以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の外観を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体2に、操作部47、画像形成部120、定着部13、給紙部14、搬送部15、原稿給送部6、及び画像読取部(ISU;Image scanner unit)5等を備えて構成される。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について利用者から画像形成動作実行指示や画像読取動作実行指示等の指示を受け付ける。
画像形成装置1が画像形成動作を行う場合は、画像読取部5による画像読取動作により生成された画像データ等に基づいて、画像形成部120が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙Pにトナー像を形成する。
画像形成部120の画像形成ユニット12M、12C、12Y、及び12Bkは、感光体ドラム122と、感光体ドラム122の表面を均一に帯電させる帯電装置と、感光体ドラム122の表面を露光して、その表面に静電潜像を形成する露光装置(LSU;Laser scanning units)123と、感光体ドラム122の表面の静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、1次転写ローラー126とをそれぞれ備えている。
カラー印刷を行う場合、画像形成部120のマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン用の画像形成ユニット12C、イエロー用の画像形成ユニット12Y、及びブラック用の画像形成ユニット12Bkにおいては、感光体ドラム122の表面を均一に帯電させてから露光して、その表面にカラーの色成分の画像に対応する静電潜像を形成し、感光体ドラム122の表面の静電潜像をその色成分のトナーにより現像して、感光体ドラム122上にトナー像を形成し、トナー像を1次転写ローラー126により、駆動ローラー125A及び従動ローラー125Bに張架されている中間転写ベルト125上に1次転写させる。
中間転写ベルト125上に転写される各色成分のトナー画像は、転写タイミングを調整して中間転写ベルト125上で重ね合わされ、カラーのトナー像となる。2次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像を、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125Aとのニップ部Nにおいて、給紙部14からピックアップローラー145により搬送路190を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写させる。この後、定着部13が、記録紙P上のトナー像を熱圧着により記録紙Pに定着させる。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙Pは、排出トレイ151に排出される。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、制御ユニット60、画像読取部5、原稿給送部6、定着部13、画像形成部120、操作部47、画像メモリー62、HDD63、ファクシミリ通信部64、及びネットワークインターフェイス部66等を備えて構成される。尚、図1を用いて説明した構成要素と同じものには同じ番号を付している。
制御ユニット60は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成される。制御ユニット60は、制御部61を備える。
制御部61は、制御ユニット60、画像読取部5、原稿給送部6、定着部13、画像形成部120、操作部47、画像メモリー62、HDD63、ファクシミリ通信部64、及びネットワークインターフェイス部66等と接続され、これらの制御を行って、画像形成装置1の全体的を制御する。
操作部47は、各種のハードキー、利用者への操作案内等を表示する表示部473、及び表示部473に設けられたタッチパネル等を備えている。タッチパネルは、表示部473の画面に表示された複数のボタンに対するそれぞれのタッチ操作を検出する。操作部47は、ハードキーや表示部473の画面のボタンが操作されると、この操作による入力の内容、例えば数値や選択内容などを制御部61に指示する。
ファクシミリ通信部64は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリ通信を行うものである。
ネットワークインターフェイス部66は、LANボード等の通信モジュールから構成され、ネットワークインターフェイス部66に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内又はインターネット上のパーソナルコンピューター等の外部装置67と種々のデータ通信を行う。
このような構成において、利用者は、操作部47を操作することによりファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能のいずれかを選択し、選択した機能の動作に必要な設定項目の値を入力して、選択した機能の動作を開始させることができる。例えば、操作部47の操作により、コピー機能が選択され、記録紙の枚数及びサイズが指示され、コピー動作の開始が指示されると、制御部61は、画像読取部5及び原稿給送部6により原稿の画像を読取らせ、画像形成部120等により該原稿の画像を上記指示された枚数及びサイズの記録紙に印刷させる。同様に、ファクシミリ通信機能、プリンター機能、およびスキャナー機能についても、操作部47の操作により、機能の選択や、設定項目の値の入力、動作の開始等が指示されると、制御部61は、その指示された処理を実行する。
また、HDD63には、各機能別に、少なくとも1つの設定項目の値からなる登録情報が記憶されており、利用者は、操作部47を操作することにより機能を選択し、該機能の登録情報を指示することができる。例えば、操作部47の操作により、コピー機能が選択され、コピー機能の登録情報が指示され、コピー動作の開始が指示されると、制御部61は、コピー機能の登録情報をHDD63から読出して、この登録情報の設定項目の値として記録紙の枚数及びサイズ等を取得し、画像読取部5及び原稿給送部6により原稿の画像を読取らせ、画像形成部120等により該原稿の画像を上記取得した枚数及びサイズの記録紙に印刷させる。同様に、ファクシミリ通信機能、プリンター機能、及びスキャナー機能についても、操作部47の操作により、機能の選択や、登録情報、動作の開始等が指示されると、制御部61は、その指示された処理を実行する。
ここで、登録情報は、例えば、以前の機能の動作時に用いられた設定項目の値を記憶したものであり、「履歴情報」とも称される。また、登録情報は、設定項目の予め設定された値を記憶したものであり、「パネルプログラム」とも称される。あるいは、利用者が操作部47の操作により「パネルプログラム」を予め設定しても構わない。
また、登録情報は、1つの設定項目の値、又は複数の設定項目の値を少なくとも有する。
ところで、従来は、利用者が操作部47の操作により設定項目の値を入力して設定しても、その後で利用者が操作部47の操作により登録情報の設定を指示したときに、両者の設定項目が重複する場合は、登録情報の各設定項目の値が優先的に設定され、先の操作により入力した設定項目の値が登録情報の設定項目の値に置き換えられた。このため、置き換えられた設定項目の値を、先の操作により入力した設定項目の値に戻すには、同じ設定項目の値の再度の入力操作が必要となり、二度手間となった。
そこで、本実施形態では、設定項目の値を操作により入力して設定し、その後で登録情報の設定項目の値を設定したときに、両者の設定項目が重複していても、先の操作により入力して設定した設定項目の値を、当該設定項目に対応する登録情報の設定項目の値の代わりに設定するようにしている。すなわち、設定項目の値を操作により入力して設定してから、登録情報を設定しても、操作により入力して設定した設定項目の値が、登録情報の設定項目の値よりも優先されるようにしている。これにより、同じ設定項目の値の再度の入力操作が不要となり、入力操作が簡単化される。
次に、上記のような入力操作に基づく設定項目の値の設定及び登録情報に基づく設定項目の値の設定等に係る処理手順を説明する。図3は、本実施形態における設定項目の値を設定するための処理手順を示すフローチャートである。また、図4は、図3の処理手順から分岐して行われる別の処理手順を示すフローチャートであり、更に図5は、図4の処理手順から分岐して行われる他の処理手順を示すフローチャートである。また、図6は、設定項目のデータ構造を例示する図である。
更に、図7乃至図11は、図3乃至図5のフローチャートの処理手順に際し、操作部47の表示部473に表示されるそれぞれの画面を例示する図である。
<入力操作による設定>
まず、利用者は、例えばコピー機能を利用するときに、操作部47のハードキーや表示部473の初期設定画面のボタン等を操作し、コピー機能を選択して指示する。制御部61は、この指示に応じて図7に示すようなコピー機能の各設定項目の値を設定するための設定画面GaをHDD63から読出して、この設定画面Gaを操作部47の表示部473に表示させる(図3のステップS101)。
この設定画面Gaには、用紙サイズの設定項目ボタンBa1、給紙元の設定項目ボタンBa2、濃度の設定項目ボタンBa3、カラーの設定項目ボタンBa4、縮小/拡大の設定項目ボタンBa5、両面/分割の設定項目ボタンBa6、ページ集約の設定項目ボタンBa7、及びソート/仕分けの設定項目ボタンBa8等が表示されている。これらの設定項目ボタンBa1〜Ba8がそれぞれの設定項目に対応し、いずれかの設定項目ボタンに対するタッチ操作により、設定項目ボタンに対応する設定項目が操作部47から制御部61に指示される。
設定項目は、図6に示すような構成のデータを示す。この設定項目のデータDは、設定項目の設定項目が属する機能の種類、設定項目のカテゴリー、設定項目の種類、設定項目の値、登録情報識別子又は入力操作識別子等からなる。登録情報識別子又は入力操作識別子は、特許請求の範囲における識別情報の一例である。機能の種類は、コピー機能、ファクシミリ通信機能、プリンター機能、及びスキャナー機能を示す。設定項目のカテゴリーは、印刷設定、原稿読取設定などを示す。設定項目の種類は、縮小拡大率、記録紙のサイズなどを示す。設定項目の値は、縮小拡大率の値、記録紙のサイズの値(A5、B5、A4、B4など)などを示す。登録情報識別子は、設定項目の値が登録情報(履歴情報及びパネルプログラム)に登録されていたものであることを示し、また入力操作識別子は、設定項目の値が操作部47の操作により指示されたものであることを示している。
また、各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応するそれぞれの設定項目の値として、デフォルト値が初期設定されている。
このような設定項目のデータは、HDD63に記憶されており、制御部61により随時読出されたり更新されたりする。
ここで、利用者により各設定項目ボタンBa1〜Ba8のいずれかがタッチ操作されると、制御部61は、タッチ操作された設定項目ボタンに対応する設定項目の値を変更するためのポップアップ画面(図示せず)を表示部473に表示する。利用者は、このポップアップ画面に対するタッチ操作により該設定項目の値を指示することができ、またタッチ操作によりポップアップ画面を閉じることができる。いずれのボタンについても、同様の操作により設定項目の値を指示することができる。勿論、ポップアップ画面の開閉のみを行うことも可能である。
制御部61は、ポップアップの表示に際し、設定項目の値が指示されたか否かを判定している(図3のステップS102)。そして、ポップアップ画面がタッチ操作されて、設定項目の値が操作部47から指示されると、制御部61は、この設定項目の値の変更を判定して(図3のステップS102「Yes」)、上記指示された設定項目の値を取得する(図4のステップS201)。そして、制御部61は、タッチ操作された設定項目ボタンに対応する設定項目の値が初期設定されたデフォルト値であるか否かを判定する(図4のステップS202)。
ここでは、タッチ操作された設定項目ボタンに対応する設定項目の値がデフォルト値であるため(図4のステップS202「Yes」)、制御部61は、上記指示された設定項目の値を上記デフォルト値の代わりに設定する(図4のステップS203)。そして、制御部61は、該設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図4のステップS204)。
これにより、図7の設定画面Gaの各設定項目ボタンBa1〜Ba8のいずれかに対応する設定項目のデフォルト値が利用者により指示された値に更新される。
この後、制御部61は、利用者による設定画面Gaのタッチ操作を待機しており(図3のステップS103、S104、S105)、履歴ボタンBa11がタッチ操作されず(図3のステップS103「No」)、プログラムボタンBa12がタッチ操作されず(図3のステップS104「No」)、操作部47のスタートキーが操作されなければ(図3のステップS105「No」)、設定項目の値の変更が指示されたか否かの判定に戻る(図3のステップS102)。
以降同様に、設定画面Gaの各設定項目ボタンBa1〜Ba8のいずれについても、設定項目ボタンがタッチ操作されると、ポップアップ画面が表示され、ポップアップ画面に対するタッチ操作により設定項目の値が指示されると、この指示された設定項目の値が、該設定項目に対応する設定項目ボタンの設定項目のデフォルト値と置き換えられて、該設定項目の値に入力操作識別子が対応付けられる。
こうして各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目の値が適宜変更された後、履歴ボタンBa11がタッチ操作されず(図3のステップS103「No」)かつプログラムボタンBa12がタッチ操作されなくても(図3のステップS104「No」)、操作部47のスタートキーが操作されると(図3のステップS105「Yes」)、制御部61は、上記適宜変更された各設定項目の値に応じてコピー機能を動作させ、また該各設定項目の値を新たな履歴情報(登録情報)としてHDD63に記憶する(図3のステップS111)。
各設定項目の値のいずれについても、履歴情報としてHDD63に記憶されるときには、設定項目の値に対応付けられている入力操作識別子が登録情報識別子に変更される。従って、設定項目の値が履歴情報として一旦記憶されると、以降、履歴情報から読出された設定項目の値には、登録情報識別子が対応付けられていることになる。
尚、設定画面Gaの各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目の値が変更されなかった場合は(図3のステップS102「No」)、履歴ボタンBa11がタッチ操作されず(図3のステップS103「No」)かつプログラムボタンBa12がタッチ操作されなくても(図3のステップS104「No」)、操作部47のスタートキーが操作されると(図3のステップS105「Yes」)、各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目のデフォルト値に応じてコピー機能が動作する。
また、各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目のデフォルト値を適宜変更した後、操作部47のスタートキーを操作する代わりに、操作部47の操作により履歴情報の記憶のみを指示して、上記適宜変更された各設定項目の値を新たな履歴情報としてHDD63に記憶し、コピー機能を動作させないで終了しても構わない。
<入力操作及び履歴情報による設定>
次に、入力操作に基づく設定項目の値の設定に引き続き、図3のステップS103で履歴ボタンBa11がタッチ操作されたときの処理手順を説明する。ここでは、各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目の値が履歴情報としてHDD63に記憶される以前であり、よって設定項目の値に対応付けられている入力操作識別子が維持されている状態で、履歴ボタンBa11がタッチ操作されたものとする。
制御部61は、図7の設定画面Gaの履歴ボタンBa11がタッチ操作されると(図3のステップS103「Yes」)、HDD63に記憶されている履歴情報を検索して、図8に示すようなコピー機能に係る履歴情報の一覧画面Gbを作成し、この履歴情報の一覧画面Gbを操作部47の表示部473に表示させる(図3のステップS106)。
このコピー機能に係る履歴情報の一覧画面Gbの各列には、No.51〜43に対応付けて、ジョブ名(履歴情報の名称)、ジョブタイプ(履歴情報の各設定項目の値に応じて動作した機能)、及び日時(履歴情報の更新日時)が表示されている。また、この一覧画面Gbには、キャンセルボタンBa13が表示されている。この履歴情報の各列のいずれか又はキャンセルボタンBa13に対するタッチ操作により、その列又はキャンセルボタンBa13が操作部47から制御部61に指示される。
制御部61は、履歴情報の一覧画面Gbの列に対するタッチ操作又はキャンセルボタンBa13に対するタッチ操作を待機しており(図3のステップS107「No」、図3のステップS108「No」)、利用者によりキャンセルボタンBa13がタッチ操作されると(図3のステップS108「Yes」)、表示部473による表示を設定画面Gaに戻して、図3のステップS104に移る。
また、制御部61は、利用者により履歴情報の各列のいずれかがタッチ操作されて指示されると(図3のステップS107「Yes」)、この指示された履歴情報の各設定項目の値をHDD63から読出して、この履歴情報の各設定項目の値を取得する(図4のステップS201)。
そして、制御部61は、設定画面Gaの各設定項目ボタンBa1〜Ba8に対応する各設定項目の値毎に、設定項目の値がデフォルト値であるか否かを判定する(図4のステップS202)。このとき、設定項目の値がデフォルト値である場合(図4のステップS202「Yes」)、制御部61は、この設定項目のデフォルト値を、該設定項目に対応する履歴情報の設定項目の値に置き換えて設定し(図4のステップS203)、該設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図4のステップS204)。尚、設定項目ボタンの設定項目に対応しない履歴情報の他の設定項目が有った場合も、履歴情報の他の設定項目の値を設定し(図4のステップS203)、該設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図4のステップS204)。また、設定項目ボタンの設定項目に対応する履歴情報の設定項目が無かった場合は、該設定項目ボタンの設定項目のデフォルト値が維持される。
また、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値がデフォルト値でない場合は(図4のステップS202「No」)、制御部61は、該設定項目ボタンに対応する設定項目の値、及び該設定項目の値に対応する履歴情報の設定項目の値のいずれの優先度が高いかを判定する(図4のステップS205)。つまり、設定画面Gaと履歴情報との間で互いに重複する設定項目を抽出して、これらの設定項目の値のいずれの優先度が高いかを判定する。ここで、設定項目ボタンに対応する設定項目の値がデフォルト値でない場合は、この設定項目の値に入力操作識別子が対応付けられており、また履歴情報の設定項目の値には登録情報識別子が対応付けられている。制御部61は、入力操作識別子と登録情報識別子とを比較し、登録情報識別子に対応付けられた設定項目の値の方を優先度が低いと判定して(図4のステップS205「No」)、図9に示すような設定選択画面Gcを生成して、この設定選択画面Gcを操作部47の表示部473に表示させる(図5のステップS301)。
上記設定項目の値の優先度は、操作部47の操作により予め設定されるものであり、例えば表示部473に初期設定画面が表示されているときに設定される。ここでは、入力操作識別子に高い優先度が与えられ、登録情報識別子に低い優先度が与えられていることを前提として説明を進める。
図9に示すように設定選択画面Gcには、設定画面Gaの表示に際し入力操作により値が設定された設定項目であって、かつ設定画面Gaと履歴情報との間で互いに重複する設定項目として、カラー、モノクロ、両面/分割、片面→片面が表示され、これらの設定項目が属するカテゴリーとして、印刷設定が表示されている。
この設定選択画面Gcに対するタッチ操作により、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値と、該設定項目に対応する履歴情報の設定項目の値とのいずれかを選択することができる。また、この設定選択画面Gcでは、カテゴリー単位、又は設定項目単位で、両者の設定項目の値のいずれかを選択することができる。
ここで、制御部61は、利用者による設定選択画面Gcのタッチ操作を待機しており(図5のステップS302「No」、S303「No」、S304「No」、S305「No」)、設定選択画面Gcのカテゴリーの印刷設定がタッチ操作されると(図5のステップS302「Yes」)、履歴情報を上書きするか否かを指示するためのポップアップ画面(図示せず)を表示部473に表示する(図5のステップS306)。利用者は、このポップアップ画面に対するタッチ操作により、履歴情報を上書きするか否かを指示することができ、またポップアップ画面を閉じることができる。
このとき、制御部61は、ポップアップ画面がタッチ操作されて、履歴情報の上書きが指示されず、ポップアップ画面が閉じられると、印刷設定のカテゴリーに属する全ての各設定項目について、履歴情報を用いずに、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値を用いることとし、この後の設定選択画面GcのOKボタンBc12がタッチ操作されたときに(図5のステップS304「Yes」)、印刷設定のカテゴリーに属する全ての各設定項目について、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値を維持すると共に、該各設定項目の値に対応付けられた入力操作識別子を維持する(図5のステップS307、S308)。
このようにカテゴリー単位での履歴情報の上書きが指示されなかった場合は、印刷設定のカテゴリーに属する全ての各設定項目について、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値(入力操作識別子が対応付けられた設定項目の値)が維持される。
また、制御部61は、ポップアップ画面がタッチ操作されて、履歴情報の上書きが指示されると、印刷設定のカテゴリーに属する全ての各設定項目について、履歴情報の設定項目の値を用いることとし、この後の設定選択画面GcのOKボタンBc12がタッチ操作されたときに(図5のステップS304「Yes」)、印刷設定のカテゴリーに属する各設定項目の値として、履歴情報の各設定項目の値を設定して(図5のステップS307)、該各設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図5のステップS308)。
このようにカテゴリー単位での履歴情報の上書きが指示された場合、印刷設定のカテゴリーに属する全ての各設定項目について、履歴情報の設定項目の値が用いられる。
次に、設定選択画面Gcのカテゴリーである印刷設定がタッチ操作される代わりに、設定選択画面Gcの設定項目であるカラー及び両面/分割がタッチ操作されたものとする。このとき、制御部61は、カラー及び両面/分割の設定項目がタッチ操作されたと判定し(図5のステップS303「Yes」)、履歴情報を上書きするか否かを指示するためのポップアップ画面(図示せず)を表示部473に表示する(図5のステップS309)。利用者は、このポップアップ画面に対するタッチ操作により、履歴情報を上書きするか否かを指示することができ、またポップアップ画面を閉じることができる。
制御部61は、ポップアップ画面がタッチ操作されて、履歴情報の上書きが指示されず、ポップアップ画面が閉じられると、カラー及び両面/分割の設定項目について、履歴情報を用いずに、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値(入力操作識別子が対応付けられた設定項目の値)を用いることとし、この後の設定選択画面GcのOKボタンBc12がタッチ操作されたときに(図5のステップS304「Yes」)、カラー及び両面/分割の設定項目について、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値を維持すると共に、該各設定項目の値に対応付けられた入力操作識別子を維持する(図5のステップS307、S308)。
従って、設定項目単位での履歴情報の上書きが指示されなかった場合は、カラー及び両面/分割の設定項目毎に、設定画面Gaの設定項目ボタンに対応する設定項目の値(入力操作識別子が対応付けられた設定項目の値)が維持される。
また、制御部61は、ポップアップ画面がタッチ操作されて、履歴情報の上書きが指示されると、設定選択画面Gcのカラー及び両面/分割の設定項目について、履歴情報の設定項目の値を用いることとし、この後の設定選択画面GcのOKボタンBc12がタッチ操作されたときに(図5のステップS304「Yes」)、カラー及び両面/分割の設定項の値として、履歴情報の各設定項目の値を設定して(図5のステップS307)、該各設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図5のステップS308)。
従って、設定項目単位での履歴情報の上書きが指示された場合は、カラー及び両面/分割の設定項目毎に、履歴情報の値が用いられる。
このように設定画面Gaの表示に際し入力操作により値が設定された設定項目であって、かつ設定画面Gaと履歴情報との間で互いに重複する設定項目については、ポップアップ画面のタッチ操作により、カテゴリー単位、あるいは設定項目単位で、設定画面Gaの設定項目の値(入力操作識別子が対応付けられた設定項目の値)を維持するか、この代わりに履歴情報の値(登録情報識別子が対応付けられた設定項目の値)を設定するかを選択することができる。
また、先に述べたように図4の処理では、設定画面Gaの設定項目のデフォルト値が、該設定項目に対応する履歴情報の設定項目の値に置き換えられる。更に、設定項目ボタンの設定項目に対応しない履歴情報の他の設定項目が有った場合は、履歴情報の他の設定項目の値が設定される。また、設定項目ボタンの設定項目に対応する履歴情報の設定項目が無かった場合は、該設定項目ボタンの設定項目のデフォルト値が維持される。
設定選択画面GcのOKボタンBc12がタッチ操作されて、図5の処理が終了すると、表示部473による表示が設定画面Gaに戻されて、図3のステップS102に移る。更に、操作部47のスタートキーが操作されると(図3のステップS105「Yes」)、制御部61は、上記適宜変更された各設定項目の値に応じてコピー機能を動作させ、また該各設定項目の値を新たな履歴情報(登録情報)としてHDD63に記憶する(図3のステップS111)。
各設定項目の値のいずれについても、履歴情報としてHDD63に記憶されるときには、設定項目の値に対応付けられている入力操作識別子が登録情報識別子に変更される。
尚、設定選択画面GcのキャンセルボタンBc11がタッチ操作された場合は(図5のステップS305「Yes」)、図5のステップS306、S309の処理が無効となって、図5の処理が終了し、表示部473による表示が設定画面Gaに戻されて、図3のステップS102に移ることになる。
<利用者の操作、履歴情報、及びパネルプログラムによる設定>
次に、設定画面Ga及び履歴情報に基づく設定項目の値の設定に引き続き、図3のステップS104でプログラムボタンBa12がタッチ操作されたときの処理手順を説明する。ここでは、入力操作及び履歴情報に基づき設定された各設定項目の値が履歴情報としてHDD63に記憶される以前であり、よって設定項目の値に対応付けられている入力操作識別子が維持されている状態で、プログラムボタンBa12がタッチ操作されたものとする。
制御部61は、図7の設定画面GaのプログラムボタンBa12がタッチ操作されると(図3のステップS104「Yes」)、図10に示すようなパネルプログラムのプログラム画面GdをHDD63から読出して、このプログラム画面Gdを操作部47の表示部473に表示させる(図3のステップS109)。
このパネルプログラムのプログラム画面Gdには、エコのプログラムボタンBd1、新聞のプログラムボタンBd2、図面のプログラムボタンBd3、マル秘スタンプのプログラムボタンBd4、あざやかのプログラムボタンBd5が表示されている。また、このプログラム画面Gdには、履歴ボタンBa11が表示されている。
制御部61は、各プログラムボタンBd1〜Bd5のいずれかに対するタッチ操作又は履歴ボタンBa11に対するタッチ操作を待機しており、利用者により履歴ボタンBa11がタッチ操作されると、表示部473による表示を履歴情報の一覧画面Gbに戻して、図3のステップS106に移る。
また、制御部61は、各プログラムボタンBd1〜Bd5のいずれかがタッチ操作されて指示されると(図3のステップS110「Yes」)、この指示されたプログラムボタンに対応する各設定項目の値をHDD63に記憶されているパネルプログラムから読出して、各設定項目の値を取得する(図4のステップS201)。
そして、制御部61は、設定画面Ga及び履歴情報に基づき設定された各設定項目の値毎に、設定項目の値がデフォルト値であるか否かを判定する(図4のステップS202)。このとき、設定項目の値がデフォルト値である場合(図4のステップS202「Yes」)、制御部61は、この設定項目の値を、該設定項目に対応するパネルプログラムの設定項目の値に置き換えて設定し、該設定項目の値に入力操作識別子を対応付ける(図4のステップS204)。
また、設定画面Ga及び履歴情報に基づき設定された設定項目の値がデフォルト値でない場合(図4のステップS202「No」)、制御部61は、この設定項目の値、及び該設定項目の値に対応するパネルプログラムの設定項目の値のいずれの優先度が高いかを判定する(図4のステップS205」)。つまり、設定画面Ga及び履歴情報に基づき設定された設定項目の値がデフォルト値でないことを前提条件として、設定画面Ga及び履歴情報とパネルプログラムとの間で互いに重複する設定項目を抽出して、これらの設定項目の値のいずれの優先度が高いかを判定する。ここで、設定画面Ga及び履歴情報に基づき設定された設定項目の値がデフォルト値でない場合は、この設定項目の値に入力操作識別子が対応付けられており、またパネルプログラムの設定項目の値には登録情報識別子が対応付けられている。制御部61は、入力操作識別子と登録情報識別子とを比較し、登録情報識別子に対応付けられた設定項目の値の方を優先度が低いと判定して(図4のステップS205「No」)、図11に示すような設定選択画面GcをHDD63から読出して、この設定選択画面Gcを操作部47の表示部473に表示させる(図5のステップS301)。
この設定選択画面Gcには、設定画面Ga及び履歴情報に基づき設定された設定項目の値がデフォルト値でないことを前提条件として、設定画面Ga及び履歴情報とパネルプログラムの各設定項目との間で互いに重複する設定項目、この設定項目が属するカテゴリーが表示される。
以降、入力操作及び履歴情報による設定と同様に、図5のステップS302〜S309の処理が行われて、設定画面Ga及び履歴情報とパネルプログラムとの間で互いに重複する設定項目については、ポップアップ画面のタッチ操作により、カテゴリー単位、あるいは設定項目単位で、設定画面Ga及び履歴情報の値(入力操作識別子が対応付けられた設定項目の値)を維持するか、この代わりにパネルプログラムの値(登録情報識別子が対応付けられた設定項目の値)を上書きして設定するかを選択することができる。
そして、図5の処理が終了すると、表示部473による表示が設定画面Gaに戻されて、図3のステップS102に移る。更に、操作部47のスタートキーが操作されると(図3のステップS105「Yes」)、上記適宜変更された各設定項目の値に応じてコピー機能が動作し、また該各設定項目の値が新たな履歴情報(登録情報)としてHDD63に記憶される(図3のステップS111)。
尚、利用者の操作、履歴情報、及びパネルプログラムによる設定が一通り行われた後で、図3のステップS102に戻って、設定画面Gaのいずれかの設定項目ボタンがタッチ操作されて、操作部47の操作により設定項目の値が指示された場合は(図3のステップS102「Yes」)、図4のステップS201、S202を経て、該指示された設定項目の値の優先度が高いと判定され(図4のステップS205「Yes」)、該指示された設定項目の値が設定され(図4のステップS203)、該指示された設定項目の値に入力操作識別子が対応付けられる(図4のステップS204)。
また、設定項目の値の優先度は、操作部47の操作により設定されるものであり、入力操作識別子に低い優先度を与え、登録情報識別子に高い優先度を与えることも可能である。この場合は、履歴情報やパネルプログラムの登録情報が選択されると、登録情報の設定項目の値に対応付けられている登録情報識別子に基づき優先度が高いと判定されて(図4のステップS205「Yes」)、該設定項目の値が設定され(図4のステップS203)、該設定項目の値に登録情報識別子が対応付けられる(図4のステップS204)。従って、履歴情報の設定項目に対してパネルプログラムの設定項目が上書きされたり、パネルプログラムの設定項目に対して履歴情報の設定項目が上書きされたりする。更に、操作部47の操作により設定項目の値が指示されると、この設定項目の値に対応付けられている入力操作識別子に基づき、該設定項目の値の優先度が低いと判定されて(図4のステップS205「No」)、図5に示すフローチャートの処理に移り、入力操作識別子に対応付けられた設定項目の値と、該設定項目に対応する登録情報の設定項目の値とのいずれかが利用者により選択されることになる。
また、上記実施形態では、図1乃至図11を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。