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JP6034685B2 - 緩衝器 - Google Patents

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JP6034685B2
JP6034685B2 JP2012269146A JP2012269146A JP6034685B2 JP 6034685 B2 JP6034685 B2 JP 6034685B2 JP 2012269146 A JP2012269146 A JP 2012269146A JP 2012269146 A JP2012269146 A JP 2012269146A JP 6034685 B2 JP6034685 B2 JP 6034685B2
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Description

この発明は、緩衝器の改良に関する。
一般的に、緩衝器は、車両、機器、構造物等に利用され、シリンダと、このシリンダ内に出没可能に挿入されるピストンロッドとを備えている。そして、振動が入力されると、緩衝器は伸縮して減衰力を発生し、振動を抑制する。
また、上記緩衝器は、伸び切り時の衝撃を緩和するため、シリンダ側に固定される伸び切り規制部材と、ピストンロッド側に固定されるストッパ部材と、伸び切り時にストッパ部材と伸び切り規制部材との間に挟まれ圧縮されて所定の反力を発生するリバウンド部材とを備えている。
例えば、図6に示すように、特許文献1に開示の緩衝器において、上記伸び切り規制部材は、シリンダ1の一方側開口端部に固定されてピストンロッド2を軸方向に移動自在に軸支するロッドガイド3であり、上記リバウンド部材500は、四角柱状の素線を巻き回して形成されるコイルばね501と、このコイルばね501の下端部に固定されストッパ部材4に当接している第一ホルダ502と、コイルばね501の上端部に固定されロッドガイド3に当接可能な第二ホルダ503とを備えている。
さらに、第一、第二ホルダ502,503は環状に形成されており、ピストンロッド2がコイルばね501及び第一、第二ホルダ502,503の内側に挿入されている。そして、緩衝器の伸び切り時に、ロッドガイド3とストッパ部材4が接近すると、コイルばね501が圧縮されて所定の反力を発生し、伸び切り時の衝撃を吸収することができる。
また、上記コイルばね501は、素線の一巻分をコイル部501aとすると、複数のコイル部501a,501a・・・が軸方向に並べて連なる形状となっている。そして、素線の断面形状が四角状となっており、四角柱状の素線を巻き回してコイルばね501を形成しているため、図7に示すように、コイルばね501の最圧縮時には、隣接するコイル部501a同士が面接触する。したがって、コイルばね501の最圧縮時に、コイル部501a同士が滑って一部のコイル部501aが直径方向にずれ、このずれたコイル部501aがピストンロッド2の外周面やシリンダ1の内周面に当たって異音が発生することを抑制できる。
特開2005−16632号公報
しかしながら、素線を巻き回してコイルばねを形成すると、応力等の影響でコイルばねが傾斜した状態に形成される場合がある。また、特に、上記従来の緩衝器のように、四角柱状の素線を巻き回してコイルばねを形成すると、コイルばねが傾斜しやすい。そして、このコイルばねが傾斜した状態に形成された場合において、コイルばねは、ピストンロッドと軸ずれした状態で取り付けられるため、圧縮されたときに胴曲りして、この曲がった部分がピストンロッドの外周面やシリンダの内周面に当たって異音が発生する虞がある。
そこで、本発明の目的は、傾斜したコイルばねを利用する場合においても、異音の発生を抑制することが可能な緩衝器を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、上記コイルばねは、四角柱状の素線を巻き回して形成されており、上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えることを特徴とする。他の手段としては、シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えるとともに、上記第一ホルダは、上記コイルばねの内側に圧入される環状の保持部と、上記保持部の反コイルばね側に連なり外径が上記保持部の外径よりも大きく形成されて上記コイルばねを支える環状の支承部とを備え、上記傾斜補正手段は、上記支承部と上記コイルばねとの間に介装される環板状のワッシャであり、肉厚の厚い肉厚部と、肉厚の薄い薄肉部とを備えることを特徴とする。また、他の手段としては、シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えるとともに、上記第一ホルダは、上記コイルばねの内側に圧入される環状の保持部と、上記保持部の反コイルばね側に連なり外径が上記保持部の外径よりも大きく形成されて上記コイルばねを支える環状の支承部とを備え、上記傾斜補正手段が、同一円周上に肉厚の厚い厚肉部と肉厚の薄い薄肉部を備える支承部であることを特徴とする。
本発明によれば、傾斜補正手段でコイルばねの傾斜を補正することができるため、コイルばねの胴曲りを抑制して異音の発生を抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る緩衝器の主要部を示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器において、リバウンド部材を構成するコイルばねを拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器のリバウンド部材に傾斜補正手段を取り付けた状態を拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器において、リバウンド部材を構成するコイルばね及び傾斜補正手段を拡大して示した斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る緩衝器の傾斜補正手段部分を拡大して示した縦断面図であり、(a)は、傾斜補正手段の第一の変形例を示し、(b)は、傾斜補正手段の第二の変形例を示し、(c)は、傾斜補正手段の第三の変形例を示している。 従来の緩衝器の主要部を部分的に切欠いて示した正面図である。 従来の緩衝器において、リバウンド部材を構成するコイルばねの最圧縮状態を拡大して示した縦断面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたは対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ1と、このシリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッド2と、上記シリンダ1に固定されるロッドガイド(伸び切り規制部材)3と、上記ピストンロッド2の外周に固定されるストッパ部材4と、上記ピストンロッド2の外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材4と上記ロッドガイド3との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材5とを備え、上記リバウンド部材5が、コイルばね50と、このコイルばね50の一方側端部(図1中下端部)に固定され上記ストッパ部材4に当接可能な第一ホルダ51とを備えている。
さらに、上記緩衝器Dは、上記コイルばね50と上記第一ホルダ51との間に配置され、上記コイルばね50の中心線X2(図2)を上記ピストンロッド2の中心線X1に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段6を備えている。
以下、詳細に説明すると、本実施の形態において、上記緩衝器Dは、自動車の車体と車輪との間に介装された正立型の複筒型液圧緩衝器であり、作動流体として油、水、水溶液等の液体を収容している。そして、この緩衝器Dの構成は周知であるため詳細に図示しないが、緩衝器Dは、車輪側に連結されてシリンダ1との間に周知のリザーバRを形成する外筒10を備えている。また、上記シリンダ1は、外筒10の内側に同芯に配置される内筒である。
さらに、上記緩衝器Dにおいて、上記シリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッド2は、車体側に連結されるとともに、シリンダ1の車体側開口端部1aに取り付けられる環状のロッドガイド3の内側に挿通されており、このロッドガイド3の内周に嵌合する環状の軸受け30で軸方向に移動自在に軸支されている。
そして、本実施の形態において、上記ロッドガイド3が本発明における伸び切り規制部材であり、内周部3aがシリンダ1の車体側開口端部1aの内側に挿入されるとともに、外周部3bがシリンダ1から外筒側に張り出している。また、ロッドガイド3の反シリンダ側(図1中上側)には、周知のシール部材31が積層されており、外筒10の車体側端部10aを内側に加締めることで、ロッドガイド3をシール部材31とともにシリンダ1に固定している。
もどって、上記ピストンロッド2の外周には、ピストン20とストッパ部材4が軸方向に並べて取り付けられている。そして、上記ピストン20は、環状に形成されてピストンロッド2の先端部(図1中下端部)にナット21で固定されており、シリンダ1の内周面に摺接してシリンダ1内を軸方向に区画している。
このピストン20で区画される部屋は、ピストン20のピストンロッド側(図1中上側)に形成される伸側室Aと、ピストン20の反ピストンロッド側(図1中下側)に形成される圧側室Bであり、伸側室A及び圧側室Bにはそれぞれ作動流体が充填されている。さらに、上記ピストン20には、伸側室Aと圧側室Bとを連通する伸側流路20aと圧側流路20bが形成されるとともに、圧側室側(図1中下側)に伸側流路20aの出口を開閉可能に塞ぐ伸側リーフバルブV1が積層され、伸側室側(図1中上側)に圧側流路20bの出口を開閉可能に塞ぐ圧側リーフバルブV2が積層されている。
つづいて、上記ピストン20と同じくピストンロッド2の外周に取り付けられるストッパ部材4は、ピストン20のロッドガイド側(図1中上側)に配置されており、ピストンロッド2の外周に固定される環状の支持部4aと、この支持部4aの上端から外周側に張り出す円板状のフランジ部4bとを備えており、このフランジ部4bでリバウンド部材5を支えている。
上記リバウンド部材5は、ピストンロッド2の外周に取り付けられており、コイルばね50と、このコイルばね50の一方側端部(図1中下端部)に固定される第一ホルダ51と、上記コイルばね50の他方側端部(図1中上端部)に固定される第二ホルダ52とを備えている。そして、リバウンド部材5は、第一ホルダ51をストッパ部材側(図1中下側)に、第二ホルダ52をロッドガイド側(図1中上側)に向けて配置されている。
図2に示すように、上記コイルばね50は、四角柱状の素線を巻き回して形成されている。そして、素線の一巻分をコイル部50aとすると、コイルばね50は、複数のコイル部50a,50a・・・が軸方向に並べて連なる形状となっており、コイル部50aの中心を繋いだ中心線X2が傾斜している。つまり、コイルばね50は傾斜した状態に形成されている。
つづいて、図3に示すように、上記第一ホルダ51は、環状に形成されており、内周側に突出する複数の突起51a,51aを有してピストンロッド2の外周に圧入され、上記ストッパ部材4のフランジ部4bに支えられた状態で位置決め固定されている。また、上記第一ホルダ51は、上記コイルばね50の一方側(図3中下側)端部内側に圧入される環状の保持部51bと、この保持部51bの反コイルばね側(図3中下側)に連なり外径が保持部51bの外径よりも大きく形成される環状の支承部51cとを備えており、この支承部51cのコイルばね側(図3中上側)に環状のシート面51dが形成されている。
また、上記シート面51dは、第一ホルダ51がピストンロッド2に取り付けられたとき、略水平(ピストンロッド2の中心線X1に対して垂直)に配置される。このため、第一ホルダ51を介してコイルばね50をピストンロッド2に取り付ける際、シート面51dにそのままコイルばね50の一方側端(図3中下端)を当接させると、コイルばね50が第一ホルダ51から傾斜して起立することとなり、図2に示すように、コイルばね50の下端の中心をピストンロッド2の中心線X1が通るが、コイルばね50の上端にかけてコイルばね50の中心線X2とピストンロッド2の中心線X1が矢印Y方向にずれる。
したがって、本実施の形態においては、図3に示すように、第一ホルダ51のシート面51dとコイルばね50の一方側端(図3中下端)との間に、環板状のワッシャからなる傾斜補正手段6を介装し、コイルばね50の傾斜を補正している。そして、この傾斜補正手段6は、上記コイルばね50の中心線X2(図2)を矢印Yと反対方向に移動させて、ピストンロッド2の中心線に合わせることができるように設定されている。
具体的に、上記傾斜補正手段6は、図4に示すように、肉厚の厚い肉厚部6aと、この肉厚部6aと中心孔6oを挟んで向かい合わせに配置される肉厚の薄い薄肉部6bとを備えるとともに、傾斜補正手段6のコイルばね側面6cが肉厚部6aから薄肉部6bにかけて傾斜する平面からなる。また、上記傾斜補正手段6のコイルばね側面6cには、コイルばね50の巻き始め若しくは巻き終わり、即ち、コイルばね50を構成する素線の先端50bが当接する位置決め突起6dが起立している。
そして、第一ホルダ51を介してコイルばね50をピストンロッド2に取り付け、コイルばね50の下端の中心をピストンロッド2の中心線X1が通っているとき、コイルばね50の上端において上記中心線X1から最も離れる方向にずれた周方向位置p1(図2)に厚肉部6aが重なるように、上記突起6dの位置が設定されている。
つづいて、コイルばね50の他方側端部(図2中上端部)に固定される第二ホルダ52は、図3に示すように、環状に形成されてピストンロッド2の外周に遊嵌されており、上記コイルばね50の他方側(図3中上側)端部内側に圧入される環状の保持部52aと、この保持部52aの反コイルばね側(図3中上側)に連なり外径が保持部52aの外径よりも大きく形成される環状の衝合部52bとを備えており、この衝合部52bのコイルばね側(図3中下側)に環状のシート面52cが形成されている。そして、このシート面52cにコイルばね50の他方側端(図3中上端)が当接している。また、上記衝合部52bの反コイルばね側(図3中上側)には、周方向に沿って突起52d,52d・・・が起立している。このため、第二ホルダ52がロッドガイド3に当接したとき、突起52dの間を作動流体が通過して、異音が発生することを抑制することができる。
次に、本実施の形態の緩衝器Dの作動について説明する。ピストンロッド側にストッパ部材4が固定されるとともに、シリンダ側にロッドガイド(伸び切り規制部材)3が固定されているため、ピストンロッド2がシリンダ1から退出して緩衝器Dが伸長すると、ストッパ部材4とロッドガイド3が接近する。
また、リバウンド部材5がピストンロッド2の外周に、第一ホルダ51をストッパ部材4に当接させた状態で固定されているため、緩衝器Dが伸長を続けると、第二ホルダ52がロッドガイド3に当接し、第二ホルダ52の移動がロッドガイド3で規制された状態で第一ホルダ51がストッパ部材4でロッドガイド側に押し上げられる。このため、コイルばね50が圧縮されて所定の反力を発生し、緩衝器Dの伸び切り時の衝撃を緩和する。
次に、本実施の形態の緩衝器Dの作用効果について説明する。本実施の形態に係る緩衝器Dは、シリンダ1と、このシリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッド2と、上記シリンダ1に固定されるロッドガイド(伸び切り規制部材)3と、上記ピストンロッド2の外周に固定されるストッパ部材4と、ピストンロッド2の外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材4と上記ロッドガイド3との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材5とを備え、上記リバウンド部材5が、コイルばね50と、このコイルばね50の一方側端部(図1中下端部)に固定され上記ストッパ部材4に当接可能な第一ホルダ51とを備えている。
さらに、上記緩衝器Dは、上記コイルばね50と上記第一ホルダ51との間に配置され、上記コイルばね50の中心線X2(図2)を上記ピストンロッド2の中心線X1に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段6を備えている。
このため、コイルばね50が四角柱状の素線を巻き回して形成される等の理由により、傾斜した状態に形成されていたとしても、傾斜補正手段6でコイルばね50の中心線X2をピストンロッド2の中心線X1に合わせるように傾けて、コイルばね50の傾斜を補正することができる。したがって、緩衝器Dの伸び切り時に、コイルばね50がその中心線X2に沿って圧縮されてコイルばね50の胴曲りを抑制することができ、胴曲りを起こした部分がピストンロッド2の外周面や、シリンダ1の内周面に当接することによる異音の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態において、上記第一ホルダ51は、上記コイルばね50の内側に圧入される環状の保持部51bと、この保持部51bの反コイルばね側(図3中下側)に連なり外径が上記保持部51bの外径よりも大きく形成されて上記コイルばね50を支えする環状の支承部51cとを備えている。さらに、上記傾斜補正手段6は、上記支承部51cと上記コイルばね50との間に介装される環板状のワッシャであり、肉厚の厚い肉厚部6aと、肉厚の薄い薄肉部6bとを備えている。
したがって、傾斜補正手段6の肉厚差を利用して、容易にコイルばね50の傾斜を補正することが可能になる。また、傾斜補正手段6が支承部51cとコイルばね50との間に介装される環板状のワッシャであることから、支承部51cに当接するコイルばね50の巻き始め若しくは巻き終わり(コイルばね50を形成する素線の先端50b)で、支承部51cを疵つけることを抑制することが可能となる。
また、傾斜補正手段6を第一ホルダ51やストッパ部材4と一体形成することなく、単体として形成することで、円柱状の素線を巻き回して形成される等、傾斜していないコイルばねを備える緩衝器において利用されていた第一ホルダやストッパ部材をそのまま利用することが可能であり、汎用性が高い。
また、本実施の形態において、上記傾斜補正手段6は、上記コイルばね50の巻き始め若しくは巻き終わり(コイルばね50を形成する素線の先端50b)が当接する位置決め突起6dを備えている。
したがって、コイルばね50の巻き始め若しくは巻き終わり(コイルばね50を形成する素線の先端50b)を位置決め突起6dに付き当てたとき、コイルばね50の傾斜を補正することが可能なように位置決め突起6dの位置を設定すれば、コイルばね50の傾斜方向を確認しながら傾斜補正手段6を取り付ける必要がなく、コイルばね50の傾斜補正作業を効率化することが可能となる。
また、コイルばね50の巻き始めと巻き終わりの位置が変化する等の理由により、コイルばね50の巻き始め若しくは巻き終わりの位置に対するコイルばね50の傾斜方向が変化した場合、傾斜補正手段6がワッシャからなるため、位置決め突起6dの位置の異なるワッシャ(傾斜補正手段6)を用意すればよく、傾斜方向の異なるコイルばね50に容易に対応することができる。
また、本実施の形態において、上記第一ホルダ51は、環状に形成されて上記ピストンロッド2の外周に圧入されており、上記ストッパ部材4に当接した状態に固定されている。
したがって、リバウンド部材5がピストンロッド2に沿って軸方向に移動することを抑制し、第一ホルダ51がストッパ部材4のフランジ部4bに接触する際の接触音の発生を抑制することができる。
また、このように、第一ホルダ51がピストンロッド2の外周に圧入されている場合は、特に、コイルばね50が圧縮されたとき、コイルばね50の一方側端(図1中下端)が第一ホルダ51を介してピストンロッド2に固定され、直径方向にずれることができないため、胴曲りし易い。したがって、傾斜補正手段6を設け、コイルばね50の傾斜を補正することが特に有効である。
また、本実施の形態において、コイルばね50は、四角柱状の素線を巻き回して形成されている。
したがって、コイルばね50の最圧縮時に、コイル部50a同士が滑ることを抑制し、ずれたコイル部50aがピストンロッド2の外周面やシリンダ1の内周面に当たって異音が発生することを抑制できる。
しかし、四角柱状の素線を巻き回してコイルばね50を形成すると、応力等の影響で、コイルばね50が傾斜する場合がある。このため、四角柱状の素線を巻き回して形成されるコイルばね50においては、傾斜補正手段6を設けてコイルばね50の傾斜を補正することが必要とされる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、上記実施の形態において、緩衝器Dは、自動車用の緩衝器Dであるが、機器、構造物等、自動車以外に利用されるとしてもよい。また、緩衝器Dの種類も、上記の限りではなく、図示しないが、単筒型緩衝器であるとしても、作動流体として気体を利用する空圧緩衝器であるとしてもよい。また、同じく図示しないが、シリンダ1が車体側に連結されるとともに、ピストンロッド2が車輪側に連結されて、緩衝器Dが倒立型に設定されるとしてもよい。
また、上記一実施の形態において、傾斜補正手段6が支承部51cとコイルばね50との間に介装されているワッシャである。しかし、コイルばね50の傾斜を補正できる限りにおいて、傾斜補正手段6の構成は、適宜選択することが可能である。
例えば、第一ホルダ51がピストンロッド2に対して傾斜可能である場合には、図5(a)に示すように、第一ホルダ51とストッパ部材4との間に傾斜補正手段6Aが設けられてもよい。また、図5(b)に示すように、傾斜補正手段6Bが第一ホルダ51の反コイルばね側(図5中下側)に一体形成される突起であるとしてもよい。また、図5(c)に示すように、第一ホルダ51のシート面51dを傾斜させて、このシート面51dを傾斜補正手段6Cとするとしてもよい。
また、上記実施の形態において、傾斜補正手段6は、位置決め突起6dを備えているが、位置決め突起6d以外の方法で、コイルばね50と傾斜補正手段6の周方向の位置合わせをするとしてもよい。
また、上記実施の形態において、上記第一ホルダ51は、環状に形成されて上記ピストンロッド2の外周に圧入され、ピストンロッド2に固定されているが、ピストンロッド2に摺接していてもよい。
また、上記実施の形態において、コイルばね50が四角柱状の素線を巻き回して形成されており、これにより、コイルばね50が傾斜しているが、四角柱状以外の素線で形成されていてもよい。
D 緩衝器
X1 ピストンロッドの中心線
X2 コイルばねの中心線
1 シリンダ
2 ピストンロッド
3 ロッドガイド(伸び切り規制部材)
4 ストッパ部材
5 リバウンド部材
6 傾斜補正手段
6a 肉厚部
6b 薄肉部
6d 位置決め突起
50 コイルばね
50b コイルばねを形成する素線の先端(コイルばねの巻き始め若しくは巻き終わり)
51 第一ホルダ
51b 保持部
51c 支承部

Claims (7)

  1. シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、
    上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、
    上記コイルばねは、四角柱状の素線を巻き回して形成されており、
    上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えることを特徴とする緩衝器。
  2. シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、
    上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、
    上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えるとともに、
    上記第一ホルダは、上記コイルばねの内側に圧入される環状の保持部と、上記保持部の反コイルばね側に連なり外径が上記保持部の外径よりも大きく形成されて上記コイルばねを支える環状の支承部とを備え、
    上記傾斜補正手段は、上記支承部と上記コイルばねとの間に介装される環板状のワッシャであり、肉厚の厚い肉厚部と、肉厚の薄い薄肉部とを備えていることを特徴とする緩衝器。
  3. シリンダと、上記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダに固定される伸び切り規制部材と、上記ピストンロッドの外周に固定されるストッパ部材と、上記ピストンロッドの外周に取り付けられて伸び切り時に上記ストッパ部材と上記伸び切り規制部材との間で圧縮されて伸び切り時の衝撃を緩和するリバウンド部材とを備え、
    上記リバウンド部材が、コイルばねと、上記コイルばねの一方側端部に固定され上記ストッパ部材に当接可能な第一ホルダとを備えている緩衝器において、
    上記コイルばねと上記第一ホルダとの間若しくは上記第一ホルダと上記ストッパ部材との間に配置され、上記コイルばねの中心線を上記ピストンロッドの中心線に合わせる方向に傾ける傾斜補正手段を備えるとともに、
    上記第一ホルダは、上記コイルばねの内側に圧入される環状の保持部と、上記保持部の反コイルばね側に連なり外径が上記保持部の外径よりも大きく形成されて上記コイルばねを支える環状の支承部とを備え、
    上記傾斜補正手段が、同一円周上に肉厚の厚い厚肉部と肉厚の薄い薄肉部を備える支承部であることを特徴とする緩衝器。
  4. 上記傾斜補正手段が、上記第一ホルダの反コイルばね側に一体形成される突起であることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  5. 上記第一ホルダが、傾斜したシート面をコイルばね側に備え、
    上記シート面を上記傾斜補正手段とすることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  6. 上記傾斜補正手段は、上記コイルばねの巻き始め若しくは巻き終わりが当接する位置決め突起を備えていることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
  7. 上記第一ホルダは、環状に形成されて上記ピストンロッドの外周に圧入されており、上記ストッパ部材に当接した状態に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の緩衝器。
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