JP6177359B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Description
加えて、特許文献1に記載の固体酸化物形燃料電池(1000)において、筐体(500)の内部は、その上面部、側面部、底面部の各壁面を板で仕切って多重構造とし、そこに、外部から導入する空気を流すための流路や、燃焼部での燃焼後のガスを含む高温の排ガスを流すための流路を隣り合わせて設けている。筐体の内部をこのような多重構造にすることで、高温の排ガスと空気との間で熱交換が行われ、その排ガスからの排熱回収が行われるようにしている。
尚、筐体からの排ガスの出口に新たに専用の熱交換器を設け、その熱交換器で排ガスの熱を回収することも可能である。しかし、そのような専用の熱交換器を設けた場合、装置が大幅に大型化するという問題がある。更に、排ガスを筐体の外部に引き出して熱交換器へと導入するまでの配管部分での放熱が大きく、即ち、排ガスの熱が伝達された構成部材からの放熱が充分に抑制されておらず或いは他の構成部材への熱伝達が調整されていないので、排熱回収量が充分に得られないという問題もある。
部の性能低下を抑制し、且つ、排熱回収性能を高めることができる固体酸化物形燃料電池を提供する点にある。
前記容器の内部から外部へ排出される排ガスが有する熱を用いて、前記燃料電池セルに供給する酸素、及び、前記改質器に供給する原燃料、及び、前記改質器に供給する水を加熱する加熱装置を、前記容器の内部の熱が伝達される前記容器の一つの外面に相対した状態で前記容器と一体に備え、
前記加熱装置では、前記排ガス、並びに、加熱対象としている前記酸素及び前記原燃料及び前記水が、前記一つの外面と相対する面に沿う方向に流れるように構成され、
前記加熱装置は、
前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水とを前記排ガスの熱を用いて加熱するとともに混合することで、前記改質器に供給する前記原燃料と水蒸気との混合気体を生成する第1加熱器と、
前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水との加熱に用いられた後の前記排ガスの熱を用いて前記燃料電池セルに供給する前記酸素を加熱する第2加熱器とを有する点にある。
加えて、加熱装置が、容器の内部の熱が伝達される容器の一つの外面と相対した状態で容器と一体に設けられるので、容器の一つの外面を構成する部材から外部へ熱が放出されるとしても、その放出される熱は、ほとんど消散することなく、その一つの外面と相対する状態で容器と一体に設けられる加熱装置側へ伝達されるようになる。更に、加熱装置では、排ガス、並びに、加熱対象としている酸素及び原燃料及び水が、容器の一つの外面と相対する面に沿う方向に流れるように構成されているので、排ガス、並びに、加熱対象としている酸素及び原燃料及び水は、容器の一つの外面と相対する面に沿う方向に流れている間に、その容器の一つの外面と相対する面に与えられた熱を直接的又は間接的に充分に受けることができる。
従って、燃料電池セルや燃焼部の性能低下を抑制し、且つ、排熱回収性能を高めることができる固体酸化物形燃料電池を提供できる。
また、上記特徴構成によれば、改質器に供給する原燃料と水蒸気との混合気体が第1加熱器で生成された上で容器の内部に供給される。つまり、改質器に供給する原燃料と水とは容器の外部で第1加熱器によって加熱されて混合気体とされた上で容器の内部に導入されるので、容器の内部で水に気化熱が奪われることもない。その結果、容器の内部において原燃料と水との加熱のために奪われる熱を小さくできるので、容器の内部での温度低下を抑制できる。加えて、高温の排ガスは、先ず、第1加熱器において、改質器に供給する原燃料と水との加熱に用いられ、その後、相対的に温度が下がった排ガスが、第2加熱器において、燃料電池セルに供給する酸素の加熱に用いられる。つまり、高温の排ガスと、温度が下がった排ガスとを複数の用途に応じて供給することで、排ガスが有する熱の有効利用を図ることができる。以上のように、排ガスが、先ず相対的に高温の熱を必要とする第1加熱器において原燃料と水とを加熱するために利用され、その後、排ガスが保有する相対的に低温の熱を用いて第2加熱器において酸素が加熱されるので、排ガスが保有する熱を高温側から低温側へと段階的に回収して、熱の有効利用を図ることができる。
の熱伝達を、排ガスを媒体とした熱伝達と、容器を構成する部材から加熱装置を構成する部材への熱伝達とによって行うことができる。その結果、加熱装置において、容器からの排熱の有効利用を図ることができる。
前記第1加熱器は平面視で矩形であり、前記第1流路は前記排ガスを矩形の長手方向に向けて直線状に流すように構成され、前記第2流路は前記改質器に供給する原燃料と前記改質器に供給する水とを矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構
成されている点にある。
前記第2加熱器は平面視で矩形であり、前記第3流路は前記排ガスを矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構成され、前記第4流路は前記燃料電池セルに供給する酸素を矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構成されている点にある。
図1は、固体酸化物形燃料電池FCの容器1及び加熱装置2の概略的な構成を示す図である。図2は、固体酸化物形燃料電池FCの容器1に収容される機器の構成を示す斜視図である。
固体酸化物形燃料電池FCは、容器1の内部に、原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器3と、改質器3で生成された燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セル14を有するセルスタック(燃料電池部9)と、セルスタックからのオフガスを燃焼する燃焼部10とを備える。また、固体酸化物形燃料電池FCは、容器1の内部から外部へ排出される排ガスが有する熱を用いて、燃料電池セル14に供給する酸素(後述する「空気」)、及び、改質器3に供給する原燃料、及び、改質器3に供給する水のうちの少なくとも何れか一つを加熱する加熱装置2を、容器1の外部に、容器1と一体に備える。本実施形態では、外装ケース4が、容器1と加熱装置2とを収容している。
容器1は、4つの側壁1b及び上壁1c及び下壁1eで囲まれて構成される。容器1は、平面視で、即ち横断面が矩形である。各図において、この矩形の短手方向を「X」と表記し、それに直交する長手方向を「Y」と表記する。更に、容器1の内部は、X方向で対面する2つの側壁1bよりも内側でそのX方向に対面し且つ下壁1eよりも内側でそれら対面部分を連結するように設けられた内部隔壁1aで区画されている。尚、内部隔壁1aはY方向で対面する部位には設けられていない。つまり、容器1の内側では、X方向では内部隔壁1a同士が対面し、Y方向では側壁1b同士が対面している。更に、X方向で対
面し且つ下壁1eよりも内側でそれら対面部分を連結している内部隔壁1a及びY方向で対面している側壁1bの内側には断熱材37を設けてあり、その断熱材37よりも更に内側には改質器3及び燃料電池部9及びガスマニホールド15を設けてある。また、内部隔壁1aよりも外側の、側壁1b及び下壁1eとの間の空間には、後述するように、容器1の内部からの排ガスが流れるようになっている。
図1に示すように、加熱装置2は、改質器3に供給する原燃料と改質器3に供給する水とを、容器1から排出される排ガスの熱を用いて加熱するとともに混合する第1加熱器2Aと、改質器3に供給する原燃料と改質器3に供給する水との加熱に用いられた後の排ガスの熱を用いて燃料電池セル14に供給する酸素(空気)を加熱する第2加熱器2Bとを有する。本実施形態では、第1加熱器2Aは、第2加熱器2Bよりも容器1に近い位置に配置され、容器1との間に伝熱量調整部材5を備える。本実施形態では、伝熱量調整部材5は、上述した下壁1eを兼ねる。
材5、6として採用できる。或いは、伝熱量調整部材5、6によって容器1を構成する部材から加熱装置2を構成する部材への熱伝達を促進するような場合、板状に構成した金属材料などを伝熱量調整部材5、6として採用できる。
図1及び図3〜図5に示すように、第1加熱器2AのA層17Aには、容器1から排出された排ガスが供給される。そして、排ガスは長手方向Yに沿って直線的に通流する。図1、図3及び図4に示すA層17Aの上方に設けられる上述した容器1の下壁1eは、A層17Aにとっての蓋部材の役割を果たしている。加えて、この下壁1eは、容器1から加熱装置2への伝熱量を調整する伝熱量調整部材5としての役割も果たしている。A層17Aには、長手方向Yに沿って直線状に延びる谷部分と山部分とが短手方向Xに向かって交互に配列されることで波型に形成された波型プレート19が設けられている。つまり、排ガスは短手方向Xに向かって通流することがその波型部分によって制限される。
図1、図3、図4及び図6に示すように、第1加熱器2AのB層17Bは、仕切り部材29によって第1空間Ba〜第4空間Bdまでの4つの空間に仕切られている。尚、図示を省略しているが、各空間Ba〜Bdにはセラミック球等が収容されている。このB層17Bでは、先ず、第1空間Baに対して、原燃料が原燃料供給管23及び原燃料通路24を介して供給され、及び、水が水供給管22を介して供給される。B層17BにはA層17Aを構成する部材が保有する熱が伝達されるので、B層17Bの第1空間Baに供給された原燃料と水とは加熱されて水は気化され、原燃料と水蒸気との混合ガスが生成される。B層17Bでは、上記セラミック球によって、B層17Bの内部における熱の伝達が均等に行われ、及び、各空間Ba〜Bd内での気体の流れが偏ることが防止され、及び、原燃料と水蒸気との混合が良好に行われるようになる。
図1、図3、図4及び図7に示すように、第2加熱器2BのC層17Cは、仕切り部材
32によって第1空間Ca〜第5空間Ceまでの5つの空間に仕切られている。C層17Cでは、先ず、第2加熱器2Bの短手部分の側面に設けられた排ガス溜20から第1空間Caへ排ガスが流入する。排ガスは、第1空間Caから、第2空間Cb、第3空間Cc、第4空間Cd、第5空間Ceへと長手方向Yに向かって順に流れ、最終的に排ガス溜26に排出される。そして、排ガス溜26から排気管27を介して排気が行われる。各空間には、短手方向Xに沿って直線状に延びる谷部分と山部分とが長手方向Yに向かって交互に配列されることで波型に形成された波型プレート31a〜31eが設けられている。つまり、各空間において、排ガスは、長手方向Yに向かって通流することがその波型部分によって制限される。
本実施形態では説明を省略するが、第2加熱器2BのE層17E及びG層17Gの構成もC層17Cと同様である。
図1、図3及び図8に示すように、第2加熱器2BのD層17Dは、仕切り部材35によって第1空間Da〜第5空間Deまでの5つの空間に仕切られている。第2加熱器2Bの長手部分の側面には、空気(即ち、酸素)の供給が行われる空気供給部28が設けられている。そして、空気供給部28から第1空間Daへ空気が流入する。D層17Dにおいて、空気は、第1空間Daから、第2空間Db、第3空間Dc、第4空間Dd、第5空間Deへと順に流れ、最終的に空気導入路8へと流出する。そして、空気導入路8を介して容器1の内部へ空気の供給が行われる。各空間には、短手方向Xに沿って直線状に延びる谷部分と山部分とが長手方向Yに向かって交互に配列されることで波型に形成された波型プレート34a〜34eが設けられている。つまり、空気は、長手方向Yに向かって通流することがその波型部分によって制限される。
発明の酸素導入路に対応する。
本実施形態では説明を省略するが、第2加熱器2BのF層17Fの構成もD層17Dと同様である。
<1>
上記実施形態において、加熱装置2が備える第1加熱器2A及び第2加熱器2Bの内部の構成について具体例を挙げて説明したが、第1加熱器2A及び第2加熱器2Bの内部の構成は例示したものに限定されず、適宜変更してもよい。
上記実施形態において、容器1の内部への空気導入路8の構成について具体例を挙げて説明したが、空気導入路8の構成は例示したものに限定されず、適宜変更してもよい。同様に、空気導入路8を通流する空気と熱交換を行う相手方の容器1では、容器1の内部からの排ガスを、内部隔壁1aよりも外側の、側壁1b及び下壁1eとの間の空間に流すような内部構造例を説明したが、その容器1の内部構造についても適宜変更可能である。
上記実施形態において、容器1の平面視での形状と加熱装置2の平面視での形状とはほぼ同一形状に形成してある例、即ち、加熱装置2が、容器1の一つの外面である下壁1eの全体に相対した状態で設けられる例を説明したが、容器1及び加熱装置2の平面視での形状を互い異ならせてもよい。例えば、加熱装置2の平面視での形状を、容器1の平面視での形状よりも大きく又は小さく構成してもよい。
1e 下壁(外面)
2 加熱装置
2A 第1加熱器(加熱装置 2)
2B 第2加熱器(加熱装置 2)
3 改質器
5 伝熱量調整部材(加熱装置 2)
6 伝熱量調整部材(加熱装置 2)
8 空気導入路(酸素導入路)
9 燃料電池部(セルスタック)
10 燃焼部
14 燃料電池セル
28 空気供給部
FC 固体酸化物形燃料電池
Claims (6)
- 原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質器と、前記改質器で生成された燃料ガスを用いて発電する複数の燃料電池セルを有するセルスタックと、前記セルスタックからのオフガスを燃焼する燃焼部とを容器の内部に備え、
前記容器の内部から外部へ排出される排ガスが有する熱を用いて、前記燃料電池セルに供給する酸素、及び、前記改質器に供給する原燃料、及び、前記改質器に供給する水を加熱する加熱装置を、前記容器の内部の熱が伝達される前記容器の一つの外面に相対した状態で前記容器と一体に備え、
前記加熱装置では、前記排ガス、並びに、加熱対象としている前記酸素及び前記原燃料及び前記水が、前記一つの外面と相対する面に沿う方向に流れるように構成され、
前記加熱装置は、
前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水とを前記排ガスの熱を用いて加熱するとともに混合することで、前記改質器に供給する前記原燃料と水蒸気との混合気体を生成する第1加熱器と、
前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水との加熱に用いられた後の前記排ガスの熱を用いて前記燃料電池セルに供給する前記酸素を加熱する第2加熱器とを有する固体酸化物形燃料電池。 - 前記加熱装置は、前記一つの外面の全体に相対した状態で設けられる請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記容器と前記加熱装置とは、それらの間に伝熱量調整部材を挟んで隣接して配置される請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第1加熱器と前記第2加熱器とは、それらの間に伝熱量調整部材を挟んで隣接して配置される請求項1〜3の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第1加熱器は、前記排ガスが流れる第1流路と、前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水とが流れる第2流路とを有し、
前記第1加熱器は平面視で矩形であり、前記第1流路は前記排ガスを矩形の長手方向に向けて直線状に流すように構成され、前記第2流路は前記改質器に供給する前記原燃料と前記改質器に供給する前記水とを矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。 - 前記第2加熱器は、前記排ガスが流れる第3流路と、前記燃料電池セルに供給する前記酸素が流れる第4流路とを有し、
前記第2加熱器は平面視で矩形であり、前記第3流路は前記排ガスを矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構成され、前記第4流路は前記燃料電池セルに供給する前記酸素を矩形の短手方向に蛇行させながら長手方向に向けて流すように構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
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