JP6220699B2 - 流量制御装置及び流量制御装置用プログラム - Google Patents
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そのうえ、バルブ制御部が、上述した係数の変更後において、流量制御バルブより上流側の状態が変化前の状態に戻ったとき又は設定値が変更されたときに、係数を変更前の係数に戻して流量制御バルブをフィードバック制御するので、設定値と測定値との偏差に最適な係数を用いた演算を施してフィードバック制御をすることができ、設定値の変更後も流量を精度良く制御することができる。
これならば、偏差にPID演算を施して測定流量を収束しやくできるうえ、ハンチング検出時には各係数を変更することによりハンチングを抑えることができる。
具体的にこの流量制御装置100は、図1に示すように、流体が流れる流路L1と、流路L1に設けられ、当該流路L1に流れる流量を測定する流量測定部10と、前記流量測定部10の下流に設けられた流量制御バルブ20と、前記制御バルブの開度を制御する制御装置30と具備したものである。
具体的にこの流量測定部10は、流路L1に設けてある流路抵抗たる層流素子13と、層流素子13の上流において流路L1から分岐し、当該層流素子13の下流において流路L1に合流するセンサ流路L2と、センサ流路L2における上流側と下流側とにそれぞれ設けられた第1温度センサ11及び第2温度センサ12と、第1温度センサ11及び第2温度センサ12で測定される温度差に基づいて流路L1に流れる流量を算出する流量算出部14と、を備えたものである。
なお、流量算出部14は後述する制御装置30の演算機能を利用して構成してある。
より詳細には、この流量制御バルブ20は、外部(本実施形態では後述するバルブ制御部32)からの開度制御信号を与えられることによって前記アクチュエータを駆動し、その開度制御信号の値に応じて開度を調整し、流量を制御するものである。
より具体的にこのバルブ制御部32は、測定値と設定値との偏差に、比例係数、積分係数及び微分係数を用いたPID演算を施してバルブ開度等の操作量を算出するものであり、これらの各係数はそれぞれ、流量制御装置100に応じて流量を精度良く制御すべく最適な値となるように予め設定された値である。
なお、本実施形態では、前記メモリの所定領域に形成された係数格納部34が、上述したフィードバック制御するために用いられる各係数を制御用係数として格納しており、バルブ制御部32は、この係数格納部34から前記制御用係数を取得して操作量を算出するように構成されている。
流路L1に流体が流れ始めた直後は、図3に示すように、測定値が設定値の上下を変動する不安定な挙動(以下、過渡状態ともいう)であり、その後上述したフィードバック制御により測定値と設定値との偏差が小さくなりながら測定値が一定の値(本実施形態では設定値)になる(以下、定常状態ともいう)。
なお、上述した過渡状態は、本実施形態では流体が流れ始めたから約500msec続いている。
ハンチング検出部33は、例えば、流量制御バルブ20より上流側の状態の変化により生じるハンチングを検出するものであり、本実施形態では、前記流量算出部14により得られる測定値を取得してこの測定値のハンチングを検出するように構成されている。
なお、ここでいう流量制御バルブ20より上流側の状態の変化とは、例えば、流量制御バルブ20より上流側における流路L1内の圧力や流量等の物理量の変動や、流路L1を流れる流体の種類が変更されたこと等が挙げられる。
また、このハンチング検出部33は、必ずしも流量制御バルブ20より上流側の状態の変化により生じるハンチングのみを検出するものである必要はなく、種々の原因により生じるハンチングを検出するためのものであって、結果的に前記上流側の状態の変化により生じるハンチングを検出するものであれば良い。
なお、本実施形態の閾値はフルスケールの6%に設定されている。
なお、本実施形態では、前記係数格納部34が、上述したハンチング検出時に用いる各係数をハンチング低減用係数として格納しており、バルブ制御部32は、この係数格納部34から前記ハンチング低減用係数を取得するように構成されている。
なお、ハンチング検出部33によるハンチングの検出方法は上述した通りである。
なお、本実施形態のバルブ制御部32は、各係数を小さく変更するものである。
そのうえ、設定値が変更されたときは、前記上流側の状態が変化前の状態に戻っている可能性が高く、各係数を予め定められた最適な値にすべきところ、バルブ制御部32が、設定値が変更されたときに、各係数を予め定められた値に戻してフィードバック制御をするので、設定値の変更後も流量を精度良く制御することができる。
この場合、流路における流量制御バルブより上流側に流量や圧力等の物理量を測定するセンサを設け、前記上流側監視部はこのセンサからの信号を取得するように構成されていれば良い。より具体的にこの上流側監視部は、前記センサからの信号を取得して、上流側の状態の変化前後における物理量を比較して、その差又は比率が所定の範囲内になったときにバルブ制御部に信号を送信するように構成されていれば良い。
また、流路に流れるガス種を検知するガス種検知部を設け、バルブ制御部がこのガス種検知部からの信号を受け付けて、各係数を変更したあと、ガス種が戻ったときに各係数を予め設定された値に戻すように構成しても良い。
なお、流量測定部として熱式流量センサを用いた場合、各係数を変更したあと、設定流量が変更されたときに、各係数を予め設定された値に戻すように構成されているほうが、別途センサを設ける必要がないので好ましい。
また、前記実施形態では、バルブ制御部は、ハンチング検出時に各係数を予め定められた値の1/5に変更していたが、必ずしも1/5である必要はない。
さらに、バルブ制御部は、PID演算を用いてフィードバック制御するものに限られず、PI演算等の他の演算を用いてフィードバック制御するようにしても良い。
上述したように圧力式流量センサを用いた場合、例えば上流側監視部が上流側圧力センサからの出力を取得するように構成することにより、別途センサを設けることなく、バルブ制御部は、各係数を変更したあと、制御バルブより上流側の状態が変化前の状態に戻ったときに、前記上流側監視部からの信号を受け付けるとともに、各係数を予め定められた値に戻すことができる。
上述した構成では、各分岐流路に設けられているバルブを切り替えたときにハンチングが生じることがある。
すなわち、本発明は、流体が流れる流路上に設けられ、前記流体の流量又は流量に関する物理量を測定する流体測定部と、前記流路上に設けられた流体制御バルブと、前記流体測定部で測定される測定値と、予め設定される設定値との偏差に演算を施して、前記流体制御バルブをフィードバック制御するバルブ制御部と、前記流体制御バルブより上流側の状態の変化によって生じるハンチングを検出するハンチング検出部とを具備し、前記バルブ制御部が、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出されたハンチング検出時に、前記演算に用いる係数を変更して前記流体制御バルブをフィードバック制御し、前記係数の変更後において、前記流体制御バルブより上流側の状態が変化前の状態に戻ったとき又は前記設定値が変更されたときに、前記係数を変更前の係数に戻して前記流体制御バルブをフィードバック制御することを特徴とする流体制御装置であっても良い。
なお、この流体制御装置による圧力等の物理量の制御方法は、前記実施形態と同様である。
L1 ・・・流路
10 ・・・流量測定部
14 ・・・流量算出部
20 ・・・流量制御バルブ
30 ・・・制御装置
32 ・・・ハンチング検出部
33 ・・・バルブ制御部
Claims (7)
- 流体が流れる流路上に設けられ、前記流体の流量を測定する流量測定部と、
前記流路上に設けられた流量制御バルブと、
前記流量測定部で測定される測定値と、予め設定される設定値との偏差に制御用係数を用いた演算を施して、前記流量制御バルブをフィードバック制御するバルブ制御部と、
前記流量制御バルブより上流側の状態の変化によってハンチングが生じた場合に、そのハンチングを検出するハンチング検出部と、
前記流路上における前記流量制御バルブより上流側に設けられて、前記流体の流量若しくは圧力を測定するセンサ、又は、前記流体の種類を検知するガス種検知部とを具備し、
前記バルブ制御部が、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出されたハンチング検出時に、前記演算に用いる係数を制御用係数からハンチング低減用係数に変更して前記流量制御バルブをフィードバック制御し、前記係数の変更後において、前記センサ又は前記ガス種検知部から出力される信号によって前記流量制御バルブより上流側の状態が変化前の状態に戻ったことが示されたときに、前記係数をハンチング低減用係数から制御用係数に変更して前記流量制御バルブをフィードバック制御することを特徴とする流量制御装置。 - 流体が流れる流路上に設けられ、前記流体の流量を測定する流量測定部と、
前記流路上に設けられた流量制御バルブと、
前記流量測定部で測定される測定値と、予め設定される設定値との偏差に制御用係数を用いた演算を施して、前記流量制御バルブをフィードバック制御するバルブ制御部と、
前記流量制御バルブより上流側の状態の変化によってハンチングが生じた場合に、そのハンチングを検出するハンチング検出部とを具備し、
前記バルブ制御部が、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出されたハンチング検出時に、前記演算に用いる係数を制御用係数からハンチング低減用係数に変更して前記流量制御バルブをフィードバック制御し、前記係数の変更後において前記設定値が変更されたときに、前記係数をハンチング低減用係数から制御用係数に変更して前記流量制御バルブをフィードバック制御することを特徴とする流量制御装置。 - 前記ハンチング検出部が、前記流量測定部により測定される測定値のハンチング又は前記流量制御バルブのハンチングを検出することを特徴とする請求項1又は2記載の流量制御装置。
- 前記バルブ制御部が、前記測定値と前記設定値との偏差にPID演算を施すものであり、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出された検出時に、前記PID演算に用いる比例係数、積分係数及び微分係数を変更することを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の流量制御装置。
- 前記流量測定部が熱式流量計であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の流量制御装置。
- 流体が流れる流路上に設けられ、前記流体の流量を測定する流量測定部と、
前記流路上に設けられた流量制御バルブと、
前記流路上における前記流量制御バルブより上流側に設けられて、前記流体の流量若しくは圧力を測定するセンサ、又は、前記流体の種類を検知するガス種検知部とを具備する流量制御装置に用いられるプログラムであって、
前記流量測定部で測定される測定値と、予め設定される設定値との偏差に制御用係数を用いた演算を施して、前記流量制御バルブをフィードバック制御するバルブ制御部と、
前記流量制御バルブより上流側の状態の変化によってハンチングが生じた場合に、そのハンチングを検出するハンチング検出部としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、
前記バルブ制御部が、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出された検出時に前記演算に用いる係数を制御用係数からハンチング低減用係数に変更し、前記係数の変更後において、前記センサ又は前記ガス種検知部から出力される信号によって前記流量制御バルブより上流側の状態が変化前の状態に戻ったことが示されたときに前記係数をハンチング低減用係数から制御用係数に変更することを特徴とする流量制御装置用プログラム。 - 流体が流れる流路上に設けられ、前記流体の流量を測定する流量測定部と、
前記流路上に設けられた流量制御バルブとを具備する流量制御装置に用いられるプログラムであって、
前記流量測定部で測定される測定値と、予め設定される設定値との偏差に制御用係数を用いた演算を施して、前記流量制御バルブをフィードバック制御するバルブ制御部と、
前記流量制御バルブより上流側の状態の変化によってハンチングが生じた場合に、そのハンチングを検出するハンチング検出部としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、
前記バルブ制御部が、前記ハンチング検出部によりハンチングが検出されたハンチング検出時に、前記演算に用いる係数を制御用係数からハンチング低減用係数に変更して前記流量制御バルブをフィードバック制御し、前記係数の変更後において前記設定値が変更されたときに、前記係数をハンチング低減用係数から制御用係数に変更することを特徴とする流量制御装置用プログラム。
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