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JP6130115B2 - 鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造およびその取付方法 - Google Patents

鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造およびその取付方法 Download PDF

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JP6130115B2 JP2012206871A JP2012206871A JP6130115B2 JP 6130115 B2 JP6130115 B2 JP 6130115B2 JP 2012206871 A JP2012206871 A JP 2012206871A JP 2012206871 A JP2012206871 A JP 2012206871A JP 6130115 B2 JP6130115 B2 JP 6130115B2
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Description

本発明は、ステアリングを支持するヘッドパイプと、ヘッドパイプから後方に延びるメインフレームと、メインフレームに取り付けられるハンドルロック機構とを備えた鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造およびその取付方法に関するものである。
自動二輪車のような鞍乗型車両では、盗難防止用にハンドルロック機構を設けたものがある(例えば、特許文献1)。ハンドルロック機構は、進退自在なロックピンを有し、このロックピンが、ヘッドパイプ、アッパブラケット等に設けたロック孔に進入することで、ハンドルが操向不能にロックされる。
特開平10−001079号公報
このようなハンドルロック機構を、ヘッドパイプ、アッパブラケット、ステアリングシャフト等からなるステアリング機構よりも後方のメインフレームに配置すれば、ステアリング機構の前方を小形化して車体の外観を向上させることができるとともに、ステアリング機構の周辺を簡素化することができる。しかしながら、特に、ヘッドパイプとメインフレームとが鋼製で溶接により連結されている場合、ヘッドパイプおよびメインフレームの製造誤差、溶接時の組立誤差等により、メインフレームに支持されるハンドルロック機構のロックピンと、ヘッドパイプに支持されるアッパブラケットのロック孔との位置決めが困難になる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、ロック孔とロックピンとの相対位置ずれを抑制できる鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造およびその取付方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1構成に係る鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造は、メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、前記ハンドルロック機構が、ロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、前記支持部材が、ロック操作時の前記ロック孔に前後方向に対向するメインフレーム第1位置で、第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で、他の締結部材により前記メインフレームに締結され、前記ロックピンは車幅方向中央部に位置し前後方向に進退自在であり、前記ロック孔はロック操作時において車幅方向中央部に位置し、前記メインフレーム第1位置は車幅方向中央部で前記他のメインフレーム位置よりも前記ヘッドパイプの近傍に設けられている
この構成によれば、支持部材がロック孔に対向するメインフレーム第1位置で締結されているので、ロック孔とロックピンとの相対位置ずれを抑制できる。また、メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置でもメインフレームに締結されているので、支持部材をメインフレームに強固に支持できる。これにより、メインフレームの製造および組立の精度が低い場合でも、ロックピンとロック孔の相対位置を精度よく確保できる。
本発明の第1構成において、前記第1締結部材の外径と前記メインフレーム第1位置に形成される挿通孔の内径との隙間が、前記他の締結部材の外径と前記他のメインフレーム位置に形成される挿通孔の内径との隙間よりも小さく形成されていることが好ましい。
本発明の第2構成に係る鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造は、メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、前記ハンドルロック機構が、ロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、前記支持部材が、前記ロック孔に対向するメインフレーム第1位置で第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で他の締結部材により前記メインフレームに締結され、前記他のメインフレーム位置はメインフレーム第2および第3位置を含み、前記他の締結部材は第2および第3締結部材を含み、前記支持部材は前記メインフレーム第2位置で、前記第2締結部材により前記メインフレームに締結され、さらに、前記第3締結部材によって、前記メインフレーム第1位置と前記メインフレーム第2位置とを結ぶ直線上とは異なる前記メインフレーム第3位置で、前記メインフレームに締結され、前記第1〜3締結部材は、前記支持部材の円形の第1〜第3挿通孔に挿通されるねじ体であり、前記第1締結部材の外径と第1挿通孔の内径との第1隙間が、前記第3締結部材の外径と前記第3挿通孔の内径との第3隙間よりも小さく形成されている
本発明の第3構成に係る鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造は、メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、前記ハンドルロック機構がロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、前記支持部材が、ロック操作時の前記ロック孔に前記ロックピンの進退方向に対向するメインフレーム第1位置で第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で他の締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置は、前記他のメインフレーム位置よりも前記ヘッドパイプの近傍に設けられている。
本発明の鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造およびその取付方法によれば、支持部材がロック孔に対向するメインフレーム第1位置で締結されているので、ロック孔とロックピンとの相対位置ずれを抑制できる。これにより、メインフレームの精度が低い場合でも、ロックピンとロック孔の相対位置を精度よく確保できる。
本発明の第1実施形態に係るハンドルロック機構取付構造を搭載した自動二輪車を示す側面図である。 同自動二輪車の前部を示す平面図である。 同自動二輪車のメインフレームの前部を示す平面図である。 同メインフレームの前部を示す側面図である。 同自動二輪車のイグニッションブラケットを示す平面図である。 同イグニッションブラケットを示す左側面図である。 同イグニッションブラケットを示す正面図である。 図3のメインフレームにスイッチブラケットを取り付けた状態を示す平面図である。 図4のメインフレームにスイッチブラケットを取り付けた状態を示す側面図である。 同ハンドルロック機構の取付方法を示すフロー図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書において、「左側」および「右側」は、車両に乗車した操縦者から見た左右側をいう。図1は本発明の一実施形態に係るハンドルロック機構取付構造を備えた鞍乗型車両の一種である自動二輪車の右側面図である。自動二輪車の車体フレームFRは、前半部を構成するメインフレーム1と、メインフレーム1の後部に連結されて後半部を構成するリヤフレーム2と、メインフレーム1の前部から後部にかけ渡された左右一対のサブフレーム4とからなっている。
メインフレーム1の前端に、ヘッドパイプ5が取り付けられ、このヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5a(図3)に回動自在に挿通されたステアリングシャフト7(図2)を介して、アッパブラケット6およびロワブラケット8がメインフレーム1に支持され、これらアッパブラケット6およびロワブラケット8にフロントフォーク10が支持され、このフロントフォーク10の下端部に前輪12が支持されている。フロントフォーク10の上端部のアッパブラケット6にはハンドル14が取り付けられている。つまり、ハンドル14を操向することで、アッパブラケット6、ステアリングシャフト7(図2)、ヘッドパイプ5およびフロントフォーク10を介して前輪12が操向する。
メインフレーム1は後ろ下がりに傾斜した後端部にスイングアームブラケット16が形成され、スイングアームブラケット16に、スイングアーム18の前端部がピボット軸20を介して揺動自在に支持されている。このスイングアーム18の後端部に後輪22が支持されている。メインフレーム1の中央部の下方位置には自動二輪車の駆動源であるエンジンEが搭載されており、このエンジンEによりチェーンのような伝達部材21を介して後輪22を駆動する。
エンジンEは内燃機関で、この実施形態では、4気筒4サイクルの並列多気筒エンジンであり、エンジンEの前面に、4本の排気管23が接続され、これら排気管23が前方に大きく湾曲したのち後方に向かって延びてエンジンEの下方で集合され、後輪22の右側に配置されたマフラ24に接続されている。
メインフレーム1の上部に燃料タンク26が配置されている。ヘッドパイプ5と燃料タンク26との間にイグニッションスイッチ30が配置され、メインフレーム1に支持されている。イグニッションスイッチ30の詳細は後述する。フロントフォーク10の前面にヘッドランプユニット28が支持されており、このヘッドランプユニット28に、フロントフォーク10の上部の前方を覆う樹脂製のフロントカウル31が支持されている。
エンジンEの前方斜め上方には、エンジン冷却媒体を放熱させるためのラジエータ32が配置されている。ラジエータ32の上方側方からサブフレーム4の上端部およびメインフレーム1の前部の外側方にかけて延びる左右一対の樹脂製のサイドカウル34が配置され、車体フレームFRに支持されている。エンジンEの下部に、樹脂からなる左右一対のロワカウル36が装着されている。
リヤフレーム2の上部には、操縦者用シート38および同乗者用シート40が装着されている。サイドカバー42が、操縦者用シート38の下方からエンジンEの後部まで延びて、サブフレーム4の後半部を外側方から覆っている。サイドカバー42の前端部からサイドカウル34の下部にまで延びるサブフレームカバー44がサブフレーム4に支持され、サブフレーム4の前半部を外側方から覆っている。
サイドカバー42を挟んで上下位置に、上部フレームカバー46と下部フレームカバー48とが配置されている。上部フレームカバー46は、サイドカウル34から燃料タンク26の下縁に沿ってサイドカバー42まで延び、メインフレーム1を外側方から覆っている。下部フレームカバー48は、サイドカバー42から下方に延び、スイングアームブラケット16を外側方から覆っている。
図2に示すように、前記イグニッションスイッチ30は、スイッチブラケット50を介してメインフレーム1の上面に取り付けられている。イグニッションスイッチ30は、その下部に連結されたハンドルロック機構52と一体となって、スイッチ・ユニット55を構成しており、ボルトのような締結部材54によりスイッチブラケット50に支持されている。つまり、スイッチブラケット50は、ハンドルロック機構52を支持する支持部材としても機能する。スイッチブラケット50は、第1〜第3の締結部材66,68,70により3点でメインフレーム1に支持されている。第1〜第3の締結部材66,68,70は、例えば、ワンウェイボルトからなるねじ体である。ワンウェイボルト以外のねじ体を用いることもできるが、その場合、汎用の工具が非嵌合となるような頭部形状のねじ体を用いるなどして、組立て後に容易に着脱できない構造とすることが好ましい。スイッチブラケット50の詳細は後述する。
ハンドルロック機構52は、前後方向に進退自在なロックピン56を有している。ロックピン56は、イグニッションスイッチ30をキー操作することにより進退し、ハンドル14をロックまたは解除する。アッパブラケット6の後部に、キーをロック操作した時に、ロックピン56が進出して係合するロック孔58が形成されている。ロック孔58は、ステアリングシャフト7の回転軸心Aを中心に放射状に2箇所形成され、ハンドル14を左右いずれかに切った状態で、ロックピン56と係合してロック可能となっている。
図3は車体フレームFRの前部の平面図で、図4は左側面図である。図3に示すように、メインフレーム1は、前後方向に延びる左右一対のパイプ形状の鋼製のフレーム片60,60の前端が、鋼製の鋳物であるヘッドパイプ5に溶接により連結され、左右一対のフレーム片60,60の前部60a,60aの上面に、板金製の取付部材62が溶接により連結されている。ヘッドパイプ5と左右のフレーム片60,60とは同種の金属で形成されているので、溶接が容易である。取付部材62は、スイッチブラケット50(図2)を車体に支持するための部材であり、板金のプレス成形により形成される本体64と、前記第1〜第3の締結部材66,68,70(図2)が螺合される第1〜第3のねじ孔72,74,76とを有している。
取付部材62の本体64は、スイッチブラケット50(図2)を支持する支持部62aと、支持部62aの左右方向両端から下方に屈曲してフレーム片60の外側を延在する結合部62b,62bとからなる。取付部材62は、結合部62b,62bがフレーム片60,60に溶接されることでメインフレーム1に一体化される。これにより、ヘッドパイプ5周辺の剛性が向上する。結合部62b,62bは、第2および第3のねじ孔74,76に対して、前側の領域および後側の領域の両方で溶接される。取付部材62は、平面視で後方に開くV字状に形成され、これにより、イグニッションスイッチ30(図2)の一部をフレーム片60,60の間の空間に配置することが可能となり、省スペース化を実現できる。本体64はプレス成形により形成されるので、スイッチブラケット50(図2)が支持される上面を平坦に形成できるとともに、第1〜第3のねじ孔72,74,76を、その軸が上面に対してほぼ直交するように形成できる。
第1〜第3のねじ孔72,74,76は、例えば、本体64に設けられた貫通孔に対応する位置に溶接された溶接ナットにより構成される。第1のねじ孔72は、ヘッドパイプ5の近傍、すなわち、本体64の前部で且つ車幅方向の中央部で、ロック操作時のロック孔58(図2)に後方から対向するメインフレーム第1位置78に形成されている。第1のねじ孔72は、平面視で、左右一対のフレーム片60,60の前部60a,60aの間に位置しており、これにより、溶接ナットがフレーム片60に干渉するのを防ぐことができる。第2のねじ孔74は、本体64の後部寄りの左側部のメインフレーム第2位置80に形成されている。第3のねじ孔76は、本体64の後部寄りの右側部のメインフレーム第3位置82に形成されている。第2および第3のねじ孔74,76は、平面視で、フレーム片60の車幅方向外側に位置しており、溶接ナットがフレーム片60に干渉するのを防いでいる。
メインフレーム第3位置82は、メインフレーム第1位置78とメインフレーム第2位置80とを結ぶ直線L上とは異なる位置であり、メインフレーム第1〜第3位置78,80,82は平面視で、メインフレーム第1位置78を頂点とした三角形を形成している。この実施形態では、第1〜第3のねじ孔72,74,76は溶接ナットで構成されているが、これに代えて、取付部材62の本体64に直接ねじ孔を形成することもできる。その場合、本体64におけるねじ孔が形成される部分を厚肉とすることが好ましい。
図5〜7はそれぞれ、スイッチブラケット50の平面図、左側面図、正面図である。スイッチブラケット50は鋳造品で、上部のイグニッションスイッチ収納部84と、下部のハンドルロック機構収納部86とを有している。イグニッションスイッチ収納部84は、上方に開口した筒部87を有し、図6に示すように、この筒部87の内部から上端が突出した状態でイグニッションスイッチ30が収納される。
図7に示すように、ハンドルロック機構収納部86は、前方に向いた開口88を有し、図6に示すように、この開口88から前方に突出した状態でハンドルロック機構52が収納される。
図5に示すように、筒部87とハンドルロック機構収納部86とを連結する連結部90に、上下方向を向いた貫通孔92が左右方向に並んで2つ形成されている。この貫通孔92に、図2の締結部材54が上方から挿通され、ハンドルロック機構52に形成されたねじ孔(図示せず)に締め付けることで、イグニッションスイッチ30およびハンドルロック機構52からなるスイッチ・ユニット55が、スイッチブラケット50に支持される。
スイッチブラケット50は、取付部材62の第1〜第3のねじ孔72,74,76(図3)に対応する位置、すなわちメインフレーム第1〜第3位置78,80,82(図8)のそれぞれに対応する位置に、上下方向を向いた第1〜3挿通孔94,96,98を有している。第1挿通孔94は、開口88の前壁を構成するブリッジ部86aに形成され、第2挿通孔96は連結部90の左側部に形成され、第3挿通孔98は連結部90の右側部に形成されている。
第2および第3挿通孔96,98は、第1挿通孔94よりも大きく形成されている。詳細には、円形の第1挿通孔94の内径をD1とすると、円形の第2挿通孔96の内径D2は、1.1〜1.3D1である。また、第3挿通孔98は左右方向(車幅方向)に長軸を有する楕円形であり、短軸の長さD3が1.1〜1.3D1で、長軸の長さD4が1.3〜1.5D1である。
換言すれば、第1〜第3締結部材66,68,70(図2)の外径をdとすると、第1締結部材66の外径dと第1挿通孔94の内径D1との第1隙間(D1―d)は、第2締結部材68の外径dと第2挿通孔96の内径D2との第2隙間(D2―d)、第3締結部材70の外径dと第3挿通孔98の短軸D3および長軸D4との第3隙間(D3−d)および(D4−d)よりも小さく形成されている。
スイッチブラケット50は、第1および第2挿通孔94,96の後方にタンクカバー取付部100,100がそれぞれ形成されている。各タンクカバー取付部100には上下方向を向いたねじ孔100a,100aが形成されている。図2に示すように、燃料タンク26のタンクカバー69の前端部に、斜め前方へ耳状に突出した一対の取付部69aが設けられており、各取付部69aの貫通孔(図示せず)に、上方からボルト102を挿通し、図5のねじ孔100aに締め付けることで、タンクカバー69(図2)の前部が車体に支持される。このように、スイッチブラケット50がタンクブラケットの一部を兼用することで、部品点数を削減することができる。
さらに、スイッチブラケット50は、第1および第2挿通孔94,96の前方に、図2のサイドカウル34を取り付けるためのサイドカウル取付部104,104がそれぞれ形成されている。各サイドカウル取付部104には上下方向を向いたねじ孔104a,104aが形成されている。図2に示すように、サイドカウル34の前端部に設けられた取付部106の貫通孔(図示せず)に、上方からボルト108を挿通し、図5のねじ孔104aに締め付けることで、サイドカウル34の前部が車体に支持される。このように、スイッチブラケット50がサイドカウルブラケットの一部を兼用することで、部品点数を削減することができる。
図8および図9はそれぞれ、図3および図4のメインフレーム1にスイッチブラケット50を取り付けた図である。図9に示すように、スイッチブラケット50は、メインフレーム1の取付部材62に支持されている。具体的には、図8に示すように、メインフレーム第1位置78において、スイッチブラケット50の第1挿通孔94に、第1締結部材66(図2)を挿通し、図3の取付部材62の第1のねじ孔72に締め付けることで、スイッチブラケット50の前部が位置決め固定される。
また、メインフレーム第2および第3位置80,82において、スイッチブラケット50の第2および第3挿通孔96,98に、第2および第3締結部材68,70(図2)を挿通し、図3の取付部材62の第2および第3のねじ孔74,76に締め付けることで、図8のスイッチブラケット50がメインフレーム1に固定される。
つぎに、ハンドルロック機構52の取付方法について説明する。図10に示すように、同取付け方法は、準備工程S1と、溶接工程S2と、締結工程S3と、支持工程S4とを有する。準備工程S1では、図4に示すヘッドパイプ5に左右のフレーム片60が溶接されたフレーム基体110と、取付部材62と、図5のスイッチブラケット50と、図2のアッパブラケット6とを準備する。
溶接工程S2では、図3のヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5aと取付部材62の第1ねじ孔72とを位置決めした状態で、フレーム片60と取付部材62とを溶接により連結してメインフレーム1を形成する。詳細には、図4に示すように、ステアリング挿通孔5aの中心軸心Bと第1のねじ孔72の中心軸Cとの相対角度θおよび相対距離Rを、治具を用いて位置決めした状態で、フレーム片60と取付部材62とを溶接する。相対距離Rは、ヘッドパイプ5の上端開口の中心位置と第1ねじ孔72の中心位置との水平距離である。ステアリング挿通孔5aの中心軸Bは、図2のステアリングシャフト7の回転軸心Aとほぼ一致する。
図3のヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5aは切削加工により形成される。本実施形態で用いられる治具は、ステアリング挿通孔5aと第1のねじ孔72との相対位置を位置決めするのに加えて、第2および第3のねじ孔74,76と、ステアリング挿通孔5aおよび第1のねじ孔72との相対位置も位置決めするように構成されている。これにより、各ねじ孔72,74,76とステアリング挿通孔5aとの相対位置が定まった状態で、フレーム片60と取付部材62とを溶接することができ、ロックピン56(図2)の嵌合不良を防ぐことができる。
締結工程S3では、取付部材62の第1ねじ孔72と、図8のスイッチブラケット50の第1挿通孔94とを位置合せした状態で、上述のように、第1〜第3締結部材66,68,70(図2)を用いて、メインフレーム1の取付部材62にスイッチブラケット50を取り付ける。さらに、支持工程S4では、図2のアッパブラケット6をヘッドパイプ5に支持する。
ロック孔58が設けられるアッパブラケット6はヘッドパイプ5に支持され、ロックピン56を有するハンドルロック機構52はスイッチブラケット50および取付部材62を介して、ヘッドパイプ5に連結されたフレーム片60に支持されているので、溶接工程S2においてヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5aと取付部材62の第1のねじ孔72とを位置決めし、締結工程S3において取付部材62の第1ねじ孔72とスイッチブラケット50の第1挿通孔94とを位置合せすることで、ロック孔58とロックピン56との相対位置が決まる。
上記構成において、図8に示すように、スイッチブラケット50がロック孔58(図2)に対向するメインフレーム第1位置78で締結されているので、図2のロック孔58とロックピン56との相対位置ずれを抑制できる。また、図8のメインフレーム第1位置78とは異なるメインフレーム第2および第3位置80,82でもメインフレーム1に締結されているので、スイッチブラケット50をメインフレーム1に強固に支持できる。
図9に示すヘッドパイプ5とフレーム片60とが溶接により連結され、フレーム片60に取付部材62が溶接により連結され、取付部材62にスイッチブラケット50が支持される。このため、製造誤差、組立誤差等による累積誤差が大きくなり、図2のロック孔58とロックピン56との相対誤差が大きくなる。また、第1〜第3締結部材66,68,70はワンウェイボルトからなり、取り付けた後で微調整しにくい。したがって、最初から精度よく取り付ける必要がある。上記構成では、図4の取付部材62の第1のねじ孔72とヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5aとの位置を合わせ、かつ、第1のねじ孔72と図8のスイッチブラケット50の第1挿通孔94との位置を合わせることで、メインフレーム1の精度が低い場合でも、図2のロックピン56とロック孔58の相対位置を精度よく確保できる。
図8に示すように、スイッチブラケット50は、メインフレーム第1〜3位置78,80,82の3点で支持されているので、スイッチブラケット50をメインフレーム1に対して面接触させることができ、メインフレーム1に対して傾斜するのを効果的に防ぐことができる。その結果、図2のロックピン56とロック孔58の相対位置をより精度よく確保できる。また、図5の第1挿通孔94の第1隙間(D1−d)が、第2挿通孔96の第2隙間(D2−d)、第3挿通孔98の第3隙間(D3−d)、(D4−d)よりも小さく形成されているので、図8のメインフレーム第1位置78において、図2のロックピン56とロック孔58の位置合せを精度よく行うとともに、図8のメインフレーム第2および第3位置80,82において、ヘッドパイプ5、メインフレーム1の製造誤差、組立誤差等を吸収できる。
図4に示すように、溶接工程S2において、取付部材62の第1のねじ孔72と、ヘッドパイプ5のステアリング挿通孔5aとを相対位置決めした状態で、フレーム片60と取付部材62とを溶接しているので、ステアリング挿通孔5aと第1のねじ孔72との相対位置が精度よく確保され、その結果、図2のロック孔58とロックピン56との相対位置ずれを抑えることができる。
本発明は、メインフレーム1とヘッドパイプ5とが鋳物による一体成形品でなく、メインフレーム1とヘッドパイプ5とが溶接によって固着される構造の鞍乗型車両に好適に用いられる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態では、スイッチブラケット50は3箇所でメインフレーム1に支持されているが、少なくともメインフレーム第1位置78を含む複数個所で支持されればよく、2箇所あるいは4箇所以上であってもよい。また、上記実施形態では、ハンドルロック機構52がイグニッションスイッチ30と一体構造となっているが、別体であってもよい。さらに、本発明のハンドルロック機構取付構造は、自動二輪車以外の鞍乗型車両にも適用可能で、三輪車、四輪車にも適用できる。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 メインフレーム
5 ヘッドパイプ
5a ステアリング挿通孔
6 アッパブラケット
7 ステアリングシャフト
50 スイッチブラケット(支持部材)
52 ハンドルロック機構
56 ロックピン
58 ロック孔
60 フレーム片
62 取付部材
66 第1締結部材
68 第2締結部材
70 第3締結部材
72 第1のねじ孔
74 第2のねじ孔
78 メインフレーム第1位置
80 メインフレーム第2位置
82 メインフレーム第3位置
94 第1挿通孔(締結部材挿通孔)
96 第2挿通孔(締結部材挿通孔)
98 第3挿通孔(締結部材挿通孔)
110 フレーム基体

Claims (4)

  1. メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、
    前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、
    前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、
    前記ハンドルロック機構が、ロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、
    前記支持部材が、ロック操作時の前記ロック孔に前後方向に対向するメインフレーム第1位置で、第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で、他の締結部材により前記メインフレームに締結され、
    前記ロックピンは、車幅方向中央部に位置し、前後方向に進退自在であり、
    前記ロック孔は、ロック操作時において、車幅方向中央部に位置し、
    前記メインフレーム第1位置は、車幅方向中央部で、前記他のメインフレーム位置よりも前記ヘッドパイプの近傍に設けられている鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造。
  2. 請求項1に記載の鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造において、前記第1締結部材の外径と前記メインフレーム第1位置に形成される挿通孔の内径との隙間が、前記他の締結部材の外径と前記他のメインフレーム位置に形成される挿通孔の内径との隙間よりも小さく形成されている鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造。
  3. メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、
    前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、
    前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、
    前記ハンドルロック機構が、ロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、
    前記支持部材が、前記ロック孔に対向するメインフレーム第1位置で、第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で、他の締結部材により前記メインフレームに締結され、
    前記他のメインフレーム位置は、メインフレーム第2および第3位置を含み、
    前記他の締結部材は第2および第3締結部材を含み、
    前記支持部材は、前記メインフレーム第2位置で、前記第2締結部材により前記メインフレームに締結され、さらに、前記第3締結部材によって、前記メインフレーム第1位置と前記メインフレーム第2位置とを結ぶ直線上とは異なる前記メインフレーム第3位置で、前記メインフレームに締結され、
    前記第1〜3締結部材は、前記支持部材の円形の第1〜第3挿通孔に挿通されるねじ体であり、
    前記第1締結部材の外径と第1挿通孔の内径との第1隙間が、前記第3締結部材の外径と前記第3挿通孔の内径との第3隙間よりも小さく形成されている鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造。
  4. メインフレームの前端に接続されたヘッドパイプと、
    前記ヘッドパイプに操向自在に支持されたアッパブラケットと、
    前記メインフレームの上面に取り付けられてハンドルロック機構を支持する支持部材とを備え、
    前記ハンドルロック機構が、ロック操作時に前記アッパブラケットのロック孔に係合するロックピンを有し、
    前記支持部材が、ロック操作時の前記ロック孔に前記ロックピンの進退方向に対向するメインフレーム第1位置で、第1締結部材により前記メインフレームに締結され、前記メインフレーム第1位置とは異なる他のメインフレーム位置で、他の締結部材により前記メインフレームに締結され、
    前記メインフレーム第1位置は、前記他のメインフレーム位置よりも前記ヘッドパイプの近傍に設けられている鞍乗型車両のハンドルロック機構取付構造。
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