<前提技術>
本発明の無線通信システムについて説明する前に、前提技術の無線通信システムについて説明する。無線通信システムは、例えば移動体通信システムである。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式は、2001年から日本で商用サービスが開始されている。W−CDMA方式は、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって定められた通信方式であり、リリース10版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称され、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。この通信方式は、第3.9世代(3.9 Generation:3.9G)システムとも呼ばれる。
図1は、LTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である(3GPP TS36.300 v10.3.0(2010−03)(以下「非特許文献6」という)4.6.1章参照)。移動体通信システムは、移動端末装置(以下「移動端末」または「ユーザ装置(User Equipment:UE)」という場合がある)71と、基地局の機能を有する装置(以下「基地局装置」という)72と、MME/S−GW部73と、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74とを備える。基地局装置(以下「基地局」という場合がある)72およびHeNBGW74は、発展型無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network:E−UTRAN)を構成する。LTE方式の移動体通信システムでは、基地局は、E−UTRAN NodeB、eNodeB、またはeNBと称される。
移動端末(UE)71は、基地局72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局(E−UTRAN NodeB、eNodeB、eNB)72としては、マクロセルのeNB72−1、およびローカルノードであるHome−eNB72−2などが存在する。eNB72−1は、移動端末(UE)71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home−eNB72−2は、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
MME/S−GW部73は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity;略称:MME)およびサービングゲートウェイ(Serving Gateway;略称:S−GW)のいずれか一方または両方を含む。以下では、MME/S−GW部73を「MME部」という場合がある。
eNB72−1は、S1インタフェースによってMME部73と接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。1つのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72−1間は、X2インタフェースによって接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、S1インタフェースによってMME部73と接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。1つのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW74を介してMME部73と接続される。
Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースによって接続される。HeNBGW74とMME部73とは、S1インタフェースによって接続される。1つまたは複数のHome−eNB72−2が、1つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、1つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置であり、基地局であるeNB72−1およびHome−eNB72−2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。
また3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB72−2間は、X2インタフェースによって接続され、Home−eNB72−2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB72−2として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB72−2がHeNBGW74を介してMME部73に接続される場合、およびHome−eNB72−2が直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルを構成し、サポートする。
LTE方式の移動体通信システムにおいて、E−UTRANは、中継局(以下、リレーノード(Relay Node:RN)という場合がある)を有することによって、中継(relaying)をサポートする(非特許文献6 4.7章参照)。リレーノードは、E−UTRA無線インタフェースの無線プロトコトル、S1インタフェース、X2インタフェースを終端するという基地局の機能をサポートする。リレーノードは、DeNB(Donor eNB)に無線接続するために、基地局の機能に加えて、移動端末の機能の一部をサポートする。移動端末の機能の一部とは、例えば、物理層(physical layer)、レイヤ2(layer-2)、RRC、そしてNASの機能などである。ここでは、中継局を含めて、「基地局装置」または「基地局」という。すなわち、用語「基地局装置」および「基地局」は、中継局を含む。
基地局は、例えば1つの基地局が1つのセルを構成する。この場合、セルは、基地局に相当する。これに限定されず、1つの基地局が複数のセルを構成してもよい。この場合、1つ1つのセルが、基地局に相当する。
3GPPでは、LTE方式の移動体通信システムにおけるチャネル構成に関して、以下の事項が決定されている(非特許文献6(5章)参照)。物理チャネル(Physical channel)について、図2を用いて説明する。図2は、LTE方式の移動体通信システムで使用される物理チャネルを示す図である。
図2に示すように、物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)401は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)402は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHs(Physical Downlink Control Channels)のために用いるOFDMシンボルの数を基地局72から移動端末71へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)403は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述の図3に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、図3に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号(response signal)であるAck(Acknowledgement)またはNack(Negative Acknowledgement)(以下「Ack/Nack」という場合がある)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)404は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)およびPCHの少なくとも一方がマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)405は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)406は、移動端末71から基地局72への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator:CQI)レポートを運ぶ。CQIは、受信したデータの品質、または通信路の品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)407は、移動端末71から基地局72への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、図3に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)408は、基地局72から移動端末71への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)409は、移動端末71から基地局72への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific reference signals:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN reference signals)、UE固有参照信号(UE-specific reference signalsであるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、位置決定参照信号(Positioning reference signals:PRS)、チャネル情報参照信号(Channel-State Information reference signals:CSI−RS)。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
トランスポートチャネル(Transport channel)について、図3を用いて説明する。図3は、LTE方式の移動体通信システムで使用されるトランスポートチャネルを示す図である。図3(A)には、下りトランスポートチャネルと下り物理チャネルとの間のマッピングを示す。図3(B)には、上りトランスポートチャネルと上り物理チャネルとの間のマッピングを示す。
図3(A)に示される下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL−SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
図3(B)に示される上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、図4を用いて説明する(非特許文献6(6章)参照)。図4は、LTE方式の移動体通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図4(A)には、下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。図4(B)には、上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。
報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC(Radio Resource Control)接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、移動端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
移動体通信システムでは、無線アクセス性能を向上させるために、フェムトセル基地局(例えば、H(e)NB)または移動無線中継局(例えば、Mobile Relay (e)NB、Mobile Relay Node)などの移動可能な基地局装置が用いられる場合がある。ここで、「H(e)NB」は、Home eNBおよびHome NBを表す。また「(e)NB」は、eNBおよびNBを表す。
このような基地局装置の位置推定方法としては、前述の非特許文献5および特許文献1〜3に開示されている方法があるが、これらの方法を用いても、移動可能な基地局装置が存在する場合に基地局装置の位置を推定することは困難である。また基地局装置の位置が明確でないことから、移動端末装置の位置を推定することも困難である。
したがって、基地局装置が移動可能な場合に、基地局装置の位置を容易に推定することができ、その推定結果を利用して、移動端末装置の位置を容易に推定することができる無線通信システムが求められる。そこで、本発明では、以下の各実施の形態の構成を採用している。
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、本発明を、E−UTRANに属する移動可能な基地局およびそれを備える無線通信システムに適用した場合について説明する。
図5は、移動体ネットワークシステム200の構成を示すブロック図である。図5に示す移動体ネットワークシステム200は、非特許文献1の図6.1−1に開示されているUEの位置推定機能を有する。以下では、「位置推定」を「ポジショニング(positioning)」といい、UEの位置推定を「UEポジショニング(UE positioning)」という場合がある。
位置推定(positioning)とは、位置に関する何らかの信号を測定すること、ならびにその測定した情報から位置推定対象の地理上の位置および移動速度を推定することをいう(非特許文献3 4.2章および非特許文献2 4.2章参照)。
移動体ネットワークシステム200は、UE201、GERAN(Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標)) and Enhanced Digital rates for GSM Evolution(EDGE) Radio Access Network)202、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)203、E−UTRAN204、2G−MSC(Second Generation - Mobile services Switching Centre)205、2G−SGSN(Second Generation - Serving General Packet Radio Service(GPRS) Support Node)206、3G(Third Generation)SGSN207、MSCサーバ(server)208、MME209、E−SMLC(Evolved Serving Mobile Location Centre)210、SLP(Secure User Plane Location(SUPL) Location Platform)211、GMLC(Gateway Mobile Location Centre(MLC))212、LRF(Location Retrieval Function)213、PPR(Privacy Profile Register)214、E−CSCF(Emergency Call Service Control Function(CSCF))215、gsmSCF216、OSA−LCS(Open Service Access - Location Services)217、外部LCSクライアント(External LCS Client)218、ホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server:HSS)219、PMD(Pseudonym mediation device functionality)220、およびLIMS−IWF(Location IP Multimedia Subsystem - Interworking Function)221を備えて構成される。
移動体ネットワークシステム200を構成する装置のうち、移動端末装置(UE201など)および基地局装置(E−UTRAN204内のeNBなど)を除くもの、例えば2G−MSC205、2G−SGSN206、3G−SGSN207、MSCサーバ208、MME209、E−SMLC210、SLP211、GMLC212、LRF213、PPR214、E−CSCF215、gsmSCF216、OSA−LCS217、外部LCSクライアント218、HSS219、PMD220およびLIMS−IWF221などは、管理装置に相当する。
UE201とGERAN202とは、Umインタフェース231によって接続される。UE201とUTRAN203とは、Uuインタフェース232によって接続される。UE201とE−UTRAN204とは、LTE−Uuインタフェース233によって接続される。
GERAN202と2G−MSC205とは、Aインタフェース234によって接続される。GERAN202と2G−SGSN206とは、Gbインタフェース235によって接続される。GERAN202と3G−SGSN207とは、Iuインタフェース236によって接続される。GERAN202とMSCサーバ208とは、Iuインタフェース237によって接続される。
UTRAN203と3G−SGSN207とは、Iuインタフェース238によって接続される。UTRAN203とMSCサーバ208とは、Iuインタフェース239によって接続される。
E−UTRAN204とMME209とは、S1インタフェース240によって接続される。MME209とE−SMLC210とは、SLsインタフェース241によって接続される。E−SMLC210は、SLP211と接続される。
GMLC212と2G−MSC205とは、Lgインタフェース242によって接続される。GMLC212と2G−SGSN206とは、Lgインタフェース243によって接続される。GMLC212と3G−SGSN207とは、Lgインタフェース244によって接続される。GMLC212とMSCサーバ208とは、Lgインタフェース245によって接続される。GMLC212とMME209とは、SLgインタフェース246によって接続される。
GMLC212とPPR214とは、Lppインタフェース247によって接続される。GMLC212は、LRF213と接続される。GMLC212は、LRF213を介して、E−CSCF215と接続される。LRF213は、GMLC212とは別に設けられているが、GMLC212を含んで構成されてもよい。LRF213とE−CSCF215とは、MIインタフェース248によって接続される。
GMLC212とgsmSCF216とは、Lcインタフェース249によって接続される。GMLC212とOSA−LCS217とは、専用インタフェース250によって接続される。GMLC212と外部LCSクライアント218とは、Leインタフェース251によって接続される。gsmSCF216とOSA−LCS217とは、専用インタフェース252によって接続可能である。OSA−LCS217と外部LCSクライアント218とは、OSA API253によって接続可能である。
GMLC212とHSS219とは、Lh/SLhインタフェース254によって接続される。GMLC212とPMD220とは、Lidインタフェース255によって接続される。GMLC212とLIMS−IWF221とは、Leインタフェース256によって接続される。
GERAN202は、第2世代(2G)の無線通信システムであるGSM(Global System for Mobile Communications)の無線アクセスネットワークである。UTRAN203は、第3世代(3G)の無線通信システムであるUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の無線アクセスネットワークである。E−UTRAN204は、第3.9世代(3.9G)の無線通信システムである発展型UMTS(Evolved UMTS)の無線アクセスネットワークである。
2G−MSC205、およびMSCサーバ(server)208は、回線交換呼の制御および管理、UE201の認証処理、ならびにUE201の位置推定に関する要求の管理を行う。
2G−SGSN206および3G−SGSN207は、パケット交換呼の制御および管理、UE201の認証処理、ならびにUE201の位置推定に関する要求の管理を行う。
MME209は、E−UTRAN204における呼の制御および管理、UE201の認証処理、ならびにUE201の位置推定に関する要求の管理を行う。
E−SMLC210は、E−UTRAN204に在圏するUE201の位置推定制御および演算などを行う。
SLP211は、OMA(Open Mobile Alliance)で規定されるSUPL(Secure User Plane Location)サービスの管理および位置決定を行うエンティティである(OMA−AD−SUPL v2.0参照)。
GMLC212は、ロケーションサービス(Location Service)に関する主要な機能を有し、同一PLMNの複数の無線アクセスネットワークとのインタフェースおよび他のPLMNとのインタフェースとして機能する。
LRF213は、IMS(IP Multimedia Subsystem)アーキテクチャにおける緊急呼などの緊急通信セッションが確立されたUE201の位置情報を探知する機能を有するエンティティである。
PPR214は、加入者のプライバシに関するプロファイル(情報)を維持および管理するエンティティである。
E−CSCF215は、IMSアーキテクチャにおける緊急呼などの緊急通信セッションを制御するエンティティである。
gsmSCF216は、LCSのためのCAMEL(Customised Applications for Mobile Enhanced Logic)によるアクセスを行うGSMシステム制御機能である。
OSA−LCS217は、位置情報サービス用のネットワーク機能を利用するためのOSAである。OSA−LCS217は、開放されたAPI(Application Programming Interface)を提供する機能群である(例えば3GPP TS22.127、TS23.198、TS29.198参照)。
外部LCSクライアント218は、移動体ネットワークシステム200の外部のUE201の位置の測定を要求することができるクライアントである。
HSS219は、加入者情報を管理する加入者情報管理エンティティである。PMD220は、プライバシの保護を目的として、ペンネーム(Pseudonym)を使用して位置情報サービスに関する通信を行う場合のペンネームと、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)およびIMSI(International Mobile Subscriber Identity)のような加入者を識別する情報とを関連付ける機能を有する。
LIMS−IWF221は、ロケーションサービスにおけるIMS(IP Multimedia Subsystem)アーキテクチャをベースとしたシステムにおいて、他のネットワークとの相互接続のための機能を有する。例えば、LIMS−IWF221は、ある加入者のIMSのパブリックユーザアイデンティティ(Public User Identity)のやり取りなどを行う機能を有する。
図6は、E−UTRANにおける従来技術の無線通信システム260の構成を示すブロック図である。図6に示すE−UTRANにおける従来技術の無線通信システム260は、非特許文献2の図5−1に開示されている。
無線通信システム260は、ターゲットUE261、SLP262、eNodeB263、UE用E−SMLC264およびMME265を備えて構成される。ターゲットUE261は、SET(SUPL Enabled Terminal)266を備える。
ターゲットUE261とeNodeB263とは、LTE−Uuインタフェース272によって接続される。eNodeB263とMME265とは、S1インタフェース274によって接続される。UE用E−SMLC264とMME265とは、SLsインタフェース275によって接続される。
また、ターゲットUE261内のSET266とSLP262との間は、論理的な接続を確立する。これをSUPL(Secure User Plane Location)ベアラ(bearer)271という。また、SLP262とUE用E−SMLC264とは、専用インタフェース273によって接続することが可能である。
eNodeB(E−UTRAN NodeB)263は、E−UTRANにおいて、無線通信プロトコルを終端する基地局装置である。
SUPL(Secure User Plane Location)ベアラ(bearer)271、SLP262およびSET266は、OMA(Open Mobile Alliance)で規定されるSUPLにおける機能を有するエンティティである(OMA−AD−SUPL v2.0参照)。
SUPLベアラ271は、SUPLにおけるユーザベアラである。SLP262は、SUPLサービスの管理および位置決定を行うエンティティである。SET266は、SUPL通信機能を有する端末機能である。
ターゲットUE261、MME265およびUE用E−SMLC264は、それぞれ、前述の図5に示す移動体ネットワークシステム200におけるUE201、MME209およびE−SMLC210と同様の構成である。
図7は、本発明の第1の実施の形態における無線通信システム280の構成を示すブロック図である。無線通信システム280は、前述の図6に示す無線通信システム260と同様のターゲットUE261、SLP262、eNodeB263、UE用E−SMLC264およびMME(以下「第1MME」という場合がある)265と、車両システム(Vehicular System)281、ターゲットeNodeB_uu282、UE283、eNodeB284、ターゲットeNodeB_s1 285、第2MME286、およびeNB用E−SMLC287とを備えて構成される。
車両システム281とターゲットeNodeB_Uu282とは、Vインタフェース291によって接続される。車両システム281とターゲットeNodeB_s1 285とは、Vインタフェース293によって接続される。
ターゲットeNodeB_Uu282とUE283とは、LTE−Uuインタフェース292によって接続される。ターゲットeNodeB_Uu282とeNodeB284とは、LTE−Uuインタフェース294によって接続される。ターゲットeNodeB_Uu282とeNodeB284とは、LTE−Unインタフェースによって接続されてもよい。
UE283とターゲットeNodeB_s1 285とは、LTE−Uuインタフェース295によって接続される。
eNodeB284と第2MME286とは、S1インタフェース296によって接続される。ターゲットeNodeB_s1 285と第2MME286とは、S1インタフェース297によって接続される。
第2MME286とeNB用E−SMLC287とは、SLsインタフェース298によって接続される。eNB用E−SMLC287とUE用E−SMLC264とは、SLLsインタフェース299によって接続される。
図7に示す無線通信システム280では、図6に示す従来の無線通信システム260においてUEの位置推定に用いられるUE用E−SMLC264に加えて、新たに、eNB用E−SMLC287を設けている。
車両システム281は、列車または乗用車などの移動を前提とした構造物(以下「移動構造物」という場合がある)にeNodeBが設置された場合に、その移動構造物の位置および速度などの位置推定に関する情報を、測定および推定可能に構成される。eNB用E−SMLC287は、E−UTRANにおけるeNodeBの位置情報の管理および算出を行うエンティティである。
ターゲットeNodeB_uu282は、移動可能なeNodeBである。ターゲットeNodeB_uu282は、LTE−UuインタフェースまたはLTE−Unインタフェースなどの無線接続インタフェースによって、ネットワーク側と無線接続されるeNodeBである。ターゲットeNodeB_uu282は、例えば移動中継装置(Mobile Relay Node)である。
ターゲットeNodeB_s1 285は、S1インタフェースなどの有線接続インタフェースによって、ネットワーク側と有線接続されるeNodeBである。ターゲットeNodeB_s1 285は、例えばフェムトセル基地局(HeNB)である。
図7は、論理的な構成を示す図であり、物理的な構成を示すものではない。例えば、図7では、eNB用E−SMLC287とUE用E−SMLC264とは独立して記載されているが、この記載は、eNB用E−SMLC287とUE用E−SMLC264とが物理的に独立の装置であることを示すものではない。eNB用E−SMLC287とUE用E−SMLC264とは、別個の装置として構成されてもよく、1つの装置として構成されてもよい。
表1に、図7に示す各論理ブロックが有する位置推定に関する機能を示す。表1では、各機能が配置される論理ブロックを、記号「○」で示す。
表1において、位置推定機能(ポジショニング機能(Positioning functions))301は、UE用PRCF、UE用PCF、UE用PSMF、UE用PRRM、eNB用PRCF、eNB用PCF、eNB用PSMFおよびeNB用PRRMを含む。
位置推定機能301のうち、UE用PRCF、UE用PCF、UE用PSMFおよびUE用PRRMは、非特許文献1の5章および6章に記載されるPRCF(Positioning Radio Co-ordination Function)、PCF(Positioning Calculation Function)、PSMF(Positioning Signal Measurement Function)およびPRRM(Positioning Radio Resource Management)に相当する。
位置推定機能301のうち、eNB用PRCF、eNB用PCF、eNB用PSMFおよびeNB用PRRMは、eNBの位置推定を目的としたものであり、その内容は、非特許文献1の5章および6章に記載される各機能と同様である。
ロケーションクライアント機能(Location client functions:LCF)302は、UE用LCFおよびeNB用LCFを含む。
システムハンドリング機能(System handling functions)303は、UE用LSCF、UE用LSBF、UE用LSOF、UE用LSBcF、UE用LSCTF、UE用LIMS−IWF、eNB用LCF、eNB用LSCF、eNB用LSBF、eNB用LSOF、eNB用LSBcF、eNB用LSCTFおよびeNB用LIMS−IWFを含む。
ロケーションクライアント機能302のうちのUE用LCF、ならびにシステムハンドリング機能303のうちのUE用LSCF、UE用LSBF、UE用LSOF、UE用LSBcF、UE用LSCTFおよびUE用LIMS−IWFは、位置推定機能301の各機能と同様に、非特許文献1の5章および6章に記載されるLCF(Location Client Function)、LSCF(Location System Control Function)、LSBF(Location System Billing Function)、LSOF(Location System Operations Function)、LSBcF(Location System Broadcast Function)、LSCTF(Location System Co-ordinate Transformation Function)およびLIMS−IWF(Location IMS Interworking Function)に相当する。
システムハンドリング機能303のうちのeNB用LCF、eNB用LSCF、eNB用LSBF、eNB用LSOF、eNB用LSBcF、eNB用LSCTFおよびeNB用LIMS−IWFは、位置推定機能301と同様に、eNBの位置推定を目的としたものであり、その内容は、非特許文献1の5章および6章に記載される各機能と同様である。
表1において記号「○」で示すように、位置推定機能301のうちのeNBに対するPCFであるeNB用PCFは、車両システム、UE、eNB_uu/s1およびeNB用E−SMLCに配置される。位置推定機能301のうちのeNBに対するPSMFであるeNB用PSMFは、車両システム、UE、eNB_uu/s1およびeNBに配置される。位置推定機能301のうちのeNBに対するPRRMであるeNB用PRRMは、eNBに配置される。位置推定機能301のうちのeNBに対するPRCFであるeNB用PRCFは、eNB用E−SMLCに配置される。
eNB_uu/s1に配置されるeNB用PSMFは、GNSSの信号(以下「GNSS信号」という場合がある)および他のeNBの信号に対するものであり、位置決め法(Positioning Method)として、E_PM_1、E_PM_2、E_PM_3、E_PM_4またはE_PM_5が用いられる場合に適用される。
UEに配置されるeNB用PCFおよびeNB用PSMFは、UEの位置推定と同様の機能であり、位置決め法として、E_PM_4が用いられる場合に適用される。
車両システムに配置されるeNB用PCFおよびeNB用PSMFは、列車運行システムおよびカーナビゲーションシステムなどの移動構造物において測定または推定された位置情報に関するものであり、位置決め法として、E_PM_6が用いられる場合に適用される。
eNBに配置されるeNB用PSMFは、位置決め法として、E_PM_1、E_PM_2、E_PM_3またはE_PM_5が用いられる場合に適用される。位置決め法については後述する。
eNBに対するロケーションクライアント機能302であるeNB用LCFについては、eNB_uu/s1、MMEおよびeNB用E−SMLCに配置されるものとする。
eNB_uu/s1に配置されるeNB用LCFは、eNBのリセット時、および設置位置の変更は可能であるが基本的に固定状態で運用されるeNBが移動を検出した場合などにおいて、位置測定をリセットし、再度要求するために実装される。
eNB用E−SMLCに配置されるeNB用LCFは、位置推定結果に基づいて、追加の測定が必要な場合などに、位置推定要求を実施するために実装される。
UEに対するロケーションクライアント機能302であるUE用LCFが実装される論理ブロックについては、非特許文献1の表6.2aに記載された論理ブロックであるUEおよびMMEに加えて、eNB用E−SMLCを追加する。これは、eNBの位置推定精度を向上するために、UEの位置推定を起動することを目的として実装される。
次に、位置決め法について説明する。表2に6つの位置決め法を示す。
位置推定においては、位置推定対象とならない「固定のeNB」と、HeNBのように位置推定対象となる「設置位置の変更は可能であるが、基本的に固定状態で運用されるeNB」と、移動リレーノード(Mobile Relay Node;Mobile RN:移動RN)のように「基本的に移動しながら運用されるeNB」との3種類に分けて管理する。これによって、位置推定が容易となる。
表2に示すE_PM_1は、ネットワーク支援GNSS法である。E_PM_2は、下り回線位置決め法である。E_PM_3は、拡張セルID法である。E_PM_4は、UE追跡情報に基づく方法である。E_PM_5は、移動eNB追跡情報に基づく方法である。E_PM_6は、補助車両情報に基づく方法である。
具体的には、E_PM_1、E_PM_2およびE_PM_3は、非特許文献2に記載のUEの位置推定と同様の機能である。E_PM_1、E_PM_2およびE_PM_3は、位置推定の対象となるeNB_uu/s1に対し、GNSS信号を受信および測定し、その結果に対する計算を行う機能と、他のeNBの下りリンク信号を受信および測定し、その結果に対する計算を行う機能とを搭載して、UEの動作と同様に、位置推定を行う。
E_PM_4は、位置推定の対象となるeNB_uu/s1のセルに在圏するUEの現在および過去の位置推定履歴、在圏セル情報および測定情報などのeNB_uu/s1に関する情報を利用して、eNB_uu/s1の位置推定を行うものである。E_PM_4は、GNSSの電波および他のeNBの電波が受信できない場合に有効である。また、E_PM_4は、「設置位置の変更は可能であるが、基本的に固定状態で運用されるeNB」に有効である。
E_PM_5は、位置推定の対象となるeNB_uu/s1に対するE_PM_1、E_PM_2およびE_PM_3の位置推定結果、または現在および過去のeNB_uu/s1に対する位置推定履歴および測定情報などのeNB_uu/s1に関する情報を利用して、位置推定を行うものである。eNB_uu/s1に関する情報は、位置推定の対象がeNB_uuである場合には、在圏セル情報を含んでもよい。E_PM_5は、主に、「基本的に移動しながら運用されるeNB」に対して有効である。
E_PM_6は、移動する構造物に設置されたeNBに対して適用されるものである。E_PM_6は、列車運行システムおよびカーナビゲーションシステムなどの移動構造物において測定および推定された位置情報、ならびに速度情報を用いて位置推定を行うものである。
eNBの位置推定要求(ロケーションサービス要求(Location Service Request)という場合がある)については、移動状態での位置管理および複数のUEの情報を用いて位置推定を実施することから、以下の(1)〜(3)の3つの推定要求を有することとする。
(1)1つの時間における測定情報を用いて現在位置を推定する位置推定要求(ロケーションサービス要求)
(2)時間的に複数の情報を用いて1つの位置を推定する位置推定要求(第1ロケーションアップデートプロセス要求)
(3)移動中の運用を想定し、前記(1)の測定を連続的に行う位置推定要求(第2ロケーションアップデートプロセス要求)
以下の説明において、「ロケーションサービス要求」を「LS要求」といい、「第1ロケーションアップデートプロセス要求」を「第1LUP要求」といい、「第2ロケーションアップデートプロセス要求」を「第2LUP要求」という場合がある。
基本的に、第1LUP要求は、「設置位置の変更は可能であるが、基本的に固定状態で運用されるeNB」を対象とし、第2LUP要求は、「基本的に移動しながら運用されるeNB」を対象とする。
以下に、eNBの位置推定に関する動作について説明する。図8は、LS要求のシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスにおいては、前述の全てのeNBの位置決め法(eNB Positioning Method)を適用することが可能である。
LCFとなるeNodeB_uu/s1において位置推定要求が発生したときは、ステップST1において、eNodeB_uu/s1は、MMEにLS要求を送信する。
LCFとなるeNB用E−SMLCにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST2において、eNodeB_uu/s1は、MMEにLS要求を送信する。
LCFとなるMMEにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST3において、MMEは、実施すべき内部イベントとして、LS要求を認識する。
LS要求を受信または内部イベントとして認識したMMEは、そのLS要求を、ステップST4において、eNB用E−SMLCに通知する。前述のステップST1〜ステップST3の処理は独立しており、これらのステップから選ばれる任意の1つの処理が行われたとき、MMEは、ステップST4の処理を行う。
ステップST5において、eNB用E−SMLC、eNodeBおよびMMEは、eNodeBプロシージャを行う。具体的には、MMEからのLS要求を受信したeNB用E−SMLCは、位置推定の対象となるeNodeBとMMEとの間で、必要に応じて位置推定に関する測定データおよび補助データの授受を行う。
その後、ステップST6において、eNodeB_uu/s1、eNodeB、MMEおよびeNB用E−SMLCは、eNodeB_uu/s1プロシージャを行う。具体的には、位置推定の対象となるeNodeB_uu/s1と、eNodeBと、MMEと、eNB用E−SMLCとの間で、eNodeB_uu/s1プロシージャとして、位置推定に必要なデータの授受が行われる。
ステップST7において、eNB用E−SMLCは、位置推定を行う。位置推定を完了したeNB用E−SMLCは、その推定結果およびその推定結果に基づいて計算した信頼度を、eNodeB管理テーブル(以下「ロケーションテーブル」という場合がある)に記録し、ロケーションテーブルを更新する。
ステップST8において、eNB用E−SMLCは、推定した位置情報を付加して、処理完了を表すLS応答をMMEに送信する。
eNB用E−SMLCからのLS応答を受信したMMEは、要求元にLS応答を送信する。
具体的には、eNodeB_uu/s1が要求元であった場合、すなわち前述のステップST1の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST9において、eNodeB_uu/s1にLS応答を送信する。
eNB用E−SMLCが要求元であった場合、すなわち前述のステップST2の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST10において、eNB用E−SMLCに、LS応答を送信する。
MME自身が要求元であった場合、すなわち前述のステップST3の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST11において、自身でLS応答を確認する。
推定結果の信頼度が低い場合は、再度、別の位置決め法または手順で位置推定を実施することによって、精度の向上を図るようにしてもよい。
図9は、位置決め法としてE_PM_4のUE追跡情報に基づく方法を用い、かつ第1LUP要求を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。
はじめに、LCFとなるeNB用E−SMLCにおいて、位置推定の対象のeNodeB_uu/s1の精度が十分でないなどの事由によって位置推定要求が発生したとき、ステップST21に移行する。
ステップST21において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、第1ロケーションアップデートプロセス(LUP)要求メッセージを送信して、処理の開始を通知する。
第1LUP要求メッセージは、処理の開始(start)、停止(stop)および位置決め法などを通知できるものとする。
処理の開始を表す第1LUP要求メッセージを受信したMMEは、その要求メッセージ、すなわち処理の開始を表す第1LUP要求メッセージを、ステップST22において、eNodeB_uu/s1に対して送信して、処理の開始を通知する。
処理の開始を表す第1LUP要求メッセージを受信したeNodeB_uu/s1は、ステップST23において、位置決め法がE_PM_4であることを確認し、システム情報などを用いて報知するか、または個別チャネルによって、UEに対して、自セルが、E_PM_4のUE追跡情報に基づく方法で位置決めされるセル(以下「UE追跡情報に基づく方法のセル」という)であることを通知する。この通知については、特定のフィールドをシステム情報として設定してもよいし、CSG(Closed Subscriber Group)などのフィールドで代用してもよい。CSGフィールドを用いた場合は、全てのCSGセルにおいて、常にUEからの情報を受け付けることとなる。
このように、UEに、UE追跡情報に基づく方法のセルであるか否かを通知することによって、UE追跡情報に基づく方法でないセルにおいて、不要な情報送信を停止させることができる。したがって、UEの消費電力および通信トラフィックの低減を図ることができる。
ステップST24において、eNodeB_uu/s1は、MMEに第1LUP応答メッセージを送信する。
第1LUP応答メッセージを受信したMMEは、ステップST25において、eNB用E−SMLCに第1LUP応答メッセージを送信する。これによって、第1LUPが起動される。
第1LUPの起動中においては、任意のタイミングで、UE、eNodeB_uu/s1、eNodeB、MMEおよびeNB用E−SMLC間で実施されるステップST31のeNBロケーションアップデートプロシージャの起動が可能となる。
ステップST31のeNBロケーションアップデートプロシージャは、以下に述べるステップST26〜ステップST30の処理を含む。
ここで、UEの動作を説明する。本セルに在圏したUEは、はじめにシステム情報などを受信して、本セルが、UE追跡情報に基づく方法のセルであることを認識する。UE追跡情報に基づく方法のセルであることを認識したUEは、必要に応じて、現在位置の位置推定に関する情報の測定を行い、速やかに、ステップST26において、UEロケーション情報レポートによって、自装置の現在および過去に測定した位置推定に関する情報をMMEに送信する。
このようにステップST26においてUEロケーション情報レポートを送信することによって、UE、eNodeB_uu/s1、eNodeB、MMEおよびeNB用E−SMLC間で実施されるステップST26〜ステップST30の処理で構成されるeNBロケーションアップデートプロシージャが開始される。
なお、TAU(Tracking Area Update)を行う場合は、TAUの手続きに含む形式で位置推定に関する情報を送信することも可能である。
また、本処理は、UEロケーション情報レポートを個別チャネルなどで送信することによって、RRC_Idle状態のUEのみならず、RRC_Connected状態のUEにも適用することが可能である。
また、位置推定に関する情報に時刻を付随して送信すると、位置推定の精度の向上が期待できる。UEおよびネットワーク設備の設定によって、位置推定に関する情報を送信しないようにすることも可能である。
ここで、RRC_Idle状態とは、待ち受け状態のことであり、RRC_Connected状態とは、RRC接続状態のことである。RRC_Idle状態では、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_Connected状態では、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができ、また、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメントなどが行われる。
UEロケーション情報レポートを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST27において、MMEとeNB用E−SMLCとの間のUEロケーション情報レポートとしてeNB用E−SMLCに送信する。
UEロケーション情報レポートを受信したeNB用E−SMLCは、ステップST28において、UEロケーション情報レポートに含まれるUEロケーション情報と、過去に受信したUEの情報および位置推定結果などとを用いて位置推定を行う。位置推定を完了したeNB用E−SMLCは、その推定結果およびその推定結果に基づいて計算した信頼度を、eNodeB管理テーブルであるロケーションテーブルに記録し、ロケーションテーブルを更新する。
ステップST29において、eNB用E−SMLCは、更新した位置情報およびそれに関する情報を、eNBロケーションアップデート情報として、MMEに送信する。
eNBロケーションアップデート情報を受信したMMEは、受信した情報を、ステップST30において、MMEとeNB_uu/s1との間のeNBロケーションアップデート情報として、eNB_uu/s1に送信する。
異なる複数のUEまたは同一のUEにおいて、ステップST31のeNBロケーションアップデートプロシージャの処理が繰り返し行われる。
eNB用E−SMLCにおいて十分な精度が得られたなどの要因によって、停止要求が発生した場合には、ステップST32に移行する。
ステップST32において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、処理停止を表す第1LUP要求メッセージを送信して、処理停止を通知する。
処理停止を表す第1LUP要求メッセージを受信したMMEは、ステップST33において、eNodeB_uu/s1に対して、処理停止を表す第1LUP要求メッセージを送信して、処理停止を通知する。
処理停止を表す第1LUP要求を受信したeNodeB_uu/s1は、ステップST34において、システム情報などを用いて報知するか、または個別チャネルによって、UEに対して、UE追跡情報に基づく方法のセルでないことを通知する。
ステップST35において、eNodeB_uu/s1は、MMEに第1LUP応答メッセージを送信する。第1LUP応答メッセージを受信したMMEは、ステップST36において、eNB用E−SMLCに第1LUP応答を送信する。
図10は、位置決め法としてE_PM_5の移動eNB追跡情報に基づく方法を用い、かつ第2LUP要求を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。
はじめに、LCFとなるeNB用E−SMLCにおいて、位置推定対象のeNBが列車などの移動構造物に設置されているなどの事由によって本位置決め方法および第2LUP要求を用いた位置推定要求が発生したとき、ステップST41に移行する。
ステップST41において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、処理の開始を表す第2LUP要求メッセージを送信して、処理開始を通知する。
第2LUP要求メッセージは、処理の開始(start)、停止(stop)および位置決め法などを通知できるものとする。
処理開始を表す第2LUP要求メッセージを受信したMMEは、そのメッセージ、すなわち処理開始を表す第2LUP要求メッセージを、ステップST42において、位置推定の対象のeNodeB_uu/s1に対して送信し、処理開始を通知する。
処理開始を表す第2LUP要求メッセージを受信したeNodeB_uu/s1は、位置決め法がE_PM_5であることを確認し、ステップST43において、MMEに第2LUP応答メッセージを送信する。
第2LUP応答メッセージを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST44において、MMEとeNB用E−SMLCとの間の第2LUP応答メッセージとして、eNB用E−SMLCに送信する。これによって、第2LUPが起動される。
第2LUPの起動中においては、任意のタイミングで、eNodeB_uu/s1、eNodeB、MMEおよびeNB用E−SMLC間で実施されるステップST51のeNBロケーションアップデートプロシージャの起動が可能となる。
ステップST51のeNBロケーションアップデートプロシージャは、以下に述べるステップST45〜ステップST50の処理を含む。
ステップST45において、eNodeB_uu/s1は、定期的または不定期的な位置推定に関する情報の測定および算出を開始する。
ステップST46において、eNodeB_uu/s1は、eNBロケーション情報レポートによって、定期的または不定期的に、その位置推定に関する情報をMMEに送信する。eNodeB_uu/s1によって測定および算出が行われ、MMEに送信される位置推定に関する情報は、例えば表2に示すE_PM_1、E_PM_2およびE_PM_3に関するものである。
eNBロケーション情報レポートを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST47において、MMEとeNB用E−SMLCとの間のeNBロケーション情報レポートとして、eNB用E−SMLCに送信する。
eNBロケーション情報レポートを受信したeNB用E−SMLCは、ステップST48において、eNBロケーション情報レポートに含まれるeNBロケーション情報と、移動構造物の路線図と、eNBの設置位置情報などとを用いて位置推定を行う。位置推定を完了したeNB用E−SMLCは、その推定結果およびその推定結果に基づいて計算した信頼度を、eNodeB管理テーブルであるロケーションテーブルに記録し、ロケーションテーブルを更新する。
ステップST49において、eNB用E−SMLCは、更新した位置情報およびそれに関する情報を、eNBロケーションアップデート情報として、MMEに送信する。
eNBロケーションアップデート情報を受信したMMEは、受信した情報を、ステップST50において、MMEとeNB_uu/s1との間のeNBロケーションアップデート情報として、eNB_uu/s1に送信する。
ステップST51のeNBロケーションアップデートプロシージャの処理は、繰り返し行われる。
eNB用E−SMLCにおいて十分な精度が得られたなどの要因によって、停止要求が発生した場合には、ステップST52に移行する。
ステップST52において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、処理停止を表す第2LUP要求メッセージを通知する。
処理停止を表す第2LUP要求メッセージを受信したMMEは、ステップST53において、eNodeB_uu/s1に対して、処理停止を表す第2LUP要求メッセージを送信して、処理停止を通知する。
処理停止を表す第2LUP要求メッセージを受信したeNodeB_uu/s1は、ステップST54において、MMEに第2LUP応答メッセージを送信する。第2LUP応答メッセージを受信したMMEは、ステップST55において、eNB用E−SMLCに第2LUP応答メッセージを送信する。
図11は、位置決め法としてE_PM_6の補助車両情報に基づく方法を用い、かつ第2LUP要求を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。
はじめに、LCFとなるeNB用E−SMLCにおいて、位置推定対象のeNBが列車などの移動構造物に設置されており、かつその移動構造物の車両システム(Vehicular System)から位置推定に関する情報が取得可能であるなどの事由によって本位置決め法および第2LUP要求を用いた位置推定要求が発生したとき、ステップST61に移行する。
ステップST61において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、処理開始を表す第2LUP要求メッセージを送信して、処理開始を通知する。
処理開始を表す第2LUP要求メッセージを受信したMMEは、ステップST62において、位置推定対象のeNodeB_uu/s1に対して、処理開始を表す第2LUP要求メッセージを通知する。
処理開始を表す第2LUP要求メッセージを受信したeNodeB_uu/s1は、位置決め法がE_PM_6であることを確認し、ステップST63において、MMEに第2LUP応答メッセージを送信する。
第2LUP応答メッセージを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST64において、MMEとeNB用E−SMLCとの間の第2LUP応答メッセージとして、eNB用E−SMLCに送信する。これによって、第2LUPが起動される。
第2LUPの起動中においては、任意のタイミングで、車両システム、eNodeB_uu/s1、eNodeB、MMEおよびeNB用E−SMLC間で実施されるステップST71のeNBロケーションアップデートプロシージャの起動が可能となる。
ステップST71のeNBロケーションアップデートプロシージャは、以下に述べるステップST65〜ステップST70の処理を含む。
ステップST65において、車両システムは、eNodeB_uu/s1に、位置推定に関する情報を、車両ロケーション情報レポートとして、定期的または不定期的に送信する。車両ロケーション情報レポートを受信したeNodeB_uu/s1は、定期的または不定期的に受信した車両システムからの位置推定に関する情報に関する演算を実施する。そして、ステップST66において、eNodeB_uu/s1は、eNBロケーション情報レポートによって、定期的または不定期的に、その位置推定に関する情報をMMEに送信する。
eNBロケーション情報レポートを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST67において、MMEとeNB用E−SMLCとの間のeNBロケーション情報レポートとして、eNB用E−SMLCに送信する。すなわち、MMEは、受信したeNBロケーション情報をeNB用E−SMLCに転送する。
eNBロケーション情報レポートを受信したeNB用E−SMLCは、ステップST68において、eNBロケーション情報レポートに含まれるeNBロケーション情報と、移動構造物の路線図と、eNBの設置位置情報などとを用いて位置推定を行う。位置推定を完了したeNB用E−SMLCは、その推定結果およびその推定結果に基づいて計算した信頼度、eNodeB管理テーブル出あるロケーションテーブルに記録し、ロケーションテーブルを更新する。
ステップST69において、eNB用E−SMLCは、MMEにeNBロケーションアップデート情報を送信する。
eNBロケーションアップデート情報を受信したMMEは、受信した情報を、ステップST70において、MMEとeNB_uu/s1との間のeNBロケーションアップデート情報として、eNB_uu/s1に送信する。
ステップST71のeNBロケーションアップデートプロシージャの処理は、繰り返し行われる。eNB用E−SMLCにおいて、位置推定に十分な精度が得られたなどの要因によって、停止要求が発生した場合には、ステップST72に移行する。
ステップST72において、eNB用E−SMLCは、MMEに対して、処理停止を表す第2LUP要求メッセージを送信して、処理停止を通知する。
処理停止を表す第2LUP要求メッセージを受信したMMEは、ステップST73において、eNodeB_uu/s1に対して、処理停止を表す第2LUP要求メッセージを送信して、処理停止を通知する。
処理停止を表す第2LUP要求メッセージを受信したeNodeB_uu/s1は、ステップST74において、MMEに第2LUP応答メッセージを送信する。第2LUP応答メッセージを受信したMMEは、受信した情報を、ステップST75において、MMEとeNB用E−SMLCとの間の第2LUP応答メッセージとして、eNB用E−SMLCに送信する。
以下に、移動可能なeNBの位置推定結果を用いて行うUEの位置推定に関する動作について説明する。
図12は、移動可能なeNBの位置推定結果を用いてUEの位置推定を行うときのシーケンスの一例を示す図である。図12は、非特許文献7(3GPP TS26.305)の図5.1−1に開示されるシーケンスに、移動可能なeNBの位置推定結果を用いる手続きを追加したシーケンスの一例を示す図である。図13は、図12に示すステップST86のE−SMLC間プロシージャのシーケンスの一例を示す図である。
LCFとなるUEにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST81において、UEは、MMEにLS要求を送信する。
LCFとなる外部LCSクライアントにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST82において、外部LCSクライアントは、MMEにLS要求を送信する。
LCFとなるMMEにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST83において、MMEは、実施すべき内部イベントとして、LS要求を認識する。
LCFとなるeNB用E−SMLCにおいて位置推定要求が発生したときは、ステップST84において、eNB用E−SMLCは、MMEにLS要求を送信する。
LS要求を受信または内部イベントとして認識したMMEは、そのLS要求を、ステップST85において、UE用E−SMLCに通知する。前述のステップST81〜ステップST84の処理は独立しており、これらのステップから選ばれる任意の1つの処理が行われたとき、MMEは、ステップST85の処理を行う。
LS要求メッセージを受信したUE用E−SMLCは、位置推定対象のLS要求において、在圏セルまたは隣接セルに移動可能なeNBが含まれているか否かなどの情報によって、「移動可能なeNBの位置推定結果」が必要か否かを判定する。「移動可能なeNBの位置推定結果」が必要であると判断した場合、ステップST86において、UE用E−SMLCおよびeNB用E−SMLCは、E−SMLC間プロシージャ(Inter E-SMLC Procedures)を行う。具体的には、UE用E−SMLCは、eNB用E−SMLCに、対象eNBの位置情報の問い合わせを行う。
E−SMLC間プロシージャでは、図13に示すステップST101において、UE用E−SMLCは、eNB用E−SMLCにeNBロケーション情報サービス要求を送信する。
ステップST102において、eNB用E−SMLCは、ロケーションデータの検索、または、対象となるeNBの位置推定に関する情報の測定を行う。
ステップST103において、eNB用E−SMLCは、UE用E−SMLCにeNBロケーション情報サービス応答を送信する。
その後、図12に示すシーケンスに戻り、ステップST87において、eNodeB、MMEおよびUE用E−SMLCは、eNodeBプロシージャを行う。eNodeBプロシージャでは、eNodeBと、MMEと、UE用E−SMLCとの間で、必要に応じて位置推定に関する測定データおよび補助データの授受を行う。
その後、ステップST88において、UE、eNodeB、MMEおよびUE用E−SMLCは、UEプロシージャを行う。UEプロシージャでは、UEと、eNodeBと、MMEと、UE用E−SMLCとの間で、対象となるUEと位置推定に必要なデータの授受を行う。そして、UE用E−SMLCによって位置推定を行う。
位置推定を完了したUE用E−SMLCは、ステップST89において、その推定結果およびその推定結果に基づいて計算した信頼度を、必要に応じて、推定した位置情報を付加して、MMEにLS応答を送信する。
LS応答を受信したMMEは、要求元にLS応答を送信する。具体的には、UEが要求元であった場合、すなわち前述のステップST81の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST90において、UEにLS応答を送信する。
外部LCSクライアントが要求元であった場合、すなわち前述のステップST82の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST91において、外部LCSクライアントに、LS応答を送信する。
MME自身が要求元であった場合、すなわち前述のステップST83の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST92において、自身でLS応答を確認する。
eNB用E−SMLCが要求元であった場合、すなわち前述のステップST84の処理が行われた場合は、MMEは、ステップST93において、eNB用E−SMLCに、LS応答を送信する。
図14および図15は、図12に対し、E−SMLC間プロシージャの実施タイミングが異なる場合のシーケンスの一例を示す図である。図14では、eNodeBプロシージャ中に併せて実施する場合のシーケンスを示しており、図15では、UEプロシージャ中に併せて実施する場合のシーケンスを示している。これは、それぞれの手続きにおいて、「移動可能なeNBの位置推定結果」が必要なときのためのシーケンスである。
図14のステップST111〜ステップST115およびステップST117〜ステップST122の各処理は、図12のステップST81〜ステップST85およびステップST88〜ステップST93の各処理と同様であるので、共通する説明を省略する。
図14に示すシーケンスでは、ステップST116において、eNodeB、MME、UE用E−SMLCおよびeNB用E−SMLCは、eNodeBプロシージャを行う。
図15に示すステップST131〜ステップST135、ステップST136およびステップST138〜ステップST142の各処理は、図12に示すステップST81〜ステップST85、ステップST87およびステップST89〜ステップST93の各処理と同様であるので、共通する説明を省略する。
図15では、ステップST137において、UE、eNodeB、MME、UE用E−SMLCおよびeNB用E−SMLCは、UEプロシージャを行う。
以上のようにすることによって、移動可能なeNBの位置推定が可能となる。また、その移動可能な基地局の位置の推定結果をUEの位置推定に利用することによって、移動可能な基地局に在圏するUEおよび移動可能な基地局の直近に在圏したUEに対する位置推定が可能となり、ネットワーク全体としてのUEの位置推定エリアの拡大および精度の向上を可能とする。
図16は、本発明の第1の実施の形態におけるUEの構成を示すブロック図である。UE310は、無線通信制御部311、位置計算部312、無線通信信号送受信部313、無線通信信号測定部314、GNSS信号受信・測定部315およびアプリケーション機能部316を備えて構成される。
無線通信制御部311は、無線通信のための通信プロトコル制御および装置管理を行う。無線通信制御部311は、PRRM機能を有する。位置計算部312は、PCFを有し、UEおよびeNBの位置推定に関する計算を行う。
無線通信信号送受信部313は、無線通信信号を送受信するための変調および復調、チャネルコーディング、ならびに周波数変換などを行う。無線通信信号測定部314は、無線通信信号に対するPSMFを有する。
GNSS信号受信・測定部315は、GNSS信号に対するPSMFを有する。アプリケーション機能部316は、ユーザインタフェースおよびアプリケーション処理を行う。
図17は、本発明の第1の実施の形態におけるeNB_uu/s1 320の構成を示すブロック図である。eNB_uu/s1 320は、無線通信制御部321、位置計算部322、無線通信信号送受信部323、無線通信信号測定部324、GNSS信号受信・測定部325、車両システムIF部326およびネットワークIF部327を備えて構成される。
無線通信制御部321は、無線通信のための通信プロトコル制御および装置管理を行う。無線通信制御部321は、PRRM機能を有する。位置計算部322は、PCFを有し、UEおよびeNBの位置推定に関する計算を行う。
無線通信信号送受信部323は、無線通信信号を送受信するための変調および復調、チャネルコーディング、ならびに周波数変換などを行う。無線通信信号測定部324は、無線通信信号に対するPSMFを有する。
GNSS信号受信・測定部325は、GNSS信号に対するPSMFを有する。車両システムIF部326は、車両システムと通信するためのインタフェース機能を有する。ネットワークIF部327は、車両システムIF部326、MMEなどと通信するためのインタフェース機能を有する。
図18は、本発明の第1の実施の形態におけるeNB330の構成を示すブロック図である。eNB330は、無線通信制御部331、位置計算部332、無線通信信号送受信部333、無線通信信号測定部334およびネットワークIF部335を備えて構成される。
無線通信制御部331は、無線通信のための通信プロトコル制御および装置管理を行う。無線通信制御部331は、PRRM機能を有する。位置計算部332は、PCFを有し、UEおよびeNBの位置推定に関する計算を行う。
無線通信信号送受信部333は、無線通信信号を送受信するための変調および復調、チャネルコーディング、周波数変換などを行う。無線通信信号測定部334は、無線通信信号に対するPSMFを有する。ネットワークIF部335は、MMEなどと通信するためのインタフェース機能を有する。
図19は、本発明の第1の実施の形態におけるeNB用E−SMLC340の構成を示すブロック図である。eNB用E−SMLC340は、位置推定無線通信制御部341、eNB位置計算部342、UE用E−SMLC通信制御部343およびネットワークIF部344を備えて構成される。
位置推定無線通信制御部341は、eNBの位置推定のための無線通信プロトコル制御機能(PRCF)および装置管理機能を有する。eNB位置計算部342は、eNBに関するPCFを有する。UE用E−SMLC通信制御部343は、UE用E−SMLCとの通信制御を行う。ネットワークIF部344は、MMEなどと通信するためのインタフェース機能を有する。
図20は、本発明の第1の実施形態におけるUE用E−SMLC350の構成を示すブロック図である。UE用E−SMLC350は、位置推定無線通信制御部351、UE位置計算部352、eNB用E−SMLC通信制御部353およびネットワークIF部354を備えて構成される。
位置推定無線通信制御部351は、UEの位置推定のための無線通信プロトコル制御機能(PRCF)および装置管理機能を有する。UE位置計算部352は、UEに関するPCFを有する。eNB用E−SMLC通信制御部353は、eNB用E−SMLCとの通信制御を行う。ネットワークIF部354は、MMEなどと通信するためのインタフェース機能を有する。
以上のように本実施の形態では、管理装置であるeNB用E−SMLCは、基地局の位置に関する情報である基地局位置情報を推定するための測定および計算を行い、基地局位置情報を推定する位置推定用処理手段として機能する。このeNB用E−SMLCによって推定される基地局の位置に関する基地局位置情報に基づいて、eNB用E−SMLCを含む管理装置による種々の処理が行われる。
管理装置による処理は、移動端末(UE)と基地局との通信における無線通信制御、通信呼の制御、移動端末の移動管理、無線通信システムの管理、および無線通信システムを構成する装置の位置情報管理のうちの少なくとも1つの処理である。無線通信システムを構成する装置は、移動端末および基地局装置を含む。
このように本実施の形態では、無線通信システム内に、基地局位置情報を推定するための測定および計算を行い、基地局位置情報を推定する位置推定用処理手段の機能を搭載する。
位置推定用処理手段は、前述の測定および計算によって、「位置推定を行うための各種測定情報もしくはその測定情報を加工した情報」を取得し、これを用いて、基地局位置情報として、「位置推定を行った結果の推定位置を示す情報」を推定する。
これらの情報を、以下では「基地局の位置推定に関する情報」という。すなわち、基地局の位置推定に関する情報は、「位置推定を行うための各種測定情報もしくはその測定情報を加工した情報」および「位置推定をおこなった結果の推定位置を示す情報」の双方を含むこととする。基地局の位置推定に関する情報は、基地局自体による無線ネットワークの測定情報、移動端末の測定履歴情報および在圏セル履歴情報、基地局自体の周辺セル測定履歴情報、基地局が搭載される移動構造物の有する現在位置推定に関する情報、例えばカーナビゲーションシステムにおける現在位置推定に関する情報、列車運行情報などである。
これらの基地局の位置推定に関する情報を集約して管理する基地局位置推定システムを構築し、必要に応じてこれを移動端末の位置推定システムと連携させ、基地局の位置および移動速度などの位置に関する情報を推定する。また、その推定結果を移動端末の位置推定システムに提供することによって、移動端末の位置および移動速度などの位置に関する情報を推定する。
このように無線通信システムの基地局位置推定システムとして機能する部位は、履歴情報、および移動端末位置推定システムなどの他システムとして機能する部位からの情報などの基地局の位置推定に関する情報を用いて、基地局の位置を推定する。これによって、外部から位置を推定するための情報を得られない場合および基地局が常時移動していることが想定される場合などの様々の状況において、基地局の位置および移動速度などの位置に関する情報の推定が可能となる。
例えば、フェムトセル基地局のように基地局がほぼ静止している状況で外部から位置を推定するための情報を得られない状況の基地局の基地局位置情報を推定する場合には、基地局の位置推定に関する情報として、移動端末の履歴情報を用いる。移動端末は、基本的に連続して移動すると想定できるので、移動端末の履歴情報を用いることによって、基地局位置情報として、基地局の位置の推定が可能となる。
また、移動無線中継局のように、常時移動していることが想定される基地局の基地局位置情報を推定する場合には、基地局自体の周辺セル測定履歴情報または移動構造物の有する現在位置推定に関する情報を用いる。これによって、基地局位置情報として、基地局の位置推定が可能となる。
また本実施の形態では、基地局は、移動可能な構造物である移動構造物、例えば自動車または列車などの車両に設置されて、移動構造物とともに移動する。基地局位置推定手段は、移動構造物、または移動構造物を管理する移動構造物管理システム例えばカーナビゲーションシステムもしくは列車管理システムから、移動構造物の位置に関する移動構造物位置情報を取得し、取得した移動構造物位置情報に基づいて、基地局位置情報が推定される。これによって、より容易に基地局位置情報を推定することができる。
また本実施の形態では、管理装置であるeNB用E−SMLCは、基地局を、(a)固定して設置され、固定状態で運用される固定基地局装置、(b)移動可能に設置され、固定状態で運用される可動基地局装置、および(c)移動可能に設置され、移動しながら運用される移動基地局装置の3種類のいずれかに分類して管理する。この管理装置による分類に基づいて、基地局位置推定手段によって基地局位置情報が推定される。これによって、固定状態で運用される固定基地局装置について位置推定処理を行うというような、不要な処理の実行を防ぐことができる。したがって、基地局位置情報の推定処理を、より効率的に行うことができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、本発明をUTRANに属する移動可能なNodeBに適用した場合について説明する。
図21は、本発明の第2の実施の形態における無線通信システム500の構成を示すブロック図である。
無線通信システム500は、ターゲットNodeB_uu501、車両システム502、ターゲットNodeB_iub503、NodeB504、第1RNC(Radio Network Controller)505、第2RNC506、第1CN(Core Network)507、NodeB_uu(独立型LMU)508、ターゲットUE509、第1NodeB510、第2NodeB511、第3RNC512、第4RNC513、第2CN514、UE用SAS515およびNodeB用SAS516を備えて構成される。
ターゲットNodeB_uu501と車両システム502とは、Vインタフェース521によって接続される。車両システム502とターゲットNodeB_iub503とは、Vインタフェース522によって接続される。ターゲットNodeB_uu501とNodeB504とは、Uuインタフェース523によって接続される。ターゲットNodeB_iub503とNodeB504とは、Uuインタフェース524によって接続される。
ターゲットNodeB_iub503と第1RNC505とは、Iubインタフェース525によって接続される。NodeB504と第2RNC506とは、Iubインタフェース526によって接続される。第1RNC505と第2RNC506とは、Iurインタフェース527によって接続される。第2RNC506と第1CN507とは、Iuインタフェース528によって接続される。
NodeB_uu508と第1NodeB510とは、Uuインタフェース529によって接続される。ターゲットUE509と第1NodeB510とは、Uuインタフェース530によって接続される。第1NodeB510と第3RNC512とは、Iubインタフェース531によって接続される。
第2NodeB511と第4RNC513とは、Iubインタフェース532によって接続される。第3RNC512と第4RNC513とは、Iurインタフェース533によって接続される。第3RNC512と第2CN514とは、Iuインタフェース534によって接続される。
第3RNC512とUE用SAS515とは、Iupcインタフェース535によって接続される。UE用SAS515とNodeB用SAS516とは、Iupc_LLインタフェース536によって接続される。NodeB用SAS516と第2RNC506とは、Iupcインタフェース537によって接続される。第2RNC506と第3RNC512とは、Iurインタフェース538によって接続される。
図21に示す構成では、従来のUEの位置推定用SASである独立型SMLCをUE用SASとし、新たに、eNodeB用のSASとして、NB用SASを設けている。
NodeB用SAS516は、UTRANにおけるNodeBの位置情報管理および算出を行うエンティティである。SASがRNC内に含まれると考えた場合は、あるRNC内にNodeBの位置情報管理および算出を行うエンティティが含まれることとなる。
また、移動可能なNodeBとして、移動中継器(Mobile Relay Node)のようにネットワーク側とのインタフェース、具体的にはUuインタフェースが、無線接続されるNodeBを、NodeB_uuとする。また、フェムトセル基地局(HNB)のようにIubインタフェースが有線接続されるNodeBを、eNodeB_iubとする。
位置情報管理および算出の機能をRNCが実施する場合は、Iurインタフェースを使用して通信が行われる。
車両システム502は、前述の第1の実施の形態と同様に、列車および乗用車などの移動を前提とした構造物にNodeBが設置された場合において、その構造物の位置、速度などの位置推定に関する情報を測定および推定できる装置である。
図21に示す構成は、論理的な構成であり、例えば、NB用SASとUE用SASとが物理的に独立の装置であることを示すものではない。
表3に、図21に示す各論理ブロックの持つ位置推定に関する機能例を示す。
表3において、表1と同様に、位置推定機能551は、UE用PRCF、UE用PCF、UE用PSMF、UE用PRRM、NB用PRCF、NB用PCF、NB用PSMFおよびNB用PRRMを含む。
位置推定機能551のうち、UE用PRCF、UE用PCF、UE用PSMFおよびUE用PRRMは、非特許文献1の5章および6章に記載されるPRCF、PCF、PSMFおよびPRRMに相当する。
位置推定機能551のうち、NB用PRCF、NB用PCF、NB用PSMFおよびNB用PRRMは、NBの位置推定を目的としたものであり、その内容は、非特許文献1の5章および6章に記載される機能と同様である。
ロケーションクライアント機能552は、UE用LCFおよびeNB用LCFを含む。システムハンドリング機能553は、UE用LSCF、UE用LSBF、UE用LSOF、UE用LSBcF、UE用LSCTF、UE用LIMS−IWF、NB用PRCF、NB用PCF、NB用PSMF、NB用PRRM、NB用LCF、NB用LSCF、NB用LSBF、NB用LSOF、NB用LSBcF、NB用LSCTFおよびNB用LIMS−IWFを含む。
ロケーションクライアント機能552のうちのUE用LCF、ならびにシステムハンドリング機能553のうちのUE用LSCF、UE用LSBF、UE用LSOF、UE用LSBcF、UE用LSCTFおよびUE用LIMS−IWFも同様に、非特許文献1の5章および6章に記載されるLCF、LSCF、LSBF、LSOF、LSBcF、LSCTFおよびLIMS−IWFに相当する。
またハンドリング機能553のうちのNB用PRCF、NB用PCF、NB用PSMF、NB用PRRM、NB用LCF、NB用LSCF、NB用LSBF、NB用LSOF、NB用LSBcF、NB用LSCTFおよびNB用LIMS−IWFは、位置推定機能551と同様に、NBの位置推定を目的としたものであり、その内容は、非特許文献1の5章および6章に記載される機能と同様である。
表3に記号「○」で示すように、NBに対する位置推定機能551におけるPCFおよびPSMFは、NB、NB_uu/iub、UE、車両システムおよびRNC/SAS(UE用位置決め機能)に配置される。また、位置推定機能551におけるPRRMおよびPRCFは、RNC/SAS(NB用位置決め機能)に配置される。
ここで、NB_uu/s1におけるPSMFは、GNSS信号および他のNBの信号に対するものであり、位置決め法として、PM_1、PM_2_1、PM_2_2、PM_3、PM_4、PM_5が用いられる場合に適用される。
UEにおけるPCFおよびPSMFは、UEの位置推定と同様の機能であり、位置決め法として、PM_4が用いられる場合に適用される。
車両システムにおけるPCFおよびPSMFは、列車運行システムおよびカーナビゲーションシステムなどの移動構造物において測定および推定された位置情報に関するものであり、位置決め法として、PM_6が用いられる場合に適用される。
NBにおけるPSMFは、位置決め法として、PM_1、PM_2_1、PM_2_2、PM_3、PM_5が用いられる場合に適用される。位置決め法については後述する。
NBに対するロケーションクライアント機能552については、NB_uu/s1、RNC/SAS(NB用位置決め機能)とする。
NB_uu/s1におけるLCFは、NBリセット時および設置位置の変更は可能であるが、基本的に固定状態で運用されるNBが移動を検出した場合などにおいて、位置測定をリセットし、再度要求するために実装される。
RNC/SAS(NB用位置決め機能)におけるLCFは、位置推定結果に基づいて、追加の測定が必要な場合などに位置推定要求を実施するために実装される。
UEに対するロケーションクライアント機能552については、非特許文献1の表6.2に対し、RNC/SAS(NB用位置決め機能)を追加する。これは、NBの位置推定精度を向上するために、UEの位置推定を起動することを目的として実装される。
次に、位置決め法について説明する。表4に、7つの位置決め法を示す。
位置決め方法は、前述の第1の実施の形態と同様であり、E_PM_1をPM_1と読み替え、E_PM_2をPM_2_1およびPM_2_2と読み替え、E_PM_3をPM_3と読み替え、E_PM_4をPM_4と読み替え、E_PM_5をPM_5と読み替え、E_PM_6をPM_6と読み替えればよい。
PM_1は、ネットワーク支援GNSS法である。PM_2_1は、測定到達時間差(Observed Time Difference Of Arrival;略称:OTDOA)法である。PM_2_2は、アップリンク到達時間差(Uplink Time Difference Of Arrival;略称:U−TDOA)法である。PM_3は、セルID法である。PM_4は、UE追跡情報に基づく方法である。PM_5は、移動eNB追跡情報に基づく方法である。PM_6は、補助車両情報に基づく方法である。
具体的には、PM_1、PM_2_1、PM_2_2およびPM_3は、非特許文献3に記載のUEの位置推定と同様の機能であり、対象となるNB_uu/iubに対し、GNSS信号を受信、測定および計算する機能と、他のNBの下りリンク信号を受信、測定および計算する機能とを搭載して、UEの動作と同様に、位置推定を行う。
以下、eNB_uu/s1をNB_uu/iubと読み替え、eNBをNBと読み替え、MME/UE用E−SMLCをRNC/UE用SASと読み替え、MME/eNB用E−SMLCをRNC/NB用SASと読み替えて、前述の第1の実施の形態と同様の機能を実現する。これによって、移動可能なNBの位置推定およびその推定結果を用いたUEの位置推定が可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、前述の第1および第2の実施の形態の(e)NBの位置測定手続きにおいて、特に、「時間的に複数の情報を用いて1つの位置を推定する第1LUP要求」、「移動中の運用を想定し、第1LUP要求の測定を連続的に行う第2LUP要求」のような推定を行う場合に、E−UTRANとUTRANとのように、異なる無線アクセスネットワーク間、または異なるGMLC配下の無線アクセスネットワーク間において、基地局の位置推定に関する情報などを交換し、その情報を用いる。これによって、位置推定精度の向上が期待できる。
図22は、本発明の第3の実施の形態における移動体ネットワークシステム600の構成を示すブロック図である。以下、eNBおよびNBをまとめて、「(e)NB」という場合がある。
無線通信システム600は、UE601、GERAN602、UTRAN603、E−UTRAN604、2G−MSC605、2G−SGSN606、3G−SGSN607、MSCサーバ608、MME609、E−SMLC610、第1UE用GMLC611、第1(e)NB用GMLC612、第2UE用GMLC613および第2(e)NB用GMLC614を備えて構成される。
UE601とGERAN602とは、Umインタフェース621によって接続される。UE601とUTRAN603とは、Uuインタフェース622によって接続される。UE601とE−UTRAN604とは、LTE−Uuインタフェース623によって接続される。
GERAN602と2G−MSC605とは、Aインタフェース624によって接続される。GERAN602と2G−SGSN606とは、Gbインタフェース625によって接続される。GERAN602と3G−SGSN607とは、Iuインタフェース626によって接続される。GERAN602とMSCサーバ608とは、Iuインタフェース627によって接続される。
UTRAN603と3G−SGSN607とは、Iuインタフェース628によって接続される。UTRAN603とMSCサーバ608とは、Iuインタフェース629によって接続される。
E−UTRAN604とMME609とは、S1インタフェース630によって接続される。MME609とE−SMLC610とは、SLsインタフェース631によって接続される。
第1UE用GMLC611と2G−MSC605とは、Lgインタフェース632によって接続される。第1UE用GMLC611と2G−SGSN606とは、Lgインタフェース633によって接続される。第1UE用GMLC611と3G−SGSN607とは、Lgインタフェース634によって接続される。第1UE用GMLC611とMSCサーバ608とは、Lgインタフェース635によって接続される。第1UE用GMLC611とMME609とは、SLgインタフェース636によって接続される。
第1UE用GMLC611と第1(e)NB用GMLC612とは、LLgインタフェース637によって接続される。第2UE用GMLC613と第2(e)NB用GMLC614とは、LLgインタフェース638によって接続される。第1UE用GMLC611と第2UE用GMLC613とは、Lrインタフェース639によって接続される。
UE用GMLCは、非特許文献1の6.3.3章に記載されるGMLC(Gateway Mobile Location Centre)に相当する。本実施の形態では、図22に示すように、UE用GMLCに接続するように、(e)NB用GMLCを設けている。
この(e)NB用GMLCは、UE用GMLC配下の無線アクセスネットワーク間の位置情報の伝送処理および他のUE用GMLC配下の無線アクセスネットワークの位置情報の伝送処理を行う。
図22は、論理的な構成を示す図であり、物理的な構成を示すものではない。例えば、図22では、第1および第2(e)NB用GMLC612,614と第1および第2UE用GMLC611,613とは独立して記載されているが、この記載は、第1および第2(e)NB用GMLC612,614と第1および第2UE用GMLC611,613とが物理的に独立の装置であることを示すものではない。
図23は、UE用GMLC配下の無線アクセスネットワーク間の位置情報の伝送処理に関するシーケンスの一例を示す図である。図23では、UTRANがE−UTRANにおける位置推定に関する情報を要求する場合を示している。
まず、UTRANのMSC/SGSNが、自無線アクセスネットワークシステムの基地局が他無線アクセスネットワークの基地局を検出する、または、自無線アクセスネットワークシステムに在圏するUEが他無線アクセスネットワークの在圏情報を報告するなどによって、他無線アクセスネットワークの基地局の位置情報が必要と判断した場合、ステップST151において、UTRANのMSC/SGSNは、UE用GMLCに対して、第1ロケーション情報(Location Information;略称:LI)要求メッセージを送信する。
第1LI要求メッセージを受信したUE用GMLCは、ステップST152において、(e)NB用GMLCに第1LI要求メッセージを送信する。第1LI要求を受信した(e)NB用GMLCは、ステップST153において、例えば、メッセージ認証および要求元の装置の認証などの要求ならびに要求元の妥当性を検証する。
(e)NB用GMLCは、ステップST153における要求および要求元の妥当性の検証に問題がないと判断した場合、ステップST154において、UE用GMLCに第2LI要求メッセージを送信する。第2LI要求を受信したUE用GMLCは、ステップST155において、E−UTRANのE−SMLCに第2LI要求メッセージを送信する。
ステップST153における要求および要求元の妥当性の検証は、UE用GMLCで実施してもよいし、要求の検証と、要求元の妥当性の検証とを分担してもよい。
第2LI要求を受信したE−UTRANのE−SMLCは、ステップST156において、要求されたロケーションデータを検索する。ステップST157において、E−UTRANのE−SMLCは、UE用GMLCに、第2LI応答を送信する。
第2LI応答を受信したUE用GMLCは、ステップST158において、eNB用GMLCに第2LI応答を送信する。第2LI応答を受信したeNB用GMLCは、ステップST159において、第2LI応答と応答元の妥当性とを検証する。
eNB用GMLCは、ステップST159における応答と応答元の妥当性との検証に問題がないと判断した場合、ステップST160において、UE用GMLCに第1LI応答メッセージを送信する。第1LI応答メッセージを受信したUE用GMLCは、ステップST161において、UTRANのMSC/SGSNに第1LI応答を送信する。
ステップST159では、ステップST153と同様に、応答および応答元の妥当性の検証を、UE用GMLCで実施してもよいし、応答の検証と、応答元の妥当性の検証とを分担してもよい。
図24は、異なるUE用GMLC配下の無線アクセスネットワーク間の位置情報の伝送処理に関するシーケンスの一例を示す図である。図24では、第1ネットワークのE−UTRANが、第2ネットワークのE−UTRANにおける位置推定に関する情報を要求する場合を示している。
まず、第1ネットワークのE−UTRAN E−SMLCが、自無線アクセスネットワークシステムの基地局が他GMLC配下の他無線アクセスネットワークの基地局を検出する、または、自無線アクセスネットワークシステムに在圏するUEが他GMLC配下の他無線アクセスネットワークの在圏情報を報告するなどによって、他無線アクセスネットワークの基地局の位置情報が必要と判断した場合、ステップST171において、第1ネットワークのE−UTRAN E−SMLCは、第1ネットワークのUE用GMLCに対して、GMLC間第1LI要求メッセージを送信する。
GMLC間第1LI要求メッセージを受信した第1ネットワークのUE用GMLCは、ステップST172において、第1ネットワークのeNB用GMLCに、GMLC間第1LI要求メッセージを送信する。
GMLC間第1LI要求を受信した第1ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST173において、GMLC間第1LI要求および要求元の妥当性を検証する。第1ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST173におけるGMLC間第1LI要求および要求元の妥当性の検証に問題がないと判断した場合、ステップST174において、第1ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第1LI要求メッセージを送信する。
GMLC間第1LI要求を受信した第1ネットワークのUE用GMLCは、ステップST175において、要求先のネットワーク、具体的には第2ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第2LI要求メッセージを送信する。
ステップST173における要求および要求元の妥当性の検証は、第1ネットワークのUE用GMLCで実施してもよいし、要求の検証と、要求元の妥当性の検証とを分担してもよい。
GMLC間第2LI要求を受信した第2ネットワークのUE用GMLCは、ステップST176において、第2ネットワークのeNB用GMLCに、GMLC間第2LI要求メッセージを送信する。
GMLC間第2LI要求を受信した第2ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST177において、要求および要求元の妥当性を検証する。第2ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST177における要求および要求元の妥当性の検証に問題がないと判断した場合、ステップST178において、第2ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第3LI要求メッセージを送信する。
GMLC間第3LI要求を受信した第2ネットワークのUE用GMLCは、ステップST179において、要求先の第2ネットワークのE−UTRAN E−SMLCに、GMLC間第3LI要求を送信する。
ステップST177における要求および要求元の妥当性の検証は、第2ネットワークのUE用GMLCで実施してもよいし、要求の検証と、要求元の妥当性の検証とを分担してもよい。
GMLC間第3LI要求メッセージを受信した第2ネットワークのE−UTRAN E−SMLCは、ステップST180において、要求されたロケーションデータを検索する。ステップST181において、第2ネットワークのE−UTRAN E−SMLCは、第2ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第3LI応答メッセージを送信する。
GMLC間第3LI応答を受信した第2ネットワークのUE用GMLCは、ステップST182において、第2ネットワークのeNB用GMLCに、GMLC間第3LI応答メッセージを送信する。
GMLC間第3LI応答メッセージを受信した第2ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST183において、GMLC間第3LI応答と応答元の妥当性とを検証する。第2ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST183におけるGMLC間第3LI応答と応答元の妥当性の検証に問題がないと判断した場合、ステップST184において、第2ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第2LI応答メッセージを送信する。
GMLC間第2LI応答を受信した第2ネットワークのUE用GMLCは、ステップST185において、要求元の第1ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第2LI応答メッセージを送信する。
ステップST183では、ステップST177と同様に、応答および応答元の妥当性の検証を、第2ネットワークのUE用GMLCで実施してもよいし、応答の検証と、応答元の妥当性の検証とを分担してもよい。
GMLC間第2LI応答メッセージを受信した第1ネットワークのUE用GMLCは、ステップST186において、第1ネットワークのeNB用GMLCに、GMLC間第2LI応答メッセージを送信する。
GMLC間第2LI応答を受信した第1ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST187において、GMLC間第2LI応答と応答元の妥当性とを検証する。第1ネットワークのeNB用GMLCは、ステップST187におけるGMLC間第2LI応答と応答元の妥当性の検証に問題がないと判断した場合、ステップST188において、第1ネットワークのUE用GMLCに、GMLC間第1LI応答メッセージを送信する。
GMLC間第1LI応答を受信した第1ネットワークのUE用GMLCは、ステップST189において、要求元の第1ネットワークのE−UTRAN E−SMLCに、GMLC間第1LI応答メッセージを送信する。
ステップST187では、ステップST173と同様に、応答および応答元の妥当性の検証を、第1ネットワークのUE用GMLCで実施してもよいし、応答の検証と応答元の妥当性の検証とを分担してもよい。
以上の構成をとることによって、異なる無線アクセスネットワーク、または異なるGMLC配下の無線アクセスネットワークの基地局の位置推定に関する情報を用いた位置推定が可能となる。これによって、位置推定精度の向上が可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、前述の第1および第2の実施の形態における位置決め法のうち、E_PM4のおよびPM_4のUE追跡情報に基づく方法の位置推定について説明する。一例として、(e)NB_s1としてHeNBと3台のUEとが存在する場合を考える。
図25は、無線通信システム140におけるH(e)NBとUEとの位置関係を示す図である。図25では、H(e)NB148およびそのH(e)NBのサポートするセルエリア(以下「H(e)NBのセルエリア」という場合がある)149は、GNSSの電波が届かず、また、他の(e)NBから電波の届かない場所に設置されているものとする。つまり、表2および表4に示す(E_)PM_1〜(E_)PM_3および(E_)PM5、(E_)PM_6の位置決め法が対応できない環境に設置されているとする。
本HeNBは、前述の第1の実施の形態における第1LUP要求によって、UE追跡情報に基づく方法の位置推定が起動されており、また、システム情報によって、UE追跡情報に基づく方法のセルであることを報知しているとする。
3台のUE、すなわち第1〜第3UE142〜144は、もともと在圏しておらず、ある地点で、位置推定に関する情報を取得し、その後、本H(e)NBのセルエリア149に在圏するようになったとする。つまり、3台のUE142〜144は、それぞれ参照符号145〜147で示される位置に移動したとする。なお、この3台のUE142〜144は、時間的に同時に在圏する必要はない。
このとき、各UEは、システム情報を取得し、本セルが、UE追跡情報に基づく方法のセルであることが通知される。そして、UEロケーション情報レポートによって、過去に取得した直近の位置推定に関する情報を送信する。前記直近の位置推定に関する情報は、複数点の情報でもよい。
HeNB経由で、3台のUE、すなわち第1〜第3UE142〜144の位置推定に関する情報から、過去の位置、具体的には緯度および経度が推定できるとする。
このときの位置推定について、図26を用いて説明する。図26は、位置推定の方法を説明するための図である。図26では、第1〜第3UE142〜144が、過去に位置推定に関する情報を取得した位置、たとえばGPS衛星141から送信されたGPS信号を受信したときの位置を、参照符号「151」〜「153」で示している。
図26に示すように、第1〜第3UE142〜144がGPS信号を受信したときの位置151〜153を頂点とする外接円154を描き、その外心155を計算することによって、H(e)NBの設置位置を推定することができる。なお、参照符号「150」で示されるエリアを、図25で設置したH(e)NBのセルエリアとする。
UEから通知された複数の緯度および経度情報が存在する場合においては、例えば、全てのUEの測定した位置情報に対し、最小の距離となる位置をH(e)NBの設置位置と推定することができる。
つまり、H(e)NBの位置情報である緯度および経度を、緯度をXとし、経度をYとして(X,Y)で表し、UE0の測定した位置情報である緯度および経度を(X0,Y0)、UE1の測定した位置情報である緯度および経度を(X1,Y1)、・・・、UEn−1の測定した位置情報である緯度および経度を(Xn−1,Yn−1)と表すとすると、以下の式(1)に示すdが最小となる位置(X,Y)を求めることによって、H(e)NBの設置位置を推定することが可能である。
これはUEが、電源がオン(ON)の状態、すなわち電源が投入された状態で、少なくともセル情報については断続的に測定を継続しながら、地理的な平面を連続的に移動することを利用している。したがって、途中でUEの電源をオフ(OFF)にしており、電源をオンにした後、最初に本H(e)NBに在圏したような場合については、電源をオフにする前の情報との連続性がなくなる。
このような場合の対策として、UEがUEロケーション情報レポート、TAUもしくはRAUによって位置情報を送信する場合に、電源投入後に最初に在圏したセルか否かの情報を併せて通知するようにする。または、測定値に無効値を設定する。
電源投入後に最初に在圏したセルであるとの情報を受信したeNB用E−SMLCおよびRNC/SASは、受信したUEの位置情報を用いてeNBの位置推定を行わないようにすれば、より精度の高い位置推定が可能となる。
このようなH(e)NBは、「設置位置の変更は可能であるが、基本的に固定状態で運用されるeNB」であり、UE追跡情報に基づく方法においては、複数の移動局のデータを扱うので、eNBの移動前と移動後の情報が混在すると、推定が困難となる。したがって、eNBの移動を検出する移動検出機構を設けることによって、位置推定の実装を簡易化させる。このように位置検出機構を設けることによって位置推定の実装を簡易化できるのは、第1の実施の形態でも説明したように、eNB_uu/s1のLCFを用いて再測定を実施することが可能となるからである。
ここで、eNBが移動を検出する機構としては、例えば、s1インタフェースおよびネットワーク接続側のUuインタフェースの接続監視を行い、接続が切断された場合には、移動と判断する。また、eNBの電源もしくはリセットがなされたときは、移動と判断する。また、加速度センサを搭載し、加速度変化を検出する。以上のことを行うことによって、移動の検出が可能となる。
以上のように本実施の形態では、移動端末における端末位置推定手段によって過去に推定された複数の端末位置情報に基づいて、基地局位置情報が推定される。これによって、位置を特定する何らかの外部信号が存在しない場合においても、受信基地局位置情報を推定することができる。
また本実施の形態では、位置推定の対象となる基地局は移動検出機構を有する。これによって、基地局位置情報をより容易に推定することができる。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。前述の第4の実施の形態に示すように、第1および第2の実施の形態における位置決め法のうち、E_PM4およびPM_4のUE追跡情報に基づく方法の位置推定においては、UEの過去のデータを用いる。したがって、データを測定してから対象の(e)NBに在圏するまでの挙動を推定し、補正することができれば、(e)NBの位置推定の精度を向上することが期待できる。
そこで、本実施の形態では、UEが送信する位置推定に関する情報に、そのデータの測定時刻および推定時刻を追加して送信する。
本データを受信した(e)NBは、そのデータに受信時刻を追加、または、受信時刻と測定時刻とから算出した経過時間を設定し、eNB用E−SMLCまたはRNC/SASに送信する。
位置情報とその時刻情報とを受信したeNB用E−SMLCまたはRNC/SASは、受信データに時刻情報の重み付けを行い、(e)NBの位置を推定する。位置推定の具体例を以下に示す。本実施の形態では、前述の第4の実施の形態と同様の場合を想定する。
移動速度は一般には不明だが、H(e)NBがGPS信号およびマクロセルからの信号を受信できないような宅内または地下などにあることを考慮すると、歩行速度と見なすことが可能である。
また、以下に説明するように、移動経路を直線近似する場合は、その速度の半分程度としてもよい。また、移動経路の推定には、複数の移動速度を持たせて複数の推定値を算出し、H(e)NBの位置推定時に選択してもよい。
また、使用可能であれば、位置推定時に算出した移動速度情報を使用してもよい。本実施の形態では、歩行速度の半分の速度として、時速1.5km/hと仮定し、1.5km/h×経過時間(h)を算出することによって、移動距離を推定する。
図27は、測定後の移動経路の推定方法を説明するための図である。本実施の形態では、前述の第4の実施の形態と同様に、まず、位置情報から、H(e)NBの位置を推定する。
そして、その推定位置、図27では参照符号「155」で示す位置と、測定地点、図27では参照符号「151」、「152」、「153」で示す地点とを直線で結び、その直線上に、予め算出した移動距離、図27ではd1〜d3だけ移動させた位置、図27では参照符号「156」、「157」、「158」で示す位置を、H(e)NBのセルに在圏したときの位置と推定する。
そして、その地点から等距離にある点、具体的にはH(e)NBのセルに在圏しているときの推定位置を頂点とする多角形の外心159を算出する。これによって、H(e)NBの設置位置を推定することが可能となる。なお、参照符号「160」で示されるエリアを、図25で設置したH(e)NBのセルエリアとする。
複数の移動経路推定値がある場合は、複数の位置を推定し、その結果および前述の第1の実施の形態のような推定結果を用いて、妥当な位置を推定してもよい。
また、H(e)NBのセルのセル半径、移動端末装置および基地局装置の受信電力およびパスロス推定値などを求め、H(e)NBと移動端末装置との距離を推定し、その推定値をH(e)NBの位置の推定に用いる。これによって、位置推定の精度を向上することが期待できる。
このように、過去の測定時刻を用いて、測定後の移動経路を推定することによって、位置推定の精度を向上することが可能となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能であり、また各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変形または省略することが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。