JP6227900B2 - 電動式クランプ装置 - Google Patents
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Description
駆動ロッドと従動ロッドとの間に、その従動ロッドを下方へ付勢する圧縮コイルばねが装着される。ロック駆動時には、下限位置に移動された従動ロッドに対して電動機が駆動ロッドを下降させて、上記の圧縮コイルばねを収縮させる。これにより、その圧縮コイルばねの付勢力が従動ロッドを介してクランプアームをロック駆動する。
上記の圧縮コイルばねは、駆動ロッドと従動ロッドとの間の狭いスペースに装着されるので、その付勢力が小さい。このため、電動式クランプ装置のロック駆動力も小さくなる。
本発明の目的は、ロック駆動力が強力でコンパクトに造れる電動式クランプ装置を提供することにある。
即ち、ロック側とリリース側とに軸心方向へ移動可能にハウジング1に挿入された出力ロッド20と、前記ハウジング1に取り付けられた電動機5の回転運動を直進運動へ変換して前記出力ロッド20へ伝達する変換機構24と、前記出力ロッド20を前記ロック側へ付勢するように前記ハウジング1の前記リリース側の端部3aに受け止められるクランピングばね43と、前記電動機5が前記変換機構24を介して前記出力ロッド20を前記リリース側へ駆動したときに前記クランピングばね43の付勢力を前記ハウジング1に受け止める状態と当該電動機5が前記変換機構24を介して前記出力ロッド20を前記ロック側へ駆動したときに当該クランピングばね43の付勢力を前記出力ロッド20へ伝達する状態とに切換えるように構成されたクラッチ機構Cと、を備える。
ロック駆動時には、クラッチ機構により、ハウジングに受け止められていたクランピングばねの付勢力を出力ロッドへ伝達できる。また、上記クランピングばねの装着箇所は、前述した従来技術とは異なり、狭いスペースに制限されず、ハウジング内の空間を有効に利用できる。
このため、電動式クランプ装置は、強力なクランピングばねを採用することとコンパクトに造ることとを両立できる。また、そのクランピングばねは、前記クラッチ機構により、負荷が大きいロック駆動時だけに伸長させることが可能なので、そのロック駆動時に大きな付勢力を確保できる。
前記クラッチ機構Cは、前記出力ロッド20の外周側に軸心方向へ移動可能に配置されるともに前記クランピングばね43の付勢力を受け止める伝動部材44と、当該伝動部材44よりもロック側で前記出力ロッド20の外周側に周方向へ所定の間隔をあけて配置された複数の伝動ボール45と、前記出力ロッド20の外周面にロック側からリリース側へ形成されたガイド面46及び伝動面47と、を備え、前記電動機5が前記変換機構24を介して前記出力ロッド20を前記リリース側へ駆動したときには、前記ガイド面46が前記伝動ボール45を半径方向の外方位置に保持し、これにより、前記クランピングばね43の付勢力が前記伝動部材44と前記伝動ボール45とを介して前記ハウジング1に受け止められ、前記電動機5が前記変換機構24を介して前記出力ロッド20を前記ロック側へ駆動したときには、前記ハウジング1に設けた押部50が前記伝動ボール45を半径方向の内方へ移動させて当該伝動ボール45を前記伝動面47に係合させ、これにより、前記クランピングばね43の付勢力が前記伝動部材44と前記伝動ボール45とを介して前記出力ロッド20へ伝達される。
この場合、クラッチ機構を簡素かつコンパクに構成できるので、電動式クランプ装置をさらにコンパクトに造れる。
前記ハウジング1の前記リリース側の端部3aから前記ロック側へ環状壁35を突出させると共に、その環状壁35に前記出力ロッド20を挿入し、前記出力ロッド20の外周に周方向へ所定の間隔をあけて複数のガイド溝37を設け、前記の各ガイド溝37は、ロック側からリリース側へ連ねて形成された旋回溝38と直進溝39とを有し、前記の各ガイド溝37に嵌合する係合部材40を前記環状壁35に設けた。
この場合、出力ロッドが旋回するタイプの電動式クランプ装置を具現化できる。
また、前記電動機5を減速機付き電動機によって構成してもよい。
まず、図1によって電動式クランプ装置の全体構造を説明する。
下ハウジング2の右壁にステッピングモータ(電動機)5の左部が固定される。また、下ハウジング2内に減速機6が装着される。
その減速機6は、この実施形態では、曲がり歯式の傘歯車機構7を有する。その傘歯車機構7は、ステッピングモータ5の出力軸(図示せず)に連結された小歯車8と、その小歯車8と噛み合う大歯車9とを備える。その大歯車9のシャフト10が上下のベアリング11,12によって回転可能に支持される。
その直進部材26の上部が出力ロッド20のT脚30に上下方向へ同行移動可能に連結される。また、直進部材26の筒孔に形成されたメネジ32に、前記シャフト10に固定したオネジ33が螺合される。
その伝動部材44よりも下側で出力ロッド20の外周側に、周方向へ所定の間隔をあけて複数の伝動ボール45が配置される。また、出力ロッド20の外周面にはガイド面46と伝動面47とが下側から上側へ形成される。
上記の伝動部材44と伝動ボール45とガイド面46と伝動面47とがクラッチ機構Cの主要部を構成している。
図1のリリース状態では、ステッピングモータ5がリリース回転されて、そのステッピングモータ5が減速機6とオネジ33とを介して直進部材26を上限位置へ上昇させ、その直進部材26の肩部26aが出力ロッド20を上限位置へ上昇させている。これにより、その出力ロッド20及びクランプアーム21がリリース状態に切り換えられている。
そして、上記リリース状態では、前記ガイド面46が伝動ボール45を半径方向の外方位置に保持し、これにより、クランピングばね43が収縮されると共に、そのクランピングばね43の付勢力が伝動部材44と伝動ボール45とを介して上ハウジング3の保持領域49に受け止められている。
すると、図2に示すように、まず、出力ロッド20(及びクランプアーム21)が前記の旋回溝38に沿って旋回しながら下降していく。そして、その出力ロッド20に設けた伝動面47が所定位置に下降したときに、前記保持領域49の内周側に設けた押部50が伝動ボール45を半径方向の内方へ押し、上記伝動ボール45が伝動面47に係合し始める。
すると、図2に示すように、まず、出力ロッド20(及びクランプアーム21)が前記の直進溝39に沿って真っ直ぐに上昇していくと共に、その出力ロッド20に設けた伝動面47が伝動ボール45と伝動部材44を介してクランピングばね43を収縮させていく。そして、その伝動面47が所定位置に上昇したときに、当該伝動面47の下部が伝動ボール45を半径方向の外方へ押していく。
クランプ装置は、出力ロッド20が旋回しながら下降すると共に上下方向へ直進するような例示の構造に代えて、その出力ロッドが上下方向へ直進するだけの構造であってもよい。
前記クランピングばね43は、例示の圧縮コイルばねに代えて、皿ばね等の他の種類のばねであってもよい。
電動機5は、例示のステッピングモータに代えて他の種類のモータであってもよく、減速機付きモータであってもよい。
電動機5の出力軸の軸心と出力ロッド20の軸心とを直交させた例示の構造に代えて、上記の軸心同士を同軸に配置したり平行に配置することも可能である。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (4)
- ロック側とリリース側とに軸心方向へ移動可能にハウジング(1)に挿入された出力ロッド(20)と、
前記ハウジング(1)に取り付けられた電動機(5)の回転運動を直進運動へ変換して前記出力ロッド(20)へ伝達する変換機構(24)と、
前記出力ロッド(20)を前記ロック側へ付勢するように前記ハウジング(1)の前記リリース側の端部(3a)に受け止められるクランピングばね(43)と、
前記電動機(5)が前記変換機構(24)を介して前記出力ロッド(20)を前記リリース側へ駆動したときに前記クランピングばね(43)の前記ロック側への付勢力を前記ハウジング(1)に受け止める状態と、当該電動機(5)が前記変換機構(24)を介して前記出力ロッド(20)を前記ロック側へ駆動したときに当該クランピングばね(43)の付勢力を前記出力ロッド(20)へ伝達する状態と、に切換えるように構成されたクラッチ機構(C)と、
を備え、
前記変換機構(24)は、
前記出力ロッド(20)に連結された直進部材(26)であって、その直進部材(26)の筒孔に形成されたメネジ(32)を有する直進部材(26)と、
前記電動機(5)により回転させられるシャフト(10)に固定されると共に、前記メネジ(32)に螺合されたオネジ(33)と、
前記直進部材(26)の縦溝(27)に嵌合されるとともに、前記ハウジング(1)に支持された案内ボール(28)と、
を有し、
前記ハウジング(1)の前記リリース側の端部(3a)から前記ロック側へ環状壁(35)を突出させると共に、その環状壁(35)に前記出力ロッド(20)を挿入し、
前記出力ロッド(20)の外周に周方向へ所定の間隔をあけて複数のガイド溝(37)を設け、前記の各ガイド溝(37)は、ロック側からリリース側へ連ねて形成された旋回溝(38)と直進溝(39)とを有し、
前記の各ガイド溝(37)に嵌合する係合部材(40)を前記環状壁(35)に設けた、
ことを特徴とする電動式クランプ装置。 - 請求項1の電動式クランプ装置において、
前記クラッチ機構(C)は、前記出力ロッド(20)の外周側に軸心方向へ移動可能に配置されるともに前記クランピングばね(43)の付勢力を受け止める伝動部材(44)と、当該伝動部材(44)よりもロック側で前記出力ロッド(20)の外周側に周方向へ所定の間隔をあけて配置された複数の伝動ボール(45)と、前記出力ロッド(20)の外周面にロック側からリリース側へ形成されたガイド面(46)及び伝動面(47)と、を備え、
前記電動機(5)が前記変換機構(24)を介して前記出力ロッド(20)を前記リリース側へ駆動したときには、前記ガイド面(46)が前記伝動ボール(45)を半径方向の外方位置に保持し、これにより、前記クランピングばね(43)の付勢力が前記伝動部材(44)と前記伝動ボール(45)とを介して前記ハウジング(1)に受け止められ、
前記電動機(5)が前記変換機構(24)を介して前記出力ロッド(20)を前記ロック側へ駆動したときには、前記ハウジング(1)に設けた押部(50)が前記伝動ボール(45)を半径方向の内方へ移動させて当該伝動ボール(45)を前記伝動面(47)に係合させ、これにより、前記クランピングばね(43)の付勢力が前記伝動部材(44)と前記伝動ボール(45)とを介して前記出力ロッド(20)へ伝達される、
ことを特徴とする電動式クランプ装置。 - 請求項1又は2の電動式クランプ装置において、
前記電動機(5)と前記変換機構(24)との間に減速機(6)を配置した、ことを特徴とする電動式クランプ装置。 - 請求項1又は2の電動式クランプ装置において、
前記電動機(5)が減速機付き電動機である、ことを特徴とする電動式クランプ装置。
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