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JP6264888B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

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JP6264888B2
JP6264888B2 JP2014000786A JP2014000786A JP6264888B2 JP 6264888 B2 JP6264888 B2 JP 6264888B2 JP 2014000786 A JP2014000786 A JP 2014000786A JP 2014000786 A JP2014000786 A JP 2014000786A JP 6264888 B2 JP6264888 B2 JP 6264888B2
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Description

本発明は、例えばプリンターなどの液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一例として、サブタンクからインク流入流路を通じて供給されたインクをインクジェットヘッドから用紙に噴射することで印刷を行うインクジェット式のプリンターがある。また、こうしたプリンターのうちには、インクジェットヘッドから排気流路を通じてサブタンクにインクを帰還させて、インク流入流路内及び排気流路内の気泡等をサブタンクに回収することで、噴射不良を抑制するものがある(例えば特許文献1)。
特開2012−30496号公報
ところで、上述のプリンターにおいて印刷を行う場合には、排気流路とサブタンクとの間に設けられた循環バルブを閉じてインク流入流路から排気流路へのインクの流動を妨げることで、インク流入流路からインクジェットヘッドにインクを供給する。しかし、インクジェットヘッドから噴射されるインクの単位時間当たりの量が多くなると、サブタンクからの液体の供給量が不足してしまうという課題がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噴射不良を抑制することができる液体噴射装置を提供することにある。また、噴射不良を抑制しつつ液体噴射部に対して液体を供給することができる液体噴射装置を提供することにある。また、液体噴射部に対する液体の供給量を増加させることができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、液体を収容する液体収容部と、液体を噴射する液体噴射部と、前記液体収容部と前記液体噴射部とを接続する液体流路と、前記液体流路において液体を流動させる流動機構と、前記液体流路の液体の流れを規制可能な規制部と、を備え、前記液体噴射部は、複数のノズルと、前記液体流路から供給される液体を貯留する共通液室と、前記共通液室及び前記ノズルに連通する複数の圧力室と、を有し、前記液体流路は、流入口及び流出口を有するとともに前記共通液室に連通する液体貯留室と、前記液体収容部と前記流入口とを接続する供給流路と、前記流出口と前記液体収容部とを接続するとともに前記規制部が設けられた帰還流路と、を有し、前記ノズルから液体を噴射しないときに、前記規制部が前記帰還流路の流れを規制しない状態で、前記流動機構の駆動によって前記液体収容部に収容された液体を前記供給流路、前記液体貯留室、及び前記帰還流路の順に流動させて、前記液体収容部と前記液体流路との間で液体を循環させ、前記ノズルから液体を噴射するときに、前記規制部が前記帰還流路の流れを規制しない状態で、前記液体収容部に収容された液体を前記供給流路及び前記帰還流路の両流路を通じて前記液体貯留室に流動させて、前記液体貯留室から前記共通液室に液体を供給する。
この構成によれば、ノズルから液体を噴射しないときに液体収容部と液体流路との間で液体を循環させることで、液体流路内にある気泡等の異物が液体収容部に回収されるので、液体噴射部に異物が流入するのを抑制することができる。また、ノズルから液体を噴射するときには、供給流路及び帰還流路を通じて液体貯留室に液体を流動させることで、液体流路のみを通じて液体貯留室に液体を供給する場合よりも、液体噴射部に対する液体の供給量を増加させることができる。
上記液体噴射装置において、前記液体貯留室と前記共通液室との間にはフィルターが設けられる。
この構成によれば、フィルターによって共通液室につながる流路の流路抵抗が増すので、液体収容部と液体流路との間で液体を循環させるときに、液体貯留室から共通液室に向かう液体の流れを抑制することができる。また、ノズルから液体を噴射するときには、液体貯留室から共通液室に流れる液体をフィルターによって濾過することで、気泡等の異物が液体噴射部に流入するのを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記液体流路には、撓み変位することで前記液体流路の容積を変更可能な可撓部が設けられる。
この構成によれば、流動機構の駆動や規制部の動作によって液体流路内の圧力が変化したときに可撓部が撓み変位することで、液体流路につながる液体噴射部において不要な圧力変動を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記供給流路には、前記液体収容部から前記液体貯留室に向かう液体の流れを許容する一方で、前記液体貯留室から前記液体収容部に向かう液体の流れを規制する一方向弁が設けられる。
液体噴射部内の圧力変動などによってノズルに形成されたメニスカスが壊れると、ノズルから液体が流出するのと入れ替わりに、ノズルから空気が流入することがある。その点、上記構成によれば、一方向弁によって液体貯留室から液体収容部に向かう流れが規制されるので、ノズルから流入した空気が気泡となって液体貯留室に向けて逆流するのを抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記液体貯留室は前記流出口を複数有し、前記帰還流路は、前記液体収容部に連通する本流路と、前記本流路から分岐して前記流出口に連通する複数の分岐流路とを有しており、前記規制部は前記本流路に設けられる。
この構成によれば、帰還流路の液体貯留室側を複数の分岐流路とすることで、液体収容部から液体貯留室に向けて液体が流動するときの圧力損失を、液体貯留室から液体収容部に向けて液体が流動するときの圧力損失よりも小さくすることができる。これにより、液体収容部から液体貯留室に向けて液体が流動しやすくなるので、ノズルから液体を噴射するときに液体噴射部への液体の供給量を多くすることができる。また、液体収容部と液体流路との間で液体を循環させるときには、液体貯留室内の異物を液体収容部に向けて複数の流出口から流出させることができるので、液体収容部への異物の回収率を上げることができる。さらに、規制部を分岐流路に設ける場合には、複数の分岐流路に個別に規制部を備える必要があるが、規制部を本流路に設ける場合には、複数の分岐流路に個別に規制部を備える場合のように複数の規制部を備える必要がないので、構成を簡素化することができる。
上記液体噴射装置では、前記液体貯留室において、複数の前記流出口は前記流入口よりも前記液体貯留室の長手方向の端部に近い位置に配置されるとともに、前記流入口は前記長手方向において前記流出口の間に配置される。
液体貯留室が長手方向に延びる細長い流路状に形成される場合などには、その長手方向の端部から離れた位置に流入口及び流出口が配置されると、液体を循環させるときに液体貯留室の長手方向の端部に流れが生じにくいので、異物が液体貯留室に滞留しやすい。その点、上記構成によれば、複数の流出口が流入口よりも液体貯留室の長手方向の端部に近い位置に配置されるので、液体貯留室の長手方向の端部に滞留した異物が流出口から帰還流路に流出しやすい。
また、流入口と流出口との距離が長くなると、液体を循環させるときに流入口から流出口に向かう流れが生じにくくなる。その点、上記構成によれば、流入口は長手方向において流出口の間に配置されるので、液体貯留室の長手方向における両端側にそれぞれ流入口と流出口を1つずつ配置する場合よりも、流入口と流出口との距離を短くして、液体貯留室内において液体を流動させることができる。
第1実施形態の液体噴射装置の構成を示す模式図。 第1実施形態の液体噴射装置のノズルから液体を排出するときの模式図。 第2実施形態の液体噴射装置の構成を示す模式図。 第2実施形態の液体噴射装置のノズルから液体を排出するときの模式図。 第3実施形態の液体噴射装置の構成を示す模式図。 第3実施形態の液体噴射装置のノズルから液体を噴射するときの模式図。 第3実施形態の液体噴射装置のノズルから液体を排出するときの模式図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。
液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって印刷を行うインクジェット式のプリンターである。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置11は、液体を噴射する液体噴射部12と、液体噴射部12に液体を供給する液体供給機構13と、液体供給機構13の制御を行う制御部14と、液体噴射部12のメンテナンスを行うメンテナンス機構15とを備える。
液体供給機構13は、液体を収容する液体収容部21と、液体収容部21と液体噴射部12とを接続する液体流路22と、液体流路22において液体を流動させる流動機構23と、液体流路22の液体の流れを規制可能な規制部24とを備える。
液体収容部21には大気連通弁16が設けられている。大気連通弁16が開弁状態になると、液体収容部21は大気と連通する。また、液体収容部21は注入流路17を通じて液体供給源18と連通している。注入流路17には、液体供給源18から液体収容部21に向けて液体を流動させるポンプ19と、ポンプ19と液体供給源18との間において注入流路17の開閉を行う開閉弁20とが設けられている。そして、開閉弁20が開状態のときにポンプ19が駆動すると、注入流路17を通じて液体供給源18から液体収容部21に液体が注入される。
液体噴射部12は、液滴を吐出する複数のノズル43と、液体流路22から供給される液体を貯留する共通液室41と、共通液室41及びノズル43に連通する複数の圧力室42とを有している。本実施形態において、共通液室41を通じて液体が供給される複数のノズル43が並ぶ方向(図1における左右方向)をノズル列方向という。
共通液室41と圧力室42は、連通孔45を通じて連通している。また、圧力室42の壁面の一部は、振動板44によって形成されている。振動板44において、圧力室42と面する部分の反対側の面であって、共通液室41と異なる位置には、収容室46に収容されたアクチュエーター47が配設されている。
アクチュエーター47は、例えば駆動電圧が印加された場合に収縮する圧電素子である。そして、アクチュエーター47に駆動電圧が印加されると、振動板44が変形して圧力室42の容積が変化することによって、圧力室42内の液体がノズル43から液滴として吐出される。
メンテナンス機構15は、液体噴射部12に対して相対移動可能なキャップ51と、廃液収容部52と、キャップ51と廃液収容部52とを接続する廃液流路53と、廃液流路53に設けられた減圧機構54と、キャップ51に付属する大気開放弁55とを備えている。
図2に示すように、キャップ51は、液体噴射部12に近づく方向に移動して、ノズル43が開口する空間Roを囲む。本実施形態において、キャップ51がこのようにノズル43が開口する空間Roを囲むことを、「キャッピングする」という。なお、キャップ51は、図2に示すような開口部を有する有底箱状のものに限らず、例えば液体噴射部12側にノズル43が開口する領域を囲む環状の弾性部材を配置しておき、この弾性部材に接触することによって空間Roを囲む部材をキャップ51としてもよい。
液体噴射部12をキャッピングしたときに、大気開放弁55が開弁状態になると空間Roは大気開放される一方、大気開放弁55が閉弁状態になると空間Roはほぼ密閉された状態になる。そのため、液体噴射部12をキャッピングするとともに大気開放弁55を閉弁状態にして減圧機構54を駆動させると、空間Ro内が減圧されて負圧が生じ、ノズル43を通じて液体が排出される吸引クリーニングが行われる。そして、吸引クリーニングによってノズル43からキャップ51内に排出された液体は、廃液として廃液流路53を通じて廃液収容部52に収容される。
液体流路22は、流入口25及び流出口26を有するとともに共通液室41に連通する液体貯留室27と、液体収容部21と流入口25とを接続するとともに流動機構23が設けられた供給流路28と、流出口26と液体収容部21とを接続するとともに規制部24が設けられた帰還流路29とを有している。液体貯留室27と共通液室41との間には、フィルター室31を配置して、このフィルター室31にフィルター32を設けておくのが好ましい。
液体貯留室27は、撓み変位することで液体貯留室27の容積を変更可能な可撓部33を備えるのが好ましい。可撓部33は、例えば液体貯留室27の壁の一部を形成する流路形成部材に撓み変位可能なフィルム部材を溶着することによって形成することができる。
液体貯留室27は、流出口26を複数(例えば2つ)有するのが好ましい。また、液体貯留室27において、複数の流出口26は流入口25よりも液体貯留室27の長手方向(図1における左右方向)の端部に近い位置に配置されるとともに、流入口25は同長手方向に並ぶ2つの流出口26の間に配置されるのが好ましい。本実施形態においては、ノズル列方向が液体貯留室27の長手方向になっている。
さらに、液体貯留室27において、流出口26を流入口25よりも鉛直方向上方に配置するとともに、液体貯留室27の天井面が長手方向における中央付近から両端側に向けて高くなるように、天井面を傾斜させるとよい。このようにすれば、液体貯留室27内に混入した気泡が天井面の傾斜に沿って流出口26のある端部に向けて流動して、流出口26を通じて帰還流路29に流出しやすくなるためである。なお、図1及び図2においては可撓部33が天井面を形成するように図示しているが、可撓部33は天井面を形成しない壁面(例えば、側面や底面)に配置した方が気泡の滞留が抑制されるので、好ましい。
また、液体貯留室27のフィルター室31に対する接続部分は、流入口25よりも流出口26に近い位置であって、流入口25及び流出口26よりも鉛直方向下方に配置するのが好ましい。このようにすれば、流入口25を通じて液体貯留室27に入った気泡等の異物がフィルター室31に流入するのを抑制することができるためである。
供給流路28には、流動機構23と流入口25との間に一方向弁34を設けておくのが好ましい。一方向弁34は、液体収容部21から液体貯留室27に向かう液体の流れを許容する一方で、液体貯留室27から液体収容部21に向かう液体の流れを規制する逆止弁である。
流動機構23は、例えば、制御部14の制御によって駆動することで、液体収容部21から液体貯留室27に向けて液体を流動させる一方、駆動を停止しているときには液体の流れを規制しないポンプである。流動機構23は、例えばギヤポンプやダイヤフラムポンプとすることができる。なお、流動機構23をダイヤフラムポンプとする場合には、駆動に伴って容積が変化するポンプ室と、ポンプ室よりも液体収容部21側に設けられた吸入弁とポンプ室よりも液体貯留室27側に設けられた吐出弁とを備えるのがよい。この場合には、吸入弁がポンプ室から液体収容部21側に向かう液体の流動を規制する一方向弁として機能するとともに、吐出弁が液体貯留室27側からポンプ室に向かう液体の流動を規制する一方向弁として機能するので、供給流路28に一方向弁34を設けなくてもよい。
帰還流路29は、液体収容部21に連通する本流路35を有しているとともに、本流路35から分岐して流出口26に連通する分岐流路37を複数(例えば2つ)有している。規制部24は、本流路35に設けられている。規制部24は、例えば、制御部14の制御によって、本流路35の流れを規制する閉弁状態と、本流路35の流れを許容する開弁状態とに変化する開閉弁である。なお、帰還流路29において液体収容部21から液体貯留室27に向かう流れ方向(図1に実線の矢印で示す方向)を供給方向といい、液体貯留室27から液体収容部21に向かう流れ方向(図1に二点鎖線の矢印で示す方向)を帰還方向という。
次に、本実施形態の液体噴射装置11の動作について説明する。
制御部14は、状況に応じて流動機構23及び規制部24を制御することで、液体収容部21と液体流路22との間で液体を循環させる循環モードと、液体貯留室27から共通液室41に液体を供給する供給モードと、ノズル43から液体を排出させる排出モードと、を設定する。例えば、制御部14は、ノズル43から液体を噴射して媒体Sに対して印刷を行うときには供給モードを設定し、ノズル43から液体を噴射しないとき、すなわち印刷を行わないときに循環モードまたは排出モードを設定する。
循環モードは、液体流路22内に混入した気泡や増粘した液体などの異物を液体収容部21に回収するときに設定される。また、排出モードは、循環モードによって液体収容部21に回収された異物をノズル43から排出するときに設定される。
循環モードでは、規制部24が帰還流路29の流れを規制しない状態で、流動機構23の駆動によって液体収容部21に収容された液体を供給流路28、液体貯留室27、及び帰還流路29の順に流動させる。すなわち、循環モードでは、液体が供給流路28を図1に実線の矢印で示すように流動して、流入口25から液体貯留室27に入る。また、液体貯留室27から複数の流出口26を通じて帰還流路29の分岐流路37に流出した液体は、図1に二点鎖線の矢印で示す帰還方向に流れ、本流路35に合流して液体収容部21に戻る。そして、このように液体収容部21、供給流路28、液体貯留室27及び帰還流路29を循環する液体の流れにのって、液体流路22に混入した気泡等の異物が液体収容部21に回収される。
なお、液体収容部21に回収された気泡が供給流路28に流出しないように、供給流路28は液体収容部21の底部に接続するのが好ましい。一方、帰還流路29は、液体収容部21に対する供給流路28の接続部よりも鉛直方向上方で液体収容部21に接続されるのが好ましい。このようにすれば、帰還流路29を通じて液体収容部21内に入った気泡が供給流路28に入りにくいためである。
供給モードでは、流動機構23の駆動を停止するとともに、規制部24が帰還流路29の流れを規制しない状態で、液体収容部21に収容された液体を供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体貯留室27に流動させて、液体貯留室27から共通液室41に液体を供給する。
供給モードが設定される印刷時には、アクチュエーター47の駆動によってノズル43から液体が噴射されると、噴射によって圧力室42から流出した液体の分、液体貯留室27の液体がフィルター室31及び共通液室41を通じて圧力室42に供給される。また、液体貯留室27から圧力室42に流出した液体の分、液体収容部21の液体が供給流路28及び帰還流路29を通じて液体貯留室27に供給される。
このように、規制部24が帰還流路29の流れを規制しない状態にすると、流動機構23が駆動しなくても、帰還流路29において液体が図1に実線の矢印で示す供給方向に流動するとともに供給流路28において液体が図1に実線の矢印で示す方向に流動して、液体貯留室27に液体が補給される。すなわち、ノズル43から液体を噴射するときには、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体収容部21から液体貯留室27に液体が供給される。
排出モードでは、規制部24が帰還流路29の流れを規制した状態で流動機構23を駆動させることにより、図2に示すように液体収容部21内の液体を供給流路28、液体貯留室27、フィルター室31、共通液室41及び圧力室42の順に流動させて、ノズル43から排出させる。これにより、液体収容部21に回収された気泡等の異物が液体ととともにノズル43から排出される。
このとき、帰還流路29においては規制部24によって液体の流動が規制されているので、供給流路28を通じて液体貯留室27に流入した液体は帰還流路29に流れることなく、液体噴射部12側に向けて流れる。なお、液体中に混入した異物として、インクの溶質成分が固まった固形物などがある場合には、フィルター32によって共通液室41への流入が規制されるので、固形物によるノズル43の目詰まりが抑制される。そして、ノズル43からキャップ51に排出された異物を含む液体は、減圧機構54を駆動させることによって、廃液として廃液収容部52に収容される。
なお、液体と一緒に気泡を流動させるためには、液体の流速を一定以上の値にする必要がある。そのため、メンテナンス機構15が吸引クリーニングを実行するときに排出モードを設定して、減圧機構54及び流動機構23の両方を駆動させてノズル43から液体を排出させるようにしてもよい。このようにすれば、流動機構23の駆動力のみで液体を流動させる場合よりも、液体噴射部12内を流れる液体の流速を速くすることができるので、気泡を効率よく排出することができるためである。あるいは、流動機構23の駆動力によってノズル43から排出された液体を廃液収容部52に回収することができる程度に減圧機構54を駆動してもよい。
排出モードが設定して行われる液体の排出は、液体収容部21に気泡等の異物が溜まる所定のタイミングで実行することができる。そして、供給モードにおいて液体が噴射によって消費されたり、排出モードにおいて液体収容部21から液体が排出されたりした場合には、ポンプ19を駆動させて液体供給源18から液体収容部21に液体を補給する。
次に、本実施形態の液体噴射装置11の作用について説明する。
供給モードでは、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体貯留室27に液体が供給されるので、供給流路28だけで液体貯留室27に液体を供給する場合よりも、液体噴射部12に対する液体の供給量が増加する。そのため、液体噴射部12からの単位時間当たりの液体の噴射量が多くなったときでも、液体の供給不足が生じにくい。特に、帰還流路29は供給モードにおいて下流側となる部分が分岐流路37になっているので、下流側の圧力損失が小さく、液体が液体貯留室27に向けて流動しやすい。
特に、液体噴射部12が媒体Sの幅全体と対応した長尺状のラインヘッドである場合には、ノズル列方向に並ぶノズル43の数が多くなるので、単位時間当たりの液体の噴射量が多くなる傾向がある。そのため、供給流路28及び帰還流路29の両方を通じて液体を供給することによって、液体の供給不足による印刷品質の低下を抑制することが可能になる。
なお、液体噴射部12からの単位時間当たりの液体の噴射量が少ないときには、ノズル43から液体を噴射させる印刷時であっても、規制部24によって帰還流路29における液体の流動を規制して、供給流路28を通じて液体収容部21から液体貯留室27に液体を供給してもよい。
循環モードでは、液体の循環によって液体流路22に混入した気泡等の異物が液体収容部21に回収される。そして、液体収容部21は大気連通弁16を通じて大気と連通しているので、液体貯留室27に気泡が入ると、液面に出て消えることが期待される。このように回収した気泡が消えれば、気泡を流路外に排出するために排出モードによってノズル43から液体を排出しなくてもよいので、メンテナンスに伴う液体の消費量を低減することができる。
なお、液体貯留室27に流入した気泡等の異物は、液体貯留室27の隅などに滞留して、帰還流路29から排出されにくい場合がある。特に液体貯留室27が長手方向に延びる細長い流路状に形成されて、その長手方向の端部から離れた位置に流入口25及び流出口26が配置されると、液体貯留室27の長手方向の端部に流れが生じにくいので、異物が液体貯留室27に滞留しやすい。
その点、複数の流出口26を流入口25よりも液体貯留室27の長手方向の端部に近い位置に配置しておけば、液体貯留室27の長手方向の端部に滞留した異物が流出口26から流出しやすくなる。
また、流入口25と流出口26との距離が長くなると、循環モードにおいて流入口25から流出口26に向かう流れが形成されにくく、液体貯留室27内に異物が滞留しやすい。その点、流入口25を液体貯留室27の長手方向に並ぶ2つの流出口26の間に配置しておけば、流入口25と流出口26との距離を短くして、流入口25から液体貯留室27に流入した異物を流出口26に向けて流動させることが可能になる。
さらに、液体噴射部12が噴射する液体が溶媒よりも比重の重い溶質を含む溶液(例えば、溶質として顔料成分を含む顔料インク)である場合には、媒体Sに向けてノズル43から液体を噴射する前に、液体収容部21と液体流路22とで液体を循環させることにより、溶質成分を溶媒中に拡散させることができる。これにより、溶質の沈降による印刷濃度の変化を抑制することが可能になる。
ところで、液体を流動させるために流動機構23を駆動させたり、規制部24によって流れを規制したりすると、液体貯留室27内の圧力が一時的に高くなるなど、液体流路22内において圧力変動が生じることがある。こうした圧力変動が液体噴射部12に及ぶと、ノズル43に形成されたメニスカスが壊れて、ノズル43から液体が漏出することがある。そのため、循環モードにおいては、ノズル43から液体が漏出しない程度に流動機構23を駆動するのが好ましい。例えば、液体の流動によってノズル43に形成されたメニスカスに作用する圧力がメニスカスの耐圧より低くなるように流動機構23を駆動することが好ましい。
なお、供給流路28に一方向弁34を設けておけば、メニスカスが壊れてノズル43から液体が漏出するのと入れ替わりに空気が混入したとしても、混入して気泡となった空気が液体収容部21に向けて逆流しにくい。
さらに、液体貯留室27と共通液室41との間にフィルター32を配置しておけば、フィルター32によって流路抵抗が増大する分、液体貯留室27から共通液室41に液体が流入しにくくなるので、液体貯留室27内の圧力変動が液体噴射部12に及びにくくなる。
循環モード及び排出モードのときには、メンテナンス機構15のキャップ51を液体噴射部12のノズル43と対向する位置(受容位置)または液体噴射部12をキャッピングするキャッピング位置に配置しておくのが好ましい。このようにすれば、ノズル43から漏出する液体やノズル43から排出される液体をキャップ51で受容することができるので、ノズル43から出てくる液体で周囲を汚すことがない。
第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ノズル43から液体を噴射しないときに液体収容部21と液体流路22との間で液体を循環させることで、液体流路22内にある気泡等の異物が液体収容部21に回収されるので、液体噴射部12に異物が流入するのを抑制することができる。また、ノズル43から液体を噴射するときには、供給流路28及び帰還流路29を通じて液体貯留室27に液体を流動させることで、液体流路22のみを通じて液体貯留室27に液体を供給する場合よりも、液体噴射部12に対する液体の供給量を増加させることができる。
(2)フィルター32によって共通液室41につながる流路の流路抵抗が増すので、液体収容部21と液体流路22との間で液体を循環させるときに、液体貯留室27から共通液室41に向かう液体の流れを抑制することができる。また、ノズル43から液体を噴射するときには、液体貯留室27から共通液室41に流れる液体をフィルター32によって濾過することで、気泡等の異物が液体噴射部12に流入するのを抑制することができる。
(3)流動機構23の駆動や規制部24の動作によって液体流路22内の圧力が変化したときに可撓部33が撓み変位することで、液体流路22につながる液体噴射部12において不要な圧力変動を抑制することができる。また、液体噴射部12が複数のノズル43から液体を噴射することで共通液室41の圧力が変動したときにも、可撓部33が撓み変位することでノズル43からの液体噴射動作を安定させることができる。
(4)一方向弁34によって液体貯留室27から液体収容部21に向かう流れが規制されるので、ノズル43から流入した空気が気泡となって液体貯留室27に向けて逆流するのを抑制することができる。
(5)帰還流路29の液体貯留室27側を複数の分岐流路37とすることで、液体収容部21から液体貯留室27に向けて液体が流動するときの圧力損失を、液体貯留室27から液体収容部21に向けて液体が流動するときの圧力損失よりも小さくすることができる。これにより、液体収容部21から液体貯留室27に向けて液体が流動しやすくなるので、ノズル43から液体を噴射するときに液体噴射部12への液体の供給量を多くすることができる。
(6)液体収容部21と液体流路22との間で液体を循環させるときには、液体貯留室27内の異物を液体収容部21に向けて複数の流出口26から流出させることができるので、液体収容部21への異物の回収率を上げることができる。
(7)規制部24を分岐流路37に設ける場合には、複数の分岐流路37に個別に規制部24を備える必要があるが、規制部24を本流路35に設ける場合には、複数の分岐流路37に個別に規制部24を備える場合のように複数の規制部24を備える必要がないので、構成を簡素化することができる。
(8)複数の流出口26が流入口25よりも液体貯留室27の長手方向の端部に近い位置に配置されるので、液体貯留室27の長手方向の端部に滞留した異物が流出口26から帰還流路29に流出しやすい。
(9)流入口25は長手方向において流出口26の間に配置されるので、液体貯留室27の長手方向における両端側にそれぞれ流入口25と流出口26を1つずつ配置する場合よりも、流入口25と流出口26との距離を短くして、液体貯留室27内において液体を流動させることができる。
(第2実施形態)
次に、液体噴射装置の第2実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態と同じ符号を付したものは第1実施形態と同様の構成を備えるので説明を省略し、以下においては第1実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図3に示すように、本実施形態の液体噴射装置11Bが備える液体供給機構13Bは、液体を収容する液体収容部21Bと、液体収容部21Bと液体噴射部12とを接続する液体流路22Bと、液体流路22Bを構成する帰還流路29に設けられた流動機構23Bとを備える。なお、液体噴射部12及びメンテナンス機構15の構成や、液体流路22Bを構成する液体貯留室27Cの液体をフィルター32が設けられたフィルター室31を通じて共通液室41に供給する構成は第1実施形態と同様である。
液体収容部21Bと液体供給源18とを接続する注入流路17には、開閉弁20が設けられている。そして、開閉弁20が開状態になると、液体供給源18内の液面と液体収容部21B内の液面との水頭差によって、注入流路17を通じて液体供給源18から液体収容部21Bに液体が注入される。したがって、供給モードにおいて液体が噴射によって消費されたり、排出モードにおいてノズル43から液体が排出されたりした場合には、水頭差に基づいて液体供給源18から液体収容部21Bに液体が補給される。
なお、水頭差によって液体噴射部12に対する液体の加圧供給を行わない場合は、液体供給源18の水頭の位置が、鉛直方向においてノズル43の位置より低くなるように液体供給源18を配置してもよい。この場合にも、開閉弁20を開状態にしたときに、液体供給源18から注入流路17、液体収容部21Bおよび供給流路28を介して液体貯留室27Bに液体が供給される。
液体収容部21Bは、撓み変位することで液体収容部21Bの容積を変更可能な可撓部33Bを備えるのが好ましい。また、液体流路22Bを構成する供給流路28には一方向弁34が設けられている。なお、本実施形態の帰還流路29は分岐流路を備えず、液体流路22Bを構成する液体貯留室27Bは流入口25と流出口26を1つずつ備える。
液体貯留室27Bにおいては、液体貯留室27Bの長手方向における一端側に流入口25を配置する一方、同長手方向における他端側に流出口26を配置するのが好ましい。また、鉛直方向において、液体貯留室27Bの底部付近に流入口25を設ける一方で、液体貯留室27Bの上部に流出口26を設けるのが好ましい。このようにすれば、液体貯留室27Bの長手方向及び鉛直方向に沿って液体を流動させて、液体貯留室27Bに混入した気泡等を流出口26から流出させやすいためである。
流動機構23Bは、例えば、第1駆動(正転駆動)をすることで液体収容部21Bから液体貯留室27Bに向かう供給方向(図3に実線の矢印で示す方向)に液体を流動させるとともに、第2駆動(逆転駆動)をすることで液体貯留室27Bから液体収容部21Bに向かう帰還方向(図3に二点鎖線の矢印で示す方向)に液体を流動させるポンプである。そして、流動機構23Bは、第1駆動時に、供給方向の逆方向となる帰還方向への液体の流動を規制することで、規制部として機能する。また、流動機構23Bは、第2駆動時には、供給方向への液体の流動を規制する。なお、流動機構23Bが駆動を停止しているときには、帰還流路29の流れは規制されない。
次に、本実施形態の液体噴射装置11Bの動作について説明する。
制御部14は、状況に応じて流動機構23Bを制御することで、液体収容部21Bと液体流路22Bとの間で液体を循環させる循環モードと、液体貯留室27Bから共通液室41に液体を供給する供給モードと、ノズル43から液体を排出させる排出モードと、を設定する。例えば、制御部14は、媒体Sに対する印刷を行うときには供給モードを設定し、印刷を行わないときに循環モードまたは排出モードを設定する。
循環モードでは、流動機構23Bが第2駆動をすることで、液体貯留室27Bの液体を、帰還流路29を通じて液体収容部21Bに向けて帰還方向に流動させる。すると、液体収容部21Bに液体が流入する分、液体収容部21B内の液体が供給流路28を通じて液体貯留室27Bに向けて流出する。そして、このように循環する液体の流れにのって、液体流路22Bに混入した気泡等の異物が液体収容部21Bに回収される。
供給モードでは、流動機構23Bの駆動を停止することで、帰還流路29の流れを規制しない状態で、液体収容部21Bに収容された液体を供給流路28及び帰還流路29を通じて液体貯留室27Bに流動させる。すなわち、ノズル43から液体が噴射するときに、帰還流路29において液体が図3に実線の矢印で示す供給方向に流動するとともに供給流路28において液体が図3に実線の矢印で示す方向に流動して、液体貯留室27Bに液体が補給される。そのため、ノズル43から液体が噴射されて圧力室42及び共通液室41内の液体が減少すると、液体貯留室27Bから共通液室41に向けて速やかに液体が供給される。
図4に示すように、排出モードでは、流動機構23Bが第1駆動することで、帰還流路29の帰還方向への流れが規制された状態になるとともに、液体収容部21Bから液体貯留室27Bに向けて液体が流動する。このとき、供給流路28においては、一方向弁34によって液体貯留室27Bから液体収容部21Bに向かう液体の流れが規制されているので、帰還流路29から液体貯留室27Bに流入した液体は、フィルター室31、共通液室41及び圧力室42を通じてノズル43から排出される。
次に、本実施形態の液体噴射装置11Bの作用について説明する。
ノズル43から液体を噴射するときに設定される供給モードでは、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体貯留室27Bに液体が供給されるので、供給流路28だけで液体貯留室27Bに液体を供給する場合よりも、液体噴射部12に対する液体の供給量が増加する。そのため、液体噴射部12からの単位時間当たりの液体の噴射量が多くなったときでも、液体の供給不足が生じにくい。
また、循環モードでは、流動機構23Bの駆動によって液体流路22B内の圧力が変動することがあるが、液体収容部21Bの可撓部33Bが撓み変位することにより、こうした圧力変動が抑制される。そして、液体流路22B内の圧力変動を抑制することにより、液体噴射部12内の液圧が上昇することによるノズル43のメニスカスの破壊や、ノズル43からの液体の漏出が抑制される。
なお、液体収容部21Bや液体流路22Bが大気に連通していると、液体に空気が溶け込みやすい。そして、液体に溶存する気体の量が多いと、例えばメンテナンス機構15が吸引クリーニングを行って液体に負圧が作用した場合などに、溶存していた気体が気泡となって現れることがある。そのため、本実施形態のように液体収容部21Bが大気に連通しない構成にすることで、気泡の発生を抑制することができる。
第2実施形態によれば、上記(1)〜(4)と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図5,図6及び図7を参照して説明する。
なお、第3実施形態において第1実施形態と同じ符号を付したものは第1実施形態と同様の構成を備えるので説明を省略し、以下においては第1実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図5に示すように、本実施形態の液体噴射装置11Cが備える液体供給機構13Cは、液体を収容する液体収容部21Cと、液体収容部21Cと液体噴射部12とを接続する液体流路22Cと、液体流路22Cを構成する帰還流路29に設けられた流動機構23Cとを備える。なお、液体噴射部12及びメンテナンス機構15の構成や、開閉弁20及びポンプ19が設けられた注入流路17を通じて液体供給源18から液体収容部21Cに液体を供給する構成は第1実施形態と同様である。
流動機構23Cは、例えば、液体貯留室27Cから液体収容部21Cに向かう帰還方向(図5に矢印で示す方向)に液体を流動させるポンプである。流動機構23Cをポンプとする場合には、第1実施形態と同様のダイヤフラムポンプまたはギヤポンプとしてもよいし、帰還流路29を構成するチューブを帰還方向に押しつぶすことで液体を流動させるチューブポンプとしてもよい。なお、流動機構23Cが駆動を停止しているときには、帰還流路29の流れは規制されないものとする。
液体貯留室27Cにはフィルター32が設けられているとともに、フィルター32によって液体収容部21C側となる上流側と液体噴射部12側となる下流側とに区画されている。そして、液体貯留室27Cにおいて、流入口25及び流出口26はフィルター32よりも上流側に配置されている。また、液体貯留室27Cは、フィルター32よりも上流側に可撓部33を有している。
流出口26は、液体貯留室27C内において、少なくとも流入口25より鉛直方向上方に配置するのが好ましく、例えば流出口26を液体貯留室27Cの天井面に形成してもよい。このようにすれば、流入口25から流入してきた気泡が流出口26を通じて液体貯留室27Cから流出しやすくなるためである。また、流入口25は、液体貯留室27Cの底面に形成してもよい。このようにすれば、流入口25から流入した液体によって、液体貯留室27Cに貯留された液体を攪拌することができるためである。
液体貯留室27Cと共通液室41との間には、弁室62を有する圧力調整機構61が配置されている。弁室62は、液体貯留室27Cのフィルター32よりも下流側の部分に挿通孔63を介して連通しているとともに、連通孔67を介して共通液室41と連通している。また、弁室62の壁面の一部は、可撓性を有するフィルム66によって構成されている。
圧力調整機構61は、挿通孔63を閉塞可能な弁体64と、弁室62内に収容されて弁体64を付勢する付勢部材65と、を備える。付勢部材65は例えばばねであり、挿通孔63を開放する開弁位置(図6及び図7に示す位置)から、挿通孔63を閉塞可能な閉弁位置(図5に示す位置)に向けて、弁体64を付勢している。また、フィルム66が弁室62の容積を減少させる方向に変位すると、弁体64が変位するフィルム66に押圧されて、付勢部材65の付勢力に抗して閉弁位置から開弁位置に移動する。そして、弁体64が閉弁位置から開弁位置に移動すると、液体貯留室27Cと弁室62とが連通する。
次に、本実施形態の液体噴射装置11Cの動作について説明する。
制御部14は、状況に応じて流動機構23Cを制御することで、液体収容部21Cと液体流路22Cとの間で液体を循環させる循環モードと、液体貯留室27Cから共通液室41に液体を供給する供給モードとを設定する。例えば、制御部14は、媒体Sに対してノズル43から液体を噴射するときには供給モードを設定し、媒体Sに対する液体の噴射を行わないときに循環モードを設定する。
図5に示すように、循環モードでは、流動機構23Cが駆動することで、液体貯留室27Cの液体を、帰還流路29を通じて液体収容部21Cに向けて帰還方向に流動させる。すると、液体収容部21Cに液体が流入する分、液体収容部21C内の液体が供給流路28を通じて液体貯留室27に向けて流出する。そして、このように循環する液体の流れにのって、液体流路22Cに混入した気泡等の異物が液体収容部21Cに回収される。
なお、流動機構23Cは、第1駆動(正転駆動)をするときと第2駆動(逆転駆動)をするときとで液体の流動方向を変化させるものであってもよい。この場合には、流動機構23Cの駆動方向を変化させることによって、循環モードにおいて液体の流動方向を反転させることが可能になる。また、この場合には、供給モードにおいて流動機構23Cを第2駆動させて、液体収容部21Cから液体貯留室27に向けて液体を供給してもよい。
図6に示すように、供給モードでは、流動機構23Cの駆動を停止することで、帰還流路29の流れを規制しない状態で、液体収容部21Cに収容された液体を供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体貯留室27Cに流動させる。
なお、供給モードが設定される印刷時には、アクチュエーター47の駆動によってノズル43から液体が噴射されると、弁室62の液体が連通孔67を通じて共通液室41に供給される。そして、弁室62の液体が減少すると、弁室62内の液圧と大気圧との差圧によってフィルム66が弁室62の容積を減少させる方向に撓み変位して、弁体64を押圧する。そして、フィルム66の撓む力が付勢部材65の付勢力より大きくなると、弁体64が閉弁位置から開弁位置に移動する。
ここで、ポンプ19は、ノズル43から液体を噴射するときに、液体貯留室27Cが一定以上の正圧に保持されるように、所定のタイミングで駆動する加圧ポンプとするのが好ましい。このようにすると、弁体64が開弁位置に移動したときに、液体貯留室27C内の液体が弁室62に速やかに流入する。なお、この場合には、開閉弁20を、液体供給源18から液体収容部21Cに向かう液体の流れを許容する一方で、液体収容部21Cから液体供給源18に向かう液体の流れを規制する逆止弁にするとよい。
また、第1駆動及び第2駆動が可能な流動機構23Cを採用する場合には、供給モードにおいて流動機構23Cを第2駆動させて、液体収容部21Cから液体貯留室27に向けて液体を供給してもよい。
そして、弁室62への液体の流入によって弁室62内の液圧と大気圧との差圧が所定の圧力になると、弁体64は付勢部材65の付勢力によって再び閉弁位置に移動する。このように、圧力調整機構61は、液圧と大気圧との差圧に基づいて液体流路22Cを開閉することで、液体の消費量に応じた液体を共通液室41に供給する。
このとき、帰還流路29において液体が図6に矢印で示す供給方向に流動するとともに供給流路28において液体が図6に矢印で示す方向に流動して、液体貯留室27Cに液体が補給される。すなわち、印刷を行うときには、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体収容部21Cから液体貯留室27Cに速やかに液体が供給される。
なお、本実施形態においては、液体収容部21Cに回収された異物は、流動機構23Cの駆動力による排出ではなく、メンテナンス機構15の吸引クリーニングによってノズル43から排出される。圧力調整機構61の弁体64は、弁室62が一定以上の負圧になった場合に閉弁位置から開弁位置に移動するが、液体貯留室27C内の液圧が大気圧よりも高い加圧状態になっても開弁位置に移動しないためである。
図7に示すように、液体収容部21Cに回収された異物を排出するときには、キャップ51をキャッピング位置に配置して、流動機構23Cの駆動を停止して帰還流路29の流れを規制しない状態で、減圧機構54を駆動させる。すると、空間Roの負圧が弁室62に及んで、弁体64が付勢部材65の付勢力に抗して開弁位置に移動する。これにより、液体収容部21C内の液体が異物とともに帰還流路29及び供給流路28を通じて液体貯留室27Cに流動するとともに、液体貯留室27Cから弁室62等を通じてノズル43から排出される。
次に、本実施形態の液体噴射装置11Cの作用について説明する。
ノズル43から液体を噴射するときに設定される供給モードでは、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体貯留室27Cに液体が供給されるので、供給流路28のみに液体を流動させる場合よりも、液体噴射部12に対する液体の供給量が増加する。そのため、液体噴射部12からの単位時間当たりの液体の噴射量が多くなったときでも、液体の供給不足が生じにくい。
また、循環モードでは、流動機構23Cの駆動によって液体流路22C内の圧力が変動することがあるが、液体貯留室27Cの可撓部33が撓み変位することにより、こうした圧力変動が抑制される。そして、液体流路22C内の圧力変動を抑制することにより、液体噴射部12内の液圧が上昇することによるノズル43のメニスカスの破壊や、ノズル43からの液体の漏出が抑制される。
さらに、液体収容部21Cに回収された異物を排出するときには、流動機構23Cの駆動を停止して帰還流路29の流れを規制しない状態で、減圧機構54を駆動させることにより、供給流路28及び帰還流路29の両流路を通じて液体を排出することができる。これにより、液体流路22Cを流れる液体の流速を速くして、液体収容部21Cに回収された気泡を効率よく排出することができる。
第3実施形態によれば、上記(1)〜(4)と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・循環モードにおいて、液体の流動によってノズル43に形成されたメニスカスに作用する圧力がメニスカスの耐圧より高くなるように流動機構23を駆動し、ノズル43から液体を排出させながら液体を流動させてもよい。この場合にも、メンテナンス機構15のキャップ51を液体噴射部12のノズル43と対向する位置(受容位置)または液体噴射部12をキャッピングするキャッピング位置に配置しておくことにより、ノズル43から排出される液体をキャップ51で受容することができるので、ノズル43から出てくる液体で周囲を汚すことがない。
・メンテナンス機構15のキャップ51に大気開放弁55を備えず、液体噴射部12の空間Roを形成する領域に大気と連通可能な連通流路の大気連通口を設けてもよい。この場合には、連通流路に開放弁を設けることにより、液体噴射部12をキャッピングしたときに、開放弁を開弁状態にすれば空間Roが大気開放される一方、開放弁を閉弁状態にすれば空間Roがほぼ密閉された状態になる。
・循環モードのときに、液体流路22内での液体の流動に伴ってノズル43内の圧力が変動してメニスカスが壊れるのを抑制するために、キャッピングによって形成された空間Roを加圧または減圧して、メニスカスの液体側と気体側との圧力差がメニスカス耐圧より小さくなるようにしてもよい。この場合には、キャップ51または液体噴射部12に空間Roに連通する連通口を設ければ、この連通口を通じて空間Roから気体を流出させることによって減圧を行ったり、同連通口を通じて空間Roに気体を流入させることによって加圧を行ったりすることができる。なお、減圧機構54を駆動することによって、空間Roを減圧するようにしてもよい。
・液体噴射装置は、印刷機能のみを備えるプリンターであってもよいし、ファクシミリ、複写装置、またはこれら装置を備える複合機に備えられるプリンターであってもよい。
・液体噴射部12が噴射する液体は、インク以外の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)ものであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する構成にしてもよい。
11,11B,11C…液体噴射装置、12…液体噴射部、21,21B,21C…液体収容部、22,22B,22C…液体流路、23,23B,23C…流動機構、24…規制部、25…流入口、26…流出口、27,27B,27C…液体貯留室、28…供給流路、29…帰還流路、32…フィルター、33,33B…可撓部、34…一方向弁、35…本流路、37…分岐流路、41…共通液室、42…圧力室、43…ノズル。

Claims (5)

  1. 液体を収容する液体収容部と、液体を噴射する液体噴射部と、前記液体収容部と前記液体噴射部とを接続する液体流路と、前記液体流路において液体を流動させる流動機構と、前記液体流路の液体の流れを規制可能な規制部と、を備え、
    前記液体噴射部は、複数のノズルと、前記液体流路から供給される液体を貯留する共通液室と、前記共通液室及び前記ノズルに連通する複数の圧力室と、を有し、
    前記液体流路は、流入口及び流出口を有するとともに前記共通液室に連通する液体貯留室と、前記液体収容部と前記流入口とを接続する供給流路と、前記流出口と前記液体収容部とを接続するとともに前記規制部が設けられた帰還流路と、を有し、
    前記液体貯留室は前記流出口を複数有し、
    前記帰還流路は、前記液体収容部に連通する本流路と、前記本流路から分岐して前記流出口に連通する複数の分岐流路とを有しており、
    前記規制部は前記本流路に設けられ、
    前記ノズルから液体を噴射しないときに、前記規制部が前記帰還流路の流れを規制しない状態で、前記流動機構の駆動によって前記液体収容部に収容された液体を前記供給流路、前記液体貯留室、及び前記帰還流路の順に流動させて、前記液体収容部と前記液体流路
    との間で液体を循環させ、
    前記ノズルから液体を噴射するときに、前記規制部が前記帰還流路の流れを規制しない状態で、前記液体収容部に収容された液体を前記供給流路及び前記帰還流路の両流路を通じて前記液体貯留室に流動させて、前記液体貯留室から前記共通液室に液体を供給することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記液体貯留室と前記共通液室との間にはフィルターが設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記液体流路には、撓み変位することで前記液体流路の容積を変更可能な可撓部が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記供給流路には、前記液体収容部から前記液体貯留室に向かう液体の流れを許容する一方で、前記液体貯留室から前記液体収容部に向かう液体の流れを規制する一方向弁が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体貯留室において、複数の前記流出口は前記流入口よりも前記液体貯留室の長手方向の端部に近い位置に配置されるとともに、前記流入口は前記長手方向において前記流出口の間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
JP2014000786A 2014-01-07 2014-01-07 液体噴射装置 Active JP6264888B2 (ja)

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