JP6120109B1 - 梁受金物固定具及び梁の増設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 既存梁を取り外すような大掛かりな工事を必要とせず、新たな梁を既存の柱や梁などの被接合部材に強固に接合することができる梁受金物固定具及び梁の増設方法を提供する。【解決手段】梁受金物固定具1は、少なくとも一方の側面に既設梁11が既設梁受金物10を介して固定された被接合部材2の当該既設梁11が固定された側面と反対の側面に、新設梁4を増設するための新設梁受金物3を固定する梁受金物固定具1であって、前記被接合部材2の前記既設梁11と反対の側面に当接する矩形板状のベース体5の、両側部に複数個の挿通孔6が縦方向に少なくとも二列並んで形成されるとともに、中央部に前記新設梁受金物3が当接する縦長の凸部7が設けられ、当該凸部7から前記新設梁受金物3を固定する連結ボルト9が突出する。【選択図】図6
Description
本発明は、建築物の増改築に際して、既設の柱又は梁などの被接合部材に新たな梁を増設するための梁受金物固定具及び梁の増設方法に関する。
梁を柱材に接合する技術としては、柱材の側面に固定するための固定孔を穿設した固定板、及び、この固定板から突設され、梁に連結される一対の対向した連結板を有する梁受金具と、一方の端部にストッパーピンと矩形板状部材とからなる係止部を有し、他方の端部に装入孔が形成され、受け金具の固定孔に挿入されるボルトとを備えた構成が知られている(特許文献1参照)。
上述の構成では、柱材に梁受金物がボルトで固定された状態で、梁の木口面に形成されたスリットに連結板を差込ストッパーピンで固定することにより柱材に梁を固定するものであるので、ボルトが他の部材に干渉する位置には取り付けることができず、例えば増改築の場合などのように既存の梁などが固定されている柱材に新規の梁を増設するような場合には、新たな梁受金物を固定するためのボルトが既存梁を固定する梁受金物のボルトと干渉して固定できない場合がある。
そこで、建築物を増築する場合のように、建築物の構造躯体を構成している既設の柱や梁に新規の梁を固定して増築する場合には、例えば、特許文献2のような接合構造が挙げられる。この構造では、通し柱と、該通し柱の側面に端部が当接された梁と、を接合する構造であり、軸組部材接合寄せ部材の引寄せボルトを、通し柱に貫通形成されたボルト孔に挿通してするとともに梁の下面に取り付けられた反力部材のブラケットに形成された挿通孔に挿通した上、その先端にナットを螺合することで、梁を通し柱の側面に引き寄せるように固定している。
ところで、上述の特許文献2のような構成は、特許文献1のような梁受金物に比べると、接合強度が弱くなる問題がある。一方、前述のように、特許文献1のような梁受金物を用いて梁を増設する場合には、既存梁を固定する梁受金物のボルトとの干渉が問題となる。また、梁受金物の固定には、新たに梁を接合する面と反対側の面からボルトなどを施工する必要があり、そのためには、既に設置されている既存梁をいったん取り外すなどの大掛かりな工事が必要となってしまう。
そこで本発明は、既存梁を取り外すような大掛かりな工事を必要とせず、新たな梁を既存の柱や梁などの被接合部材に強固に接合することができる梁受金物固定具及び梁の増設方法を提供することを目的とする。
本発明の梁受金物固定具は、少なくとも一方の側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定された被接合部材の当該既設梁が固定された側面と反対の側面に、新設梁を増設するための新設梁受金物を固定する梁受金物固定具であって、前記被接合部材の前記既設梁と反対の側面に当接する矩形板状のベース体の、両側部に複数個の挿通孔が縦方向に少なくとも二列並んで形成されるとともに、中央部に前記新設梁受金物が当接する縦長の凸部が設けられ、当該凸部から前記新設梁受金物を固定する連結ボルトが突出することを特徴としている。
また、本発明の梁受金物固定具は、前記凸部は、前記中央部から前記両側部に向かって、前記挿通孔が形成されていない位置に形成され、前記新設梁の木口面が当接する両側凸部が設けられることを特徴としている。
また、本発明の梁受金物固定具は、前記被接合部材は柱材であり、当該柱材には、前記一方の側面を含む互いに隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されており、前記挿通孔は、前記既設梁受金物を柱材に固定する固定ボルトが設けられる間隔の半分の間隔で形成されることを特徴としている。
本発明の梁の増設方法は、少なくとも一方の側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されている被接合部材の当該既設梁が固定された側面と反対の側面に、新設梁を増設する梁の増設方法であって、矩形板状のベース体の、両側部に複数個の挿通孔が縦方向に少なくとも二列並んで形成されるとともに、中央部に新設の梁受金物が当接する縦長の凸部が設けられ、当該凸部から前記新設梁受金物を固定する連結ボルトが突出する梁受金物固定具を、前記被接合部材の前記既設梁と反対側の側面に当接させた状態で、雄ネジ材を前記挿通孔に挿通させて、当該雄ネジ材を前記被接合部材に螺着させて、前記梁受金物固定具を前記被接合部材に固定し、次に、前記連結ボルトに前記新設梁受金物の背面板に設けられた固定孔を外挿し、当該連結ボルトにナットを螺着させて、前記新設梁受金物を前記梁受金物固定具に固定し、その後、前記新設梁の木口面に形成されたスリットに、前記新設梁受金物の背面板から延びる梁受プレートを挿入し、当該新設梁及び梁受プレートを水平に貫通するように固定ピンを挿入して、前記新設梁を前記被接合部材に固定することを特徴としている。
さらに本発明の梁の増設方法は、前記凸部は、前記両側部の前記挿通孔が形成されていない位置に向かって形成される両側凸部を有しており、前記新設梁の木口面に形成されたスリットに、前記新設梁受金物の前記梁受プレートを挿入し、当該新設梁及び梁受プレートを水平に貫通するように固定ピンを挿入したときに、前記新設梁の木口面が前記両側凸部に当接することを特徴としている。
また本発明の梁の増設方法は、前記被接合部材は柱材であり、当該柱材には、前記一方の側面を含む互いに隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されているとともに、前記挿通孔は、前記既設梁受金物を柱材に固定する固定ボルトが設けられる間隔の半分の間隔で形成されており、前記挿通孔のうち、前記固定ボルトに干渉しない高さ位置の挿通孔に前記雄ネジ材を挿通させて、当該雄ネジ材を前記柱材に螺着させて、前記梁受金物固定具を前記柱材に固定することを特徴としている。
本発明の梁受金物固定具は、少なくとも一方の側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されている被接合部材の既設梁が固定された側面と反対の側面に新設梁を増設するための新設梁受金物を固定するものである。なおここで、「被接合部材」とは、新たに増設する新設梁の既存建築物側の端部を接合する柱又は梁のことをいう。梁受金物固定具は、被接合部材のベース体を既設梁と反対の側面に当接させて、このベース体の両側部に縦方向に少なくとも二列並んで形成された複数個の挿通孔に雄ネジ材を挿通させて、当該雄ネジ材を被接合部材に螺着させることで、被接合部材に梁受金物固定具が固定される。これによって連結ボルトが被接合部材の梁を新設する側面から突出することになり、この連結ボルトに新設梁受金物を固定し、当該新設梁受金物に新設梁を接合することで、被接合部材の側面に新設梁を増設することができる。そして、これらの一連の工程は、被接合部材の新設梁を増設する側の側面から作業することができるので、既設梁が固定されている状態のまま作業することができ、増設工事を大掛かりなものにすることがない。特に、被接合部材と梁受金物固定具とは、梁受金物固定具のベース体の両側部に縦方向に少なくとも二列並んで形成されている挿通孔に雄ネジ材を挿通させて、当該雄ネジ材を被接合部材に螺着させることで固定されるものであるので、雄ネジ材が螺着する位置は、被接合部材の梁受金物を接合する側面の両側部となり、既設梁受金物を被接合部材に固定するために被接合部材の中央を貫通するように設けられているボルトと干渉することなく取り付けることができる。
また、梁受金物固定具によると、中央部から両側部に向かって、挿通孔が形成されていない位置に新設梁の木口面が当接する両側凸部が設けられているので、梁及び梁受金物が梁受金物固定具と接触する面を水平方向に広げることができ、梁を安定的に接合することができる。
また、被接合部材が柱材であり、当該柱材の互いに隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されている場合には、既設梁受金物を固定するための固定ボルトが、高さ方向にずれた位置で、平面視直交するように被接合部材を貫通する。梁受金物固定具は、その挿通孔が、既設梁受金物を柱材に固定する固定ボルトが設けられる間隔の半分の間隔で形成されているので、雄ネジ材を被接合部材に螺着させる際に固定ボルトと干渉しない位置の挿通孔を選択して、雄ネジ材を螺着させることができる。
本発明の梁の増設方法によると、梁受金物固定具を、被接合部材の既設梁と反対側の側面に当接させた状態で、雄ネジ材を挿通孔に挿通させて、被接合部材に螺着させて、梁受金物固定具を被接合部材に固定するので、梁受金物固定具を被接合部材に固定する作業は、非接合部材の新設梁を増設する側の側面から作業することができるので、既設梁が固定されている状態のまま作業することができる。そして、挿通孔は、ベース体の両側部に縦方向に二列並んで形成されているので、雄ネジ材を被接合部材に螺着させる位置は、梁受金物を接合する側面の両側部となり、既設梁受金物を被接合部材に固定するために被接合部材の中央を貫通するように設けられているボルトと干渉することなく取り付けることができる。
また、梁の増設方法によると、中央部から両側部に向かって、挿通孔が形成されていない位置に新設梁の木口面が当接する両側凸部が設けられており、この両側凸部に新設梁の木口面が当接するので、梁及び梁受金物が梁受金物固定具と接触する面を水平方向に広げることができ、梁を安定的に接合することができる。
また本発明の梁の増設方法によると、被接合部材としての柱材の隣接する隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されており、梁受金物固定具を被接合部材に固定する雄ネジ材は、挿通孔のうち、固定ボルトに干渉しない高さ位置の挿通孔を挿通して柱材に螺着されるので、既設梁受金物を固定する固定ボルトと干渉することなく、梁受金物固定具を柱材に固定することができる。
以下、本発明に係る梁受金物固定具1及び梁の増設方法の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。梁受金物固定具1は、既存の木造建築物を改築や増築する場合に、既設の梁又は柱材などの被接合部材2に新設梁4を接合するための梁受金物固定具1及び当該梁の増設方法に関する。まず、梁受金物固定具1を用いる梁の接合構造23について説明する。
梁の接合構造23は、図9に示すように、既設の梁や柱材などの被接合部材2に梁受金物固定具1を固定し、当該梁受金物固定具1にさらに梁受金物3を固定し、そして、当該梁受金物3に新設梁4の一端を固定するものである。
梁受金物固定具1は、図1に示すように、鋼製の部材であり、矩形板状のベース体5と、当該ベース体5の両側部に貫通して設けられる縦方向に二列並んだ複数個の挿通孔6と、当該ベース体5の中央部に縦長に形成される凸部7と、凸部7が設けられたベース体5の中央部から両側部に向かって、挿通孔6が形成されていない位置に形成される両側凸部8と、凸部7から突出する連結ボルト9とを一体化して構成されている。なお、本実施形態において梁受金物固定具1の縦方向は、梁受金物固定具1を被接合部材2に固定したときに、鉛直方向となる方向をいう。
ベース体5は、厚さ6mmで新設梁4の断面形状とほぼ同じ形状の板状である。挿通孔6は、例えば直径14mmのベース体5を貫通する孔であり、本実施形態においては、ベース体5の両側にそれぞれ縦方向に30mmピッチで8箇所ずつ設けられている。凸部7及び両側凸部8は厚さが9mmでの鋼製板体から一体で切り出した逆T字状に形成されてベース体5に例えば溶接により固定されている。凸部7の幅はベース体5の幅の1/3程度で、両側凸部8の幅はベース体5の幅よりも僅かに小さく形成されている。なお、本実施形態において梁受金物固定具1の幅方向は、梁受金物固定具1を被接合部材2に固定したときに、水平方向となる方向をいう。また、連結ボルト9は、凸部7から例えば27mm程度突出するように固定された直径が16mmのボルトであり、本実施形態においては4本のボルトが互いに60mmの間隔を開けて縦方向に並べて配置されている。
なお、梁受金物固定具1の寸法、挿通孔6及び連結ボルト9の数は、上記のものに限定されるものではなく、新設梁4の断面形状に応じて変更される。
梁受金物は、被接合部材2に既設梁11を接合する既設梁受金物10と新たに新設する新設梁4を接合する新設梁受金物3があるが、いずれも同じ構成であるので新設梁受金物3についてのみ説明し、既設梁受金物10の説明は省略する。なお、本実施形態において、単に「梁受金物」という場合には、新設梁受金物3を指す。梁受金物3は、図2に示すように、従来一般のものと同様であり、正面視矩形の背面板12と、その両側縁から延設された一対の梁受プレート13とを有しており、上方から見た場合にコ字状に形成されている。背面板12には、その幅方向の中央に縦方向に並んだ4つの固定孔18が形成されており、固定孔18は連結ボルト9を挿入できる大きさに形成されている。また、梁受プレート13は、梁4の一端に形成されるスリット14に収納される平板状であり、上端には梁4を接合する際に梁4の位置を決める係止溝15が設けられるとともに、梁4を接合するための固定ピン16を挿入可能なピン孔17が4つ設けられている。なお、固定孔18やピン孔17の数は、上述のものに限定されるものではなく、接合する梁4の梁せいや必要な接合強度に応じて変更されていてもよい。また、背面板12や梁受プレート13の形状は上述のものに限定されるものではなく、公知の様々な形状を用いることができる。
被接合部材2は、本実施形態においては、柱材である。この柱材は、図3に示すように、既存の建築物の通し柱であり、柱材の4つの側面のうち、互いに隣接する3つの側面の同じ高さ位置にそれぞれ既設梁11が既設梁受金物10によって接合されている。図4に示すように、これらの既設梁受金物10のうち、隣接しない2つの側面に固定される既設梁受金物10は、柱を挟んで反対側に互いに背面板12が向き合うように配置される。
そして、一方の既設梁受金物10の固定孔18から柱材に設けられた貫通孔を通って他方の既設梁受金物10の固定孔18に固定ボルト19が挿通され、他方の既設梁受金物10からナット20で締結して梁受金物10を固定している。図5に示すように、例えば4本の固定ボルト19が、それぞれ柱材に設けられた貫通孔を通って両側の既設梁受金物10を固定している。これら4本の固定ボルト19は上下に60mmピッチで設けられている。そして、既設梁受金物10のうち、新設梁受金物3が固定される側面と反対側の側面に固定されている既設梁受金物10は、柱材の側面に背面板12を当接させて、固定ボルト19を当該既設梁受金物10の固定孔18から柱材に設けられた貫通孔に挿入し、柱材の他方の側面からナット20を締結して既設梁受金物10を固定している。
図5に示すように、隣接しない2つの側面に設けられた既設梁受金物10を固定している固定ボルト19と、新設梁受金物3が固定される側面と反対側の側面に設けられた既設梁受金物10を固定している固定ボルト19とは、互いに干渉しないように高さ位置がずれるように配置されている。
上述のような既存の建築物の梁又は柱材などの被接合部材2に新たに梁4を増設する際には、まず、図示を省略するが既存建築物の外壁パネルなどを取り外して、被接合部材2を外部に露出させる。そして、図6及び図7に示すように、梁受金物固定具1を被接合部材2の所望の箇所に固定する。具体的には、既設梁11が既設梁受金物10を介して接合されている側面の反対側の側面に、梁受金物固定具1を当接させる。そして、雄ネジ材22を当該梁受金物固定具1の挿通孔6を通して被接合部材2に螺着させる。雄ネジ材22は、本実施形態においてはラグスクリューであるが、これに限定されず、ビス、ネジなどのように雄ネジが切られており、木製の被接合部材2に螺着可能であれば良い。なお、雄ネジ材22を被接合部材2にねじ込む前に下穴を設けておいても良い。
図8に示すように、梁受金物固定具1の挿通孔6は、上下方向の間隔が既設梁受金物10を柱材に固定する固定ボルト19が設けられる間隔の半分の間隔で形成されているので、挿通孔6のうち、既設梁受金物10の固定ボルト19と高さ位置が干渉しない位置に設けられている挿通孔6から柱材に雄ネジ材22をねじ込んで梁受金物固定具1を固定する。図8においては、挿通孔6のうち斜線で示した挿通孔6が雄ネジ材22をねじ込んで固定する挿通孔6である。なお、ラグスクリューなどの雄ネジ材22を挿通孔6を通して被接合部材2に螺着させたとき、雄ネジ材22の頭部がベース体5よりも突出するが、凸部7及び両側凸部8はベース体5から厚さ方向に9mm突き出すように形成されているので、梁受金物2や新設梁4を固定する際に、雄ネジ材22の頭部が干渉することがない。
そして、次に、図9に示すように、柱材に固定された梁受金物固定具1の連結ボルト9に梁受金物3の背面板12に設けられた固定孔18を外挿し、連結ボルト9に連結ナット21を螺着させて、梁受金物3を梁受金物固定具1に固定する。このように、梁受金物3が梁受金物固定具1を介して柱材に固定されることにより、新設梁4を固定する側から連結ナット21を締めるだけで梁受金物3を固定することができ、柱材そのものに梁受金具10を固定する場合のように固定ボルト19を柱材に貫通させる必要がない。また、既設梁11を固定している既設梁受金物10の固定ボルト19と干渉することもないので、既設梁11を一旦取り外すなどの大掛かりな工事を行うことなく、新設の梁受金物3を柱材に固定することができる。
したがって、建築物の増設の際に屋内側から工事する必要がないので、工期短縮や作業効率を向上させることができ、また、既設梁11の梁受金物10を固定している位置などを考慮することなく、梁を追加する位置を自由に選択することができる。そして、増設する側からのワンサイド式で施工できることにより、防水養生の負担も低減することができる。そして、以上のような効果を有することから、増改築費用をコストダウンすることができ、また、工事範囲を限定的にすることで、建築物の利用者の金銭的負担や精神的負担を軽減することができる。
梁受金物3を被接合部材2である柱材に固定すると、その後、図10に示すように、新設梁4の木口面に形成されたスリット14に、新設梁受金物3の背面板12から延びる梁受プレート13を挿入し、当該新設梁4及び梁受プレート13を水平に貫通するように固定ピン16を挿入して、新設梁4を被接合部材2に接合する。このとき、新設梁4の木口面は、梁受金物固定具1の両側凸部8に当接する。これにより、新設梁4及び梁受金物3が梁受金物固定具1と接触する面を水平方向に広げることができるので、新設梁4を安定的に接合することができる。
なお、本実施形態においては、被接合部材2は、柱材であるが、例えば図11に示すように、被接合部材2としての梁に新設梁4が接合する構造であってもよい。また、梁受金物固定具1は、凸部7及び両側凸部8が逆T字状に配置されているが、図12に示すように、既設梁受金物10の固定ボルト19の配置に応じて、上下を逆に配置してもよい。また、梁受金物固定具1の両側凸部8は、必ずしも凸部7の上端又は下端から両側に広がるもの出なくてもよく、例えば凸部7の縦方向の中央から両側に広がるような構成であってもよい。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る梁受金物固定具1及び梁の増設方法は、例えば木造住宅を増築する際に好適に適用することができる。
1 梁受金物固定具
2 被接合金物
3 梁受金物
4 新設梁
5 ベース体
6 挿通孔
7 凸部
8 両側凸部
9 連結ボルト
10 既設梁受金物
11 既設梁
12 背面板
13 梁受プレート
14 スリット
19 固定ボルト
22 雄ネジ材
2 被接合金物
3 梁受金物
4 新設梁
5 ベース体
6 挿通孔
7 凸部
8 両側凸部
9 連結ボルト
10 既設梁受金物
11 既設梁
12 背面板
13 梁受プレート
14 スリット
19 固定ボルト
22 雄ネジ材
Claims (6)
- 少なくとも一方の側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定された被接合部材の当該既設梁が固定された側面と反対の側面に、新設梁を増設するための新設梁受金物を固定する梁受金物固定具であって、
前記被接合部材の前記既設梁と反対の側面に当接する矩形板状のベース体の、両側部に複数個の挿通孔が縦方向に少なくとも二列並んで形成されるとともに、中央部に前記新設梁受金物が当接する縦長の凸部が設けられ、当該凸部から前記新設梁受金物を固定する連結ボルトが突出することを特徴とする梁受金物固定具。 - 前記凸部は、前記中央部から前記両側部に向かって、前記挿通孔が形成されていない位置に形成され、前記新設梁の木口面が当接する両側凸部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の梁受金物固定具。
- 前記被接合部材は柱材であり、当該柱材には、前記一方の側面を含む互いに隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されており、前記挿通孔は、前記既設梁受金物を柱材に固定する固定ボルトが設けられる間隔の半分の間隔で形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梁受金物固定具。
- 少なくとも一方の側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されている被接合部材の当該既設梁が固定された側面と反対の側面に、新設梁を増設する梁の増設方法であって、
矩形板状のベース体の、両側部に複数個の挿通孔が縦方向に少なくとも二列並んで形成されるとともに、中央部に新設の梁受金物が当接する縦長の凸部が設けられ、当該凸部から前記新設梁受金物を固定する連結ボルトが突出する梁受金物固定具を、前記被接合部材の前記既設梁と反対側の側面に当接させた状態で、
雄ネジ材を前記挿通孔に挿通させて、当該雄ネジ材を前記被接合部材に螺着させて、前記梁受金物固定具を前記被接合部材に固定し、
次に、前記連結ボルトに前記新設梁受金物の背面板に設けられた固定孔を外挿し、当該連結ボルトにナットを螺着させて、前記新設梁受金物を前記梁受金物固定具に固定し、
その後、前記新設梁の木口面に形成されたスリットに、前記新設梁受金物の背面板から延びる梁受プレートを挿入し、当該新設梁及び梁受プレートを水平に貫通するように固定ピンを挿入して、前記新設梁を前記被接合部材に固定することを特徴とする梁の増設方法。 - 前記凸部は、前記両側部の前記挿通孔が形成されていない位置に向かって形成される両側凸部を有しており、
前記新設梁の木口面に形成されたスリットに、前記新設梁受金物の前記梁受プレートを挿入し、当該新設梁及び梁受プレートを水平に貫通するように固定ピンを挿入したときに、前記新設梁の木口面が前記両側凸部に当接することを特徴とする請求項4に記載の梁の増設方法。 - 前記被接合部材は柱材であり、当該柱材には、前記一方の側面を含む互いに隣接する少なくとも2つの側面に既設梁が既設梁受金物を介して固定されているとともに、前記挿通孔は、前記既設梁受金物を柱材に固定する固定ボルトが設けられる間隔の半分の間隔で形成されており、
前記挿通孔のうち、前記固定ボルトに干渉しない高さ位置の挿通孔に前記雄ネジ材を挿通させて、当該雄ネジ材を前記柱材に螺着させて、前記梁受金物固定具を前記柱材に固定することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の梁の増設方法。
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JP3498792B2 (ja) * | 2001-01-18 | 2004-02-16 | 株式会社サンケンホーム | 木造建築の軸組構造 |
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2015
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JPH09137512A (ja) * | 1995-11-10 | 1997-05-27 | Futatsu Yazaki | 建材接続金具 |
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