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JP6102237B2 - スクラッチシール - Google Patents

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Description

本発明は、削ること等により除去される隠蔽層(以下、スクラッチ層という)を備えたスクラッチシールに関するものである。
従来、宝くじカード、抽選くじカード、プリペイドカードなどの各種カードには、くじ結果や個別情報等を隠蔽するためのスクラッチ層が設けられている。このスクラッチ層は充分な隠蔽効果を持たせるために、通常は厚い銀インキ層として印刷により形成される(例えば、特許文献1、2)。しかし、この銀インキ層は、スクラッチカードの主要部分に設けられているものの、地味で意匠性の低いものである。
また、近年では、基材上の隠蔽したい情報を簡単に隠蔽できるように、スクラッチ部分をシール化したスクラッチシールというものが製造されているが、第三者がこのスクラッチシールのスクラッチ層を削り取らずにシールの基材ごと剥がし、隠蔽された情報を確認したのちに、新しいスクラッチシールに貼り替えるといったような不正を行うことが可能であり、セキュリティ面での不安が残る。
このような問題に対応するため、スクラッチ層上にホログラム層を設けたスクラッチカードを出願人は提案している( 例えば、特許文献3参照)。スクラッチ層上にホログラム層を設けることで意匠性を向上させることができる。また、ホログラムを製造するには特別な設備や技術が必要なため、スクラッチ部分をシール化した場合でも、スクラッチ層上に同一絵柄のホログラム層を設けたスクラッチシールを入手することは難しく、第三者が隠蔽された情報を不正に確認したのちに、新しいスクラッチシールに貼り替えるというリスクを低減することができる。
実開平6−42229号公報 特開2003−72268号公報 特開2008−137307号公報
しかし、このスクラッチカードは、使用時にホログラム層はスクラッチ層ごと削り取られて剥離層面から除去されるため、スクラッチ層を削り取ったのちは通常のスクラッチカードとの違いはない。そのため、スクラッチ層を削り取ったのちのカードの意匠性は低いままである。また、スクラッチ層を削り取ったのちにカード所有者の手元に残るカードの情報が、カード所有者の手元に渡る前に第三者が不正に確認したものであるか否かを判断することは難しい。
そこで本発明は、スクラッチ層を削り取ったのちも、意匠性が高く、セキュリティ面でも優れたスクラッチシールを提供することを目的とした。
本発明は、以下の各様態により上記の課題を解決するものである。
本発明に係る、スクラッチシールは、秘密情報隠蔽が可能で、かつ削り取ることで前記秘密情報の視認が可能となるスクラッチ層を備えたスクラッチシールにおいて、
前記スクラッチ層は透明又は半透明のシール基材の一方の面に設けられ、
前記シール基材の他方の面には、光透過性を有するホログラム層であって前記ホログラム層の表面には回折格子又はホログラムの干渉縞に対応する微細な凹凸を有するレリーフ面が形成されており、
前記レリーフ面には前記ホログラム層とは屈折率が異なり、かつ透明性を有する薄膜からなる透明反射層が設けられ
前記透明反射層が表出する面には透明又は半透明の粘着層が設けられていることを特徴とする。
本スクラッチシールの構成によれば、スクラッチ層を削り取ったのちも当該スクラッチシールを貼りつけた相手基材の上にホログラム層が残るため、意匠性が高く、セキュリティ面でも優れたスクラッチカードを提供することができる。
上記スクラッチシールにおいては、シール基材の一方の面に設けられたホログラム層の面積は、シール基材の他方の面に設けられた隠蔽層の面積よりも小さくする。
この構成によれば、ホログラム層が隠蔽層に覆われることで、スクラッチシールの外観からはホログラム層の存在に気付きにくく、スクラッチシールの貼り替えなどのような不正が行われるリスクを低減させることができる。
上記スクラッチシールにおいては、シール基材は、透明又は半透明である。
この構成によれば、スクラッチシールのスクラッチ層を削り取ったのちに、透明又は半透明のシール基材を通して基材の上に設けられた隠蔽情報を確認することができる。
上記スクラッチシールにおいては、隠蔽層の、シール基材と積層されていない面に、地紋印刷を設けることができる。
この構成によれば、スクラッチシールの意匠性を高め、スクラッチシールの貼り替えを行うことをより困難にすることができ、セキュリティ性を向上することができる。
上記スクラッチシールにおいては、スクラッチシールに切り込みが設けられていると良い。
この構成によれば、スクラッチシールを基材から剥がすことをより困難にすることができ、セキュリティ性を向上することができる。
本発明ではスクラッチ層を削り取ったのちも意匠性が高く、セキュリティ面でも優れたスクラッチシールを提供することができる。
(a)本実施形態のスクラッチシールが設けられたスクラッチカードの正面図の一例である。(b)(a)に示すスクラッチカードのA−A線の断面図である。 本実施形態のスクラッチシールの断面図である。 本実施形態のスクラッチシールの製造方法のフロー図である。 本実施形態のスクラッチシールのスクラッチ層が削り取られたのちのスクラッチカードの正面図の一例である。 本実施形態のスクラッチシールが設けられたスクラッチカードの正面図の他の一例である。 本実施形態のスクラッチシールが設けられたスクラッチカードの正面図の他の一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1について、まず、本実施形態のスクラッチシールが設けられたスクラッチカードについて説明する。
図1(a)は、本実施形態のスクラッチシールが設けられたスクラッチカードの正面図の一例であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
スクラッチカード10は、秘密情報が隠蔽されたカードであって、宝くじカード、抽選くじカード、スピードくじカード、通信関係のプリペイドカード、ギフトカード等として用いられる。また、カード10のカードとはカード形状に限らず、ラベル、切片、しおり、チラシ状などの、種々の形態でもよい。
スクラッチカード10は、カード基材11、印刷層12、そして本実施形態のスクラッチシール1を備えている。
カード基材11は、このスクラッチカード10の担体となる基材であって、例えば天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよく、用途によって、適宜選択すればよい。
また、カード基材11には、「☆スクラッチカード☆」「☆SCRATCH CARD☆」という印刷が施されているが、印刷される文字はこれに限らず、他にも、画像、着色、その他の加飾が施されていてもよい。
印刷層12は、カード基材11の少なくとも一方の面に形成されており、適宜の秘密情報(例えば、くじの当否、くじの番号、個別情報、シリアルナンバー、可変ナンバー、文字データ、画像、コード、マーク等)を含む情報が印刷された層である。印刷層12は、オフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷などの公知の印刷法で形成することができる。
次に、本実施形態のスクラッチシール1について説明する。
図2は、本実施形態のスクラッチシールの断面図である。
本実施形態のスクラッチシール1は、カード基材11に設けられた印刷層12の秘密情報を覆うようにカード基材11に貼付される。スクラッチシール1は、印刷層12を覆うことが可能であれば特に形状や大きさは限定されず、矩形、円形、楕円形状や、印刷層12に沿った形状でもよい。
スクラッチシール1は、図2に示すように、スクラッチ層2/剥離層3/シール基材4/ホログラム層5/透明反射層6/粘着層7の層構成を有している。
スクラッチ層2は、コイン等で削り取ることが可能な層であって、カード基材11に設けられた印刷層12の秘密情報を隠蔽するための層である。
スクラッチ層2は、隠蔽性のあるインキを印刷すればよい。例えば、金属粉をインキ化した銀インキなどをオフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷などの公知の印刷法で形成すればよく、隠蔽性をあげるために複数回印刷してもよい。
剥離層3は、スクラッチ層2のシール基材4からの削り取りを容易にするための層である。剥離層3は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂等を用いることができる。
シール基材4は、本実施形態のスクラッチシール1の基材である。このシール基材4は、透明又は半透明の基材であることが望ましい。こうすることで、スクラッチ層2を削り取ったのちに、シール基材4を通して、カード基材11に設けられた印刷層12の秘密情報を視認することができる。また、このシール基材4は、スクラッチシール1の基材としての機能の他に、スクラッチシール1をカード基材11に貼付し、スクラッチ層2を削り取ったのちに、ホログラム層5とカード基材11に設けられた印刷層12を保護する保護層としての機能も持ち合わせる。
シール基材4は、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、ポリアリレートなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン系樹脂、セロファンなどのセルロース系フィルムなどがある。該転写基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、耐熱性、機械的強度がよいため好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。
また、シール基材4は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。
シール基材4の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜12μmが好適で、4〜6μmが最適である。シール基材4は、ホログラム層5の塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
ホログラム層5は、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたものである。
例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
ホログラム層5は、少なくとも電離放射線硬化樹脂に、反応性シリコーン及びポリエチレンワックスを含んだ材料を用いる。また、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂、反応性シリコーン及びポリエチレンワックスを含むようにする。さらに好ましくは、(メタ)アクリレートオリゴマーも含ませて硬化させる。該組成物を塗布し乾燥して、ホログラム機能を発現する微細な凹凸レリーフを賦型した後に、電離放射線で硬化させればよい。電離放射線硬化性樹脂は架橋性樹脂ともいわれ、他の層でも同様である。
透明反射層6は、ホログラム層5に形成された微細な凹凸レリーフ面へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高める。
透明反射層6はほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。透明反射層6は、ホログラム層5の反射率より高ければ、特に限定されないが、例えば、ホログラム層5よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が挙げられる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。さらには、ホログラム層5と光の屈折率の異なる透明な合成樹脂を使用してもよい。
粘着層7は、スクラッチシール1をスクラッチカード10に貼付するために形成される。粘着層7は、例えば、アクリル系粘着剤が最も好ましく、その他は、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等でも良い。また、粘着層7は、透明又は半透明の基材であることが望ましい。こうすることで、スクラッチ層2を削り取ったのちに、粘着層7を通して、カード基材11に設けられた印刷層12の秘密情報を視認することができる。
次に、本実施形態のスクラッチシールの製造方法について説明する。
図3は、本実施形態のスクラッチシールの製造方法のフロー図である。
まず、第1の工程(ステップ1以下「S1」と記載する)では、シール基材4にホログラム層5を形成する。
ホログラム層5は、電離放射線硬化性樹脂に必要に応じて(メタ)アクリレートオリゴマー、反応性シリコーン、及びポリエチレンワックスを含ませ、さらに必要に応じて光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法でシール基材4に塗布したのちに乾燥させ、塗膜を形成する。ホログラム層5の厚さとしては、通常は0.5μm〜20μm程度、好ましくは1μm〜10m程度であり、複数回の塗布でもよい。
また、ホログラム層5の周縁はシール基材4の周縁より0.1〜2mm小さく形成するのが好ましい。ホログラム層5をシール基材4よりも小さく形成することで、ホログラム層5が、後の工程でシール基材4に形成されるスクラッチ層2に覆われることで、スクラッチシールの外観からはホログラム層5の存在に気付きにくくなり、セキュリティ性を向上させることができる。
次に、第2の工程(S2)では、ホログラム層5の表面に光回折効果を発現するレリーフ構造を形成し、硬化させる。
ホログラム層5の表面への、レリーフ構造の形成(複製ともいう)は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。ここでレリーフ構造とはホログラムレリーフ構造を意味する。
ホログラム層5は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(ホログラム層5)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV‐A、UV‐B、UVC)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
レリーフ構造の形成方法として、ホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いてもよい。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子は単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
ホログラム層5の絵柄は、特に限定されないが、擬似連続絵柄とすることが好ましい。擬似連続絵柄はプレス型(スタンパという)を作成する際に、小さなレリーフ版の複数を、精度よく突合せてつなぎ目を目立たなくしたり、つなぎ目を樹脂で埋めたりすればよい。このように、擬似連続絵柄とすることで、できるだけ大きな面積、又は好ましくは全面とすることもできる。
次に、第3の工程(S3)では、透明反射層6を、ホログラム層5に設けられたレリーフ構造の表面へ形成する。
透明反射層6は、ホログラム層5のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ける。
次に、第4の工程(S4)では、シール基材4の、ホログラム層5が形成されていない他方の面に、剥離層3を形成する。
剥離層3は、スクラッチ層2のシール基材4からの削り取りを容易にするための層であり、例えば、シリコーン系の剥離インキによって形成される。また、スクラッチ層2がシール基材4から十分に削り取られる機能を有していた場合は、剥離層3はなくてもよい。
次に、第5の工程(S5)では、剥離層3が形成されたシール基材4の表面にスクラッチ層2を形成する。
スクラッチ層2は、金属粉をインキ化した銀インキなどをオフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷などの公知の印刷法で形成することができる。
そして、第6の工程(S6)では、透明反射層6の表面に粘着層7を形成する。
粘着層7の塗布量や塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2であり、塗布厚は0.1〜50μmである。粘着剤の粘度は、10000〜100000mPa・s程度が望ましい。粘着剤と接着剤の塗布方法は、例えば、比較的高速化が可能なグラビア方式やスプレーコート方式、フレキソ方式等によるコーティング等が使用できる。
次に、本実施形態のスクラッチシール1の使用方法について説明する。
本実施形態のスクラッチシール1は、まず、スクラッチカード10に設けられた印刷層12の秘密情報を覆うように粘着層7によってスクラッチカード10に貼付される。カード所有者は、スクラッチシール1が貼付されたスクラッチカード10を受け取る。ここで、スクラッチシール1のホログラム層5は、スクラッチシール1のスクラッチ層2よりも0.1〜2mm小さく形成されているので、スクラッチシールの外観からホログラム層5の存在に気付く可能性は少ない。
次にカード所有者は、スクラッチカード10に貼付されたスクラッチシール1のスクラッチ層2を、コインや爪などを用いて削り取る。スクラッチ層2を削り取ると、透明又は半透明のシール基材4を通してホログラム層5の絵柄を視認することができる。さらにホログラム層5の絵柄の下に、透明又は半透明の粘着層7を通して、カード基材11に設けられた印刷層12の秘密情報を視認することができる。ここで、シール基材を半透明にすることで、より秘密情報が視認しにくくなり、セキュリティ性がさらに向上する。
図4は、本実施形態のスクラッチシール1の、スクラッチ層2が削り取られたのちのスクラッチカード10の正面図の一例である。
スクラッチ層2が削り取られたのちのスクラッチカード10は、印刷層12の秘密情報「12345678」がホログラム層5の絵柄を通して視認することができる状態になっている。つまり、カード所有者の手元に残るスクラッチカード10には、ホログラム層5が残るため、スクラッチ層2が削り取られたのちであっても、スクラッチカードの意匠性を向上させることができる。また、ホログラム層5がスクラッチカードに残ることで、仮にスクラッチシールの貼り替え等のような不正が行われた場合であっても、ホログラム層の有無によって、印刷層12の秘密情報「12345678」がカード所有者の手元に渡る前に第三者が不正に確認したものであるか否かを判断することが可能であり、セキュリティ性を向上させることができる。
さらに、スクラッチシール1のシール基材4は、ホログラム層5および印刷層12を保護し、印刷層12の秘密情報の改ざんを防止するという機能を備えている。
<本実施形態による作用効果>
本実施形態によれば、シール基材と、シール基材の一方の面に設けられたスクラッチ層と、シール基材の、スクラッチ層が設けられていない面に設けられた、ホログラム層および透明反射層と、スクラッチシールを基材に積層させるための粘着層を備えたことで、スクラッチ層を削り取ったのちも意匠性が高く、セキュリティ面でも優れたスクラッチシールを提供することができる。
<変形例>
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、図5のように、本実施形態のスクラッチシールのスクラッチ層2の表面に、地紋印刷層13を設けてもよい。地紋印刷を設けることで、スクラッチシールの貼り替えによる不正が行われるリスクを低減させることができる。
また、図6のように、本実施形態のスクラッチシールに切り込み14を入れても良い。ここで切り込み14は、各層それぞれに形成してもよいし、全層に形成しても良い。スクラッチシールに切り込み14を入れることで、スクラッチシールを基材から剥がすことをより困難にすることができ、スクラッチシールの貼り替えによる不正が行われるリスクを低減させることができる。
本発明のスクラッチシールは、スクラッチカードのほかに広告、証明書、招待状、圧着葉書などの各種用紙にも利用可能である。
1……スクラッチシール
2……スクラッチ層
3……剥離層
4……シール基材
5……ホログラム層
6……透明反射層
7……粘着層
10……スクラッチカード
11……カード基材
12……印刷層
13……地紋印刷層
14……切り込み

Claims (4)

  1. 秘密情報隠蔽が可能で、かつ削り取ることで前記秘密情報の視認が可能となるスクラッチ層を備えたスクラッチシールにおいて、
    前記スクラッチ層は透明又は半透明のシール基材の一方の面に設けられ、
    前記シール基材の他方の面には、光透過性を有するホログラム層であって前記ホログラム層の表面には回折格子又はホログラムの干渉縞に対応する微細な凹凸を有するレリーフ面が形成されており、
    前記レリーフ面には前記ホログラム層とは屈折率が異なり、かつ透明性を有する薄膜からなる透明反射層が設けられ
    前記透明反射層が表出する面には透明又は半透明の粘着層が設けられていることを特徴とするスクラッチシール。
  2. 請求項1に記載のスクラッチシールにおいて、
    記ホログラム層の面積は、前記スクラッチ層の面積よりも小さいことを特徴とするスクラッチシール。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のスクラッチシールにおいて、
    前記スクラッチ層が表出する面に地紋印刷が設けられていることを特徴とするスクラッチシール。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクラッチシールにおいて、
    前記スクラッチシールには、切り込みが設けられていることを特徴とするスクラッチシール。
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