(運動補助装置が取り得る形態の一例)
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、揺動可能な座部を有し、座部は揺動しながら変形する運動補助装置である。
上記運動補助装置では、座部が変形することにより様々なストレッチを使用者が楽しむことができるだけでなく、座部の変形中にも座部が揺動するため、使用者は座部の変形途中でも連続してストレッチを楽しむことができる。
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、座部は変形する際に、変形前の座部の揺動速度よりも遅い揺動速度で揺動する運動補助装置である。
上記運動補助装置では、座部が変形することにより様々なストレッチを使用者が楽しむことができるだけでなく、座部の変形中にも座部が揺動するため、使用者は座部の変形途中でも連続してストレッチを楽しむことができる。更に、座部の変形中には座部の揺動速度が遅くなるため、使用者は座部が変形しようとしていることを認識することができるだけでなく、座部の変形中に使用者が座部から転倒することをできるだけ回避することができる。
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、座部の変形完了後、座部の揺動速度を速くする運動補助装置である。
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、揺動可能な座部と背凭れを有し、座部の一部が隆起した状態で座部が揺動する第1のモードと、座部の一部が隆起していない状態或いは座部の一部の隆起高さを前記第1のモードよりも低くした状態で座部が揺動する第2のモードと、を有し、第1のモードから第2のモードへ又は第2のモードから第1のモードへ移行する際に座部が揺動する運動補助装置である。
上記運動補助装置では、座部が変形することにより様々なストレッチを使用者が楽しむことができるだけでなく、座部の変形中にも座部が揺動するため、使用者は座部の変形途中でも連続してストレッチを楽しむことができる。
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、第1のモードから第2のモードへ移行する際又は、第2のモードから第1のモードへ移行する際の座部の揺動速度を第1のモード又は第2のモードにおける座部の揺動速度よりも遅くした運動補助装置である。
上記運動補助装置では、座部の変形中には座部の揺動速度が遅くなるため、使用者は座部が変形しようとしていることを認識することができるだけでなく、座部の変形中に使用者が座部から転倒することをできるだけ回避することができる。
本発明に関わる運動補助装置の一形態は、前記第1のモードと前記第2のモードにおける座部の揺動速度が同じである運動補助装置である。
(実施の形態1)
図1は運動補助装置1の外観である。運動補助装置1は例えば床等の設置面(図示略)に設置され、商用電源(図示略)から供給される電力により駆動する。運動補助装置1を構成する各種の要素はカバーにより覆われる。なお、図1および図3はそのカバーの一部が省略された運動補助装置1を示している。
運動補助装置1は座部10、背もたれ51、一対の肘掛け52、台座部53、および、コントローラー54を備える。座部10の機能は臀部および大腿を支持することである。座部10は例えば台座部53上に設けられる。肘掛け52の機能は肘を支持することである。一対の肘掛け52は例えば座部10の側方に設けられ、座部10に取り付けられる。一対の肘掛け52は例えば座部10の前後方向において上方部分が前方に突出し、下方部分が後方に引っ込むような形状である。台座部53は設置面に設置される。コントローラー54は運動補助装置1の動作に関する情報が入力されることにより、その情報を運動補助装置1の動作を制御する制御装置(図示略)に出力する。コントローラー54は例えば一方の肘掛け52上に設けられる。コントローラー54の一例は複数のキーあるいはタッチパネルディスプレイである。
背もたれ51は座部10の後方に設けられる。背もたれ51は背もたれ本体51Aおよび支持部材51Bを含む。背もたれ本体51Aの機能は背中を支持することである。背もたれ本体51Aは支持部材51Bに取り付けられる。支持部材51Bの機能は背もたれ本体51Aを支持することである。支持部材51Bは例えば座部10に取り付けられる。
運動補助装置1は一対の背面エアバッグ61および一対の保持エアバッグ62をさらに備える。一対の背面エアバッグ61は背もたれ本体51Aに設けられる。各背面エアバッグ61が膨張および収縮を繰り返すことにより背中がストレッチされ、各背面エアバッグ61が膨張した状態を維持することにより背中が伸ばされる。一方の保持エアバッグ62は例えば一方の肘掛け52のうちの内側の面に設けられる。他方の保持エアバッグ62は例えば他方の肘掛け52のうちの内側の面に設けられる。各保持エアバッグ62が膨張した状態を維持することにより保持エアバッグ62と座部10との間で脚または骨盤等が挟み込まれ、座部10に対する身体の位置が保持される。
運動補助装置1は駆動部70をさらに備える。駆動部70の機能は座部10を揺動させることである。駆動部70は例えば台座部53内に設けられ、座部10を揺動可能に支持する。駆動部70が駆動することにより座部10が揺動する。背もたれ51および一対の肘掛け52は座部10が揺動するとともに揺動する。なお、背もたれ51および一対の肘掛け52は座部10が揺動した場合に揺動しないように台座部53に取り付けられてもよい。
座部10は複数の形態を有し、変形することにより複数の形態のうちのいずれかの形態が選択される。複数の形態は着座可能な第1の形態および跨ることが可能な第2の形態を
含む。第1の形態における着座部とは、運動補助装置1を一般的な椅子と同様に使用する場合にユーザーが取る姿勢である。なお、図1に示される運動補助装置1の形態は第1の形態である。
座部10は中間部11、一対の側部12、背面支持部13、および、切替部20(図4参照)を備える。中間部11は座部10の幅方向の中間位置に設けられる。中間部11は第1の形態においてユーザー100が着座したときに主に臀部を支持する部分である。一対の側部12は例えば座部10の幅方向における中間部11の両隣において、座部10の前後方向に沿う軸まわりに回転可能に設けられる。一対の側部12は第1の形態においてユーザー100が着座したときに主に大腿を支持する部分である。
図1に示される例では、第1の形態における座部面10Aはユーザー100が着座できるように概ね平面を構成する。座部面10Aが構成する平面とは、ユーザー100が運動補助装置1を一般的な椅子と同様に使用する場合において、座部10に着座したユーザー100が違和感を覚えないような平面である。一例では、座部10は中間部11の高さと一対の側部12の高さとの差が小さくなるように中間部11および一対の側部12の少なくとも一方が動作することにより第1の形態を構成する。
背面支持部13の機能は腰を支持することである。背面支持部13は中間部11の後方に設けられる。背面支持部13の高さは背もたれ51の高さよりも低い。切替部20の機能は中間部11および一対の側部12の少なくとも一方を動作させることにより第1の形態と第2の形態とを切り替えることである。切替部20は例えば中間部11および一対の側部12の下方に設けられ、中間部11および一対の側部12を支持する。
中間部11は前方部11Aおよび後方部11Bを含む。前方部11Aは一対の側部12に挟まれる部分である。前方部11Aは第2の形態を取る座部10にユーザー100が跨った場合に両脚の大腿により挟み込むことができるように構成される。後方部11Bは前方部11Aと連続し、一対の側部12よりも後方に設けられる。中間部11の幅は座部10の後方側から前方側に向かうにつれて狭くなる。このため、前方部11Aの幅は後方部11Bの幅よりも狭い。一例では、前方部11Aは座部10の後方側から前方側に向かうにつれて幅が狭くなる先細りの形状である。
図2は肘掛け52を透過した運動補助装置1を示す。この図に示されるとおり、前方部11Aは後方部11Bよりも上方に膨らんでいる。具体的には、前方部11Aの座部面10Aが側部12よりも上方に膨らみ、後方部11Bの座部面10Aが側部12よりも下方に凹んでいる。
図3は第2の形態を取る運動補助装置1の外観である。座部10は第1の形態を構成する状態から中間部11が一対の側部12よりも高くなるように中間部11と一対の側部12とが相対的に動作することにより第2の形態に変形する。運動補助装置1が第2の形態を取る場合、一対の側部12は座部10の幅方向における外側かつ下方に向けて傾斜した姿勢を取る。図3に示される例では、第2の形態における座部面10Aはユーザー100が跨ることができるように馬の背または鞍を模した形状を構成する。
図4は切替部20の具体的な構成の一例を示す。なお、図4は座部10の一部を省略している。
切替部20はコントローラー54(図1参照)の操作に基づいて、中間部11および一対の側部12の少なくとも一方を動作させることにより第1の形態(図1参照)および第2の形態(図3参照)のいずれかを選択する。一例では、切替部20は座部10が第1の形態を取る場合において、中間部11が一対の側部12よりも高くなるように中間部11と一対の側部12とを相対的に動作させることにより第2の形態を選択する。また、切替部20は座部10が第2の形態を取る場合において、中間部11の高さと一対の側部12の高さとの差が第2の形態における差よりも小さくなるように中間部11および一対の側部12の少なくとも一方を動作させることにより第1の形態を選択する。
切替部20はリンク30および座部エアバッグ40を備える。座部エアバッグ40の機能は膨張および収縮を繰り返すことにより中間部11を上下方向に変位させることである。座部エアバッグ40は中間部11の下方に設けられる。一例では、座部エアバッグ40
はリンク30内に配置される。座部エアバッグ40は運動補助装置1の一部であるエアポンプ41と接続される。エアポンプ41から空気が供給されることにより座部エアバッグ40が膨張し、中間部11が上方に持ち上げられる。
リンク30は例えば中間部11が上方に変位することにともない一対の側部12が傾斜した姿勢を取るように中間部11と一対の側部12とを連結する。リンク30は中間リンク31、一対の側部リンク32、後方リンク33、および、支持リンク34を含む。座部エアバッグ40は例えば各リンク31〜34により囲まれた空間に配置される。
中間リンク31は中間部11を支持する。支持リンク34は中間リンク31と対向するように台座部53(図1参照)上に設けられ、リンク30を構成する各種の要素を支持する。一例では、支持リンク34は台座部53に対して変位しないように台座部53に固定される。一対の側部リンク32は対応する側部12を支持するように座部10の幅方向における中間リンク31の両隣に設けられる。後方リンク33は中間リンク31の後方側に設けられる。側部リンク32および後方リンク33は、中間リンク31が支持リンク34に対して上下方向に変位できるように中間リンク31と支持リンク34とを接続する。
側部リンク32は第1の側部リンク32Aおよび第2の側部リンク32Bを含む。第1の側部リンク32Aおよび第2の側部リンク32Bは互いに座部10の前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。座部10の前後方向に沿う軸はリンク同士の連結部分に存在する。第1の側部リンク32Aの一方の端部は中間リンク31に回転可能に連結される。第1の側部リンク32Aの他方の端部は第2の側部リンク32Bの一方の端部に回転可能に連結される。第2の側部リンク32Bの他方の端部は支持リンク34に回転可能に連結される。第1の側部リンク32Aの長さは第2の側部リンク32Bの長さよりも長い。
後方リンク33は第1の後方リンク33Aおよび第2の後方リンク33Bを含む。第1の後方リンク33Aおよび第2の後方リンク33Bは互いに座部10の前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。第1の後方リンク33Aの一方の端部は中間リンク31に回転可能に連結される。第1の後方リンク33Aの他方の端部は第2の後方リンク33Bの一方の端部に回転可能に連結される。第2の後方リンク33Bの他方の端部は支持リンク34に回転可能に連結される。第1の後方リンク33Aの長さは第1の側部リンク32Aの長さと実質的に同じであり、第2の後方リンク33Bの長さは第2の側部リンク32Bの長さと実質的に同じである。
図5は座部10の一部が省略された第1の形態を取る運動補助装置1の外観を示す。座部10が第1の形態を取る状態において座部エアバッグ40は最も収縮し、リンク30は折り畳まれる。具体的には、座部エアバッグ40が収縮することにより第1の側部リンク32Aと第2の側部リンク32Bとが近づくように折り畳まれ、第1の後方リンク33Aと第2の後方リンク33Bとが近づくように折り畳まれる。これにより、中間リンク31が座部エアバッグ40を挟んで支持リンク34に近づけられ、中間リンク31および各第1の側部リンク32Aが概ね平面を構成する。折り畳まれた後方リンク33は支持部材51Bの隙間51Cに収納される。
このように、切替部20は中間部11の高さと一対の側部12の高さとの差が第2の形態における差よりも小さくなるように座部エアバッグ40を収縮させる。そして、切替部20はリンク30の変形にともない中間部11および一対の側部12を動作させることにより第1の形態を選択する(図1参照)。
図6は座部10の一部が省略された第2の形態を取る運動補助装置1の外観を示す。座
部10が第2の形態を取る状態において座部エアバッグ40が最も膨張した状態を構成し、リンク30が上方に伸びるように変形する。具体的には、座部エアバッグ40が膨張することにより中間リンク31が持ち上げられ、各側部リンク32A、32Bおよび各後方リンク33A、33Bが中間リンク31の変位に追従して概ね直線状に伸びるように変形する。これにより、中間リンク31および各側部リンク32は馬の背または鞍を模した形状を構成する。
このように、切替部20は第2の形態における中間部11の座部面10Aの高さが第1の形態における中間部11の座部面10Aの高さよりも高くなるように、かつ、一対の側部12が中間部11に対して傾斜した姿勢を取るように座部エアバッグ40を膨張させてリンク30を変形させる。そして、切替部20はリンク30の変形にともない中間部11および一対の側部12を動作させることにより第2の形態を選択する(図3参照)。
図7を参照して、駆動部70の構成の一例について説明する。駆動部70の具体的な構成およびその動作は特開2006−61672号公報に開示されている駆動装置と概ね同じであるため、その共通する事項の説明の一部または全部を省略する。なお、図7は座部10を簡略化して示している。
駆動部70は例えば座部10の形態が少なくとも第2の形態である場合に座部10を揺動させる。一例では、駆動部70は座部10の形態が第1の形態である場合、および、座部10の形態が第2の形態である場合に座部10を揺動させる。駆動部70は揺動台71、一対の支持板72、第1のモーター73、一対のクランクアーム74、一対の連結リンク75、および、偏心ロッド76を含む。座部10は揺動台71とともに揺動するように揺動台71に固定される。一対の支持板72の機能は駆動部70を構成する各種の要素を支持することである。
一対のクランクアーム74の機能は連結リンク75を介して揺動台71を座部10の前後方向に変位させることである。クランクアーム74は複数の回転軸および歯車(図示略)を介して第1のモーター73の出力軸(図示略)と接続される。クランクアーム74は一方の端部が第1のモーター73の出力軸の回転にともない偏心回転する回転軸に連結され、他方の端部が連結リンク75に連結される。連結リンク75は一方の端部が揺動台71に連結され、他方の端部が支持板72に連結される。
偏心ロッド76の機能は揺動台71を座部10の幅方向に変位させることである。偏心ロッド76は複数の回転軸および歯車(図示略)を介して第1のモーター73の出力軸と接続される。偏心ロッド76は一方の端部が第1のモーター73の出力軸の回転にともない偏心回転する回転軸に連結され、他方の端部が一方の支持板72に連結される。
駆動部70は例えばクランクアーム74の回転速度と偏心ロッド76の回転速度との比が2:1となるように構成される。このため、座部10は平面視において概ねV字を形成するように揺動する。なお、駆動部70はクランクアーム74の回転速度と偏心ロッド76の回転速度との比が2:1となるように、かつ、クランクアーム74の位相を偏心ロッド76の位相に対して90°ずらすように構成されてもよい。この例では、座部10は平面視において概ね八の字を形成するように揺動する。また、駆動部70はクランクアーム74の回転速度と偏心ロッド76の回転速度との比が1:2となるように構成されてもよい。
第1のモーター73の出力軸が回転することにより、複数の回転軸および歯車を介してクランクアーム74が偏心回転し、複数の回転軸および歯車を介して偏心ロッド76の一方の端部が偏心回転する。クランクアーム74はその回転運動を連結リンク75に伝達す
ることにより連結リンク75が座部10の前後方向に変位する。このため、揺動台71が連結リンク75を介して座部10の前後方向に変位し、座部10が前後方向に変位する。
また、偏心ロッド76の一方の端部は偏心回転することにより座部10の幅方向に変位する。これにより支持板72が傾き、連結リンク75が座部10の幅方向に変位する。このため、揺動台71が連結リンク75を介して座部10の幅方向に変位し、座部10が幅方向に変位する。このように、座部10は第1のモーター73の出力軸が回転することにより前後方向および幅方向に揺動する。このため、運動補助装置1を使用するユーザー100(図9参照)に揺動運動が提供される。
運動補助装置1は昇降機構80をさらに備える。昇降機構80は例えば座部10の前方側に設けられる。昇降機構80の機能は座部10の前後方向の傾きを変更することである。昇降機構80は第2のモーター81および伸縮部82を含む。伸縮部82は例えばボールねじ(図示略)を含む。伸縮部82は一方の端部が揺動台71に連結され、他方の端部が一方の支持板72に連結される。第2のモーター81の出力軸(図示略)はウォームギア(図示略)等を介してボールねじのナットと連結される。
第2のモーター81の出力軸が回転することによりウォームギア等を介してボールねじのナットが回転し、ボールねじのねじ軸が上下方向に変位する。このため、伸縮部82が伸縮し、揺動台71の前方が揺動台71と連結リンク75との連結軸77まわりに回転する。このため、座部10の前後方向における揺動台71の傾きが変更され、座部10の前後方向の傾きが変更される。なお、昇降機構80はコントローラー54(図1参照)の操作に基づいて駆動する。
図8および図9を参照して、運動補助装置1の使用状態の一例について説明する。
運動補助装置1を使用するユーザー100はコントローラー54を操作することにより第1の形態および第2の形態のいずれかを選択する。
図8に示されるとおり、第1の形態を取る運動補助装置1は主にユーザー100により椅子またはストレッチ用器具として使用される。具体的には、ユーザー100は座部10に着座することにより運動補助装置1を椅子として使用する、あるいは、コントローラー54を操作することにより背面エアバッグ61を駆動して運動補助装置1をストレッチ用器具として使用する。
図9に示されるとおり、第2の形態を取る運動補助装置1は主にユーザー100により揺動運動のための装置として使用される。具体的には、ユーザー100は座部10に跨り、コントローラー54を操作することにより駆動部70を駆動して座部10を揺動させ、運動補助装置1を揺動運動のための装置として使用する。このとき、ユーザー100がコントローラー54を操作することにより保持エアバッグ62が駆動した場合、座部10に対するユーザー100の脚の位置が保持エアバッグ62により保持される。
また、ユーザー100は第1の形態を取る運動補助装置1を揺動運動のための装置としても使用できる。具体的には、ユーザー100は座部10に着座し、コントローラー54を操作することにより駆動部70を駆動して座部10を揺動させ、運動補助装置1を揺動運動のための装置として使用する。第1の形態を取る座部10が揺動するときの座部10の動きは、例えば第2の形態を取る座部10の動きと実質的に同じである。このとき、ユーザー100がコントローラー54を操作することにより保持エアバッグ62が駆動した
場合、座部10に対するユーザー100の骨盤の位置が保持エアバッグ62により保持され、骨盤等のストレッチ運動がユーザー100に提供される。なお、第1の形態を取る座部10が揺動するときの座部10の動きと第2の形態を取る座部10の動きとを異ならせてもよい。
このように、運動補助装置1が取り得る形態に、運動補助装置1を家具と同様に取り扱うことが可能な形態が含まれるため、ユーザー100が運動補助装置1を揺動運動のための装置として使用しない場合にも邪魔にならない。このため、運動補助装置1は高い利便性を有する。
実施の形態の運動補助装置1によれば、さらに以下の効果が得られる。
運動補助装置1によれば、第2の形態における一対の側部12が座部10の幅方向の外側かつ下方に向けて傾斜した姿勢を取るため、ユーザー100が座部10に跨った状態において一対の側部12を大腿で挟みやすい。このため、運動補助装置1を用いて揺動運動を実施する場合にユーザー100の姿勢が安定しやすい。また、運動補助装置1によれば、中間部11の幅が座部10の後方側から前方側に向かうにつれて狭くなるため、第2の形態を取る座部10に跨ったユーザー100が中間部11を大腿で挟みやすい。
運動補助装置1によれば、前方部11Aは後方部11Bよりも上方に膨らんでいる。一方、第2の形態を取る座部10にユーザー100が跨る場合、例えば臀部が後方部11Bに支持され、前方部11Aが身体の前方に位置する。このため、運動補助装置1を用いて揺動運動を実施したとしても、座部10に対する身体の位置が前方に移動することが前方部11Aの膨らみにより妨げられる。このため、運動補助装置1を用いて揺動運動を実施する場合にユーザー100の姿勢がより安定しやすい。
第2の形態を取る座部10に跨ったユーザー100の足が床から浮いている場合、座部10の揺動運動にともなうユーザー100の運動が足により支持されないため、ユーザー100の運動量が多くなる。一方、運動補助装置1によれば、第2の形態における中間部11の座部面10Aの高さが第1の形態よりも高くなるように設定されているため、第2の形態を取る座部10に跨ったユーザー100の足が床から浮きやすい。このため、座部10の揺動運動にともないユーザー100に与えられる効果が高められる。
ユーザー100が第2の形態を取る座部10に跨るとき、腰の位置を決めるために背面支持部13を利用できる。背面支持部13がユーザー100の腰または臀部を支持するため、座部10におけるユーザー100の腰の位置が安定し、座部10が揺動運動するときにユーザー100の姿勢が安定しやすい。
一対の肘掛け52は例えば座部10の前後方向において上方部分が前方に突出し、下方部分が後方に引っ込むような形状である。このため、第2の形態を取る座部10にユーザー100が跨る場合、ユーザー100の脚が肘掛け52と接触しにくい。このため、第2の形態を取る座部10にスムーズに跨ることができ、その座部10が揺動する場合でもユーザー100の脚が肘掛け52と接触しにくい。
運動補助装置1のリンク30は第1の側部リンク32Aの長さが第2の側部リンク32Bの長さよりも長い。この場合、座部エアバッグ40が最も膨張したときに中間リンク31に対する第1の側部リンク32Aの傾きが大きくなる。このため、中間部11に対する一対の側部12の傾斜が大きくなり、ユーザー100が座部10に跨った状態において一対の側部12を大腿で強く挟みやすい。このため、運動補助装置1を用いて揺動運動を実施する場合にユーザー100の姿勢が一層安定しやすい。
運動補助装置1が第1の形態を取る場合に座部10に着座するユーザー100の向きと、運動補助装置1が第2の形態を取る場合に座部10に跨るユーザー100の向きとが同じである。このため、運動補助装置1によれば、ユーザー100が座部10に着座した姿勢または座部10に跨る姿勢を保持した状態において、第1の形態と第2の形態とを切り替えることができる。このため、運動補助装置1の利便性が高められる。
(実施の形態2)
実施の形態2の運動補助装置1は以下に説明する点において実施の形態1の運動補助装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の運動補助装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態2の運動補助装置1の説明は実施の形態1の運動補助装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
図10に示されるとおり、実施の形態2の運動補助装置1は座部10(図1参照)に代えて座部110を備える。座部110は着座可能な第1の形態および跨ることが可能な第2の形態を含む複数の形態を有し、変形することにより複数の形態のうちのいずれかの形態が選択される。座部110はシート111および複数の座部エアバッグ112を備える。シート111は例えば伸縮可能な材料により構成される。
座部エアバッグ112の機能は膨張および収縮を繰り返すことによりシート111を変形させることである。複数の座部エアバッグ112の数の一例は4つである。複数の座部エアバッグ112はシート111内に設けられる。一例では、複数の座部エアバッグ112は膨張することにより座部110の幅方向におけるシート111の中間部がその両隣の部分よりも上方に向けて変形するようにシート111内に配置される。なお、座部エアバッグ112の数は1つ、2つ、3つ、または、5つ以上でもよい。
図10(a)は第1の形態を取る座部110の外観である。座部110が第1の形態を取る状態において複数の座部エアバッグ112は最も収縮した状態を構成する。第1の形態における座部面110Aはユーザー100が着座できるように概ね平面を構成する。
図10(b)は第2の形態を取る座部110の外観である。座部110が第2の形態を取る状態において複数の座部エアバッグ112は最も膨張した状態を構成する。第2の形態における座部面110Aはユーザー100が跨ることができるように馬の背または鞍を模した形状を構成する。なお、実施の形態2の運動補助装置1は実施の形態1により得られる効果の一部と実質的に同じ効果が得られる。
(実施の形態3)
実施の形態3の運動補助装置1は以下に説明する点において実施の形態1の運動補助装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の運動補助装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態3の運動補助装置1の説明は実施の形態1の運動補助装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
図11に示されるとおり、実施の形態3の運動補助装置1は座部10(図1参照)に代えて座部210を備える。座部210は着座可能な第1の形態および跨ることが可能な第2の形態を含む複数の形態を有し、変形することにより複数の形態のうちのいずれかの形態が選択される。座部210は中間部211、一対の側部212、背面支持部213、および、切替部220を備える。中間部211、一対の側部212、および、背面支持部213は、図1に示される中間部11、一対の側部12、および、背面支持部13と実質的に同じ構成である。なお、図11は座部210の一部を省略している。
切替部220はスライドブロック230および座部エアバッグ240を備える。スライドブロック230は中間ブロック231、一対の側部ブロック232、一対の側部板23
3、および、補助ブロック234を含む。中間ブロック231は中間部211を支持する。一対の側部ブロック232は座部210の幅方向における中間ブロック231の両隣に設けられる。中間ブロック231および各側部ブロック232の形状の一例は直方体の箱である。中間ブロック231の内部は中空である。
一対の側部板233は対応する側部ブロック232上に設けられ、対応する側部212を支持する。各側部板233は中間ブロック231と接続され、その接続部分を軸として回転可能に中間ブロック231に取り付けられる。補助ブロック234は例えば中間ブロック231内に設けられる。補助ブロック234の形状の一例は中間ブロック231よりも小さい直方体の箱である。
座部エアバッグ240の機能は膨張および収縮を繰り返すことにより中間部211を上下方向に変位させることである。座部エアバッグ240の数の一例は2つである。座部エアバッグ240は例えば中間ブロック231と補助ブロック234との間に設けられる。すなわち、座部エアバッグ240は中間ブロック231内のうちの補助ブロック234上に配置される。なお、座部エアバッグ240の数は1つまたは3つ以上でもよい。
図11(a)は第1の形態を取る座部210の外観である。座部210が第1の形態を取る状態において座部エアバッグ240は最も収縮した状態を構成する。第1の形態における座部面210Aはユーザー100が着座できるように概ね平面を構成する。
図11(b)は第2の形態を取る座部210の外観である。座部210が第2の形態を取る状態において座部エアバッグ240は最も膨張した状態を構成する。座部エアバッグ240が膨張することにより中間ブロック231が補助ブロック234に対して上方に変位し、一対の側部板233が座部210の幅方向の外側かつ下方に向けて傾斜した姿勢を取る。そして、中間ブロック231および一対の側部板233の変形に追従するように中間部211および一対の側部212が変形する。第2の形態における座部面210Aはユーザー100が跨ることができるように馬の背または鞍を模した形状を構成する。なお、実施の形態3の運動補助装置1は実施の形態1により得られる効果の一部と実質的に同じ効果が得られる。
(実施の形態4)
実施の形態4の運動補助装置1は以下に説明する点において実施の形態1の運動補助装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の運動補助装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態4の運動補助装置1の説明は実施の形態1の運動補助装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
図12に示されるとおり、実施の形態4の運動補助装置1は座部10(図1参照)に代えて座部310を備える。座部310は着座可能な第1の形態および跨ることが可能な第2の形態を含む複数の形態を有し、変形することにより複数の形態のうちのいずれかの形態が選択される。座部310は中間部311、一対の側部312、背面支持部313、および、切替部320を備える。中間部311、一対の側部312、および、背面支持部313は、図1に示される中間部11、一対の側部12、および、背面支持部13と実質的に同じ構成である。なお、図12は座部310の一部を省略している。
切替部320は支持機構330および伸縮機構340を備える。支持機構330は中間板331、一対の側部板332、および、支持台333を含む。中間板331は中間部311を支持する。一対の側部板332は座部310の幅方向における中間板331の両隣に設けられる。一対の側部板332は中間板331と接続され、その接続部分を軸として回転可能に中間板331に取り付けられる。支持台333は中間板331、一対の側部板
332、および、一対の伸縮機構340を支持する。
伸縮機構340は例えばパンタグラフのような機構である。伸縮機構340の機能は伸展および収縮を繰り返すことにより中間部311を上下方向に変位させることである。伸縮機構340は中間板331と支持台333とを連結する。一例では、座部310の前後方向における伸縮機構340の長さが調節されることにより、支持台333に対する中間部311の上下方向の位置が決められる。伸縮機構340は例えばモーター等により駆動する。
図12(a)は第1の形態を取る座部310の外観である。座部310が第1の形態を取る状態において伸縮機構340は最も収縮した状態を構成する。第1の形態における座部面310Aはユーザー100が着座できるように概ね平面を構成する。
図12(b)は第2の形態を取る座部310の外観である。座部310が第2の形態を取る状態において伸縮機構340は最も伸展した状態を構成する。伸縮機構340が伸展することにより中間板331が支持台333に対して上方に変位し、一対の側部板332が座部310の幅方向の外側かつ下方に向けて傾斜した姿勢を取る。そして、中間板331および一対の側部板332の変形に追従するように中間部311および一対の側部312が変形する。第2の形態における座部面310Aはユーザー100が跨ることができるように馬の背または鞍を模した形状を構成する。なお、実施の形態4の運動補助装置1は実施の形態1により得られる効果の一部と実質的に同じ効果が得られる。
(実施の形態5)
実施の形態5の運動補助装置1は以下に説明する点において実施の形態1の運動補助装置1と相違し、その他の点において実施の形態1の運動補助装置1と実質的に同じ構成を備える。なお、実施の形態5の運動補助装置1の説明は実施の形態1の運動補助装置1と共通する構成に同一の符号を付し、その構成の説明の一部または全部を省略する。
図13に示されるとおり、実施の形態5の運動補助装置1は座部10(図1参照)に代えて座部410を備える。座部410は着座可能な第1の形態および跨ることが可能な第2の形態を含む複数の形態を有し、変形することにより複数の形態のうちのいずれかの形態が選択される。座部410は中間部411および一対の側部412を備える。中間部411および一対の側部412の一例は概ね直方体のクッションである。
一対の側部412は座部410の幅方向における中間部411の両隣において、座部410の前後方向に沿う軸まわりに回転可能に設けられる。一例では、一対の側部412はヒンジにより中間部411に回転可能に取り付けられる。このため、一対の側部412は中間部411の両隣に配置される状態、および、中間部411上に配置される状態のいずれかを構成できる。一対の側部412は湾曲部412Aを含む。湾曲部412Aは例えば一対の側部412が中間部411上に配置された状態において、一対の側部412の角に設けられる。なお、一対の側部412が取り得る構成は例えばユーザー100により手動で変更される。
図13(a)は第1の形態を取る座部410の外観である。座部410が第1の形態を取る状態において一対の側部412が中間部411の両隣に配置された状態を構成する。第1の形態における座部面410Aはユーザー100が着座できるように概ね平面を構成する。
図13(b)は第2の形態を取る座部410の外観である。座部410が第2の形態を取る状態において一対の側部412が中間部411上に配置された状態を構成する。第2
の形態における座部面410Aはユーザー100が跨ることができるように馬の背または鞍を模した形状を構成する。なお、実施の形態5の運動補助装置1は実施の形態1により得られる効果の一部と実質的に同じ効果が得られる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。以下、実施の形態6〜7については、本実施の形態の運動補助装置1の動作の一例について説明している。
尚、実施の形態6の運動補助装置1は、先ほど説明した実施の形態1〜5のいずれかの運動補助装置1の構造と同一であるため説明を省略する。
図15は、運動補助装置1のブロック図である。
図15において、制御部500は、例えばCPU(Central Processing Unit)のようなマイクロコンピュータからなり、各回路の制御を司る。
第1のモーター73は、座部10を前後方向および幅方向に揺動させるためのモーターである。
第1の位置センサは、座部10が基本的なポジション(例えば、水平な状態)にあるか、或いはそうでないかを検知するためのセンサであり、例えば光学式センサからなる。より具体的には、発光部と受光部及びスリットを配置し、発光部からの光がスリットを介して受光部で受光した場合には、座部10が水平な状態にあり、一方、発光部からの光がスリットを介して受光部で受光できない場合には、座部10が水平ではない状態にあると制御部500が判定する構成となっている。
第2のモーター81は、座部10を前後方向に傾かせるためのモーターである。
第2の位置センサは、座部10が前後方向にどの程度傾いているかを検知するためのセンサであり、例えば、最前方、中前方、水平、中後方、最後方、の5段階で検知する。
第2の位置センサは、第1の位置センサと同様に、発光部と受光部及びスリットを有しているが、第2の位置センサは、1つの発光部或いは複数の発光部と、複数の受光部及びスリットを有しているため、座部10が5段階でどの位置にいるかを検知することが可能である。
コントローラー54は、複数のキーと例えば液晶表示装置からなる表示部を有しており、使用者からの電源オン、オフ、モードの切替等の各種操作を受け付ける。尚、コントローラー54は、例えば静電式、抵抗式のタッチパネルで構成しても良い。
記憶部503は、例えばEEPROM(Electrically Erasable
and Programmable Read Only Memory)のような不揮発性メモリからなり、制御部500が実行する各種プログラムやデータ(例えば、装置が現在どのようなモードであるかを示すフラグや各種パラメータ)等を格納する。
エアポンプ41は、座部エアバッグ40、背面エアバッグ61、保持エアバッグ62に空気を供給するポンプである。尚、本実施例ではエアポンプ41を1つのみ搭載しているが、複数搭載する形態としても良い。
第1の電磁弁504は、座部エアバッグ40に接続されており、エアポンプ41からの
空気を座部エアバッグ40に供給する或いはしないように切り替える為の弁である。
第2の電磁弁505は、背面エアバッグ61に接続されており、エアポンプ41からの空気を背面エアバッグに供給する或いはしないように切り替える為の弁である。
第3の電磁弁506は、一方の保持エアバッグ62に接続されており、エアポンプ41からの空気を一方の保持エアバッグ62に供給する或いはしないように切り替える為の弁である。
第4の電磁弁507は、他方の保持エアバッグ62に接続されており、エアポンプ41からの空気を他方の保持エアバッグ62に供給する或いはしないように切り替える為の弁である。
保持弁600は、エアバッグに供給された空気を保持するための弁である。本実施例装置では、エアポンプ41が保持弁600と第2の電磁弁505に接続されており、更に、保持弁600は第1の電磁弁504と第3の電磁弁506と第4の電磁弁507に接続されている。
尚、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を1つの電磁弁で構成しても良い。このような構成とした場合、2つの保持エアバッグ62には同時に給気と排気が行われる。
また、保持弁600が複数あり、各々の保持弁600は各電磁弁と接続された構成としても良い。
図16は、実施の形態6の運動補助装置の動作を示すフロー図である。
尚、実施の形態6では、運動補助装置はジョーバモード(第1のモード)とチェアモード(第2のモード)の2つのモードを有しており、これら2つのモードは使用者がコントローラー54を操作することにより切り替えることが可能である。
また、チェアモードとは、座部10が略平坦な状態で揺動するモードであり、ジョーバモードとは、座部10の一部が隆起した状態で揺動するモードである。
ジョーバモードでは、使用者はあたかも乗馬を行っているような感覚を得ることができる。
尚、運動補助装置がチェアモードでもなくジョーバモードでもない状態では、使用者は運動補助装置を通常の椅子としても使用することができる。
制御部500は、待機状態においてコントローラー54から電源オンの操作があった後に指示操作があるとステップS10に処理を進める。
尚、待機状態とは、制御部500が、コントローラー54からの指示操作を待ち受けている状態であり、例えば、チェアモードでもジョーバモードでもなく、且つ、制御部500が、コントローラー54からの指示操作を待ち受けている状態である。
ステップS10において、制御部500は、コントローラー54からの操作がチェアモード開始の指示であると判定すると、現在チェアモードであることを示すデータ(例えば、フラグ)を記憶部503に格納すると共にステップS11へ処理を進め、ジョーバモード開始の指示であると判定すると、現在ジョーバモードであることを示すデータ(例えば
、フラグ)を記憶部503に格納すると共にステップS14へ処理を進める。
ステップS11において、制御部500は、エアポンプ41を駆動させると共に、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、保持エアバッグ62に空気を供給開始すると共に、所定時間(例えば10秒)の計時を開始する。
続くステップS12において、制御部500は、所定時間(例えば10秒)の計時を終了したと判定すると、保持エアバッグ62への給気が完了したと判定し、保持弁600を制御することにより空気圧を保持してステップS13へ処理を進める。
尚、本実施形態では、チェアモードでは座部10は略平らな状態であるが、座部エアバッグ40に入る空気の内数パーセント(例えば、50パーセント)だけ座部エアバッグ40に空気を供給することも可能である。この場合、座部10(の一部)がジョーバモード程の高さではないが、多少隆起した状態となる。
ステップS13において、制御部500は、第1のモーター73を制御することにより座部10の揺動を開始し、ステップS16へ処理を進める。
尚、このステップS13における第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部10の揺動速度)をA(回転/分)とする。
ステップS14において、制御部500は、エアポンプ41を駆動すると共に第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40に空気を供給開始すると共に、制御部500が所定時間(例えば40秒)の計時を開始する。
尚、本実施形態では、座部エアバッグ40には十分に空気を供給しているが、座部エアバッグ40に入る空気の内数パーセント(例えば、50パーセント)だけ空気を供給しても良い。この場合、座部10の隆起した部分が、十分に空気を供給した場合に比べて高さが低くなる。
続くステップS15において、制御部500は、所定時間(例えば40秒)の計時を終了したと判定すると、座部エアバッグ40への給気が完了したと判定し、保持弁600を制御することにより空気圧を保持してステップS13へ処理を進める。
ステップS16において、制御部500は、コントローラー54からモード変更の指示操作があると判定すると、ステップS23へ処理を進め、そうでなければ、ステップS17へ処理を進める。
ステップS17において、制御部500は、コントローラー54から終了の指示操作があると判定すると、ステップS18へ処理を進め、そうでなければステップS16へ処理を戻す。
ステップS18において、制御部500は、記憶部503に格納されている現在のモードが何であるかを示すデータ(例えばフラグ)を読み込み、現在運動補助装置がチェアモードであるか否かを判定し、チェアモードであると判定すると、ステップS19へ処理を進め、そうでなければ、ステップS21へ処理を進める。
ステップS19において、制御部500は、第1の位置センサ501からの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第1のモーター73を駆動し座部10を水平な状態にする。
尚、座部10が前後方向に傾いている場合には、制御部500は、第2のモーター81を駆動することにより、第2の位置センサからの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第2のモーター81を駆動し座部10を水平な状態にする。
ステップS20において、制御部500は、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、左右の保持エアバッグ62内の空気を排気し、コントローラー54からの操作を待ち受ける状態となる。
ステップS21において、制御部500は、第1の位置センサ501からの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第1のモーター73を駆動し座部を水平な状態にする。
尚、座部10が前後方向に傾いている場合には、制御部500は、第2のモーター81を駆動することにより、第2の位置センサからの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第2のモーター81を駆動し座部を水平な状態にする。
ステップS22において、制御部500は、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40内の空気を排気し、コントローラー54からの操作を待ち受ける状態となる。
ステップS23において、制御部500は、記憶部503に格納されている現在の状態を示すデータ(例えば、フラグ)を読み込み、現在運動補助装置がチェアモードであるか否かを判定し、チェアモードであると判定すると、ステップS24へ処理を進め、そうでなければ、ステップS31へ処理を進める。
ステップS24において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度を下げ、ステップS25に処理を進める。
尚、この時の第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部の揺動速度)をB(回転/分)とする。また、ステップS13における第1のモーター73の回転速度AよりもステップS24における第1のモーター73の回転速度Bの方が遅くなっている。
ステップS25において、制御部500は、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、保持エアバッグ62内の空気の排気を開始すると共に、所定時間(例えば4秒)の計時を開始する。
尚、制御部500は、ステップS24とステップS25の処理を同時に行っても良い。
ステップS26において、制御部500は、ステップS25で開始した4秒の計時が終了するとエアポンプ41を駆動させると共に、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40への空気の供給を開始する。また、所定時間(例えば10秒)の計時を開始する。
ステップS27において、制御部500は、ステップS26で計時を開始してから所定時間(例えば、10秒)の計時を終了したと判定すると、ステップS28へ処理を進める。尚、制御部500は所定時間(例えば30秒)の計時を開始する。
ステップS28において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度を上げる。
尚、この時の第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部の揺動速度)をC(回転/分)とする。また、ステップS24における第1のモーター73の回転速度BよりもステップS28における第1のモーター73の回転速度Cの方が速くなっている。
ステップS29において、制御部500は、ステップS27における所定時間(例えば30秒)の計時開始から30秒が経過したと判定すると、ステップS30へ処理を進める。
ステップS30において、制御部500は、保持弁600を制御することにより座部エアバッグ40の空気圧を保持し、ステップS16へ処理を戻す。
ステップS31において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度を下げる。
尚、この時の第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部の揺動速度)をB(回転/分)とする。また、ステップS13における第1のモーター73の回転速度AよりもステップS31における第1のモーター73の回転速度の方が遅くなっている。
ステップS32において、制御部500は、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40の排気を開始する。尚、制御部500は所定時間(例えば10秒)の計時を開始する。
尚、制御部500は、ステップS31とステップS32の処理を同時に行っても良い。
ステップS33において、制御部500は、ステップS32で開始した所定時間(例えば10秒)の計時が完了したと判定すると、エアポンプ41を駆動させると共に、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、保持エアバッグ62への空気の供給を開始し、所定時間(例えば10秒)の計時を開始する。
ステップS34において、制御部500は、ステップS33で計時を開始してから所定時間(例えば、10秒)の計時を終了したと判定すると、ステップS35へ処理を進める。
ステップS35において、制御部500は、保持弁600を制御することにより保持エアバッグ62の空気圧を保持する。
ステップS36において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度を上げ、ステップS16へ処理を戻す。
尚、この時の第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部の揺動速度)をC(回転/分)とする。また、ステップS31における第1のモーター73の回転速度BよりもステップS35における第1のモーター73の回転速度Cの方が速くなっている。
尚、制御部500は、ステップS36の処理の後にステップS35の処理を実行しても良い。
このように、本実施形態では、制御部500が、コントローラー54からモード変更の指示操作があると判定した場合(例えば、チェアモードからジョーバモードへの変更、或いは、ジョーバモードからチェアモードへの変更)に、第1のモーター73の回転速度(座部の揺動速度)を落としつつ、モード変更を行っている。
このため、一旦揺動動作を停止してからモードを変更する場合に比べて、使用者は連続して座部10の揺動によるストレッチを実施していると感じることができる。また、座部の揺動速度を落としているため、安全にモード変更を行うことができる。
また、本実施形態では、ステップS10〜ステップS13において、チェアモードで左右の保持エアバッグ62が膨らんだ状態で座部10が揺動する。このように、保持エアバッグ62により骨盤、腰付近を左右から保持した状態で座部10が揺動するため、骨盤、腰付近に対して効果的にストレッチを行うことができる。
また、左右の保持エアバッグ62により骨盤、腰付近を固定しているため、座部10が揺動しても使用者は安定した状態で座部10を乗り続けることができ、安全性の面でも顕著な効果を奏するものである。
また、本実施形態では、ステップS19とステップS21において、座部10を水平な状態にしてから座部エアバッグ40或いは保持エアバッグ62の空気を排気して、チェアモード或いはジョーバモードを終了する構成とした。このため、運動補助装置が動作していない状態では使用者は運動補助装置を通常の椅子としても使用できる。
尚、実施の形態6を以下に示すような変形例としても良い。
本実施形態では、ステップS13における、チェアモード或いはジョーバモードでのモーターの回転数(座部の揺動速度)Aと、ステップS28とステップS36における回転数の上昇完了後のチェアモード或いはジョーバモードでのモーターの回転数(揺動速度)Cを同じ回転数としても良いし、回転数Aと回転数Cとは異ならせても良い。
本実施の形態では、制御部500がステップS26で所定時間の計時を開始してからステップS27で10秒経過したと判定するとステップS28で揺動速度を上げる構成としたが、所定時間の計時開始のタイミングはステップS26に限定されず、揺動速度を下げたタイミングや、保持エアバッグ62内の空気を排気するタイミングや、座部エアバッグ40へ空気を供給するタイミングで計時開始を行っても良い。また、ステップS27における所定時間を10秒としたが、10秒に限定されるものではない。
本実施の形態では、制御部500がステップS33で所定時間の計時を開始してからステップS34で10秒経過したと判定するとステップS36で揺動速度を上げる構成としたが、所定時間の計時開始のタイミングはステップS33に限定されず、揺動速度を下げたタイミングや、保持エアバッグ62内へ空気を給気するタイミングや、座部エアバッグ40の空気を排気するタイミングで計時開始を行っても良い。また、ステップS34における所定時間を10秒としたが、10秒に限定されるものではない。
本実施の形態では、使用者がコントローラー54を操作することにより、ジョーバモードとチェアモードを切り替える構成としたが、一連のコースの中でジョーバモードとチェアモードが自動的に切り替わる構成としても良い。この場合、例えば図16のステップS10とステップS16では、制御部500が、或る一連のコースの中で、次に実施するモードがジョーバモードであるか或いはチェアモードであるかを、記憶部503に格納されているデータ(例えば、フラグ)に基づいて判定することができる。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は図1に示すように肘掛け52の上方に配置されているが、骨盤や臀部付近を左右から保持したい場合には、図1に比べて肘掛け52の中央或いは下方に保持エアバッグ62を配置しても良い。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は、肘掛け52に配置されているが、座部10に配置する構成とすることも考えられる。このような構成でも、チェアモードで使用者の骨盤や腰部周辺を保持することができる。また、このような構成とした場合、本実施形態の運動補助装置1を、チェアモードでもジョーバモードでもない状態には、肘掛け52がなく背もたれ51のある通常の椅子として使用することができる。
座部10の揺動速度は、急に座部10の揺動速度を遅く或いは速くする構成としても良いが、徐々に遅くするか或いは速くしても良いし、段階的に遅くするか或いは速くしても良い。座部10は徐々に或いは段階的に変化させた方が好ましい。この方が、急激な座部10の揺動速度の変化により、使用者が驚くことをできるだけ回避することができるからである。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。
実施の形態6と実施の形態7とで異なる点は、実施の形態6では、ステップS26で制御部500が所定時間の計時を開始し、ステップS27で10秒経過するとステップS28で揺動速度を上げ、ステップS29で30秒経過したと判定するとステップS30で座部エアーを保持する構成としたが、実施の形態7では、座部エアバッグ40への給気開始と共に所定時間の計時(例えば、40秒)を開始し、所定時間が経過すると、揺動速度を上げるというものである。
即ち、実施の形態6のフロー図である図16のステップS24〜ステップS30と、実施の形態7のフロー図である図17のステップS124〜ステップS129とが異なる点であり、他のステップは同一であるため、この同一部分に関しては説明を省略する。
より具体的には、図16のステップS10〜S22は、図17のステップS110〜122と同じ動作であり、図16のステップS31〜S36は、図17のステップS130〜S135と同じ動作である。
尚、実施の形態7のブロック図と実施の形態6のブロック図も同一である。
図17のステップS124において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度(座部の揺動速度)を下げ、ステップS125に処理を進める。
尚、この時の第1のモーター73の回転速度(換言すれば、座部の揺動速度)をB(回転/分)とする。また、ステップS113における第1のモーター73の回転速度AよりもステップS124における第1のモーター73の回転速度の方が遅くなっている。
ステップS125において、制御部500は、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、保持エアバッグ62内の空気の排気を開始すると共に、所定時間(例えば4秒)の計時を開始する。
ステップS126において、制御部500は、ステップS125で開始した4秒の計時が終了するとポンプを駆動させると共に、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40への空気の供給を開始する。また、所定時間(例えば40秒)の計時を開始する。
ステップS127において、制御部500は、ステップS126で計時を開始してから所定時間(例えば、40秒)の計時を終了したと判定すると、ステップS128へ処理を進める。
ステップS128において、制御部500は、保持弁600を制御することにより、座部エアバッグ40の空気を保持する。
ステップS129において、制御部500は、第1のモーター73の回転速度を上げ、ステップS116へ処理を戻す。
尚、実施の形態7を以下に示すような変形例としても良い。
本実施の形態では、制御部500がステップS126で所定時間(例えば40秒)の計時を開始してからステップS127で40秒経過したと判定するとステップS128で空気を保持する構成としたが、所定時間の計時開始のタイミングはステップS126に限定されず、揺動速度を下げたタイミング(ステップS124)や、保持エアバッグ62内の空気を排気するタイミング(ステップS125)や、座部エアバッグ40へ空気を供給するタイミング(ステップS126)で計時開始を行っても良い。また、ステップS127における所定時間を40秒としたが、40秒に限定されるものではない。
本実施形態では、ステップS113における、チェアモード或いはジョーバモードでのモーターの回転数(座部の揺動速度)Aと、ステップS129とステップS135における回転数の上昇完了後のチェアモード或いはジョーバモードでのモーターの回転数(揺動速度)Cを同じ回転数としても良いし、回転数Aと回転数Cとは異ならせても良い。
本実施の形態では、制御部500がステップS132で所定時間の計時を開始してからステップS133で10秒経過したと判定するとステップS134で空気を保持する構成としたが、所定時間の計時開始のタイミングはステップS131に限定されず、揺動速度を下げたタイミングや、保持エアバッグ62内へ空気を給気するタイミングや、座部エアバッグ40の空気を排気するタイミングで計時開始を行っても良い。また、ステップS133における所定時間を10秒としたが、10秒に限定されるものではない。
本実施の形態では、使用者がコントローラー54を操作することにより、ジョーバモードとチェアモードを切り替える構成としたが、一連のコースの中でジョーバモードとチェアモードが自動的に切り替わる構成としても良い。この場合、例えば図17のステップS110とステップS116では、制御部500が、或る一連のコースの中で、次に実施するモードがジョーバモードであるか或いはチェアモードであるかを、記憶部503に格納されているデータ(例えば、フラグ)に基づいて判定することができる。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は図1に示すように肘掛け52の上方に配置されているが、骨盤や臀部付近を左右から保持したい場合には、図1に比べて肘掛け52の中央或いは下方に保持エアバッグ62を配置しても良い。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は、肘掛け52に配置されているが、座部10に配置する構成とすることも考えられる。このような構成でも、チェアモードで使用者の骨盤や腰部周辺を保持することができる。また、このような構成とした場合、本実施形態の運動補助装置1を、チェアモードでもジョーバモードでもない状態には、肘掛け52がなく背もたれ51のある通常の椅子として使用することができる。
座部10の揺動速度は、急に座部10の揺動速度を遅く或いは速くする構成としても良いが、徐々に遅くするか或いは速くしても良いし、段階的に遅くするか或いは速くしても良い。座部10は徐々に或いは段階的に変化させた方が好ましい。この方が、急激な座部10の揺動速度の変化により、使用者が驚くことをできるだけ回避することができるから
である。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。
実施の形態8と、実施の形態6及び7とで異なる点は、実施の形態6及び7では、座部10が揺動したままモードを変更したが、実施の形態8では、一旦、座部10が水平な状態となってから、モードを変更する点で異なっている。
このため、実施の形態6及び7と実施の形態8とでは、ブロック図は同一である。一方、フロー図に関しては、実施の形態8のフロー図である図18のステップS224〜ステップS233が図16、図17のフロー図と異なる点であり、他のステップは実施の形態6及び7と同一であるため、同一部分については説明を省略する。
図18のステップS224において、制御部500は、第1の位置センサ501からの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第1のモーター73を駆動し座部10を水平な状態にする。
尚、座部10が前後方向に傾いている場合には、第2のモーター81を駆動することにより、第2の位置センサ502からの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第2のモーター81を駆動し座部10を水平な状態にする。
ステップS225において、制御部500は、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、左右の保持エアバッグ62内の空気を排気する。
ステップS226において、制御部500は、エアポンプ41を駆動させると共に、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40への空気の供給を開始する。
ステップS227において、制御部500は、座部エアバッグ40の空気圧を保持する。
ステップS228において、制御部500は、第1のモーター73を制御することにより、座部10の揺動動作を開始し、ステップ216へ処理を戻す。
図18のステップS229において、制御部500は、第1の位置センサからの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第1のモーター73を駆動し座部10を水平な状態にする。
尚、座部10が前後方向に傾いている場合には、第2のモーター81を駆動することにより、第2の位置センサからの出力が、座部10が水平位置にある状態の出力になるまで、第2のモーター81を駆動し座部10を水平な状態にする。
ステップS230において、制御部500は、第1の電磁弁504を制御することにより、座部エアバッグ40内の空気を排気する。
ステップS231において、制御部500は、第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、左右の保持エアバッグ62への給気を開始する。
ステップS232において、制御部500は、保持エアバッグ62の空気圧を保持する。
ステップS233において、制御部500は、第1のモーター73を制御することにより、座部10の揺動動作を開始する。
このように実施の形態8では、モード変更する際に、一旦、座部10を水平な状態にした後に座部エアバッグ40或いは保持エアバッグ62の排気又は給気を行う構成としている。
このため、使用者は一旦、座部10が水平な状態になったことを身体で感じることにより、モードが変更されることを認識することが可能である。
また、チェアモードとジョーバモードが長時間実行された際には、一旦、座部10が水平な状態になる間、短い間ではあるが使用者が休憩をとることができる。
尚、実施の形態8を以下に示すような変形例としても良い。
本実施の形態では、使用者がコントローラー54を操作することにより、ジョーバモードとチェアモードを切り替える構成としたが、一連のコースの中でジョーバモードとチェアモードが自動的に切り替わる構成としても良い。この場合、例えば図18のステップS210とステップS216では、制御部500が、或る一連のコースの中で、次に実施するモードがジョーバモードであるか或いはチェアモードであるかを、記憶部503に格納されているデータ(例えば、フラグ)に基づいて判定することができる。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は図1に示すように肘掛け52の上方に配置されているが、骨盤や臀部付近を左右から保持したい場合には、図1に比べて肘掛け52の中央或いは下方に保持エアバッグ62を配置しても良い。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は、肘掛け52に配置されているが、座部10に配置する構成とすることも考えられる。このような構成でも、チェアモードで使用者の骨盤や腰部周辺を保持することができる。また、このような構成とした場合、本実施形態の運動補助装置1を、チェアモードでもジョーバモードでもない状態には、肘掛け52がなく背もたれ51のある通常の椅子として使用することができる。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について説明する。
実施の形態9のブロック図は、図15に示す図と同じであるため説明を省略する。
また、実施の形態9の運動補助装置1は、先ほど説明した実施の形態1〜8のいずれかの運動補助装置1の構造と同一であるため説明を省略する。
図19は、実施の形態9における運動補助装置1の使用例を示す図である。
本実施の形態では、制御部500が第1のモーター73を制御することにより、運動補助装置を左側或いは右側に傾けた状態を維持するものである。この状態で使用者は、上半身を、運動補助装置が左側に傾いている場合には右側にひねり、運動補助装置が右側に傾いている場合には左側にひねることにより上半身、特に腰付近のストレッチを行うことが可能である。本実施例装置である運動補助装置1により、使用者は、脇腹、特に腹斜筋をストレッチすることが可能である。
まず、図19(a)に示すように、使用者が座部10に坐る。この時、左右の保持エア
バッグ62は膨らんでいない状態である。
続いて、使用者が実施の形態9の動作を実行する操作を行うと、制御部500は、コントローラー54から、実施の形態9の動作を実行する指示操作があると判定し、エアポンプ41と第3の電磁弁506と第4の電磁弁507を制御することにより、左右の保持エアバッグ62を膨らませる。
続いて、制御部500は、第1のモーター73を制御することにより、まず図19(b)に示すように座部10を右側に所定の角度傾斜した状態にし、その状態を維持する。
この際、図示せぬスピーカーから、「背筋を伸ばし右腕を上に上げてください」といった音声を送出し、続いて、スピーカーから、「右腕を左側に曲げて上半身を左に傾けてください」といった音声を送出する。このように、スピーカーからストレッチの動作手順を使用者に報知する。この報知に使用者が従うと、図16(c)に示すように、使用者が左側に身体を傾けた状態になる。
このようにして、使用者は右脇腹を伸ばすストレッチを行うことができる。
続いて、同様にして左脇腹を伸ばすストレッチを行うことができる。
制御部500は、第1のモーター73を制御することにより、まず座部10を左側に所定の角度傾斜した状態にし、その状態を維持する。この際、図示せぬスピーカーから、「背筋を伸ばし左腕を上に上げてください」といった音声を送出し、続いて、スピーカーから、「左腕を右側に曲げて上半身を右に傾けてください」といった音声を送出する。このように、スピーカーからストレッチの動作手順を使用者に報知する。この報知に使用者が従うと、使用者が右側に身体を傾けた状態になる。
このように、座部10を右側と左側に交互に傾けることにより、使用者は脇腹のストレッチを行うことができる。
尚、所定の角度とは例えば座部10が床面に対して右側或いは左に10度〜25度程度であり、この角度で座部10が傾斜した状態を維持する。尚、この所定の角度はこの角度に限定されるものではない。
また、制御部500は、コントローラー54から、実施の形態9の動作を実行する操作があると判定すると、記憶部503に格納されているデータ(例えば、フラグ)から現在装置がチェアモードであるかジョーバモードであるかを判定し、チェアモードであると判定すると、第1のモーター73を制御することにより、座部10を右側或いは左側に所定の角度傾斜した状態にし、その状態を維持するものである。
一方、制御部500は、ジョーバモードであると判定すると、座部10を右側或いは左側に所定の角度傾斜した状態にすることを禁止するか、第1の電磁弁504を制御することにより座部エアバッグ40内の空気を排気し、座部10を床面に対して略平坦な状態としてから、左右の保持エアバッグ62を膨らませ、座部10を右側或いは左側に所定の角度で傾斜させる。
所定の角度で座部10が傾斜した状態を維持する期間は、使用者がコントローラー54を操作するまで或いは、所定の時間(例えば、10秒)としても良い。
また、スピーカーからストレッチの指示音声を出力するタイミングは、座部10が傾くように動いている最中でも良いし、座部10が傾き停止した状態の時でも良い。
また、座部10が右側或いは左側に傾いた状態では、座部10の一部が上昇する動作を禁止させても良い。座部10が傾いた状態で座部10の一部が上昇すると、座部10の傾き度合いによっては、使用者が倒れる可能性があるからである。
実施の形態9の実施形態は以下のように記載できる。
実施の形態9の運動補助装置1は、揺動可能な座部10と、背もたれ51と、を有し、右側又は左側に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持可能である。
また、座部10の一部が隆起した状態で座部10が揺動する第1のモードと、座部10の一部が隆起していない状態或いは座部10の一部の隆起高さを第1のモードよりも低くした状態で座部10が揺動する第2のモードと、を有し、第2のモードにおいて、右側又は左側に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持可能である。
また、第2のモードにおいて、右側又は左側に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持した状態では、座部10の揺動を禁止しても良い。
また、第1のモードでは、右側又は左側に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持する動作を禁止しても良い。
また、第1のモードでは、座部10を右側又は左側に傾斜することを禁止しても良い。(実施の形態10)
次に、実施の形態10について説明する。
実施の形態10のブロック図は、図15に示す図と同じであるため説明を省略する。
また、実施の形態10の運動補助装置1は、先ほど説明した実施の形態1〜9のいずれかの運動補助装置1の構造と同一であるため説明を省略する。
本実施の形態では、制御部500が第2のモーター81を制御することにより、座部10を前方或いは後方に所定の角度傾斜させた状態で、使用者がストレッチを行うものである。例えば、座部10前方或いは後方に傾斜させた状態で、使用者が腹筋運動或いは両手を伸ばして背筋を伸ばす運動を行うことができる。
具体的に説明すると、制御部500は、コントローラー54から、所定の操作があると判定すると、第2のモーター81を制御することにより、座部10を前方或いは後方に所定の角度傾斜した状態にし、その状態を維持するものである。
この時、図示せぬスピーカーから、使用者にストレッチを行うように報知を行う。例えば、「背筋をのばしながら脚を伸ばしましょう」といったストレッチを指示する音声をスピーカーから出力する。
尚、所定の角度とは例えば座部10が床面に対して後方或いは前方に10度〜25度程度であり、この角度で座部10が傾斜した状態を維持する。尚、この所定の角度はこの角度に限定されるものではない。
また、制御部500は、コントローラー54から、所定の操作があると判定すると、記憶部503に格納されているデータ(例えば、フラグ)から現在装置がチェアモードであるかジョーバモードであるかを判定し、チェアモードであると判定すると、第2のモータ
ー81を制御することにより、座部10を前方或いは後方に所定の角度傾斜した状態にし、その状態を維持する構成としても良い。
一方、制御部500は、ジョーバモードであると判定すると、座部10を前方或いは後方に所定の角度傾斜した状態にすることを禁止するか、第1の電磁弁504を制御することにより座部エアバッグ40内の空気を排気し、座部10を略平坦な状態としてから、座部10を前方或いは後方に所定の角度で傾斜させる構成としても良い。
所定の角度で座部10が傾斜した状態を維持する期間は、使用者がコントローラー54を操作するまで或いは、所定の時間(例えば、10秒)としても良い。
実施の形態10の実施形態は以下のように記載できる。
実施の形態10の運動補助装置1は、揺動可能な座部10と、背もたれ51と、を有し、前方又は後方に所定の角度で前記座部10を傾斜させた状態を維持可能である。
また、座部10の一部が隆起した状態で座部10が揺動する第1のモードと、座部10の一部が隆起していない状態或いは座部10の一部の隆起高さを前記第1のモードよりも低くした状態で座部10が揺動する第2のモードと、を有し、第2のモードにおいて、前方又は後方に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持可能である。
また、第2のモードにおいて、前方又は後方に所定の角度で座部10を傾斜させた状態を維持した状態では、座部10の揺動を禁止する。
また、第1のモードでは、前方又は後方に所定の角度で前記座部10を傾斜させた状態を維持する動作を禁止する。
また、第1のモードでは、座部10を前方又は後方に傾斜することを禁止する。
(実施の形態11)
実施の形態11は、これまで説明してきた各実施の形態において、使用者が運動補助装置1の使用を終了した際に、運動補助装置1を使用者の好みの形状にするものである。
より具体的には、運動補助装置1がジョーバモード或いはチェアモードで揺動し使用者がこれらのモードを終了する操作を行うと、座部10が、予め使用者が設定した角度になるように傾いた状態で停止するというものである。
以下、詳細に説明する。運動補助装置1が待機状態或いは、ジョーバモードやチェアモードである際に、制御部500は、コントローラー54からジョーバモードやチェアモードの終了時における座部10の角度の設定操作があると判定すると、コントローラー54からの操作に基づいて、座部10の角度の情報を記憶部503に格納する。
この時、記憶部503には、座部10が前方に10度傾いた角度、前方に5度傾いた角度、床面に対して水平である状態(傾きの角度0)、後方に5度傾いた角度、後方に10度傾いた角度、の5段階の内のいずれかの情報が格納される。
尚、この角度は一例であり、角度や段階の数は適宜変更しても良い。
使用者が運動補助装置1を、ジョーバモード或いはチェアモードで使用し、制御部500が、コントローラー54から運動補助装置1の使用を終了する操作があると判定すると、記憶部503に格納されている座部10が傾く角度に関する情報を読み込み、読み込ん
だ角度に座部10がなるように、第2のモーター81を制御する。
このような構成とすることにより、使用者は、待機状態で運動補助装置1を椅子として使用する際に、座部10を所望の角度に傾けて座ることが可能である。
尚、待機状態において、制御部500は、コントローラー54から座部10を傾ける操作があると判定すると、第2のモーター81を制御することにより、使用者が所望する角度に座部10を傾けるようにしても良い。
このような構成とすることにより、待機状態において、使用者は所望の角度に座部10を傾けることができ、運動補助装置1をリクライニング可能な椅子として使用することができる。
また、制御部500は、ジョーバモード或いはチェアモードを開始する直前の待機状態における座部10の角度を自動的に或いは使用者の操作に基づいて記憶部503に格納し、ジョーバモード或いはチェアモードが終了し待機状態に移行する際に、記憶部503に格納されている角度となるように座部10を傾かせる制御を行っても良い。
尚、実施の形態11では、待機状態で座部10が前後方向の角度となるように設定可能としたが、座部10の形状、座面の高さ、運動補助装置1の床面に対する傾斜方向と角度などを設定可能としても良い。
(変形例)
上記各実施の形態に関する説明は本発明に従う運動補助装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う運動補助装置は上記各実施の形態以外に例えば以下に示される各実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
実施の形態1の変形例の肘掛け52は図14に示されるとおり、中間部11と連動して上下方向に変位可能である。具体的には、座部エアバッグ40が膨張または収縮することによる中間部11の上下方向の変位と連動して、肘掛け52が背もたれ51に対して上下方向に変位する。肘掛け52は例えばモーター等により上下方向に変位する。このため、上下方向における座部10と肘掛け52との距離が変化せず、座部10が第1の形態および第2の形態のいずれの形態を取る場合であっても肘掛け52が利用可能である。このため、運動補助装置1の利便性が高められる。なお、実施の形態2〜5においても同様の変形が成立する。
中間部11の座部面10Aの形状は任意に変更可能である。一例では、中間部11の座部面10Aは平面を構成する。
中間部11の幅の形状は任意に変更可能である。第1の例では、中間部11の幅は一定である。第2の例では、中間部11の幅は座部10の後方側から前方側に向かうにつれて広くなる。
前方部11Aの幅の形状は任意に変更可能である。第1の例では、前方部11Aの幅は一定である。第2の例では、前方部11Aの幅は後方部11Bの幅よりも広い。第3の例では、前方部11Aの幅は座部10の後方側から前方側に向かうにつれて広くなる。
変形例の切替部20は座部エアバッグ40に代えて、中間部11を上下方向に変位させることが可能な別の機構を備える。別の機構の一例はボールねじである。
第1の形態における中間部11の座部面10Aの高さと第2の形態における中間部11の座部面10Aの高さとの関係は任意に変更可能である。第1の例では、第2の形態における中間部11の座部面10Aの高さは第1の形態における中間部11の座部面10Aの高さと実質的に同じである。第2の例では、第2の形態における中間部11の座部面10Aの高さは第1の形態における中間部11の座部面10Aの高さよりも低い。
第2の形態における一対の側部12が傾斜した姿勢を取るか否かは任意に変更可能である。一例では、第2の形態における一対の側部12は概ね下方に向けて伸びるような姿勢を取る。すなわち、第2の形態における中間部11の座部面10Aと第2の形態における一対の側部12の座部面10Aとは概ね垂直を構成する。
変形例の駆動部70は座部10の形態が第2の形態である場合に座部10を揺動させ、座部10の形態が第1の形態である場合に座部10を揺動させない。
・実施の形態1の運動補助装置1は背面支持部13、背もたれ51、肘掛け52、背面エアバッグ61、および、保持エアバッグ62のうちの少なくとも1つを省略した形態を取り得る。なお、実施の形態2〜5においても同様の変形が成立する。
座部10が選択可能な複数の形態は第1の形態および第2の形態に加えて、少なくとも1つの別の形態を含む。一例では、複数の形態は座部10が第1の形態から第2の形態に変形する過程において構成されるいずれかの形態をさらに含む。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は図1に示すように肘掛け52の上方に配置されているが、骨盤や臀部付近を左右から保持したい場合には、図1に比べて肘掛け52の中央或いは下方に保持エアバッグ62を配置しても良い。
本実施の形態では、左右の保持エアバッグ62は、肘掛け52に配置されているが、座部10に配置する構成とすることも考えられる。このような構成でも、チェアモードで使用者の骨盤や腰部周辺を保持することができる。また、このような構成とした場合、本実施形態の運動補助装置1を、チェアモードでもジョーバモードでもない状態には、肘掛け52がなく背もたれ51のある通常の椅子として使用することができる。