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JP6276100B2 - 農作物の成長観察システム - Google Patents

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Description

本発明は、農作物を管理しながら育成させる施設園芸、例えば、ハウス栽培、水耕栽培、植物工場等にて使用される農作物の成長観察システムに関する。
施設園芸では、農作物例えばトマトを育成させる時、肥料濃度、日照、温度、湿度、飽差等を管理し、炭酸同化作用をコントロールすることによって、育成状況を変化させている。植物の環境条件を最適にすることによって、農作物から収穫される成果物の品質向上、収量増加が達成できる。
特開平8−266155公報
しかしながら、農作物の成長と成果物の品質及び収量等との関係について、生産者の経験と勘で捉えている要素を次世代の生産者に正確に継承することは困難であった。また、環境条件が最適かどうかの判断を農作物の全体観察から行うことは取得する情報が多様になりすぎるため、正確な生育状態の把握は困難であった。一方、農作物の一つ一つに対して作業者が手作業で生育状態を把握するためのデータ取得を行うことは多大な手間と労力が必要であり、情報の取得数にも限界があった。
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係る農作物の成長観察システムは、農作物が栽培されてなる育成空間と、前記農作物の中から選択された一の観察対象植物と、前記観察対象植物の地上構成部分の一端部である測定目標と、前記観察対象植物の茎に取り付けられた基点標識とを含んでなる画像取得領域と、前記観察対象領域を撮像するカメラ部と、前記カメラ部に接続され、情報記憶部を有する情報処理部を備え、前記カメラ部は撮像した前記画像取得領域の画像情報を前記情報処理部に送信する画像情報送信手段を有し、前記情報処理部は、前記カメラ部から送信された画像情報を受信する画像情報受信手段と、前記画像情報から前記基点標識を認識する基点認識手段と、前記画像情報から前記測定目標を認識する測定目標認識手段と、認識された前記基点標識から前記測定目標までの成長長さL1を取得する成長長さ取得手段と、取得した成長長さL1を前記情報記憶部に記憶する成長長さ記憶手段とを有することを特徴とする。
本発明は、農作物全般に適用することができ、農作物として好ましくは、トマト、ナス、じゃがいも、ピーマン等のナス科、及びウリ、キュウリ、かぼちゃ、スイカ、メロン、ゴーヤ等のウリ科から選ばれる果菜類が挙げられ、より好ましくはトマト、キュウリ、ナスであり、さらに好ましくはトマトである。
育成空間は農作物を育成させる施設園芸が実施されている空間を指すが、例えば、畑、田、ハウス栽培施設、水耕栽培施設、若しくは植物工場等が挙げられる。より好ましくは、ハウス栽培施設、水耕栽培施設、若しくは植物工場である。ハウス栽培施設、水耕栽培施設、若しくは植物工場であれば、本発明で得られた測定結果に基づき、農作物の周辺温度、周辺湿度、二酸化炭素濃度、並びに農作物に対する光照射時間、光照射量、肥料濃度等から選択できる一若しくは複数の農作物生育条件を人工的に調整することが可能だからである。
本発明が用いられる農作物は、水耕栽培されてなるものが好ましい。水耕栽培される農作物は、土耕栽培により根が土に埋設される代わりに、液肥を貯留した容器に根が浸された状態で栽培される。これにより、土に埋設されることで受けるストレスから根を解放させることができ、土耕栽培する場合と比較して肥料成分を植物体へ輸送する能力を向上させることができる。
そのため、水耕栽培で栽培されてなる農作物は土耕栽培する場合よりも成長が早く、農作物の成長点付近の部分についての成長管理がより重要となる。
特に観察するために重要な部分としては、観察対象植物の茎頂部から10cm程度の部分が50cm程度に成長するまでの一定時間当たりの成長長さについて観察することであり、これにより対象となる観察対象植物が育成環境から受ける育成状態の変化を的確に把握することができる。ここで育成状態の変化の例としては、一定時間当たりの茎の成長長さの変化若しくは茎径の変化が挙げられる。特に、水耕栽培されてなるトマトは土耕栽培の場合と比較して植物体を速く大きく育成させることができるため、前記観察対象植物の茎頂部から10cm程度の部分が50cm程度に成長するまでの一定時間当たりの成長長さを一若しくは複数回取得して観察することが有効である。
本発明によれば、水耕栽培で栽培されてなる農作物が特に生育環境に影響されやすい一部分の成長に伴う変化を選択的に観察して、当該変化に基づく情報を農作物に対して非侵襲で取得することができ、その結果から環境条件を変化させ、最適な生育環境を実現することができる。なお、農作物が水耕栽培されてなるものである場合は、観察対象植物の地上構成部分とは、観察対象植物の水面より上を構成する部分をいう。
カメラ部は、カメラ本体及びレンズを備え、レンズを介してカメラ本体内部で結像させた画像をカメラ本体内部に設けられたイメージセンサーで画像情報化できるものが好ましく、当該画像情報を画像情報送信手段によって、情報処理部等の外部機器に送信できる機能を備えている。
情報処理部は、カメラ部から送信された画像情報が受信可能な画像情報受信手段、情報記憶部、及び演算部を備えている。情報処理部は、カメラ部から受信した画像情報、取得した成長長さL1等を情報記憶部で記憶することができる。情報記憶部は、ハードディスクドライブ、若しくはフラッシュメモリ等の情報の書き込み、読み取りが可能な一時記憶装置を使用することができ、また、これらの一時記憶装置を複数組み合わせて使用することができる。情報処理部は、演算部により画像情報から基点標識の認識、及び測定目標の認識等を行うと共に、成長長さL1等を取得することができる。演算処理部には、一般にCPUと呼ばれる中央処理装置を用いることができる。情報処理部に用いることができる具体的機器の例として、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末を挙げることができる。情報処理部は、画像情報、並びに取得した成長長さL1、基準長さL0、茎部径L2及び単位長さD0等の必要な情報を表示する表示画面を備えていることが好ましい。
画像取得領域は、選択された一の観察対象植物全体ではなく、当該観察対象植物の一部分である。これにより、不要な周辺の画像情報を極力排除し、使用者が観察するために重要であると判断した画像取得領域に含まれる基点標識、及び測定目標の認識精度を上げることができると共に、成長長さL1の正確性を向上させることができる。そのためより好ましくは、画像取得領域内の上端には測定目標に定められた観察対象植物の一端部が配置され、画像取得領域内の下端には基点標識が配置されるように画像取得領域を設定する。
基点標識は、観察対象植物の茎に着脱自在に直接取り付けることができる取付部を備えてなることが好ましい。取付部は、観察対象植物の表面に粘着層を介して貼付け可能なシール、若しくは観察対象植物の茎、枝、若しくは葉等を挟持可能なクリップであることが好ましい。なお本発明において茎は、観察対象植物がきゅうり、若しくはウリ等の蔓性植物の場合には親蔓を指す。
基点標識は、観察対象植物がトマトである場合には、茎頂部から根元方向に数えて3つ目の花房に至るまでの茎に取り付けられてなることが好ましい。これにより取得される成長長さL1は、観察対象植物が成長するにあたって育成空間内の環境条件の影響を強く発現する部分の情報であり、観察対象植物の環境条件が最適かどうかの判断を行うために有用な情報を得ることができるからである。
本発明は、観察対象植物が成長し、測定目標が基点標識から遠ざかった場合には、取付部を観察対象植物から離脱させ、基点標識を取り付けなおすことができる。これにより、画像取得領域を必要以上に広くすることなく、成長長さL1を正確に取得することができる。
基点認識手段は、あらかじめ基点標識全体の形状情報を情報処理部内の記憶装置に記憶しておき、画像情報に取り込まれた基点標識の形状と比較して形状一致を判断することで認識することとしても良い。
また、他の基点認識手段として、基点標識に基点記号を付加しておき、前記基点記号を認識することにより行われるものであっても好ましい。基点記号は、前記取付部の表面若しくは取付部と一体に連接して設けられてなることが好ましい。基点標識が観察対象植物に取り付けられた位置と、情報処理部が基点記号を認識する位置との差異を小さくして、成長長さL1の測定精度を向上させることができるからである。従って、基点記号は前記取付部と一体に形成されていることがより好ましい。
前記基点記号を用いた基点認識手段は、あらかじめ情報処理部内の記憶装置に記憶しておいた前記基点記号の形状情報と画像情報に取り込まれた基点記号の形状とを比較して形状一致を判断することで認識することとしても良い。前記基点記号としては、例えば十字型、×型、若しくは星型等の単純で中心位置が分かりやすい記号であることが好ましい。なお当該基点記号を用いた基点認識手段には、既知のOCR(Optical Character Recognition)機能を利用して画像情報から基点記号を認識することとしても好ましい。
さらに他の基点認識手段として、画像情報を情報処理部に設けられた表示画面に表示し、当該表示された画像情報中の基点標識を表示画面上において使用者が選択することによって認識することとしても良い。当該表示画面上における基点標識の選択は、カーソル操作に行う、若しくは表示画面がタッチパネル機能を備えている場合には使用者が表示画面に表示されている基点標識箇所を指で触れて行うことができる。
前記測定目標は、前記観察対象植物の成長に伴う変化が検出できる部分を設定することができるが、特に茎頂部、若しくは枝の先端部であることが好ましい。特に測定目標として好ましいのは、観察対象植物の茎頂部もしく枝の先端に存在する成長点と呼ばれる細胞分裂が活発な部分である。なお、枝は茎の側面から分かれ出ている葉若しくは花が付く部分である。
測定目標認識手段は、あらかじめ測定目標の形状情報を情報処理部と接続された情報記憶部に記憶しておき、画像情報に取り込まれた測定目標の形状と前記測定目標の形状情報とを比較して、情報処理部が形状一致を判断することで認識することとしてもよい。
また他の測定目標認識手段として、測定目標の画像情報を情報処理部に設けられた表示画面に表示し、当該表示された画像情報中の測定目標を表示画面上において使用者が選択することによって認識することとしても良い。当該表示画面上における測定目標の選択は、カーソル操作によって行うことができ、また表示画面がタッチパネル機能を備えている場合には使用者が表示画面に表示されている測定目標箇所を指で触れて行うこととしても好ましい。
成長長さ取得手段は、例えば、基点認識手段によって認識された基点標識を原点として、測定目標認識手段によって認識された測定目標が基点標識からどの程度離れているかを情報処理部がピクセル単位で取得する手段とすることができる。ここで、ピクセルとは画素のことをいい、画像情報を構成する最小単位の描画点を示す。
なお、成長長さ取得手段が機能するにあたり、認識された基点標識及び測定目標表示画面上で一定の面積を有する領域である場合には、それぞれの領域内の特定の画素を基点標識及び測定目標とすることができる。前記特定の画素の例としては、それぞれの領域内の中心にあたる画素とすることができる。
得られた成長長さL1は、観察対象植物の環境条件が最適かどうかの判断を行うために有用な情報とすることができる。
また前記情報処理部は、前記成長長さL1を一定時間ごとに取得し、各成長長さL1を前記成長長さ記憶手段によって情報記憶部に記憶することとしても好ましい。
さらに前記情報処理部は、前記情報記憶部に記憶された複数の成長長さL1から、時間を前後して記憶された異なる二つの成長長さL1を選択して、成長長さL1の変化値である成長管理情報を取得する成長管理情報取得手段を有することとしても好ましい。成長管理情報は、取得時間の遅い成長長さL1を取得時間の早い成長長さL1で割った変化比率とすることができる。また前記変化値は、成長管理情報として取得時間の遅い成長長さL1から取得時間の早い成長長さL1を差し引いた差引値としても良い。
また本発明は、前記カメラ部から前記基点標識までの撮影距離と同じ距離に設けられた基準長さ指標を備え、前記情報処理部は、前記情報記憶部に記憶された前記基準長さ指標の実際の長さ情報である単位長さD0と、前記画像情報から前記基準長さ指標を認識する長さ指標認識手段と、認識した長さ指標から基準長さL0を取得する基準長さ取得手段と、前記成長長さL1、前記基準長さL0、及び単位長さD0から、D1=(D0/L0)×L1で示される式より求められる標準化成長長さD1を取得する標準化成長長さ取得手段とを有することとしても好ましい。
長さ指標認識手段は、あらかじめ基準長さ指標の形状情報を情報処理部と接続された情報記憶部に記憶しておき、画像情報に取り込まれた基準長さ指標の形状と前記基準長さ指標の形状情報とを比較して、情報処理部が形状一致を判断することで認識することとしてもよい。
また他の長さ指標認識手段として、基準長さ指標の画像情報を情報処理部に設けられた表示画面に表示し、当該表示された画像情報中の基準長さ指標を表示画面上において使用者が選択することによって認識することとしても良い。当該表示画面上における基準長さ指標の選択は、カーソル操作によって行うことができ、また表示画面がタッチパネル機能を備えている場合には使用者が表示画面に表示されている基準長さ指標箇所を指で触れて行うことができる。
基準長さ取得手段は、例えば、長さ指標認識手段によって認識された基準長さ指標上の特定の2点間がどの程度離れているかを情報処理部がピクセル単位で取得する手段とすることができる。基準長さ指標上の特定の2点としては、例えば基準長さ指標を棒状としてその両端を特定の2点とすることができる。また、他の例として、基準長さ指標が、直線上において相反する両頭の矢印記号を象ったものであり、その二つの矢印の先端を特定の2点とすることができる。
また前記情報処理部は、前記標準化成長長さD1を一定時間ごとに取得し、各標準化成長長さD1を前記標準化成長長さ記憶手段によって情報記憶部に記憶することとしても好ましい。
さらに前記情報処理部は、前記情報記憶部に記憶された複数の標準化成長長さD1から、時間を前後して記憶された異なる二つの標準化成長長さD1を選択して、標準化成長長さD1の変化値である標準化成長管理情報を取得する標準化成長管理情報取得手段を有することとしても好ましい。標準化成長管理情報は、取得時間の遅い標準化成長長さD1を取得時間の早い標準化成長長さD1で割った変化比率とすることができる。なお、標準化成長管理情報として取得時間の遅い標準化成長長さD1から取得時間の早い標準化成長長さD1を差し引いた差引値としても良い。
さらにまた、前記情報処理部は、前記基点標識に隣接する観察対象植物の茎部を認識する茎部認識手段と、認識した茎部径L2を取得する茎部径取得手段とを有することとしても好ましい。ここで茎部径は、情報処理部が認識した茎部の直径をいう。
また、前記カメラ部から前記基点標識までの撮影距離と同じ距離に設けられた基準長さ指標を備え、前記情報処理部は、前記情報記憶部に記憶された前記基準長さ指標の実際の長さ情報である単位長さD0と、前記画像情報から前記基準長さ指標を認識する長さ指標認識手段と、認識した長さ指標から基準長さL0を取得する基準長さ取得手段と、前記茎部径L2、前記基準長さL0、及び単位長さD0から、D2=(D0/L0)×L2で示される式より求められる標準化茎部径D2を取得する標準化茎部径取得手段とを有することとしても好ましい。
さらに前記情報処理部は、前記茎部径L2を一定時間ごとに取得することとしても好ましく、さらにまた、時間の経過によって変化する前記茎部径L2の変化値である茎部成長管理情報を取得する茎部成長管理情報取得手段を有することとしても好ましい。茎部成長管理情報は、取得時間の遅い茎部径L2を取得時間の早い茎部径L2で割った変化比率とすることができる。なお、茎部成長管理情報として取得時間の茎部径L2から取得時間の早い茎部径L2を差し引いた差引値としても良い。
なお、前記茎部径取得手段は、単独で行うこともできることとしても好ましい。すなわち、農作物が栽培されてなる育成空間と、前記農作物の中から選択された一の観察対象植物と、前記観察対象植物の地上構成部分の一端部である測定目標と、前記観察対象植物の茎に取り付けられた基点標識とを含んでなる画像取得領域と、前記観察対象領域を撮像するカメラ部と、前記カメラ部に接続され、情報記憶部を有する情報処理部を備え、前記カメラ部は撮像した前記画像取得領域の画像情報を前記情報処理部に送信する画像情報送信手段を有し、前記情報処理部は、前記カメラ部から送信された画像情報を受信する画像情報受信手段と、前記画像情報から前記基点標識を認識する基点認識手段と、前記画像情報から前記測定目標を認識する測定目標認識手段と、前記基点標識に隣接する観察対象植物の茎部を認識する茎部認識手段と、認識した茎部径L2を取得する茎部径取得手段とを有することを特徴とする農作物の成長観察システムであってもよい。
また前記基点標識には、測定事項指示記号が付加されてなり、前記情報処理部は、前記画像情報から前記測定事項指示記号を認識する指示記号認識手段と、認識した前記測定事項指示記号に対応して前記成長長さ取得手段若しくは前記茎部径取得手段のいずれかを選択する測定事項選択手段を備えることとしても好ましい。ここで、測定事項とは、成長長さ取得手段を実行して成長長さを取得すること、若しくは、茎部径取得手段を実行して茎部径を取得することのいずれかを指す。
測定事項指示記号としては、平仮名、片仮名、アルファベット、及び数字から選択された任意の文字の組み合わせであることが好ましい。測定事項指示記号が前記文字の組み合わせであることによって、例えばOCR機能を用いて情報処理部が認識することによって対応する測定事項を間違いなく選択して認識させることができる。また、測定事項指示記号の形状情報をあらかじめ情報処理部内の記憶装置に記憶しておき、当該測定事項指示記号の形状情報と画像情報に取り込まれた測定事項指示記号の形状とを比較して形状一致を判断することで認識することとしても良い。なお、測定事項指示記号にはアルファベット一文字と数字一文字の組み合わせ等、単純な組み合わせとすることで認識の誤認率を抑えることができる。
また、前記カメラ部及び情報処理部が、前記画像情報を出力可能な表示画面を備えた携帯情報端末に組み込まれていることとしても好ましい。
本発明によれば、農作物のうち特に生育環境に影響されやすい一部分の成長に伴う変化を選択的に観察して、当該変化に基づく情報を農作物に対して非侵襲で取得することができ、その結果から環境条件を変化させ、最適な生育環境を実現することができる。
また、本発明による成長長さL1に係る情報は一定時間ごとに繰り返し自動的に取得できるため、多数の情報取得に際しても従来よりも手間と労力を低減することができるため、観察対象植物の環境に対する変化を詳細に知ることができる。
また、取得された情報のデータベース化も容易であり、将来の栽培条件を決定するための指標を作成することができる。その結果、高品質な成果物を生産できる農作物の開発が可能となる。また、成果物の収量の増加も可能となる。
温室2とその内部に栽培されている観察対象植物3、及びカメラ部12の様子を示す概略図である。 本発明を構成する一の観察対象植物3、カメラ部12、及び情報処理部17を示す概略図である。 基点標識8の全体斜視図である。 本発明を構成する技術的手段のブロック図である。 情報記憶部19に記憶される情報の内容の概要を示すブロック図である。 本発明に係る画像情報15の取得、及び情報処理部17における情報処理に関するフロー図である。 標準化成長管理情報取得手段41に関するフロー図である。 茎部径取得手段49に関するフロー図である。
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。
図1及び2は、本発明に係る作物の成長管理システム1の概略を示す図である。図1に示すように、本実施の形態において農作物である観察対象植物3は育成空間である温室2に備え付けられた水耕栽培用容器Pに多数植えられ、水耕栽培されている。水耕栽培用容器Pには、液肥含有用水Wが貯留されており、観察対象植物3は根が液肥含有用水W内に浸された状態で栽培されている。本実施の形態において、観察対象植物3はトマトである。温室2は、内部空間の液肥濃度、日照、温度、湿度、飽差等の環境条件を管理し、炭酸同化作用を人工的にコントロールすることができる。
図2には、温室2に栽培されている内の一の観察対象植物3の地上構成部分について、茎頂部付近が示されている。観察対象植物3は、茎4、花房5、及び葉6を有しており、茎4の頂点には茎頂部7が形成されてなる。
茎4には基点標識8が取り付けられており、当該基点標識8は、図3に示すように茎4の前後からばねの力で挟み込むことで茎4に直接取り付けることができるクリップ状の取付部9、及び取付部9の表面に設けられた基点記号10を備えてなる。本実施の形態において、基点記号10は図2に示すように円形の枠内に形成された×型の記号からなる。また基点標識8は、取付部9の側面から突出して連続に形成されてなる基準長さ指標11を備えており、基準長さ指標11は上下方向に相反する両頭の矢印記号を象った形状に形成されている。
基点標識8は、観察対象植物3がトマトである本実施の形態の場合には、茎頂部7から根元方向に数えて3つ目の花房5に至るまでの茎4に取り付けられてなることが好ましい。これにより取得される成長長さL1は、観察対象植物3が成長するにあたって温室2内の環境条件の影響を強く発現する部分の情報であり、観察対象植物3の環境条件が最適かどうかの判断を行うために有用な情報を得ることができる。
本発明は、成長長さL1を一定時間Tごとに繰り返し取得することができるが、観察対象植物3が成長し、茎頂部7が基点標識8から遠ざかった場合には、取付部9を茎4から離脱させ、基点標識8を取り付けなおすことができる。本実施例において、基点標識8の当初取り付け位置、及び取り付けなおし直後の取り付け位置(以下、単に取り付け位置という。)は、茎頂部7から5cm〜50cmの範囲内であることが好ましく、特に好ましいのは茎頂部7から8cm〜12cmの位置である。茎頂部7から5cmよりも近いと基点標識8を取り付けようとする部分の茎4が細すぎて基点標識8を安定に取り付けることができない可能性が高いからである。一方、茎頂部7から50cmよりも遠いと画像取得領域14が大きくなりすぎ、基点標識8の認識処理が困難になる可能性があるからである。また、基点標識8の取り付け位置を茎頂部7から8cm〜12cmとすれば、当該取り付け位置が茎頂部7から50cmとなるまでの間の観察対象植物3の成長に伴う変化が特に著しいので、成長長さL1を繰り返し取得することで観察対象植物3が育成環境から受ける育成状態の変化を把握することが容易となる。
また、基点標識8の取り付け位置を、第一花のみが咲いている花房5が茎4から枝分かれしている部分とすることとしても好ましい。トマトは、成長するに伴って茎頂部7付近に発生させる花房5と次に発生させる花房5までの時間がほぼ一定である。そのため、花房5の第一花のみが咲いているときに、当該花房5が茎4から枝分かれしている部分に基点標識8を取り付けて茎頂部7までの成長長さL1を測定し、さらに次の花房5においても同様に成長長さL1を測定することで、前後の成長長さL1の変化から観察対象植物3が育成環境から受ける育成状態の変化を把握することができる。このような構成であれば、新しく花房5が発生した時点で基点標識8を取り付ける位置を明確に把握することができ、基点標識8を取り付ける度ごとに茎頂部7からの長さを測定する手間を省くことができる。なお、前記第一花とは、一の花房5に発生した複数の花のうち最初に咲いた花をいう。
観察対象植物3から離れた位置には、基点標識8に形成された基点記号10と基準長さ指標11とから同じ距離となる位置にカメラ部12が設置されており、カメラ部12は観察対象植物3に向けて設けられたレンズ部13を介して二点鎖線で表された画像取得領域14を撮像し、画像情報15を取得する。本実施の形態においては、画像取得領域14は観察対象植物3の茎頂部7から基点標識8までを範囲としており、茎頂部7が測定目標として設定されている。
図4には、本発明を構成する技術的手段のブロック図を示す。カメラ部12は、内部に画像情報送信手段16を備えており、取得した画像情報15をカメラ部12と離間した場所に設置された情報処理部17に送信することができる。情報処理部17は、内部に備えた画像情報受信手段18を介してカメラ部12から送信された画像情報15を受信すると共に、情報記憶部19に一時保存する。情報記憶部19に保存された画像情報15は、必要に応じて表示画面20に表示され、また、画像情報15から認識した情報に基づいて演算部21が必要な情報を取得する。演算部21が取得した情報は情報記憶部19に一時保存される。
図6は、本発明に係る技術的手段の一例を示すフロー図である。本発明に係る作物の成長管理システム1を、情報処理部17に設けた開始ボタンを起動させて開始させる(ステップS1)と、カメラ部12が前記画像取得領域14を撮像して画像情報15を取得する(ステップS2)と共に、情報処理部17に前記画像情報15を画像情報送信手段16によって送信する(ステップS3)。
次に、情報処理部17が画像情報受信手段18を介して画像情報15を受信すると共に画像情報15を情報記憶部19に保存し(ステップS4)、受信した画像情報15を表示画面20に表示する(ステップS5)。情報処理部17は、画像情報15に含まれている基点標識7に付加された基点記号10を基点認識手段22によって認識する(ステップS6)。
ここで図5に示すように、情報記憶部19には記号記憶領域23が設けられており、当該記号記憶領域23にあらかじめ基点記号10の形状情報10aが記憶されている。演算部21はステップS6において、前記記号記憶領域23から基点記号10の形状情報10aを取得すると共に、画像情報15に取り込まれた基点記号10の形状とを比較して形状一致を判断することで基点認識手段22を機能させ、基点記号10を認識する。この際の前記形状一致の判断は、画像情報15に重ね合わせた前記基点記号10の形状情報10aを、画像情報15の全範囲に対して走査させつつ行うこととしても好ましい。
さらに情報処理部17は、画像情報15に含まれている茎頂部7を、測定目標認識手段24によって認識する(ステップS7)。
ここで図5に示すように、情報記憶部19には目標記憶領域25が設けられており、当該目標記憶領域25にあらかじめ茎頂部7の形状情報7aが記憶されている。演算部21はステップS7において、前記目標記憶領域25から茎頂部7の形状情報7aを取得すると共に、画像情報15に取り込まれた茎頂部7の形状とを比較して形状一致を判断することで測定目標認識手段24を機能させる。この際の前記形状一致の判断は、画像情報15に重ね合わせた前記茎頂部7の形状情報7aを、画像情報15の全範囲に対して走査させつつ行うこととしても好ましい。
成長長さ取得手段26は、情報処理部17が基点記号10及び茎頂部7を認識後、基点記号10から茎頂部7までの成長長さL1を取得する。
前記成長長さL1の取得は、基点記号10である×型記号の交点を原点27として、前記原点27から茎頂部7の目標中心点28が程度離れているかをピクセル単位で取得することが好ましい。ここで、ピクセルとは画素のことをいい、画像情報15を構成する最小単位の描画点を示す。情報処理部17は、取得した成長長さL1を成長長さ記憶手段29によって情報記憶部19に設けた成長長さ記憶領域30に記憶する(ステップS8)。
なお、茎頂部7の目標中心点28は、茎頂部7として認識された領域内の中心にあたる画素とすることができる。本実施の形態において、目標中心点28は茎頂部7と一致する。
さらに情報処理部17は、画像情報15から基点標識8と連続に形成されてなる基準長さ指標11を長さ指標認識手段31によって認識する。
ここで図5に示すように、情報記憶部19には長さ指標記憶領域32が設けられており、当該長さ指標記憶領域32にあらかじめ基準長さ指標11の形状情報11aが記憶されている。演算部21は、前記長さ指標記憶領域32から基準長さ指標11の形状情報11aを取得すると共に、画像情報15に取り込まれた基準長さ指標11の形状とを比較して形状一致を判断することで長さ指標認識手段31を機能させる(ステップS9)。この際の前記形状一致の判断は、画像情報15に重ね合わせた前記基準長さ指標11の形状情報11aを、画像情報15の全範囲に対して走査させつつ行うこととしても好ましく、また、長さ指標認識手段31の処理時間の短縮化を可能とするために、認識した基点記号10から側方に走査させて形状一致の判断を行うことがより好ましい。
基準長さ取得手段33は、情報処理部17が基準長さ指標11を認識後、基準長さL0を取得する。
前記基準長さL0の取得は、基準長さ指標11を構成する二つの矢印の先端を特定の2点11b、11cとし、特定の2点11b、11c間がどの程度離れているかの画像情報15上の長さをピクセル単位で取得することにより行う。情報処理部17は、取得した基準長さL0を基準長さ記憶手段34によって情報記憶部19に設けた基準長さ記憶領域35に記憶する(ステップS10)。
また図5に示すように、情報記憶部19の単位長さ記憶領域36には、基準長さ指標11の実際の長さである単位長さD0が記憶されている。なお単位長さD0は、単位をcm若しくはmmといった一般に用いられている長さ単位で記憶されていることが望ましい。
情報処理部17は、において単位長さ取得手段37により情報記憶部19から単位長さD0を取得する(ステップS11)。さらに情報処理部17は、標準化成長長さ取得手段38により前記単位長さD0、前記成長長さL1及び前記基準長さL0からD1=(D0/L0)×L1で示される式より求められる標準化成長長さD1を取得する。標準化成長長さD1は、基点記号10から茎頂部7までの実際の長さをcm若しくはmmといった一般に用いられている長さ単位で表したものであり、観察対象植物3の状態を把握するために有用な情報として活用することができる。
情報処理部17は、取得した標準化成長長さD1を標準化成長長さ記憶手段39によって情報記憶部19に設けた標準化成長長さ記憶領域40に記憶する(ステップS12)。
情報処理部17は、前記ステップS12を処理した後、一定時間Tが経過すると、ステップS2から再び処理を繰り返す(ステップS14)。このとき、本発明の使用者は、あらかじめ当該繰り返し処理を行う処理回数nを指定しておくことで、成長長さL11〜L1n、基準長さL01〜L0n、及び標準化成長長さD11〜D1nをそれぞれ情報記憶部19に設けた成長長さ記憶領域30、基準長さ記憶領域35、及び標準化成長長さ記憶領域40に記憶させることができる。例えば、一定時間Tを24時間とし、処理回数nを7とすることで、観察対象植物3が成長する過程における成長長さL1及び標準化成長長さD1を1週間の間1日1回の割合で自動的に取得することができる。なお、nは1以上の整数である。
なお情報処理部17は、ステップS13において、ステップS12を処理する毎に処理回数を1ずつ加算し、処理回数が指定されていたnよりも少なければステップS14により一定時間Tの経過を待ってステップS2に戻り、処理回数がnに達するとステップS15により処理を終了する。
なお、基点記号10から茎頂部7までの長さ情報について、cm若しくはmm等の単位を付したものである必要がない場合には、標準化成長長さD1を取得する必要がないので、前記ステップS2〜S12の処理をステップS2〜S8までとして、繰り返し処理をn回行うこととしても良い。
また、ステップS2〜S12までの処理を行う場合において、ステップS7〜S8の処理群とステップS9〜S10までの処理群の処理を行う順序は前後が入れ替わっても構わない。
次に情報処理部17は図7に示すように、標準化成長管理情報取得手段41によって、情報記憶部19に記憶された複数の標準化成長長さD11〜D1nから、時間を前後して記憶された異なる二つの標準化成長長さD1m、D1(m+1)を選択して、標準化成長長さD1(m+1)を標準化成長長さD1mで割った値から得られた変化比率を標準化成長管理情報42として取得する(ステップS16)。なお、mは1以上(n−1)以下の整数である。
標準化成長管理情報42を複数取得することで、観察対象植物3の成長速度の変化を容易に把握することができるため、温室2内の環境条件が観察対象植物3から得られる成果物の品質等に与える因果関係を見出すための根拠となる情報を導き出すことが可能となる。
また標準化成長管理情報42は、標準化成長長さD1(m+1)から標準化成長長さD1mを差し引いた差引値であっても好ましい。本実施の形態において、標準化成長長さD1を1日1回の割合で自動的を取得して前記差引値を取得したときの観察対象植物3の成長状態の判断例を以下に示す。
観察対象植物3がトマトである本実施の形態においては、前記差引値が50cmよりも長い場合には観察対象植物3の成長異常であると判断することができる。この場合、環境条件として日照不足が有力な原因として考えられるため、温室2内における照射光量を増加させる等の対応を取ることができる。一方前記差引値が10cmよりも短い場合には温室2内の温度が適正でないことが有力な原因として考えられるため、温室2内の温度を調整する等の対応を取ることができる。なお、観察対象植物3がトマトである場合には、前記差引値は15cm程度であることが望ましい。
なお前記変化比率は、成長管理情報取得手段43として、情報記憶部19に記憶された複数の成長長さL11〜L1nから、時間を前後して記憶された異なる二つの成長長さL1m、L1(m+1)を選択して、成長長さL1(m+1)を成長長さL1mで割った値から得られた値を成長管理情報44として取得することとしてもよい。成長管理情報44を複数取得することによっても、前記と同様に温室2内の環境条件が観察対象植物3から得られる成果物の品質等に与える因果関係を見出すための根拠となる情報を取得することができるからである。取得された標準化成長管理情報42、若しくは成長管理情報44は、成長管理情報記憶手段45によって情報記憶部19に設けられた成長管理情報記憶領域46に記憶される(ステップS17)。
また、上記実施の形態に加えて、前記情報処理部17は、前記基点標識8に隣接する観察対象植物3の茎部47を認識する茎部認識手段48と、認識した茎部径L2を取得する茎部径取得手段49とを有することとしても好ましい。
茎部認識手段48は図9に示すように、情報処理手段17が基点標識7に付加された基点記号10をステップS6と同じ手法により基点認識手段22を用いて認識した後、認識した基点記号10から茎頂の方向若しくは根の方向における基点標識7に隣接した茎部46を、画像情報15における茎部47とその背景との境界線で生じる明度若しくは色彩のコントラストの変化によって認識する(ステップS18)。
前記茎部径取得手段49は、認識された茎部47とその背景との一対の境界線47a、47bの間がどの程度離れているかの画像情報15上の長さをピクセル単位で取得する。情報処理部17は、取得した茎部径L2を茎部径記憶手段50によって情報記憶部19に設けた茎部径記憶領域51に記憶する(ステップS19)。また、得られた茎部径L2は前記単位長さD0、及び前記基準長さL0からD2=(D0/L0)×L2で示される式より求められる標準化茎部径D2を取得することとしても好ましい。標準化茎部径D2はcm若しくはmmといった一般に用いられている長さ単位で表したものであり、標準化成長長さL2と共に、観察対象植物3の状態を把握するために有用な情報として活用することができる。
ここで前記基点標識8には、測定事項指示記号52が付加されてなり、情報処理部17は、画像情報15から測定事項指示記号52を認識する指示記号認識手段53と、認識した測定事項指示記号52に対応して前記成長長さ取得手段33若しくは前記茎部径取得手段49のいずれかを選択する測定事項選択手段54を備える。測定事項とは、成長長さ取得手段33を実行して成長長さL1を取得すること、若しくは、茎部径取得手段49を実行して茎部径L2を取得することのいずれかを指す。
測定事項指示記号52としては、アルファベット一文字と数字一文字の組み合わせである。測定事項指示記号52が前記文字の組み合わせであることによって、例えばOCR機能を用いて情報処理部17が認識することによって対応する測定事項を間違いなく選択して認識させることができる。また、測定事項指示記号52の形状情報52aをあらかじめ記憶装置19に設けられた指示記号記憶領域55に記憶しておき、当該測定事項指示記号52の形状情報52aと画像情報15に取り込まれた測定事項指示記号52の形状とを比較して形状一致を判断することで認識する。
なお、前記基点認識手段22における基点記号10、測定目標認識手段24における茎頂部7、長さ指標認識手段31における基準長さ指標11、茎部認識手段48における茎部47、及び指示記号認識手段53における測定事項指示記号52は、それぞれ前述の認識処理に代えて、表示画面20に示された画像情報15内におけるそれぞれの認識対象に対して使用者が画面上のカーソルで選択、若しくは画面上を指で触れることで認識を完了することとしてもよい。
なお、観察対象植物3を温室2内に複数設定し、それぞれの観察対象植物3に基点標識8、及びカメラ部12を設けて成長長さL1、標準化成長長さD1、茎部径L2、標準化成長管理情報42、及び成長管理情報44を取得しても好ましい。例えば、図2に示すように、カメラ部12を温室2内の5カ所に設置し、それぞれのカメラ部12に対して観察対象植物3及び基点標識8を設け、5カ所につきそれぞれ標準化成長管理情報42を一定時間ごとに取得することができる。この場合、同一時間に得られた5カ所の標準化成長管理情報42のうちの最大値及び最小値を除き、残りの3点の平均値を取得することで、この値を温室2内に栽培されている農作物全体の成長に関する標準化成長管理情報として環境条件の適正化を図ることもできる。
本発明は、農作物を管理しながら栽培してなる育成空間を備えた施設園芸、例えば、ハウス栽培、水耕栽培、植物工場等で利用することができる。本発明によって得られた成長長さL1に基づく情報によって育成空間内の肥料濃度、日照、温度、湿度、飽差等の環境条件を制御することによって、農作物の樹勢をコントロールすることが可能となり、成果物の収量、品質の向上を図ることができる。
1 農作物の成長観察システム
2 温室
3 観察対象植物
4 茎
5 花房
6 葉
7 茎頂部
8 基点標識
9 取付部
10 基点記号
11 基点長さ指標
12 カメラ部
14 画像取得領域
15 画像情報
16 画像情報送信手段
17 情報処理部
18 画像情報受信手段
19 情報記憶部
20 表示画面
22 基点認識手段
24 測定目標認識手段
26 成長長さ取得手段
27 原点
28 目標中心点
29 成長長さ取得手段
31 長さ指標認識手段
33 基準長さ取得手段
37 単位長さ取得手段
38 標準化成長長さ取得手段
41 標準化成長管理情報取得手段
42 標準化成長管理情報
L0 基準長さ
L1 成長長さ
D0 単位長さ
D1 標準化成長長さ

Claims (8)

  1. 農作物が栽培されてなる育成空間と、
    前記農作物の中から選択された一の観察対象植物と、
    前記観察対象植物の地上構成部分の一端部である測定目標と、前記観察対象植物の茎に取り付けられた基点標識とを含んでなる画像取得領域と、
    前記観察対象領域を撮像するカメラ部と、
    前記カメラ部に接続され、情報記憶部を有する情報処理部を備え、
    前記カメラ部は撮像した前記画像取得領域の画像情報を前記情報処理部に送信する画像情報送信手段を有し、
    前記情報処理部は、
    前記カメラ部から送信された画像情報を受信する画像情報受信手段と、
    前記画像情報から前記基点標識を認識する基点認識手段と、
    前記画像情報から前記測定目標を認識する測定目標認識手段と、
    認識された前記基点標識から前記測定目標までの成長長さ(L1)を取得する成長長さ取得手段と、
    取得した成長長さ(L1)を前記情報記憶部に記憶する成長長さ記憶手段とを有する
    ことを特徴とする農作物の成長観察システム。
  2. 前記情報処理部は、
    前記成長長さ(L1)を一定時間ごとに取得し、各成長長さ(L1)を前記成長長さ記憶手段によって情報記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の農作物の成長観察システム。
  3. 前記情報処理部は、
    前記情報記憶部に記憶された複数の成長長さ(L1)から、時間を前後して記憶された異なる二つの成長長さ(L1)を選択して、成長長さ(L1)の変化値である成長管理情報を取得する成長管理情報取得手段を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の農作物の成長観察システム。
  4. 前記カメラ部から前記基点標識までの撮影距離と同じ距離に設けられた基準長さ指標を備え、
    前記情報処理部は、
    前記情報記憶部に記憶された前記基準長さ指標の実際の長さ情報である単位長さ(D0)と、
    前記画像情報から前記基準長さ指標を認識する長さ指標認識手段と、
    認識した長さ指標から基準長さ(L0)を取得する基準長さ取得手段と、
    前記成長長さ(L1)、前記基準長さ(L0)、及び単位長さ(D0)から、D1=(D0/L0)×L1で示される式より求められる標準化成長長さ(D1)を取得する標準化成長長さ取得手段と、
    取得した標準化成長長さ(D1)を前記情報記憶部に記憶する標準化成長長さ記憶手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の農作物の成長観察システム。
  5. 前記情報処理部は、
    前記標準化成長長さ(D1)を一定時間ごとに取得し、各標準化成長長さ(D1)を前記標準化成長長さ記憶手段によって情報記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項4に記載の農作物の成長観察システム。
  6. 前記情報処理部は、
    前記情報記憶部に記憶された複数の標準化成長長さ(D1)から、時間を前後して記憶された異なる二つの標準化成長長さ(D1)を選択して、標準化成長長さ(D1)の変化値である標準化成長管理情報を取得する標準化成長管理情報取得手段を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の農作物の成長観察システム。
  7. 前記測定目標は、前記観察対象植物の茎頂部である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の農作物の成長観察システム。
  8. 前記農作物が水耕栽培されてなるトマトである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の農作物の成長観察システム。
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