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JP6122646B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
従来、トコフェロール(ビタミンE)およびその種々の誘導体は、血行促進作用や高い抗酸化作用を有しており、肌荒れの予防、改善を目的として、化粧料等に配合されている。
トコフェロール誘導体の例としては、トコフェロールの水酸基をリン酸エステル化して水溶性を付与したトコフェロールリン酸エステルが知られており、これらは塩の形態で用いられることが多い。塩としては、ナトリウム塩等が一般的である。
トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩は両親媒性であるため生体への親和性が高く、皮膚等の生体組織への移行が速やかであることから、化粧料等の皮膚外用剤への適用が期待されている。
しかし、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩を皮膚外用剤として製剤化すると、剤中で分解が起こり、外観に変化が生じるなどの問題があった。濁りの発生は、外観の変化だけでなく、皮膚外用剤を皮膚に適用した際の感触の悪化の原因ともなる。
トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の分解は主として、水酸基にエステル結合したリン酸の加水分解により生じる。この分解により、水に不溶のトコフェロールが生じ、剤中で濁りを引き起こす。クリームのような白濁した剤型では目視で確認しにくいが、透明ローション系や美容液系では、濁りや沈殿、着色など、外観に変化が生じるという問題が発生する。
これまで、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩に対して他の成分を配合することにより、皮膚外用剤を安定化する種々の方法が提案されている。
たとえば特許文献1では、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の水溶液を安定化する方法として、非イオン性界面活性剤を配合する方法が開示されている。該方法によれば、中性のpH域においても濁りを抑制できるとされ、中でも非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンの高級脂肪酸エステルやアルキレンエーテルが好ましいとしている。
特許文献2では、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩を含有する皮膚外用剤を安定化する方法として、多価アルコールおよび/または酸および/またはその塩を配合する方法が開示されている。該方法によれば、皮膚外用剤の経時的な安定性が得られるとされている。
しかしいずれの方法も十分な製剤安定性が得られるとは言い難く、このような背景の元、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩を含有し、かつ製剤安定性に優れ、経時的な濁りや着色が抑制され、感触にも優れた皮膚外用剤の創生がなお強く求められている。
特開昭59−44375号公報 特開平11−199424号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩を含有し、かつ製剤安定性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩に特定のノニオン界面活性剤を組み合わせることによって上記の課題が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩と、下記一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤(1)と、キレート剤と、を含有し、前記キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩、L−グルタミン酸二酢酸及びその塩、並びに、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩からなる群から選ばれる1または2以上のキレート剤である皮膚外用剤。
Figure 0006122646
[式中、a、b、cはそれぞれ正の整数である。]
]前記一般式(1)中のa+cの平均値が4〜400であり、かつbの平均値が5〜70である、[]に記載の皮膚外用剤。
]前記トコフェロールリン酸エステルの塩が、アルカリ金属の塩である、[1]又は[2]に記載の皮膚外用剤。
]前記アルカリ金属が、ナトリウムである、[]に記載の皮膚外用剤。
]前記ノニオン性界面活性剤(1)の含有量が、0.1〜10質量%である、[1]〜[]のいずれか一つに記載の皮膚外用剤。
]前記トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の含有量が、0.01〜10質量%である、[1]〜[]のいずれか一つに記載の皮膚外用剤。
]pHが6.0〜8.5である、[1]〜[]のいずれか一つに記載の皮膚外用剤。
]化粧料である、請求項1〜[7]のいずれか一つに記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩を含有し、かつ製剤安定性に優れた皮膚外用剤を提供できる。
<トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩>
本発明には、下記式(2)(式中、R1、R2及びR3は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表わす。)で示されるトコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩が使用できる。
Figure 0006122646
上記式(2)で示される、トコフェロールリン酸エステルのうちでは、R1、R2およびR3がすべてメチル基である、α−トコフェロール;R1、R3がメチル基であり、R2が水素原子である、β−トコフェロール;R1およびR2がメチル基であり、R3が水素原子である、γ−トコフェロール;R1がメチル基であり、R2およびR3が水素原子である、δ−トコフェロール;の各々のリン酸エステルが最も一般的である。中でも、α体およびγ体が好ましく用いられる。
なお、上記式(2)で示される、トコフェロールリン酸エステルは、クロマン環の2位に不斉炭素原子を有するので、d体、l体の立体異性体、dl体が存在するが、本発明はこれらの異性体の何れをも含む。
前記トコフェロールリン酸エステルの塩として、好ましいものを挙げれば、トコフェロールリン酸エステルの、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。
これらのうち、トコフェロールリン酸エステルの、アルカリ金属塩、とくにナトリウム塩は、水への溶解性が高く、また性状が粉末となるため取り扱いが容易になるという利点を有しており、特に好ましい。
トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩としては、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の配合量は、皮膚外用剤全量中、0.01〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。0.01質量%以上であると、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用した際に、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の皮膚への移行が速やかであり、皮膚外用剤に求められる効能効果が充分に発揮される。10質量%を超えて配合しても、さらに高い効果が得られるとは限らないので、経済的ではない。
<ノニオン界面活性剤(1)>
本発明の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩とともに、下記一般式(1)で表さるノニオン界面活性剤(1)を含有する。
Figure 0006122646
[式中、a、b、cはそれぞれ正の整数である。]
ノニオン界面活性剤(1)は、ポリオキシエチレン(POE)鎖の間にポリオキシプロピレン(POP)鎖がエーテル結合したPOE−POP−POEブロック共重合体の構造(以下、POE−POP−POE型ということがある。)をとるPOE・POPグリコールである。
前記一般式(1)中、aは、POE鎖(CHCHO)を構成するオキシエチレン基の数(重合度)を示す。bはPOP鎖(CH(CH)CHO)を構成するオキシプロピレン基の数(重合度)を示す。cはPOE鎖(CHCHO)を構成するオキシエチレン基の数(重合度)を示す。
ノニオン界面活性剤(1)において、a+cの平均値、すなわちノニオン界面活性剤(1)1分子あたりのオキシエチレン基の数(平均重合度)は、4〜400が好ましく、20〜160がより好ましい。また、bの平均値、すなわちノニオン界面活性剤(1)1分子あたりのオキシプロピレン基の数(平均重合度)は、5〜70が好ましく、20〜50がより好ましい。
ノニオン界面活性剤(1)がPOE−POP−POE型であり、かつa+cおよびbの値がそれぞれ上記範囲内であることで、皮膚外用剤の製剤安定性が充分に得られる。
a+b+cの平均値、すなわちノニオン界面活性剤(1)1分子あたりのオキシプロピレン基およびオキシエチレン基の合計数は、9〜470が好ましく、30〜360がより好ましい。
上記a、b、cの値は、分子量またはNMR等の分析結果より求めることができる。
(a+c)/b比は、0.05〜80が好ましく、0.1〜6がより好ましい。
ノニオン界面活性剤(1)として具体的には、POE(5)POP(5)グリコール、POE(5)POP(30)グリコール、POE(10)POP(8)グリコール、POE(16)POP(17)グリコール、POE(20)POP(20)グリコール、POE(25)POP(30)グリコール、POE(35)POP(40)グリコール、POE(100)POP(40)グリコール、POE(300)POP(55)グリコール、POE(400)POP(70)グリコールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中では、POE(25)POP(30)グリコール、POE(35)POP(40)グリコールが、前記皮膚外用剤の製剤安定性の観点からより好ましい。
なお、上記はいずれもPOE−POP−POE型のPOE・POPグリコールである。
POEの後の括弧内の数値は、POE鎖の平均重合度(すなわち前記式(1)中のa+cの平均値)を示す。POPの後の括弧内の数値は、POP鎖の平均重合度(すなわち前記式(1)中のbの平均値)を示す。
ノニオン界面活性剤(1)は、公知の製造方法により製造してもよく、市販品を用いても良い。市販品としては、例えば、(株)アデカ製の商品名「アデカプルロニックL」シリーズ、「アデカプルロニックP」シリーズ、「アデカプルロニックF」シリーズ、三洋化成工業(株)製の商品名「ニューポールPE」シリーズなどが挙げられる。
ノニオン界面活性剤(1)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤(1)の含有量は、皮膚外用剤全量中、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。0.1質量%以上であると、製剤の安定性に優れ、保存時の沈殿や濁りが生じにくい。10質量%を超えて配合しても、さらに高い効果が得られるとは限らないので、経済的ではない。
<キレート剤>
本発明の皮膚外用剤においては、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩と、ノニオン系界面活性剤(1)のほか、更にキレート剤を含むことが好ましい。これにより、製剤の着色防止および濁りの発生防止の効果が、更に顕著になるものである。原因は定かではないが、恐らくはキレート剤が製剤中の微量金属をトラップすることによる影響であると考えられる。
本願発明におけるキレート剤としては、キレート能を有していれば特に限定されるものではない。具体的なキレート剤としては、アミノカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。用途の面から考慮して、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸及びその塩、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸及びその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸及びその塩、がより好ましい。
キレートの塩としては、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、Na塩がより好ましい。本願発明におけるキレート剤の添加量は、製造条件や使用する原料にもよるが、組成物全量に対してキレート剤を0.01〜5.0質量%含有していることが好ましく、一般的な製造条件下で混入する可能性がある微量金属量を勘案すると、より好ましいのは0.02〜2.0質量%である。キレート剤の添加量が0.01質量%以下の場合は、着色及び濁りを完全に抑制することができない場合があり、また5.0質量%以上では使用感の低下等、配合量に見合った効果が得られないおそれがある。
<その他の任意成分>
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、トコフェロールおよびトコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩以外のトコフェロール誘導体から選ばれる少なくとも1種を配合してもよい。
トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩以外のトコフェロール誘導体としては、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールジメチルグリシンエステル、トコフェロールサルコシンエステル、レチノイン酸トコフェロールエステル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸エステル、マレイン酸アスコルビルトコフェリル等、及びその塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
なお、皮膚外用剤中で、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩が分解してリン酸とトコフェロールが生じることがある。そのため、本発明の皮膚外用剤には、製造時に配合していなくても、微量のトコフェロールが含まれることがある。
本発明の皮膚外用剤は、上記のほか、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚外用剤に通常用いられる成分、たとえば皮膚外用剤として薬学的に許容され得る担体、添加剤等を含有してもよい。このような成分としては、たとえば、炭化水素類、天然油脂類、脂肪酸類、高級アルコール類、アルキルグリセリルエーテル類、エステル類、シリコーン油類、糖類、高分子類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、前記ノニオン界面活性剤(1)に該当しないノニオン界面活性剤、天然系界面活性剤、紫外線吸収剤、粉体類、色材類、アミノ酸類、ペプチド類、ビタミン類、ビタミン様作用因子類、防腐剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、保湿剤、抗炎症剤、pH調整剤、塩類、有機酸類、美白剤、精油類、テルペン類、香料、水等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、必要に応じて上記成分に溶媒・分散媒を加えて調整してもよい。たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2-メチルー2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコール類、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール等の一価の低級アルコール類、水などが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤としては、化粧料、医薬品等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤が化粧料である場合、さらに、既存の化粧品原料を一般的な濃度で添加することもできる。たとえば、化粧品原料基準第二版注解、日本公定書教会編、1984(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格追補、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別許可基準、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別配合成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1997(薬事日報社)、および化粧品原料辞典、平成3年(日光ケミカルズ)等に記載されている全ての化粧品原料を使用することができる。
本発明の皮膚外用剤の剤型としては、使用時に皮膚に接触させて用いられるものであれば特に制限はなく、用途に応じて適宜設定される。たとえばローション、乳液、クリーム、パック等に適用することが出来る。本発明の皮膚外用剤は、特に、沈殿の目立つローション製剤で効果を発揮する。
本発明の皮膚外用剤のpHは、6.0〜8.5であることが好ましい。pHがこの範囲内であると、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の安定性が良好で、製剤安定性もより良好となる。なお該pHは、約25℃における値である
本発明の皮膚外用剤は、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩、ノニオン界面活性剤(1)およびその他の任意成分を配合して製剤化することにより製造される。製剤化は、剤型に応じて、常法に従って実施できる。
本発明では、トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩とノニオン界面活性剤(1)とを配合することで、理由は定かではないが、皮膚外用剤の経時的な着色や濁りの発生が抑制されている。
そのため本発明の皮膚外用剤は、化粧料や医薬品を含む皮膚外用剤全般に有用に用いることができ、中でも特に化粧料に有用である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜12(参考例1〜12)、比較例1〜6〕
表1に示す組成(単位:質量%)となるように各成分を均一に分散溶解し、攪拌混合することによってローションを得た。混合の手法として、先ずトコフェリルリン酸ナトリウム・グリセリン・ペンチレングリコールをマグネチックスターラーを用いて混合し、これに精製水を加えさらに攪拌溶解したのち、表中の残りの成分を添加し混合したものである。
得られたローションについて、調製直後および6ヶ月保存後の、濁りおよび着色状況を以下の手順で評価した。保存は、ローションをガラスバイアル瓶に密閉した状態で、4℃、25℃または40℃に設定した恒温器中に静置することにより行った。結果を表1〜表2に併記した。
[1.濁り評価方法]
目視により、下記評価基準に従い評価した。
−:濁りが全く見られない。
±:ローション製剤として許容範囲内であるが、濁りがわずかに見られる。
+:濁りが明らかに認められる。
[2.着色評価方法]
目視により、下記評価基準に従い評価した。
−:着色が全く見られない。
±:ローション製剤として許容範囲内であるが、着色がわずかに見られる。
+:着色が明らかに認められる。
Figure 0006122646
Figure 0006122646
表1〜2の評価結果に示すとおり、ノニオン界面活性剤(1)(POE−POP−POE型POE・POPグリコール)を配合した実施例1〜12では、界面活性剤を配合しなかった比較例1、4、およびノニオン界面活性剤(1)以外のノニオン界面活性剤(POP−POE−POP型グリコール)を配合した比較例2,3,5,6に比べて、幅広い温度範囲で、経時的な濁りおよび着色が抑制され、ローションの安定性が向上していた。
〔実施例13〜16(参考例13〜16)、比較例7〜14
表3に示す組成(単位:質量%)となるように各成分を均一に分散溶解し、攪拌することによってローションを得た。
得られたローションについて、表1と同様の評価(濁り評価、着色評価)を行った。結果を表3に併記した。
Figure 0006122646
表3の評価結果に示すとおり、POE−POP−POEトリブロック型のノニオン界面活性剤(1)を配合した実施例13〜16では、その他のノニオン系界面活性剤を含む系(比較例7,8,11,12)やアニオン系界面活性剤を含む系(比較例9・13)やカチオン系界面活性剤を含む系(比較例10,14)に比べ、経時的な濁り及び着色が抑制され、ローションの安定性が向上していた。
〔実施例17〜32、実施例33〜36(参考例17〜20)
表4〜5に示す組成(単位:質量%)となるように各成分を均一に分散溶解し、攪拌することによってローションを得た。
得られたローションについて、表1と同様の評価(濁り評価、着色評価)を行った。結果を表4〜5に併記した。
Figure 0006122646
Figure 0006122646
表4〜5の評価結果に示すとおり、実施例17〜36の組成物はいずれも良好な製剤安定性を示した。中でも特に、ノニオン界面活性剤(1)にくわえてキレート剤を配合した実施例17〜32では、キレート剤を配合しなかった実施例33〜36と比べて、幅広い温度範囲で、経時的な濁り及び着色が抑制され、ローションの安定性が向上していた。
表1〜5に示す各成分のうち、ノニオン界面活性剤(1)、その他の界面活性剤としては、それぞれ以下のものを使用した。a+cの値、bの値はそれぞれ平均値である。
[ノニオン界面活性剤(1)]
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=16、b=17:アデカ社製「アデカプルロニックL−34」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=20、b=20:アデカ社製「アデカプルロニックL−44」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=5、b=30:アデカ社製「アデカプルロニックL−61」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=25、b=30:アデカ社製「アデカプルロニックL−64」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=35、b=40:アデカ社製「アデカプルロニックP−84」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=300、b=55:アデカ社製「アデカプルロニックF−108」。
[その他の界面活性剤]
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=28、b=20:アデカ社製「アデカプルロニック17R−2」。
HO(CO)−(CO)−(CO)−H、a+c=42、b=15:アデカ社製「アデカプルロニック25R−1」。
POE(50)硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL HCO−50」
POE(20)POP(4)セチルエーテル:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL PBC−34」。
POE(3)ラウリルエーテル硫酸Na 25%水溶液:花王社製「エマール20C」。
塩化セチルトリメチルアンモニウム 30%水溶液:花王社製「コータミン60W」。
[キレート剤]
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水塩:キレスト株式会社製「キレスト 2DS」。
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 40%液:キレスト株式会社製「キレスト P」。
L−グルタミン酸二酢酸・四ナトリウム 40%液:昭和電工株式会社製「GLDA−4Na 40%水溶液」。
エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸五ナトリウム:キレスト株式会社製「キレスト PH−540」。

Claims (8)

  1. トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩と、下記一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤(1)と、キレート剤と、を含有し、前記キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩、L−グルタミン酸二酢酸及びその塩、並びに、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩からなる群から選ばれる1または2以上のキレート剤である皮膚外用剤。
    Figure 0006122646
    [式中、a、b、cはそれぞれ正の整数である。]
  2. 前記一般式(1)中のa+cの平均値が4〜400であり、かつbの平均値が5〜70である、請求項に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記トコフェロールリン酸エステルの塩が、アルカリ金属の塩である、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記アルカリ金属が、ナトリウムである、請求項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記ノニオン性界面活性剤(1)の含有量が、0.1〜10質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  6. 前記トコフェロールリン酸エステル及び/又はその塩の含有量が、0.01〜10質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  7. pHが6.0〜8.5である、請求項1〜のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
  8. 化粧料である、請求項1〜のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
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