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JP6213047B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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JP6213047B2
JP6213047B2 JP2013171438A JP2013171438A JP6213047B2 JP 6213047 B2 JP6213047 B2 JP 6213047B2 JP 2013171438 A JP2013171438 A JP 2013171438A JP 2013171438 A JP2013171438 A JP 2013171438A JP 6213047 B2 JP6213047 B2 JP 6213047B2
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Description

本発明は、車両等に搭載されるステアリング装置に関する。
従来、車両等の盗難を防ぐために、ステアリングホイールの回転を制限するステアリングロック機構を備えたステアリング装置がある。ステアリングロック機構は、ステアリングシャフトに外嵌されたキーロックカラーと、その外側のコラムに取り付けられたステアリングロック装置とからなり、ステアリングロック装置に設けられたロックバーがキーロックカラーに形成された溝等と嵌合することでステアリングシャフトの回転を制限し、車両盗難時などに操舵できないようにするものである。
従来のステアリングロック機構においては、ステアリングがロックされた状態において、ステアリングホイールが強い力で回転されると、ステアリングロック機構が破損し、ロック機能が損なわれることがあった。
そこで、所定以上の力でステアリングホイールを回転させる力が加わったときにキーロックカラーがステアリングシャフトに対して回転することで、破損を防ぎながら、操舵できない程度の適度なフリクションを与え、車両盗難を防ぐように構成されたものがある。
このようなステアリングロック機構においては、ステアリングシャフト外周面とキーロックカラー内周面との間のスリップ特性の安定と、ステアリングロック機構が破壊されない程度のスリップ荷重との両立が求められる。そこで、ステアリングシャフトの外周面とキーロックカラーの内周面が非接触の部分を形成することにより、安定した所定のすべりトルク(摩擦力)を得るものがある(特許文献1参照)。
また、ステアリングシャフトにグリース溝を加工し、当該グリース溝にグリースを保持させることで、キーロックカラーとステアリングシャフトの摩擦面にグリースが供給され、過度の摩擦抵抗が生じないようにしたものがある(特許文献2参照)。
さらに、ステアリングロック機構の保護を目的として、キーロックカラーとステアリングシャフトの対向部にスリップリングが装着されたものがある(特許文献3参照)。
特開2010−163115号公報 特開平7−291095号公報 特開2005−351457号公報
上記のようにステアリングシャフトとキーロックカラーとの間に非接触部分を形成する構成やグリースを用いる構成の場合、寸法精度の管理負担は一部軽減されるものの、キーロックカラーをステアリングシャフトに圧入する必要があるため、その部分については寸法精度をある程度厳しく管理しなければならず、その分加工コストが高くなるという問題があった。
また、ステアリングシャフトとキーロックカラーの対向部にスリップリングを装着する場合、スリップリングのスリップトルク(スリップリングが滑り始めるトルク)はスリップリングのバネ力とステアリングシャフトとカラーの隙間によるシメシロによって決まるが、スリップリングは板バネであることからバネ定数が高く、シメシロ変化に対して敏感である。したがって、スリップリングを装着する部分の寸法精度を厳しく管理しなければならず、また、シメシロ変化に対して敏感であるとスリップリングの残留応力による影響が大きくなるため、スリップリングにセッチングや焼きなましを施さなければならない等、加工コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、キーロックカラーのスリップトルクをより安定させ、寸法許容範囲を拡大させたステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、ステアリングシャフトと、
該ステアリングシャフトの軸方向部分に外嵌され、ステアリングロック時にステアリングロック機構によって回転が制限されるキーロックカラーと、
径方向において前記ステアリングシャフトと前記キーロックカラーの間に介在するスリップリングと、を備えたステアリング装置において、
前記スリップリングは、径方向の外方に向けて突出した突部を周方向に複数備え、
前記ステアリングシャフトは、前記スリップリングよりも軸方向に長く、前記スリップリングに径方向で対向する対向部を備え、
該対向部は、軸方向に離隔した両端部に、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法の小さい一対の逃げ部を備えており、
前記一対の逃げ部の間の前記対向部の部分には、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの軸方向中央の内周面に接する接触部が形成されていることを特徴とするステアリング装置を提供する。
これにより、両端部に一対の逃げ部を備えることで、スリップリングの両端部がたわみ易くなり、ステアリングシャフトとキーロックカラーのスリップトルクをより安定させ、寸法許容範囲を拡大させることができる。また、スリップリングがたわむ事で、逃げ部に面する大径部(後述)の端部がスリップリングの端部に接しやすくなり、軸方向への移動の制限が効果的に行われる。さらに、製造コストを抑えることができる。
ここで、「ステアリングシャフト」とは、操舵力を伝達するシャフトを言う。また、「軸方向」とは、特に記載がない限りステアリングシャフトの長手方向を言う。「ステアリングロック機構」とは、車両の盗難防止などのため、必要に応じてステアリングシャフトの回転を制限する機構を言う。「キーロックカラー」とは、ステアリングシャフトに外嵌し、ステアリングロック機構と係合することで、ステアリングシャフトを回転し難くする部材を言う。「逃げ部」とは、スリップリングの変形を許容すべく、スリップリングに非接触となっている部分をいう。
「スリップリング」とは、略円筒状をしており、ばね効果によって寸法誤差を吸収する部材を言う。例えば、「スリップリング」は、略円筒状をしており、スリップリングの内径側に接触して配置された円柱状の部材(内側部材)の外周面と、スリップリングの外径側に接触して配置された円筒形状の部材(外側部材)の内周面の径方向の寸法誤差を弾性変形よって吸収し、内側部材と外側部材の相対回転におけるスリップトルクを安定させるものである。本願においては、上記キーロックカラーが外側部材に該当し、上記ステアリングシャフトが内側部材に該当する。
これにより、スリップリングのバネ力が、軸方向の範囲でバランス良く生じ、スリップリングがスリップした際に、スリップリングが軸方向に移動するのを抑制することができる。
また、好ましくは、前記接触部は、前記スリップリングの軸方向中央に対向する位置から軸方向の両側へ同じ長さで延在している。
これにより、スリップリングのバネ力が、軸方向の範囲で更にバランス良く生じ、スリップリングがスリップした際に、スリップリングが軸方向に移動するのを更に抑制することができる。
また、ステアリングシャフトと、
該ステアリングシャフトの軸方向部分に外嵌され、ステアリングロック時にステアリングロック機構によって回転が制限されるキーロックカラーと、
径方向において前記ステアリングシャフトと前記キーロックカラーの間に介在するスリップリングと、を備えたステアリング装置において、
前記スリップリングは、径方向の外方に向けて突出した突部を周方向に複数備え、
前記ステアリングシャフトは、前記スリップリングよりも軸方向に長く、前記スリップリングに径方向で対向する対向部を備え、
該対向部は、軸方向に離隔した両端部に、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法の小さい一対の逃げ部を備えており、
前記一対の逃げ部の間の前記対向部の部分には、前記スリップリングの軸方向中央の内周面に対向し、外径寸法が前記スリップリングの内径寸法よりも小さい第2の逃げ部を備え、
前記一対の逃げ部と前記第2の逃げ部の間のそれぞれに前記スリップリングの内周面に接する一対の接触部が形成されていることを特徴とするステアリング装置を提供する
これにより、寸法許容範囲を更に拡大させながら、スリップリングのバネ力を軸方向の範囲でバランス良く生じさせ、スリップリングがスリップした際に、スリップリングが軸方向に移動するのを抑制することができる。
また、好ましくは、前記一対の接触部は、前記スリップリングの軸方向中央から軸方向に互いに等しい距離に配置され、軸方向の長さは互いに等しい。
これにより、スリップリングのバネ力を軸方向の範囲でバランス良く生じさせ、スリップリングがスリップした際に、スリップリングが軸方向に移動するのを抑制することができる。
また、好ましくは、前記スリップリングの前記突部は、前記スリップリングの軸方向中央に配置され同一円周上に前記突部が形成されていない平滑部を挟んで両側に形成されており、
前記一対の接触部は、前記平滑部の両側に形成された前記突部のそれぞれの軸方向中央に対向する。
これにより、スリップリングのバネ力を軸方向の範囲で更にバランス良く生じさせ、スリップリングがスリップした際に、スリップリングが軸方向に移動するのを更に抑制することができる。
また、好ましくは、前記ステアリングシャフトは、前記対向部の軸方向の両側にそれぞれ隣接して、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法が大きい一対の大径部を備える。
これにより、スリップリングが軸方向に移動するのを防ぐことができる。
また、好ましくは、前記キーロックカラーは、前記ステアリングロック機構が回転を制限するロックバーが挿入される孔部を有しており、
該孔部は、前記スリップリングに径方向に対向する部分とは異なる位置に形成されている。
これにより、孔部を形成する過程でスリップリングを内嵌する部分が変形して真円度が低下するのを防ぎ、更に安定したスリップトルクを実現することができる。
本発明によれば、キーロックカラーのスリップトルクをより安定させ、寸法許容範囲を拡大させたステアリング装置を提供することができる。
本願の第1実施形態に係るステアリング装置を示す側面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の拡大断面図である。 本願の第1実施形態に係るキーロックカラーを示す拡大図である。(a)は底面図、(b)は(a)に示すA−A切断面を示す断面図である。 本願の第1実施形態に係るスリップリングを示す拡大図である。(a)は平面図、(b)は(a)に示すB−B切断面を示す断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置のキーロックカラーと嵌合するステアリングシャフトの部分を示す拡大図である。(a)はキーロックカラーとスリップリングを取り付ける前の状態を示し、(b)はキーロックカラーとスリップリングを取り付けた状態を示している。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置のキーロックカラーと嵌合するステアリングシャフトの部分を示す拡大図である。(a)はキーロックカラーとスリップリングを取り付ける前の状態を示し、(b)はキーロックカラーとスリップリングを取り付けた状態を示している。 本願の第1実施形態及び第2実施形態に用いることができるスリップリングを示す拡大図である。(a)は平面図、(b)は(a)に示すC−C切断面を示す断面図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。図1は本願の第1実施形態に係るステアリング装置1を示す側面図である。
ステアリング装置1は、主として、車両後方側(図1に向かって右側)に取り付けられるステアリングホイール(不図示)の回転を車両前方側(図1に向かって左側)へ伝達するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2を軸支するコラム3と、ステアリング装置1の車両後方側部分を車体に固定し、チルト位置調整及びテレスコピック位置調整を可能とする位置調整機構4とから構成されている。
図2は本願の第1実施形態に係るステアリング装置1の位置調整機構4付近の拡大断面図である。
位置調整機構4の車両後方側のステアリングシャフト2の部分には、ステアリングロック機構を構成するキーロックカラー5が外嵌されている。
図3は、本願の第1実施形態に係るキーロックカラー5を示す図である。(a)はキーロックカラー5の底面図、(b)は(a)に示すA−A切断面を示す断面図である。
キーロックカラー5は略円筒状をしており、軸方向の中央部付近から車両後方側に向かって軸方向に延びる孔部6が形成されている。孔部6は、ステアリングホイールの回転をロックする際に、コラム3に取り付けられる不図示のステアリングロック装置から突出するロックバーが挿入され、係合する部分である。キーロックカラー5は、機械構造用炭素鋼などの材料から形成することができる。
キーロックカラー5の車両前方側の内周部は拡径しており、この拡径部内側に後述のスリップリング7が配置される。孔部6が形成される部分とスリップリング7が内嵌する部分とを軸方向の異なる位置とすることで、孔部6を形成する過程でスリップリング7を内嵌する部分が変形して真円度が低下するのを防ぎ、安定したスリップトルクを得ることが出来るようになる。
なお、本発明において、孔部6は、スリップリング7よりも車両後方側に配置することが好ましいが、車両前方側に孔部6を配置し、車両後方側にスリップリングを配置してもよい。
図4は、本願の第1実施形態に係るスリップリング7を示す図である。(a)は平面図、(b)は(a)に示したB−B切断面を示す断面図である。
上述のようにスリップリング7はキーロックカラー5の内径側に配置され、ステアリングシャフト2とキーロックカラー5との間に介在する。スリップリング7は、断面が略C字型をしており、径方向外側に突出して軸方向に延びる突部8a、8bが、車両前方側と車両後方側の2箇所で周方向に複数配置されている。突部8a、8bを軸方向で2箇所に分けることで、スリップトルクを高めることができ、また、バネ力が軸方向に均等にかかるため、スリップした際にスリップリングが軸方向に動くのを抑制することができる。スリップリング7は、ばね鋼などから形成された市販のものを用いる事ができる。市販のものを用いる事で、製造コストの増大を防ぐことができる。
スリップリング7は、車両前方側の端部、車両後方側の端部、及び中間部分に、同一円周上に突部8a、8bを有さない平滑部9a、9b、9cをそれぞれ備えている。
突部8a、8bは、図4(b)に示すように、軸方向と垂直な方向で切断した断面が円弧状になっている。これにより、キーロックカラー5との接触面で引っ掛かりが生じるのを防ぎ、スムーズで安定した回転を得ることができる。
図5は、本願の第1実施形態に係るステアリング装置1のキーロックカラー5と嵌合するステアリングシャフト2の部分を示す拡大図である。(a)はキーロックカラー5とスリップリング7を取り付ける前の状態を示し、(b)はキーロック5とスリップリング7を取り付けた状態を示している。
ステアリングシャフト2のうちスリップリング7が対向する対向部10は、軸方向の前後のステアリングシャフト2の他の部分(大径部11a、11b)よりも全体的に外径寸法が小さく構成されている。つまり、対向部10は、軸方向の中央に形成されスリップリング7に接触する接触部10aと、接触部10aの軸方向の前後に配置され接触部10aよりも径の小さい逃げ部10b、10cとを有しているが、対向部10の中で最も径の大きい接触部10aであっても、大径部11a、11bより外径寸法が小さい。
接触部10aは、対向部10の軸方向の中央から軸方向の前後に同じ長さで延在しており、接触部10aの外周面はステアリングシャフト2の回転軸線を中心線とする円柱面状をしており、軸方向の全部分にわたって均一の外径寸法を有している。
逃げ部10b、10cは、接触部10aの軸方向に隣接してそれぞれ配置されており、逃げ部10b、10cの外周面はステアリングシャフト2の回転軸線を中心線とする円柱面状をしており、軸方向の全部分にわたって均一の外径寸法を有している。
接触部10aの両端部及び逃げ部10b、10c側に位置する大径部11a、11bの端部には面取り加工が施されている。
図5(b)に示すように、キーロックカラー5は、対向部10と、大径部11bの一部を覆うように配置される。キーロックカラー5の車両前方側の拡径した内周面の内側にはスリップリング7が配置され、当該内周面とスリップリング7の突部8a、8bとが接触する。キーロックカラー5の車両後方側は隙間嵌めとしている。
スリップリング7は、キーロックカラー5と対向部10との間に配置され、軸方向中央でステアリングシャフト2の接触部10aと接触している。さらに、接触部10aは、スリップリング7の中央部から軸方向の両方の向きに同じ長さで延在し、スリップリング7の内周面に接触している。
スリップリング7は板材から成形される板バネである。したがって、比較的バネ定数が高く、変位(径方向の変形量)に対する荷重変化が大きい。対向部10に逃げ部10b、10cを設け、ステアリングシャフト2とスリップリング7とが軸方向の一部で接触する構成とすることで、スリップリング7が撓むためのスペースができるため、スリップリング7の撓み特性を緩やかにすることができる。その結果、ステアリングシャフト2の外径公差やキーロックカラー5の内径公差を拡大しても適切なスリップ特性が得られる。
また、スリップリング7は、主に軸方向の中央部でステアリングシャフト2からの反力を受けるため、ステアリングシャフト2がどちらの向きに回転しても、軸方向に移動しにくい。仮に軸方向に移動したとしても、接触部10aの外径が大径部11a、11bの外径よりも小さく、スリップリング7の内径寸法よりも大径部11a、11bの外径寸法が大きいため、逃げ部10b、10cに面する大径部11a、11bの端部がスリップリング7の移動を制限する。
さらに、上述のように逃げ部10b、10cに隣接する接触部10a及び大径部11a、11bの端部には面取り加工が施されていることから、スリップリング7を軸方向からスムーズに取り付け、取り外すことが可能となり、作業性が向上する。また、接触部10aの端部に面取り加工を施すことで、スリップリング7とステアリングシャフト2とが相対回転する際に引っ掛かりなくスムーズに回転することができるようになる。
加えて、上述のように、キーロックカラー5に形成されるロックバー挿入用の孔部6をスリップリング7に対向する部分とは異なる位置に配置することで、孔部6を形成する過程でスリップリング7を内嵌する部分が変形して真円度が低下するのを防ぎ、更に安定したスリップトルクを実現することができる。
(第2実施形態)
次に、図6を参照しつつ本願の第2実施形態に係るステアリング装置について説明する。本第2実施形態に係るステアリング装置は、第1実施形態に係るステアリング装置とはステアリングシャフト22の形状のみが異なり、その他は第1実施形態と同様である。したがって、本第2実施形態の説明においては、ステアリングシャフト22の形状について説明し、その他の説明を省略する。
図6は、本第2実施形態に係るステアリング装置のキーロックカラー25と嵌合するステアリングシャフト22の部分を示す拡大図である。(a)はキーロックカラー25とスリップリング27を取り付ける前の状態を示し、(b)はキーロックカラーとスリップリングを取り付けた状態を示している。
対向部210は、対向部210に隣接する大径部211a、211bよりも外径寸法が小さい接触部210a、210bと、接触部210a、210bよりも更に外径寸法が小さい逃げ部210c、210d、210eとから構成されている。対向部210は、大径部211a側から順に、逃げ部210c、接触部210a、逃げ部210d、大径部210b、逃げ部210eの順に配置されている。
接触部210a、210bは、対向部10の軸方向の中央から軸方向に同じ距離で配置され、接触部210a、210bの外周面は、ステアリングシャフト22の回転中心軸線を中心線とする円柱面状をしており、軸方向の全域において均一の外径寸法を有している。また、接触部210aと接触部210bの軸方向の長さは等しい。
逃げ部210c、210d、210eの外周面は、ステアリングシャフト22の中心軸を中心とする円柱面状をしており、軸方向の全域にわたって均一の外径寸法を有している。
逃げ部210c、210d、210eに隣接する接触部210a、210b、及び大径部211a、211bには面取り加工が施されている。
図6(b)に示すように、キーロックカラー25は、対向部210と、大径部211bの一部とを覆うように配置される。キーロックカラー25の車両前方側の拡径した内周面の内側にはスリップリング27が配置され、当該内周面とスリップリング27の突部28a、28bとが接触する。キーロックカラー25の車両後方側は隙間嵌めとしている。
スリップリング27は、軸方向の中央から等距離で接触部210a、210bと接触する。また、接触部210a、210bは、それぞれ突部28a 、28bの軸方向の中央に対向する。これにより、軸方向の範囲でバネ力がバランスよく生じ、スリップした際にスリップリング27が軸方向に動くのを抑制することができる。
本第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を得られるが、逃げ部210dを設けた構成によって、スリップトルクが第1実施形態よりも小さくなるため、更に寸法許容範囲(加工公差)を大きくすることができる。また、スリップリングリング27が対向部210の軸方向の中央から等距離の位置で接触部210a、210bと接触することで、回転のバランスも損なわれない。
次に、本願の第1実施形態及び第2実施形態に係るスリップリングの代わりに用いることができるスリップリング37を説明する。
図7は、本願の第1実施形態及び第2実施形態に用いることができるスリップリング37を示す拡大図である。(a)は平面図、(b)は(a)に示すC−C切断面を示す断面図である。
スリップリング37は、断面が略C字型をしており、径方向外側に突出して、軸方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで軸方向に連続した突部38が周方向に複数配置されている。
スリップリング37は、車両前方側の端部、及び車両後方側の端部に、同一円周上に突部38を有さない平滑部39a、及び39bを備えている。
スリップリング37は、第1実施形態に係るスリップリング7、及び第2実施形態に係るスリップリング27の代わりに用いることができ、スリップリング37によれば、スリップトルクを小さくして、ステアリングシャフト及びキーロックカラーの寸法許容範囲を更に大きくすることができる。
以上、本発明の説明のため、第1実施形態及び第2実施形態として具体的な構成を示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の実施においては種々の変更、改良を施すことが可能である。
例えば、スリップリングは上記のものに限られず、突部の数、形状、配置等が異なるものであってもよい。
また、スリップリングに対向するステアリングシャフトの部分の形状は、スリップリングの形状等に応じて接触部の数、軸方向の幅、径寸法等を変更することができる。
キーロックカラーとスリップリングとの接触部、スリップリングとステアリングシャフトとの接触部には、グリースを塗布することで、スリップトルクを小さくして、スリップトルクをさらに安定させることもできる。
ロックバーが挿入されるキーロックカラーの部分は、上述の孔部の代わりに、キーロックカラーの外周部に軸方向に延びる有底の溝部を形成した構成としてもよく、当該溝部は周方向に複数形成されていてもよい。又は、径方向外方へ突出し軸方向に延びる突出部を周方向に複数配置した構成としてもよい。実施形態においてキーロックカラーの内周部のうちスリップリングに外嵌する部分は拡径しているが、拡径しないものとしてもよく、軸方向にストレートなものとしてもよい。
スリップリングの軸方向の移動を規制する大径部は、ステアリングシャフトとスリップリングとが相対回転する際のスリップリングの移動量などによっては、必ずしも設ける必要はなく、片方にのみ設ける構成としても良い。
以上のように、本発明のステアリング装置によれば、キーロックカラーのスリップトルクをより安定させ、寸法許容範囲を拡大させたステアリング装置を提供することができる。
1 ステアリング装置
2、22 ステアリングシャフト
3 コラム
4 位置調整機構
5、25 キーロックカラー
6 孔部
7、27、37 スリップリング
8a、8b、28a、28b、38 突部
9a、9b、9c、39a、39b 平滑部
10 対向部
10a、210a、210b、接触部
10b、10c、210c、210d、210e 逃げ部
11a、11b、211a、211b 大径部

Claims (7)

  1. ステアリングシャフトと、
    該ステアリングシャフトの軸方向部分に外嵌され、ステアリングロック時にステアリングロック機構によって回転が制限されるキーロックカラーと、
    径方向において前記ステアリングシャフトと前記キーロックカラーの間に介在するスリップリングと、を備えたステアリング装置において、
    前記スリップリングは、径方向の外方に向けて突出した突部を周方向に複数備え、
    前記ステアリングシャフトは、前記スリップリングよりも軸方向に長く、前記スリップリングに径方向で対向する対向部を備え、
    該対向部は、軸方向に離隔した両端部に、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法の小さい一対の逃げ部を備えており、
    前記一対の逃げ部の間の前記対向部の部分には、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの軸方向中央の内周面に接する接触部が形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記接触部は、前記スリップリングの軸方向中央に対向する位置から軸方向の両側へ同じ長さで延在していることを特徴とする請求項に記載のステアリング装置。
  3. ステアリングシャフトと、
    該ステアリングシャフトの軸方向部分に外嵌され、ステアリングロック時にステアリングロック機構によって回転が制限されるキーロックカラーと、
    径方向において前記ステアリングシャフトと前記キーロックカラーの間に介在するスリップリングと、を備えたステアリング装置において、
    前記スリップリングは、径方向の外方に向けて突出した突部を周方向に複数備え、
    前記ステアリングシャフトは、前記スリップリングよりも軸方向に長く、前記スリップリングに径方向で対向する対向部を備え、
    該対向部は、軸方向に離隔した両端部に、外周面が円柱面状をして、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法の小さい一対の逃げ部を備えており、
    前記一対の逃げ部の間の前記対向部の部分には、前記スリップリングの軸方向中央の内周面に対向し、外径寸法が前記スリップリングの内径寸法よりも小さい第2の逃げ部を備え、
    前記一対の逃げ部と前記第2の逃げ部の間のそれぞれに前記スリップリングの内周面に接する一対の接触部が形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  4. 前記一対の接触部は、前記スリップリングの軸方向中央から軸方向に互いに等しい距離に配置され、軸方向の長さは互いに等しいことを特徴とする請求項に記載のステアリング装置。
  5. 前記スリップリングの前記突部は、前記スリップリングの軸方向中央に配置され同一円周上に前記突部が形成されていない平滑部を挟んで両側に形成されており、
    前記一対の接触部は、前記平滑部の両側に形成された前記突部のそれぞれの軸方向中央に対向することを特徴とする請求項3又は4に記載のステアリング装置。
  6. 前記ステアリングシャフトは、前記対向部の軸方向の両側に隣接して、前記スリップリングの内径寸法よりも外径寸法が大きい一対の大径部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のステアリング装置。
  7. 前記キーロックカラーは、前記ステアリングロック機構が回転を制限するロックバーが挿入される孔部を有しており、
    該孔部は、前記スリップリングに径方向に対向する部分とは異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のステアリング装置。
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