以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成システムの例として、搬送される記録媒体に対して画像形成出力を実行する画像形成装置と、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であるクライアント端末から上記画像形成装置の動作を制御するためにそのクライアント端末にインストールされて制御プログラムとして利用されるプリンタドライバとを含む画像形成システムを例として説明する。
尚、本実施形態に係るプリンタドライバは、文書ファイル等の電子化された情報(以下、「印刷対象データ」とする)及び、指定された印刷条件に基づいてPDL(Page Description Laguage)データ等の画像データに変換して印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを画像形成装置に送信するように構成されている。また、本実施形態に係るプリンタドライバは、印刷対象データ及び印刷条件に基づいて、印刷結果のイメージである印刷プレビュー画面を表示させるための印刷プレビュー画面表示情報を生成し、生成した印刷プレビュー画面表示情報に基づいて印刷プレビュー画面をクライアント端末の表示部に表示するようになっている。
このような画像形成システムにおいて、本実施形態に係る要旨の一つは、プリンタドライバがインストールされた情報処理装置において、印刷ジョブの生成処理及び送信処理と印刷プレビュー画面の表示処理とを並行して実行することにある。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、画像形成装置に画像形成出力を実行させる際に、ユーザの待ち時間を短縮させることが可能となる。以下、詳細に説明する。
まず、図1を参照して本実施形態に係る画像形成システムの運用形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの運用形態の例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システムは、画像形成装置1、クライアント端末2がEthernet(登録商標)等のネットワーク3を介して接続されて運用される。尚、ネットワーク3に接続されている画像形成装置やクライアント端末の数は一例であり、これらがより多く接続された大規模なシステムであっても良い。また、画像形成装置とクライアント端末とが異なるネットワークに接続され、それらのネットワークが公衆回線等の広域ネットワークを介して接続されて運用されても良い。
画像形成装置1は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。また、画像形成装置1は、クライアント端末2からネットワーク3を介して送信されてきた印刷ジョブに含まれる画像データに基づいてCMYK若しくはモノクロの描画データを生成し、生成された描画データに基づいて画像形成出力を実行するカラープリンタやモノクロプリンタとしての機能を有する。
クライアント端末2は、ユーザが操作する情報処理端末であり、PC等の情報処理装置によって実現される。尚、クライアント端末2は、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末、スマートフォン、タブレット端末等によって実現されても良い。また、クライアント端末2は、画像形成装置1を制御するためのプリンタドライバがインストールされている。従って、本実施形態に係るクライアント端末2は、ユーザ操作により、印刷対象データをPDLデータ等の画像データに変換して、画像形成装置1に印刷を行わせるための印刷ジョブを生成し、ネットワーク3を介して送信することができる。尚、画像形成装置1が印刷対象データそのものを処理できる場合には、その印刷対象データを画像データとしても良い。
尚、図1におけるネットワーク3は、例えば、オフィスLAN(Local Area Network)等の限定されたネットワークであるが、インターネットや公衆回線等の広域ネットワークを介して接続される態様とすることも可能である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1、クライアント端末2のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るクライアント端末2のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。尚、画像形成装置1は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。以下の説明においては、クライアント端末2のハードウェア構成を例として説明するが、画像形成装置1についても同様である。
図2に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、一般的なサーバやPC等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係るクライアント端末2は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、クライアント端末2全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザがクライアント端末2の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザがクライアント端末2に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るクライアント端末2の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1及びクライアント端末2の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1及びクライアント端末2の機能構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成部110、データ管理部120、データ記憶部130、ディスプレイパネル140、ネットワークI/F150を有する。尚、図3において図示しないが、本実施形態に係る画像形成装置1は、この他、スキャナユニット、ファクシミリユニット等、複合機として機能するためのユニットを有する。
画像形成部110は、入力された印刷ジョブに基づいて画像形成出力を実行する画像形成部であり、画像処理部111、エンジン制御部112、プリントエンジン113を有する。画像形成部110は、入力された印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて印刷出力すべき描画データを生成する。この描画データとは、画像形成部であるプリントエンジン113が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。エンジン制御部112は、プリントエンジン113を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。即ち、本実施形態においては、エンジン制御部112が画像形成出力制御部として機能する。プリントエンジン113は、エンジン制御部112の制御に従って、画像処理部110により生成された描画データに基づいて画像形成出力を実行する。即ち、本実施形態においては、プリントエンジン113が画像形成出力部として機能する。
データ管理部120は、入力された印刷ジョブ等のデータをデータ記憶部130に記憶させ、若しくは、データ記憶部130に記憶されている印刷ジョブ等のデータを削除する等、データの管理を行う。データ記憶部130は、入力された印刷ジョブ等のデータを記憶する。尚、データ記憶部130は、図2に示すRAM20等の揮発性の記憶媒体や、HDD40等の不揮発性の記憶媒体によって実現される。
ディスプレイパネル140は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し、若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル140は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル140は、図2に示すLCD60及び操作部70によって実現される。ネットワークI/F150は、画像形成装置1がネットワークを介してクライアント端末2等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。尚、ネットワークI/F150は、図2に示すI/F50によって実現される。
また、図3に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2は、OS(Operating System)200、アプリケーション300、プリンタドライバ400、データ記憶部500、ディスプレイパネル600、ネットワークI/F700を有する。
OS200は、Microsoft Windows(登録商標)、Linux(登録商標)等のオペレーティングシステムである。アプリケーション300は、クライアント端末2の利用者が、テキスト編集プログラム、ワードプロセッサ、表計算ソフト等、クライアント端末2上で実行したい作業を実施する機能を直接的に有するソフトウェアである。プリンタドライバ400は、画像形成装置1を使用するためのデバイスドライバであって、上述したように、画像形成装置1に印刷を行わせるための印刷ジョブを生成する。また、本実施形態に係るプリンタドライバ400は、上述したように、印刷対象データ及び印刷条件に基づいて、印刷結果のイメージである印刷プレビュー画面を表示させるための印刷プレビュー画面表示情報を生成し、生成した印刷プレビュー画面表示情報に基づいて印刷プレビュー画面をクライアント端末2のLCD60に表示する。
尚、アプリケーション300は、OS200に対して印刷条件設定画面を表示するための指示を通知し、若しくは、印刷対象データ及び印刷条件を通知し、また、OS200は、アプリケーション300から通知された指示や画像情報をプリンタドライバ400に通知する。その結果、プリンタドライバ400は、OS200から通知された指示に従ってクライアント端末2のLCD60に印刷条件設定画面を表示し、若しくは、OS200から通知された印刷対象データ及び印刷条件に基づいて印刷プレビュー画面表示情報を生成して、生成した印刷プレビュー画面表示情報に従って印刷プレビュー画面をLCD60に表示すると共に、OS200から通知された印刷対象データ及び印刷条件に基づいて印刷ジョブを生成して、生成した印刷ジョブを画像形成装置1にネットワーク3を介して送信する。
データ記憶部500は、プリンタドライバ400が生成した画像データや印刷設定情報、印刷対象データ等のデータを記憶する。尚、データ記憶部500は、図2に示すRAM20等の揮発性の記憶媒体や、HDD40等の不揮発性の記憶媒体によって実現される。ディスプレイパネル600は、クライアント端末2の状態を視覚的に表示する出力インタフェースである。ディスプレイパネル600は、図2に示すLCD60によって実現される。
ネットワークI/F700は、クライアント端末2がネットワークを介して画像形成装置1等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。尚、ネットワークI/F700は、図2に示すI/F50によって実現される。
次に、本実施形態に係るプリンタドライバ400の機能構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るプリンタドライバ400の機能構成を模式的にしめすブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係るプリンタドライバ400は、印刷モジュール410、プレビューモジュール、通信部430を有する。
印刷モジュール410は、印刷ジョブの生成に関する処理を行うモジュールであって、印刷条件設定画面表示部411、印刷条件設定情報記憶部412、印刷条件設定部413、印刷ジョブ生成部414、印刷ID発行部415を有する。印刷条件設定画面表示部411は、印刷条件設定画面をディスプレイパネル600に表示するための処理を行う。
印刷条件設定情報記憶部412は、例えば、印刷枚数の指定範囲や、変倍の指定範囲、ステープルの設定の有無、集約の設定の有無など、プリンタドライバ400が設定可能な印刷条件の項目やその各項目の設定範囲・設定形式に関する情報である印刷条件設定情報を記憶している。印刷条件設定部413は、印刷条件設定画面における情報の入力や指定を受け付ける。印刷ジョブ生成部414は、印刷条件設定画面において指定された印刷対象データ及び印刷条件に基づいて印刷ジョブを生成する。尚、印刷条件設定情報記憶部412は、図2に示すHDD40によって実現される。
印刷ID発行部415は、印刷ジョブ生成部414により生成された複数の印刷ジョブをそれぞれ区別するための印刷IDを発行する。尚、この印刷IDは、クライアント端末2が備えるネットワーク機器のMAC(Media Access Control)アドレスやクライアント端末2のホスト名、クライアント端末2のIPアドレス、クライアント端末2を操作するユーザ名、印刷対象データとなる印刷ファイルのファイルやドキュメント名、印刷ジョブ生成時の時刻や日付等を基にして発行される。
プレビューモジュール420は、印刷プレビュー画面をディスプレイパネル600に表示させるための処理を行い、また、印刷プレビュー画面における印刷条件の変更を受け付けるためのモジュールであって、印刷プレビュー画面表示部421、印刷条件変更部422を有する。印刷プレビュー画面表示部421は、印刷プレビュー画面をディスプレイパネル600に表示させるための処理を行う。印刷条件変更部422は、印刷プレビュー画面における印刷条件の変更を受け付ける。
通信部430は、ネットワークI/F700を介して画像形成装置1から受信した情報をプリンタドライバ400の各部に通知し、また、プリンタドライバ400の各部から通知された情報をネットワークI/F700を介して画像形成装置1に送信する。
尚、図4に示したように、本実施形態においては、プレビューモジュール420がプリンタドライバ400に備えられる例について説明するが、他の例として、クライアント端末2が、プリンタドライバ400とは別に、プレビューモジュール420と同一の機能を有する専用のアプリケーションを備えていても良いし、OS200が標準的に備える描画エンジンであるGDI(Graphics Device Interface)機能によりプレビューモジュール420と同一の機能が実現されても良い。
このような画像形成システムにおいて、本実施形態に係る要旨の一つは、プリンタドライバ400がインストールされたクライアント端末2において、印刷ジョブの生成処理及び送信処理と印刷プレビュー画面の表示処理とを並行して実行することにある。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際に、ユーザの待ち時間を短縮させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る画像形成システムが画像形成出力を実行する際の処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成システムが画像形成出力を実行する際の、クライアント端末2における処理を説明するためのシーケンス図である。
本実施形態に係る画像形成システムに画像形成出力を実行させる際にはまず、ユーザがクライアント端末2を操作することにより起動中のアプリケーション300に対して印刷指示を入力する必要がある。ユーザが印刷指示をアプリケーション300に入力すると、図5に示すように、アプリケーション300は、印刷指示の入力を受け付け(S501)、ディスプレイパネル600に画像形成装置選択画面を表示させるための画像形成装置選択画面表示情報を生成する(S504)。ここで、画像形成装置選択画面とは、図9に示すように、クライアント端末2に接続されて、クライアント端末2から画像形成出力を実行させることが可能な画像形成装置1の一覧を表示する画面である。図9は、本実施形態に係る画像形成装置選択画面の表示例を示す図である。
アプリケーション300は、生成した画像形成装置選択画面表示情報に基づいて、ディスプレイパネル600に画像形成装置選択画面を表示して(S503)、画像形成出力を実行させるための画像形成装置をユーザに選択させる。ユーザがクライアント端末2を操作することにより、画像形成装置選択画面からいずれかの画像形成装置を選択すると、アプリケーション300は、画像形成装置の選択を受け付け(S504)、選択された画像形成装置に応じたプリンタドライバ400に印刷指示を通知する(S505)。
プリンタドライバ400は、OS200から印刷指示が通知されると、ディスプレイパネル600に、図10に示すような印刷条件設定画面を表示させるための印刷条件設定画面表示情報を生成する(S506)。プリンタドライバ400は、生成した印刷条件設定画面表示情報に基づいて、OS200及びアプリケーション300を介してディスプレイパネル600に印刷条件設定画面を表示し(S507)、印刷対象データ及び印刷条件をユーザに指定させる。以下では、印刷対象データ及び印刷条件をまとめて「印刷データ」とする。
ここで、図10は、本実施形態に係る印刷条件設定画面の表示例を示す図である。図10に示すように、本実施形態に係る印刷条件設定画面には、「機能」欄として、画像形成装置1が備える機能の一覧が表示されており、「印刷条件」欄として、「機能」欄に表示されている機能毎に、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際の印刷条件が指定可能なように表示されている。また、「機能」欄の「印刷ファイル」は、印刷対象データとなる印刷ファイルの格納場所をユーザ操作により入力する項目である。従って、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、クライアント端末2から画像形成装置1に画像形成出力を実行させると、この「印刷ファイル」欄に入力された格納場所に格納されている印刷ファイルが印刷されることになる。このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、ユーザは、図10に示すような印刷条件設定画面において印刷対象データ及び印刷条件を指定することができる。
また、図10に示すように、本実施形態に係る印刷条件設定画面には「プレビュー」ボタンが配置されており、ユーザ操作により印刷データが指定され、この「プレビュー」ボタンが押下されると、本実施形態に係るプリンタドライバ400は、指定された印刷データに基づいて、図11に示すような印刷プレビュー画面をディスプレイパネル600に表示する。図11は、本実施形態に係る印刷プレビュー画面の表示例を示す図である。図11に示すように、本実施形態に係る印刷プレビュー画面には、印刷結果のイメージである印刷プレビューと、変更可能な印刷条件の一覧が表示された印刷条件変更一覧が表示されている。
尚、印刷対象データとしては、PDF(Portable Document Format)形式のデータやXPS(XML Paper Specification)形式のデータ等がある。特に、印刷対象データがXPS形式のデータである場合、「Print Capability」により印刷条件としての各設定項目やその各設定項目の設定範囲・設定形式等を定義し、定義された各設定項目に対して「Print Ticket」により具体的な値や形式を指定することにより、印刷条件が指定される。即ち、「Print Capability」は、印刷条件設定情報記憶部412に記憶されている印刷条件設定情報に相当し、「Print Ticket」は、印刷条件設定画面により指定される印刷条件に相当する。
そして、ユーザがクライアント端末2を操作することにより、印刷条件設定画面において印刷対象データ及び印刷条件を指定すると、アプリケーション300は指定された印刷データを受け付けて、OS200を介してプリンタドライバ400に通知する(S508)。プリンタドライバ400は、アプリケーション300からOS200を介して指定された印刷データを通知されると、通知された印刷データに基づいて印刷ジョブを生成し(S509)、生成した印刷ジョブをOS200を介して画像形成装置1に送信する(S510)。尚、S507〜S511の処理の詳細については、図6及び図7を参照して後述する。
また、本実施形態においては、図5において示したように、印刷指示の入力の受付(S501)や、画像形成装置選択画面の生成、表示(S502、S503)、画像形成装置の選択の受付(S504)、印刷指示の通知(S505)、指定された印刷データの受け付け(S508)は、アプリケーション300により行われ、OS200を介してプリンタドライバ400に通知される例について説明したが、上記各処理は、OS200により行われても良いし、プリンタドライバ400が直接行っても良い。
次に、本実施形態に係る画像形成システムが画像形成出力を実行する際の処理について、図6〜図8、図13〜図16を参照して説明する。図6及び図7は、本実施形態に係るクライアント端末2が画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際の処理を説明するためのフローチャートである。図8、図13〜図16は、本実施形態に係る画像形成装置1が画像形成出力を実行する際の処理を説明するためのフローチャートである。
図6に示すように、本実施形態に係るクライアント端末2が画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際にはまず、印刷条件設定画面表示部411は、ディスプレイパネル600に、図10に示すような印刷条件設定画面を表示させるための印刷条件設定画面表示情報を生成して(S601)、OS200及びアプリケーション300を介してディスプレイパネル600に印刷条件設定画面を表示し(S602)、印刷対象データ及び印刷条件をユーザに指定させる。
そして、ユーザがクライアント端末2を操作することにより、印刷条件設定画面において印刷対象データ及び印刷条件を指定して、「プレビュー」ボタン、「印刷」ボタン、「キャンセル」ボタンのいずれかを押下すると、印刷条件設定部413は、OS200及びアプリケーション300を介して「プレビュー」ボタン、「印刷」ボタン、「キャンセル」ボタンのいずれが押下されたのかを判定する(S603)。
印刷条件設定部413が、S603の判定処理において、「キャンセル」ボタンが押下されたと判定した場合には(S603/キャンセル)、クライアント端末2は、本実施形態に係る画像形成システムに画像形成出力を実行させる際の処理を終了する(エンド)。
また、印刷条件設定部413は、S603の判定処理において、「印刷」ボタンが押下されたと判定した場合には(S603/印刷)、OS200及びアプリケーション300を介して指定された印刷対象データ及び印刷条件を受け付けて(S604)、「印刷」ボタンか「プレビュー」ボタンのどちらのボタンが押下されたかを示す情報であるボタン押下情報Aを生成し(S605)、指定された印刷データ及び生成したボタン押下情報Aを、印刷ジョブ生成部414に通知する。即ち、本実施形態においては、印刷条件設定部413が、出力条件受付部として機能し、印刷対象データ及び印刷条件(印刷データ)が、出力条件として受け付けられる。
印刷ジョブ生成部414は、印刷条件設定部413から印刷データ及びボタン押下情報Aを通知されると、通知されたボタン押下情報Aを解析して「印刷」ボタンが押下されたことを検知し(S606)、通知された印刷データをPDLデータ等の画像データに変換して、その画像データ及び印刷の実行を指示するためのコマンドである印刷実行コマンドを含む印刷ジョブを生成する(S607)。そして、印刷ジョブ生成部414は、生成した印刷ジョブを、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S608)。そして、クライアント端末2は、本実施形態に係る画像形成システムに画像形成出力を実行させる際の処理を終了する(エンド)。
一方、印刷条件設定部413は、S603の判定処理において、「プレビュー」ボタンが押下されたと判定した場合には(S603/プレビュー)、OS200及びアプリケーション300を介して指定された印刷データを受け付け(S609)、ボタン押下情報Aを生成し(S610)、指定された印刷データ及び生成したボタン押下情報Aを印刷ジョブ生成部414に通知すると共に、指定された印刷データを印刷プレビュー画面表示部421に通知する。
印刷ジョブ生成部414は、印刷条件設定部413から印刷データ及びボタン押下情報Aを通知されると、ボタン押下情報Aを解析して「プレビュー」ボタンが押下されたことを検知し(S611)、印刷ID発行部415に印刷IDを発行させて(S612)、発行させた印刷IDと印刷条件設定部413から通知された印刷データとを関連付けてデータ記憶部500に記憶させる(S613)。即ち、本実施形態においては、印刷ID発行部415が、実行命令識別情報生成部として機能し、印刷IDが実行命令識別情報として生成される。また、本実施形態においては、データ記憶部500が、出力条件記憶部として機能し、印刷ジョブ生成部414が、出力条件記憶制御部、関連付部として機能する。このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷IDと印刷データとを関連付けてデータ記憶部500に記憶させるため、印刷IDに基づいて印刷データを容易に識別でき、また、データ記憶部500から印刷データを容易に参照することが可能となる。
印刷ジョブ生成部414は、印刷データと印刷ID発行部415に発行させた印刷IDとを関連付けてデータ記憶部500に記憶させると、印刷条件設定部413から通知された印刷データをPDLデータ等の画像データに変換して、その画像データ及び印刷待機を指示するためのコマンドである印刷待機コマンドを含む印刷ジョブを生成し(S614)、生成した印刷ジョブ及び上記印刷IDを通信部430に通知する。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414が、命令生成部として機能し、印刷ジョブが、実行命令として生成され、印刷待機コマンドが待機命令として生成される。
通信部430は、印刷ジョブ生成部414から印刷ID及び印刷ジョブを通知されると、通知された印刷ID及び印刷ジョブをセットにして、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S615)。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414及び通信部430が、命令送信部として機能する。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷IDと印刷ジョブとが関連付けられて画像形成装置に送信されるため、画像形成装置においては印刷IDに基づいて印刷ジョブを容易に識別でき、また、印刷ジョブを容易に参照することが可能となる。また、このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷条件設定画面において「プレビュー」ボタンが押下されると、印刷プレビュー画面が表示されると同時に、印刷ジョブが生成されて画像形成装置に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる段階には既に印刷ジョブが画像形成装置1に送信されているため、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際に、ユーザの待ち時間を短縮させることが可能となる。
また、このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷条件設定画面において「プレビュー」ボタンが押下されると、印刷プレビュー画面が表示されると同時に、印刷待機コマンドを含む印刷ジョブが生成されて画像形成装置に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、印刷条件設定画面において「プレビュー」ボタンが押下されて画像形成装置1に印刷ジョブが送信されても、画像形成装置1は、画像形成出力を実行せずに待機することが可能となる。
一方で、印刷プレビュー画面表示部421は、印刷条件設定部413から印刷データを通知されると、S609〜S615の処理と並行して、以下で説明するS616、S617の処理を行う。
即ち、印刷プレビュー画面表示部421は、印刷条件設定部413から印刷データを通知されると、ディスプレイパネル600に、図11に示すような印刷プレビュー画面を表示させるための印刷プレビュー画面表示情報を生成して(S616)、OS200及びアプリケーション300を介してディスプレイパネル600に印刷プレビュー画面を表示する(S617)。即ち、本実施形態においては、印刷プレビュー画面表示部421が、情報表示制御部として機能し、ディスプレイパネル600が、表示部として機能し、印刷プレビュー画面が出力結果に関する情報として表示部に表示される。
そして、通信部430が印刷ID及び印刷ジョブをセットにして、画像形成装置1に送信し(S615)、また、印刷プレビュー画面表示部421がディスプレイパネル600に印刷プレビュー画面を表示すると(S617)、本実施形態に係るクライアント端末2は、図7に示すS701以降の処理を行う(S618)。このように、本実施形態によれば、画像形成装置を動作させて画像形成出力を実行させる場合、一旦、印刷プレビュー画面にて印刷結果のイメージをユーザ自身が確認することができるので、実際に画像形成装置に画像形成出力を実行させる前にユーザが望む印刷結果となっているか否かを予め確認することが可能となり、印刷の失敗を低減させることが可能となっている。
即ち、本実施形態に係るクライアント端末2は、S615及びS617の処理を完了すると、図7に示すように、印刷条件変更部422において、印刷プレビュー画面における印刷条件変更一覧での印刷条件の変更を検知せずに(S701/NO)、ユーザがクライアント端末2を操作することにより、「印刷」ボタン若しくは「キャンセル」ボタンのいずれかを押下すると、OS200及びアプリケーション300を介して、「印刷」ボタン若しくは「キャンセル」ボタンのどちらが押下されたのかを判定する(S702)。
印刷条件変更部422は、S702の判定処理において、「印刷」ボタンが押下されたと判定した場合には(S702/印刷)、「印刷」ボタンか「キャンセル」ボタンのどちらのボタンが押下されたかを示す情報であるボタン押下情報Bを生成し(S703)、生成したボタン押下情報Bを印刷ジョブ生成部414に通知する。
印刷ジョブ生成部414は、印刷条件変更部422からボタン押下情報Bを通知されると、通知されたボタン押下情報Bを解析して「印刷」ボタンが押下されたことを検知し(S704)、印刷待機を解除して印刷の実行を開始させるためのコマンドである印刷開始コマンドを含む印刷ジョブを生成して(S705)、生成した印刷ジョブ及びS612の処理において印刷ID発行部415に発行させた印刷IDを通信部430に通知する。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414が、実行開始指示受付部として機能し、ユーザによる「印刷」ボタンの押下が、印刷開始指示として受け付けられる。また、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414が、実行開始命令生成部として機能し、印刷開始コマンドが、実行開始命令として生成される。通信部430は、印刷ジョブ生成部414から印刷ジョブ及び印刷IDを通知されると、通知された印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S706)。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414及び通信部430が、実行開始命令送信部として機能する。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷プレビュー画面において「印刷」ボタンが押下されると、上記印刷開始コマンドが生成されて画像形成装置1に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、印刷プレビュー画面において「印刷」ボタンが押下されると、画像形成装置1は、即座に画像形成出力の実行を開始することが可能となるため、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際に、ユーザの待ち時間を短縮させることが可能となる。
印刷ジョブ生成部414は、通信部430が印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして画像形成装置1に送信すると、その印刷IDに関連付けられている印刷データをデータ記憶部500から削除する(S707)。そして、クライアント端末2は、本実施形態に係る画像形成システムに画像形成出力を実行させる際の処理を終了する(エンド)。
尚、本実施形態においては、クライアント端末2は、通信部430が印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして画像形成装置1に送信すると、その印刷IDに関連付けられている印刷データをデータ記憶部500から削除する(S707)例について説明したが、通信部430が印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして画像形成装置1に送信しても印刷データをデータ記憶部500から削除せず、画像形成装置1から上記印刷IDに関する印刷ジョブについての印刷完了通知を受信してからその印刷IDに関連付けられている印刷データをデータ記憶部500から削除するように構成されていても良い。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、画像形成装置1に印刷開始コマンドが送信されると、即ち、画像形成装置1が画像形成出力の実行を開始すると、印刷データがデータ記憶部500から自動的に削除されるので、ユーザが意識的に印刷データの削除操作を行うことなく、クライアント端末2の記憶領域を効率的に使用することが可能となる。
また、印刷条件変更部422は、S702の判定処理において、「キャンセル」ボタンが押下されたと判定した場合には(S702/キャンセル)、ボタン押下情報Bを生成し(S708)、生成したボタン押下情報Bを印刷ジョブ生成部414に通知する。
印刷ジョブ生成部414は、印刷条件変更部422からボタン押下情報Bを通知されると、通知されたボタン押下情報Bを解析して「キャンセル」ボタンが押下されたことを検知し(S709)、印刷ジョブの削除を指示するためのコマンドである削除コマンドを含む印刷ジョブを生成して(S710)、生成した印刷ジョブ及びS612の処理において印刷ID発行部415に発行させた印刷IDを通信部430に通知する。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414が、削除命令生成部として機能し、削除コマンドが、削除命令として生成される。通信部430は、印刷ジョブ生成部414から印刷ジョブ及び印刷IDを通知されると、通知された印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S711)。即ち、本実施形態においては、印刷ジョブ生成部414及び通信部430が、削除命令送信部として機能する。
印刷ジョブ生成部414は、通信部430が印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして画像形成装置1に送信すると、その印刷IDに関連付けられている印刷データをデータ記憶部500から削除する(S712)。そして、クライアント端末2は、本実施形態に係る画像形成システムに画像形成出力を実行させる際の処理を終了する(エンド)。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷プレビュー画面において「キャンセル」ボタンが押下されると、削除コマンドが生成されて画像形成装置1に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、印刷プレビュー画面において「キャンセル」ボタンが押下されると、画像形成装置1は、画像形成出力の実行を待機している印刷ジョブを自動的に削除するため、ユーザが意識的に印刷ジョブの削除操作を行うことなく、画像形成装置1の記憶領域を効率的に使用することが可能となる。
一方、印刷条件変更部422は、ユーザがクライアント端末2を操作することにより、「印刷」ボタン若しくは「キャンセル」ボタンのいずれかを押下する前に、印刷プレビュー画面における印刷条件変更一覧で印刷条件を変更されることによりOS200及びアプリケーション300を介して印刷条件が変更されたことを検知すると(S701/YES)、印刷条件の変更を受け付けて(S713)、その変更が画像形成装置側で対応可能か否かを判定する(S714)。即ち、本実施形態においては、印刷条件変更部422が、出力条件変更受付部として機能する。ここで、画像形成装置側で対応できる変更は、例えば、「部数」の変更、「用紙サイズ」の変更、「給紙トレイ」の変更等、印刷データを改めてPDLデータ等の画像データに変換する必要がない変更である。反対に、画像形成装置側で対応できない変更は、「変倍」の変更、「印刷品質」の変更等、印刷データを改めてPDLデータ等の画像データに変換する必要がある変更である。
印刷条件変更部422は、S714の判定処理において、画像形成装置側で対応可能であると判定した場合には(S714/YES)、S612の処理において印刷ID発行部415に発行させた印刷IDに関連付けられている印刷データをデータ記憶部500から読出し(S715)、読み出した印刷データに対して印刷条件の変更を反映させ(S716)、変更を反映させた印刷データを印刷プレビュー画面表示部421に通知する。
印刷プレビュー画面表示部421は、印刷条件変更部422から印刷条件の変更が反映された印刷データを通知されると、印刷条件の変更が反映された印刷データに基づいて再度、印刷プレビュー画面表示情報を生成して(S717)、OS200及びアプリケーション300を介してディスプレイパネル600に表示されている印刷プレビュー画面を、印刷条件の変更が反映された印刷プレビュー画面に更新する(S718)。
ここで、印刷条件の変更が反映された印刷プレビュー画面を図12に示す。図12は、本実施形態に係る印刷プレビュー画面の表示例を示す図である。即ち、印刷条件が変更される前の印刷プレビュー画面の表示例である図11と、印刷条件が変更されて更新された印刷プレビュー画面の表示例である図12とを比較した場合、「原稿方向」が「縦」から「横」に、また、「変倍」が「100%」から「50%」に変更されているため、図12においては、その変更が反映された印刷プレビューが表示されている。
また、印刷条件変更部422は、読み出した印刷データに対して印刷条件の変更を反映させると(S716)、S717及びS718の処理と並行して、印刷条件の変更を反映させた印刷データと、S612の処理において印刷ID発行部415に発行させた印刷IDとを関連付けてデータ記憶部500に記憶させる(S719)。このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷プレビュー画面において印刷条件が変更されると、印刷条件の変更が反映された印刷データがデータ記憶部500に記憶されるため、クライアント端末2は、最新の印刷データを記憶することが可能となる。
印刷条件変更部422は、印刷条件の変更を反映させた印刷データと印刷IDとを関連付けてデータ記憶部500に記憶させると、印刷ジョブの変更を指示するためのコマンドである変更コマンド、変更された部分のみに関する印刷条件(以下、「変更印刷条件」とする)を含む印刷ジョブを生成して(S720)、生成した印刷ジョブ及び上記印刷IDを通信部430に通知する。即ち、本実施形態においては、変更印刷条件が、変更条件として受け付けられ、印刷条件変更部422が、変更命令生成部として機能し、変更コマンドが、変更命令として生成される。
通信部430は、印刷ジョブ生成部414から印刷ジョブ及び印刷IDを通知されると、通知された印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S721)。即ち、本実施形態においては、印刷条件変更部422及び通信部430が、変更命令送信部として機能する。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷プレビュー画面において画像形成装置側で対応可能な印刷条件が変更されると、変更コマンド及び変更印刷条件が生成されて画像形成装置1に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、印刷プレビュー画面において画像形成装置側で対応可能な印刷条件が変更されると、画像形成装置1は、画像形成出力の実行を待機している印刷ジョブに対して即座に上記変更を反映させることが可能となる。
一方、印刷条件変更部422は、S714の判定処理において、画像形成装置側で対応可能でないと判定した場合には(S714/NO)、S715〜S719と同様の処理を行い(S722〜S726)、印刷条件の変更が反映された印刷データをPDLデータ等の画像データに変換し、その画像データ及び古い印刷ジョブを削除して新たに受信した印刷ジョブを記憶させることを指示するためのコマンドである上書コマンドを含む印刷ジョブを生成し(S727)、生成した印刷ジョブ及びS612の処理において印刷ID発行部415に発行させた印刷IDを通信部430に通知する。即ち、本実施形態においては、上書コマンドが、変更命令として生成される。
尚、上述したように、印刷条件の変更が画像形成装置側で対応できない場合には、プリンタドライバ400は、印刷条件の変更が反映された印刷データを改めてPDLデータ等の画像データに変換しなければならないので、このとき生成された印刷ジョブには、印刷条件の変更が反映された印刷データに基づく画像データが含まれることになる。
通信部430は、印刷条件変更部422から印刷ジョブ及び印刷IDを通知されると、通知された印刷ジョブ及び印刷IDをセットにして、画像形成装置選択画面において選択された画像形成装置にOS200を介してネットワークI/F700から送信する(S728)。
このように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、印刷プレビュー画面において画像形成装置側で対応可能でない印刷条件が変更されると、上書コマンド及び変更が反映された印刷ジョブが生成されて画像形成装置1に送信される。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、印刷プレビュー画面において画像形成装置側で対応可能でない印刷条件が変更されると、画像形成装置1は、画像形成出力の実行を待機している印刷ジョブに対して即座に変更が反映された印刷ジョブを上書きすることが可能となる。
尚、S608若しくはS615の処理において送信された印刷ジョブと、S706、S711、S721、S728の何れかの処理において送信された印刷ジョブとを区別するために、以下では、S608若しくはS615の処理において送信された印刷ジョブを印刷ジョブAとし、S706、S711、S721、S728の何れかの処理において送信された印刷ジョブを印刷ジョブBとする。
一方、画像形成装置1側では、図8に示すように、クライアント端末2から印刷ジョブAが送信されてくると、データ管理部120は、ネットワークI/F150を介してクライアント端末2から送信されてきた印刷ジョブAを受信し(S801)、受信した印刷ジョブAを解析して、受信した印刷ジョブAに印刷実行コマンドか印刷待機コマンドのどちらが含まれているのかを判定する(S802)。即ち、本実施形態においては、データ管理部120が命令受信部として機能する。データ管理部120は、S802の判定処理において、受信した印刷ジョブAに印刷実行コマンドが含まれていると判定した場合には(S802/実行)、受信した印刷ジョブAを画像形成部110に通知し、画像形成部110は、データ管理部120から印刷ジョブAを通知されると、通知された印刷ジョブAに基づいて画像形成出力を実行する(S803)。そして、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成出力を実行する際の処理を終了する(エンド)。
一方、データ管理部120は、S802の判定処理において、受信した印刷ジョブAに印刷待機コマンドが含まれていると判定した場合には(S802/待機)、受信した印刷ジョブAと、その印刷ジョブAとセットで受信した印刷IDとを関連付けてデータ記憶部130に記憶させ(S804)、画像形成装置1はそのまま待機する。即ち、本実施形態においては、データ管理部120が、実行命令記憶制御部として機能し、データ記憶部130が、実行命令記憶部として機能する。
尚、本実施形態においては、画像形成装置1は、受信した印刷ジョブAと印刷IDとを関連付けてデータ記憶部130に記憶させると(S804)そのまま待機する例について説明したが、受信した印刷ジョブAと印刷IDとを関連付けてデータ記憶部130に記憶させる(S804)と共に、受信した印刷ジョブAに含まれる画像データに基づいて描画データを生成してから待機するようにしても良い。このような構成の場合、画像形成装置1は、クライアント端末2から印刷を開始させるための印刷開始コマンドを受信するとすぐに画像形成出力を実行することが可能となるので、印刷時間の短縮を図ることが可能となる。
そして、待機中に、クライアント端末2から印刷ジョブBが送信されてくると、データ管理部120は、ネットワークI/F150を介してクライアント端末2から送信されてきた印刷ジョブBを受信し(S805)、受信した印刷ジョブBを解析して、受信した印刷ジョブBにどのようなコマンドが含まれているかを判定し(S806)、判定したコマンドに応じた処理を実行する(S807)。S808の詳細な処理については、図13〜図16を参照して説明する。そして、本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成出力を実行する際の処理を終了する(エンド)。即ち、本実施形態においては、データ管理部120が、実行開始命令受信部として機能する。
まず、図13に示すように、データ管理部120は、S806の判定処理において、受信した印刷ジョブBに印刷開始コマンドが含まれていると判定した場合には、その印刷開始コマンドを含む印刷ジョブBとセットで受信した印刷IDに関連付けられている印刷ジョブAをデータ記憶部130から読み出す(S1301)。データ管理部120は、データ記憶部130から印刷ジョブAを読み出すと、読み出した印刷ジョブAを画像形成部110に通知し、画像形成部110は、データ管理部120から印刷ジョブAを通知されると、通知された印刷ジョブAに基づいて画像形成出力を実行する(S1302)。
画像形成部110が画像形成出力を実行し終えると、データ管理部120は、上記印刷ID及び画像形成出力が完了したことを知らせるための完了通知をネットワークI/F150を介してクライアント端末2に送信して(S1303)、上記印刷IDに関連付けられている印刷ジョブAをデータ記憶部130から削除する(S1304)。そして、本実施形態に係る画像形成システムは、画像形成出力を実行する際の処理を終了する(エンド)。
次に、図14に示すように、データ管理部120は、S806の判定処理において、受信した印刷ジョブBに削除コマンドが含まれていると判定した場合には、その削除コマンドを含む印刷ジョブBとセットで受信した印刷IDに関連付けられている印刷ジョブAをデータ記憶部130から削除する(S1401)。そして、本実施形態に係る画像形成システムは、画像形成出力を実行する際の処理を終了する(エンド)。
次に、図15に示すように、データ管理部120は、S806の判定処理において、受信した印刷ジョブBに変更コマンドが含まれていると判定した場合には、その変更コマンドを含む印刷ジョブBとセットで受信した印刷IDに関連付けられている印刷ジョブAをデータ記憶部130から読み出す(S1501)。データ管理部120は、データ記憶部130から印刷ジョブAを読み出すと、受信した印刷ジョブBに含まれる変更印刷条件をデータ記憶部130から読み出した印刷ジョブAに反映させて(S1502)、変更印刷条件反映させた印刷ジョブAを上記印刷IDに関連付けられている印刷ジョブAに上書きしてデータ記憶部130に記憶させる(S1503)。そして、データ管理部120は、図8において説明したS805の処理以降と同様の処理を行う(S1504)。
次に、図16に示すように、データ管理部120は、S806の判定処理において、受信した印刷ジョブBに上書コマンドが含まれていると判定した場合には、受信した印刷ジョブBを、その印刷ジョブBとセットで受信した印刷IDに関連付けられてデータ記憶部130に記憶されている印刷ジョブAに上書きして記憶させ(S1601)、上書した印刷ジョブBを改めて印刷ジョブAとする。そして、データ管理部120は、図8において説明したS805の処理以降と同様の処理を行う(S1602)。
以上、説明したように、本実施形態に係る画像形成システムにおいては、プリンタドライバ400がインストールされたクライアント端末2において、印刷ジョブの生成処理及び送信処理と印刷プレビュー画面の表示処理とを並行して実行することにある。従って、本実施形態に係る画像形成システムによれば、画像形成装置1に画像形成出力を実行させる際に、ユーザの待ち時間を短縮させることが可能となる。