JP6217590B2 - 紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕
(A)(A−1)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する直鎖オルガノポリシロキサン;(A)成分の50〜90質量%、(A−2)R1 2R2SiO1/2単位、R1 3SiO1/2単位及びSiO2単位(式中、R1はアルケニル基を除く非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基)を含有し、SiO2単位に対するR1 2R2SiO 1/2 単位及びR1 3SiO1/2単位の合計のモル比;(R1 2R2SiO1/2+R1 3SiO1/2)/SiO2が0.5〜1.5であり、かつ5×10-3〜1×10-4mol/gのアルケニル基を含有する三次元網状オルガノポリシロキサンレジン;(A)成分の10〜50質量%((A−1)成分と(A−2)成分の合計で100質量%)、
(B)(B−1)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有し、分子中にアルコキシ基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン;(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B−1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.1〜5.0となる量、(B−2)アルキレン基を介してケイ素原子に結合するトリアルコキシシリル基を1分子中に1個以上有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.05〜2.0モルとなる量、但し、(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル比は0.5〜7.0である、
(C)光活性型白金錯体触媒:有効量、
(D)R1 2R2SiO1/2単位又はR1 2R2SiO1/2単位及びR1 3SiO1/2単位と、R1SiO3/2単位と(式中、R1はアルケニル基を除く非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基)を含有し、SiO2単位を含まない1分子中にアルケニル基を2個以上含有する分岐状オルガノポリシロキサンオリゴマー:(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(D)成分中のアルケニル基のモル比が0.1〜0.6となる量
を含有してなる、紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
〔2〕
光活性型白金錯体触媒がβ−ジケトン白金錯体又は環状ジエン化合物を配位子に持つ白金錯体である〔1〕記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
〔3〕
光活性型白金錯体触媒が、トリメチル(アセチルアセトナト)白金錯体、トリメチル(2,4−ペンタンジオネ−ト)白金錯体、トリメチル(3,5−ヘプタンジオネート)白金錯体、トリメチル(メチルアセトアセテート)白金錯体、ビス(2,4−ペンタンジオナト)白金錯体、ビス(2,4−へキサンジオナト)白金錯体、ビス(2,4−へプタンジオナト)白金錯体、ビス(3,5−ヘプタンジオナト)白金錯体、ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)白金錯体、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジメチル白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジフェニル白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジプロピル白金錯体、(2,5−ノルボルナジエン)ジメチル白金錯体、(2,5−ノルボルナジエン)ジフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)ジエチル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジフェニル白金錯体、(メチルシクロオクタ−1,5−ジエニル)ジエチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)エチルジメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)アセチルジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリヘキシル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチルトリメチルシリルメチル白金錯体から選ばれる1種又は2種以上である〔2〕記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
〔4〕
集光型太陽電池用フレネルレンズ用である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
〔5〕
硬化してガラス基材に接着するものである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
〔6〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物がガラス基材に接着してなるものである集光型太陽電池用フレネルレンズ。
本発明の(A)成分は、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンであり、(A−1)アルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンと(A−2)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンレジンとからなる。
(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、この組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上(通常、2〜50個)、特には2〜20個程度有する直鎖状のオルガノポリシロキサンであり、代表的には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰返しからなり分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。
(B)成分は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンで、(B−1)アルコキシ基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(B−2)トリアルコキシシリル基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる。
(B−1)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有し、分子中にアルコキシ基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサンであって、この組成物において架橋剤として作用するものであるが、分子中にアルコキシ基を含有しない点において後述する(B−2)成分とは明確に差別化されるものである。
R4 bHcSiO(4-b-c)/2 (1)
本発明に使用される(C)成分は、光活性型白金錯体触媒であり、光を照射して活性化すると、(A)成分、(B)成分、(D)成分との付加反応を促進する触媒作用を有する。本発明において、該(C)成分である光活性型白金錯体触媒となる化合物は、好適には、β−ジケトン白金錯体又は環状ジエン化合物を配位子に持つ白金錯体を意味する。
本発明に使用される(D)成分の分岐状オルガノポリシロキサンオリゴマーは、この組成物において接着助剤として用いられるものであり、R1SiO3/2単位と、R1 2R2SiO1/2単位又はR1 2R2SiO1/2単位及びR1 3SiO1/2単位と(式中、R1はアルケニル基を除く非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基)を含有し、1分子中にアルケニル基を2個以上含有する分岐状オルガノポリシロキサンオリゴマーである。(D)成分は、分子中にSiO2単位を含有しないものである点において、前述の(A−2)成分の三次元網状オルガノポリシロキサンレジンとは明確に差別化されるものである。
なお、(D)成分には、SiO2単位は含有しないが、R1 2SiO単位、R1R2SiO単位及び/又はR2SiO単位を含有してもよい。また、25℃における回転粘度計による粘度は1〜1,000mPa・s、特に10〜100mPa・sが好ましい。
本発明の組成物は、上記(A)成分〜(D)成分以外の任意の成分として、付加硬化反応を抑制・制御する効果を有する化合物(ヒドロシリル化反応制御剤)を含有することができる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物:硫黄含有化合物、アセチレン系化合物、アルケニル基を2個以上有する化合物、ハイドロパーオキシ化合物、マレイン酸誘導体等が挙げられる。当該化合物による硬化遅延効果の度合いは、その化学構造によって大きく異なる。従って、その添加量は、使用する化合物の個々について最適な量に調整すべきであるが、一般的には、その添加量が少な過ぎると室温での長期貯蔵安定性が得られず、逆に多過ぎると硬化が阻害される。
本発明の硬化方法は、本発明のオルガノポリシロキサン接着組成物に、200〜500nmの光を照射することが望ましい。紫外線照射するランプは波長が200〜500nmの紫外線を供給できるものなら特に制限されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LEDランプ等が挙げられる。紫外線照射量は、使用する光活性型白金錯体の種類や量により異なるが、光活性型白金錯体が活性化するのに十分な量であればよく、10〜1,000mW/cm2、特に20〜400mW/cm2の紫外線強度を0.1秒〜5分、特に0.5秒〜1分程度照射することが好ましい。
フレネルレンズは灯台や投光器等の照明系レンズなどに使用され、通常の球面レンズの曲面の各部分を分割して平面状に配置したレンズである。分割数を多くすればするほど薄くなるため、材料を減らし軽量化できる。
(A−1)成分:
(a−1):粘度600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。ビニル基含有量0.00015mol/g
(a−2):粘度100,000mPa・sの分子鎖両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン。ビニル基含有量0.000075mol/g
(A−2)成分:
(a−3):Me3SiO1/2単位、ViMe2SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[(Me3SiO1/2単位+ViMe2SiO1/2単位)/SiO2単位]=0.85(モル比)、ビニル基含有量0.0009mol/g、重量平均分子量3,800
(b−1):両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度64、SiH基量0.0112mol/g、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)
(b−2):両末端及び側鎖にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度40、SiH基量0.0073mol/g、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体)
(B−2)成分:
(b−3):下記一般式(5)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(b−4):下記化学式(6)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(D)成分:MeSiO3/2単位、Me2ViSiO 1/2 単位からなり、アルケニル基を0.0054mol/g含有する粘度24mPa・sのオルガノポリシロキサンオリゴマー[MeSiO3/2単位/Me2ViSiO 1/2 単位]=1/1(モル比)。
表1に示す材料を表1に示した量比で均一に混合して、UV硬化性シリコーン組成物を調製した。ポリテトラフルオロエチレンフィルム上に得られた組成物0.05gの液滴を垂らし、上に厚さ3mmのガラス板を乗せて、その上から室温(25℃)で250mW/cm2,0.8秒間の紫外線照射条件で硬化させ、ガラスとの接着性を確認した。また、上記組成物を枠に流し、250mW/cm2,0.8秒間の紫外線照射条件で硬化させ、厚さ2mmの硬化シートを作製し、硬さを測定した。それらの結果を表1に示した。
シリコーン硬化物の硬さの試験、測定、評価方法は下記の通りである。
硬化性シリコーン組成物を250mW/cm2,0.8秒間(=200mJ/cm2)の紫外線照射条件で硬化させ、厚さ2mmの硬化シートを作製した。このシリコーン硬化物を3枚重ね、その硬さをJIS K6253に規定のタイプAデュロメータにより測定した。
Claims (6)
- (A)(A−1)1分子中に、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有する直鎖オルガノポリシロキサン;(A)成分の50〜90質量%、(A−2)R1 2R2SiO1/2単位、R1 3SiO1/2単位及びSiO2単位(式中、R1はアルケニル基を除く非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基)を含有し、SiO2単位に対するR1 2R2SiO 1/2 単位及びR1 3SiO1/2単位の合計のモル比;(R1 2R2SiO1/2+R1 3SiO1/2)/SiO2が0.5〜1.5であり、かつ5×10-3〜1×10-4mol/gのアルケニル基を含有する三次元網状オルガノポリシロキサンレジン;(A)成分の10〜50質量%((A−1)成分と(A−2)成分の合計で100質量%)、
(B)(B−1)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有し、分子中にアルコキシ基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン;(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B−1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.1〜5.0となる量、(B−2)アルキレン基を介してケイ素原子に結合するトリアルコキシシリル基を1分子中に1個以上有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に1個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B−2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子のモル比が0.05〜2.0モルとなる量、但し、(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計のモル比は0.5〜7.0である、
(C)光活性型白金錯体触媒:有効量、
(D)R1 2R2SiO1/2単位又はR1 2R2SiO1/2単位及びR1 3SiO1/2単位と、R1SiO3/2単位と(式中、R1はアルケニル基を除く非置換又はハロゲン置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基)を含有し、SiO2単位を含まない1分子中にアルケニル基を2個以上含有する分岐状オルガノポリシロキサンオリゴマー:(A)成分と(D)成分中のアルケニル基の合計に対する(D)成分中のアルケニル基のモル比が0.1〜0.6となる量
を含有してなる、紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。 - 光活性型白金錯体触媒がβ−ジケトン白金錯体又は環状ジエン化合物を配位子に持つ白金錯体である請求項1記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 光活性型白金錯体触媒が、トリメチル(アセチルアセトナト)白金錯体、トリメチル(2,4−ペンタンジオネ−ト)白金錯体、トリメチル(3,5−ヘプタンジオネート)白金錯体、トリメチル(メチルアセトアセテート)白金錯体、ビス(2,4−ペンタンジオナト)白金錯体、ビス(2,4−へキサンジオナト)白金錯体、ビス(2,4−へプタンジオナト)白金錯体、ビス(3,5−ヘプタンジオナト)白金錯体、ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)白金錯体、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジメチル白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジフェニル白金錯体、(1,5−シクロオクタジエニル)ジプロピル白金錯体、(2,5−ノルボルナジエン)ジメチル白金錯体、(2,5−ノルボルナジエン)ジフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)ジエチル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジフェニル白金錯体、(メチルシクロオクタ−1,5−ジエニル)ジエチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)エチルジメチル白金錯体、(シクロペンタジエニル)アセチルジメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(メチルシクロペンタジエニル)トリヘキシル白金錯体、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金錯体、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリフェニル白金錯体、(シクロペンタジエニル)ジメチルトリメチルシリルメチル白金錯体から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 集光型太陽電池用フレネルレンズ用である請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 硬化してガラス基材に接着するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線硬化性接着性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物がガラス基材に接着してなるものである集光型太陽電池用フレネルレンズ。
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