以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施の形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a、8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。
更に、本実施例では、合算保留記憶表示部18cの左側に、変動表示を開始するときに、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が表示される保留ボックス18dが設けられている。また、変動表示の対象となることとは、変動表示を開始した時点から次の保留記憶に対応する変動表示が開始される時点までの期間に、変動表示に関する演出の対象となっていることを示す。また、アクティブ保留表示は、保留表示と同一の表示態様であっても良いし、アクティブ保留表示は、保留表示と一部が共通で、その形状が異なるものであっても良い。例えば、アクティブ保留表示は、保留表示と色彩が同一であるが、形状が異なる態様であっても良い。また、本実施例では、保留ボックス18d内に表示された最初の時点では、保留表示と同一形状、同一色のアクティブ保留表示となっている態様を例示する。尚、以下の説明においてアクティブ保留を含めて保留表示と総称する場合がある。また、本実施例では、後述するように、保留ボックス18d内に表示されるアクティブ保留表示の表示態様が変化するアクティブ保留演出が実行される。
なお、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a、8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、この実施の形態では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDP109によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU101は、図示しない出力ポートを介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動し、CPU56によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図3に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。また、図3に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図3に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図3に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、この実施の形態では、図3に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図3に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が、図6に示すように、高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定
用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図10に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図5(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図6に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図6に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)よりも、可変表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)よりも、可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、この実施の形態では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図6に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図3に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図9は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図7および図8に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図7および図8に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図13(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
図14は、S1217,S1218の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。この実施の形態では、CPU56は、S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU56は、S224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、CPU56は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、図6に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(S226)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、S227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。具体的には、CPU56は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU56は、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
そして、CPU56は、判定した変動パターンを示す入賞時判定結果指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(S230)、入賞時乱数値判定処理を終了する。具体的には、CPU56は、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図9に示すような「00(H)」〜「51(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217A参照)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにする。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU56は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図5(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図5(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S93)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S92のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S97のY)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S97のN)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S103)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S105)。例えば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをリセットする(S145)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S169)。そして、S173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(S171)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御(送信設定)を行う(S172)。そして、S173に移行する。
なお、この実施の形態では、S167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、S167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
図20〜図21は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU101は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図21(A)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(A)に示すように、本実施例では、変動表示中の保留表示であるアクティブ保留に対応けられた保存領域と、各保留記憶に対応付けられた保留表示1〜8の8個の保存領域と、が確保されている。この入賞時判定結果記憶バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMに形成されている。また、入賞時判定結果記憶バッファには、各保存領域に対応して、コマンド解析処理において受信した入賞時判定結果指定コマンドと、先読み演出の対象となっているか否かを示す先読み演出対象フラグと、先読み演出の対象となっている場合に、その先読み演出における最終表示態様を示す最終表示態様フラグとが記憶されている。尚、保留表示1〜8の保存領域に保存された保留記憶の数が合算保留記憶数となっており、以下の説明において保留記憶数と称する場合がある。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、合算保留記憶表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。
図22は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(S67100)。ここで、高ベース状態である場合は、後述するS67116に進む。一方、高ベース状態でない場合は、S67101に進む。
尚、本実施例では、高ベース状態である場合に先読み演出の実行を決定しないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態である場合にも先読み演出の実行を決定できるようにしても良い。
S67101において演出制御用CPU101は、新たな先読み演出の実行を決定することを制限することを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S67101)。なお、先読み演出制限フラグは、後述するS67115においてセットされる。ここで、先読み演出制限フラグがセットされている場合は、後述するS67116に進む。一方、先読み演出制限フラグがセットされていない場合は、S67102に進む。
S67102において演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する。
次いで、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶を含めて保留記憶数(合算保留記憶数)が3以上であるか否かを判定する(S67103)。ここで、保留記憶数が3以上でない場合は、後述するS67116に進む。一方、保留記憶数が3以上である場合は、S67104に進む。
S67104において演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファ(図21(A))を参照し、既に特別態様(第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示されている保留表示があるか否かを判定する。ここで、特別態様で表示されている保留表示がある場合は、最新の入賞時判定結果と先読み演出実行決定テーブルA(図23(A))にもとづいて先読み演出を実行するか否かを決定し(S67105)、S67107に進む。一方、特別態様で表示されている保留表示がない場合は、最新の入賞時判定結果と先読み演出実行決定テーブルB(図23(B))にもとづいて先読み演出を実行するか否かを決定し(S67106)、S67107に進む。
尚、本実施例では、既に特別態様で表示されている保留表示がある場合であっても、先読み演出を実行できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、既に特別態様で表示されている保留表示がある場合に先読み演出の実行の決定を制限するようにしても良い。また、既に特別態様で表示されている保留表示がある場合において、例えば、保留表示が2個のみであるとき、つまり、1つが既に特別態様で表示されているとき、他の保留表示を先読み演出の対象保留表示にしてしまうと、そのことが遊技者に事前に認識されてしまうため、先読み演出の実行の決定を制限するようにしても良い。また、既に特別態様で表示されている保留表示を、さらに先読み演出の対象保留表示としても良く、例えば、第1特別態様で表示されている保留表示が、後述する隠蔽演出の後に第2特別態様に変化するようにしても良い。
図23(A)は、特別態様の保留表示がある場合に用いられる先読み演出実行決定テーブルAを示す説明図である。この先読み演出実行決定テーブルAにおいては、最新の入賞時判定結果がはずれであることに対応して、先読み演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、先読み演出の実行に20個の判定値が設定されており、先読み演出の非実行に80個の判定値が設定されている。また、最新の入賞時判定結果が大当りであることに対応して、先読み演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、先読み演出の実行に80個の判定値が設定されており、先読み演出の非実行に20個の判定値が設定されている。
図23(B)は、特別態様の保留表示がない場合に用いられる先読み演出実行決定テーブルBを示す説明図である。この先読み演出実行決定テーブルBにおいては、最新の入賞時判定結果がはずれであることに対応して、先読み演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、先読み演出の実行に5個の判定値が設定されており、先読み演出の非実行に95個の判定値が設定されている。また、最新の入賞時判定結果が大当りであることに対応して、先読み演出実行決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、先読み演出の実行に60個の判定値が設定されており、先読み演出の非実行に40個の判定値が設定されている。
このように本実施例では、最新の入賞時判定結果がはずれであるときと比べて、最新の入賞時判定結果が大当りであるときの方が、先読み演出の実行が決定される割合が高くなっている。更に、特別態様の保留表示の有無によって、先読み演出の実行の有無の決定に用いる先読み演出実行決定テーブルA及びBを異ならせており(図23(A)及び図23(B)参照)、特別態様の保留表示があるときの方が、特別態様の保留表示がないときと比べて、先読み演出の実行が決定される割合が高くなっている。
尚、最新の入賞時判定結果が大当りであるときと比べて、最新の入賞時判定結果がはずれであるときの方が、先読み演出の実行が決定される割合が高くなるようにしても良い。また、特別態様の保留表示がないときの方が、特別態様の保留表示があるときと比べて、先読み演出の実行が決定される割合が高くなるようにしても良い。
S67107において演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定したか否かを判定する。ここで、先読み演出を実行すると決定しなかった場合は、後述するS67116に進む。一方、先読み演出を実行すると決定した場合は、S67108に進む。
S67108において演出制御用CPU101は、最終表示態様決定テーブル(図23(C))にもとづいて、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)の対象となる対象保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する。本実施例では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる)および第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる)が設けられている。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図23(C)は、対象保留表示の最終表示態様を決定する際に用いる最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU101は、図23(C)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、対象保留表示を最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果1〜13にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果に対応する変動表示の表示結果ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。
例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU101は、80%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、20%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU101は、20%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、80%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当たり」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定)には、演出制御用CPU101は、50%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、50%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。
図23(C)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、図23(C)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。このようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
尚、本実施例では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
S67110において演出制御用CPU101は、前述した入賞時判定結果記憶バッファ(図21(A))において、最新のエントリの最終表示態様フラグに決定した最終表示態様に対応した値(第1特別態様ならば「1」、第2特別態様ならば「2」)をセットし、先読み演出対象フラグに「1」をセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留記憶数(合算保留記憶数)に応じた先読み演出パターンを決定して記憶する(S67111)。具体的には、演出制御用CPU101は、保留記憶数に応じて設けられた先読み演出パターン決定テーブル(図25(A)〜(C))にもとづいて、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの3種類の隠蔽演出うち、いずれかの先読み演出パターンを決定する。尚、部分隠蔽パターンとは、演出対象保留表示を含む2つの保留表示のみを隠蔽する隠蔽演出であり(図31参照)、全隠蔽パターンとは、演出対象保留表示を含む全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出であり(図32参照)、特別隠蔽パターンとは、演出対象保留表示とアクティブ保留表示を含む全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出である(図33参照)。
尚、本実施例では、隠蔽演出の実行時間は、部分隠蔽パターンが最も短い実行時間となっており、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが長い実行時間となっており、全隠蔽パターンよりも特別隠蔽パターンが長い実行時間となっている。つまり、保留表示の隠蔽が開始されてから、その隠蔽が解除されるまでの時間(解除タイミング)が、各演出パターンに応じて異なっている。
図25(A)は、保留記憶数が3であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、最新の入賞時判定結果がはずれであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に70個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に25個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に5個の判定値が設定されている。また、最新の入賞時判定結果が大当りであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に40個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に50個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に10個の判定値が設定されている。
図25(B)は、保留記憶数が4であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、最新の入賞時判定結果がはずれであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に55個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に35個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に10個の判定値が設定されている。また、最新の入賞時判定結果が大当りであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に30個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に55個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に15個の判定値が設定されている。
図25(C)は、保留記憶数が5以上であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、最新の入賞時判定結果がはずれであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に45個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に40個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に15個の判定値が設定されている。また、最新の入賞時判定結果が大当りであることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、部分隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に60個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定されている。
このように本実施例では、保留記憶数に応じて各先読み演出パターン決定テーブルが設けられ、それぞれのテーブルにおいて、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの3種類の隠蔽演出が決定可能となっている。
本実施例では、各隠蔽パターンが実行される割合は、表示結果が「はずれ」と「大当り」とで異なるようになっている。そして、表示結果が「はずれ」の場合には、部分隠蔽パターンが決定される割合が最も高く、表示結果が「大当り」の場合には、全隠蔽パターンが決定される割合が最も高くなっている。そのため、遊技者は、部分隠蔽パターンの隠蔽演出が実行されるときよりも、全隠蔽パターンの隠蔽演出が実行されるときの方が、大当りになるのではないかという期待感を得ることができる。
尚、本実施例では、先読み演出決定処理、つまり、始動入賞が発生した時点の保留記憶数により、各先読み演出パターン決定テーブルが選択され、隠蔽演出の各パターンが決定されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞が発生した時点以外に、演出対象保留表示の変動開始時や隠蔽演出実行時に隠蔽演出の各パターンが決定されるようにしても良い。
また、前記実施例では、図21(A)に示す入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている合算保留記憶数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部18cにおいて表示中の保留表示の数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されるようにしても良い。例えば、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている合算保留記憶数に対応する保留表示以外に、演出用の擬似的な保留表示を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、これらの合算保留記憶数に対応する保留表示及び演出用の保留表示を含めて隠蔽演出の対象としても良い。
また、前記実施例では、始動入賞時に入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている合算保留記憶数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動開始時に演出パターンを決定する場合には、変動開始時に入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている合算保留記憶数にもとづいて、合算保留記憶数に応じて異なる決定割合で、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルを選択するようにしても良い。また、この場合にも、合算保留記憶表示部18cにおいて表示中の保留表示の数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されるようにしても良い。
また、前記実施例では、図21(A)に示す入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている合算保留記憶数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されているが、合算保留記憶数に加えてアクティブ保留表示を含めた保留記憶の数にもとづいて、隠蔽演出の各パターンの決定のために用いられる各先読み演出パターン決定テーブルが選択されるようにしても良い。尚、本実施例の入賞時判定結果記憶バッファでは、アクティブ保留の入賞時判定結果指定コマンドが保留表示の入賞時判定結果指定コマンドとともに格納される。そして、保留表示のシフトタイミングで、入賞時判定結果記憶バッファにおいてコマンド及びフラグがシフトされる。そのため、保留表示に対応付けて記憶されたコマンド及びフラグは、アクティブ保留のコマンド及びフラグとして引き継いで記憶されるようになっているので、アクティブ保留についても、保留表示と同様に先読み演出や隠蔽演出の対象として、当該演出の実行の有無を決定するようにしても良い。
また、最新の入賞時判定結果がはずれであるときと比べて、最新の入賞時判定結果が大当りであるときの方が、特別隠蔽パターンが決定される割合が高くなっている。更に、入賞時判定結果が大当りであるときには、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが決定される割合が高く、さらに全隠蔽パターンよりも特別隠蔽パターンが決定される割合が高くなっている。
尚、最新の入賞時判定結果が大当りであるときと比べて、最新の入賞時判定結果がはずれであるときの方が、特別隠蔽パターンが決定される割合が高くなるようにしても良い。更に、入賞時判定結果がはずれであるときには、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが決定される割合が高く、さらに特別隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが決定される割合が高くなるようにしても良い。
このように、入賞時判定結果に応じて隠蔽演出の演出パターンの決定割合が異なっていることで、遊技者は、いずれの演出パターンの隠蔽演出が実行されるかに興味を示すようになり、遊技興趣を向上できる。
更に、隠蔽演出の実行時間は、部分隠蔽パターンが最も短い実行時間となっており、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが長い実行時間となっており、全隠蔽パターンよりも特別隠蔽パターンが長い実行時間となっており、遊技者は、いずれの実行時間の演出パターンの隠蔽演出が実行されるかに興味を示すようになり、遊技興趣を向上できる。尚、隠蔽演出の実行時間とは、対象保留表示の隠蔽を開始した時点から、隠蔽された対象保留表示が再び出現するまでの時間を示す。
尚、本実施例では、各演出パターンに応じて隠蔽演出の実行時間が異なるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一の演出パターン、例えば、特別隠蔽パターン(部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン)において、短時間の隠蔽演出を有する演出パターンと長時間の隠蔽演出を有する演出パターンとの2種類の特別隠蔽パターンを設けるようにしても良く、さらに入賞時判定結果に応じて短時間と長時間の各演出パターンの決定割合が異なるようにしても良い。例えば、入賞時判定結果が大当りであるときには、長時間の隠蔽演出を有する演出パターンが決定される割合が高ければ、隠蔽演出が長い時間続くことで、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施例では、各先読み演出パターン決定テーブルにもとづいて、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの3種類の演出パターンが決定可能となっていが、本発明はこれに限定されるものではなく、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの他に隠蔽演出を伴わない非隠蔽パターンを設けるようにし、この4種類の演出パターンを決定可能としても良い。また、各隠蔽パターンにおいて対象保留表示が同様の特別態様が変化した場合に、決定された隠蔽パターンに応じて大当りとなる期待度が異なるものであっても良い。例えば、部分隠蔽パターンにおいて対象保留表示が第2特別態様となったときの大当り期待度は、非隠蔽パターンにおいて対象保留表示が第2特別態様となったときの大当り期待度よりも高いものであっても良い。
尚、本実施例では、特別隠蔽パターンが、演出対象保留表示とアクティブ保留表示を含む全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ保留表示と演出対象保留表示を含む一部の保留表示を隠蔽する隠蔽演出(特別隠蔽パターンと部分隠蔽パターンとの混成態様)を設けるようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、図24に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにもとづいて、対象保留表示の表示態様が変化する変化タイミング(シフト回数)を決定し、当該決定値をシフト回数カウンタにセットする(S67112)。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、予告対象となる対象保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67112)。本実施例では、対象保留表示の表示態様が特別態様に変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、対象保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、対象保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
尚、本実施例における保留表示のシフトタイミングとは、演出図柄変動開始処理において、「アクティブ保留」の保留記憶を入賞時判定結果記憶バッファから消去し、入賞時判定結果記憶バッファにおける「保留表示1」の保留記憶を読み出すとともに、該「保留表示1」の保留記憶を「アクティブ保留」の項目にシフトし、残りの保留記憶を1つずつシフトするタイミングである。尚、このシフトタイミングにおいて、保留ボックス18dのアクティブ保留表示が消去され、合算保留記憶表示部18cの左端の保留表示が、保留ボックス18d内にアクティブ保留表示として表示されるとともに、残りの保留表示が左側にシフトされる。
図24は、先読み演出変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67112において、演出制御用CPU101は、先読み演出変化タイミング決定テーブルと当該決定時(現在)の保留記憶数(合算保留記憶数)とにもとづいて、対象保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。尚、決定時の保留記憶数には、当該始動入賞にもとづく保留記憶も含まれる。
具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が大当りある場合に、図24(A)に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、当該決定時の保留記憶数ごとに定められた割合で、対象保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜3のいずれかに決定する。
この図24(A)に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルでは、当該決定時の保留記憶数が3であるときに、10%の割合でシフト回数が0回に決定され、20%の割合でシフト回数が1回に決定され、70%の割合でシフト回数が2回に決定される。また、当該決定時の保留記憶数が4であるときに、5%の割合でシフト回数が0回に決定され、10%の割合でシフト回数が1回に決定され、20%の割合でシフト回数が2回に決定され、65%の割合でシフト回数が3回に決定される。また、当該決定時の保留記憶数が5以上であるときに、3%の割合でシフト回数が0回に決定され、7%の割合でシフト回数が1回に決定され、15%の割合でシフト回数が2回に決定され、75%の割合でシフト回数が3回に決定される。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれある場合に、図24(B)に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、当該決定時の保留記憶数ごとに定められた割合で、対象保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜3のいずれかに決定する。
この図24(B)に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルでは、当該決定時の保留記憶数が3であるときに、40%の割合でシフト回数が0回に決定され、35%の割合でシフト回数が1回に決定され、25%の割合でシフト回数が2回に決定される。また、当該決定時の保留記憶数が4であるときに、35%の割合でシフト回数が0回に決定され、30%の割合でシフト回数が1回に決定され、25%の割合でシフト回数が2回に決定され、10%の割合でシフト回数が3回に決定される。また、当該決定時の保留記憶数が5以上であるときに、30%の割合でシフト回数が0回に決定され、25%の割合でシフト回数が1回に決定され、25%の割合でシフト回数が2回に決定され、20%の割合でシフト回数が3回に決定される。
なお、図24に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミング(始動入賞直後)で保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
このように本実施例では、最新の入賞時判定結果がはずれであるときと比べて、最新の入賞時判定結果が大当りであるときの方が、シフト回数が多い値に決定される。つまり、入賞時判定結果が大当りであるときには、始動入賞後に直ぐに対象保留表示が変化する割合が低くなっている。また、入賞時判定結果がはずれであるときには、始動入賞後に直ぐに対象保留表示が変化する割合が高くなっている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、最新の入賞時判定結果が大当りであるときと比べて、最新の入賞時判定結果がはずれであるときの方が、シフト回数が多い値に決定されるようにしても良い。
また、本実施例では、決定時の保留記憶数が少ないときと比べて、決定時の保留記憶数が多いとき方が、シフト回数が多い値に決定される。つまり、決定時の保留記憶数が多いときには、始動入賞後に直ぐに対象保留表示が変化する割合が低くなっている。また、決定時の保留記憶数が少ないときには、始動入賞後に直ぐに対象保留表示が変化する割合が高くなっている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、決定時の保留記憶数が多いときと比べて、決定時の保留記憶数が少ないとき方が、シフト回数が多い値に決定されるようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、セットしたシフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。ここで、変化タイミングが始動入賞時である場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、新たな保留表示を決定した最終表示態様で表示させるように制御し(S67114)、当該先読み演出決定処理を終了する。一方、変化タイミングが始動入賞時でない場合には、先読み演出制限フラグをセットし(S67115)、S67116に進む。
S67116において演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示し、当該先読み演出決定処理を終了する。
尚、本実施例では、保留記憶数が2以下の場合に先読み演出の実行が決定されず、隠蔽演出の実行もなされないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数が2以下の場合であっても、先読み演出の実行を決定するようにしても良い。例えば、保留表示が1〜2個存在するときに、後述する隠蔽演出を伴わない先読み演出を実行し、始動入賞時に保留表示を特別態様で表示したり、シフト時に保留表示を特別態様に変化させても良い。また、保留記憶数が2以下の場合、つまり、保留記憶数が0の場合には、そもそも隠蔽する保留表示が無く、保留記憶数が1の場合は、隠蔽演出を実行しても表示態様が変化する保留表示がどの保留表示であるかを特定できてしまうので、遊技興趣を向上させることができない。そのため、本実施例では、保留記憶数が2以下の場合に先読み演出の実行を決定しないようにしている。
図26は、図19に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先ず、保留表示更新処理(S798)を実行する。保留表示更新処理では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数を特定し、該特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示数と一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示数と一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を更新する。尚、この保留表示更新処理では、シフトタイミングに応じて入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数の更新に合わせて、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示数を更新する処理のみを行い、保留表示やアクティブ保留表示の表示態様の変化は、後述する演出図柄変動開始処理や演出図柄変動中処理において実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、保留数更新処理(S799)を実行する。保留数更新処理では、演出制御用CPU101は、S798において特定した保留記憶数と、演出表示装置9の左上部に表示されている保留記憶数(保留合計数)とが一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数と演出表示装置9の左上部に表示されている保留記憶数とが一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて演出表示装置9の左上部に表示されている保留記憶数を更新する。
S798およびS799の実行後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)、小当り表示処理(S807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行うとともに、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセットする処理を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S807):変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S808)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9における小当りに応じた表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S809):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図27は、図26に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(S1800)。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、S1804に進む。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802)。
次いで、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、後述するS1812に進む。一方、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、S1804に進む。
S1804では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU101は、S1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を以下に説明する。本実施例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄として3図柄が「1」「2」「3」や「4」「5」「6」等の階段状に並んだチャンス目図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、保留ボックス18d(図1参照)内に表示されるアクティブ保留の表示態様を変化させるアクティブ保留演出の実行の有無を決定する(S1806)。本実施例におけるアクティブ保留演出では、保留ボックス18dにおいて通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されているアクティブ保留表示を、表示パターンαの表示態様(本実施例では四角印「◇」)、または表示パターンβ(本実施例では星印「☆」)の表示態様に変化させる演出を行う(図28(A)参照)。
具体的には、S1806において演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出態様変化決定用テーブル(図28(A))にもとづいて、アクティブ保留演出態様変化無し(アクティブ保留演出実行無し)、アクティブ保留演出態様変化有り(アクティブ保留演出実行有り)の場合における表示パターンα、またはアクティブ保留演出態様変化有り(アクティブ保留演出実行有り)の場合における表示パターンβのいずれかを決定する。
図28(A)は、アクティブ保留演出態様変化決定用テーブルを示す説明図である。このアクティブ保留演出態様変化決定用テーブルにおいては、前記受信した表示結果指定コマンドが大当り(「通常大当り」または「確変大当り」)であることに対応して、アクティブ保留演出態様変化決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、アクティブ保留演出態様変化無しに10個の判定値が設定され、表示パターンαの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに20個の判定値が設定され、表示パターンβの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに70個の判定値が設定される。
また、前記受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」または「小当たり」であることに対応して、アクティブ保留演出態様変化決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、アクティブ保留演出態様変化無しに50個の判定値が設定され、表示パターンαの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに30個の判定値が設定され、表示パターンβの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに20個の判定値が設定される。
また、前記受信した表示結果指定コマンドがハズレ(「非リーチ」)であることに対応して、アクティブ保留演出態様変化決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、アクティブ保留演出態様変化無しに95個の判定値が設定され、表示パターンαの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに5個の判定値が設定され、表示パターンβの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに0個の判定値が設定される。
また、前記受信した表示結果指定コマンドがハズレ(「スーパーリーチ」)であることに対応して、アクティブ保留演出態様変化決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、アクティブ保留演出態様変化無しに65個の判定値が設定され、表示パターンαの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに25個の判定値が設定され、表示パターンβの表示態様でのアクティブ保留演出態様変化有りに10個の判定値が設定される。
このように本実施例では、表示結果指定コマンドにより特定される変動パターンが、大当りの期待度が高い変動パターンであるとき方が、アクティブ保留演出無しよりも表示パターンαに変化される割合が高く、さらに表示パターンαに変化されるよりも表示パターンβに変化される割合が高く設定されている。具体的には、ハズレよりも大当りの方が表示パターンβに変化される割合が高く設定されている。更に、ハズレ同士である場合には、非リーチハズレよりもスーパーリーチハズレの方が表示パターンβに変化される割合が高く設定されている。尚、非リーチハズレである場合には、アクティブ保留演出において表示パターンβが選ばれない(判定値が0)ようになっている。つまり遊技者は、アクティブ保留演出が実行され、さらに表示パターンβに変化した場合には、大当りになると遊技者に期待させることができる。
尚、本実施例では、アクティブ保留演出態様変化決定用テーブルにおいて、表示結果指定コマンドに応じて各判定値が割り当てられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞時判定結果指定コマンドに応じて各判定値を割り当てるようにしても良い。
尚、本実施例では、表示結果指定コマンドに応じて表示パターンαや表示パターンβに変化される割合が異なるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示が第1特別態様であるか第2特別態様であるかに応じて、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、表示パターンαや表示パターンβに変化される割合が異なるようにしても良い。
また、保留表示が第1特別態様であるときには、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、表示パターンαに変化し、保留表示が第2特別態様であるときには、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、表示パターンβに変化するようにしても良い。つまり、保留表示の特別態様とアクティブ保留表示の表示態様とが互いに対応するものであっても良い。
また、保留表示が第1特別態様から第2表示態様に段階的に変化したときには、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、表示パターンαから表示パターンβに段階的に変化する演出を実行するようにしても良い。
また、保留表示とアクティブ保留表示の表示態様を同じものにしても良く、例えば、保留表示が第1特別態様であるときには、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、第1特別態様のままアクティブ保留表示として表示され、保留表示が第2特別態様であるときには、当該保留表示がアクティブ保留表示となったときに、第2特別態様のままアクティブ保留表示として表示されるものであっても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、アクティブ保留演出の実行を決定したか否かを判定する(S1807)。ここで、アクティブ保留演出の実行が決定されなかった場合は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S1808)、後述するS1822に進む。一方、アクティブ保留演出の実行が決定された場合は、S1809に進む。
S1809において演出制御用CPU101は、当該変動開始時の保留記憶数(合算保留記憶数)に応じてアクティブ保留演出の演出態様を決定する。具体的には、アクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブル(図28(B)及び図28(C))にもとづいて、アクティブ保留演出を実行するときに、アクティブ保留表示を含めて全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出を実行するか否かを決定する。
尚、アクティブ保留演出を実行するときの隠蔽演出は、前述した先読み演出決定処理において決定される特別隠蔽パターンと同様の演出内容となっている。本実施例では、先読み演出決定処理において決定される特別隠蔽パターンの隠蔽演出では、アクティブ保留の表示態様の変化が伴っていないが、演出図柄変動開始処理において決定されるアクティブ保留演出(特別隠蔽パターンの隠蔽演出)では、アクティブ保留の表示態様の変化が伴っており、特別隠蔽パターンの隠蔽演出が実行されたときに、アクティブ保留の表示態様の変化する場合と変化しない場合の2つの演出態様が用意されている。
図28(B)は、保留記憶数が2以上であるときにアクティブ保留演出の演出態様を決定する際に用いるアクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルである。このアクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルにおいては、前記受信した表示結果指定コマンドが大当り(「通常大当り」または「確変大当り」)であることに対応して、アクティブ保留演出態様隠蔽決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に80個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に20個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」または「小当たり」であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に40個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に60個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドがハズレ(「非リーチ」)であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に5個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に95個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドがハズレ(「スーパーリーチ」)であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に25個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に75個の判定値が設定される。
このように本実施例では、保留記憶数が2以上であるときに用いられるアクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルにおいて、表示結果指定コマンドにより特定される変動パターンが、大当りの期待度が高い変動パターンであるとき方が、隠蔽演出の実行が決定される割合が高く設定されている。具体的には、ハズレよりも大当りの方が隠蔽演出の実行が決定される割合が高く設定されている。更に、ハズレ同士である場合には、非リーチハズレよりもスーパーリーチハズレの方が隠蔽演出の実行が決定される割合が高く設定されている。つまり遊技者は、アクティブ保留演出において隠蔽演出(特別隠蔽パターンの隠蔽演出)が実行された場合には、大当りになると遊技者に期待させることができる。
図28(C)は、保留記憶数が2未満であるときにアクティブ保留演出の演出態様を決定する際に用いるアクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルである。このアクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルにおいては、前記受信した表示結果指定コマンドが大当り(「通常大当り」または「確変大当り」)であることに対応して、アクティブ保留演出態様隠蔽決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に0個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に100個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」または「小当たり」であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に0個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に100個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドがハズレ(「非リーチ」)であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に0個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に100個の判定値が設定される。また、表示結果指定コマンドがハズレ(「スーパーリーチ」)であることに対応して、隠蔽実行(隠蔽演出有り)に0個の判定値が設定され、隠蔽非実行(隠蔽演出無し)に100個の判定値が設定される。つまり、本実施例では、保留記憶数が2未満であるときには、隠蔽演出が実行されないようになっている。尚、保留記憶数が2未満であるときに、隠蔽演出が実行されないようにするのではなく、隠蔽演出が実行される割合が極めて低くなるものであっても良い。
尚、本実施例では、アクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブルにおいて、表示結果指定コマンドに応じて各判定値が割り当てられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞時判定結果指定コマンドに応じて各判定値を割り当てるようにしても良い。
S1810において演出制御用CPU101は、決定したアクティブ保留演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択し、後述するS1822に進む。
また、前述したシフト回数カウンタの値が0である場合(S1803のY)、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合に進むS1812において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す。次いで、演出制御用CPU101は、S1812で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定し(S1813)、S1813+に進む。
S1813+において演出制御用CPU101は、前述した先読み演出決定処理(図22のS67111参照)を実行することによって記憶されている先読み演出パターンが特別隠蔽パターンであるか否かを判定する。ここで、先読み演出パターンが特別隠蔽パターンである場合は、後述するS1818に進む。一方、先読み演出パターンが特別隠蔽パターンでない場合は、S1814に進む。
S1814において演出制御用CPU101は、当該変動開始時の保留記憶数(合算保留記憶数)が1以下であるか否かを判定する。ここで、保留記憶数が1以下である場合は、先読み演出パターンを非隠蔽、即ち隠蔽演出の実行をしないで先読み演出を実行する演出態様に変更し(S1820)、先読み演出制限フラグをリセットし(S1821)、後述するS1818に進む。一方、保留記憶数が1以下でない場合は、S1815に進む。
S1815において演出制御用CPU101は、前述した先読み演出決定処理(図22のS67111参照)を実行することによって記憶されている先読み演出パターンが部分隠蔽パターンであるか否かを判定する。ここで、先読み演出パターンが部分隠蔽パターンでない場合、つまり全隠蔽パターンである場合は、後述するS1818に進む。一方、先読み演出パターンが部分隠蔽パターンである場合は、S1816に進む。
このように本実施例では、先読み演出パターンが部分隠蔽パターンまたは全隠蔽パターンである場合は、保留記憶数が2つ以上である場合のみに隠蔽演出を実行するようになっている。これは、隠蔽演出により隠蔽される保留記憶数が2つ以上存在しない場合、例えば、保留記憶数が1つのみであると、遊技者に対していずれの保留表示の態様が変化するのかを遊技者に事前に認識されてしまい、遊技興趣が低下してしまので、そのような遊技興趣の低下を防ぐようになっている。尚、先読み演出パターンが特別隠蔽パターンである場合は、必ず隠蔽演出を実行するようになっている。これは、前述したようにアクティブ保留表示を含めて隠蔽する隠蔽演出は、先読み演出決定処理において決定される特別隠蔽パターンの隠蔽演出の他に、当該演出図柄変動開始処理のS1809において、アクティブ保留演出態様隠蔽決定用テーブル(図28(B)及び図28(C))にもとづいて決定される隠蔽演出が存在し、特別隠蔽パターンの隠蔽演出が実行されたときに、アクティブ保留の表示態様の変化する場合と変化しない場合の2つの演出態様が用意されているので、遊技者の遊技興趣の低下が防げるようになっている。本実施例では、隠蔽演出により隠蔽される複数の保留表示のうち、いずれの保留表示の表示態様が変化するかが分からないので、遊技者の期待感を高めることができる。尚、隠蔽演出が実行されても対象保留表示の表示態様が変化しない演出パターン(ガセ演出パターン)を、先読み演出決定処理において決定するようにしても良く、このガセ演出パターンを、対象保留表示にもとづく変動表示が開始される前に実行されるようにしても良い。
次いで、先読み演出パターンが部分隠蔽パターンである場合に進むS1816において、演出制御用CPU101は、隠蔽する保留表示を特定する。具体的には、演出対象となる対象保留表示の発生以降に始動入賞が無い場合には、対象保留表示とその直前に始動入賞した保留表示との2つの保留表示を隠蔽する保留表示として特定する(図31(D)参照)。また、対象保留表示の発生以降に始動入賞が有る場合には、対象保留表示とその直後に始動入賞した保留表示との2つの保留表示を隠蔽する保留表示として特定する(図31(G)参照)。
尚、本実施例では、対象保留表示とその直前に始動入賞した保留表示、または、対象保留表示とその直後に始動入賞した保留表示が部分隠蔽パターンの隠蔽演出における隠蔽対象となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、対象保留表示と2つ直前に始動入賞した保留表示や、対象保留表示と2つ直後に始動入賞した保留表示など、直前または直後に始動入賞した保留表示以外の保留表示と対象保留表示との2つの保留表示を部分隠蔽パターンの隠蔽演出における隠蔽対象としても良い。また、2つ直前または直後に始動入賞した保留表示以外であっても良く、複数回の直前または直後に始動入賞した保留表示と対象保留表示とを部分隠蔽パターンの隠蔽演出における隠蔽対象としても良い。
尚、本実施例では、当該演出図柄変動開始処理において、先読み演出パターンが部分隠蔽パターンである場合の隠蔽する保留表示を特定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する演出図柄変動中処理において、隠蔽演出の開始タイミングで隠蔽する保留表示を特定するようにしても良い。また、前述した先読み演出決定処理(始動入賞時)に存在していた保留表示の中から隠蔽する保留表示を特定するようにしても良い。
更に、演出制御用CPU101は、特定した保留表示と先読み演出パターン(部分隠蔽パターン)及び最終表示態様と変動パターンとに応じた表示態様変化時用プロセステーブルを選択し(S1817)、後述するS1819に進む。
次いで、特別隠蔽パターンの隠蔽演出を実行する場合(S1813+のY)、全隠蔽パターンの隠蔽演出を実行する場合(S1815のN)、または、隠蔽演出を実行しない場合(S1820)に進むS1818において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン(特別隠蔽パターンの隠蔽演出の実行、全隠蔽パターンの隠蔽演出の実行、または隠蔽演出の非実行)及び最終表示態様と変動パターンとに応じた表示態様変化時用プロセステーブルを選択し、S1819に進む。
S1819において演出制御用CPU101は、先読み演出パターンの記憶を消去し、S1822に進む。S1822において演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1822)。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部18cにおける先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
これらのプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S1823)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1824)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S1825)。
尚、演出図柄変動開始処理(図27)において、先読み演出以外の予告演出、例えば、所定のキャラクタが登場するキャラクタ予告演出などの実行の有無を決定するようにしても良い。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1831)、変動時間タイマの値を1減算する(S1832)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセステーブルが表示態様変化時用プロセステーブルであるか否かを判定する(S1833)。ここで、表示態様変化時用プロセステーブルでない場合は、後述するS1843に進む。一方、表示態様変化時用プロセステーブルである場合は、S1834に進む。
尚、本実施例では、対象保留表示の変化態様とアクティブ保留表示の変化態様とが異なる表示態様となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、対象保留表示の変化態様とアクティブ保留表示の変化態様とを互いに関連した表示態様にした場合には、表示態様変化時用プロセステーブルを複数の変動表示期間に亘って用いるようにしても良い。その場合には、変動開始時に表示態様変化時用プロセステーブルを選択するときに、前回の変動表示中に用いた表示態様変化時用プロセステーブルを特定して、当該表示態様変化時用プロセステーブルに応じたプロセステーブルを選択するようにすれば良い。
S1834において演出制御用CPU101は、隠蔽演出の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、隠蔽演出の開始タイミングは、表示態様変化時用プロセステーブルに記述されており、演出制御用CPU101は、表示態様変化時用プロセステーブルの記述にもとづいて隠蔽演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、隠蔽演出の開始タイミングである場合は、プロセステーブルに対応する対応で隠蔽演出を開始し(S1835)、後述するS1843に進む。一方、隠蔽演出の開始タイミングでない場合は、S1836に進む。
S1836において演出制御用CPU101は、隠蔽演出の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、隠蔽演出の終了タイミングは、表示態様変化時用プロセステーブルに記述されており、演出制御用CPU101は、表示態様変化時用プロセステーブルの記述にもとづいて隠蔽演出の終了タイミングであるか否かを判定する。ここで、隠蔽演出の終了タイミングでない場合は、S1843に進む。一方、隠蔽演出の終了タイミングである場合は、隠蔽演出を終了するとともに対象保留表示を特別態様にて表示し(S1837)、先読み演出制限フラグをリセットし(S1838)、S1843に進む。
S1843において演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
図30は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(S853)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S855a)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されている場合には、S858に進み、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する。
一方、大当りとすることに決定されていない場合には、更に、小当りとすることに決定されているか否か確認する(S855b)。小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S807)に応じた値に更新する(S856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S855bのN)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、隠蔽演出実行時の先読み演出の具体例について説明する。図31は、部分隠蔽パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図31(A)に示すように、始動入賞が発生すると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示されるようになっている。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに4つの保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されているとともに、保留ボックス18d内に表示されるアクティブ保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されている。尚、図31(A)では、右端の保留表示が先読み演出の対象保留表示となっており、シフト1回目が変化タイミングとなっている。
変動が終了すると(図31(B))、次の保留表示がシフトするとともに、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が保留ボックス18d内に表示され、新たな変動表示が開始される(図31(C))。尚、当該変動において先読み演出が開始される。
図31(D)に示すように、対象保留表示以降に新たな始動入賞がない場合に隠蔽演出が開始されると、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例では飛行機)が出現し、対象保留表示とその直前に始動入賞した保留表示との2つの保留表示を視認不能に隠蔽する。そして、隠蔽演出の終了タイミングにおいて、隠されていた2つの保留表示が再び現れるとともに(現出演出の実行)、対象保留表示の表示態様を通常保留表示から第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる(図31(E)))または、第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる(図31(F)))に変化させる。
図31(G)に示すように、対象保留表示以降に新たな始動入賞がある場合に隠蔽演出が開始されると、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例では飛行機)が出現し、対象保留表示とその直前に始動入賞した保留表示との2つの保留表示を視認不能に隠蔽する。そして、隠蔽演出の終了タイミングにおいて、隠されていた2つの保留表示が再び現れるとともに(現出演出の実行)、対象保留表示の表示態様を通常保留表示から第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる(図31(H)))または、第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる(図31(I)))に変化させる。
本実施例では、部分隠蔽パターンの隠蔽演出では、対象保留表示を含めた2つの保留表示のみが隠蔽されるようになっているが、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例では飛行機)は、新たな始動入賞が表示される位置を含めないように表示される。そのため、当該隠蔽演出中に新たな始動入賞がある場合に、当該新たな始動入賞が隠蔽演出用のオブジェクトで隠蔽されないようになっている。
尚、隠蔽演出中に新たな始動入賞がある場合に、当該新たな始動入賞にもとづく保留表示が発生したときに、当該保留表示を先読み演出の対象とするか否かの決定を保留しておき、隠蔽演出が終了して先読み演出制限フラグがリセットされた後に、当該保留表示を先読み演出の対象とするか否かを決定するようにしても良い。
尚、部分隠蔽パターンの隠蔽演出中に新たな始動入賞がある場合に、当該新たな始動入賞にもとづく保留表示を隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例では飛行機)で隠蔽される位置に表示しても良い。例えば、隠蔽演出用のオブジェクトを新たな始動入賞にもとづく保留表示が表示される位置まで含めた領域を予め隠蔽するように表示しておくことで、新たな始動入賞にもとづく保留表示が隠蔽演出用のオブジェクトに隠される状態にしても良い。つまり、隠蔽演出用のオブジェクトが描画される画像レイヤーを、新たな始動入賞にもとづく保留表示が描画される画像レイヤーよりも優先的に表示するようにして、新たな始動入賞にもとづく保留表示が描画されても、隠蔽演出用のオブジェクトにより隠蔽される状態にしておくようにする。
図32は、全隠蔽パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図32(A)に示すように、始動入賞が発生すると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示されるようになっている。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに4つの保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されているとともに、保留ボックス18d内に表示されるアクティブ保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されている。尚、図32(A)では、右端の保留表示が先読み演出の対象保留表示となっており、シフト1回目が変化タイミングとなっている。
変動が終了すると(図32(B))、次の保留表示がシフトするとともに、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が保留ボックス18d内に表示され、新たな変動表示が開始される(図32(C))。尚、当該変動において先読み演出が開始される。
図32(D)に示すように、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例ではロケットとその噴出煙)が出現し、対象保留表示を含む全ての保留表示(アクティブ保留表示は含まず)を視認不能に隠蔽する。そして、隠蔽演出の終了タイミングにおいて、隠されていた全ての保留表示が再び現れるとともに(現出演出の実行)、対象保留表示の表示態様を通常保留表示から第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる(図32(E)))または、第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる(図32(F)))に変化させる。
図33は、特別隠蔽パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図33(A)に示すように、始動入賞が発生すると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示されるようになっている。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに4つの保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されているとともに、保留ボックス18d内に表示されるアクティブ保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されている。尚、図33(A)では、右端の保留表示が先読み演出の対象保留表示となっており、シフト1回目が変化タイミングとなっている。
変動が終了すると(図33(B))、次の保留表示がシフトするとともに、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が保留ボックス18d内に表示され、新たな変動表示が開始される(図33(C))。尚、当該変動において先読み演出が開始される。
図33(D)に示すように、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例ではキャラクタと複数の流れ星)が出現し、アクティブ保留表示と対象保留表示を含む全ての保留表示を視認不能に隠蔽する。そして、隠蔽演出の終了タイミングにおいて、隠されていた全ての保留表示が再び現れるとともに(現出演出の実行)、対象保留表示の表示態様を通常保留表示から第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる(図33(E)))または、第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる(図33(F)))に変化させる。
図34は、複数回のシフト後(シフト2回目)に実行される先読み演出の具体例を示す説明図である。図34(A)に示すように、始動入賞が発生すると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示されるようになっている。演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部18cに4つの保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されているとともに、保留ボックス18d内に表示されるアクティブ保留表示が通常態様(本実施例では丸印「○」)で表示されている。尚、図34(A)では、右端の保留表示が先読み演出の対象保留表示となっており、シフト2回目が変化タイミングとなっている。
変動が終了すると(図34(B))、次の保留表示がシフトするとともに(シフト1回目)、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が保留ボックス18d内に表示され、新たな変動表示が開始される(図34(C))。更に、変動が終了すると(図34(D))、次の保留表示がシフトするとともに(シフト2回目)、当該変動表示の対象となる保留表示(アクティブ保留表示)が保留ボックス18d内に表示され、新たな変動表示が開始される(図34(E))。尚、当該変動において先読み演出が開始される。
図34(F)に示すように、隠蔽演出用のオブジェクト(本実施例ではロケットとその噴出煙)が出現し、対象保留表示を含む全ての保留表示(アクティブ保留表示は含まず)を隠蔽する。そして、隠蔽演出の終了タイミングにおいて、隠されていた全ての保留表示が再び現れるとともに(現出演出の実行)、対象保留表示の表示態様を通常保留表示から第1特別態様(本実施例では「○」内に「×」が含まれる(図34(G)))または、第2特別態様(本実施例では「○」内に「×」が2つ含まれる(図34(H)))に変化させる。
このように本実施例では、対象保留表示が発生した後の所定のシフト回数において先読み演出を実行するようになっており、当該先読み演出において、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンのそれぞれの隠蔽演出が実行されるようになっている。
尚、本実施例では、始動入賞時(シフト0回目)や、保留表示のシフト1回目(図31〜図33)及びシフト2回目(図34)で先読み演出を実行する演出態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示のシフト3回目やそれ以上のシフト回数で先読み演出を実行するようにしても良い。また、シフト0回目で先読み演出(隠蔽演出非実行)を実行する場合は、始動入賞時において新たな保留表示を表示するときに、最初から特別態様で保留表示が表示されるようになっている(入賞時先読み予告演出)。
尚、本実施例では、部分隠蔽パターンにて飛行機のオブジェクトが出現し、全隠蔽パターンにてロケットとその噴出煙のオブジェクトが出現し、特別隠蔽パターンにてキャラクタと複数の流れ星のオブジェクトが出現するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの全ての演出パターンで同一のオブジェクトを出現させるようにしても良いし、各演出パターンで複数のオブジェクトを出現させるようにしても良い。例えば、部分隠蔽パターンにてキャラクタのオブジェクトが出現する演出態様であっても良い。
尚、本実施例では、部分隠蔽パターンの隠蔽演出において、対象保留表示とその直前に始動入賞した保留表示との2つの保留表示を隠蔽するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、部分隠蔽パターンの隠蔽演出においては、対象保留表示を含む3つ以上の保留表示を隠蔽するようにしても良い。また、部分隠蔽パターンの隠蔽演出においては、隠蔽する保留表示の数(保留表示の隠蔽範囲)を、毎回の実行毎に適宜変更するようにしても良い。例えば、部分隠蔽パターンの隠蔽演出において、対象保留表示にもとづく変動表示の表示結果が大当りとなる期待度が高い場合には、該期待度が少ない場合よりも多数の保留表示が隠蔽されるようにしても良い。
尚、本実施例では、隠蔽演出の各演出パターンにおいては、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの3種類の隠蔽演出が設けられ、同じ種類の隠蔽演出では、常に同様の態様で隠蔽演出が実行され、隠蔽演出の終了タイミング(現出演出のパターン)が同じ態様になっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同じ種類の隠蔽演出であっても、隠蔽演出の終了タイミング(現出演出のパターン)を異ならせるようにしても良い。さらに、各種類の隠蔽演出に応じて異なる終了タイミング(現出演出のパターン)で隠蔽演出を終了するようにしても良い。
次に、隠蔽演出実行する際の各変動表示の変動期間における演出態様を図35のタイムチャートにもとづいて説明する。図35に示すように、未だ先読み演出の実行を決定していない状態の変動表示の変動期間においては、新たな先読み演出の実行を決定することを制限することを示す先読み演出制限フラグがセットされておらず(図22の先読み演出決定処理参照)、始動入賞が発生すると、先読み演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示(その1)が表示されるようになっている。尚、先読み演出の実行が決定され、かつ先読み演出の変化タイミングが保留表示のシフト0回目に決定された場合は、始動入賞直後に対象保留表示(その1)が特別態様で表示される(入賞時先読み予告演出)。
尚、本実施例では、先読み演出の変化タイミングが保留表示のシフト0回目に決定された場合は、始動入賞直後に対象保留表示(その1)が特別態様で表示されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出の変化タイミングが保留表示のシフト0回目に決定された場合であっても、対象保留表示を通常態様で表示を開始するようにして、表示の開始直後に通常態様の対象保留表示を特別態様に変化させるようにしても良い。
また、始動入賞が発生して先読み演出の態様が決定され、隠蔽演出を伴う先読み演出を決定し、かつ先読み演出の変化タイミングが保留表示のシフト2回目に決定された場合は、始動入賞直後に対象保留表示(その2)が通常態様で表示される。そして、先読み演出制限フラグがセットされ、当該先読み演出において隠蔽演出が終了するまで、先読み演出制限フラグがセットされた状態になり、隠蔽演出の終了とともに先読み演出制限フラグがリセットされる。尚、変動開始時に保留記憶数が1以下の場合(図27のS1814参照)には、隠蔽演出を実行しないものと決定されるため、当該決定時に先読み演出制限フラグがリセットされる。
図35に示すように、保留表示のシフト1回目の変動表示の変動期間が経過し、さらに保留表示がシフトされて変動表示が開始されると(シフト2回目)、当該変動表示の変動期間において隠蔽演出が開始される。そして、当該隠蔽演出期間内に、新たな始動入賞が発生した場合には、先読み演出制限フラグがセットされているため、新たな先読み演出の実行の決定が制限され、当該新たな始動入賞にもとづく保留表示(その3)が通常態様で表示される。そして、隠蔽演出の終了とともに、対象保留表示(その2)が特別態様に変化し、先読み演出制限フラグがリセットされる。尚、隠蔽演出の終了後に、新たな始動入賞が発生した場合には、当該新たな始動入賞にもとづく保留表示(その4)に対応する新たな先読み演出の実行の決定が可能になっている。
尚、本実施例では、先読み演出制限フラグがセットされているときに、新たな先読み演出の実行を決定することを禁止(制限)するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出制限フラグがセットされているときに、新たな先読み演出の実行が決定される確率が低下するものであっても良い。
尚、本実施例では、隠蔽演出の終了とともに先読み演出制限フラグがリセットされるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動停止時に先読み演出制限フラグがリセットされるようにしても良い。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、隠蔽演出により保留表示が遊技者から視認し難くなった状態で保留表示が変化することで、いずれの保留表示の態様が通常態様から特別態様に変化するのかを遊技者に事前に認識されてしまうことによる興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例によれば、隠蔽演出の実行に必要となる先読み演出の実行を決定するための図23に示す先読み演出実行決定テーブルA及びBにおいて、入賞時判定結果が「大当り」であるときは「はずれ」であるときよりも「先読み演出実行」が決定される割合が高くなっており、隠蔽演出が実行される場合は、隠蔽演出が実行されない場合よりも表示結果が「大当り」となり易くなっていることで、隠蔽演出が実行されるか否かに注目させることができるので、興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、図25に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて、最新の入賞時判定結果が大当りであるときの方が、特別隠蔽パターンが決定される割合が高くなっていることで、実行される隠蔽演出の種類に注目させることができるので、興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、部分隠蔽パターンが最も短い実行時間となっており、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが長い実行時間となっており、全隠蔽パターンよりも特別隠蔽パターンが長い実行時間となっており、かつ図25に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて、最新の入賞時判定結果が大当りであるときの方が、特別隠蔽パターンが決定される割合が高くなっていることで、隠蔽演出を解除する解除タイミングに注目させることができるので、興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、アクティブ保留演出を実行中においても特別隠蔽パターンの隠蔽演出を実行可能となっていることで、隠蔽演出によって遊技者から視認し難くなった状態でアクティブ保留表示が変化することで、保留表示が変化するのかアクティブ保留表示が変化するのかに遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンのうち、いずれかの演出パターンの隠蔽演出を実行可能となっていることで、アクティブ保留表示を含めて視認困難または視認不能とされる隠蔽演出と、アクティブ保留表示を含めずに保留表示だけ視認困難または視認不能とする隠蔽演出の双方が実行されるので、いずれの隠蔽演出が実行されるのかに遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU101が図22に示す先読み演出決定処理のS67115において先読み演出制限フラグをセットすることで、新たな先読み演出の実行を決定することを制限することで、隠蔽演出を実行するときに新たに発生した保留記憶の保留表示が特別態様で表示されることにより、先読み演出の対象が不明確となって遊技者を混乱させてしまうことを防ぐことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、図36及び図37に示す変形例のように、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの他に隠蔽演出を伴わない非隠蔽パターンを設けるようにし、この4種類の演出パターンを決定可能としても良い。次に、変形例における最終表示態様決定テーブル及び各先読み演出パターン決定テーブルについて説明する。
図36は、変形例における最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。この最終表示態様決定テーブルは、先読み演出決定処理(始動入賞時)において対象保留表示の最終態様を決定する際に用いるテーブルである。演出制御用CPU101は、この最終表示態様決定テーブルを用いて、対象保留表示を最終的にどの表示態様で表示するかを決定する。
例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU101は、60%の割合で最終表示態様を「特別態様変化なし」に決定し、25%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、15%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU101は、15%の割合で最終表示態様を「特別態様変化なし」に決定し、25%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、60%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当たり」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定)には、演出制御用CPU101は、30%の割合で最終表示態様を「特別態様変化なし」に決定し、50%の割合で最終表示態様を「第1特別態様」に決定し、20%の割合で最終表示態様を「第2特別態様」に決定する。
図37は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルは、先読み演出決定処理(始動入賞時)において隠蔽演出の演出パターンを決定する際に用いるテーブルである。演出制御用CPU101は、保留記憶数に応じて設けられた先読み演出パターン決定テーブル(図37(A)〜(C))にもとづいて、非隠蔽パターン、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの4種類の隠蔽演出うち、いずれかの先読み演出パターンを決定する。尚、非隠蔽パターンとは、隠蔽演出の実行を行わないパターンであり、部分隠蔽パターンとは、前記実施例と同様に、演出対象保留表示を含む2つの保留表示のみを隠蔽する隠蔽演出であり、全隠蔽パターンとは、前記実施例と同様に、演出対象保留表示を含む全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出であり、特別隠蔽パターンとは、前記実施例と同様に、演出対象保留表示とアクティブ保留表示を含む全ての保留表示を隠蔽する隠蔽演出である。
尚、本変形例では、隠蔽演出の実行時間は、非隠蔽パターンは実行時間が0となっており、部分隠蔽パターンが最も短い実行時間となっており、部分隠蔽パターンよりも全隠蔽パターンが長い実行時間となっており、全隠蔽パターンよりも特別隠蔽パターンが長い実行時間となっている。つまり、保留表示の隠蔽が開始されてから、その隠蔽が解除されるまでの時間(解除タイミング)が、各演出パターンに応じて異なっている。
図37(A)は、保留記憶数が3であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、決定された最終態様が「特別態様変化なし」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に70個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に15個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に10個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に5個の判定値が設定されている。また、決定された最終態様が「特別態様変化あり」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に25個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に30個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に30個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に15個の判定値が設定されている。
図37(B)は、保留記憶数が4であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、決定された最終態様が「特別態様変化なし」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に55個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に15個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に10個の判定値が設定されている。また、決定された最終態様が「特別態様変化あり」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に25個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に35個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定されている。
図37(C)は、保留記憶数が5以上であるときに先読み演出パターンを決定する際に用いる先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。この先読み演出パターン決定テーブルおいては、決定された最終態様が「特別態様変化なし」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に45個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に25個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に20個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に10個の判定値が設定されている。また、決定された最終態様が「特別態様変化あり」であることに対応して、先読み演出パターン決定用乱数として抽出し得る100個の判定値のうち、非隠蔽パターンの決定に5個の判定値が設定され、部分隠蔽パターンの決定に30個の判定値が設定され、全隠蔽パターンの決定に40個の判定値が設定され、特別隠蔽パターンの決定に25個の判定値が設定されている。
このように本変形例では、保留記憶数に応じて各先読み演出パターン決定テーブルが設けられ、それぞれのテーブルにおいて、非隠蔽パターン、部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンの4種類の隠蔽演出が決定可能となっている。
本変形例では、各隠蔽パターンが実行される割合は、決定された最終態様が「特別態様変化なし」と「特別態様変化あり」とで異なるようになっている。そして、隠蔽演出が実行されない場合(非隠蔽パターンが決定された場合)よりも、隠蔽演出が実行される場合(部分隠蔽パターン、全隠蔽パターン、特別隠蔽パターンが決定された場合)の方が、特別態様に変化する可能性が高くなっている。そのため、隠蔽演出が実行されると、遊技者は、保留表示が特別態様に変化するのではないかという期待感を得ることができる。尚、本変形例では、「特別態様変化なし」と「特別態様変化あり」とで各隠蔽パターンが実行される割合が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、「特別態様変化なし」を「はずれ」とし、「特別態様変化あり」を「大当り」として、変動表示結果が「はずれ」の表示結果となる場合と「大当り」の表示結果となる場合とで、各隠蔽パターンが実行される割合が異なるようにしても良い。
尚、前記最終表示態様決定テーブルにて「第1特別態様」または「第2特別態様」が決定されたときに、非隠蔽パターンが決定されると、隠蔽演出が実行されずに、保留表示の表示態様のみが変化する先読み演出が実行される態様となる。また、前記最終表示態様決定テーブルにて「特別態様変化なし」が決定されたときに、非隠蔽パターンが決定されると、保留表示の表示態様の変化が実行されず、かつ隠蔽演出が実行されないので、何ら演出が実行されない態様となる。また、前記最終表示態様決定テーブルにて「特別態様変化なし」が決定されたときに、非隠蔽パターンが決定された場合には、先読み演出の実行が決定されないときと同様に、演出パターンを記憶せずに先読み演出決定処理を終了するようにしても良い。また、その場合には、先読み演出制限フラグがセットされずに処理が終了するので、直後に始動入賞があった場合には、当該始動入賞にもとづいて先読み演出を実行するか否かの判定を行うことができるようになる。
尚、変形例では、先読み演出の実行を決定したときに、保留表示の表示態様を特別態様に変化させない「特別態様変化なし」を決定可能にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出を決定しないことで保留表示が変化しない場合において、隠蔽演出の実行を決定可能としても良く、この場合にあっても、先読み演出の実行が決定された保留表示が変化するときに隠蔽演出が実行される割合が、先読み演出の実行が決定されないことで保留表示が変化しないときに隠蔽演出が実行される割合と異なる割合(例えば、高い割合)となるようにすれば良い。
また、前記実施例では、変動表示中において隠蔽演出が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、対象保留表示にもとづく変動開始時や変動開始前や大当り演出中などにおいて、隠蔽演出が実行されるようにしても良いし、対象保留表示の始動入賞直後に隠蔽演出が実行されるようにしても良い。さらに複数の隠蔽演出の実行タイミングのうち、任意のタイミングで隠蔽演出を実行できるようにしても良い。
尚、前記実施例では、隠蔽演出期間が所定のオブジェクトが保留表示を隠蔽している期間のみを示しているが、この隠蔽演出期間とは、隠蔽している期間のみにかぎらず、隠蔽演出の開始直前の所定期間や終了直後の所定期間や、先読み演出の対象の保留記憶が記憶されることで隠蔽演出の実行が決定されてから、該決定された隠蔽演出が実行されるまでの期間を隠蔽演出期間としても良い。例えば、先読み演出の対象保留表示が特別態様として表示されるまでの期間であって、対象保留表示が表示当初に通常態様で表示されているときには、特別態様の保留表示が遊技者に視認されないので、当該特別態様の保留表示が隠蔽されていることになるため、それまでの期間を隠蔽演出期間としても良い。
また、前記実施例では、保留記憶数を遊技者が認識可能な手段として合算保留記憶表示部18cとともに、第1特別図柄保留記憶表示器18a及び第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられているが、この他にも、合算保留記憶数を遊技者が認識可能な表示器を設けるようにしても良いし、演出表示装置9における隠蔽演出のオブジェクトが表示される領域以外に、合算保留記憶数を特定可能に小さく表示しても良い。更に、隠蔽演出のオブジェクトにより演出図柄が隠蔽される場合には、隠蔽演出のオブジェクトが表示される領域以外に、演出図柄を小さく表示しても良い。また、合算保留記憶数を特定可能な数字や記号等を演出表示装置9に表示するようにしても良い。更に、数字等で構成される合算保留記憶数を特定可能な表示は、隠蔽演出の実行中であっても、隠蔽演出のオブジェクトにより隠蔽されない位置に表示するようにしても良い。このようにすることで、隠蔽演出が実行中であっても遊技者は常に合算保留記憶数を認識できる。
また、前記実施例では、隠蔽演出のオブジェクトが保留表示を隠蔽し、その後に再び保留表示を出現させる演出のみを行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、隠蔽演出の実行中に、隠蔽された保留表示に登場したキャラクタが作用する作用演出を組み合わせるようにしても良く、この作用演出によって隠蔽された保留表示が通常態様から特別態様に変化する演出を行っても良い。また、保留表示に作用する作用演出の例として、遊技機の機種に関係するキャラクタが登場して、変化する保留表示を叩いたり変化する保留表示に衝突したりして作用する作用演出としても良いし、登場するキャラクタ自体が保留表示に作用するのではなく、登場するキャラクタがボール等の作用物を投射し、該作用物が変化する保留表示に衝突する作用演出としても良いし、その他の態様の演出、例えば、画面を横切るように飛んできた矢が、変化する保留表示に刺さる演出などであっても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置9の表示領域において隠蔽演出のオブジェクトの画像が保留表示の画像を隠蔽し、その後に再び保留表示を出現させる演出のみを行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置9の表示領域における保留表示の画像の表示部位を隠蔽するシャッタ等の役物部材を設けるようにして、当該役物部材により保留表示を隠蔽する隠蔽演出を実行するようにしても良い。また、この場合に、役物部材が表示領域から退避すると同時に、通常態様の保留表示を特別態様の保留表示に変化させても良いし、役物部材が表示領域から退避する以前に、予め通常態様の保留表示を特別態様の保留表示に変化させても良い。
また、前記実施例では、対象保留表示の変動表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」となるか否かに応じて隠蔽演出の演出態様の決定割合が異なっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、対象保留表示の変動表示における大当り種別(「通常大当り」と「確変大当り」と「突然確変大当り」)に応じて隠蔽演出の演出態様の決定割合が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、隠蔽演出として保留表示またはアクティブ保留表示を視認不能にする態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、隠蔽演出は、保留表示またはアクティブ保留表示を見え難くする(視認困難にする)態様であっても良く、隠蔽演出中に保留表示またはアクティブ保留表示の一部が見えるものであっても良いし、隠蔽演出のオブジェクトを通してぼんやりと見える態様であっても良い。
なお、前記実施例において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、前記実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、前記実施例においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
尚、隠蔽演出の演出時間としては、該隠蔽演出を全ての変動パターンにおいて実行可能とする場合には、最短の変動パターンの変動時間よりも短い時間とすれば良いし、隠蔽演出を実行する変動パターンが、全変動パターンのうちの一部の変動パターンだけである場合には、該一部の変動パターンのうちで最短の変動パターンの変動時間よりも短い時間とすれば良い。また、逆に、隠蔽演出の演出時間が予め規定されている場合においては、変動時間が該隠蔽演出の演出時間よりも長いことで隠蔽演出を実行可能な変動パターンにおいてのみ、隠蔽演出を実行するようにすれば良い。
また、上記の実施の形態では、始動入賞時に、大当りとするか否かを判定するためのランダムRを抽出し、該抽出したランダムR自体を保留記憶として記憶する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらランダムR自体を記憶することに代えて、抽出したランダムRによる大当りとするか否かの判定結果を特定可能なデータを記憶しておき、開始条件が成立して変動表示を開始するときには、改めて大当りとするか否かを判定せずに、始動入賞時に記憶されている判定結果を特定して変動表示を行うようにしても良い。つまり、大当りとするか否かの判定を、変動開始時ではなく、始動入賞時等の変動開始時以外のタイミングで行うようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、図25に示す先読み演出パターン決定テーブルが保留記憶数に応じて設けられ、テーブル毎に部分隠蔽パターンと全隠蔽パターンと全隠蔽パターンの決定割合が異なるようになっており、始動入賞時の保留記憶数に応じて各隠蔽パターンの決定割合が異なるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞時のみならず、変動開始時や変動中などのタイミングにおける保留記憶数に応じて各隠蔽パターンの決定割合が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、図22に示す先読み演出決定処理のS67103において、保留記憶数が3以上でない場合は、先読み演出の実行を決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、この先読み演出決定処理、つまり始動入賞時に保留記憶数が3以上でない場合であっても、変動開始時に再び保留記憶数が3以上であるか否かを判定するようにし、保留記憶数が3以上である場合には、先読み演出の実行を決定し、保留記憶数が3以上でない場合には、先読み演出の実行を決定しないようにしても良い。
また、前記実施例では、隠蔽演出が開始される以前の始動入賞時である図22に示す先読み演出決定処理において、先読み演出制限フラグがセットされ、図29に示す演出図柄変動中処理において、隠蔽演出の終了タイミングで先読み演出制限フラグをリセットするようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、隠蔽演出の開始タイミングで先読み演出制限フラグをセットし、隠蔽演出の終了タイミングで先読み演出制限フラグをリセットする構成であっても良い。
また、前記実施例では、図25に示す先読み演出パターン決定テーブル毎に部分隠蔽パターンと全隠蔽パターンと特別隠蔽パターンの決定割合が異なるようになっているが、必ずしも、各演出パターンの決定割合が異なるものでなくても良く、例えば、部分隠蔽パターンと全隠蔽パターンと特別隠蔽パターンの決定割合を同じにして、各演出パターンにおいて隠蔽する保留表示の数が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、図27に示す演出図柄変動開始処理において、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出と、アクティブ保留の表示態様を変化させるアクティブ保留演出とが、同一変動期間中に同時に実行されないように制御しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出とアクティブ保留演出とを同一変動期間中に同時に実行されるようにしても良い。また、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出のみならず、保留表示の表示態様の変化を示唆する変化煽り演出を実行可能としても良く、この変化煽り演出とアクティブ保留演出とを同一変動期間中に同時に実行されるようにしても良い。
また、前記実施例では、隠蔽演出において隠蔽され、かつ表示態様が変化する対象保留表示が、1つのみの演出態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、隠蔽演出において複数の保留表示を隠蔽した場合に、これら隠蔽された複数の保留表示のうち、一部の複数の保留表示の表示態様が変化する演出態様であっても良い。また、特別隠蔽パターンの隠蔽演出が実行されるときに、保留表示とアクティブ保留表示とが同時に隠蔽される場合に、保留表示とアクティブ保留表示で構成される複数の保留表示が同時にその表示態様が変化する演出態様であっても良い。