JP6268981B2 - ブレ補正装置、交換レンズ及びカメラ - Google Patents
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Description
そこで、角速度センサの出力信号をLPF(ローパスフィルタ)処理により算出し、更に、動きベクトル情報を用いて補正する技術が提案されている。
また、ブレ補正レンズが可動端に到達することを防ぐ為に、センタバイアス処理を行う場合があるが、センタバイアス量の大きさに応じて、角速度基準値の補正ゲインを変更する技術も提案されている(特許文献1参照)。
動きベクトルとして検出される撮像面上のブレは、基準値の誤差成分と、センタバイアス成分とを含んでいる。しかし、従来技術では、センタバイアス成分も含んだ動きベクトル情報を用いて基準値を補正しているため、正確な基準値補正を行うことができない。
また、焦点距離によって、基準値の誤差量が撮像面に及ぼす影響は異なるため、焦点距離によっては、基準値補正を正確に行うことができないという問題がある。例えば、焦点距離が短い場合には、撮像面での基準値誤差の影響が小さく、基準値誤差をある程度もってないと動きベクトルとして検出することはできないためである。
さらに、動きベクトルの検出分解能が変わった(レンズ交換式のボディが変わった等)場合においても、基準値誤差成分の検出精度が変わるため、検出分解能によっては、正確に検出できない場合がある。
本発明の目的は、精度の良い基準値補正が可能なブレ補正装置、交換レンズ及びカメラを提供することである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレ補正装置であって、前記光学系の焦点距離がf1の場合の前記補正量は、前記光学系の焦点距離が前記f1より長いf2の場合の補正量よりも大きいブレ補正装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置であって、前記基準値補正部は、前記光学系の焦点距離が第1閾値以下の場合、前記基準値の補正を行わないブレ補正装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、前記基準値補正値は、前記動きベクトルの検出分解能に応じて変わるブレ補正装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、前記基準値補正部は、フレームの異なる前記動きベクトルの差が第2閾値より大きい場合に前記基準値の補正を行うブレ補正装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のブレ補正装置であって、前記光学系の焦点距離がf1である場合の前記第2閾値は、前記光学系の焦点距離がf1より長いf2の場合の前記第2閾値よりも小さいブレ補正装置である。
請求項7に記載の発明は、光学系で形成される被写体像のブレを補正する、駆動可能なブレ補正素子と、前記光学系を備える光学機器の角速度を検出する角速度センサと、前記角速度センサの出力信号の基準値を演算する基準値演算部と、複数の前記被写体像から算出した動きベクトルを用いて前記基準値を補正し、前記基準値を補正する補正量を前記動きベクトルの検出分解能に応じて変える基準値補正部と、前記角速度センサの前記出力信号と補正後の前記基準値とをもとに、前記ブレ補正素子の目標位置を演算する目標位置演算部と、を有するブレ補正装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のブレ補正装置であって、前記動きベクトルの検出分解能がd1である前記基準値の補正量は、d1よりも分解能が高いd2である場合の前記基準値の補正量よりも大きいブレ補正装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置であって、前記基準値補正部は、前記検出分解能が第3閾値より低い場合前記基準値の補正を行わないブレ補正装置である。
請求項10に記載の発明は、カメラボディに着脱可能に装着される交換レンズであって、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を備え、前記ブレ補正素子は、前記光学系の少なくとも一部であって、前記被写体像のブレを補正する、駆動可能なブレ補正光学系である交換レンズである。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、前記ブレ補正素子は、前記光学系で形成される前記被写体像を撮像する撮像素子であるブレ補正装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるカメラである。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のブレ補正装置を備えるカメラ1を模式的に示す断面図である。
カメラ1は、デジタル一眼レフカメラであり、カメラ筐体1Aと、このカメラ筐体1Aに対して着脱自在に装着されるレンズ鏡筒(光学部材)1Bとを備えている。
撮像素子3は、撮影レンズ(4,5,6)により形成された被写体像を撮像する素子であり、被写体光を露光して電気的な画像信号に変換し、信号処理回路15へ出力する。撮像素子3は、例えばCCD、CMOSなどの素子により構成されている。
EEPROM14は、角速度センサ12のゲイン値などの調整値情報、レンズ鏡筒固有の情報等を記憶するメモリであって、CPU2に出力する。
信号処理回路15は、撮像素子3からの出力を受けて、ノイズ処理やA/D変換等の処理を行う回路である。
レリーズスイッチ17は、カメラ1の撮影操作を行う部材であって、シャッタ駆動のタイミング等を操作するスイッチである。
フォーカスレンズ群5は、フォーカスレンズ群駆動機構8により駆動され、光軸方向に移動して、焦点を合わせるレンズ群である。
ブレ補正レンズ群6(光学素子)は、VCM等のブレ補正レンズ群駆動機構9により光学的にブレ補正駆動され、光軸に垂直な面上で可動なレンズ群である。
角速度センサ12は、それぞれセンサユニットに生じる振れの角速度を検出するセンサである。
ブレ補正装置100は、カメラCPU2A、レンズCPU2B、角速度センサ12、ブレ補正レンズ群駆動機構(レンズ駆動部)9、レンズ位置検出部21、及びブレ補正レンズ群6を備える。
レンズCPU2Bは、増幅部31と、第1A/D変換部32、第2A/D変換部33、基準値演算部34、基準値補正量演算部35、積分部を内部に含む目標位置演算部36、センタバイアス演算部37、センタバイアス除去部38、駆動量演算部39を備える。
角速度センサ12は、レンズ鏡筒1BのX軸回り(Pitch)、Y軸回り(Yaw)、(X軸は、カメラの正位置での撮像素子3の受光面の水平方向の軸、Y軸は、鉛直方向の軸である)の角速度を検出する振動ジャイロ等のセンサである。
第1A/D変換部32は、増幅部31の出力をA/D変換する。
基準値演算部34は、角速度センサ12から得られた振動検出信号(第1A/D変換部32の出力)の基準値(補正角速度基準値)を演算する。
そして、基準値演算部34において演算された基準値を、第1A/D変換部32の出力から減算部43において減算する。
目標位置演算部36は、減算部43において基準値が減算された後の角速度センサ12の出力を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する。
そして、像振れ補正レンズ6の目標位置から、算出したバイアス量を減算することにより像振れ補正レンズ6の制御位置を算出する。
このようにセンタリングバイアス処理を行うことで、像振れ補正レンズ6がハードリミットに衝突することを有効に防止することができ、さらには、撮影画像の見栄えを向上させることができる。
信号処理部40は、撮像素子3により生成された画像信号について、所定の処理を行なう。実際には、図1の構成で動きベクトルを得るためには、ミラーアップし、スルー画(ライブビュー)を得て、撮像素子3に光(像)が届いた状態で演算する。
具体的には、動きベクトル演算部41は、撮像素子3により撮像された連続する2つのフレーム画像データに含まれる輝度情報を比較することで、像の動き方向および動き量を検出し、第1動きベクトルを演算する。実際には、像の動きから手振れ相当の動きベクトルの演算を行う。
基準値補正量演算部(基準値補正部)35は、センタバイアス除去部35においてセンタバイアス量が除去された第2動きベクトル(MV2)をもとに、基準値補正量を演算する。
そして、減算部(基準値補正部)42は、基準値演算部34の出力から、基準値補正量演算部35により求めた基準値補正量を減算する。
図3は、本実施形態のブレ補正装置100の動作の流れを示したフローチャートである。
基準値演算部34は、角速度センサ12の出力のA/D変換後の信号を基に、演算上の角速度の基準値(ゼロdeg/s相当の値)を算出する。角速度の基準値は、温度特性や、起動直後のドリフト特性等により変化するため、例えば、工場出荷時における角速度センサ12の静止時出力を基準値に用いることはできない。
また、露光中は第1動きベクトルMV1の情報が得られないため、このステップは、露光直前までの実施となる。
基準値減算後の角速度センサ12の出力を積算し、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、ブレ補正レンズ特性情報を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する(S006)。
ブレ補正レンズ群6が可動端へ到達することを防ぐため、センタバイアス処理を行う(S007)。
ブレ補正レンズ群6を目標位置まで駆動させ(S009)、S002へ戻る。
上述のように、第1動きベクトルMV1の情報が更新された場合(S004)、S005へ進む。更新されていない場合は、S006へ進む。
光学ブレ補正の制御周期は、MV1の更新周期に対して十分早い為、MV1が更新されるまでは、通常の防振と同様の演算処理を行う。ここでは、光学ブレ補正の制御周期1[ms]、第1動きベクトルMV1の更新周期:33[ms](=30[fps])とする。第1動きベクトルMV1の演算方法については、公知技術を用いる。
S007にて演算したセンタバイアス成分を、第1動きベクトルMV1と同一スケールに換算する(S012)。
換算方法は、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、第1動きベクトルMV1の分解能情報を基に演算する。
Bias_MV=Bias_θ*f(1+β)/MV_pitch
Bias_MV:センタバイアス成分(動きベクトル同一スケール)
Bias_θ:センタバイアス成分(角度)
f:焦点距離
β:撮影倍率
MV_pitch:MV1ピッチサイズ
最新の第2動きベクトルMV2(n)と1フレーム前の第2動きベクトルMV2(n−1)の差分:MV_diffを取得(S014)。
MV_diffを基に、基準値を補正する量を設定する。基準値は、以下の考えにより、補正量を設定する(S015)。
MV_diff>0:ω0_comp=−ω0_comp_def
MV_diff<0:ω0_comp=+ω0_comp_def
MV_diff=0:ω0_comp=0
ω0_comp :基準値補正量
ω0_comp_def(f):基準値補正常数
f :焦点距離
焦点距離が長い程、撮像面における基準値誤差の影響は大きくなる。このため、基準値誤差が微小な値であっても動きベクトルとして検出できるので、補正量としては少なくてもよい。
逆に、焦点距離が短いと、撮像面における基準値誤差の影響が小さくなる。このため、誤差量をある程度もっていないと、動きベクトルとして検出することはできない。したがって、焦点距離が短い場合においては、基準値補正量を大きくしておく必要がある。
そして、S016において、S015にて演算したω0_compをS003にて演算した基準値から減算する(図5)。具体的には、図4(b)中の、V4’の値を補正する。
第1実施形態では、焦点距離に応じて、補正値ゲインを変更したが、第2実施形態では、焦点距離に応じて、基準値補正する/しないを判定し、動きベクトル2の閾値を変更する。
図7の(a)と(b)は、どちらも同じ基準値誤差を持っているが、焦点距離が異なり、(a)は焦点距離が長いTeleの場合、(b)は焦点距離が短いWideの場合(焦点距離:(a)>(b))場合の波形であり、縦軸のレンジは同じである。
これと同様の処理を焦点距離が短くなった場合に行おうとすると、図7(b)に示すように、MV2_diffがMV_th1を超えるケースは、僅かであり、基準値の補正を正確に行うことができない。
このため、本実施形態では、焦点距離が短い場合は、閾値も小さくする。
したがって、焦点距離に応じて、適切な閾値を設定することで、より正確に基準値の補正を行うことができる。図8は、焦点距離と基準値補正閾値との関係を示したグラフである。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、焦点距離によって、閾値及び補正量を変更してもよい。
図9は第3実施形態のブレ補正装置300のブロック図である。図2に示す第1実施形態のブレ補正装置100と異なる点は、動きベクトル演算部41から基準値補正量演算部35に対して分解能情報が伝達され、光学情報は基準値補正量演算部35に伝達されない点である。
本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態と同様の考えにより、動きベクトル検出部の分解能に応じて、基準値補正量、又は、閾値を変更する。
これは、動きベクトルの検出分解能が2倍になる事と、焦点距離が2倍になることとは、動きベクトル検出精度としては同等と見なせるためである。
図10は、動きベクトル検出分解能と基準値補正量との関係を示した図である。
図11は、動きベクトル検出分解能と基準値補正閾値との関係を示した図である。
本実施形態では、分解能に応じて基準値補正量が変化するので、焦点距離が変化した場合においても、良好な基準値補正を実施できる。
図12は第4実施形態のブレ補正装置400のブロック図である。図2に示す第1実施形態のブレ補正装置100と異なる点は、動きベクトル演算部41から基準値補正量演算部35に対して分解能情報が伝達される点である。
図13は、第4実施形態における、焦点距離、分解能、基準値補正量との関係を示したグラフである。図14は、第4実施形態における、焦点距離、分解能、閾値との関係を示したグラフである。
本実施形態では、第1実施形態と同様の理由で焦点距離、及び、第3実施形態と同様に動きベクトル検出分解能により基準値補正量を変更し、又は、第2実施形態と同様の理由で閾値を変更する。
以上により、焦点距離、及び、動きベクトル検出分解能が変わった場合であっても、より正確な基準値補正を行うことができる。
また、上記と同様に、動きベクトル検出分解能に応じて、補正量を変更することで、ボディが変わった場合や、撮影状況によって分解能が変わった場合においても、より正確に基準値を補正することが可能となる。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
本実施形態では、ブレ補正レンズ群を移動させることによりブレ補正を行う形態について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像素子を移動させることによりブレ補正を行うものであっても良く、またブレ補正レンズ群と撮像素子とを移動させることによりブレ補正を行うものであっても良い。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (12)
- 光学系により形成される被写体像のブレを補正する、駆動可能なブレ補正素子と、
前記光学系を備える光学機器の角速度を検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力信号の基準値を演算する基準値演算部と、
前記光学系で形成される前記被写体像から算出した動きベクトルの情報を受信し、前記動きベクトルと前記光学系の焦点距離に応じてあらかじめ定められた補正量とにより算出される基準値補正値により前記基準値を補正する基準値補正部と、
前記角速度センサの前記出力信号と補正後の前記基準値とをもとに、前記ブレ補正素子の目標位置を演算する目標位置演算部と、
を有するブレ補正装置。 - 請求項1に記載のブレ補正装置であって、
前記光学系の焦点距離がf1の場合の前記補正量は、前記光学系の焦点距離が前記f1より長いf2の場合の補正量よりも大きい、
ブレ補正装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置であって、
前記基準値補正部は、前記光学系の焦点距離が第1閾値以下の場合、前記基準値の補正を行わない、
ブレ補正装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、
前記基準値補正値は、前記動きベクトルの検出分解能に応じて変わる、
ブレ補正装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、
前記基準値補正部は、フレームの異なる前記動きベクトルの差が第2閾値より大きい場合に前記基準値の補正を行うブレ補正装置。 - 請求項5に記載のブレ補正装置であって、
前記光学系の焦点距離がf1である場合の前記第2閾値は、前記光学系の焦点距離がf1より長いf2の場合の前記第2閾値よりも小さいブレ補正装置。 - 光学系で形成される被写体像のブレを補正する、駆動可能なブレ補正素子と、
前記光学系を備える光学機器の角速度を検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力信号の基準値を演算する基準値演算部と、
複数の前記被写体像から算出した動きベクトルを用いて前記基準値を補正し、前記基準値を補正する補正量を前記動きベクトルの検出分解能に応じて変える基準値補正部と、
前記角速度センサの前記出力信号と補正後の前記基準値とをもとに、前記ブレ補正素子の目標位置を演算する目標位置演算部と、
を有するブレ補正装置。 - 請求項7に記載のブレ補正装置であって、
前記動きベクトルの検出分解能がd1である前記基準値の補正量は、d1よりも分解能が高いd2である場合の前記基準値の補正量よりも大きい、
ブレ補正装置。 - 請求項6又は請求項7に記載のブレ補正装置であって、
前記基準値補正部は、前記検出分解能が第3閾値より低い場合前記基準値の補正を行わないブレ補正装置。 - カメラボディに着脱可能に装着される交換レンズであって、
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を備え、
前記ブレ補正素子は、前記光学系の少なくとも一部であって、前記被写体像のブレを補正する、駆動可能なブレ補正光学系である、
交換レンズ。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のブレ補正装置であって、
前記ブレ補正素子は、前記光学系で形成される前記被写体像を撮像する撮像素子である、
ブレ補正装置。 - 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を備えるカメラ。
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