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JP6245126B2 - 蒸気タービン設備及び蒸気タービン設備の制御方法 - Google Patents

蒸気タービン設備及び蒸気タービン設備の制御方法 Download PDF

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JP6245126B2 JP2014201984A JP2014201984A JP6245126B2 JP 6245126 B2 JP6245126 B2 JP 6245126B2 JP 2014201984 A JP2014201984 A JP 2014201984A JP 2014201984 A JP2014201984 A JP 2014201984A JP 6245126 B2 JP6245126 B2 JP 6245126B2
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Description

本発明は、蒸気タービン設備及び蒸気タービン設備の制御方法に関し、特に、蒸気加減弁によって蒸気タービンへの蒸気の供給を調整する蒸気タービン設備及び蒸気タービン設備の制御方法に関する。
従来の蒸気タービン設備としては、例えば、シングルフラッシュ方式、ダブルフラッシュ方式のタービン設備が利用され、特許文献1には、ダブルフラッシュ方式のタービン設備が開示されている。
特許文献1のタービン設備は、熱水と高圧蒸気とが混合した地熱流体を用いて発電を行う地熱タービンプラントで利用されるものであり、2体の蒸気タービンを備えている。同文献では、セパレータ(気水分離器)によって熱水から高圧蒸気を分離し、この高圧蒸気を一方の蒸気タービンとなる高圧蒸気タービンに供給している。また、セパレータによって分離された熱水をフラッシャ(減圧気化器)で減圧して低圧蒸気を生成し、この低圧蒸気をもう一方の蒸気タービンとなる低圧蒸気タービンに供給している。高圧蒸気タービン及び低圧蒸気タービンは、ケーシングをそれぞれ有し、ケーシング内に回転軸及びこれに連結されるタービン羽根を備えたタービンロータが配設されている。そして、高圧蒸気タービン及び低圧蒸気タービンの各回転軸は、互いに連結されている。
特開2014−31736号公報
特許文献1の高圧蒸気タービン及び低圧蒸気タービンでは、いずれかの蒸気タービンのみのケーシング内への蒸気の供給が停止したり、蒸気が極低流量状態となったりする場合がある。この状態において、タービンロータが回転すると、ケーシング内に蒸気が極めて少ない雰囲気でタービン羽根が回転するので、蒸気とタービン羽根との摩擦熱を蒸気によって冷却できなくなる。このため、蒸気タービン内部において、かき回し損失による発熱が起こる、という問題がある。
ここで、いずれかの蒸気タービンのみへの蒸気の供給が停止して、若しくは極低流量状態となりかき回し損失が発生するケースとしては、例えば、意図しないトラブルが発生し、低圧蒸気タービンの入口弁が閉塞しつつ、高圧蒸気タービンのタービンロータが回転されるため、低圧蒸気タービンのタービンロータが回転するケースがある。また、蒸気が極低流量でかき回し損失が発生するケースとしては、例えば、各蒸気タービンの起動時等の無負荷運転時、または極低負荷運転時が考えられる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、蒸気タービンのかき回し損失による過度な発熱を防止することができる蒸気タービン設備及び蒸気タービン設備の制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る蒸気タービン設備は、異なる蒸気源から供給される蒸気によって駆動する直列接続された複数の蒸気タービンと、前記複数の蒸気タービンそれぞれに設けられて前記蒸気源から供給される蒸気の流量を加減調整する蒸気加減弁と、前記蒸気加減弁の動作を弁開度指令値の出力によって制御する制御手段とを備えた蒸気タービン設備であって、前記制御手段は、複数の前記蒸気加減弁に対し、同一値の前記弁開度指令値を同時に出力することを特徴とする。
上記蒸気タービン設備によれば、同一値の弁開度指令値を同時に出力するので、複数の蒸気加減弁を同時に開閉動作させることができる。これにより、蒸気源が異なる複数の蒸気タービンの一つに蒸気が供給されて駆動する状態において、他の蒸気タービンに対し、蒸気の供給が停止したり、蒸気が極低流量となったりすることを防止することができる。その結果、全ての蒸気タービンにおいて、蒸気がない、又は極めて少ない雰囲気でタービンロータが回転することを回避でき、かき回し損失による過熱を防止することができる。
本発明に係る蒸気タービン設備の制御方法は、異なる蒸気源から供給される蒸気によって駆動する直列接続された複数の蒸気タービンと、前記複数の蒸気タービンそれぞれに設けられて前記蒸気源から供給される蒸気を加減調整する蒸気加減弁とを備えた蒸気タービン設備の制御方法であって、複数の前記蒸気加減弁に対して同一値の弁開度指令値を同時に出力し、この弁開度指令値の出力によって前記複数の蒸気加減弁の動作を制御することを特徴とする。
本発明によれば、同一値の弁開度指令値を同時に出力するので、蒸気タービンのかき回し損失による過度な発熱を防止することができる。
第1の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る特性テーブルで利用するグラフである。 上記蒸気タービン設備の異常時の制御の一例を示すフローチャートである。 上記蒸気タービン設備の異常時の制御の一例を示すフローチャートである。 上記蒸気タービン設備の異常時の制御の一例を示すフローチャートである。 上記蒸気タービン設備の異常時の制御の一例を示すフローチャートである。 上記蒸気タービン設備の異常時の制御の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第6の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第7の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第8の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第9の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第10の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第11の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。 第12の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態に係る蒸気タービン設備の概略構成図である。以下においては、説明の便宜上、発電プラントの一例として、地熱発電プラントについて説明する。しかしながら、本発明に係る蒸気タービン設備が適用される発電プラントについては、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、火力発電プラントに適用してもよく、他の任意の蒸気源を使用する発電プラントや、蒸気以外の気体を使用するバイナリ発電プラントに適用してもよい。
また、以下の第1の実施の形態においては、大まかに分けて圧力が異なる2種類の蒸気に関し、相対的に高い圧力については「高圧」とする一方、相対的に低い圧力については「中圧」として説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第1フラッシャ(蒸気源)3、第2フラッシャ(蒸気源)4、高圧蒸気タービン(第1蒸気タービン)5、中圧蒸気タービン(第2蒸気タービン)6、発電機8、復水器9及び制御手段10を備えている。各蒸気タービン5,6は、内部に蒸気が供給されるケーシングをそれぞれ備えている。従って、第1の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、ダブルフラッシュ方式の2ケーシング式地熱タービン設備とされる。
第1フラッシャ3は、生産井12から採取した地熱流体を、熱水と高圧蒸気とに分離する気水分離器(セパレータ)によって構成される。第1フラッシャ3には、地熱流体供給管13を介して生産井12から地熱流体が供給される。第1フラッシャ3で分離された高圧蒸気は、高圧蒸気供給管14を介して高圧蒸気タービン5に導入される。従って、第1フラッシャ3は、高圧蒸気タービン5の蒸気源として機能する。また、第1フラッシャ3で分離された熱水は、熱水供給管15を介して第2フラッシャ4に導入される。地熱流体供給管13には、高圧地熱流体の流量を加減調整する流量調整弁17が設けられ、熱水供給管15には、第1フラッシャ3内の熱水の量(レベル)を加減調整するレベル制御弁18が設けられている。
第2フラッシャ4は、第1フラッシャ3から供給された熱水を減圧し、当該熱水より低温の熱水と、高圧蒸気より圧力が低い中圧蒸気とに分離する減圧気化器(フラッシャ)によって構成される。第2フラッシャ4で分離された熱水は、熱水排出管20を介して還元井21に排出される。熱水供給管20には、第2フラッシャ4内の熱水の量(レベル)を加減調整するレベル制御弁19が設けられている。第2フラッシャ4で分離された中圧蒸気は、中圧蒸気供給管22を介して中圧蒸気タービン6に導入される。従って、第2フラッシャ4は、中圧蒸気タービン6の蒸気源として機能する。
高圧蒸気タービン5は、高圧蒸気供給管14を介して供給される高圧蒸気によって駆動される。高圧蒸気タービン5は、ケーシングの内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸24に固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。高圧蒸気タービン5は、高圧蒸気入口が回転軸24の延在方向一側、高圧蒸気出口が回転軸24の延在方向他側に設けられる片流タービンとされる。高圧蒸気タービン5のケーシングには、高圧蒸気供給管14が接続され、この接続位置が高圧蒸気入口とされる。高圧蒸気タービン5のケーシング内には、高圧蒸気供給管14を介して高圧蒸気が供給され、供給された高圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させる。仕事を行った高圧蒸気は、ケーシングに接続された第1蒸気排出管25を介して復水器9へ排出される。ケーシングに対する第1蒸気排出管25の接続位置が高圧蒸気出口とされる。
中圧蒸気タービン6は、中圧蒸気供給管22を介して供給される中圧蒸気によって駆動される。中圧蒸気タービン6は、高圧蒸気タービン5と同様に、ケーシングの内部に設置されたタービンロータを有し、タービンロータは、回転軸27に固定された複数のタービン羽根を備えて回転可能に支持されている。中圧蒸気タービン6における回転軸27の一端側は、高圧蒸気タービン5の回転軸24と連結され、それらは同時に同方向に同回転数で回転される。従って、中圧蒸気タービン6と高圧蒸気タービン5とは、直列接続された関係となる。中圧蒸気タービン6における回転軸27の他端側は、発電機8に接続されている。中圧蒸気タービン6は、中圧蒸気入口が回転軸27の延在方向一側、中圧蒸気出口が回転軸27の延在方向他側に設けられる片流タービンとされる。中圧蒸気タービン6のケーシングには、中圧蒸気供給管22が接続され、この接続位置が中圧蒸気入口とされる。中圧蒸気タービン6のケーシング内には、中圧蒸気供給管22を介して中圧蒸気が供給され、供給された中圧蒸気が仕事を行ってタービンロータを回転させる。仕事を行った中圧蒸気は、ケーシングに接続された第2蒸気排出管28を介して復水器9へ排出される。ケーシングに対する第2蒸気排出管28の接続位置が中圧蒸気出口とされる。
高圧蒸気供給管14には、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32が設けられている。中圧蒸気供給管22には、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34が設けられている。高圧蒸気止弁31及び中圧蒸気止弁33は、各蒸気タービン5、6に導入される蒸気を遮断するためのものである。高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34は、各蒸気タービン5、6に導入される蒸気の流量を加減調整するためのものである。各蒸気加減弁32,34は、制御手段10を介して弁開度が制御される。また、高圧蒸気供給管14において、高圧蒸気止弁31より上流側には高圧ベント弁35が設けられ、中圧蒸気供給管22において、中圧蒸気止弁33より上流側には中圧ベント弁36が設けられている。各ベント弁35,36は、各蒸気供給管14,22内の圧力が所定値以上になると開弁して蒸気を大気や復水器9などの蒸気供給管外へ放出し、圧力が所定値より小さくなると閉弁して蒸気の放出を停止する。
復水器9は、各蒸気タービン5,6から排出された蒸気を冷却することによって、その蒸気を凝縮する。なお、復水器9に代えて、他の熱交換器や、蒸気を活用する系統などのタービン外部の系統を用いてもよい。
ここで、発電機8には、その出力電力値を検出する電力検出器40が設けられている。何れか一方の回転軸24,27には、当該回転軸24,27の(単位時間当たりの)回転数を検出する回転数検出器41が設けられている。また、高圧蒸気供給管14において、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32より上流側には高圧検出器(圧力検出器)42が設けられ、中圧蒸気供給管22において、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34より上流側には中圧検出器(圧力検出器)43が設けられている。高圧検出器42は、高圧蒸気止弁31及び高圧蒸気加減弁32より上流側の高圧蒸気供給管14内の高圧蒸気の圧力値を検出し、中圧検出器43は、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34より上流側の中圧蒸気供給管22内の中圧蒸気の圧力値を検出する。
次に、上記制御手段10の構成について説明する。図1では、制御手段10を機能ブロック図として示す。なお、図1に示す制御手段10の機能ブロックは、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。なお、制御手段10は、例えば、蒸気タービン設備1の運転制御に必要な各種処理を実行するプロセッサを含んで構成される。
図1に示すように、制御手段10は、入力部10a、演算部10b、特性テーブル10c及び出力部10dを含んで構成され、蒸気タービン設備1の運転を制御することができる。入力部10aは、上記各検出器40〜43を含む蒸気タービン設備1の各種計測器から出力された検出結果を電気信号として入力する。
演算部10bは、入力部10aに入力された検出結果に基づき、後述するように高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の弁開度を演算する。演算部10bにおいて、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の弁開度を指令する弁開度指令値及び追加弁開度指令値については、「回転数制御」、「出力制御」、「前圧制御」の3つの制御モードを切り替えて演算を行う。回転数制御では、回転数検出器41から出力された回転軸24,27の回転数に基づいて演算される。出力制御は、電力検出器40から出力された発電機8の出力電力値に基づいて演算される。前圧制御は、高圧検出器42及び中圧検出器43から出力された蒸気の圧力値に基づいて演算される。これら3つの制御モードでは、上記の各検出器40〜43の検出結果に基づき、各蒸気加減弁32,34から各蒸気タービン5,6に供給する蒸気流量を求め、この流量に応じた各蒸気加減弁32,34の弁開度指令値及び追加弁開度指令値が演算される。かかる演算部10bの演算では、特性テーブル10cが参照される。
図2は、特性テーブルで利用するグラフを示す。このグラフは、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34での蒸気流量(横軸)と、弁開度指令値(縦軸)との関係を示す。図2において、グラフ(A)は、高圧蒸気加減弁32の蒸気流量と弁開度指令値との関係を示す。グラフ(B)は、中圧蒸気加減弁34の蒸気流量と弁開度指令値との関係を示す。従って、図2のグラフでは、弁開度指令値に対する高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34それぞれの蒸気流量の関係が設定されている。
グラフ(A)とグラフ(B)とは、蒸気流量が0でなくなって蒸気が流れ始める弁開度指令値(本実施の形態では約28%)が同一に設定されている。そして、グラフ(A)とグラフ(B)とは、蒸気流量が増加する程、弁開度指令値も増加しており、同一の弁開度指令値に対し、高圧蒸気加減弁32について示すグラフ(A)の方が、蒸気流量が多くなっている。
グラフ(A)は、弁開度指令値が上限値(本実施の形態では約80%)以上で蒸気流量が一定となるように設定される。つまり、高圧蒸気加減弁32では、弁開度指令値が上限値より大きくなると、弁開度が変わらずに一定に制御される。グラフ(B)は、弁開度指令値が上限設定値(本実施の形態では約50%)以上で蒸気流量が一定値(本実施の形態では約70t/h)となるように直線的に設定される。つまり、中圧蒸気加減弁32では、弁開度指令値が上限設定値より大きくなると、弁開度が変わらずに一定に制御される。ここで、グラフ(B)の直線部分と点線(C)とで囲まれる領域(D)は、中圧蒸気加減弁34による前圧制御において、追加弁開度指令値によってグラフ(B)の直線部分より増加される蒸気流量を示す。なお、弁開度指令値や蒸気流量の上記及び下記数値は例示に過ぎず、蒸気タービン設備1の諸条件に応じて適宜変更可能である。
出力部10dは、演算部10bによって演算された弁開度を、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34に電気信号として出力し、この出力を介して高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の開閉動作が制御されて蒸気タービン設備1の運転が制御される。出力部10dは、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34に対し、同一値となる弁開度指令値(例えば、両方の弁開度指令値とも40%)を、同時に出力する。これにより、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34は、同時に開閉動作される。また、中圧蒸気加減弁34による前圧制御において、出力部10dは、中圧蒸気加減弁34に対し、追加弁開度指令値を出力し、この追加弁開度指令値では、中圧蒸気加減弁34だけの開閉動作が制御される。
次いで、蒸気タービン設備1の起動方法について説明する。
ここでは、流量調整弁17、レベル制御弁18,19、高圧蒸気止弁31、高圧蒸気加減弁32、中圧蒸気止弁33及び中圧蒸気加減弁34が閉塞しており、高圧蒸気タービン5及び中圧蒸気タービン6が停止した状態とする。また、回転軸27に対して接続された発電機8は同期投入されておらず、高圧蒸気タービン5及び中圧蒸気タービン6とともに停止した状態である。この状態から、ターニング運転を経た後、先ず、流量調整弁17を所定弁開度で開放させ、レベル制御弁18,19を自動制御とする。すると、第1フラッシャ3では、導入された地熱流体が熱水と高圧蒸気とに分離され、高圧蒸気供給管14に高圧蒸気が供給される。また、第1フラッシャ3で分離された熱水が熱水供給管15を介して第2フラッシャ4に導入され、中圧蒸気と熱水とに分離されて中圧蒸気供給管22に中圧蒸気が供給される。
高圧蒸気供給管14及び中圧蒸気供給管22に蒸気が供給された状態において、余剰蒸気は、高圧ベント弁35及び中圧ベント弁36を介して大気等に放出され、各蒸気供給管14,22の圧力値が所定値以下に設定される。この状態で、各止弁31,33による蒸気の遮断を解除させた後、各蒸気タービン5,6について、回転数制御が行われる。回転数制御では、制御手段10において、回転数検出器41から入力される回転軸24,27の回転数に応じ、各蒸気加減弁32,34に弁開度指令値が出力される。各蒸気加減弁32,34に出力される弁開度指令値は、同一とされ、同時に出力される。これにより、各蒸気加減弁32,34は、同一の弁開度指令値によって同時に閉弁状態から開弁される。そして、各蒸気加減弁32,34が弁開度指令値に応じて開度が増加されると、各蒸気タービン5,6のケーシング内に蒸気が供給され、供給された蒸気が仕事をすることでタービンロータが回転される。そして、タービンロータの回転軸24,27、発電機8が定格回転数(例えば、3000rpm)になるように制御される。
制御手段10において、入力されるタービンロータの回転軸24,27、発電機8の回転数が定格回転数になった後に同期投入され、回転数制御から出力制御に移行される。出力制御では、発電機8において、極低負荷から負荷が上昇されて発電が開始され、出力検出器40で検出された出力電力値が制御手段10に入力される。制御手段10では、各蒸気加減弁32,34それぞれに対し、同一の弁開度指令値が同時に出力され、発電機8の負荷(出力電力)が徐々に上昇するよう制御される。
出力制御において発電機8の負荷(出力電力)が上昇されると、各蒸気タービン5,6での蒸気の仕事が増加されるため、高圧蒸気供給管14の圧力が低下され、高圧ベント弁35が全閉される。この高圧ベント弁35の全閉によって、高圧蒸気タービン5において前圧制御を行う場合は、出力制御から前圧制御に移行される。なお、この移行を行わずに出力制御を継続する場合もあり、その選択は、プラント毎によって異なる。
高圧蒸気タービン5の前圧制御では、高圧蒸気タービン5の前段階となる高圧蒸気供給管14の高圧蒸気の圧力が高圧検出器42で検出されて制御手段10に入力される。すると、制御手段10では、高圧検出器42から入力した圧力値に応じ、当該圧力値が定格圧力に近似するように高圧蒸気加減弁32に弁開度指令値が出力される。このとき、高圧蒸気加減弁32に出力された弁開度指令値と同一の弁開度指令値が、中圧蒸気加減弁34に対し、同時に出力される。但し、弁開度指令値が上限設定値(約50%)以上となる場合は、中圧蒸気加減弁34の弁開度が増加せずに一定になる(図2のグラフ(B)参照)。
制御手段10において、入力される高圧検出器42の圧力値が定格圧力に制御された後、中圧蒸気タービン6の前圧制御の準備が行われる。この準備では、中圧蒸気供給管22内の中圧蒸気について、図2の領域(D)で示す部分に蒸気流量を増やす必要がある。一方、図2のグラフ(B)において、弁開度指令値が約50%以上となる指令では、中圧蒸気加減弁34の弁開度が増加せずに一定となり、中圧ベント弁36を介して蒸気が大気等に放出されるので、蒸気流量が約70t/hで一定となる。そこで、上記の弁開度指令値による制御とは別の制御(例えば、手動)を加え、中圧ベント弁36が閉弁するまで、中圧蒸気加減弁34の開度を大きくする。中圧ベント弁36が閉弁すると、中圧蒸気タービン6における前圧制御の準備が完了し、中圧蒸気タービンにおいて前圧制御を行う場合には、当該前圧制御が開始される。
この前圧制御では、中圧検出器43の圧力値を定格圧力に制御するため、制御手段10において、中圧検出器43から入力される圧力値に応じ、当該圧力値が定格圧力に近似するように中圧蒸気加減弁34に追加弁開度指令値が出力される。なお、中圧蒸気タービン6の前圧制御においても、中圧蒸気加減弁34に出力される弁開度指令値は、高圧蒸気加減弁32に出力された弁開度指令値と同一であり、同時に出力された状態が維持される。
以上のように、中圧蒸気タービン6の前圧制御では、弁開度指令値に加え、追加弁開度指令値が出力されている。従って、弁開度指令値が上限設定値(約50%)以上となる場合、蒸気流量が約70t/hより小さくならない。これにより、中圧検出器43で検出される中圧蒸気が圧力低下し、追加弁開度指令値によって中圧蒸気加減弁34が閉弁方向に動作しても、中圧蒸気加減弁34での蒸気流量の下限値は約70t/hに設定される。
制御手段10において、入力される高圧検出器42及び中圧検出器43の圧力値がそれぞれ定格圧力に制御されると、流量調整弁17を所定弁開度で増加させ、各フラッシャ3,4から供給される高圧蒸気及び中圧蒸気を増加させる。そして、供給される高圧蒸気及び中圧蒸気が定格流量となるよう制御され、発電機8が定格負荷に到達されて蒸気タービン設備1の起動が完了される。
上記蒸気タービン設備1の起動にあっては、同一の弁開度指令値が同時に出力されるので、各蒸気加減弁32,34が同時に閉弁状態から開弁されて開度が増加される。これにより、高圧蒸気タービン5及び中圧蒸気タービン6の何れか一方だけで、蒸気の供給が停止したり極低流量になったりすることを防止することができる。その結果、各蒸気タービン5,6の起動時に、各蒸気タービン5,6内部のかき回し損失による過熱の発生を回避することができる。
また、中圧蒸気タービン6の前圧制御では、弁開度指令値が上限設定値以上となる場合、蒸気流量が一定値より小さくならないので、中圧蒸気加減弁34が閉じ続けて蒸気流量が減少し、中圧蒸気タービン6内部の過熱が発生することを防止することができる。
蒸気タービン設備1の起動完了後、発電機8を定格負荷として運用中、各蒸気タービン5,6における高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の制御は、以下の(1)〜(3)の3パターンから諸条件に応じて切り換えられて行われる(以下、「通常運用」と称する)。
(1)高圧蒸気タービン5:前圧制御、中圧蒸気タービン6:前圧制御
(2)高圧蒸気タービン5:出力制御、中圧蒸気タービン6:前圧制御
(3)高圧蒸気タービン5:出力制御、中圧蒸気タービン6:弁開度指令値に従った制御
通常運用において、高圧蒸気タービン5の前圧制御は、起動時と同様に、高圧検出器42で検出される高圧蒸気の圧力値に基づき、高圧蒸気加減弁32の弁開度が制御される。また、高圧蒸気タービン5の出力制御も、起動時と同様に、出力検出器40で検出された出力電力値に基づき、高圧蒸気加減弁32の弁開度が制御される。通常運用の(1)〜(3)の何れのパターンにおいても、制御手段10によって、高圧蒸気加減弁32に出力された弁開度指令値と同一の弁開度指令値が、中圧蒸気加減弁34に対し、同時に出力される。
通常運用において、中圧蒸気タービン6の前圧制御は、中圧蒸気加減弁34への弁開度指令値が上限設定値(約50%)以上となり、且つ、追加弁開度指令値が中圧蒸気加減弁34に出力される。従って、中圧蒸気タービン6の前圧制御では、中圧検出器43で検出される中圧蒸気の圧力値に基づき、追加弁開度指令値によって中圧蒸気加減弁34の弁開度が加減制御される。
ところで、蒸気タービン設備1の運用中、意図しないトラブル等で高圧蒸気や中圧蒸気の圧力が急低下した異常時運用となる場合(例えば、第1フラッシャ3より下流側で複数ある大気放出板の一部が破裂する等)、本実施の形態では、これに応じた制御が行われる。当該制御について説明する前に、本実施の形態とは別の比較例として、当該制御を行わず、高圧蒸気の圧力が急低下した場合に想定される状態について、上記(1)〜(3)のパターンで以下に説明する。なお、(1)と(2)のパターンの比較例では、各蒸気加減弁32,34を別々に独立して制御する。
[(1)のパターン]
高圧蒸気の圧力が急低下されると、高圧検出器42がその圧力値を検出して制御手段10に入力する。この入力に応じ、制御手段10では、高圧蒸気供給管14内の圧力を高めるべく、高圧蒸気加減弁32を閉弁方向に動作する指令が出力される。従って、高圧蒸気タービン5の内部の蒸気は極めて少なくなる。一方、中圧蒸気加減弁34では、前圧制御が継続されて開弁したままとなり、中圧蒸気タービン6への中圧蒸気の供給が継続される。この結果、中圧蒸気タービン6のタービンロータだけでなく、高圧蒸気タービン5のタービンロータも回転され、高圧蒸気タービン5内部において、かき回し損失による過熱が発生する状態になる。
[(2)のパターン]
高圧蒸気の圧力が急低下されても、当該圧力低下とは関係なく高圧蒸気加減弁32は開弁したままとなるが、高圧蒸気タービン5に供給される高圧蒸気は停止若しくは低流量となる。一方、中圧蒸気加減弁34では、前圧制御が継続されて開弁したままとなり、中圧蒸気タービン6への中圧蒸気の供給が継続される。この結果、中圧蒸気タービン6のタービンロータだけでなく、高圧蒸気タービン5のタービンロータも回転され、高圧蒸気タービン5内部において、かき回し損失による過熱が発生する状態になる。
[(3)のパターン]
高圧蒸気の圧力が急低下されても、当該圧力低下とは関係なく高圧蒸気加減弁32は開弁したままとなるが、高圧蒸気タービン5に供給される高圧蒸気は停止若しくは低流量となる。一方、中圧蒸気加減弁34では、高圧蒸気加減弁32と同一の弁開度指令値で制御されるので、開弁したままとなり、中圧蒸気タービン6への中圧蒸気の供給が継続される。この結果、中圧蒸気タービン6のタービンロータだけでなく、高圧蒸気タービン5のタービンロータも回転され、高圧蒸気タービン5内部において、かき回し損失による過熱が発生する状態になる。
続いて、本実施の形態において、高圧蒸気の圧力が急低下した異常時運用の制御について説明する。本実施の形態に係る制御は、「高圧限界圧力制御」、「中圧限界圧力制御」を含む場合がある。「高圧限界圧力制御」は、制御手段10において、高圧検出器42が検出する蒸気の圧力値が、指定値となる「限界圧力」以下となることを条件として、各蒸気加減弁32,34の両方を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される。「中圧限界圧力制御」は、中圧検出器43が検出する蒸気の圧力値が、指定値となる「限界圧力」以下となることを条件として、各蒸気加減弁32,34の両方を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される。これら限界圧力制御において、各蒸気加減弁32,34を閉弁することで、各蒸気供給管14,22の圧力低下を防止することができる。なお、高圧検出器42及び中圧検出器43の限界圧力は、異なる圧力値となる。
[(1)のパターン]
以下、図3のフローチャートを参照して説明する。図3は、(1)のパターンでの異常時(高圧蒸気圧力急低下時)の制御を示すフローチャートである。先ず、高圧蒸気タービン5の前圧制御において、高圧蒸気の圧力が急低下されると、高圧検出器42が高圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力される。この入力に応じ、制御手段10では、高圧蒸気供給管14内の圧力を高めるべく、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の両方に対し、閉弁方向に動作する同一の弁開度指令値が同時に出力される。この弁開度指令値の出力によって、高圧蒸気加減弁32が閉弁方向に動作される(ステップ(以下、「ST」という)101)。なお、中圧蒸気加減弁34は、後述するST102の判定前は弁開度指令値が上限設定値(約50%)以上となるので、弁開度は変わらない。
次いで、各蒸気加減弁32,34の弁開度指令値と、指定値となる「許可開度」とを比較し、中圧蒸気の前圧制御の継続を許可するか否かが判定される(ST102)。この許可開度は、図2のグラフ(B)において、上限設定値となる弁開度指令値(図2では約50%)とされる。ST102において、所定の判定時間、各蒸気加減弁32,34の弁開度が許可開度以下でない(許容開度より大きい)と判定された場合、異常が解消されたこととなり、その時点の制御、すなわち、各蒸気タービン5,6の前圧制御が継続された状態で運用される(ST103)。
ST102において、各蒸気加減弁32,34の弁開度指令値が許可開度以下と判定されると、中圧蒸気タービン6では前圧制御を終了し、弁開度指令値に従った制御に移行される(ST104)。ST104の後、高圧蒸気加減弁32を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される(ST106)。ST106と同時に、制御手段10では、高圧蒸気加減弁32の弁開度指令値と同じ弁開度指令値が中圧蒸気加減弁34に同時に出力され、中圧蒸気加減弁34が閉弁方向に動作される(ST107)。ST106、ST107の運用開始後、異常が解消されない場合には、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34を両方とも全閉とする指令が出力され、各蒸気タービン5,6が停止される。
[(2)のパターン]
以下、図4のフローチャートを参照して説明する。図4は、(2)のパターンでの異常時(高圧蒸気圧力急低下時)の制御を示すフローチャートである。先ず、高圧蒸気の圧力が急低下されると、高圧限界圧力制御によって、所定の判定時間、高圧検出器42が高圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力され、高圧蒸気の圧力値が限界圧力以下であるか判定される(ST201)。ST201において、高圧検出器42が検出した圧力値が限界圧力より大きい(限界圧力以下でない)と判定された場合、異常が解消されたこととなる。よって、その時点の制御、すなわち、高圧蒸気タービン5の出力制御と中圧蒸気タービン6の前圧制御とが継続された状態で運用される(ST202)。
ST201において、所定の判定時間、高圧検出器42により検出される高圧蒸気の圧力値が限界圧力以下と判定されると、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34の両方に対し、閉弁方向に動作する同一の弁開度指令値が同時に出力される。この弁開度指令値の出力によって、高圧蒸気加減弁32が閉弁方向に動作される(ST203)。なお、中圧蒸気加減弁34は、後述するST204の判定前は弁開度指令値が上限設定値(約50%)以上となるので、弁開度は変わらない。
ST203の後、中圧蒸気加減弁34の弁開度指令値と、指定値となる「許可開度」とを比較し、中圧蒸気の前圧制御の継続を許可するか否かが判定される(ST204)。この許可開度は、上限設定値となる弁開度指令値(約50%)とされる。ST204において、所定の判定時間、弁開度指令値が許可開度以下でない(許容開度より大きい)と判定された場合、異常が解消されたこととなり、その時点の制御、すなわち、高圧蒸気タービン5の高圧限界圧力制御(出力制御中)と中圧蒸気タービン6の前圧制御とが継続された状態での運用が行われる(ST204a)。
ST204において、弁開度指令値が許可開度以下と判定されると、中圧蒸気タービン6の前圧制御を終了して弁開度指令値に従った制御に移行される(ST205)。ST205の後、高圧蒸気加減弁32を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される(ST206)。ST206と同時に、制御手段10では、高圧蒸気加減弁32の弁開度指令値と同じ弁開度指令値が中圧蒸気加減弁34に同時に出力され、中圧蒸気加減弁34が閉弁方向に動作される(ST207)。ST206、ST207の運用開始後、異常が解消されない場合には、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34を両方とも全閉とする指令が出力され、各蒸気タービン5,6が停止される。
[(3)のパターン]
以下、図5のフローチャートを参照して説明する。図5は、(3)のパターンでの異常時(高圧蒸気圧力急低下時)の制御を示すフローチャートである。先ず、高圧蒸気の圧力が急低下されると、高圧限界圧力制御によって、所定の判定時間、高圧検出器42が高圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力され、高圧蒸気の圧力値が限界圧力以下であるか判定される(ST301)。ST301において、高圧検出器42が検出した圧力値が限界圧力より大きい(限界圧力以下でない)と判定された場合、異常が解消されたこととなる。よって、その時点の制御、すなわち、高圧蒸気タービン5の出力制御と中圧蒸気タービン6の弁開度指令値に従った制御とが継続された状態で運用される(ST302)。
ST301において、所定の判定時間、高圧検出器42により検出される高圧蒸気の圧力値が限界圧力以下と判定されると、高圧蒸気加減弁32を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される(ST303)。ST303と同時に、制御手段10では、高圧蒸気加減弁32の弁開度指令値と同じ弁開度指令値が中圧蒸気加減弁34に同時に出力される。そして、高圧蒸気加減弁32の閉弁方向の動作がそのまま継続され(ST304)、且つ、中圧蒸気加減弁34が閉弁方向に動作される(ST305)。ST304、ST305の運用開始後、異常が解消されない場合には、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34を両方とも全閉とする指令が出力され、各蒸気タービン5,6が停止される。
次いで、本実施の形態において、中圧蒸気の圧力が急低下した異常時運用の制御について説明する。
[(1)のパターン]
以下、図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、(1)のパターンでの異常時(中圧蒸気圧力急低下時)の制御を示すフローチャートである。先ず、中圧蒸気タービン6の前圧制御において、中圧蒸気の圧力が急低下されると、中圧検出器43が中圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力される。この入力に応じ、制御手段10では、中圧蒸気供給管22内の圧力を高めるべく、中圧蒸気加減弁34に対し、閉弁方向に動作する追加弁開度指令値が出力される。この追加弁開度指令値の出力によって、中圧蒸気加減弁34が閉弁方向に動作される(ST401)。
ST401の運用後、各蒸気加減弁32,34の弁開度指令値と、指定値となる「許可開度」とを比較し、中圧蒸気の前圧制御の継続を許可するか否かが判定される(ST402)。この許可開度は、上限設定値となる弁開度指令値(約50%)とされる。ST402において、所定の判定時間、弁開度指令値が許可開度以下でない(許容開度より大きい)と判定された場合、異常が解消されたこととなり、その時点の制御、すなわち、各蒸気タービン5,6の前圧制御が継続された状態で運用される(ST403)。
ST402において、弁開度指令値が許可開度以下と判定されると、中圧蒸気タービン6では前圧制御を終了し、弁開度指令値に従った制御に移行される(ST404)。ST404の後、中圧蒸気タービン6の中圧限界圧力制御として、所定の判定時間、中圧検出器43が中圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力され、所定の判定時間、中圧蒸気の圧力値が限界圧力以下であるか判定される(ST407)。ST407において、中圧検出器43が検出した圧力値が限界圧力より大きい(限界圧力以下でない)と判定された場合、異常が解消されたこととなる。よって、その時点の制御、すなわち、高圧蒸気タービン5の前圧制御と中圧蒸気タービン6の弁開度指令値に従った制御とが継続された状態で運用される(ST408)。
ST407において、所定の判定時間、中圧検出器43により検出される中圧蒸気の圧力値が限界圧力以下と判定されると、ST404と同様に、中圧蒸気加減弁34を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される(ST409)。ST409と同時に、制御手段10では、中圧蒸気加減弁34の弁開度指令値と同じ弁開度指令値が高圧蒸気加減弁32に同時に出力され、高圧蒸気加減弁32が閉弁方向に動作される(ST410)。ST409、ST410の運用開始後、異常が解消されない場合には、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34を両方とも全閉とする指令が出力され、各蒸気タービン5,6が停止される。
[(2)のパターン]
(2)のパターンでは、上記(1)のパターンにおけるST403、ST407、ST408での運用を下記のように変更した点を除き、同様の処理の流れとなる。従って、(2)のパターンについては、フローチャートを用いた説明を省略する。
(2)のパターンにおいて、ST403は、高圧蒸気タービン5の出力制御と中圧蒸気タービン6の前圧制御とが継続された状態で運用される。ST407は、高圧蒸気タービン5の出力制御中に中圧限界圧力制御が行われ、ST408での高圧蒸気タービン5は、出力制御が行われる。
[(3)のパターン]
以下、図7のフローチャートを参照して説明する。図7は、(3)のパターンでの異常時(中圧蒸気圧力急低下時)の制御を示すフローチャートである。先ず、中圧蒸気の圧力が急低下されると、中圧蒸気タービン6の中圧限界圧力制御によって、中圧検出器43が中圧蒸気の圧力値を検出して制御手段10に入力され、中圧蒸気の圧力値が限界圧力以下であるか判定される(ST501)。ST501において、所定の判定時間、中圧検出器43が検出した圧力値が限界圧力より大きい(限界圧力以下でない)と判定された場合、異常が解消されたこととなる。よって、その時点の制御、すなわち、高圧蒸気タービン5の出力制御と中圧蒸気タービン6の弁開度指令値に従った制御とが継続された状態で運用される(ST502)。
ST501において、所定の判定時間、中圧検出器43により検出される中圧蒸気の圧力値が限界圧力以下と判定されると、中圧蒸気加減弁34を閉弁方向に動作する弁開度指令値が出力される(ST503)。ST503と同時に、制御手段10では、中圧蒸気加減弁34の弁開度指令値と同じ弁開度指令値が高圧蒸気加減弁32に同時に出力され、高圧蒸気加減弁32が閉弁方向に動作される(ST504)。ST503、ST504の運用開始後、異常が解消されない場合には、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34を両方とも全閉とする指令が出力され、各蒸気タービン5,6が停止される。
上述した異常時の制御によれば、高圧限界圧力制御及び中圧限界圧力制御において蒸気の圧力が限界圧力以下になると、各蒸気加減弁32,34両方に対し閉弁方向に動作する同一の弁開度指令値が同時に出力される。かかる制御を行う場合、各蒸気タービン5,6のうち、何れか一方だけの蒸気の圧力が低下しつつ、何れか他方に蒸気が供給され、各蒸気タービン5,6の駆動が継続されることを防止することができる。その結果、蒸気の圧力が低下した方の蒸気タービン5,6において、かき回し損失による過熱が発生することを回避することができる。
また、上述した異常時の制御では、弁開度指令値と許可開度とを比較し、その時点の制御を継続するか否かが判定されたり、高圧限界圧力制御及び中圧限界圧力制御において、所定の判定時間が経ってから、各蒸気タービン5,6を停止するか、通常運用するかが判定されたりする。言い換えると、各蒸気タービン5,6を停止する前に、トラブル等に対する対処を行う時間を稼ぐことができ、各蒸気タービン5,6の駆動をなるべく継続するように対応を行うことができる。
更に、上述した異常時の制御を行うことで、異なる蒸気源となる第1及び第2フラッシャ3,4で駆動する複数の蒸気タービン5,6において、いずれの蒸気タービン5,6のかき回し損失による発熱防止を図りつつ、異なる蒸気源に対応した前圧制御、出力制御等の通常の運用も円滑に行うことができる。
ところで、蒸気タービン設備において、極低流量時のかき回し損失による発熱を防止する技術が知られている(特許第4973583号公報参照)。この公報の蒸気タービン設備では、高圧タービン部の排気が湿分分離器を介して低圧タービン部に導入され、高圧タービン部の排気を逃がす圧抜き弁を高圧タービン部の出口側に設けることでかき回し損失の発生を防止している。従って、かかる公報の記載内容は、本実施の形態のように、各蒸気加減弁32,34に対して同一の弁開度指令値を同時に出力する制御とは、全く技術思想が異なるものである。
また、かき回し損失を防止する技術としては、蒸気タービンの出口側に冷却水を噴出するスプレー装置を設置する構成が考えられる。しかし、地熱蒸気タービン設備では、冷却水によって、エロージョンや、蒸気中に含まれる不純物質による腐食、応力腐食割れ等を促進させる、という問題がある。
次に、本発明の前記以外の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、説明する実施の形態より前に記載された実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。また、以下の実施の形態においては、「中圧」に対し、相対的に低い圧力について「低圧」として説明する。
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図8に示すように、第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、低圧蒸気タービン(第3蒸気タービン)50を備えて構成されている。低圧蒸気タービン50は、内部に蒸気が供給されるケーシングを備え、後述する第3フラッシャ(不図示)から蒸気が供給される。従って、第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、トリプルフラッシュ方式の3ケーシング式地熱タービン設備とされる。
低圧蒸気タービン50は、低圧蒸気供給管51を介して供給される中圧蒸気より圧力が低い低圧蒸気によって駆動される。低圧蒸気供給管51に供給される低圧蒸気は、不図示の第3フラッシャから供給され、第3フラッシャでは、第2フラッシャ4(図1参照)から供給された熱水を減圧し、当該熱水より低温の熱水と低圧蒸気とに分離している。低圧蒸気タービン50のタービンロータは回転軸52を備えている。回転軸52の一端側は、中圧蒸気タービン6の回転軸27と連結され、それらは同時に同方向に同回転数で回転される。従って、低圧蒸気タービン50と中圧蒸気タービン6と高圧蒸気タービン5とは、直列接続された関係となる。低圧蒸気タービン50における回転軸27の他端側は、発電機8に接続されている。
低圧蒸気供給管51には、低圧蒸気止弁54、低圧蒸気加減弁55及び低圧ベント弁(不図示)が設けられている。低圧蒸気止弁54は、低圧蒸気タービン50に導入される蒸気を遮断する。低圧蒸気加減弁55は、低圧蒸気タービン50に導入される低圧蒸気の流量を加減調整する。低圧蒸気加減弁55は、制御手段10(図1参照)を介して弁開度が制御される。低圧蒸気加減弁55に制御手段10から出力される弁開度指令値は、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34に対する弁開度指令値と同一とされ、同時に出力される。低圧蒸気加減弁55においては、弁開度指令値に対する蒸気流量は蒸気タービン設備1の諸条件に応じて適宜設定される。低圧ベント弁(不図示)は、低圧蒸気供給管51内の圧力が所定値以上になると開弁して低圧蒸気を大気等へ放出し、圧力が所定値より小さくなると閉弁して低圧蒸気の放出を停止する。
第2の実施の形態に係る蒸気タービン設備1の制御では、低圧蒸気加減弁55の動作が中圧蒸気加減弁34の動作と同じとなる。
[第3の実施の形態]
図9は、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図9に示すように、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、高圧蒸気タービン5に対し、高圧蒸気に加えて低圧蒸気を供給している。従って、第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、トリプルフラッシュ方式の2ケーシング式地熱タービン設備とされる。高圧蒸気タービン5のケーシングにおいて、高圧蒸気供給管14の接続位置より下流側には、低圧蒸気供給管51が接続され、高圧蒸気が流れる途中で低圧蒸気が挿入されている。
第3の実施の形態に係る蒸気タービン設備1の制御では、低圧蒸気加減弁55の動作としては、図2の特性テーブルによらず、低圧蒸気供給管51の低圧蒸気の圧力を制御する前圧制御が行われる。但し、高圧蒸気加減弁32の弁開度指令値が所定の指定値以上であり、且つ、発電機8の出力電力値が所定の指定値以上である条件下で、低圧蒸気加減弁55が閉弁状態から開放される。これにより、高圧蒸気供給管14から高圧蒸気が供給されずに低圧蒸気供給管51から低圧蒸気が供給されることを回避でき、低圧蒸気入口となる低圧蒸気供給管51の接続位置より上流側でかき回し損失による発熱を防止することができる。
[第4の実施の形態]
図10は、第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図10に示すように、第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、中圧蒸気タービン6に対し、中圧蒸気に加えて低圧蒸気を供給している。従って、第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、トリプルフラッシュ方式の2ケーシング式地熱タービン設備とされる。中圧蒸気タービン6のケーシングにおいて、中圧蒸気供給管22の接続位置より下流側には、低圧蒸気供給管51が接続され、中圧蒸気が流れる途中で低圧蒸気が挿入されている。
第4の実施の形態に係る蒸気タービン設備1の制御では、低圧蒸気加減弁55の動作としては、図2の特性テーブルによらず、低圧蒸気供給管51の低圧蒸気の圧力を制御する前圧制御が行われる。但し、中圧蒸気加減弁34の弁開度指令値が所定の指定値以上であり、且つ、発電機8の出力電力値が所定の指定値以上である条件下で、低圧蒸気加減弁55が閉弁状態から開放される。これにより、中圧蒸気供給管22から中圧蒸気が供給されずに低圧蒸気供給管51から低圧蒸気が供給されることを回避でき、低圧蒸気入口となる低圧蒸気供給管51の接続位置より上流側でかき回し損失による発熱を防止することができる。
[第5の実施の形態]
図11は、第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図11に示すように、第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第2の実施の形態の蒸気タービン設備1に対し、中圧蒸気タービン6(図8参照)を省略し、高圧蒸気タービン5に対し、高圧蒸気に加えて中圧蒸気を供給している。従って、第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、トリプルフラッシュ方式の2ケーシング式地熱タービン設備とされる。高圧蒸気タービン5のケーシングにおいて、高圧蒸気供給管14の接続位置より下流側には、中圧蒸気供給管22が接続され、高圧蒸気が流れる途中で中圧蒸気が挿入されている。
第5の実施の形態に係る蒸気タービン設備1の制御では、第3の実施の形態に対し、中圧蒸気加減弁34と低圧蒸気加減弁55との関係を入れ替えることで、同様に制御することができる。但し、高圧蒸気加減弁32の弁開度指令値が所定の指定値以上であり、且つ、発電機8の出力電力値が所定の指定値以上である条件下で、中圧蒸気加減弁34が閉弁状態から開放される。これにより、高圧蒸気供給管14から高圧蒸気が供給されずに中圧蒸気供給管22から中圧蒸気が供給されることを回避でき、中圧蒸気入口となる中圧蒸気供給管22の接続位置より上流側でかき回し損失による発熱を防止することができる。
[第6の実施の形態]
図12は、第6の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図12に示すように、第6の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第1の実施の形態の蒸気タービン設備1(図1参照)に対し、バイパス管70を設けたものである。このバイパス管70の一端側は、高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続されている。バイパス管70の他端側は、中圧蒸気供給管22の中圧蒸気加減弁34より下流側に接続されている。従って、高圧蒸気供給管14及び中圧蒸気供給管22は、バイパス管70を介して蒸気が連通するようになる。バイパス管70には、バイパス管70の蒸気の流通を遮断する蒸気遮断弁71が設けられている。蒸気遮断弁71は、制御手段10(図1参照)を介して開閉が制御される。
第6の実施の形態において、高圧蒸気又は中圧蒸気の圧力が急低下した異常時運用の制御については、第1の実施の形態の制御の一部を変更した制御になる。高圧蒸気圧力急低下時は、(2)のパターンのST201(図4参照)、(3)のパターンのST301(図5参照)が変更となる。これらST201、ST301に代えて、第6の実施の形態では、高圧検出器42(図1参照)により検出される圧力値が予め設定した下限値に達した場合、高圧蒸気加減弁32を弁開度指令値による制御から切り離し、高圧蒸気加減弁32に全閉とする指令が出力される。なお、(1)のパターンの場合には、(2)のパターンST201、(3)のパターンST301に相当するものが追加される。
高圧蒸気加減弁32の全閉後、蒸気遮断弁71を開弁する指令が出力される。すると、中圧蒸気供給管22から供給される中圧蒸気が中圧蒸気タービン6だけでなく、バイパス管70から高圧蒸気供給管14を通じて高圧蒸気タービン5にも供給される。
中圧蒸気圧力急低下時は、(1)及び(2)のパターンのST407(図6参照)、(3)のパターンのST501(図7参照)、が変更となる。これらST407、ST501に代えて、第6の実施の形態では、中圧検出器43により検出される圧力値が予め設定した下限値に達した場合、中圧蒸気加減弁34を弁開度指令値による制御から切り離し、中圧蒸気加減弁34に全閉とする指令が出力される。
中圧蒸気加減弁34の全閉後、蒸気遮断弁71を開弁する指令が出力される。すると、高圧蒸気供給管14から供給される高圧蒸気が高圧蒸気タービン5だけでなく、バイパス管70から中圧蒸気供給管22を通じて中圧蒸気タービン6にも供給される。
以上のように、供給される蒸気の圧力低下が継続される場合でも、蒸気圧力が低下していない方の蒸気供給管14,22からバイパス管70を通じて両方の蒸気タービン5,6に蒸気を供給することができる。これにより、ある程度の制限はあるものの、第1の実施の形態では各蒸気タービン5,6の駆動を停止せざるを得ないような状況でも、駆動を継続することができ、駆動停止になることを抑制することができる。
[第7の実施の形態]
図13は、第7の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図13に示すように、第7の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第2の実施の形態の蒸気タービン設備1(図8参照)に対し、第1バイパス管73と第2バイパス管74とを設けたものである。第1バイパス管73は、第7の実施の形態のバイパス管70と同様に、高圧蒸気供給管14及び中圧蒸気供給管22を連通している。第2バイパス管74の一端側は、中圧蒸気供給管22の中圧蒸気加減弁34より下流側に接続されている。第2バイパス管74の他端側は、低圧蒸気供給管51の低圧蒸気加減弁55より下流側に接続されている。従って、中圧蒸気供給管22及び低圧蒸気供給管51は、第2バイパス管74を介して蒸気が連通するようになる。第1バイパス管73には、第1バイパス管73の蒸気の流通を遮断する第1蒸気遮断弁75が設けられている。第2バイパス管74には、第2バイパス管74の蒸気の流通を遮断する第2蒸気遮断弁76が設けられている。各蒸気遮断弁75,76は、制御手段10(図1参照)を介して開閉が制御される。
第7の実施の形態において、高圧蒸気又は中圧蒸気の圧力が急低下した異常時運用の制御について、第2蒸気遮断弁76は閉塞したままとなる。また、各蒸気加減弁32,34及び第1蒸気遮断弁75の制御は、第7の実施の形態の各蒸気加減弁32,34及び蒸気遮断弁70の制御と同一となる。
第7の実施の形態において、低圧蒸気が急低下したり、高圧、中圧、低圧蒸気のうちの2つの蒸気が急低下したりして下限値に達した場合の制御は、以下のようになる。
低圧蒸気の圧力が下限値に達した場合、低圧蒸気加減弁55を全閉し、第2蒸気遮断弁76を開弁する制御を行う。これにより、中圧蒸気が中圧蒸気タービン6だけでなく、第2バイパス管74を通じて低圧蒸気タービン50にも供給され、低圧蒸気タービン50の駆動が継続される。
高圧蒸気及び中圧蒸気の圧力が下限値に達した場合、高圧蒸気加減弁32及び中圧蒸気加減弁34をそれぞれ全閉し、第1及び第2蒸気遮断弁75,76を開弁する制御を行う。これにより、低圧蒸気が低圧蒸気タービン50だけでなく、第1及び第2バイパス管73,74を通じて高圧蒸気タービン5及び中圧蒸気タービン6にも供給され、それら蒸気タービン5,6の駆動が継続される。
高圧蒸気及び低圧蒸気の圧力が下限値に達した場合、高圧蒸気加減弁32及び低圧蒸気加減弁55をそれぞれ全閉し、第1及び第2蒸気遮断弁75,76を開弁する制御を行う。これにより、中圧蒸気が中圧蒸気タービン6だけでなく、第1及び第2バイパス管73,74を通じて高圧蒸気タービン5及び低圧蒸気タービン50にも供給され、それら蒸気タービン5,50の駆動が継続される。
中圧蒸気及び低圧蒸気の圧力が下限値に達した場合、中圧蒸気加減弁34及び低圧蒸気加減弁55をそれぞれ全閉し、第1及び第2蒸気遮断弁75,76を開弁する制御を行う。これにより、高圧蒸気が高圧蒸気タービン5だけでなく、第1及び第2バイパス管73,74を通じて中圧蒸気タービン6及び低圧蒸気タービン50にも供給され、それら蒸気タービン6,50の駆動が継続される。
[第8の実施の形態、第9の実施の形態]
図14は、第8の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図14に示すように、第8の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第7の実施の形態の蒸気タービン設備1(図13参照)に対し、第2バイパス管74の接続位置を変更したものである。この第2バイパス管74は、一端側が高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続され、他端側が低圧蒸気供給管51の低圧蒸気加減弁55より下流側に接続されている。
図15は、第9の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図15に示すように、第9の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第7の実施の形態の蒸気タービン設備1(図13参照)に対し、第1バイパス管73の接続位置を変更したものである。この第1バイパス管73は、一端側が高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続され、他端側が低圧蒸気供給管51の低圧蒸気加減弁55より下流側に接続されている。
第8及び第9の実施の形態において、高圧、中圧、低圧蒸気のうちの何れか1つ又は2つの蒸気の圧力が急低下して下限値に達した場合、その圧力低下した蒸気が流れる蒸気加減弁32,34,55を全閉する。そして、急低下した圧力が流れる蒸気供給管14,22,51に接続されたバイパス管73,74の蒸気遮断弁75,76を開弁する制御を行う。これにより、全ての蒸気タービン5,6,50に蒸気が供給されて駆動が継続される。
[第10の実施の形態、第11の実施の形態]
図16は、第10の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図16に示すように、第10の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第3の実施の形態の蒸気タービン設備1(図9参照)に対し、バイパス管70を設けたものである。このバイパス管70は、一端側が高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続され、他端側が中圧蒸気供給管22の中圧蒸気加減弁34より下流側に接続されている。バイパス管70には、バイパス管70の蒸気の流通を遮断する蒸気遮断弁71が設けられている。
図17は、第11の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図17に示すように、第11の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第4の実施の形態の蒸気タービン設備1(図10参照)に対し、バイパス管70を設けたものである。このバイパス管70は、一端側が高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続され、他端側が中圧蒸気供給管22の中圧蒸気加減弁34より下流側に接続されている。バイパス管70には、バイパス管70の蒸気の流通を遮断する蒸気遮断弁71が設けられている。
第10及び第11の実施の形態において、高圧蒸気又は中圧蒸気の圧力が急低下して下限値に達した場合、各蒸気加減弁32,34及び蒸気遮断弁71の制御は、第6の実施の形態の各蒸気加減弁32,34及び蒸気遮断弁71の制御と同一となる。
[第12の実施の形態]
図18は、第12の実施の形態に係る蒸気タービン設備の一部を示す概略構成図である。図18に示すように、第12の実施の形態に係る蒸気タービン設備1は、第5の実施の形態の蒸気タービン設備1(図11参照)に対し、バイパス管70を設けたものである。このバイパス管70は、一端側が高圧蒸気供給管14の高圧蒸気加減弁32より下流側に接続され、他端側が低圧蒸気供給管51の低圧蒸気加減弁55より下流側に接続されている。バイパス管70には、バイパス管70の蒸気の流通を遮断する蒸気遮断弁71が設けられている。
第12の実施の形態において、高圧蒸気又は低圧蒸気の圧力が急低下して下限値に達した場合、各蒸気加減弁32,55及び蒸気遮断弁71の制御は、第6の実施の形態において、中圧蒸気加減弁34と低圧蒸気加減弁55との関係を入れ替えることで、同様に制御することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、蒸気タービンの設置数は、2つ又は3つに限られるものでなく、それ以上設置してもよい。
また、本発明は、複数の蒸気タービンがケーシングをそれぞれ備えて別個に構成されたものに限定されるものではなく、1つの蒸気タービンに中間シール部を設け、この中間シール部を挟むように複数のタービン部(例えば、高圧タービン部、中圧タービン部、低圧タービン部)を設けるようにしてもよい。
また、蒸気タービン5,6,50に接続される負荷は、上記各実施の形態では発電機8としたが、これに限定されるものでなく、コンプレッサや、送風機等に接続してもよい。
また、上記各実施の形態における各蒸気タービン5,6,50は、片流タービンに代えて双流タービンに変更してもよい。
1 蒸気タービン設備
3 第1フラッシャ(蒸気源)
4 第2フラッシャ(蒸気源)
5 高圧蒸気タービン
6 中圧蒸気タービン
10 制御手段
10c 特性テーブル
32 高圧蒸気加減弁
34 中圧蒸気加減弁
42 高圧検出器(圧力検出器)
43 中圧検出器(圧力検出器)
50 低圧蒸気タービン
55 低圧蒸気加減弁

Claims (9)

  1. 異なる蒸気源から供給される蒸気によって駆動する直列接続された複数の蒸気タービンと、前記複数の蒸気タービンそれぞれに設けられて前記蒸気源から供給される蒸気の流量を加減調整する蒸気加減弁と、前記蒸気加減弁の動作を弁開度指令値の出力によって制御する制御手段とを備えた蒸気タービン設備であって、
    前記制御手段は、複数の前記蒸気加減弁に対し、同一値の前記弁開度指令値を同時に出力することを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 前記制御手段は、前記弁開度指令値に対する複数の前記蒸気加減弁それぞれの蒸気流量の関係が設定された特性テーブルを備え、この特性テーブルを参照して前記弁開度指令値を求めることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  3. 前記特性テーブルは、少なくとも1つの前記蒸気加減弁における蒸気流量と弁開度指令値との関係において、前記弁開度指令値の上限設定値を設定し、この上限設定値以上の弁開度指令値では蒸気流量を一定値としたことを特徴とする請求項2記載の蒸気タービン設備。
  4. 前記制御手段は、前記上限設定値を設定した前記蒸気加減弁に対し、前記一定値より蒸気流量を増加させる追加弁開度指令値を出力することを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン設備。
  5. 複数の前記蒸気加減弁の下流側を接続するバイパス管と、このバイパス管の蒸気の流通を遮断可能な蒸気遮断弁とを更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の蒸気タービン設備。
  6. 複数の前記蒸気加減弁それぞれの上流側に蒸気の圧力値を検出する圧力検出器が設けられ、
    前記制御手段は、前記圧力検出器の圧力値と指定値とを比べて判定し、この判定結果に基づいて前記弁開度指令値を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の蒸気タービン設備。
  7. 異なる蒸気源から供給される蒸気によって駆動する直列接続された複数の蒸気タービンと、前記複数の蒸気タービンそれぞれに設けられて前記蒸気源から供給される蒸気を加減調整する蒸気加減弁とを備えた蒸気タービン設備の制御方法であって、
    複数の前記蒸気加減弁に対して同一値の弁開度指令値を同時に出力し、この弁開度指令値の出力によって前記複数の蒸気加減弁の動作を制御することを特徴とする蒸気タービン設備の制御方法。
  8. 前記複数の蒸気タービンの起動時に、同一値の前記弁開度指令値を同時に出力することで、複数の前記蒸気加減弁を同時に閉弁状態から開弁することを特徴とする請求項7記載の蒸気タービン設備の制御方法。
  9. 前記複数の蒸気タービンに供給する蒸気の圧力が急低下したときに、同一値の前記弁開度指令値を同時に出力することで、複数の前記蒸気加減弁を同時に閉弁動作することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の蒸気タービン設備の制御方法。
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