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JP6210262B1 - レバー式コネクタ - Google Patents

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JP6210262B1
JP6210262B1 JP2017096360A JP2017096360A JP6210262B1 JP 6210262 B1 JP6210262 B1 JP 6210262B1 JP 2017096360 A JP2017096360 A JP 2017096360A JP 2017096360 A JP2017096360 A JP 2017096360A JP 6210262 B1 JP6210262 B1 JP 6210262B1
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Abstract

【課題】嵌合作業の円滑化を実現する。【解決手段】レバー22には、レバー22が嵌合位置から切換位置に回動する過程で、スライダ35を嵌合完了位置からロック解除位置へ移動させる第1駆動部27と、レバー22が切換位置から初期位置へ回動する過程でスライダ35をロック解除位置から嵌合開始位置まで押し動かし、且つスライダ35が嵌合開始位置にある状態でレバー22を初期位置から切換位置へ回動するのに伴いスライダ35から離間する第2駆動部28と、スライダ35が嵌合開始位置にあり且つレバー22が切換位置にある状態で、スライダ35に係止することでレバー22が嵌合位置側へ回動することを規制する係止部33とが形成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、レバー式コネクタに関するものである。
特許文献1には、ハウジングに、初期位置と嵌合位置との間で回動可能なレバーと、嵌合開始位置と嵌合完了位置との間で平行移動可能なスライダとを設けたレバー式コネクタが開示されている。レバーの駆動部とスライダの従動部との嵌合により、レバーが初期位置から嵌合位置へ回動すると、スライダが嵌合開始位置から嵌合完了位置へ移動する。スライダが嵌合開始位置から嵌合完了位置へスライドする過程では、スライダのカム溝に相手コネクタのカムピンが引き込まれることにより、相手側コネクタがハウジングに嵌合される。
特開2009−245609号公報
ハウジングと相手側コネクタの嵌合を開始するときには、レバーが初期位置にありスライダが嵌合開始位置にある状態で、カム溝の入口に相手側コネクタのカムピンを進入させる。このとき、レバーが初期位置から嵌合位置側へ位置ずれすると、駆動部と従動部との嵌合によってスライダも嵌合開始位置から位置ずれすることになるため、カバー部材がカム溝に進入することができなくなり、嵌合作業に支障を来すことになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合作業の円滑化を実現することを目的とする。
本発明のレバー式コネクタは、
第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに対し嵌合及び離脱が可能な第2ハウジングと、
前記第1ハウジングに取り付けられ、初期位置と嵌合位置との間で回動可能なレバーと、
前記第1ハウジングに取り付けられ、嵌合開始位置と嵌合完了位置との間で平行移動可能なスライダと、
前記スライダに形成され、前記スライダが前記嵌合開始位置にある状態で前記第2ハウジングに形成されたカムフォロアの進入を許容し、前記スライダが前記嵌合開始位置から前記嵌合完了位置へ移動する過程では前記カムフォロアを摺接させることで前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを嵌合させるカム溝と、
前記レバーに形成され、前記レバーが前記嵌合位置から前記初期位置より手前の切換位置まで回動する過程で、前記スライダを前記嵌合完了位置から前記嵌合開始位置より手前のロック解除位置へ平行移動させる第1駆動部と、
前記レバーに形成され、前記レバーが前記切換位置から前記初期位置へ回動する過程で前記スライダを前記ロック解除位置から前記嵌合開始位置まで押し動かし、且つ前記スライダが前記嵌合開始位置にある状態で前記レバーを前記初期位置から前記切換位置へ回動するのに伴い前記スライダから離間していく第2駆動部と、
前記レバーに形成され、前記スライダが前記嵌合開始位置にあり且つ前記レバーが前記切換位置にある状態において、前記スライダに係止することで前記レバーが前記嵌合位置側へ回動することを規制する係止部とを備えているところに特徴を有する。
嵌合状態の第1ハウジングと第2ハウジングを離脱する際には、レバーを嵌合位置から初期位置へ回動させる。この間、レバーが切換位置に達するまでは、第1駆動部がスライダを嵌合完了位置からロック解除位置まで移動させ、スライダがロック解除位置に到達した後は、レバーの回動にともなって第2駆動部がスライダを嵌合開始位置まで移動させる。この後、初期位置のレバーを切換位置まで戻すと、第2駆動部がスライダから離間していくので、スライダは嵌合開始位置に留まる。レバーが切換位置に戻ると、係止部がスライダに係止するので、レバーは嵌合位置側への回動を規制される。レバーの回動が規制されると、スライダは移動せずに嵌合開始位置に留まったままとなるので、カム溝は第2ハウジングのカムフォロアの進入を許容する位置で待機する。したがって、本願発明によれば、嵌合作業を円滑に行うことができる。
本実施例1のレバー式コネクタを構成する第1コネクタの斜視図 第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合した状態の平面図 図2のA−A線断面図 第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合状態をあらわす図3のB−B線相当断面図 第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合した状態からレバーを切換位置まで回動した状態をあらわす図3のB−B線相当断面図 切換位置のレバーを初期位置へ回動した状態をあらわす図3のB−B線相当断面図 スライダが嵌合開始位置にある状態でレバーを初期位置から切換位置へ回動した状態をあらわす図3のB−B線相当断面図 離脱状態の第1ハウジングと第2ハウジングを浅く嵌合することでスライダが嵌合開始位置からロック解除位置へ移動した状態をあらわす図3のB−B線相当断面図 第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合した状態からレバーを初期位置へ回動した状態の平面図 第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合した状態の側断面図 図9のC−C線断面図 スライダの斜視図 スライダの底面図 レバーの斜視図 レバーの左側面図 図15のD−D線断面図 電線カバーの平面図 電線カバーの背面図
本発明は、前記カム溝は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの嵌合を開始して前記カムフォロアが前記カム溝に進入する過程で、前記カムフォロアの押圧力により前記スライダを前記嵌合開始位置から前記ロック解除位置側へ移動させることが可能な入口側傾斜部を有していてもよい。この構成によれば、カム溝にカムフォロアを進入させるだけで、スライダがロック解除位置へ移動してレバーが回動可能な状態となる。したがって、カム溝にカムフォロアを進入させる前にスライダをロック解除位置へ戻す作業が不要である。
本発明は、前記カム溝には、前記レバーが前記切換位置と前記嵌合位置との間で回動する過程で前記カムフォロアを摺接させる倍力用傾斜部が形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合・離脱方向に対する傾斜角度は、前記倍力用傾斜部よりも前記入口側傾斜部の方が小さく設定されていてもよい。倍力用傾斜部はスライダ側からカムフォロア側へ大きな力を付与する領域なので、両ハウジングの嵌合・離脱方向に対する傾斜角度が大きいほど倍力機能が向上する。一方の入口側傾斜部は、カムフォロア側からカム溝側へ押圧力を付与する領域なので、両ハウジングの嵌合・離脱方向に対する傾斜角度が小さいほど、スライダへの押圧力を高めることができる。
本発明は、前記スライダには、前記レバーが前記嵌合位置から前記切換位置へ回動する過程で前記第1駆動部に押される離脱用受圧面と、前記レバーが前記切換位置から前記嵌合位置へ回動する過程で前記第1駆動部に押される嵌合用受圧面とが形成され、前記離脱用受圧面と前記嵌合用受圧面との間では、前記第1駆動部が前記スライダの移動方向と平行に変位することが可能となっていてもよい。この構成によれば、スライダが嵌合開始位置にある状態でレバーが初期位置から切換位置へ回動する過程では、第1駆動部はスライダに駆動力を付与しないので、スライダを嵌合開始位置に留めておくことができる。
本発明は、前記レバーに形成され、前記嵌合開始位置にある前記スライダが前記嵌合完了位置とは反対側へ移動することを規制する過度変位規制部を備えていてもよい。この構成によれば、第1ハウジングと第2ハウジングを離脱する作業の際に、レバーが過度に回動することと、スライダが過度に移動することを防止できる。
本発明は、前記第2駆動部と前記レバーの回動中心である回動軸との距離は、前記第1駆動部と前記回動軸との距離より長く設定されていてもよい。この構成によれば、レバーを切換位置から初期位置へ回動する過程で、その回動角度が小さくても、スライダの移動寸法を大きく確保できる。
本発明は、前記レバーの回動中心である回動軸と前記第2駆動部とを結んだ線を仮想揺動線と規定し、前記回動軸を通り且つ前記スライダの移動方向と平行な線を仮想基準線と規定した上で、前記第2駆動部が前記スライダを前記ロック解除位置から前記嵌合開始位置へ押し動かす過程では、前記仮想基準線に対する前記仮想揺動線の傾斜角度が45°より大きくてもよい。この構成によれば、この構成によれば、仮想基準線に対する仮想揺動線の傾斜角度が45°より大きい範囲で第2駆動部が回動したとき、第2駆動部がスライダの移動方向と平行に移動する距離は、第2駆動部がスライダの移動方向と直角に移動する距離より大きくなる。したがって、レバーを切換位置から初期位置へ回動させるときの第2駆動部の回動角度が小さくても、スライダの移動寸法を大きく確保できる。
本発明は、前記レバーに形成され、前記レバーの回動方向に対し斜めをなして鈍角状に連なる2つの緩斜面によって構成された係止凹部と、前記第1ハウジングに形成され、前記レバーが前記初期位置にある状態で前記係止凹部の底部に係止する係止突起とを備えていてもよい。この構成によれば、係止突起と係止凹部との係止により、レバーを初期位置に保持することができる。係止凹部は鈍角状に連なる2つの緩斜面で構成されているので、係止凹部と係止突起との係止はセミロック形態である。したがって、レバーを初期位置から嵌合位置側へ回動させる際の作業性が良い。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図18を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、図2〜9における下方を前方と定義する。左右の方向については、図2〜9にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。上下の方向については、図1,10にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
本実施例1のレバー式コネクタは、ワイヤーハーネス(図示省略)の端部に取り付けられる第1コネクタ10と、回路基板(図示省略)の上面に取り付けられる第2コネクタ50とを備えて構成されている。第1コネクタ10は、第2コネクタ50に対しその後方から嵌合されるようになっている。つまり、第1コネクタ10と第2コネクタ50は前後方向に相対変位することで嵌合・離脱する。
<第1コネクタ10>
第1コネクタ10は、合成樹脂製の第1ハウジング11と、第1ハウジング11に取り付けた複数の雌形の第1端子金具20(図10参照)と、第1ハウジング11に回動可能に取り付けた合成樹脂製のレバー22と、第1ハウジング11にスライド可能に取り付けた上下対称な一対の合成樹脂製のスライダ35とを備えて構成されている。
<第1ハウジング11>
図1,2,9,10に示すように、第1ハウジング11は、左右方向に長いブロック状をなすハウジング本体12と、電線カバー18とを備えて構成されている。ハウジング本体12は、前方に開口した箱状をなすアウタハウジング13と、アウタハウジング13の内部に取り付けたインナハウジング14とを備えて構成されている。複数の第1端子金具20はインナハウジング14の内部に収容されている。第1端子金具20に接続した電線21は、ハウジング本体12の後面から導出されている。
アウタハウジング13の内周とインナハウジング14の外周との間には、後方に開放された嵌合空間15が形成されている。嵌合空間15には、第2コネクタ50のフード部53が嵌入されるようになっている。アウタハウジング13の上下両壁部には、その内面(嵌合空間15に臨む面)を凹ませた形態であって、左右方向に延びる上下対称な一対のガイド凹部16が形成されている。ガイド凹部16の左右両端はアウタハウジング13の外面に開口している。
アウタハウジング13の左端部には、上下対称な一対の軸受部17(図4参照)が形成されている。一対の軸受部17は、上下方向においては、一対のガイド凹部16の間に位置するように配されている。一対の軸受部17は、前後方向においては、ハウジング本体12(第1ハウジング11)の前端部に配されている。軸受部17はレバー22を回動可能となるように支持している。
電線カバー18は、ハウジング本体12に対しその後面を覆うように取り付けられている。ハウジング本体12の後面から後方へ導出された複数本の電線21は、電線カバー18の内部において左方へ転向するように曲げられている。電線カバー18の上下両外面には、上下対称な一対の係止突起19(図1,2,11,17,18を参照)が形成されている。図2に示すように、係止突起19は、電線カバー18(第1ハウジング11)の左端部に配されている。
<レバー22>
レバー22は、上下対称な一対の板状をなすアーム部23と、一対のアーム部23の基端部同士を連結する板状の連結部24と、一対のアーム部23の先端部同士を繋ぐ板状の操作部25とを備えた単一部品である。
連結部24には、軸線を上下方向に向けた上下対称な一対の回動軸26が形成されている。レバー22は、回動軸26を軸受部17に嵌合した状態で第1ハウジング11に取り付けられている。レバー22は、回動軸26を支点として嵌合位置(図1,2,4を参照)と初期位置(図6,9を参照)との間で約96°の範囲に亘って回動し得るようになっている。レバー22が嵌合位置にある状態では、回動軸26が連結部24の前端部に位置する。レバー22が切換位置及び初期位置にある状態では、回動軸26は連結部24の右端部に位置する。
レバー22が嵌合位置にある状態では、操作部25が回動軸26の右方に位置する。レバー22が初期位置にある状態では、操作部25が回動軸26の後方に位置する。嵌合位置と初期位置との間には、切換位置(図5,7,8を参照)が設定されている。この切換位置は、レバー22を初期位置から約6°の角度だけ嵌合位置側へ回動させた位置である。
両アーム部23の長さ方向両端部のうち連結部24に近い側の端部には、上下対称な一対の第1駆動部27が形成されている。第1駆動部27は、アーム部23の内面から軸線を上下方向に向けたエンボス状に突出している。レバー22が嵌合位置にあるときは、第1駆動部27が回動軸26の斜め右後方に位置し、レバー22が切換位置及び初期位置にあるときは、第1駆動部27が回動軸26の斜め左後方に位置する。
レバー22が嵌合位置との切換位置との間で回動する過程では、第1駆動部27は、円弧を描きながら、概ね左方(スライダ35の移動方向に沿う方向)に変位する。レバー22が切換位置と初期位置との間で回動する過程では、第1駆動部27は、円弧を描きながら、概ね上下方向(スライダ35の移動方向と概ね直交する方向)に変位する。
両アーム部23の長さ方向両端部のうち連結部24に近い側の端部には、上下対称な一対の第2駆動部28が形成されている。第2駆動部28は、アーム部23の内面から軸線を上下方向に向けたエンボス状に突出している。回動軸26から第2駆動部28までの距離は、回動軸26から第1駆動部27までの距離よりも長く設定されている。
レバー22が嵌合位置にあるとき、第2駆動部28は、回動軸26の斜め右後方であり、且つ第1駆動部27の斜め右前方に位置する。レバー22が切換位置にあるとき、第2駆動部28は、回動軸26のほぼ真後ろであり、且つ第1駆動部27の斜め右後方に位置する。レバー22が初期位置にあるとき、第2駆動部28は、回動軸26の斜め左方向であり、且つ第1駆動部27の斜め右後方に位置する。
レバー22が嵌合位置との切換位置との間で回動する過程では、第2駆動部28は、円弧を描きながら、スライダ35の移動方向に対して斜め方向に変位する。レバー22が切換位置と初期位置との間で回動する過程では、第2駆動部28は、円弧を描きながら、概ね左右方向(スライダ35の移動方向に沿う方向)に変位する。
上下両アーム部23の内面には、上下対称な一対の係止凹部29が形成されている。図11,16に示すように、係止凹部29は、レバー22の回動方向に対し斜めをなして鈍角状に連なる2つの緩斜面30によって構成されている。緩斜面30は、レバー22の回動方向とほぼ平行に近い角度で傾斜している。レバー22が初期位置にある状態では、電線カバー18(第1ハウジング11)の係止突起19が、係止凹部29の底部31に係止する。
連結部24には、スライダ35のうち後述するストッパ44を含む左端部との干渉を回避するための逃がし溝32が形成されている。同じく連結部24には、逃がし溝32の開口縁部から逃がし溝32の内側へ突出した形態の係止部33が形成されている。レバー22が嵌合位置にある状態では、係止部33は、連結部24の後端部に位置する。レバー22が切換位置及び初期位置にある状態では、係止部33は、連結部24の左端部に位置する。
レバー22には、過度変位規制部34が形成されている。過度変位規制部34は、上下両アーム部23のうち連結部24側の端部同士を連結する板状に形成されている。過度変位規制部34は、連結部24のうち係止部33側の端縁部に連なっている。レバー22が切換位置及び初期位置にある状態では、過度変位規制部34は、スライダ35の左端縁部に対し左方から対向するように位置する。
<スライダ35>
一対のスライダ35は上下対称なので、以下、上側に位置するスライダ35について説明し、下側のスライダ35の説明は省略する。スライダ35は、平面視形状が左右方向に長い略長方形の板状をなす。スライダ35は、板厚方向を上下方向に向けてガイド凹部16に嵌合された状態で第1ハウジング11に取り付けられている。スライダ35は、嵌合開始位置(図6,7を参照)と嵌合完了位置(図4を参照)との間で平行移動し得るようになっている。スライダ35の移動方向は、第1コネクタ10(第1ハウジング11)と第2コネクタ50(第2ハウジング51)の嵌合及び離脱方向に対して直交する方向である。
スライダ35の内面(下面)は、嵌合空間15内に臨んでいる。スライダ35の内面には、左右方向に並ぶ3つのカム溝36が形成されている。カム溝36の入口は、スライダ35の前端縁に開口するように配されている。カム溝36のうち入口及び入口に連なる領域は、入口側傾斜部37となっている。入口側傾斜部37は、第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合・離脱方向に対して傾斜しているとともに、スライダ35の移動方向に対しても傾斜している。
カム溝36のうち入口側傾斜部37よりも奥方(後方)の領域は、倍力用傾斜部38となっている。倍力用傾斜部38も、入口側傾斜部37と同様、第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合・離脱方向に対して傾斜しているとともに、スライダ35の移動方向に対しても傾斜している。但し、第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合・離脱方向(前後方向)に対する傾斜角度は、倍力用傾斜部38よりも入口側傾斜部37の方が大きく設定されている。
スライダ35の左端部には、スライダ35の上面(レバー22のアーム部23と対向する外面)から膨出した形態の従動部39が形成されている。従動部39には、平面視形状が後方に開放された略U字形の従動溝40が形成されている。従動部39の右方(スライダ35が嵌合完了位置側へ移動するときの移動方向前方)に臨む面は、スライダ35の移動方向と略直交する従動面41となっている。従動面41には、第2駆動部28が当接するようになっている。
従動溝40の内面のうち右側の面は、嵌合用受圧面42となっている。従動溝40の内面のうち左側(スライダ35が嵌合開始位置側へ移動するときの移動方向前方側)の面は、離脱用受圧面43となっている。従動溝40には第1駆動部27が収容されている。左右方向(スライダ35の移動方向)における嵌合用受圧面42と離脱用受圧面43との間隔は、第1駆動部27の外径よりも大きい寸法に設定されている。
スライダ35の左端縁部(スライダ35が嵌合開始位置側へ移動するときの移動方向前側の端縁部)には、ストッパ44が形成されている。ストッパ44の平面視形状は、スライダ35の左端縁部の前端部から、左方へ略三角形状に突出した形態である。ストッパ44には、レバー22の係止部33が当接可能となっている。
<第2コネクタ50>
第2コネクタ50は、合成樹脂製の第2ハウジング51と、第2ハウジング51に取り付けた複数の雄形の第2端子金具55とを備えて構成されている。図10に示すように、第2ハウジング51は、壁状をなす端子保持部52と、端子保持部52の外周縁から後方へ突出した角筒状のフード部53とを備えた単一部品である。
第2端子金具55は略L字形に屈曲した形態であり、第2端子金具55の前端側部分は回路基板(図示省略)に接続されている。第2端子金具55の後端側部分は、端子保持部52を貫通してフード部53内に収容されている。フード部53を構成する上下両壁部の外面には、夫々、左右方向に間隔を空けて並ぶ3つのカムフォロア54が突出形成されている。
<実施例の作用及び効果>
第1コネクタ10と第2コネクタ50が離脱した状態では、スライダ35が嵌合開始位置に仮保持され、レバー22が初期位置に保持されている。スライダ35が嵌合開始位置にある状態では、図6に示すように、スライダ35のストッパ44がレバー22の係止部33の後方(即ち、初期位置又は切換位置にあるレバー22が嵌合位置側へ回動するときの、係止部33の移動方向前方)で待ち受けている。したがって、レバー22を嵌合位置側へ回動させようとしても、図7に示すように、係止部33がストッパ44に突き当たるので、レバー22は、嵌合位置側への回動を規制された状態にロックされている。
レバー22が初期位置にあり、スライダ35が嵌合開始位置にある状態から、第1コネクタ10と第2コネクタ50を嵌合する際には、インナハウジング14をフード部53内に嵌入し、アウタハウジング13をフード部53に外嵌し、フード部53を嵌合空間15内に収容するようにして、第1ハウジング11と第2ハウジング51を浅く嵌合する。すると、図8に示すように、カムフォロア54が、カム溝36の入口に進入して入口側傾斜部37を押圧するので、スライダ35が嵌合開始位置からロック解除位置へ動かされる。
この間、第2駆動部28が従動面41に押されるので、係止凹部29と係止突起19のセミロック係止が解除され、レバー22は初期位置から切換位置へ回動する。また、第1駆動部27は、嵌合用受圧面42から遠ざかりつつ離脱用受圧面43に接近するように相対変位するが、スライダ35には駆動力を付与しない。スライダ35がロック解除位置へ移動すると、図8に示すように、係止部33の後方で対向するように位置していたストッパ44が、係止部33の斜め右後方位置(係止部33の回動軌跡から右方へ外れた位置)へ退避するので、レバー22は嵌合位置側への回動を許容される。
スライダ35がロック解除位置に移動した状態から、レバー22を嵌合位置側へ回動させると、回動の初期では、第1駆動部27は、離脱用受圧面43から遠ざかりつつ嵌合用受圧面42に接近していく。したがって、第1駆動部27が嵌合用受圧面42に当接するまでは、スライダ35に駆動力を付与しない。尚、第2駆動部28はスライダ35から離間するので、スライダ35に駆動力を付与しない。
第1駆動部27が嵌合用受圧面42に当接した後は、レバー22の回動に伴って第1駆動部27が嵌合用受圧面42を右方へ押圧するので、スライダ35が嵌合完了位置側へ移動する。スライダ35の移動に伴って、カムフォロア54とカム溝36の倍力用傾斜部38とが摺接するので、第1ハウジング11が第2ハウジング51側へ引き込まれ、両コネクタ10,50の嵌合動作が進む。
そして、図4に示すように、レバー22が嵌合位置に到達すると、スライダ35が嵌合完了位置に到達し、両ハウジング11,51(両コネクタ10,50)が嵌合状態となる。尚、レバー22が切換位置から嵌合位置へ回動する過程では、第2駆動部28は、従動部39から右方へ離間していくのでスライダ35に駆動力を付与しない。
嵌合状態の両ハウジング11,51を離脱する際には、嵌合位置のレバー22を初期位置まで回動させる。レバー22が切換位置に到達するまでの間は、第1駆動部27が離脱用受圧面43を右方へ押圧してスライダ35に駆動力を付与するので、スライダ35が嵌合完了位置からロック解除位置側へ移動する。スライダ35の移動に伴い、カムフォロア54と倍力用傾斜部38との摺接により第1ハウジング11が第2ハウジング51から離間していく。
レバー22が切換位置に至るまでの間、第2駆動部28は、スライダ35の従動部39に対して右方から追いかけるように接近していくのであるが、スライダ35に駆動力は付与しない。また、レバー22の係止部33は、左方へ移動するスライダ35のストッパ44に対しその斜め左後方から円弧を描きながら接近していく。しかし、スライダ35がロック解除位置に至るまでの間、ストッパ44は、係止部33の回動規制から外れた領域のみを移動する。これにより、係止部33がストッパ44と干渉することはないので、レバー22の回動動作がスライダ35によって妨げられることはない。
そして、レバー22が切換位置に到達すると、図5に示すように、スライダ35がロック解除位置に到達すると同時に、第2駆動部28が従動面41に当接する。この時点で、両ハウジング11,51の嵌合動作は完了していない。レバー22が切換位置にあり、スライダ35がロック解除位置にある状態では、第2駆動部28とレバー22の回動軸26とを結んだ仮想揺動線VLが、仮想基準線VSに対して略直角をなしている。仮想基準線VSは、レバー22の回動軸26を通り且つスライダ35の移動方向と平行をなす線である。したがって、レバー22が切換位置の近傍領域で回動する過程では、第2駆動部28の変位方向は、概ね左右方向(つまり、スライダ35の移動方向と略平行な方向)となる。また、係止部33の右端がストッパ44の左端が、左右方向において隣接すると共に前後方向においても隣接する位置関係となる。
レバー22が切換位置に到達した後も、レバー22の回動操作はそのまま継続する。レバー22が切換位置から初期位置まで回動する過程では、第2駆動部28が従動面41を左方へ押圧してスライダ35に駆動力を付与するので、スライダ35がロック解除位置から初期位置へ移動する。この間、カムフォロア54と倍力用傾斜部38との摺接により、両ハウジング11,51が更に離間させられる。
レバー22が切換位置から初期位置へ回動する間、第1駆動部27は、嵌合用受圧面42から離間して従動溝40の内部を相対的に右方へ変位するが、離脱用受圧面43には当接しないので、第1駆動部27からスライダ35に駆動力が付与されることはない。また、レバー22が切換位置から初期位置に回動しスライダ35がロック解除位置から嵌合開始位置へ移動する過程では、係止部33がストッパ44から遠ざかるように前方へ変位し、ストッパ44は係止部33に接近するように左方へ変位する。
そして、レバー22が初期位置に到達し、スライダ35が嵌合開始位置に到達すると、両ハウジング11,51の離脱が完了する。離脱完了状態では、図6に示すように、カムフォロア54がカム溝36の外部へ離脱し得るようなっている。また、ストッパ44が、係止部33に対しその後方から対向するように位置する。このときのストッパ44の位置は、レバー22を嵌合位置側(切換位置側)へ回動させたときの係止部33の回動軌跡上の位置となる。
レバー22が初期位置まで回動すると、レバー22の係止凹部29の底部31と第1ハウジング11の係止突起19とがセミロック状態で係止するので、レバー22が初期位置に保持される。また、初期位置のレバー22に外力が作用し、レバー22が嵌合位置側へ回動した場合は、図7に示すように、レバー22が切換位置に到達したところで、係止部33がストッパ44に突き当たって係止状態となるので、レバー22は嵌合位置側への回動を規制される。
尚、レバー22が切換位置に到達すると、第1駆動部27が嵌合用受圧面42に当接するのであるが、レバー22は回動規制状態にロックされているので、第1駆動部27はスライダ35に駆動力を付与しない。また、スライダ35と第1ハウジング11には、互いに係止することでスライダ35を嵌合開始位置に留め置くセミロックの仮保持手段(図示省略)が設けられている。したがって、スライダ35は確実に嵌合開始位置に保持され、カム溝36の入口はカムフォロア54の進入を許容する位置に仮保持される。尚、レバー22が初期位置から切換位置まで回動する過程では、第2駆動部28は、従動面41から離間していくので、スライダ35に駆動力を付与しない。
本実施例1のレバー式コネクタは、第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合作業の円滑化を実現するものであり、レバー22とスライダ35とを備えている。レバー22は、第1ハウジング11に取り付けられ、初期位置と嵌合位置との間で回動可能である。スライダ35は、第1ハウジング11に取り付けられ、嵌合開始位置と嵌合完了位置との間で平行移動可能である。スライダ35にはカム溝36が形成されている。スライダ35が嵌合開始位置にある状態では、第2ハウジング51のカムフォロア54がカム溝36の入口に進入することが許容される。スライダ35が嵌合開始位置から嵌合完了位置へ移動する過程では、カムフォロア54がカム溝36に摺接することで、第1ハウジング11と第2ハウジング51が嵌合する。
レバー22には、第1駆動部27と第2駆動部28が形成されている。レバー22が嵌合位置から初期位置より手前の切換位置まで回動する過程では、第1駆動部27は、スライダ35を嵌合完了位置から嵌合開始位置より手前のロック解除位置へ平行移動させる。レバー22が切換位置から初期位置へ回動する過程では、第2駆動部28がスライダ35をロック解除位置から嵌合開始位置まで押し動かす。
また、スライダ35が嵌合開始位置にある状態では、レバー22が初期位置から切換位置へ回動するのに伴い、第2駆動部28はスライダ35から離間していく。さらに、レバー22には係止部33が形成されている。スライダ35が嵌合開始位置にあり且つレバー22が切換位置にある状態では、係止部33がスライダ35に係止することにより、レバー22が嵌合位置側へ回動することを規制される。
嵌合状態の第1ハウジング11と第2ハウジング51を離脱する際には、レバー22を嵌合位置から初期位置へ回動させる。この間、レバー22が切換位置に達するまでは、第1駆動部27がスライダ35を嵌合完了位置からロック解除位置まで移動させ、スライダ35がロック解除位置に到達した後は、レバー22の回動にともなって第2駆動部28がスライダ35を嵌合開始位置まで移動させる。つまり、切換位置においてスライダ35を嵌合開始位置側へ移動させるための駆動手段が、第1駆動部27から第2駆動部28に切り換えられる。
スライダ35が嵌合開始位置へ移動した後、初期位置のレバー22を切換位置まで戻すと、第2駆動部28がスライダ35から離間していくので、スライダ35は嵌合開始位置に留まる。レバー22が切換位置に戻ると、係止部33がスライダ35に係止するので、レバー22は嵌合位置側への回動を規制される。レバー22の回動が規制されると、スライダ35は移動せずに嵌合開始位置に留まったままとなるので、カム溝36は第2ハウジング51のカムフォロア54の進入を許容する位置で待機する。したがって、本実施例のレバー式コネクタによれば、第1ハウジング11と第2ハウジング51を嵌合する際の作業を円滑に行うことができる。
また、スライダ35の移動方向が、第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合・離脱方向に対して略直交しており、カム溝36は、入口側傾斜部37を有している。第1ハウジング11と第2ハウジング51との嵌合を開始してカムフォロア54がカム溝36に進入する過程では、カムフォロア54の押圧力が入口側傾斜部37に付与され、この押圧力によりスライダ35が嵌合開始位置からロック解除位置側へ移動する。この構成によれば、カム溝36にカムフォロア54を進入させるだけで、スライダ35がロック解除位置へ移動してレバー22が回動可能な状態となる。したがって、カム溝36にカムフォロア54を進入させる前にスライダ35をロック解除位置へ戻す作業が不要である。
また、カム溝36には、倍力用傾斜部38が形成されている。レバー22が切換位置と嵌合位置との間で回動する過程では、カムフォロア54が倍力用傾斜部38と摺接するようになっている。前後方向(第1ハウジング11と第2ハウジング51の嵌合・離脱方向)に対する入口側傾斜部37の傾斜角度は、前後方向に対する倍力用傾斜部38の傾斜角度よりも小さく設定されている。
倍力用傾斜部38はスライダ35側からカムフォロア54側へ大きな力を付与する領域なので、両ハウジング11,51の嵌合・離脱方向に対する傾斜角度が大きいほど倍力機能が向上する。一方の入口側傾斜部37は、カムフォロア54側からカム溝36側へ押圧力を付与する領域なので、両ハウジング11,51の嵌合・離脱方向に対する傾斜角度が小さいほど、スライダ35への押圧力を高めることができる。
また、スライダ35には、レバー22が嵌合位置から切換位置へ回動する過程で第1駆動部27に押される離脱用受圧面43と、レバー22が切換位置から嵌合位置へ回動する過程で第1駆動部27に押される嵌合用受圧面42とが形成されている。離脱用受圧面43と嵌合用受圧面42との間では、第1駆動部27が左右方向(スライダ35の移動方向と平行な方向)に変位することが可能となっている。この構成によれば、スライダ35が嵌合開始位置にある状態でレバー22が初期位置から切換位置へ回動する過程では、第1駆動部27はスライダ35に駆動力を付与しないので、スライダ35を嵌合開始位置に留めておくことができる。
また、レバー22には、過度変位規制部34が形成されている。嵌合開始位置にあるスライダ35が嵌合完了位置とは反対の左側へ移動しようとしても、スライダ35が過度変位規制部34に突き当たるので、スライダ35が嵌合完了位置とは反対側へ移動することはない。したがって、第1ハウジング11と第2ハウジング51を離脱する作業の際に、レバー22が過度に回動することと、スライダ35が過度に移動することを防止できる。
また、第2駆動部28とレバー22の回動中心である回動軸26との距離は、第1駆動部27と回動軸26との間の距離より長く設定されている。この構成によれば、レバー22を切換位置から初期位置へ回動する過程で、その回動角度が小さくても、スライダ35の移動寸法を大きく確保できる。
また、本実施例1では、レバー22の回動中心である回動軸26と第2駆動部28とを結んだ線を仮想揺動線VLと規定し、回動軸26を通り且つスライダ35の移動方向と平行な線を仮想基準線VSと規定している。そして、第2駆動部28がスライダ35をロック解除位置から嵌合開始位置へ押し動かす過程(レバー22が切換位置から初期位置へ回動する過程)では、仮想基準線VSに対する仮想揺動線VLの傾斜角度が45°より大きくなる範囲に限定している。
具体的には、レバー22が嵌合位置から切換位置まで回動して第2駆動部28がスライダ35に当接した状態では、第2駆動部28と回動軸26とを結んだ仮想揺動線VLが、仮想基準線VS(スライダ35の移動方向と平行な方向)に対して略直角をなしている。また、レバー22が切換位置から初期位置へ回動して第2駆動部28がスライダ35を嵌合開始位置まで押し動かした状態でも、仮想揺動線VLが仮想基準線VSに対して概ね直角に近い角度をなしている。
もし、第2駆動部28がスライダ35をロック解除位置から嵌合開始位置へ押し動かす過程で、仮想基準線VSに対する仮想揺動線VLの傾斜角度が45°より小さい場合は、第2駆動部28がスライダ35の移動方向と平行に移動する距離は、第2駆動部28がスライダ35の移動方向と直角に移動する距離より小さくなる。そのため、レバー22の回動角度が大きくても、スライダ35が移動する距離が比較的小さくなる。
これに対し本実施例1では、第2駆動部28がスライダ35をロック解除位置から嵌合開始位置へ押し動かす過程で、仮想基準線VSに対する仮想揺動線VLの傾斜角度を45°より大きくしている。仮想基準線VSに対する仮想揺動線VLの傾斜角度が45°より大きい範囲で第2駆動部28を回動させれば、第2駆動部28がスライダ35の移動方向(仮想基準線VS)と平行に移動する距離は、第2駆動部28がスライダ35の移動方向と直角に移動する距離より大きくなる。したがって、レバー22を切換位置から初期位置へ回動させるときの第2駆動部28の回動角度が小さくても、スライダ35の移動寸法を大きく確保することができる。
また、レバー22には、レバー22の回動方向に対し斜めをなして鈍角状に連なる2つの緩斜面30によって構成された係止凹部29が形成されている。一方、第1ハウジング11には、レバー22が初期位置にある状態で係止凹部29の底部31に係止する係止突起19が形成されている。
この構成によれば、係止突起19と係止凹部29との係止により、レバー22を初期位置に保持することができる。係止凹部29は鈍角状に連なる2つの緩斜面30で構成されているので、係止凹部29と係止突起19との係止はセミロック形態である。したがって、レバー22を初期位置から嵌合位置側へ回動させる際の作業性が良い。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、カム溝の入口にカムフォロアを進入させるだけで、スライダが嵌合開始位置からロック解除位置へ移動してレバーが回動可能な状態となるが、カム溝にカムフォロアを進入させる前に、スライダをロック解除位置へ戻すようにしてもよい。
(2)上記実施例では、第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合・離脱方向に対する傾斜角度は、入口側傾斜部よりも倍力用傾斜部の方が大きいが、この傾斜角度は、入口側傾斜部と倍力用傾斜部とで同じ角度としてもよい。
(3)上記実施例では、回動軸と第2駆動部との距離を、回動軸と第1駆動部との距離よりも長く設定したが、回動軸と第2駆動部との距離は、回動軸と第1駆動部との距離より短くてもよく、回動軸と第1駆動部との距離と同じ寸法であってもよい。
(4)上記実施例では、レバーが嵌合位置から切換位置まで回動して第2駆動部がスライダに当接した状態では、第2駆動部とレバーの回動軸とを結んだ仮想揺動線が、スライダの移動方向と略直角をなしているが、その仮想揺動線は、スライダの移動方向に対して比較的大きな角度をなす方向であってもよい。
(5)上記実施例では、レバーの回動軸と第2駆動部とを結んだ線を仮想揺動線と規定し、回動軸を通り且つスライダの移動方向と平行な線を仮想基準線と規定した上で、第2駆動部がスライダを押し動かす過程では仮想基準線に対する仮想揺動線の傾斜角度が45°より大きくなる範囲に限定したが、これに限らず、第2駆動部がスライダを押し動かす過程では仮想基準線に対する仮想揺動線の傾斜角度が45°より小さい範囲を含むようにしてもよい。
11…第1ハウジング
19…係止突起
22…レバー
26…回動軸
27…第1駆動部
28…第2駆動部
29…係止凹部
30…緩斜面
31…係止凹部の底部
33…係止部
34…過度変位規制部
35…スライダ
36…カム溝
37…入口側傾斜部
38…倍力用傾斜部
42…嵌合用受圧面
43…離脱用受圧面
51…第2ハウジング
54…カムフォロア
VL…仮想揺動線
VS…仮想基準線

Claims (8)

  1. 第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングに対し嵌合及び離脱が可能な第2ハウジングと、
    前記第1ハウジングに取り付けられ、初期位置と嵌合位置との間で回動可能なレバーと、
    前記第1ハウジングに取り付けられ、嵌合開始位置と嵌合完了位置との間で平行移動可能なスライダと、
    前記スライダに形成され、前記スライダが前記嵌合開始位置にある状態で前記第2ハウジングに形成されたカムフォロアの進入を許容し、前記スライダが前記嵌合開始位置から前記嵌合完了位置へ移動する過程では前記カムフォロアを摺接させることで前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを嵌合させるカム溝と、
    前記レバーに形成され、前記レバーが前記嵌合位置から前記初期位置より手前の切換位置まで回動する過程で、前記スライダを前記嵌合完了位置から前記嵌合開始位置より手前のロック解除位置へ平行移動させる第1駆動部と、
    前記レバーに形成され、前記レバーが前記切換位置から前記初期位置へ回動する過程で前記スライダを前記ロック解除位置から前記嵌合開始位置まで押し動かし、且つ前記スライダが前記嵌合開始位置にある状態で前記レバーを前記初期位置から前記切換位置へ回動するのに伴い前記スライダから離間していく第2駆動部と、
    前記レバーに形成され、前記スライダが前記嵌合開始位置にあり且つ前記レバーが前記切換位置にある状態において、前記スライダに係止することで前記レバーが前記嵌合位置側へ回動することを規制する係止部とを備えていることを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 前記カム溝は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの嵌合を開始して前記カムフォロアが前記カム溝に進入する過程で、前記カムフォロアの押圧力により前記スライダを前記嵌合開始位置から前記ロック解除位置側へ移動させることが可能な入口側傾斜部を有していることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
  3. 前記カム溝には、前記レバーが前記切換位置と前記嵌合位置との間で回動する過程で前記カムフォロアを摺接させる倍力用傾斜部が形成され、
    前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合・離脱方向に対する傾斜角度は、前記入口側傾斜部よりも前記倍力用傾斜部の方が大きく設定されていることを特徴とする請求項2記載のレバー式コネクタ。
  4. 前記スライダには、前記レバーが前記嵌合位置から前記切換位置へ回動する過程で前記第1駆動部に押される離脱用受圧面と、前記レバーが前記切換位置から前記嵌合位置へ回動する過程で前記第1駆動部に押される嵌合用受圧面とが形成され、
    前記離脱用受圧面と前記嵌合用受圧面との間では、前記第1駆動部が前記スライダの移動方向と平行に変位することが可能となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
  5. 前記レバーに形成され、前記嵌合開始位置にある前記スライダが前記嵌合完了位置とは反対側へ移動することを規制する過度変位規制部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
  6. 前記第2駆動部と前記レバーの回動中心である回動軸との距離は、前記第1駆動部と前記回動軸との距離より長く設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
  7. 前記レバーの回動中心である回動軸と前記第2駆動部とを結んだ線を仮想揺動線と規定し、前記回動軸を通り且つ前記スライダの移動方向と平行な線を仮想基準線と規定した上で、
    前記第2駆動部が前記スライダを前記ロック解除位置から前記嵌合開始位置へ押し動かす過程では、前記仮想基準線に対する前記仮想揺動線の傾斜角度が45°より大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
  8. 前記レバーに形成され、前記レバーの回動方向に対し斜めをなして鈍角状に連なる2つの緩斜面によって構成された係止凹部と、
    前記第1ハウジングに形成され、前記レバーが前記初期位置にある状態で前記係止凹部の底部に係止する係止突起とを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
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