JP6243243B2 - 懸架装置 - Google Patents
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Description
本発明は、シートラバーの使用可能期間を延長することができる懸架装置を提供することを目的とする。
これにより、本発明の懸架装置は、シートラバーのたるみを防止等することができ、結果としてシートラバーの使用可能期間を延長することができる。
図1は、本実施の形態に係る懸架装置100の全体を概観した部分断面図である。図2は、図1における上側シートラバー40を含む部分の詳細を示す図である。
なお、図示における上側、下側を、本実施の形態の説明における上側、下側とする。
また、本実施の形態における内周側凸部41は、本発明における凸部の一例に相当する。なお、本実施の形態においては、内周側凸部41は、上側シートラバー40の内周側の端部に形成されている。ここで、本実施の形態では、本発明における凸部の一例が、上側シートラバー40の内周側の端部に形成されていることから、内周側凸部41と称している。
しかし、本発明においては、凸部がシートラバーの内周側の端部に形成されていることに限定されない。したがって、本発明における凸部は、本発明におけるシートラバーの内周側の端部以外の部位に形成されていてもよい。
ダンパチューブ11の外周部12には、下側スプリングシート13と、車輪側に固定される車輪側取付部材14とが取り付けられている。下側スプリングシート13にはゴムで形成された下側シートラバー70が取り付けられている。また、ダンパチューブ11の上部には、バンプストッパキャップ15Aと、ダンパ10の大きな圧縮時に後述するバンプラバー81が突き当たる当接板15Bとが設けられている。
バンプストッパキャップ15Aの下部には、後述するダストカバー53の下端に形成された被支持部54を支持するカバー支持部15Cが形成されている。
バンプラバー81は、ピストンロッド16に圧入されてピストンロッド16を軸C方向に貫通している。バンプラバー81は、ダンパ10の大きな圧縮時に、ダンパチューブ11の上部に設けられた当接板15Bに突き当たる。これにより、バンプラバー81は、ダンパ10の過度の圧縮を止める。
スプリング上側支持部材30は、カバー38とカバープレート39と上側スプリングシート31とを備えている。カバー38は、図2に示すように、バンプラバー81の上面に接して配置されている。カバー38の上にカバープレート39の中央部39Aが固定されている。カバープレートの外周部39Bの下に上側スプリングシート31が固定されている。
上側スプリングシート31は概略円環状に形成されている。上側スプリングシート31の外周側の部分33は、軸C方向に対して交差する方向(例えば、軸C方向に対して略直交する方向)に延びている。この外周側の部分33は、カバープレート39の外周部39Bに固定されている。上側スプリングシート31の内周側の部分32は軸C方向に略沿って延びている。上側スプリングシート31にはゴムで形成された上側シートラバー40が配置されている。
上側シートラバー40は、上側スプリングシート31の上述した形状に沿った形状に形成されている。詳しくは図2に示すように、内周側の端部に、上側スプリングシート31の内周側の部分32の厚さt方向に突出した内周側凸部41が形成されている。この内周側凸部41は、上側スプリングシート31の内周側の部分32の端縁32Aに突き当たるシート突き当て面42を有している。
さらに、上側シートラバー40の外周側の端部には、外周側凸部44が形成されている。外周側凸部44は、スプリング20を構成する線材21の中心Sよりもスプリング20の軸Cを中心とする半径方向の外側の面21Aに接する。
そして、外周側凸部44は、スプリング20が軸Cを中心とする半径方向の外側に位置ずれするのを防止乃至抑制している。また、外周側凸部44は、上側シートラバー40自体が軸Cを中心とする半径方向の内側に位置ずれするのを防止乃至抑制している。
スプリング20は、軸C方向に圧縮された状態で、上側スプリングシート31と下側スプリングシート13との間に、それぞれ上側シートラバー40、下側シートラバー70を介して支持される。換言すると、上側シートラバー40は、スプリング20と上側スプリングシート31との間に配置され、下側シートラバー70は、スプリング20と下側スプリングシート13との間に配置されている。
なお、本実施の形態におけるスプリング20は、上側シートラバー40に対する軸C方向への圧力が、周方向で均一に接しないものであるが、本発明におけるスプリングは、この形態のものに限定されない。すなわち、本発明におけるスプリングは、シートラバーに対する軸C方向への圧力が、周方向で略均一な圧力で接するものであってもよい。
ここで、ダストカバー53の下端には、図1に示すように、被支持部54が形成されている。被支持部54は、ダンパチューブ11のバンプストッパキャップ15Aに形成されたカバー支持部15Cに支持される。そして、蛇腹51の上側の先端52は、上側シートラバー40の内周側凸部41の蛇腹突き当て面43に接続されている。
したがって、結合カバー50は、下端の被支持部54がダンパチューブ11のカバー支持部15Cに支持され、上端の上側シートラバー40がピストンロッド16に取り付けられた上側スプリングシート31に、スプリング20の弾性力によって押し付けられた状態で配置されている。
上側シートラバー40の内周側凸部41に形成された蛇腹突き当て面43は、折り畳まれた蛇腹51を突き当てることにより、蛇腹51の軸C方向への移動を止める。これにより、蛇腹51が上側スプリングシート31の内周側の部分32よりも半径方向の内側に逃げるのを阻止している。
また、内周側凸部41自体は上側シートラバー40の他の部分(例えば、スプリング20と上側スプリングシート31に挟まれた部分46など)よりも厚さが厚いため、これら他の部分よりも剛性が高く、軸C方向に折り畳まれた蛇腹51が蛇腹突き当て面43に当たっても内周側凸部41がたるんだり変形したりすることがない。この結果、上側シートラバー40がめくれることがない。したがって、上側シートラバー40のめくれによって生じる、ダストの侵入やダストカバー53(図1参照)のいわゆる胴曲りを防止することができる。
しかも、内周側凸部41は、上側スプリングシート31の端縁32A(図2参照)に突き当たるため、上側スプリングシート31の他の部分が突き当てられる場合よりも、引っ掛り易くなり、上側シートラバー40の移動を阻止する効果を高めることができる。
なお、本発明においては、凸部(内周側凸部41)が突き当たるスプリングシート(上側スプリングシート31)の部位としては、スプリングシートの内周側の端縁(端縁32A)に限定されるものではない。したがって、本発明における凸部が突き当たるスプリングシートの部位は、スプリングシートの内周側の端縁以外の他の部位であってもよい。
さらに、この蛇腹突き当て面43の幅Kは、折り畳まれた状態における蛇腹51の幅Lの2/3以上が突き当たること(2L/3<K)がより好ましい。蛇腹突き当て面43の幅Kが、折り畳まれた状態における蛇腹の幅Lの2/3以上であることにより、蛇腹51を確実に受け止めることができる。
しかも、蛇腹突き当て面43のうち、折り畳まれた蛇腹51の谷部51Bよりの半径方向の内側に伸びた部分は、蛇腹51が谷部51Bよりも半径方向の内側に逃げるのを阻止する作用に対する影響は少ない。したがって、蛇腹突き当て面43の内周側が、折り畳まれた蛇腹51の谷部51Bまで伸びていれば必要十分である。
一方、スプリング20が縮んだ状態から復元するときは、回転方向Rに移動した上側シートラバー40は反対方向に戻るが、スプリング20の伸縮動作が繰り返されているうちに、上側シートラバー40は、軸Cを中心とする半径方向の外側に送り出され上側スプリングシート31の所定位置からずれるおそれがある。
したがって、上側シートラバー40は、その全体が線材21の回転に連れ回ることがなく、上側シートラバー40が上側スプリングシート31の所定位置から外側にずれるのを防止乃至抑制することができる。また、上側シートラバー40は、外周側凸部44により、軸Cを中心とする半径方向の内側に位置ずれするのを防止乃至抑制することができる。
なお、上側シートラバー40が所定位置からずれると、上側シートラバー40のたるみ(めくれを含む。以下、同じ。)等が生じるが、本実施の形態の懸架装置100は、この上側シートラバー40のたるみ等が生じるのを防止することができる。
このように、上側シートラバー40のたるみが防止される等により、結果として上側シートラバー40の耐久性を向上することができ、上側シートラバー40の使用可能期間を延長することができる。
Claims (4)
- 入力される振動を減衰する圧力緩衝装置と、
前記圧力緩衝装置の軸線に対して半径方向の外側に配置されるスプリングと、
前記圧力緩衝装置に固定され、前記スプリングの軸方向の端部を支持するスプリングシートと、
前記スプリングと前記スプリングシートとの間に配置され、前記スプリングシートの厚さ方向に突出して、前記スプリングシートの少なくとも一部に突き当たる凸部が形成されたシートラバーと、
前記圧力緩衝装置の少なくとも一部を覆うように前記圧力緩衝装置と前記スプリングとの間に配置され、前記圧力緩衝装置の軸方向に沿って伸縮する蛇腹が形成され、前記蛇腹の先端が前記シートラバーの前記凸部に接続されるダストカバーと、を備え、
前記凸部は、前記蛇腹に対向し、折り畳まれた前記蛇腹が突き当たる蛇腹突き当て面を有し、
前記ダストカバーは、前記蛇腹の谷部が前記シートラバーの前記蛇腹突き当て面より内側である懸架装置。 - 前記凸部は、前記シートラバーの内周側の端部において前記スプリングシートの厚さ方向に突出し、前記スプリングシートの端縁に突き当たる請求項1に記載の懸架装置。
- 前記凸部は、前記蛇腹突き当て面が前記スプリングシートの端縁に突き当たるシート突き当て面よりも内側に突出している請求項1又は2に記載の懸架装置。
- 前記シートラバーと前記ダストカバーとは一体に形成された請求項1から3のいずれか1項に記載の懸架装置。
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