JP2019003220A - 交換レンズ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、角速度センサの出力信号をLPF(ローパスフィルタ)処理により算出し、更に、動きベクトル情報を用いて、基準値を補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。
本発明の課題は、正確な基準値補正が可能な交換レンズを提供することである。
図1は、実施形態のブレ補正装置を備えるカメラ1を模式的に示す断面図である。
カメラ1は、デジタル一眼レフカメラであり、カメラ筐体1Aと、このカメラ筐体1Aに対して着脱自在に装着されるレンズ鏡筒(光学部材)1Bとを備えている。
撮像素子3は、撮影レンズ(4,5,6)により形成された被写体像を撮像する素子であり、被写体光を露光して電気的な画像信号に変換し、信号処理回路15へ出力する。撮像素子3は、例えばCCD、CMOSなどの素子により構成されている。
EEPROM14は、角速度センサ12のゲイン値などの調整値情報、レンズ鏡筒固有の情報等を記憶するメモリであって、CPU2に出力する。
信号処理回路15は、撮像素子3からの出力を受けて、ノイズ処理やA/D変換等の処理を行う回路である。
レリーズスイッチ17は、カメラ1の撮影操作を行う部材であって、シャッタ駆動のタイミング等を操作するスイッチである。
フォーカスレンズ群5は、フォーカスレンズ群駆動機構8により駆動され、光軸方向に移動して、焦点を合わせるレンズ群である。
ブレ補正レンズ群6(光学素子)は、VCM等のブレ補正レンズ群駆動機構9により光学的にブレ補正駆動され、光軸に垂直な面上で可動なレンズ群である。
角速度センサ12は、それぞれセンサユニットに生じる振れの角速度を検出するセンサである。
ブレ補正装置100は、カメラCPU2A、レンズCPU2B、角速度センサ12、ブレ補正レンズ群駆動機構(レンズ駆動部)9、レンズ位置検出部21、及びブレ補正レンズ群6を備える。
レンズCPU2Bは、増幅部31と、第1A/D変換部32、第2A/D変換部33、基準値演算部34、基準値補正量演算部35、積分部を内部に含む目標位置演算部36、センタバイアス演算部37、センタバイアス除去部38、駆動量演算部39、切替スイッチ45、及び基準値バッファ部46を備える。
角速度センサ12は、レンズ鏡筒1BのX軸回り(Pitch)、Y軸回り(Yaw)、Z軸回り(Roll)の角速度を検出する振動ジャイロ等のセンサである。
第1A/D変換部32は、増幅部31の出力をA/D変換する。
基準値演算部34は、角速度センサ12から得られた振動検出信号(第1A/D変換部32の出力)の基準値を演算する。
基準値バッファ部46は、基準値の過去データ(検出遅れ時間Δt分)をメモリに記憶しておく。基準値バッファ部46については後に詳述する。
切替スイッチ45は、基準値演算部34によって演算された基準値をそのまま補正するか、また、基準値バッファ部46において記憶された過去の基準値を補正するかを選択可能なスイッチである。
目標位置演算部36は、減算部43において基準値が減算された後の角速度センサ12の出力を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する。
そして、像振れ補正レンズ6の目標位置から、算出したバイアス量を減算することにより像振れ補正レンズ6の制御位置を算出する。
このようにセンタリングバイアス処理を行うことで、像振れ補正レンズ6がハードリミットに衝突することを有効に防止することができ、さらには、撮影画像の見栄えを向上させることができる。
信号処理部40は、撮像素子3により生成された画像信号について、所定の処理を行なう。
具体的には、動きベクトル演算部41は、撮像素子3により撮像された連続する2つのフレーム画像データに含まれる輝度情報を比較することで、像の動き方向及び動き量を検出し、第1動きベクトルMV1を演算する。
基準値補正量演算部(基準値補正部)35は、センタバイアス除去部38においてセンタバイアス量が除去された第2動きベクトル(MV2)をもとに、基準値補正量を演算する。
そして、減算部(基準値補正部)42は、基準値バッファ部46により保存されていたき所定時間前の基準値から、基準値補正量演算部35により求めた基準値補正量を減算する。
図3は、本実施形態のブレ補正装置100の動作の流れを示したフローチャートである。
基準値演算部34は、角速度センサ12の出力のA/D変換後の信号を基に、演算上の角速度の基準値(ゼロdeg/s相当の値)を算出する。角速度の基準値は、温度特性や、起動直後のドリフト特性等により変化するため、例えば、工場出荷時における角速度センサ12の静止時出力を基準値に用いることはできない。
ここで、本実施形態では、基準値バッファ部46に格納してある、過去の基準値データ(Δt前)にω0compを加え、この値を最新の基準値に置換える処理を行う。
また、露光中は第1動きベクトルMV1の情報が得られないため、このステップは、露光直前までの実施となる。
基準値減算後の角速度センサ12の出力を積算し、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、ブレ補正レンズ特性情報を基に、ブレ補正レンズ群6の目標位置を演算する(S006)。
ブレ補正レンズ群6が可動端へ到達することを防ぐため、センタバイアス処理を行う(S007)。
ブレ補正レンズ群6を目標位置まで駆動させ(S009)、S002へ戻る。
上述のように、第1動きベクトルMV1の情報が更新された場合(S004)、S005へ進む。更新されていない場合は、S006へ進む。
光学ブレ補正の制御周期は、第1動きベクトルMV1の更新周期に対して十分早い為、第1動きベクトルMV1が更新されるまでは、通常の防振と同様の演算処理を行う。ここでは、光学ブレ補正の制御周期1[ms]、第1動きベクトルMV1の更新周期33[ms](=30[fps])とする。第1動きベクトルMV1の演算方法については、公知技術を用いる。
S007にて演算したセンタバイアス成分を、第1動きベクトルMV1と同一スケールに換算する(S012)。
換算方法は、焦点距離、被写体距離、撮影倍率、第1動きベクトルMV1の分解能情報を基に演算する。
Bias_MV=Bias_θ*f1+β/MV_pitch
Bias_MV:センタバイアス成分(動きベクトル同一スケール)
Bias_θ:センタバイアス成分(角度)
f:焦点距離
β:撮影倍率
MV_pitch:MV1ピッチサイズ
最新の第2動きベクトルMV2(n)と1フレーム前の第2動きベクトルMV2(n−1)の差分:MV_diffを取得(S014)する。
MV_diffを基に、基準値を補正する量を設定する。基準値は、以下の考えにより、補正量を設定する(S015)。
MV_diff>0:ω0_comp=−ω0_comp_def
MV_diff<0:ω0_comp=+ω0_comp_def
MV_diff=0:ω0_comp=0
ω0_comp :基準値補正量
ω0_comp_def:基準値補正常数
比較形態が本実施形態と異なる点は、基準値バッファ部46を備えていない点であり、過去の基準値データ(Δt前)を用いず、現在の基準値データにω0_compを加え、この値を最新の基準値に置換える処理を行う点である。
図中点線は補正しなかった場合の基準値を示し、図中実線は、比較形態により補正した基準値を示す。
その後、時刻t3まで基準値は、基準値演算部34で演算される値に従い変化する。
時刻t3において、MV_diffがプラス方向に確認されると、また基準値をマイナスに補正する。本実施形態では、このときの補正量は時刻t1のときと一定とする。
その後も、MV_diffが確認される時刻と時刻の間、基準値は、基準値演算部34で演算される値に従い変化する。
また、MV_diffがプラス方向に確認されると、基準値を一定量マイナスに補正する。
また、図中の時刻t22やt25のようにMV_diffがマイナス方向に確認されると、基準値を一定量プラスに補正する。
例えば、t2時点でのω0誤差をMV_diffにより検出できるのは、3フレーム経過後の時刻t6となる。
また、時刻t13では、ω0の演算結果は、ほぼ真値へ収束しているが、MV_diffは、プラス側に値を持っている。この為、ここでは、ω0をマイナス方向へ補正することになり、誤差を増大させてしまうことになる。
特に、基準値の符号が変わった直後(t2以降、t13以降)では、図8に示すように誤差を悪化させてしまうケースもある。
そこで、ボディ側から得られたMV_diffの情報と、検出遅れ時間情報を利用して、角速度センサ12の基準値を補正することで、より正確な基準値を得ることが可能となる。
そこで、時刻t3では、基準値バッファ部46に記憶されている時刻t0の基準値ω0を、時刻t3のときに減算部42において減算可能なMV_diff(すなわち、時刻t0のときのMV_diff,図9の時刻t3に示すMV_diff)に基づいて補正する。
そして、時刻t3のときの基準値ω0を、時刻t0の基準値ω0を時刻t3のときのMV_diffに基づいて補正した値にする。
そこで、時刻t7では、基準値バッファ部46に記憶されている時刻t3での基準値ω0を、時刻t7のときに減算部42において減算可能なMV_diff(すなわち、時刻t3のときのMV_diff,図9の時刻t7に示すMV_diff)に基づいて補正する。
そして、時刻t7のときの基準値ω0を、時刻t3の基準値ω0を時刻t7のときのMV_diffに基づいて補正した値にする。
(1)MV_diff情報の検出は、検出遅れ時間:Δt(本実施形態では3フレーム分)を有している。しかし、本実施形態では、ボディ側から得られたMV_diffの情報と、検出遅れ時間情報を利用して、角速度センサ12の基準値を補正することで、より正確な基準値を得ることが可能となる。
(2)本実施形態では、センタバイアス成分を第1動きベクトルMV1から減算する(S013)。これにより、基準値誤差による第2動きベクトルMV2の情報を取得することができる。
(3)センタリングバイアス処理を行うので、像振れ補正レンズ6がハードリミットに衝突することを有効に防止することができ、さらには、撮影画像の見栄えを向上させることができる。
(4)切替スイッチ45が設けられているため、基準値演算部34によって演算された基準値をそのまま補正するか、また、基準値バッファ部46において記憶された過去の基準値を補正するかを選択可能である。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。例えば、以下の条件において基準値補正を実施しないこととしてもよい。
(1)ブレ補正レンズが可動端(演算上のリミット値)を超えた場合
これは、動きベクトル情報に手ブレ成分が加わるため、基準値補正を行うことができない為である。
(2)動きベクトル情報に被写体ブレが含まれていると判定した場合
これは、基準値誤差と被写体ブレの切り分けができない為である。
(3)動きベクトル情報の信頼性が低いと判定された場合
なお、信頼性判定については、公知技術の為、説明は割愛する。
(4)構図変更判定中
(5)三脚判定中
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (6)
- 被写体像を形成する光学系と、
前記光学系の振れを検出して、振れ信号を出力するセンサと、
前記センサの出力する前記振れ信号に基づいて前記光学系の光軸と交差する方向に動く補正レンズと、
前記被写体像を撮像して生成された信号に基づいて算出される動きベクトル及び前記動きベクトルを算出する前記信号を生成した前記撮像の時刻に関する情報を受信する受信部と、
を有する交換レンズ。 - 請求項1に記載の交換レンズにおいて、
前記撮像の時刻に関する情報は、前記光学系の振れによる前記被写体像のブレが発生した時刻から前記動きベクトルを検出するまでの時間に関する情報である交換レンズ。 - 請求項1に記載の交換レンズにおいて、
前記撮像の時刻に関する情報は、所定の間隔で複数回行われる前記被写体像の撮像のうち、前記光学系の振れによる前記被写体像のブレが発生したときの撮像と、前記動きベクトルを検出したときの撮像との間に行われた撮像回数に関する情報である交換レンズ。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の交換レンズにおいて、
前記センサの出力する振れ信号及び前記受信部で受信した前記動きベクトルから前記センサの基準値を算出する基準値演算部と、
前記センサで検出した前記振れ信号と、前記受信部で受信した前記時刻に関する情報に基づいて、前記振れ信号を検出した時刻とは異なる時刻に出力された前記振れ信号から算出された前記基準値とから、前記補正レンズの目標位置を算出する目標位置演算部と、
前記目標位置へ前記補正レンズを駆動する駆動部と、
を有する交換レンズ。 - 請求項4に記載の交換レンズにおいて、
前記受信部が受信する前記動きベクトルは、前記信号から算出される第1動きベクトルを、前記補正レンズを前記補正レンズの可動範囲の中心に向かって移動させる制御により減算された、前記補正レンズの駆動量をもとに補正した第2動きベクトルである交換レンズ。 - 請求項5に記載の交換レンズにおいて、
前記基準値演算部は、前記補正レンズが前記可動範囲の可動端を超えると、前記動きベクトルを用いず、前記センサの出力する振れ信号から前記センサの基準値を算出する交換レンズ。
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