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記始動入賞部29の左側方に第1装飾ユニット81が配設されると共に、該始動入賞部29の右側方に第2装飾ユニット86が配設されている。そして、第1装飾ユニット81には、前記入球部としてパチンコ球が入賞可能な第1普通入賞口85を備える第1普通入賞部82が複数設けられると共に、複数の第1普通入賞口85に入賞したパチンコ球を検出する第1普通入賞検出センサ84が設けられている。また、第2装飾ユニット86には、前記入球部としてパチンコ球が入賞可能な第2普通入賞口88を備える第2普通入賞部87が複数設けられると共に、複数の第2普通入賞口88に入賞したパチンコ球を検出する第2普通入賞検出センサ89が設けられている。第1および第2普通入賞検出センサ84,89は、前記メイン制御基板60に配線接続されており(図8参照)、該普通入賞検出センサ84,89からメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。
(ゲート部48について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25の左方に、前記入球部としてパチンコ球が通過(入球)可能なゲート部48が設けられている。前記ゲート部48は、第1球流下領域75a(遊技領域75)内で球通過口48aの入口および出口の夫々が常に開口する常時開口タイプの入球口とされて、球通過口48aの入口に入ったパチンコ球がそのまま出口を通って第1球流下領域75a(遊技領域75)を流下するようになっている。前記ゲート部48にはゲートセンサ49(図8参照)が配設されており、該ゲート部48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過))に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞部29の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動口開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域75外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、図2に示す如く、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56およびラウンド表示部57等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部50A,50Bは、始動入賞部29(第1および第2始動入賞口30,31)への入賞を契機として作動するものであって、実施例では、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34の検出)を契機として変動表示を開始する第1表示手段としての第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35の検出)を契機として変動表示を開始する第2表示手段としての第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、特図当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、特図当りを認識し得る特図当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り判定の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、特図当り表示としての特図が表示されることで、特図当り表示に対応した特図当り遊技(大当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に特図当り遊技として設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留情報)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留情報)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技情報表示部Mに、第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が右から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が右から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では3種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様,左側LEDだけが点灯する発光態様および左右のLEDが点灯する発光態様により3種類の普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Aとし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、左右のLEDが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当り判定の結果がはずれの場合に普図表示部55に普図Aが表示され、当りの場合に普図表示部55に普図Bまたは普図Cが表示されるよう構成されている。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当り表示となり、はずれを認識できる普図が普図はずれ表示となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、大当り遊技の種類毎に規定ラウンド数が異なる複数種類のものが定められており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技情報表示部Mに設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では8個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「16回」の1種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて規定ラウンド数が報知されるようになっている。なお、実施例のようにパチンコ機10において設定される大当り遊技の全ての規定ラウンド数が同一である場合には、当該ラウンド表示部57を省略することができる。
ここで、前記特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57等は、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、複数のLEDからなる発光表示部に限らず、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な左図柄列26a,中図柄列26b,右図柄列26cの3列の図柄列が左右横並び状に設定されており、前記第1始動入賞口30への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な有効停止位置27が設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン上に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。
ここで、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止は、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから特図当りか、はずれかを認識できる。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、特図当り遊技(大当り遊技)の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、特図当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において特図当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、特図当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な特図当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置27)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の特図当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この特図当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には特図当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の特図当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左の図柄列26aおよび中の図柄列26bの飾図が同一で、右の図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示としてだけでなく当り表示としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左の図柄列26aおよび右の図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中の図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左の図柄列26aおよび右の図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左の図柄列26aおよび右の図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中の図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
前記図柄表示装置17には、第1または第2特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aに表示される特図1と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、第1図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aに特図1が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特図1に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図1に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、特図当り遊技(具体的には大当り遊技)の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率(特図当り遊技に当選する確率)を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、特図当り遊技の終了後に特図当りの抽選確率(特図当り確率)を低確率(実施例では、219/65536)から高確率(実施例では、441/65536)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態(通常状態)というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、特図当り遊技終了後、次回の特図当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある(図3参照)。このように、確変状態が付与されると、特図当りの抽選確率が高確率に変動して特図当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また所定回数(規定回数)の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。
ここで、後述するように特図当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。なお、確変回数を規定回数とする場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変回数カウンタに確変回数を設定し、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)にカウンタ値を1減算し、「0」になった場合に確変フラグを「0」とするようにすればよい。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、特図当り遊技(具体的には大当り遊技)の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。言い換えると、入賞率向上状態は、前記ゲートセンサ49の検出に伴って行われる普図当り判定において単位時間に普図当りと判定される割合が向上した状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動口開閉部材33,33の開放時間を増やすこと等により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動口開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、始動口開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動口開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短状態では、特図当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、14563/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記始動口開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、始動口開閉部材33,33の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、特図当り遊技に当選した特図当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄Aおよび図柄a)である場合に、特図当り遊技の終了後、次回の特図当り遊技が生起されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう設定され、特図当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄Bおよび図柄b)である場合に、所定回数(実施例では100回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている(図3参照)。変短状態の付与条件は、特図当り遊技(特図当り図柄)の種類毎に定められているが、これに関しては後で詳述する。
ここで、後述するように特図当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される特図当り遊技としての大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別入賞開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記特別入賞開閉部材43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞部40の特別入賞開閉部材43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも特別入賞開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において特別入賞開閉部材43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間開放動作において特別入賞開閉部材43が最大で0.04秒間開放するよう設定される(図 参照)。また、各ラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では4種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、4種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、図3に示すように、特図当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な大当り図柄としての特図1(実施例では100種類の特図1)は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図1が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄A,B)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な大当り図柄としての特図2(実施例では100種類の特図2)は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図2が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄a,b)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。なお、大当り図柄は、後述する乱数と判定値とを用いて決定されるようになっており、実施例では大当り図柄としての特図1は、図柄Aが70%の割合で決定されると共に、図柄Bが30%の割合で決定され、大当り図柄としての特図2は、図柄aが70%の割合で決定されると共に、図柄bが30%の割合で決定されるよう設定されている。
(第1の大当り遊技について)
図柄Aに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合には、大当り遊技として第1の大当り遊技が付与されるようになっている。第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後、次回大当りまでの間に亘って確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。
前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回目から4回目までのラウンドでは、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が長時間開放動作し、5回目から16回目までのラウンドでは、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が短時間開放動作するよう設定される。すなわち、第1の大当り遊技における短時間開放動作での特別入賞開閉部材43の開放時間(0.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞可能なパチンコ球の個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第1の大当り遊技は、4回のラウンドでのみ入賞上限個数までパチンコ球が入賞可能であって、500個前後の賞球が獲得可能な大当り遊技として設定されている。
(第2の大当り遊技について)
図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合には、大当り遊技として第2の大当り遊技が付与されるようになっている。第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない大当り遊技として設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、100回が設定されている。
前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回目から4回目までのラウンドでは、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が長時間開放動作し、5回目から16回目までのラウンドでは、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が短時間開放動作するよう設定される。すなわち、第2の大当り遊技においても、特別入賞開閉部材43が長時間開放動作を行うラウンド数は前記第1の大当り遊技と同じく4回であって、500個前後の賞球が獲得可能な大当り遊技として設定されている。なお、第1の大当り遊技と第2の大当り遊技とでは、獲得可能な賞球数は略同じであるが、第1大当り遊技では確変状態および変短状態が次回の大当りまで継続して付与される点で、第2大当り遊技より遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。
(第3の大当り遊技について)
図柄aに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第3の大当り遊技が付与されるようになっている。第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄a(第3の大当り遊技)が決定された場合に、第3の大当り遊技の終了後、次回大当りまでの間に亘って確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。
前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第3の大当り遊技では、1回目から16回目までの全てのラウンドにおいて、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が長時間開放動作するよう設定される。すなわち、第3の大当り遊技は、全てのラウンドにおいて入賞上限個数まで入賞可能であって、2000個前後の賞球が獲得可能な大当り遊技として設定されている。
(第4の大当り遊技について)
図柄bに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第4の大当り遊技が付与されるようになっている。第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない大当り遊技として設定されている。また、図柄b(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、100回が設定されている。
前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第4の大当り遊技では、1回目から16回目までの全てのラウンドにおいて、特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が長時間開放動するよう設定される。すなわち、第4の大当り遊技においても、全てのラウンドで特別入賞開閉部材43が長時間開放動作を行うよう設定されており、2000個前後の賞球が獲得可能な大当り遊技として設定されている。なお、第4の大当り遊技と第3の大当り遊技とでは、獲得可能な賞球数は略同じであるが、第3大当り遊技では確変状態および変短状態が次回の大当りまで継続して付与される点で、第4大当り遊技より遊技者にとって有利な大当り遊技となっている。
ここで、実施例では、前記第1始動入賞口30への入賞を契機とした特図当り判定で当りと判定された場合に、第1の大当り遊技または第2の大当り遊技の何れかが付与されるのに対し、前記第2始動入賞口31への入賞を契機とした特図当り判定で当りと判定された場合には第3の大当り遊技または第4の大当り遊技の何れかが付与されるよう構成されている。また、前述したように、第1および第2の大当り遊技で遊技者が獲得可能な賞球数は約500個であるのに対し、第3および第4の大当り遊技で遊技者が獲得可能な賞球数は約2000個であり、遊技者が獲得可能な賞球数の点において第1および第2の大当り遊技より第3および第4の大当り遊技が遊技者にとって有利な大当り遊技として設定されている。すなわち、第2始動入賞口31への入賞を契機とした特図当り判定で当りと判定された場合に付与される大当り遊技(第3または第4の大当り遊技)は、第1始動入賞口30への入賞を契機とした特図当り判定で当りと判定された場合に付与される大当り遊技(第1または第2の大当り遊技)よりは遊技者にとって有利に設定されている。なお、大当り遊技の種類は、これに限られるものではなく、適宜に設定可能である。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では3つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態や変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技の発生および大当り遊技後の図柄変動演出(第1および第2特図変動表示の合計)の変動回数(実施例では100回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(非確変・非変短状態)に対応する通常モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(確変・変短状態)に対応した確変モードと、確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(非確変・変短状態)に対応した変短モードとが設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもできる。また、各遊技演出モード(通常モード、確変モード、変短モード)の夫々において図柄表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。
そして、前記図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技演出モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する特図変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種ランプ装置18等の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、開放始動検出センサ98、普通入賞検出センサ47a,47b、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56等の各表示部が接続されて、各センサ34,35,49の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部50A,50B,55の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞部29および特別入賞部40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、特図当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別入賞開閉部材43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、該特別入賞開閉部材43を長時間開放動作させる長時間開放制御および特別入賞開閉部材43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
前記メイン制御基板60には、変動タイマ(計時手段)60dが設けられている。この変動タイマ60dは、前記図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の変動開始からの時間を計るよう構成される。具体的に、変動タイマ60dには、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンで特定される変動時間が設定されて、該変動タイマ60dは図柄変動演出の変動開始から変動時間を減算し、該変動時間が「0」となった場合に、メイン制御CPU60aは演出制御CPU65aに全図柄停止コマンドを出力し、該全図柄停止コマンドに基づいて前記図柄表示装置17に予め決められた演出結果表示(当り表示やはずれ表示)が停止表示されるよう構成されている。また、変動タイマ60dで計時される変動時間が「0」となった場合に、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドを出力し、該特図指定コマンドに基づいて前記特図表示部50A,50Bに予め決められた特図が停止表示される。
前記メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
前記特図当り判定用乱数は、特図変動表示(図柄変動演出)の結果として特図当り遊技(当り遊技)を発生するか否かの当り判定(特図当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、特図当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態や変短状態が付与される可能性が定められており、特図決定用乱数が確変状態や変短状態を付与するか否かを決定可能な乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(特図当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ49の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ49の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ49をパチンコ球が通過した際に取得される通過(入球)検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて前記普図表示部55で普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として始動入賞部29の始動口開閉部材33を開放して第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を可能とする普図当り(普通当り)か否かを判定する普図当り判定(普通当り判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン決定用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、前記メイン制御ROM60bには、特図変動表示(図柄変動演出)の結果、大当りを発生させることを示す特図当り判定値が記憶されている。特図当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて当りか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、特図当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される特図当り判定値の数(実施例では441)は、非確変状態の場合に設定される特図当り判定値の数(実施例では219)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における特図当り判定値の設定数を多くすることで、特図当り(大当り)が発生し易くなっている。
また、前記メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、前記メイン制御ROM60bには、普図変動表示の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、前記メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の特図変動パターン(変動パターン)が記憶されており(図9参照)、各特図変動パターンに対応して特図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される表示内容(特図変動表示の内容、図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(特図変動表示および図柄変動演出の時間)を特定している。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する特図変動パターン振分判定値が割り当てられた特図変動パターンが特定されるようになっている。ここで、実施例では、特図変動パターン振分判定値には、前述した100種類の特図変動パターン振分用乱数に対応した「0」〜「99」の整数値が設定されており、特図変動パターン振分判定値の夫々に個別に特図変動パターンが対応付けられている。
前記メイン制御ROM60bに記憶される特図変動パターンには、特図当り用の特図変動パターンと、はずれ用の特図変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて特図変動パターン毎に特定の特図変動パターン振分判定値が定められている。なお、特図当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な特図変動パターンである。また、はずれ用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が否定の場合に選択される特図変動パターンである。そして、はずれ用の特図変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするリーチはずれ特図変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ特図変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
ここで、前記リーチ演出は、当り表示が表示される可能性を示唆する演出であって、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われる。なお、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、リーチ演出以外に、1回の図柄組合せ演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出がある。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が実行されていない状態で、前記開放始動部96にパチンコ球が入賞した場合は、特図当り判定を行うことなく当該特別入賞部40における特別入賞開閉部材43を開閉作動することを決定するよう構成される。ここで、特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が実行されている状態で、前記開放始動部96にパチンコ球が入賞した場合には、当該特別入賞部40における特別入賞開閉部材43を開閉作動することを決定しないよう構成されている。すなわち、大当り遊技(当り遊技)の発生に伴って特別入賞部40の前記特別入賞口41を開放するよう特別入賞開閉部材43が開閉作動されている状態で、開放始動部96にパチンコ球が入賞したとしても、当該開放始動部96への入賞を契機としてメイン制御CPU60aは特別入賞開閉部材43を開閉作動しないよう構成される。また、前記開放始動部96にパチンコ球が連続して入賞した場合のように、先の入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特別入賞開閉部材43を開閉作動するよう前記特別入賞ソレノイド42を制御している状態では後の入賞を契機としてはメイン制御CPU60aは特別入賞開閉部材43を開閉作動しないよう構成される。なお、開放始動部96への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特別入賞部40を開閉作動する制御と、大当り遊技によりメイン制御CPU60aが特別入賞部40を開閉作動する制御とを区別する場合は、開放始動部96への入賞を契機とする開閉作動制御を特殊開閉制御と指称し、大当り遊技による開閉作動制御を当り開閉制御と指称する場合がある。そして、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40が開閉作動される遊技状態を、特殊遊技と指称する場合がある。
(特殊遊技について)
ここで、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として付与される特殊遊技について説明する。特殊遊技は、後述のように特図表示部50A,50Bに対してはずれ図柄が強制的に停止された後または変動時間の計時を中断した後に開始されるよう設定されており、特殊遊技を開始するための処理が行われる開始待機時間と、開始待機時間の経過後に所定回数の開放動作を前記特別入賞開閉部材43に行わせる開閉作動時間と、特殊遊技を終了するための処理が行われる終了待機時間とにより構成されている。ここで、特殊遊技における特別入賞開閉部材43の1回の開放時間は、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞が殆ど期待できない時間に設定されている。具体的には、特殊遊技では、大当り遊技における短時間開放動作と同様に、特別入賞開閉部材43の1回の開放時間が0.04秒に設定されている。なお、特殊遊技での特別入賞開閉部材43の1回の開放時間を、複数のパチンコ球が入賞可能な時間に設定することもできる。また、実施例では、開始待機時間および終了待機時間が5秒に設定されているが、これに限られるものではなく、任意の時間に設定することができる。また、特殊遊技での特別入賞開閉部材43の開閉回数は、2回に限らず、1回または3回以上に設定することができる。
前記特殊遊技の開閉作動時間における特別入賞開閉部材43の具体的な開閉動作について説明すると、図12に示す如く、前記開放始動部96(開放始動口97)への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが変動の強制停止または変動の計時停止を決定した場合には、前記開始待機時間の経過後に閉鎖位置の特別入賞開閉部材43が開放位置に変位され、該開放位置に前記開放時間だけ保持される。そして、開放時間の経過により特別入賞開閉部材43が閉鎖位置に変位されることで、該特別入賞開閉部材43の1回目の開閉作動が終了する。また、特別入賞開閉部材43が予め設定されたインターバル時間(例えば2秒)の経過後に2回目の開閉作動が行われて、2回目の開閉動作の終了後に終了待機時間が経過することで特殊遊技が終了するよう構成されている。そして、実施例では、メイン制御CPU60aによる特殊開閉制御が行われている間(開始待機時間の開始から終了待機時間が経過するまでの間)、前記図柄表示装置17に後述する特殊開放演出が表示されるようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合は、前記演出制御CPU65aに特殊開閉制御コマンドを出力するよう設定される。そして、演出制御CPU65aは、特殊開閉制御コマンドが入力されると、後述するように、前記図柄表示装置17に特別入賞部40が開閉作動中であることを認識させ得る特殊開放演出を表示させるよう該図柄表示装置17を制御するよう構成されている。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図8に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。なお、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから特図変動パターン指定コマンド(変動開始コマンド)が入力されたときに各種乱数を取得するようになっている。
また、前記演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として当り判定(特図当り判定)を実行する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として特図当り判定する特図当り判定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、図柄変動演出の変動時間が特定されている特図変動パターンを決定するメイン制御CPU60aは、図柄変動演出の変動時間を決定する変動時間決定手段としての機能を備えている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が大当りとなる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するかを決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(特図当り判定手段の判定結果が大当りの場合)にのみ、確変状態を付与するかを判定するようになっている。更にまた、メイン制御CPU60aは、開放始動部96への入賞を契機として、当り判定(特図当り判定)を行うことなく特別入賞部40を開閉作動することを決定可能な開放作動決定手段としての機能を有している。
また、前記メイン制御CPU60aは、特図当りが発生する場合(特図当り判定手段の判定結果が当りの場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するかを判定する入賞率向上状態判定手段として機能すると共に、特図当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、特図当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間の期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定の判定結果が当りの場合に、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するかを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報第として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、前記第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または特図当り遊技(大当り遊技)中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、219/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、441/65536に設定されている。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当りとなる場合には)、当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、確変フラグは、確変フラグの終了条件が満たされると、確変フラグが「0」に設定され、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
前記ステップB25,B29,B31において特図変動パターンを決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cが備える変動タイマ60dに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間を設定し、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマ60dでの計時(減算)を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。具体的には、前記変動タイマ60dが変動時間の経過を計時した場合(変動タイマ60dの時間が「0」となった場合)に、メイン制御CPU60aは、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御すると共に、飾図の変動停止を指示し、全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態や変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドや変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得し(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、219/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、441/65536に設定されている。そして、ステップB32における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(当りとなる場合には)、当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す確変フラグおよび変短フラグを、前述したと同様に設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
前記ステップB35,B39,B41において特図変動パターンを決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cが備える変動タイマ60dに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間をセットし、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマ60dで計時(減算)を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。具体的には、前記変動タイマ60dが変動時間の経過を計時した場合(変動タイマ60dの時間が「0」となった場合)に、メイン制御CPU60aは、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御すると共に、飾図の変動停止を指示し、全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態や変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドや変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(開放始動部入賞処理について)
実施例のパチンコ機10では、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の結果が前記図柄表示装置17に表示される前に、前記開放始動部96への入賞があった場合に、当該開放始動部96への入賞を契機とした前記特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が実行される前に、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止または計時を中断する開放始動部入賞処理を行うよう構成されているので、該開放始動部入賞処理について、図10を参照して説明する。
図10(a)に示す開放始動部入賞処理では、前記開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動するか否かを判定し(ステップC11)、ステップC11の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、開放始動部入賞処理を終了する。すなわち、大当り遊技中で特別入賞部40がメイン制御CPU60aにより当り開閉制御されている状態や開放始動部96への先の入賞に伴い特別入賞部40がメイン制御CPU60aにより特殊開閉制御されている状態(特殊遊技状態)では、ステップC11の判定結果は否定となり、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定することなく開放始動部入賞処理は終了する。一方、ステップC11の判定結果が肯定の場合には、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定する。そして、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合には、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止(変動の強制停止)するか、当該変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断(変動の計時中断)するかをメイン制御CPU60aが決定する(ステップC12)。実施例では、後述するように、変動の強制停止を決定するか、変動の計時中断を決定するかは、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定するタイミングに応じてメイン制御CPU60aが決定するよう構成される。具体的には、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の所定期間(後述する開始時中断期間TU1または停止時中断期間TU2)に開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合には、変動の計時の中断をメイン制御CPU60aが決定するよう構成されている。なお、この場合にメイン制御CPU60aが変動の強制停止を決定するようにすることも可能である。そして、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の別の所定期間(後述する選択期間TK)に開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合には、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を開始する際の特図開始処理においてメイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて、変動の強制停止および変動の計時中断の何れかをメイン制御CPU60aが決定するよう構成されている。なお、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定するタイミングと、メイン制御CPU60aによる変動の計時中断(または変動の強制停止)の決定との関係は、後で詳述する。同様に、特図変動パターンの種類と、メイン制御CPU60aによる変動の計時中断(または変動の強制停止)の決定との関係に関しても、後で詳述する。
メイン制御CPU60aは、ステップC12において図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止すると決定した場合は、ステップC13に移行して強制停止処理を実行する。また、ステップC12において図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断することをメイン制御CPU60aが決定した場合は、該メイン制御CPU60aはステップC14に移行して計時中断処理を実行する。また、メイン制御CPU60aは、強制停止処理を実行する場合には強制停止処理コマンドを前記演出制御CPU65aに出力すると共に、計時中断処理を実行する場合には計時中断処理コマンドを前記演出制御CPU65aに出力するよう構成される。そして、演出制御CPU65aは、入力されたコマンドに対応する演出を前記図柄表示装置17で行わせるように表示制御基板70(表示制御CPU70a)に対応する制御コマンドを出力するよう設定されている。
(強制停止処理について)
図10(b)に示す如く、前記強制停止処理では、変動タイマ60dの減算を停止して該変動タイマ60dの時間を「0」とする(ステップC15)。そして、図柄変動演出(特図変動表示)における入賞情報に基づく特図当り判定の結果が当りであった場合は、当りの判定結果を強制的にはずれの判定結果に変更すると共に、特図表示部50A,50Bにはずれ表示で特図を停止させるように該特図表示部50A,50Bを制御する。また、図柄変動演出(特図変動表示)における入賞情報に基づく特図当り判定の結果がはずれの場合は、特図表示部50A,50Bにはずれ表示で特図を停止させるように該特図表示部50A,50Bを制御する(ステップC16)。また、図柄表示装置17にはずれ表示を表示するように該図柄表示装置17を制御する(ステップC16)。具体的には、前記開放始動部96への入賞を契機としたメイン制御CPU60aによる特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が実行される以前に、メイン制御CPU60aは、はずれ図柄(はずれ表示)となる特図を指定する特図指定コマンドを演出制御CPU65aに出力すると共に、図柄表示装置17においてはずれの飾図の図柄組み合わせ(はずれ表示)を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
ここで、強制停止処理において、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)が大当りに当選している図柄変動演出(特図変動表示)であった場合には、特図当り判定の判定結果に基づいて決定された大当り図柄(特図あたり表示)を、はずれ図柄(はずれ表示)の特図とすることをメイン制御CPU60aが強制的に決定し、該はずれ図柄を特図表示部50A,50Bに表示するよう構成されている。言い替えると、特図当りの判定が当りの判定結果となることを契機とした図柄変動演出(特図変動表示)が実行されている最中に、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合は、当該特図当り判定の判定結果をメイン制御CPU60aがはずれの判定結果に強制的に書き換えて、当該図柄変動演出(特図変動表示)をはずれ表示で強制的に停止するようになっている。
(計時中断処理について)
計時中断処理では、前記変動タイマ60dの減算(変動時間の計測)を停止(中断)する(ステップC17)。計時中断処理において、変動タイマ60dの計時を停止(中断)している間は、メイン制御CPU60aは特図表示部50A,50Bでの変動を継続させると共に、特図指定コマンドや全図柄停止コマンドを出力することなく、図柄変動演出(特図変動表示)は見かけ上継続している状態となる。すなわち、変動タイマ60dの計時を停止している間は、前記図柄表示装置17には後述する特殊開放演出が表示される(図11(c),図12(b)参照)。変動タイマ60dの計時を停止(中断)している状態で、前記メイン制御CPU60aは、前記開放始動部96への入賞に基づき特別入賞部40を開閉作動させる特殊開閉制御が終了したか否かを判定する(ステップC18)。そして、ステップC18の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、該ステップC18の処理を繰り返す。一方、ステップC18の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップC17で計時を停止(中断)した変動タイマ60dの計時を再開し(ステップC19)、計時中断処理を終了する。変動タイマ60dの計時の再開に伴い、図柄表示装置17では特図変動パターンで特定される内容で図柄変動演出が再開され、変動タイマ60dが設定された変動時間の経過を計時すると(変動タイマ60dの時間が「0」になると)、メイン制御CPU60aから特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドが出力されて、図柄表示装置17および特図表示部50A,50Bに予め決められた演出結果表示や特図が停止表示される。すなわち、変動が中断された図柄変動演出(特図変動表示)が当りの図柄変動演出(特図変動表示)であった場合は、図柄表示装置17に当り表示が表示されると共に、特図表示部50A,50Bには大当り図柄としての特図が表示され、変動が中断された図柄変動演出(特図変動表示)がはずれの図柄変動演出(特図変動表示)であった場合は、図柄表示装置17にはずれ表示が表示されると共に、特図表示部50A,50Bにははずれ図柄としての特図が表示される。
ここで、特殊開閉制御の終了に伴って変動タイマ60dの計時を再開する場合に、計時中断時の特図変動パターンで特定される変動時間を最初から計時し直すようにしてもよい。この場合は、計時を中断した図柄変動演出が最初から繰り返されることで、演出内容を正確に認識させることができる。また、特殊開閉制御の終了に伴って変動タイマ60dの計時を再開する場合に、計時中断時点の残りの変動時間を計時するようにしてもよい。この場合は、一旦実行された図柄変動演出が再開に伴って繰り返されることを防止でき、演出が間延びすることを防ぐことができる
すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aで実行される特図当り判定がはずれの判定結果となることを契機として実行された図柄変動演出の結果を前記図柄表示装置17に表示する前に、前記開放始動部96への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合に、特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動を実行する以前に図柄変動演出を強制停止してはずれ表示を図柄表示装置17に表示するか、または特殊開閉制御に基づく当該特別入賞部40の開閉作動を実行する以前に前記変動タイマ60dによる計時を中断して特別入賞部40の開閉作動を終了した以後に該変動タイマ60dによる計時を再開するよう構成される。また、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aで実行される特図当り判定が当りの判定結果となることを契機として実行された図柄変動演出の結果を前記図柄表示装置17に表示する前に、前記開放始動部96への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合に、特図当り判定による当りの判定結果を強制的にはずれの判定結果に変更すると共に、特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動を実行する以前に図柄変動演出を強制停止してはずれ表示を図柄表示装置17に表示するか、または特図当り判定による当りの判定結果を変更することなく特殊開閉制御に基づく当該特別入賞部40の開閉作動を実行する以前に前記変動タイマ60dによる計時を中断して特別入賞部40の開閉作動を終了した以後に該変動タイマ60dによる計時を再開するよう構成される。すなわち、メイン制御CPU60aは、特図当り判定の判定結果に係わらず、開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機としてはずれ表示を図柄表示装置17に表示する強制停止処理を実行するか、または開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として変動タイマ60dの計時を中断して特別入賞部40の開閉作動を終了した以後に該変動タイマ60dによる計時を再開する計時中断処理を実行するかを選択する開放始動部入賞処理選択手段としての機能を有している。そして、パチンコ機10は、メイン制御CPU60aにより特図当り判定が実行されることを契機とした図柄変動演出の結果を前記図柄表示装置17に表示する前に、該メイン制御CPU60aが特別入賞部40の開閉作動を決定した場合に、メイン制御CPU60aの選択に基づいた強制停止処理または計時中断処理が行われるよう構成されている。
(演出制御について)
次に、前記演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、遊技演出モード毎に分類されており、当該遊技演出モードにおいて選択可能な演出パターンから特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、前記メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、次の図柄変動演出を実行する際に演出パターンを決定する基準となる遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを演出制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左の図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右の図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中の図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、リーチはずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄がはずれ図柄の場合であって、前記強制停止処理コマンドが入力されていない場合は、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が行われることを識別できない後述する通常はずれ表示の表示形態となるはずれ表示を決定し、強制停止処理コマンドが入力されている場合は、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が行われることを識別可能な後述する強制はずれ表示となるはずれ表示を決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、確変状態および変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、遊技演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に遊技演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御RAM65cに設定される。演出制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された遊技演出モードに対応する背景画像を表示させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは演出制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(特図変動パターンについて)
次に、実施例のメイン制御ROM60bに記憶される特図変動パターン、およびメイン制御CPU60aが決定可能となる特図変動パターン群に関して、図9を参照して具体的に説明する。
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われない通常はずれ用の特図変動パターンとが設定されている。ここで、前記各特図変動パターンに対する前記特図変動パターン振分判定値の割当て数は、所定条件毎に定められており、所定条件下においてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンの種類やメイン制御CPU60aによる特図変動パターンの決定割合が異なるようになっている。
前記特図開始処理においてリーチを行わないはずれと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能なはずれ特図変動パターン(ステップB31,B41で決定可能な特図変動パターン)として、第1および第2のはずれ特図変動パターンP1,P2の2種類に対して特図変動パターン振分判定値が割当てられて、特図開始処理においてリーチした後にはずれ表示するリーチはずれ特図変動パターン(ステップB29,B39で決定可能な特図変動パターン)として、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンP3、第1のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP4および第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5の3種類に対して特図変動パターン振分判定値が割当てられて、特図開始処理において当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な当り特図変動パターン(ステップB25,B35で決定可能な特図変動パターン)として、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6、第1のスーパーリーチ当り特図変動パターンP7、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8および特殊当り特図変動パターンP9の4種類に特図変動パターン振分判定値が割当てられている。すなわち、実施例では、メイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンとして9種類の特図変動パターンが設定されており、特図当り判定の判定結果や演出実行判定の判定結果に応じて1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
実施例では、特図変動パターンの決定に用いられる前記特図変動パターン振分判定値は、前述した100種類の特図変動パターン振分用乱数に対応した「0」〜「99」の100個の整数値が設定されており、図9に示す特図変動パターンに対して該100個の特図変動パターン振分判定値が割当てられている。具体的には、図9に示す如く、前記第1および第2のはずれ特図変動パターンP1,P2の夫々に50個の特図変動パターン振分判定値が割当てられている。すなわち、特図当り判定および演出実行判定が何れも否定の場合には、メイン制御CPU60aは、第1のはずれ特図変動パターンP1および第2のはずれ特図変動パターンP2の夫々を50%の割合で決定するよう設定されている。これに対し、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンP3、第1のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP4および第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5には、特図変動パターン振分判定値が対応して60個、30個、20個が割り当てられている。すなわち、特図当り判定が否定(はずれ)の結果となると共に演出実行判定が肯定の判定結果の場合には、メイン制御CPU60aは、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンP3を50%の割合で決定し、第1のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP4を30%の割合で決定し、第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5を20%の割合で決定するよう設定される。また、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6、第1のスーパーリーチ当り特図変動パターンP7、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8および特殊当り特図変動パターンP9には、特図変動パターン振分判定値が対応して10個、30個、55個、5個が割当てられている。すなわち、特図当り判定が肯定の判定結果の場合には、メイン制御CPU60aは、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6を10%の割合で決定し、第1のスーパーリーチ当り特図変動パターンP7を30%の割合で決定し、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8を55%の割合で決定し、特殊当り特図変動パターンP9を5%の割合で決定するよう設定される。
ここで、前記メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンで特定される図柄変動演出を具体的に特定する演出パターンが、前記演出制御ROM65bに記憶されている。演出パターンで特定されるリーチ演出は、背景画像として通常背景が表示されるようになっており、リーチ演出が通常背景のもとで行われるノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出後に発展的に実行されるリーチ演出であって背景画像として通常背景とは異なるスーパーリーチ演出画像が表示されるスーパーリーチ演出とがある。また、スーパーリーチ演出画像とは、特殊背景の1つであって通常背景とは異なる態様で表示されて、スーパーリーチ演出であることを遊技者に認識させる背景画像である。スーパーリーチ演出画像としては、例えば、特定のキャラクタが登場するアニメーション画像(動画)や、明暗や色調を段階的に変化させるグラデーション画像等が設定される。また、前記特殊当り特図変動パターンP9に対応する特殊演出パターンで特定される演出は、前記リーチ演出(ノーマルリーチ演、スーパーリーチ演出)とは異なる特殊な演出であって、リーチ演出とは異なることが遊技者に認識可能に構成されている。
(強制停止処理および計時中断処理の決定割合について)
前記開放始動部96への入賞に伴って特別入賞部40の開閉作動を決定した場合に、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止処理するか、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断(計時中断処理)するかの決定割合は、図9に示すように、各特図変動パターン毎に設定されている。
ここで、前記強制停止処理するか計時中断処理するかの決定割合は、前記メイン制御ROM60bに記憶されている開放始動部入賞処理判定用乱数および開放始動部入賞処理判定値を用いて決められるよう構成される。具体的に、開放始動部入賞処理判定用乱数は、複数通りの整数値が設定されており、メイン制御CPU60aは、開放始動部入賞処理判定用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、開放始動部入賞処理判定値は、開放始動部入賞処理判定用乱数の取り得る複数通りの整数が、「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。そして、メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として開放始動部入賞処理判定用乱数を取得し、この取得した開放始動部入賞処理判定用乱数の値を、「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている開放始動部入賞処理判定値と比較する。そして、メイン制御CPU60aは、該開放始動部入賞処理判定用乱数が「強制停止処理」に割当てられている開放始動部入賞処理判定値と一致する場合には強制停止処理を決定し、該開放始動部入賞処理判定用乱数が「計時中断処理」に割当てられている開放始動部入賞処理判定値と一致する場合には計時中断処理を決定するよう構成されている。
前記各特図変動パターン毎に設定される強制停止処理および計時中断処理の決定割合の具体的例を説明すると、第1のはずれ特図変動パターンP1では、メイン制御CPU60aは、90%の割合で強制停止処理を決定すると共に10%の割合で計時中断処理を決定し、第2のはずれ特図変動パターンP2では、メイン制御CPU60aは、70%の割合で強制停止処理を決定すると共に30%の割合で計時中断処理を決定するように、前記開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。また、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンP3では、メイン制御CPU60aは、90%の割合で強制停止処理を決定すると共に10%の割合で計時中断処理を決定し、第1のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP4では、メイン制御CPU60aは、50%の割合で強制停止処理を決定すると共に50%の割合で計時中断処理を決定し、第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5では、メイン制御CPU60aは、20%の割合で強制停止処理を決定すると共に80%の割合で計時中断処理を決定するように、前記開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。更に、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6では、メイン制御CPU60aは、15%の割合で強制停止処理を決定すると共に85%の割合で計時中断処理を決定し、第1のスーパーリーチ当り特図変動パターンP7では、メイン制御CPU60aは、10%の割合で強制停止処理を決定すると共に90%の割合で計時中断処理を決定し、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8では、メイン制御CPU60aは、5%の割合で強制停止処理を決定すると共に95%の割合で計時中断処理を決定し、特殊当り特図変動パターンP9では、メイン制御CPU60aは、100%の割合で計時中断処理を決定するように、前記開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。
すなわち、第1および第2のはずれ特図変動パターンP1,P2が決定された場合、およびリーチはずれ特図変動パターンP3が決定された場合は、開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止処理される確率が計時中断処理される確率より高く設定されている。また、第1のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP4が決定された場合は、開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止処理される確率と計時中断処理される確率とが同じに設定されている。一方、第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6、第1のスーパーリーチ当り特図変動パターンP7、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8、特殊当り特図変動パターンP9が決定された場合は、開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)が計時中断処理される確率が強制停止処理される確率より高く設定されている。言い替えると、開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)の計時が中断された場合は、当該図柄変動演出(特図変動表示)が当りの可能性(期待値)が高く、図柄変動演出(特図変動表示)の実行中に前記開放始動部96に入賞した場合に、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止されるのか計時が中断されるのかに遊技者は関心を持って遊技することができ、興趣を向上し得るようになっている。
ここで、特図開始処理においてリーチした後にはずれ表示するリーチはずれ特図変動パターンとして決定可能な複数のリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5では、第2のスーパーリーチはずれ特図変動パターンP5、第1のスーパリーチはずれ特図変動パターンP4、ノーマルリーチはずれ特図変動パターンP3の順でメイン制御CPU60aが決定し易く、該メイン制御CPU60aが決定し易いリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5の順で、開放始動部入賞処理において強制停止処理が決定される確率が低くなるよう設定されている。一方、開放始動部入賞処理において計時中断処理が決定される確率は、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5の順で高くなるよう設定されている。すなわち、リーチした後にはずれ表示する複数のリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5では、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5の順で、強制停止処理が決定される確率が低くなる一方で、計時中断止処理が決定される確率は高くなるよう設定されている。言い替えると、メイン制御CPU60aが決定する確率が低いリーチはずれ特図変動パターンの方が、メイン制御CPU60aが決定する確率が高いリーチはずれ特図変動パターンより計時中断処理が決定され易くなるよう設定されている。なお、リーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5に定められる変動時間は、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチはずれ特図変動パターンP3,P4,P5の順で長く設定されており、変動時間が長いリーチはずれ特図変動パターンの方が、変動時間が短いリーチはずれ特図変動パターンより計時中断処理が決定され易くなっている。
また、特図開始処理において当りの場合に決定可能な複数のリーチ当り特図変動パターンP6,P7,P8では、ノーマルリーチ当り特図変動パターンP6、第1のスーパリーチ当り特図変動パターンP7、第2のスーパーリーチ当り特図変動パターンP8の順でメイン制御CPU60aが決定し易く、該メイン制御CPU60aが決定し易いリーチ当り特図変動パターンP8,P7,P6の順で、開放始動部入賞処理において強制停止処理が決定される確率が高くなるよう設定されている。一方、開放始動部入賞処理において計時中断処理が決定される確率は、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチはずれ特図変動パターンP8,P7,P6の順で低くなるよう設定されている。すなわち、複数のリーチ当り特図変動パターンP6,P7,P8では、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチ当り特図変動パターンP8,P7,P6の順で、強制停止処理が決定される確率が高くなる一方で、計時中断止処理が決定される確率は低くなるよう設定されている。言い替えると、メイン制御CPU60aが決定する確率が高いリーチ当り特図変動パターンの方が、メイン制御CPU60aが決定する確率が低いリーチ当り特図変動パターンより計時中断処理が決定され易くなるよう設定されている。なお、リーチ当り特図変動パターンP6,P7,P8に定められる変動時間は、メイン制御CPU60aが決定し易いリーチ当り特図変動パターンP8,P7,P6の順で短く設定されており、変動時間が長いリーチ当り特図変動パターンの方が、変動時間が短いリーチはずれ特図変動パターンより計時中断処理が決定され易くなっている。
ここで、前記特図変動パターンP3〜P8で特定されるリーチ演出における、前記図柄表示装置17に当り表示される可能性の度合いを示す期待度は、ノーマルリーチ演出、第1のスーパーリーチ演出、第2のスーパーリーチ演出の順で高くなるよう設定されている。そして、実施例では、期待度が高いリーチ演出が図柄表示装置17で実行される場合の方が、メイン制御CPU60aが計時中断処理を決定し易くなるよう設定されている。すなわち、図柄変動演出の計時が一旦中断した後に再開された場合に、当りとなることに対する期待感を高めて興趣を向上し得るようになっている。
また、特図開始処理において当りの場合に決定可能な前記特殊当り特図変動パターンP9は、該特殊当り特図変動パターンP9をメイン制御CPU60aが決定した場合に、該メイン制御CPU60aは開放始動部入賞処理において計時中断処理を100%の割合で決定するよう設定されている。すなわち、特殊当り特図変動パターンP9で特定される図柄変動演出が図柄表示装置17に表示された場合は、図柄変動演出の結果が当りであることが確定的となるものであって、該特殊当り特図変動パターンP9については、メイン制御CPU60aは強制停止を決定しないようになっている。すなわち、特殊当り特図変動パターンP9で特定される図柄変動演出が図柄表示装置17に表示されることで遊技者が当りであると期待したにも係わらず、当該図柄変動演出が強制停止されてしまうことを回避して、遊技者の遊技意欲が低下するのを防ぐことができる。
(強制停止演出および強制はずれ表示について)
実施例のパチンコ機10では、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として前記メイン制御CPU60aが前記特別入賞部40を開閉作動することを決定した場合に、当該開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が行われることを識別可能な表示態様で、前記図柄表示装置17にはずれ表示を強制停止表示し得るよう構成されている。この識別可能な表示態様として、図柄表示装置17にはずれ表示を強制停止表示する前に、該図柄表示装置17に特殊な強制停止演出を表示する態様と、強制停止されるはずれ表示の形態が特殊である強制はずれ表示を表示する態様とがあり、両態様を組み合わせたり何れか一方の態様のみを行うことができる。実施例では、強制停止演出および強制はずれ表示を組み合わせて図柄表示装置17に表示するよう設定されている(図11(b)参照)。
前記強制停止演出および強制はずれ表示は、図12(a)に示す如く、開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機とした特別入賞部40における特別入賞開閉部材43の開閉作動が行われる以前(特殊開閉制御が開始される以前)に実行されるよう設定されている。図11(b)は、はずれ表示を強制的に停止表示させる場合の図柄表示装置17の表示部17aの表示態様を概略的に示す説明図であって、該図11(b)を参照して強制停止演出および強制はずれ表示を具体的に説明すると、強制停止演出は、図柄表示装置17における表示部17aの全体に爆発をイメージした画像および「BANG!」の文字が表示され、その後に飾図がはずれ表示で停止表示されるよう設定されている。また、強制停止はずれ表示は、飾図がはずれ表示される背景に爆発をイメージした画像が重ねて表示されるようになっている。なお、強制停止演出および強制はずれ表示としては、図示例に限られるものでなく、各種の形態を採用し得る。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記特図変動パターンで特定される変動時間を計時する前記変動タイマ60dが変動時間の経過を計時した場合に前記図柄表示装置17に表示される通常はずれ表示と、該通常はずれ表示とは異なる態様に設定されて前記メイン制御CPU60aが実行中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止することを決定した場合に前記図柄表示装置17に表示される前記強制はずれ表示とが設けられている。すなわち、前記強制はずれ表示は、メイン制御CPU60aが前記開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止することを決定した場合に実行可能な特殊な表示であって、強制はずれ表示または通常はずれ表示が図柄表示装置17に表示された場合に、遊技者は図柄変動演出(特図変動表示)が前記開放始動部96への入賞を契機として停止したのか、予め設定された変動時間の経過によって停止したのかを認識し得るよう構成されている。また、前記強制停止演出は、メイン制御CPU60aが前記開放始動部入賞処理において図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止することを決定した場合に実行可能な特殊な演出であり、該強制停止演出が図柄表示装置17に表示されることで、遊技者は図柄変動演出(特図変動表示)が前記開放始動部96への入賞を契機として停止したことを認識し得るようになっている。
前記強制はずれ表示について、より詳細に説明すると、該強制はずれ表示は、特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となる場合に図柄表示装置17に表示される当り表示および特図当り判定の判定結果がはずれの判定結果となる場合で、特図変動パターンで特定される変動時間を計時する前記変動タイマ60dが変動時間の経過を計時した場合に前記図柄表示装置17に表示される通常はずれ表示の何れとも表示態様が異なる表示態様となるよう設定されている。具体的に、実施例では、通常はずれ表示は、図11(a)に示すように、3つの飾図が単に横並びに停止表示されるのに対し、強制はずれ表示は、図11(b)に示すように、横並びに停止表示される3つの飾図の背景に特殊な画像(爆発をイメージした画像)が重ねて表示されることで、通常はずれ表示と強制はずれ表示とを識別し得るようになっている。なお、強制はずれ表示は、通常はずれ表示や当り表示と区別が可能な態様であればよく、表示される飾図自体の形態(色、サイズ等)が異なるものであってもよい。
ここで、前記通常はずれ表示の内容を特定する通常はずれ表示情報が、前記演出制御ROM65bに記憶されている。前記メイン制御CPU60aは、特図当り判定の結果がはずれの判定結果の場合に特図変動パターンを決定し、該特図変動パターンを特定する特図変動パターンコマンドを出力する。そして、演出制御CPU65aは、はずれの判定結果に対応する特図変動パターンコマンドが入力されると、通常はずれ表示情報を特定する通常はずれ表示情報コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。表示制御基板70では、通常はずれ表示情報コマンドが入力されると、該情報コマンドで特定される通常はずれ表示情報に対応する内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該通常はずれ表示情報に対応した表示内容の画像を表示するように図柄表示装置17を制御するようになっている。
また、前記強制停止演出の内容を特定する強制停止演出情報および強制はずれ表示の内容を特定する強制はずれ表示情報が、前記演出制御ROM65bに記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから出力された前記強制停止処理コマンドが入力されると、強制停止演出情報を特定する強制停止演出情報コマンドおよび強制はずれ表示情報を特定する強制はずれ表示情報コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。表示制御基板70では、各情報コマンドが入力されると、該情報コマンドで特定される強制停止演出情報および強制はずれ表示情報に対応する内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該強制停止演出情報および強制はずれ表示情報に対応した表示内容の画像を表示するように図柄表示装置17を制御するようになっている。また、表示制御基板70では、通常はずれ表示情報コマンドが入力された後に、強制はずれ表示情報コマンドが入力された場合は、該強制はずれ表示情報コマンドで特定される強制はずれ表示に対応した表示内容の画像を表示するように図柄表示装置17を制御するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置17に表示させるはずれ表示として、強制停止処理に伴い図柄表示装置17に表示させる前記強制はずれ表示と、特図変動パターンに特定される変動時間の経過に伴い図柄表示装置17に表示させる前記通常はずれ表示とが設定されており、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから入力されるコマンドに応じて図柄表示装置17に強制はずれ表示または通常はずれ表示を表示するよう構成される。
(特殊開放演出について)
実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aによる特殊開閉制御に基づき前記特別入賞部40が開閉作動(具体的には特別入賞開閉部材43の開閉作動)する場合に、該特別入賞部40の閉閉作動が行われていること(メイン制御CPU60aが特殊開閉制御を行っていること/特殊遊技が行われていること)を識別可能な特殊開放演出を前記図柄表示装置17に表示可能に構成されている。具体的に実施例では、図12に示す如く、メイン制御CPU60aによる特殊開閉制御(特殊遊技)が開始されてから、該特殊開閉制御(特殊遊技)が終了するまでの間に亘り、図柄表示装置17に特殊開放演出が表示されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、前記特殊開放演出の内容を特定する特殊開放演出パターンが、前記演出制御ROM65bに記憶されている。そして、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから出力された特殊開閉制御コマンドが入力されると、特殊開放演出パターンを特定する特殊開放演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。表示制御基板70では、特殊開放演出パターンコマンドが入力されると、該コマンドで特定される特殊開放演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該特殊開放演出パターンに対応した表示内容の画像を表示するように図柄表示装置17を制御するようになっている。
前記特殊開放演出は、前記特図当り遊技(大当り遊技)が実行されている間に前記図柄表示装置17に表示される特図当り演出と区別可能な表示内容となるよう設定されており、特別入賞部40が開閉作動された場合に、特図当り判定が当りの判定結果になることに伴う特別入賞部40の開放と、開放始動部96へパチンコ球が入賞することに伴う特別入賞部40の開放とを遊技者が混同しないよう構成されている。具体的に、実施例では、前記特殊開放演出において、前記図柄表示装置17に特殊キャラクタを表示して他の演出と区別し得るよう構成されている。また、実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置17に図柄変動演出と特殊開放演出とを同時に表示するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記開放始動部96への入賞に伴って特別入賞部40の開閉作動を決定した場合に、飾図を変動および停止表示可能な第1の表示領域17bと、前記特殊開放演出を表示可能な第2の表示領域17cとが前記図柄表示装置17の表示部17aに設定されており、当該第1の表示領域17bにおいて図柄が変動表示されると共に、第2の表示領域17cにおいて特殊開放演出が実行されるようになっている。ここで、実施例では、前記図柄表示装置17における表示部17aの表示領域全体の内で、第1の表示領域17bよりも第2の表示領域17cの方が大きな領域を占めるよう設定されて、特殊開放演出に対する遊技者の関心を惹き付け得るよう構成されている。なお、第2の表示領域17cよりも第1の表示領域17bの方を大きな領域となるよう設定したり、両表示領域17b,17cを均等な領域となるよう設定することも可能である。具体的には、図11(c)に示すように、図柄表示装置17の表示部17aにおける左上隅部の領域が第1の表示領域17bとして設定され、その余の領域が第2の表示領域17cとして設定されている。このように、第1の表示領域17bにおいて図柄を変動表示することで、特別入賞部40が開閉作動されている間も図柄変動演出が見かけ上継続していることを遊技者に報知するようになっている。
そして、前記開放始動部96への入賞に伴って特別入賞部40の開閉作動をメイン制御CPU60aが決定すると共に変動タイマ60dの計時停止をメイン制御CPU60aが決定した場合には、図11(c)に示すように、図柄表示装置17における表示部17aの第1の表示領域17bにおいて図柄変動演出を表示しつつ、該表示部17aにおける第2の表示領域17cにおいて特殊開放演出が表示されるようになっている。そして、変動タイマ60dの計時が再開(すなわち、特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動の終了)されると、第1の表示領域17bに表示されていた図柄変動演出が表示部17aの全体に表示されるように表示態様が変えられるようになっている。すなわち、実行されている特別入賞部40の開閉作動が、開放始動部96への入賞を契機としたものであることと、図柄変動演出の変動中であることを遊技者に認識させ得るよう構成されている。一方で、前記開放始動部96への入賞に伴って特別入賞部40の開閉作動をメイン制御CPU60aが決定すると共に実行中の図柄変動演出(特図変動表示)の強制停止を決定した場合には、図柄表示装置17における表示部17aの第1の表示領域17bにおいてはずれ表示を表示しつつ、該表示部17aにおける第2の表示領域17cにおいて特殊開放演出が表示されるようになっている。すなわち、実行されている特別入賞部40の開閉作動が開放始動部96への入賞を契機としたものであることと、図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止したことを遊技者に認識させ得るよう構成されている。
(示唆演出(選択演出)について)
実施例のパチンコ機10では、前述したように、前記開放始動部96への入賞によって、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止される可能性がある。そこで、前記開放始動部96への入賞を契機として図柄変動演出(特図変動表示)が強制停止される可能性があることを報知する示唆演出(選択演出)を、図柄変動演出(特図変動表示)の実行中に前記図柄表示装置17に表示可能に構成されている。すなわち、示唆演出を特定する示唆演出パターンが、前記演出制御ROM65bに記憶されている。この示唆演出パターンで特定される演出を具体的に説明すると、図13に示す如く、前記図柄表示装置17の表示部17aに、図柄変動演出と併せて「図柄変動を強制的に止められるかも?」の文字画像を表示するよう設定される。
(示唆演出の可否決定について)
前記示唆演出は、前記演出制御ROM65bに記憶されている示唆演出実行判定用乱数および示唆演出実行判定値を用いて演出制御CPU65aで実行される示唆演出実行可否判定によって実行可否が決定されるよう構成される。具体的に、示唆演出実行判定用乱数は、複数通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、示唆演出実行判定用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、示唆演出実行判定値は、示唆演出実行判定用乱数の取り得る複数通りの整数が、示唆演出実行可否判定で用いられる実行判定テーブルに設定された「示唆演出の実行」および「示唆演出の不実行」に割当てられている。演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから特図変動パターン指定コマンドが入力されると、示唆演出実行判定乱数を取得すると共に、この取得した示唆演出実行判定乱数の値を、「示唆演出の実行」および「示唆演出の不実行」に割当てられている示唆演出実行判定値と比較する。そして、演出制御CPU65aは、該示唆演出実行判定乱数が「示唆演出の実行」に割当てられている示唆演出実行判定値と一致する場合には示唆演出を実行することを決定し、該示唆演出実行判定乱数が「示唆演出の不実行」に割当てられている示唆演出実行判定値と一致する場合には示唆演出を実行することを決定しないよう構成されている。
ここで、前記示唆演出実行可否判定において、示唆演出が実行される確率は、前記特図当り判定の結果および決定された特図の種類によって異なるよう設定されている。すなわち、図14に示す如く、前記特図当り判定で当選した場合(当りの場合)に、大当り図柄として決定された特図が図柄A,aに分類された特図である場合は、演出制御CPU65aが、15%の割合で示唆演出の実行を決定すると共に85%の割合で示唆演出の不実行を決定するように、示唆演出実行判定値が「示唆演出の実行」および「示唆演出の不実行」に割当てられている。また、特図当り判定で当選した場合に、大当り図柄として決定された特図が図柄B,bに分類された特図である場合は、演出制御CPU65aが、30%の割合で示唆演出の実行を決定すると共に70%の割合で示唆演出の不実行を決定するように、示唆演出実行判定値が「示唆演出の実行」および「示唆演出の不実行」に割当てられている。これに対し、特図当り判定で当選しなかった場合(はずれの場合)は、演出制御CPU65aが、50%の割合で示唆演出の実行を決定すると共に50%の割合で示唆演出の不実行を決定するように、示唆演出実行判定値が「示唆演出の実行」および「示唆演出の不実行」に割当てられている。すなわち、特図当り判定で当りに当選した場合の方が、特図当り判定で当りに当選しなかった場合より示唆演出の実行が決定される確率が高く設定されている。
(示唆演出の演出実行タイミングについて)
前記演出制御CPU65aは、示唆演出実行可否判定において示唆演出の実行が決定された場合に、該示唆演出を実行する演出実行タイミングを決定し、該演出制御CPU65aは、決定した演出実行タイミングで示唆演出を実行させるよう構成されている。
図15に示す如く、特図変動パターンで特定される1回の図柄変動演出において、変動開始から変動停止(確定停止)までの間に、示唆演出を実行可能な複数(実施例では5通り)の演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5が設定されている。具体的に、変動開始から各演出実行タイミングまでの経過時間は、TK1,TK2,TK3,TK4,TK5の順で長くなるよう設定されている。なお、以後の説明において、変動開始から演出実行タイミングまでの経過時間が短かい順に、第1演出実行タイミングTK1、第2演出実行タイミングTK2、第3演出実行タイミングTK3、第4演出実行タイミングTK4および第5演出実行タイミングTK5と指称して区別する場合もある。特図変動パターンで特定される1回の図柄変動演出において示唆演出を実行可能な演出実行タイミングは5通りに限定されるものではない。また、複数の演出実行タイミング間の時間間隔は一定であっても、異なるものであってもよい。
ここで、実施例のパチンコ機10では、特図変動パターンで特定される1回の図柄変動演出において、変動開始から予め設定された時間が経過するまでの間が開始時中断期間TU1として設定されると共に、変動停止より予め設定された時間だけ前から変動停止までの間が停止時中断期間TU2として設定されている。そして、前記開始時中断期間TU1および停止時中断期間TU2中に前記開放始動部96への入賞があった場合は、前記開放始動部入賞処理(ステップC12)において前記メイン制御CPU60aは計時中断処理を決定するよう設定されている。すなわち、実施例では、図柄変動の開始直後および終了直前の所定期間(開始時中断期間TU1,停止時中断期間TU2)は、特図変動パターンに依存することなく実行中の図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断する処理が実行されるようになっている。そして、開始時中断期間TU1が終了してから停止時中断期間TU2が開始されるまでの選択期間TKについては、前記開放始動部96への入賞があった場合は、前記開放始動部入賞処理(ステップC12)において前記メイン制御CPU60aは、特図変動パターンに応じて実行中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止するか計時を中断するかを決定するよう設定されている。
前記演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5は、開始時中断期間TU1が終了してから停止時中断期間TU2が開始されるまでの間の前記選択期間TKの中でで設定されている。すなわち、示唆演出が実行可能な演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5は、何れも特図変動パターンに定められた変動時間の経過に応じて図柄変動演出が変動停止する以前に設定されており、前記特図当り判定の判定結果(当りの判定結果またははずれの判定結果となること)を契機として実行された図柄変動演出の結果が図柄表示装置17に表示される前に前記示唆演出を当該図柄表示装置17で実行し得るようになっている。
(演出実行タイミングの決定について)
前記演出実行タイミングは、前記演出制御ROM65bに記憶されているタイミング判定用乱数およびタイミング判定値を用いて演出制御CPU65aで実行される実行タイミング判定によって決定されるよう構成される。具体的に、タイミング判定用乱数は、複数通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、タイミング判定用乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。また、タイミング判定値は、タイミング判定用乱数の取り得る複数通りの整数が、実行タイミング判定で用いられるタイミング判定テーブルに設定された前記第1〜第5演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5の夫々に割当てられている。演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから特図変動パターン指定コマンドが入力されたときに前記示唆演出実行判定乱数を取得するようになっている。そして、演出制御CPU65aは、示唆演出実行可否判定において示唆演出の実行を決定した場合に、取得されているタイミング判定用乱数の値を各演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5に割当てられているタイミング判定値と比較して、一致した演出実行タイミングを決定するよう構成されている。
ここで、前記実行タイミング判定において、各演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5が決定される確率は、前記特図当り判定の結果によって異なるよう設定されている。すなわち、図16に示す如く、前記特図当り判定で当選した場合(当りとなる場合)は、演出制御CPU65aが、5%の割合で第1演出実行タイミングTK1を決定し、20%の割合で第2演出実行タイミングTK2を決定し、30%の割合で第3演出実行タイミングTK3を決定し、40%の割合で第4演出実行タイミングTK4を決定し、5%の割合で第5演出実行タイミングTK5を決定するように、タイミング判定値が各演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5に割当てられている。一方、特図当り判定で当選しなかった場合(はずれの場合)は、演出制御CPU65aが、40%の割合で第1演出実行タイミングTK1を決定し、30%の割合で第2演出実行タイミングTK2を決定し、20%の割合で第3演出実行タイミングTK3を決定し、10%の割合で第4演出実行タイミングTK4を決定し、0%の割合で第5演出実行タイミングTK5を決定するように、タイミング判定値が各演出実行タイミングTK1,TK2,TK3,TK4,TK5に割当てられている。すなわち、特図当り判定が当りの判定結果のときに示唆演出の実行を決定した場合は、変動開始から遅い(経過時間が長い)演出実行タイミングを演出制御CPU65aが決定する割合が高く、特図当り判定がはずれの判定結果のときに示唆演出の実行を決定した場合は、変動開始から早い(経過時間が短い)演出実行タイミングを演出制御CPU65aが決定する割合が高くなるよう設定されている。言い替えれば、図柄変動演出の開始から示唆演出が表示されるまでの経過時間が短い場合は当該図柄変動演出の結果がはずれの確率が高く、図柄変動演出の開始から示唆演出が表示されるまでの経過時間が長い場合は当該図柄変動演出の結果が当りの確率が高くなっている。
また、特図当り判定で当選した場合には第5演出実行タイミングTK5が決定される可能性があるのに対し、特図当り判定で当選しなかった場合には第5演出実行タイミングTK5が決定される可能性はない(0%)ので、第5演出実行タイミングTK5で示唆演出が図柄表示装置17に表示された場合は、当該図柄変動演出の結果が当りであることが確定的に報知されることになる。
すなわち、図柄変動演出の開始から終了までの間に設定された複数の演出実行タイミングから示唆演出を実行する演出実行タイミングを決定するタイミング決定手段としての機能を演出制御CPU65aが備えている。そして、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが実行する当り判定の結果がはずれとなることを契機として図柄変動演出が行われる場合には、図柄変動演出の開始からの経過時間が短い演出実行タイミングを高い割合で決定するよう設定されている。また、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが実行する当り判定の結果が当りとなることを契機として図柄変動演出が行われる場合には、図柄変動演出の開始からの経過時間が長い演出実行タイミングを高い割合で決定するよう設定されている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技領域75内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域75の第1球流下領域75aまたは第2球流下領域75bをパチンコ球が流下する。そして、球流下領域75a,75bを流下するパチンコ球が、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞すると、前記第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35による球検出を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り判定が行われる。
前記特図当り判定の判定結果が当りの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。そして、メイン制御CPU60aは、前記変動タイマ60dに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間を設定すると共に、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマ60dでの計時(減算)を開始する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記図柄表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、前記変動タイマ60dが設定された変動時間の経過を計時すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められた大当りの特図が停止表示されると共に図柄表示装置17に飾図が当り表示で停止表示される。図柄表示装置17に当り表示が表示されると、大当り遊技が開始される。
前記特図当り判定の判定結果がはずれの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。そして、メイン制御CPU60aは、前記特図当り判定の判定結果が当りの判定結果の場合と同様に、前記変動タイマ60dに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間を設定すると共に、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマ60dでの計時(減算)を開始する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記図柄表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、前記変動タイマ60dが設定された変動時間の経過を計時すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められたはずれの特図が停止表示されると共に、図11(a)に示す如く、図柄表示装置17に飾図が通常はずれ表示で停止表示される。
前記始動入賞口30,31への入賞を契機として実行された図柄変動演出が前記図柄表示装置17で変動中に、前記操作レバー16aの回動量を変更したり前記発射強度変更ボタン16bを操作することで「右打ち」を行い、前記第2球流下領域75bを流下するパチンコ球の前記開放始動口97への入賞を契機として前記特別入賞部40を開閉作動することを前記メイン制御CPU60aが決定した場合に、該メイン制御CPU60aは、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することを決定するタイミングが、前記開始時中断期間TU1または停止時中断期間TU2である場合は、変動の計時の中断を決定する。これに対し、開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することをメイン制御CPU60aが決定したタイミングが、前記選択期間TKTである場合は、該メイン制御CPU60aは変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を特定する特図変動パターンに応じて、該変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止するか変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断するかを決定する(図10(a)参照)。
(図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止する場合)
前記メイン制御CPU60aが図柄変動演出(特図変動表示)の強制停止を決定した場合は、該メイン制御CPU60aは、前記変動タイマ60dの計時中の時間を「0」とする。これにより、図12(a)に示す如く、前記特図表示部50A,50Bでの特図変動表示が停止すると共に、図柄表示装置17での図柄変動演出が停止する。この場合に、強制停止する図柄変動演出(特図変動表示)における入賞情報に基づく特図当り判定の判定結果が当りでの判定結果である場合は、メイン制御CPU60aは当りの判定結果を強制的にはずれの判定結果に変更する。そして、メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が行われる以前に、前記特図表示部50A,50Bにはずれ表示で特図が停止される。また、前記図柄表示装置17では、メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が行われる以前に、図11(b),図12(a)に示す如く、強制停止演出が表示され、その後にはずれ表示として強制はずれ表示が表示される。
前記図柄表示装置17に強制はずれ表示が表示された後に、前記メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が行われている間(特殊遊技が行われている間)は、図12(a)に示す如く、当該特別入賞部40の開閉作動が特殊開閉制御(すなわち開放始動部96への入賞)に基づくものであることを認識可能な特殊開放演出が図柄表示装置17の表示部17aに表示される。そして、メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が終了すると、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17では、前記始動入賞口30,31への入賞を契機とした特図変動表示および図柄変動演出が実行される。
(図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の計時を中断する場合)
前記メイン制御CPU60aが図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の計時を中断(計時中断処理)を決定した場合は、該メイン制御CPU60aは、前記変動タイマ60dの計時を停止する。計時中断処理では、変動タイマ60dによる計時を停止するだけで、図12(b)に示す如く、前記特図表示部50A,50Bでの特図変動表示および図柄表示装置17の第1の表示領域17bにおいて図柄が変動表示される。このように、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示および図柄表示装置17での図柄変動演出を見かけ上継続することで、遊技者に図柄変動演出(特図変動表示)が終了したように勘違いさせるのを防ぐことができる。そして、変動タイマ60dの計時が停止し、メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が開始されると、図11(c)に示す如く、図柄表示装置17における表示部17aの第2の表示領域17cに図柄変動演出が小さく表示されると共に、該表示部17aの第1の表示領域17bにおいて特殊開放演出が表示される。そして、メイン制御CPU60aの特殊開閉制御に基づく特別入賞部40の開閉作動が終了すると、変動タイマ60dの計時が再開され、図柄表示装置17では表示部17aの全体に図柄変動演出が表示される。
前記計時が再開された変動タイマ60dが設定された変動時間の経過を計時すると、メイン制御CPU60aから特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドが出力されて、入賞情報に基づいてメイン制御CPU60aが決定した特図および図柄変動演出の結果が特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17に停止表示される。
実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aでの特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となることを契機として実行した図柄変動演出が行われている間に、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することが決定された場合に、当該図柄変動演出をはずれの結果として強制的に停止させるか、前記変動タイマ60dによる計時を一時的に中断するようにしたので、特別入賞部40の開放契機が重複して発生することを回避することができる。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記特別入賞部40の開閉作動が実行されている状態で、前記開放始動部96にパチンコ球が入賞した場合には、当該開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機としては特別入賞部40を開閉作動することを決定しないように設定されている。これにより、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となることを契機として大当り遊技が付与されることに伴って特別入賞部40の開閉作動が実行されている状態や、前記開放始動部96にパチンコ球が入賞することを契機として特別入賞部40の開閉作動が実行されている状態においては、該開放始動部96にパチンコ球が入賞したとしても当該入賞を契機としては特別入賞部40が開閉作動されることはなく、特別入賞部40の開放契機が重複して発生することを回避し得る。また、開放始動部96にパチンコ球が立て続けに入賞したとしても、特別入賞部40の開閉作動が立て続けに実行されるのを防止でき、遊技のバランスを保つことができる。
実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果がはずれの判定結果であった場合に、該はずれの判定結果となることを契機とした図柄変動演出を開放始動部96へのパチンコ球の入賞に伴って強制停止させ得るよう構成したので、1回の図柄変動演出が行われる時間を短縮して、遊技の進行速度を高めることができる。また、開放始動部96への入賞を契機としてはずれとなる図柄変動演出を強制停止させ得るように構成されているので、当該開放始動部96へのパチンコ球の入賞のし易さを適度に構成することで、図柄変動演出が度を超して強制停止されるのを防止することができ、遊技の進行のバランスを容易に図ることができる。更に、メイン制御CPU60aによる特図当り判定がはずれの判定結果であった場合に、該はずれの判定結果となることを契機とした図柄変動演出の変動時間の計時を開放始動部96へのパチンコ球の入賞に伴って一時的に中断させ得るので、特図当り判定の判定結果を生かすことができる。
また、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40の開閉作動が行われることを識別可能な強制はずれ表示で図柄表示装置17にはずれ表示を強制停止表示することで、実行されていた図柄変動演出が突如としてはずれ表示で停止することに対して遊技者が不信感を抱くのを抑制し得る。すなわち、図柄変動演出を強制停止させる場合に図柄表示装置17に表示されるはずれ表示は、前記変動タイマ60dが予め設定されていた変動時間の経過を計時した場合に表示される通常はずれ表示とは表示態様が異なる強制はずれ表示であるので(図11(a),(b)参照)、実行されていた図柄変動演出が突如としてはずれ表示で停止することに対して遊技者が不信感を抱くのを抑制し得る。しかも、実施例のパチンコ機10では、強制はずれ表示を図柄表示装置17に表示する前に、図11(b)に示す如く、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40の開閉作動が行われることを識別可能な強制停止演出を図柄表示装置17に表示するようにしたので、実行されていた図柄変動演出が突如としてはずれ表示で停止することに対して遊技者が不信感を抱くのをより確実に防ぐことができる。また、図柄表示装置17の表示態様を多様化することができるから、遊技の興趣を向上することに繋がる。
実例施のパチンコ機10では、前記図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間に、図13に示す如く、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として図柄変動演出を強制停止可能なことを示唆する示唆演出を実行し得るよう構成したので、開放始動部96へ入賞させて図柄変動演出を強制停止させるか、図柄変動演出を強制停止させることなく最後まで演出を楽しむかを、遊技者が適宜に選択することが可能となる。また、示唆演出を実行することで、実行されていた図柄変動演出が突如としてはずれ表示で停止することへの遊技者の不信感を招くことを防ぐことができる。実施例では、図2に示す如く、開放始動部96は前記第2球流下領域75bに開口するように位置しているので、該開放始動部96にパチンコ球を入賞させるためには「右打ち」を行う必要がある。言い替えると、遊技者が「左打ち」を行っている限りは、開放始動部96にはパチンコ球が入賞しないよう構成されているので、遊技者が意図しないのに開放始動部96にパチンコ球が入賞してしまって、図柄変動演出を強制停止させるか、図柄変動演出を強制停止させることなく最後まで演出を楽しむかを、遊技者が選択し得なくなる事態が発生するのを防止し得る。
実施例のパチンコ機10は、前記操作ハンドル16に発射強度変更ボタン16bを備えており、「左打ち」を行っている状態で前記操作レバー16aの回動量を変更することなく、発射強度変更ボタン16bを操作するだけで「右打ち」を行うことができる。また、発射強度変更ボタン16bの操作を解除すれば、再び「左打ち」に戻るように構成されているので、前記開放始動部96へパチンコ球を入賞させた後に、発射強度変更ボタン16bの操作を解除すれば、もともと「左打ち」していたときの発射強度に戻すことができ、「右打ち」から「左打ち」に戻す際に発射強度を調節することによる無駄球が多く発生するのを抑制し得る。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aの特図当り判定のり判定結果が当りの判定結果となることを契機として行われる図柄変動演出においては、当該図柄変動演出の開始からの経過時間が遅い演出実行タイミングで示唆演出が行われ易くなる一方で、前記メイン制御CPU60aの特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となることを契機として行われる図柄変動演出においては、当該図柄変動演出の開始からの経過時間が遅い演出実行タイミングで示唆演出が行われ易くなるよう構成されている。従って、図柄変動演出の変動中に意図的に前記開放始動部96にパチンコ球を入賞させて、示唆演出がどのタイミングで表示されるのかによって、変動中の図柄変動演出が当りであるのかはずれであるのかを遊技者に推測させる斬新な遊技性を創出することができる。
ここで、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aでの特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となることを契機として実行した図柄変動演出が行われている間に、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40を開閉作動することが決定された場合に、当該図柄変動演出をはずれの結果として強制的に停止させ得るよう構成されているので、前記示唆演出が図柄表示装置17に表示された際にわざと開放始動部96にパチンコ球を入賞させて、当りの図柄変動演出(特図変動表示)をはずれとすることが可能である。すなわち、図柄変動演出の内容から、当該図柄変動演出が特図当り判定の判定結果が当りの判定結果となることを契機として実行された図柄変動演出で、かつ当該当りが遊技者にとって有利でない当り(例えば第2の大当り遊技が付与される大当り)であると推測した場合に、遊技者自身によって当該当りをわざとはずれとして、遊技者にとってより有利な大当り遊技が付与される当りに期待して遊技を行い得るという斬新な遊技性を創出することができ、興趣を向上し得る。
(第1の別実施例について)
次に、第1の別実施例に係るパチンコ機10について説明する。なお、第1の別実施例では、図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止するか計時を中断するかの判定処理が異なり、その他の構成は前述した実施例と同じである。前述した実施例では、前記開放始動部96への入賞を契機として図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止処理するか計時中断処理するかを選択するよう構成したが、第1の別実施例のパチンコ機10では、特定条件の成立時に図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止処理するか計時中断処理するかを選択する強制停止実行可否判定処理を行うよう構成されている。
第1の別実施例では、前記始動入賞口30,31への入賞(始動入賞検出センサ34,35の球検出)を契機とした特図当り判定が実行されることを特定条件の成立として強制停止実行可否判定処理をメイン制御CPU60aが実行するよう構成される。すなわち、特図当り判定が行われてから図柄変動演出(特図変動表示)が開始されるまでに、当該図柄変動演出(特図変動表示)を実行している間に前記開放始動部96へパチンコ球が入賞して特別入賞部40の開放作動を決定(特殊遊技を決定)した場合に強制停止するか、あるいは計時を中断するかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。言い替えると、第1の別実施例では、開放始動部96への入賞を契機として特殊遊技を決定した場合に、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止するか、実行中の図柄変動演出(特図変動表示)の計時を中断するかを、特図当り判定を実行する毎にメイン制御CPU60aが決定する。また、第1の別実施例では、始動入賞口30,31への入賞を契機として取得した入賞情報に基づいて決定された特図の種類によって、強制停止処理するか計時中断処理するかを選択するよう構成される。
ここで、前記特図の種類毎に設定される強制停止処理するか計時中断処理するかの決定割合は、前記開放始動部入賞処理判定用乱数および開放始動部入賞処理判定値を用いて、前述した特図変動パターン毎に設定される決定割合の決定方法と同様にして決められるようになっている。具体的には、図17に示す如く、前記特図当り判定で当選した場合(当りとなる場合)に、大当り図柄として決定された特図が図柄A,aに分類された特図である場合は、メイン制御CPU60aが、10%の割合で強制停止処理を選択すると共に90%の割合で計時中断処理を選択するように、開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。また、特図当り判定で当選した場合に、大当り図柄として決定された特図が図柄B,bに分類された特図である場合は、メイン制御CPU60aが、30%の割合で強制停止処理を選択すると共に70%の割合で計時中断処理を選択するように、開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。これに対し、特図当り判定で当選しなかった場合(はずれの場合)は、メイン制御CPU60aが、50%の割合で強制停止処理を選択すると共に50%の割合で計時中断処理を選択するように、開放始動部入賞処理判定値が「強制停止処理」および「計時中断処理」に割当てられている。すなわち、特図当り判定で当選した場合の方が、当選しなかった場合より計時中断処理が選択される確率が高く設定されている。また、特図が図柄Aの種類で付与される第1の大当り遊技と、特図が図柄Bの種類で付与される第2の大当り遊技とでは、前述したように確変状態が付与される点で第1の大当り遊技の方が第2の大当り遊技より遊技者にとって有利な大当り遊技であり、また特図が図柄aの種類で付与される第3の大当り遊技と、特図が図柄bの種類で付与される第4の大当り遊技とでは、前述したように確変状態が付与される点で第3の大当り遊技の方が第4の大当り遊技より遊技者にとって有利な大当り遊技である。すなわち、遊技者にとって有利な大当り遊技が付与される場合の方が、計時中断処理が選択される確率が高く設定されている。
前記強制停止実行可否判定処理について、図18を参照して具体的に説明する。強制停止実行可否判定処理では、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した場合に、メイン制御CPU60aは、前記開放始動部96への入賞を契機として図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止してはずれ表示を図柄表示装置17(特図表示部50A,50B)に表示する強制停止処理を実行するか、または開放始動部96への入賞を契機として前記変動タイマ60dによる計時を中断して前記特別入賞部40の開閉作動を終了した以後に計時を再開する計時中断処理を実行するかを選択する(ステップD11)。そして、メイン制御CPU60aは、図17に示す割合によって強制停止処理するか計時中断処理するかを選択し、強制停止処理を選択した場合は、強制停止フラグを「1」とする(ステップD12)。これに対し、メイン制御CPU60aは、計時中断処理を選択した場合は、強制停止フラグを「0」とする。強制停止フラグを設定することで、メイン制御CPU60aは強制停止実行可否判定処理を終了する。すなわち、メイン制御CPU60aは、開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として強制停止処理を実行するか、または計時中断処理を実行するかを選択する開放始動部入賞処理選択手段としての機能を有している。
第1の別実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置17に図柄変動演出の結果が表示される前に、前記開放始動部96にパチンコ球が入賞し、前記メイン制御CPU60aが前記特別入賞部40の開閉作動を決定した場合は、該メイン制御CPU60aは、前記強制停止フラグを確認して、強制停止フラグが「1」である場合には強制停止処理を実行し、強制停止フラグが「0」である場合には計時中断処理を実行する。
このように、第1の別実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間に開放始動部96への入賞を契機として特別入賞部40の開閉作動を決定した場合に、メイン制御CPU60aの選択に基づいた強制停止処理または計時中断処理が行われるようにしたので、遊技のバリエーションを豊かにすることができ、遊技の興趣を向上し得る。また、図柄変動演出が強制停止される場合と、変動タイマ60dによる計時が一時的に中断される場合との組合せが特図当り判定の判定結果や特図変動パターンによって画一的に定まることがないから、特図当り判定の判定結果が識別されるのを防止できる。また、強制停止処理または計時中断処理の選択は、前記図柄表示装置17で図柄変動演出が開始される以前に行われるので、変動時間が短かい図柄変動演出が行われる場合であっても余裕をもって強制停止処理または計時中断処理を確実に実行できる。
(第2の別実施例について)
次に、第2の別実施例に係るパチンコ機10について説明する。なお、第2の別実施例では、開放始動部96に入賞した場合に開放される入賞部が異なり、その他の構成は前述した実施例と同じである。前述した実施例では、大当り遊技に開閉作動する特別入賞部40を、前記開放始動部96への入賞を契機として開閉作動するよう構成したが、第2の別実施例のパチンコ機10では、開放始動部96への入賞を契機として開閉作動可能な別の特別入賞部100を設けている。
すなわち、第2の別実施例に係るパチンコ機10の遊技盤20には、図19に示す如く、特別入賞部40,100として、特別入賞口41を特別入賞開閉部材43で開閉する第1の特別入賞部40と、特別入賞口101を特別入賞開閉部材102で開閉する第2の特別入賞部100とが設けられている。第1の特別入賞部40は、前述した実施例と同じく、大当り遊技が付与される場合に特別入賞開閉部材43が開閉作動される大当り遊技用の特別入賞部である。そして、第2の特別入賞部100は、前記開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として前記メイン制御CPU60aが開閉作動することを決定した場合に特別入賞開閉部材102が開閉作動される特殊開放用の特別入賞部として構成されている。
このように、大当り遊技において開閉作動可能な第1の特別入賞部40と、開放始動部96へのパチンコ球の入賞を契機として開閉作動可能な第2の特別入賞部100とを個別に備えるよう構成することで、特別入賞部40,100の開放契機に応じてパチンコ球の入賞確率を調節することができる。また、特別入賞部40,100の開放契機を、作動した特別入賞部40,100の種類により識別することができる。
(変更例)
本願発明は前述した実施例や別実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、図柄変動演出を強制停止する場合に、図柄表示装置(図柄表示手段)にはずれ表示を表示する前に、該図柄表示装置に強制停止演出を表示するよう構成したが、強制停止演出を表示することなく強制はずれ表示を表示したり、強制停止演出を表示した後に通常はずれ表示を表示することができる。
(2) 実施例では、示唆演出を実行可能な演出実行タイミングを複数から抽選により決定するよう構成したが、特図変動パターン毎に演出実行タイミングが予め設定されている構成であってもよい。
(3) 実施例では、図柄変動演出(図柄変動表示)の計時を中断した場合に、計時の中断中に図柄変動演出を図柄表示装置に表示するよう構成したが、計時の中断中は図柄表示装置に図柄変動演出を表示しないようにしてもよい。
(4) 実施例では、図柄変動演出(図柄変動表示)の計時を中断した場合に、計時の中断中に図柄変動演出を図柄表示装置の第1の表示領域に変動表示するよう構成したが、計時の中断が決定された時の表示で止めた画像を、計時が再開されるまで第1の表示領域に表示するようにしてもよい。なお、図柄表示装置での図柄変動演出の表示を止めた場合に、別の表示手段で図柄変動が継続していることを表示するようにしてもよい。
(5) 示唆演出として、実施例のように「図柄変動を強制的に止められるかも?」の文字を表示すると共に、開放始動部への入賞によって図柄変動演出を強制停止することが可能な期間をカウトダウン表示することができる。すなわち、示唆演出の演出実行タイミングに合わせて強制停止可能期間を設定し、該強制停止可能期間の開始時に前記文字を表示すると共に強制停止可能期間が終了するまでの時間をカウントダウン表示することができる。
(6) 実施例では、示唆演出の実行可否の確率を、特図当り判定の結果および決定された特図の種類によって異なるよう設定したが、メイン制御CPUが決定した変動パターンや演出制御CPUが決定した演出パターンの種類によって実行可否の確率が異なるように設定してもよい。変動パターンや演出パターンの種類によって示唆演出の実行可否の確率を変える場合、該パターンで特定される演出内容に応じて確率を変えたり、該パターンで特定される変動時間の長さによって確率を変えることができる。例えば、リーチ演出が実行される変動パターンや演出パターンに設定される示唆演出が実行される確率を、リーチ演出が実行されない変動パターンや演出パターンに設定される示唆演出が実行される確率より高しくたり、逆に確率を低くしたりすることができる。また、リーチ演出の種類(ノーマルリーチとスーパーリーチ)の違いによって、当りが付与される期待値が高いリーチ演出が実行される変動パターンや演出パターンに設定される示唆演出が実行される確率を、期待値が低いリーチ演出が実行される変動パターンや演出パターンに設定される示唆演出が実行される確率より高くしたり、逆に確率を低くしたりすることができる。
(7) 示唆演出の実行可否の確率は、遊技状態に応じて異なるように設定することもできる。例えば、通常状態、変短状態、確変状態の順で、示唆演出が実行される確率が高くなるように設定したり、逆に確率が低くなるように設定することができる。また、確変状態でかつ非変短状態の遊技状態と、確変状態でかつ変短状態の遊技状態とで、一方の遊技状態の場合より他方の遊技状態の場合の方を、示唆演出が実行される確率を高く設定することができる。更に、特図の種類や変動パターンの種類と、遊技状態の種類との組合せによって示唆演出の実行可否の確率が異なるように設定することもできる。
(8) 実施例では、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)の選択期間に開放始動部への入賞を契機として特別入賞部を開閉作動することを決定した場合には、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を開始する際の特図開始処理においてメイン制御CPUが決定した特図変動パターンに基づいて、変動の強制停止および変動の計時中断の何れかをメイン制御CPUが決定するよう構成したが、該選択期間の間に特定期間を設定し、開放始動部への入賞を契機として特別入賞部を開閉作動することを決定したタイミングが該特定期間の場合には、メイン制御CPUが変動の強制停止を決定する構成を採用し得る。このように、変動中の図柄変動演出(特図変動表示)を強制停止できる特定期間を設定することで、遊技の興趣を向上し得る。また、前記特定期間は、変動中の図柄変動演出を特定する特図変動パターンの種類によって異ならせるようにしてもよい。
(9) 実施例では、示唆演出を実行することを決定した場合に、該示唆演出を実行する演出実タイミングを別の抽選によって決定するようにしたが、示唆演出の実行可否と演出実行タイミングとを演出制御CPUが同時に決定するようにしてもよい。
(10) 開放始動部に、パチンコ球(遊技球)を検出可能な開放入賞検出センサを備えた複数の通路を設けると共に、開放始動部に入賞したパチンコ球を各通路に振り分け可能な振分け手段を設け、パチンコ球が振り分けられた通路によって図柄変動演出が強制停止されるのか計時が中断されるのかが決まる構成を採用し得る。
(11) 実施例では、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に、強制停止処理を実行するか計時中断処理を実行するかを選択するよう構成したが、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に、強制停止処理を実行することを決定するように構成してもよい。このように、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に強制停止処理を実行することを一義的に決定するよう構成することで、遊技者にとって煩わしいはずれの図柄変動演出が長く続くの抑制して遊技の進行速度を速めることができ、興趣を向上し得る。また、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に、計時中断処理を実行することを決定するように構成してもよい。
(12) 実施例では、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、強制停止処理を実行するか計時中断処理を実行するかを選択するよう構成したが、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、強制停止処理を実行することを決定するように構成してもよい。また、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、計時中断処理を実行することを決定するように構成してもよい。このように、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に計時中断処理を実行することを一義的に決定するよう構成することで、遊技者にとって有利な当り判定手段の判定結果を廃棄することなく有効に利用して遊技の興趣を向上し得る。
(13) 実施例では、当り判定手段の判定がはずれの判定結果および当りの判定結果の何れの場合にも、強制停止処理を実行するか計時中断処理を実行するかを選択するよう構成したが、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に、強制停止処理を実行することを決定し、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、計時中断処理を実行することを決定するように構成してもよい。逆に、当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、強制停止処理を実行することを決定し、当り判定手段の判定がはずれの判定結果の場合に、計時中断処理を実行することを決定するように構成してもよい。
(14) 当り判定手段の判定が当りの判定結果の場合に、当りの種類(特図の種類)によって、強制停止処理するか計時中断処理するかを一義的に決定する構成を採用し得る。すなわち、遊技者に与える価値が高い第1の当りの種類(確変状態や変短状態を付与する当り)の場合には、計時中断処理を実行することを決定し、遊技者に与える価値が前記第1の当りの種類より低い第2の当りの種類(確変状態や変短状態を付与しない当り)の場合には、強制停止処理を実行することを決定するように構成する。
(15) 第1の別実施例では、特図の種類によって強制停止処理を実行するか計時中断処理を実行するかを所定の割合で選択するよう構成したが、特図の種類によって強制停止処理または計時中断処理が一義的に決定される構成であってもよい。また、確変状態が付与される大当り遊技と、確変状態が付与されない大当り遊技とで、強制停止処理および計時中断処理の選択割合を変えたり、変短状態が付与される大当り遊技と、変短状態が付与されない大当り遊技とで強制停止処理および計時中断処理の選択割合を変えることができる。
(16) 実施例では、特図変動パターンの種類によって強制停止処理を実行するか計時中断処理を実行するかの選択割合が異なるようにしたが、遊技状態に応じて異なるように設定することもできる。例えば、通常状態、変短状態、確変状態の順で、強制停止処理が選択される割合が低くなる一方で、計時中断処理が選択される割合が高くなるように設定したり、逆に通常状態、変短状態、確変状態の順で、強制停止処理が選択される割合が高くなる一方で、計時中断処理が選択される割合が低くなるように設定することができる。また、確変状態でかつ非変短状態の遊技状態と、確変状態でかつ変短状態の遊技状態とで、一方の遊技状態の場合より他方の遊技状態の場合の方を、強制停止処理または計時中断処理が選択される割合を高く設定することができる。更に、特図の種類や変動パターンの種類と、遊技状態の種類との組合せによって強制停止処理および計時中断処理の選択割合が異なるように設定することもできる。
また、強制停止処理および計時中断処理の決定割合が異なる特図変動パターンが決定される割合が、遊技状態に応じて異なるように設定することができる。例えば、確変状態のように通常状態より遊技者に与える価値が高い遊技状態の方が、遊技者に与える価値が低い遊技状態より計時中断処理の選択割合が高い特図変動パターンが決定される割合を高くしたり、逆に低くすることもできる。更に、確変状態の場合に決定可能な実施例で設定した特殊当り特図変動パターンについて、確変状態では複数種類の特殊当り特図変動パターンから決定可能に構成する一方で、通常状態や非変短状態では確変状態で決定可能な数より少ない数の特殊当り特図変動パターンからしか特殊当り特図変動パターンを決定することができないようにする等、遊技状態によって決定可能な特図変動パターンの数を異ならせることができる。
(17) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(18) また、実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(19) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(20) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
〔付記1〕
付記1の発明は、
請求項1記載の構成を備えた遊技機に関し、
前記開放始動部(96)への遊技球の入賞を契機として図柄変動演出を強制停止可能なことを示唆する示唆演出が設定され、
前記当り判定手段(60a)の判定がはずれの判定結果となることを契機として実行した図柄変動演出の結果を前記図柄表示手段(17)に表示する前に、前記示唆演出を当該図柄表示手段(17)で実行し得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、図柄変動演出が行われている間に、開放始動部への遊技球の入賞を契機として図柄変動演出を強制停止可能なことを示唆する示唆演出を実行し得るようにすることで、開放始動部へ入賞させて図柄変動演出を強制停止させるか、図柄変動演出を強制停止させることなく最後まで演出を楽しむかを、遊技者が適宜に選択することが可能となる。また、示唆演出を実行することで、実行されていた図柄変動演出が突如としてはずれ表示で停止することへの遊技者の不信感を招くことのを防ぐことができる。
〔付記2〕
付記2の発明は、
付記1記載の構成を備えた遊技機に関し、
図柄変動演出の開始から終了までの間に設定された複数の演出実行タイミング(TK1〜TK5)から前記示唆演出を実行する演出実行タイミング(TK1〜TK5)を決定するタイミング決定手段(65a)を備え、
前記当り判定手段(60a)の判定がはずれの判定結果となることを契機として図柄変動演出が行われる場合には、図柄変動演出の開始からの経過時間が短い演出実行タイミング(TK1〜TK5)を前記タイミング決定手段(65a)が決定する割合が高くなるよう構成されたことを要旨とする。
このように、当り判定手段の判定がはずれの判定結果となることを契機として行われる図柄変動演出において、当該図柄変動演出の開始からの経過時間が短い演出実行タイミングで示唆演出が行われ易くなるから、開放始動部へ入賞させて図柄変動演出を強制停止させるか否かを遊技者が適宜に選択することが可能となる。