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JP6233234B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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JP6233234B2
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Description

本発明は、エンジンの制御装置に関するものである。
車両における燃費向上のために、車両停止時や停止直前の極低速時にエンジンを自動停止させるいわゆるアイドルストップを行うものが多くなっている。このアイドルストップは、あらかじめ設定された停止条件が成立しているを条件に実行され、この開始条件としては、例えば、車速が零であること(車両停止であること)、ブレーキ操作されていること、アクセル操作されていないこと、変速機がDレンジにある等の全ての条件を満足するものとして設定されることが一般的である。
一方、車庫入れ等の駐車操作(駐車のための操作)を行う際に、停車を間に挟んで、低車速での前進走行と低車速での後退走行とが繰り返される場合も多く生じる。この場合、停車毎にアイドルストップが行われると、駐車のための運転操作を行う上で煩わしいものとなる。特許文献1には、自動変速機のシフトレバーが後退走行となるRレンジとされたときに、アイドルストップを禁止する車庫入れフラグを立てて、この後は、シフトレバーがRレンジ以外でかつ車速が所定車速以上となったことを条件として車庫入れフラグを解除することが開示されている。
特開2011−27072号公報
前述した特許文献1に記載のものでは、車庫入れではない通常の前進走行時であるにもかかわらず、車庫入れフラグの解除がなかなか行われず、このため燃費向上の上で好ましくない事態を生じることがある。具体的には、例えば駐車操作後に前進走行を開始した際の道路状況が渋滞状態であると、車速が所定車速まで上昇しないために車庫入れフラグが立てられたままとなってしまい、このため、走行を開始して相当の時間が経過しているにもかかわらずアイドルストップが実行されずに、燃費が悪化してしまう事態を生じることになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、駐車操作を行う際にアイドルストップを禁止する場合に、このアイドルストップ禁止状態を極力早い時期に解除できるようにした車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
エンジンの駆動力が自動変速機を介して駆動輪に伝達され、あらかじめ設定されたアイドルストップ条件が満足されたときにエンジン自動停止を行うようにしたエンジンの制御装置であって、
あらかじめ設定された判定条件に基づいて駐車操作中であることを判定する駐車判定手段と、
前記駐車判定手段によって駐車操作中であることが判定されたときに、アイドルストップによるエンジン自動停止を禁止する禁止手段と、
前記禁止手段によるエンジン自動停止の禁止を解除する解除手段と、
を備え、
前記解除手段は、自動変速機のレンジ位置がRレンジ以外でかつ車速が第1車速以上という第1の解除条件と、Rレンジ以外でかつ車速が前記第1車速よりも低く設定された第2車速以上という状態が所定時間以上継続するという第2の解除条件とのいずれか一方の解除条件が満足されたときに、エンジン自動停止の禁止を解除するようにされ、
前記判定条件が、Rレンジの状態で車速が所定車速以上となったことが検出されたときとして設定されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、駐車操作中であるとしてエンジン自動停止が禁止された状態から前進走行を開始する際には、通常であればすみかに車速が第1車速以上となって、エンジン自動停止の禁止状態が早期に解除されることになる。一方、エンジン自動停止が禁止された状態から、前進走行を開始した際の道路状況が渋滞であって、車速が第1車速以上にならない場合(のろのろ運転の場合)は、第1の解除条件のみではエンジン自動停止の禁止状態が長く続いてしまうが、第1車速よりも低い車速とされた第2車速での走行状態が所定時間以上継続すれば、エンジン自動停止の禁止が解除されるので、この場合でもエンジン自動停止の禁止を早期に解除することができる。このように、第1の解除条件と第2解除条件との2つの解除条件を設定することにより、従来ではエンジン自動停止の禁止を解除できなかった状況でも禁止を解除して、アイドルストップによるエンジン自動停止を行う機会を増大させることができる。以上に加えて、実際に後退走行が確認された場合に限って駐車操作中であると判定するので、アイドルストップによるエンジン自動停止をいたずらに禁止してしまう事態が防止されて、エンジン自動停止を行う機会を確保する上で好ましいものとなる。例えば、Rレンジ以外のレンジ位置を選択する場合にRレンジを単に通過する場合や、後退走行する意思はないもののRレンジを選択したままの状態が継続するようなことも応々にして生じるが、このような場合にアイドルストップによるエンジン自動停止を不必要に禁止してしまう事態を防止することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2に記載のとおりである。すなわち、
前記解除手段は、イグニッションスイッチがオフされたときという第3の解除条件が満足されたときにも、エンジン自動停止の禁止を解除する、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、駐車操作中であるとしてエンジン自動停止が禁止されている状態で、イグニッションスイッチがオフされたときは、もはや駐車操作は終了していると判断することができ、この場合もエンジン自動停止の禁止を解除して、アイドルストップによるエンジン自動停止を行う機会を増大させることができる。
本発明によれば、駐車操作中においてはアイドルストップによるエンジン自動停止を禁止した場合に、この禁止状態が不必要に長く継続してしまうのを防止して、早期にエンジン自動停止の禁止を解除することができる。
本発明の制御系統例を示す全体図。 図1に示すエンジン制御用の制御ユニットを中心とした制御ブロック図。 アイドルストップによるエンジン自動停止の制御例を示すフローチャート。 図3の続きで、アイドルストップによるエンジン自動再始動の制御例を示すフローチャート。 駐車判定に関連してアイドルストップによるエンジン自動停止の禁止と禁止解除とを決定する駐車判定フラグの設定の制御例を示すフローチャート。
図1において、1はエンジン、2は自動変速機であり、エンジン1の駆動力が自動変速機2を介して駆動輪(図示略)に伝達される。エンジン1は、実施形態ではガソリンエンジン(火花点火式エンジン)とされている。自動変速機2は、実施形態では、ロックアップクラッチ付のトルクコンバータ3と、遊星歯車式の多段変速機構4とから構成されて、多段変速機構4は前進6段、後進1段とされている。
図1中、5はシフトレバーであり、このシフトレバー5を操作することにより、自動変速機2のレンジ位置として、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの4つのレンジ位置を選択できるようになっている。勿論、Rレンジが後退走行用であり、Dレンジが前進走行用である。なお、シフトレバー5は、Dレンジ位置において、車幅方向一方側に操作することによりマニュアルモードを選択できるようになっており、このマニュアルモードでは、シフトレバー5を前方へ揺動操作することにより例えばシフトダウンが行われ、シフトレバー5を後方へ揺動操作することによりシフトアップが行われる。
図1中、UATは、変速制御を行う制御ユニット(コントローラ)である。この制御ユニットUATには、車速を検出する車速センサ11と、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ34とからの信号が入力される。制御ユニットUATは、車速センサ11で検出された車速と、アクセル開度センサ34で検出されたアクセル開度とに基づいて、あらかじめ設定された変速特性に基づいて、シフトアップあるいはシフトダウンの変速制御を行う。なお、このような制御ユニットUATによる変速制御そのものは従来からよく知られているので、これ以上の説明は省略する。
図1中、100は、エンジン制御を行う制御ユニットあり、特にアイドルストップによるエンジン自動停止とエンジン自動再始動との制御を行うものとなっている。すなわち、後述するアイドルストップによるエンジン自動停止の条件が満足されたときに、燃料カットおよび点火カットを行って、エンジン自動停止を行う。そして、エンジン自動停止の条件が解除されたときに、エンジン自動再始動を行う(燃料復帰と点火実行)。なお制御ユニット100における各種センサや機器類の入出力関係の詳細は、図2に示される。
制御ユニット100には、図2に詳細に示すように、前述した車速センサ11、アクセル開度センサ34からの信号および制御ユニットUATからのレンジ位置信号の他、各種のセンサやスイッチ類、すなわちエンジン回転数センサ11、エアフローセンサ25、吸気圧センサ26、クランク角センサ30、31、カム角センサ32、水温センサ33等の入力要素からの信号が入力される。また、制御ユニット100は、その制御対象である燃料噴射弁16、スロットル弁24a、点火装置27、オルタネータ28、スタータ36等の出力要素に対して制御信号を出力する。制御ユニット100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェイスおよびこれらを接続するバスを有するマイクロプロセッサで構成されている。そして、制御ユニット100は、燃焼制御部101、ピストン位置判定部102、およびスタータ制御部103を論理的に構成している。
燃焼制御部101は、エアフローセンサ25、吸気圧センサ26、クランク角センサ30、31、カム角センサ32、水温センサ33およびアクセル開度センサ34からの信号に基づき、エンジン1の適正なスロットル開度(吸気量)、燃料噴射量とその噴射タイミング、および適正点火時期を設定し、その制御信号を燃料噴射弁16、スロットル弁24a(のアクチュエータ)、点火装置27に出力する。
本実施形態においては、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン1を自動停止させ、停止後、所定の再始動条件が成立したときに、エンジン1を自動再始動させるように構成されている。本実施形態に係る再始動制御は、再始動条件が成立したときに、スタータ36を併用するスタータ併用再始動制御が実行される。ピストン位置判定部102は、クランク角センサ30、31の信号に基づき、ピストンの位置を演算するものである。このピストン位置判定部102は、エンジン1が自動停止しているときにおけるピストンの停止位置を判定するものである。スタータ制御部103は、キー始動時およびエンジン自動停止制御における再始動において、スタータ36の駆動が必要とされたときに、スタータ36に駆動信号を送り、スタータ36を駆動させる。
制御ユニット100によって、車両停止時にエンジンを自動停止するアイドルストップの制御が行われるが、これは、例えば次のようなアイドルストップ禁止条件の1つでも成立していないことを条件に実行される。換言すれば、上記自動停止禁止条件が成立していないときは、自動停止の条件が成立しているときとされ、特に、車速が0かつブレーキ操作されているときに、自動停止条件が成立しているとされる。
自動停止禁止条件(アイドルストップ禁止条件)
(1)車速が0でないとき。
(2)乗員によるブレーキ操作が行われていないとき。
(3)アクセルペダルが踏み込み操作されているとき。
(4)バッテリに関連して、電圧が所定電圧以下の低電圧のとき、充電量があらかじめ設定された所定充電量以下のとき、消費電流があらかじめ設定された所定電流以上のとき、あるいはバッテリ制御システムが異常のとき(異常信号発生のとき)。
(5)ハンドル舵角がニュートラル位置から所定の小舵角範囲内にないとき。
(6)変速機に関連して、変速機がDレンジ位置にないとき、油温が所定温度範囲内にないとき、油圧が所定圧力範囲内にないとき、変速機異常信号が発生されているとき、クラッチ(ロックアップクラッチを含む)に異常があるとき。
(7)エンジンに関連して、冷却水温度が所定温度範囲にないとき、吸気温度が高すぎるとき、大気圧が低いとき。
(8)負圧式倍力装置を含むブレーキ装置でのブレーキ負圧が不足するとき、あるいはエンジンシステムの異常信号が発生されたとき。
(9)車体回りに関連して、イグニッションキーが車外に持ち出されているとき(スマートキーレスエントリーシステムの場合)、シートベルトが取外されているとき、いずれかのドアが開いているとき、あるいはボンネットが開いているとき。
(10)路面の傾斜角度が大きいとき。
(11)空調用コントローラから自動停止禁止信号が出力されているとき。
(12)後述する駐車操作中と判定されたとき。
上述の自動停止禁止条件はあくまで一例を示すものであり、その他の禁止条件を付加してもよい。例えば、エンジン自動停止を運転者の意思によってキャンセル(禁止)するISスイッチ(図示略)がONされているとき、エンジン回転数があらかじめ設定された回転数(安定したときのアイドル回転数よりもかなり高い回転数)以上の高回転であるととき、等の条件をさらに追加してもよい。逆に、上記禁止条件の一部を削除した設定とすることもできる。
エンジンを自動停止しているアイドルストップ状態からエンジンを自動再始動する自動再始動開始条件としては、上記自動停止禁止条件のいずれか1つが解除されたときとして設定することができるが、特に、少なくとも乗員によるブレーキ操作が解除されたときを自動再始動の条件として設定するのが好ましい。
制御ユニット100は、駐車操作中であると判定したときは、アイドルストップによるエンジン自動停止を禁止し、また後述する解除条件が満足されたときにこの禁止を解除する制御を行う。この駐車操作に関連した制御を行うために、現在のレンジ位置を検出するためのレンジ位置センサ12(図1参照)が設けられる。レンジ位置センサ12で検出されたレンジ位置(を示す信号)が、制御ユニットUATを介して制御ユニット100に入力される。また、制御ユニット100には、車速センサ11からの信号も入力される。なお、レンジ位置センサ12からの信号を直接エンジン制御用の制御ユニット100に入力させるようにしてもよい。
制御ユニット100は、Rレンジ位置でかつ車速が所定車速(例えば1km/h〜3km/h)以上であることが検出されたときに、駐車操作中であると判定して、アイドルストップによるエンジン自動停止を禁止する。すなわち、駐車操作中は、後退走行と前進走行とを繰り返すことが多いことから、後退走行と前進走行との切換え毎にエンジン自動停止を行うと、運転者は煩わしさを感じることから、駐車操作中はアイドルストップによるエンジン自動停止を禁止するようにしてある。
駐車操作中であると判定されることによりエンジン自動停止が禁止された状態で、この禁止を解除するための解除条件が、第1の解除条件と第2の解除条件との2種類設定されている。そして、 制御ユニット100は、第1の解除条件と第2の解除条件とのいずれか一方が満足されたときに、エンジン自動停止の禁止を解除するようになっている。
上記第1の解除条件は、「レンジ位置がRレンジ以外で、かつ車速が第1車速(しきい値で、例えば15km/h)以上のとき」として設定されている。上記第1車速は、駐車操作中では通常では発生しないような車速のうち極力低い車速で、しかも早足での歩行速度よりも早い車速として設定するのが好ましい。
上記第2の解除条件は、「レンジ位置がRレンジ以外で、かつ車速が上記第1車速よりも低い第2車速(しきい値で、例えば5km/h)以上の状態が所定時間(例えば0.2秒〜10秒)以上経過したとき」として設定されている。上記第2車速は、渋滞中にいわゆる「のろのろ運転」されているときの最低車速を考慮して設定され、クリープ走行時での車速として設定したり、早足での歩行速度かそれよりもやや早い速度に設定することができる。換言すれば、第1車速と第2車速との間での車速でもって「のろのろ運転」が所定時間継続されたときに、エンジン自動停止の禁止が解除されるようにしてある。上記所定時間は、「のろのろ運転」であることが開始されたことが確認できればよいということで、1秒以内という短時間に設定することもできる。
次に、図3、図4のフローチャートを参照しつつ、アイドルストップによるエンジン自動停止と自動再始動の制御例について説明し、その後、図5のフローチャートを参照しつつ、駐車判定に関連したエンジン自動停止の禁止と禁止解除の制御例について説明する。なお、以下の説明でSはステップを示す。
まず、図3により、アイドルストップによるエンジン自動停止の制御例について説明する。図3のS11において、アイドルストップによるエンジン自動停止の条件が成立しているか否かが判別される。この自動停止の条件としては、例えば、車速が0、ブレーキ操作中において、前述した禁止条件が成立していないときとされる。特に、後述する駐車操作中であると判定されているときは(後述する駐車判定フラグFpが1にセットされているとき)は、エンジン自動停止の条件が成立していないとき(禁止状態のとき)とされる。S11の判別でNOのときは、S11の判別が繰り返される。
S11の判別でYESのときは、S12において、オルタネータ制御を含むエンジン回転速度調整制御が開始される。具体的には、エンジン回転速度(回転数)Neを停止前回転速度N1(例えば760rpm)に調整する。そして、S13において、エンジン回転速度(回転数)Neが停止前回転速度N1(例えば760rpm)よりも小さくなったことが確認されると、S14において燃料カットが行われる。この後、S15においてスロットル弁24aを開弁した後、S16において、エンジン回転速度Neが所定の回転速度(例えば500rpm)よりも低くなるのを待機する(S16)。
S16の判別でYESのときは、スロットル弁24aを閉弁する(S17)。その後も、制御ユニット100はオルタネータ制御を継続してピストンの停止位置調整を実行し続け、クランク角センサ30、31の検出値に基づいてエンジン1が完全に停止するのを待機する(S18)。エンジン1が完全に停止するまで、制御ユニット100は、ピストンの停止位置調整を制御し続けると共に、エンジン1が完全に停止した場合には、オルタネータ制御を終了する(S19)。この後、クランク角センサ30、31の検出によってピストン位置判定部102が判定したピストンの停止位置が記憶される(S20)。
S20の後は、エンジン自動再始動の制御となる図4のS21に移行される。すなわち、エンジン制御ユニット100は、エンジン1が停止した後、再始動条件が成立するのを待機する(S21)。再始動条件としては、例えば運転者によるアクセル操作等が例示される。この再始動条件が成立すると、制御ユニット100は、燃焼再始動運転領域であるか否か、すなわちスタータ36によるアシスト条件の成否を判定する(S22)。具体的には、ピストン位置判定部102の判定結果に基づき、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が所定のピストン停止範囲(例えば圧縮上死点前80度から圧縮上死点前40度)にあれば、燃焼再始動運転領域と判定し、それ以外はスタータ併用運転領域(アシスト条件の成立)と判定する。仮に燃焼再始動運転領域であれば、燃焼再始動サブルーチンを実行し(S23)、さらに通常運転制御サブルーチン(S24)を実行して、処理を終了する。燃焼再始動サブルーチンは、例えば本出願人が先に提案している特開2005−2847号公報に開示されたものをそのまま適用することが可能であるので、その詳細については説明を省略する。
他方、S22において、スタータ併用運転領域と判定(アシスト条件が成立したと判定)した場合、制御ユニット100は、ピストンの停止位置から、あらかじめ記憶されたマップからデータを読み取り、停止時吸気行程気筒の燃料噴射量(空燃比)、燃料噴射段、および点火時期を算出する(S25)。この演算により、ピストン停止位置の状態に基づき、停止時吸気行程気筒での燃焼制御が実行されることになる。本設定については、本出願人が先に提案している特開2008ー274821号公報等に開示されたものを適用することができ、その詳細については説明を省略する。
次いで、制御ユニット100は、スタータ36を駆動し(S26)、停止時膨張行程気筒の燃料噴射制御を実行する(S27)。その後、制御ユニット100は、停止時膨張行程軌道での点火制御を実行する(S28)。次に、制御ユニット100は、停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射する(S29)。この燃料噴射制御により、停止時圧縮行程気筒での気化潜熱により温度と圧力が低下するので、停止時圧縮行程気筒での圧縮反力を低減し、エンジン1の再始動をスムーズにすることができる。
次いで、制御ユニット100は、停止時圧縮行程気筒のピストンが圧縮上死点を経過するの待機し(S30)、経過した場合には、停止時圧縮行程気筒の点火プラグを作動させて、混合気を燃焼させる。これにより、停止時圧縮行程気筒でもトルクを出力し、エンジン1の再始動が加勢される。
次いで、制御ユニット100は、S25の演算結果に基づき、停止時吸気行程気筒での燃料噴射制御を実行する(S32)。
S32での燃料噴射制御が終了した後、制御ユニット100は、停止時吸気行程気筒のピストンが圧縮上死点を経過するのを待機する(S33)。そして、停止時吸気行程気筒のピストンが圧縮上死点を経過すると、制御ユニット100は、停止時吸気行程気筒の点火制御を実行する(S34)。
次いで、制御ユニット100は、吹き上がり防止制御を実行する(S35)。この吹き上がり防止制御は、停止時吸気行程気筒の次に吸気行程に移行する停止時排気行程気筒と、その後、順番に吸気行程を迎える各気筒のそれぞれに、吸気通路から大気圧に近い状態の空気が吸入されて、比較的高い空気充填状態になることを考慮し、吸気管負圧が比較的小さい間(吸気圧力が高い間)は、各気筒の点火時期をリタードさせることによって、過度なトルクの増大を抑制する制御である。
吸気管負圧が比較的大きくなると、制御ユニット100は、S24に移行し、処理を終了する。以上説明したように、本実施形態では、ピストン停止位置に応じて好適な燃料供給が実行される。
次に、図5に示すフローチャートを参照しつつ、上述した制御ユニット100による駐車操作に関連したエンジン自動停止の禁止とその解除との制御について説明する。なお、以下の説明で、駐車判定フラグとなるFp=1のときがアイドルストップによるエンジン自動停止を禁止するときであり、Fp=0のときが当該禁止を解除するときを示す。換言すれば、駐車判定フラグFpが1のときは、前述したアイドルストップによるエンジン自動停止の禁止条件の1つを構成するものとなっている。なお、駐車判定フラグFpは、当初は0にイニシャライズされている。
まず、S41において、Rレンジであるが否かが判別される。このS41の判別でYESのときは、S42において、車速が所定車速(例えば1km/h〜3km/h)以上であるか否かが判別される。このS42の判別でNOのときは、駐車操作が行われていないときであるとして、制御が終了される。S42の判別でYESのときは駐車操作中であるとして、S43において、駐車判定フラグFpが1にセットされて、アイドルストップによるエンジン自動停止が禁止される(駐車判定フラグFpが1のときは、停止条件が成立していないときであるとして、図3のS11での判別がNOとなる)。
前記S41の判別でNOのときは、S44において、駐車判定フラグFpが1であるか否かが判別される。このS44の判別でNOのときは、そのままリターンされる。S44の判別でYESのときは、S45において、前述した第1の解除条件が満足されているか否かが判別される。すなわち、「Rレンジ以外でかつ車速が第1車速以上」であるか否かが判別される。このS45の判別でYESのときは、S46において、駐車判定フラグFpが0にリセットされる(エンジン自動停止の禁止の解除)。この後、S47において、後述する第2解除条件を判定するために用いるタイマがリセットされる。なお、タイマは、後述する更新(カウントアップ)されない限り、0の状態が維持される。
前記S45の判別でNOのときは、S48〜S50の処理によって、前述した第2の解除条件が成立しているか否かが判定される。すなわち、まずS48において、車速が第2車速以上であるか否かが判別される。このS48の判別でNOのときは、そのままリターンされる(駐車判定フラグFpが1にセットされた禁止状態の維持)。S48の判別でYESのときは、S49において、タイマが更新(カウントアップ)される。S49の後、S50において、タイマが所定値(所定時間)以上であるか否かが判別される。このS50の判別でNOのとき、つまり第2車速以上の状態が所定時間継続しないときは、そのままリターンされる(駐車判定フラグFpが1にセットされた禁止状態の維持)。S50の判別でYESのときは、S46に移行されて、エンジン自動停止の禁止が解除される。
ここで、駐車操作に関連したエンジン自動停止の禁止の解除条件として、前述した第1の解除条件と第2の解除条件とに加えて、さらに第3の解除条件を設定することもできる。すなわち、イグニッションスイッチがオフされたときも、エンジン自動停止の禁止を解除するようにしてもよい。この場合、図5のフローチャートにおいては、S48の判別でNOのときあるいはS50の判別でNOのときは、さらに、イグニッションスイッチ(図示略)がオフされたか否かを判別するステップを設けて、イグニッションスイッチがオフされたと判別されたときはS46に移行し(禁止の解除)、イグニッションスイッチがオフされていないと判別されたときはリターンされるようにすればよい。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。エンジン1としては、火花点火式エンジンに限らず、圧縮着火式エンジン(ディーゼルエンジン)等、適宜の形式のエンジンとすることができる。また、自動変速機2としては、例えばCVT(無段変速機)や、トルクコンバータを有しないデュアルクラッチ式等、適宜の形式のものとすることができる。
本発明は、駐車操作中にアイドルストップによるエンジン自動停止を禁止する場合に、この禁止を極力早期に解除して、アイドルストップによるエンジン自動停止の機会を増大させる上で好ましいものとなる。
100:制御ユニット(アイドルストップ制御)
UAT:制御ユニット(変速制御)
1:エンジン
2:自動変速機
5:シフトレバー(レンジ位置選択)
11:センサ(車速)
12:センサ(レンジ位置)
34:センサ(アクセル開度)

Claims (2)

  1. エンジンの駆動力が自動変速機を介して駆動輪に伝達され、あらかじめ設定されたアイドルストップ条件が満足されたときにエンジン自動停止を行うようにしたエンジンの制御装置であって、
    あらかじめ設定された判定条件に基づいて駐車操作中であることを判定する駐車判定手段と、
    前記駐車判定手段によって駐車操作中であることが判定されたときに、アイドルストップによるエンジン自動停止を禁止する禁止手段と、
    前記禁止手段によるエンジン自動停止の禁止を解除する解除手段と、
    を備え、
    前記解除手段は、自動変速機のレンジ位置がRレンジ以外でかつ車速が第1車速以上という第1の解除条件と、Rレンジ以外でかつ車速が前記第1車速よりも低く設定された第2車速以上という状態が所定時間以上継続するという第2の解除条件とのいずれか一方の解除条件が満足されたときに、エンジン自動停止の禁止を解除するようにされ、
    前記判定条件が、Rレンジの状態で車速が所定車速以上となったことが検出されたときとして設定されている、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記解除手段は、イグニッションスイッチがオフされたときという第3の解除条件が満足されたときにも、エンジン自動停止の禁止を解除する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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