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JP6169863B2 - 耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼 Download PDF

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JP6169863B2 JP2013042938A JP2013042938A JP6169863B2 JP 6169863 B2 JP6169863 B2 JP 6169863B2 JP 2013042938 A JP2013042938 A JP 2013042938A JP 2013042938 A JP2013042938 A JP 2013042938A JP 6169863 B2 JP6169863 B2 JP 6169863B2
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Description

本発明は、自動車および二輪車の排気系部材用の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼に関する。
自動車および二輪車の排気系部品にはフェライト系ステンレス鋼板・鋼管が多用されてきている。中でもSUH409Lは、Crを11%含有しC,NをTiで固定して溶接部の鋭敏化を防止すると共に優れた加工性を有する鋼種であり、700℃以下で十分な高温特性を有し、排ガス凝縮水腐食および塩害腐食に対してもある程度の抵抗性を発揮する。また、合金元素量が少なく廉価である。このため、種々のフェライト系鋼種の中で最も多く用いられてきている。
一方、最近では排気系部品の長寿命化の要求が高まってきている。排気系部品の寿命を支配する一因として耐食性が挙げられる。特にSUH409L鋼においては、耐食性に寄与する合金元素がCrのみで含有量が11%と少ないため、排気系部品としての寿命は耐食性に大きく依存する。このため、SUH409Lが適用されてきた排気系部品の長寿命化を確保しようとすればSUS439鋼(17Cr系鋼)などの高級材を適用することになりコスト増を招来することになる。
そこで、SUH409L鋼の廉価性を活かしつつ耐食性を可及的低コストで向上させる技術が要求されてきている。なお、ここで言う耐食性は実部品相当の加熱処理を施した後の凝縮水あるいは塩害の環境における耐食性であり、加熱しない場合の素材そのものの耐食性とは異なるものである。
このような問題に関して、従来、いくつかの類似技術が提示されている。
例えば、特許文献1では、C,NをTiで固定しCrを9.0〜15.0%含有させ、0.10〜0.80%のNi,Cuを含有させて耐食性と加工性を両立させた鋼が開示されている。しかしながら、Niは、高価な合金元素なので使用するにしても極微量に留めるべきである。
また、特許文献2では、C,NをNb,Tiで固定しCrを11.0〜15.0%含有させ、0.6%以下のNiと1.0%以下のVを含有させて造管性、耐粒界腐食性、高温強度を確保した鋼が開示されている。しかしながら、ここでもNi、Vといった高価な合金元素が使用され、さらに高温強度確保のためにNbも含有されるため、本発明が目指すような優れたコスト・パフォーマンスを得るのは困難であるとの問題がある。
また、特許文献3では、C,NをTiで固定しCrを10〜14%含有させ、適量のS(C含有量の0.5倍以上、0.010%以下かつ0.0030%以上)を含有させて耐食性と加工性を両立させた鋼が開示されている。前記の2つの技術に比べるとコスト・パフォーマンスに優れる。しかしながら、Sを現状の精錬レベルより多く含有させるため、S系介在物起因の耐食性劣化が懸念されるという問題がある。
なお、これら類似技術は、本発明で取り扱う加熱後耐食性を充分に評価していない。
一方、本発明の省合金という趣旨に近い点で興味深いところでは、従来は殆ど注目されていなかったSn,Sbを合金元素として極く微量だけ含有させることによって鋼材の特性を向上させる技術が開示されている。
例えば、特許文献4では、0.02〜0.2%のSbを含有させることによって耐酸化性を向上させたフェライト系ステンレス鋼が提示されている。特許文献5では、0.005〜0.10%のSn、Sbの1種以上含有させることでPの粒界偏析を防止して硫酸酸洗時の粒界腐食に起因する表面キズが無いフェライト系ステンレス鋼板が提示されている。また、特許文献6では、フェライト系ステンレス鋼の高温強度を向上させる目的で0.05〜2%のSnを含有させた鋼が提示されている。
しかしながら、これらの技術は本発明で取り扱う加熱後耐食性を論じたものではない。
特許第3999141号公報 特許第2562740号公報 特許第3285179号公報 特開2005−146345号公報 特開平11−92872号公報 特開2000−169943号公報
本発明は、SUH409L鋼の廉価性を活かしつつ耐食性を可及的低コストで向上させる11Cr系ステンレス鋼の提供を目的とするものである。
本発明者らは、種々のステンレス鋼材について多くの塩害腐食試験、凝縮水腐食試験を行ってきた。その結果、腐食試験前に加熱処理を施すことによって不働態皮膜がFeリッチの酸化皮膜に変質するため、加熱処理を施さない場合には耐食性に影響を与えないSi、Mn、Alが加熱後耐食性を向上させる作用があること、Snが強力な加熱後耐食性向上元素であるとの知見を得た。さらに、Snの耐食性向上効果はMoとの共存によって増幅され、この効果の程度はMo含有量に依存することを知見した。
本発明は前記知見に基づいて構成したものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.0150%以下、Si:0.200.70%、Mn:0.200.60%、P:0.050%以下、S:0.0100%以下、N:0.0150%以下、Al:0.010〜0.20%、Cr:10.5011.50%、Mo:0.02〜0.20%、およびSn:0.005〜0.050%を含有し、さらにTi:0.030〜0.30%およびNb:0.030〜0.50%の1種または2種を含有し、かつ(1)式で定義するA値が0.00065%2以上であることを満たし、残部がFeおよび不可避的不純物より成ることを特徴とする耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
A=[Mo]×[Sn] −−−−−−−(1)
ここで[Mo]、[Sn]は、それぞれMo、Snの質量%としての含有量である。
(2)質量%で、らにCu:0.01〜0.10%、Ni:0.02〜0.20%、V:0.01〜0.10%の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(1)に記載の耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
(3)質量%で、さらにB:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
本発明によって、SUH409L鋼の廉価性を活かしつつ耐食性を向上させた11%Cr系ステンレス鋼が得られるので、産業上の効果は大きい。
耐食性に及ぼすMoおよびSnの影響を示す。
本発明の形態について、より具体的に説明する。
本発明者らは、先ず、実際の塩害環境を模擬する複合サイクル腐食試験(塩水噴霧:5%NaCl噴霧35℃×2Hr、乾燥:相対湿度20%、60℃×4Hr、湿潤:相対湿度90%、50℃×2Hrの繰り返し)において、耐食性を支配するCrの含有量を変化させた鋼を用いて、400℃×8Hrの加熱処理有無による耐食性への影響を調査した。
その結果、加熱処理有無にかかわらずCrは耐食性向上元素であるが、加熱処理なしの場合より加熱処理有りの場合の方がCrの腐食低減効果が大きかった。これは、加熱処理によって表面に酸化層が形成され、この酸化膜によって腐食特性が影響されることを意味する。すなわち、酸化膜形成後の加熱後耐食性は不働態皮膜状態の母材の耐食性とは異なるものであると言える。
同様の方法で、Si、Mn、Alの含有量を変化させた鋼について加熱処理有無による耐食性への影響を調査した。その結果、加熱処理がなければSi、Mn、Alは腐食に影響を与えない元素であるが、加熱処理を施す場合には耐食性を向上させる元素であることがわかった。このことからも、酸化膜形成後の加熱後耐食性は不働態皮膜状態の母材の耐食性とは異なるものであると言える。Si,Mn、Alが加熱後耐食性に影響する理由は、表面酸化膜の緻密性・保護性にSi、Mn、Alが寄与するためと推察する。
また、Snについても調査した結果、Moの共存によって0.005〜0.050%の極微量で耐食性を大幅に向上させることがわかった。
調査結果の一例を図1に示す。図1は、11%CrベースでMo、Sn含有量を変化させた候補材の腐食減量をSUH409L鋼の腐食減量に対する比として表わしたものであり、SUH409L鋼の腐食減量の2/3(すなわち耐食性が1.5倍)をしきい値として「○」印と「×」印で層別して候補材の耐食性をプロットしたものである。これより、MoとSnには相互作用があり、Mo含有量0.02%以上の領域において加熱後耐食性はMoとSnの含有量の積に依存することが判明した。このことは(1)式で定義されるA値をもって定量化された。
A=[Mo]×[Sn] −−−−−−−(1)
ここで[Mo]、[Sn]は、それぞれMo、Snの質量%としての含有量であり、図1中の曲線がA=0.00065を示す曲線であり、A値が0.00065%2以上となることによって優れた耐食性が得られる。
また、Si,Mn,Al,Mo,Snは含有させ過ぎても加熱後耐食性は飽和することもわかり、これら合金元素の含有量は適正範囲が存在することが明らかとなった。
次に、塩害腐食試験に用いた鋼についてJASO M911−Aによる凝縮水腐食試験を行い400℃×8Hrの加熱処理有無の影響を調査した。その結果、加熱後の凝縮水耐食性に及ぼすSi、Mn、Alの影響およびSnとMoの相互作用は、前記した加熱後塩害耐食性の場合と同様であった。
以上より、極微量のSnを微量Mo共存のもとに含有させると共にSi、Mn、Al含有量を調整することにより、SUH409L鋼の耐食性を支配するCrの含有量を増加させることなく加熱後耐食性を大幅向上させることが可能となる。なお、ここで含有させるSn,Moの量は極微量であるため廉価性を大幅に損ねることにはならない。また、Cu,Ni,Vを極微量の範囲で含有させて、さらなる耐食性向上を追求することもできる。
以下、本発明における合金元素の作用とその含有量の限定理由ついて詳述する。断りがない限り、%は質量%を意味する。
C、N:CおよびNは、溶接熱影響部における粒界腐食の原因となる元素であり、加熱後耐食性を劣化させる。また、加工性を劣化させる。このため、C,Nの含有量は可及的低レベルに制限すべきであり、C、Nの上限は0.0150%とするのが必要であり、望ましは0.0100%である。一方、含有量の下限は、現状の精錬技術において工業的に到達し得るレベルとしてC,N共に0.0020%とすると好ましい。
Si:Siは加熱後耐食性を向上させる作用を有するために0.20%以上を含有させるが、多量に含有させても効果は飽和するため上限を0.70%に制限する。加工性も考慮すれば、望ましくはSi含有量を0.60%以下とするのが良い。
Mn:Mnも加熱後耐食性を向上させる作用を有するので、0.20%以上を含有させるが、多量に含有させても効果は飽和するため上限を0.60%に制限する。加工性も考慮すれば、望ましくはMn含有量を0.40%以下とするのがよい。
P:加工性を劣化させる元素である。このため、Pの含有量は可及的低レベルが望ましい。許容可能な含有量の上限を0.050%とする。望ましいPの上限値は0.030%である。一方、含有量の下限は現状の精錬技術において工業的に到達し得るレベルとして0.010%とすると好ましい。
S:耐食性を劣化させる元素であるため、Sの含有量は可及的低レベルが望ましい。許容可能な含有量の上限を0.0100%とする。望ましいS含有量の上限値は0.0050%であり、さらに望ましくは0.0030%である。一方、含有量の下限は現状の精錬技術において工業的に到達し得るレベルとして0.0005%とすると好ましい。
Cr:加熱後耐食性を確保する基本的元素であり適量の含有が必須であり10.50%以上を含有させるが、多量に含有させても効果は飽和するため上限を11.50%に制限する。コストも考慮すれば望ましくはCr含有量を11.40%以下とするのが良い。
Al:Alは脱酸元素として有用であると共に加熱後耐食性を向上させる作用を有するので0.010%以上を含有させるが、多量に含有させても加熱後耐食性は飽和するので上限を0.20%に制限するのがよい。
本発明は、TiとNbの1種または2種を下記のとおり含有する。
Ti:TiはC,Nを炭窒化物として固定して粒界腐食を抑制する作用を有する。このため0.03%を下限として含有させるが、過剰に含有させても効果は飽和するため、含有量の上限を0.30%とする。なお、Tiの適正含有量としてC,N合計含有量の5倍量以上かつ30倍量以下が望ましい。
Nb:Tiと同様に、NbはC,Nを炭窒化物として固定して粒界腐食を抑制する作用を有するので0.03%を下限として含有させるが、過剰に含有させても効果は飽和するため含有量の上限を0.50%とする。
Mo:MoはSnとの共存において微量の含有で加熱後耐食性を向上させる作用を奏するため0.02%を下限として含有させるが、多く含有させても効果は飽和するため含有量の上限を0.20%に制限する。
Sn:SnはMoとの共存において極微量で加熱後耐食性を改善する元素として有用であり含有させる場合の下限量を0.005%とする。一方、Snは粒界に偏析して熱間加工性を劣化させる懸念もある。多く含有させても効果は飽和するため含有量の上限を0.050%に制限する。好ましくは,0.010%超である.また上限値は0.050%未満が好ましい。
A値:Ni、Snの含有量から算出され、前記(1)式で規定するA値は耐酸化性の指標であり、目標とする耐酸化性を得るには0.00065%2以上を確保することが必要である。
Cu,Ni,V:省合金、低コストの観点からは逆行するが、究極の加熱後耐食性の向上を求めて、耐食性向上に有用なCu、Ni,Vの1種または2種以上を微量含有させても良い。Niの含有量の下限は0.02%とし、上限は0.20%とするのが良い。Cu,Vの含有量の下限は0.01%とし、上限は0.10%とするのが良い。
B:BはSn添加による粒界強度低下対策として有用な元素であり、加熱後耐食性には影響を与えない元素である。このため0.0002%を下限として含有させても良いが、0.0050%を超えるとかえって熱間加工性が劣化するなどの問題が生じるので、上限を0.0050%とするのが良い。
これら組成のフェライト系ステンレス鋼は、転炉や電気炉などで溶製、精錬された鋼片を熱間圧延、酸洗、冷延、焼鈍、仕上酸洗等を施す通常の排気系部材用ステンレス鋼板の製造方法によって鋼板として製造される。また、この鋼板を素材として電気抵抗溶接、TIG溶接、レーザー溶接などの通常の排気系部材用ステンレス鋼管の製造方法によって溶接管として製造される。
実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
表1、2に示す組成のステンレス鋼を150kg真空溶解炉で溶製し、50kg鋼塊に鋳造した後、熱延−研削−冷延−焼鈍−仕上酸洗の工程を通して板厚1.2mmの鋼板を作製した。熱延板の作製条件としては、素材厚み:90mm、加熱温度:1160℃、9パスで板厚3.2mmまで圧延、仕上温度:850℃、巻取温度:600℃とした。冷延板の作製条件としては、熱延板を研削した後の素材厚:2.8mm、仕上厚:1.2mmとした。焼鈍条件としては、880℃×60秒、空冷とした。仕上酸洗は、硝ふっ酸酸洗とした。
この鋼板より腐食試験片を採取し試験面を#600エメリー研磨して、塩害環境を模擬した複合サイクル腐食試験(塩水噴霧:5%NaCl噴霧35℃×2Hr、乾燥:相対湿度20%、60℃×4Hr、湿潤:相対湿度90%、50℃×2Hrの繰り返し)およびJASO M911−Aに規定された凝縮水腐食試験を行った。いずれの試験においても、供試前に大気炉中で400℃×8Hrの加熱処理を施した。腐食試験終了後のサンプルは、脱錆処理を施した後、重量法によって腐食減量を求めた。
Figure 0006169863
Figure 0006169863
試験結果を表1、2に示す。表2において、本発明範囲外の数値にアンダーラインを付している。表2における比較例No.101がSUH409L鋼であり比較基準である。加熱後耐食性は、候補材の腐食減量と比較例No.101の腐食減量の比としても表わした。なお、本発明では、SUH409L鋼に対して少なくとも1.5倍以上の耐食性向上効果を目指し、腐食減量比として0.66未満を得ることを目標とした。
比較例No.102はMo含有量とA値が本発明範囲の下限を外れており、比較例No.103〜105はA値が本発明範囲の下限を外れているため満足すべき耐食性向上効果が得られていない。比較例No.106〜108はSn含有量とA値が本発明範囲の下限を外れているため耐食性は満足すべきレベルに達しない。
比較例No.109は、Mo含有量が本発明範囲の上限を超えており、耐食性は十分であるが、よりMo含有量の少ない本発明No.7と同等レベルの腐食減量比に過ぎず、敢えて多量に含有させる必要がない。
比較例No.110は、Sn含有量が本発明範囲の上限を超えており、耐食性は十分であるが、よりSn含有量の少ない本発明No.2と同等レベルの腐食減量比に過ぎず、敢えて多量に含有させる必要がない。
比較例No.111はCr含有量が本発明範囲の下限を外れており耐食性はSUH409Lより劣る。
比較例No.112は、Cr含有量が本発明範囲の上限を超えており、耐食性は十分であるが、よりCr含有量の少ない本発明No.33、34と同等レベルの腐食減量比に過ぎず、敢えて多量に含有させる必要がない。
比較例No.113はSi含有量が本発明範囲の下限を外れており、比較例No.115はMn含有量が本発明範囲の下限を外れており、比較例No.117はAl含有量が本発明範囲の下限を外れており、それぞれ耐食性は満足すべきレベルに達していない。一方、比較例No.114はSi含有量が本発明範囲の上限を超え、比較例No.116はMn含有量が本発明範囲の上限を超え、比較例No.118はAl含有量が本発明範囲の上限を超えているが、耐食性は飽和しておりSi,Mn,Al含有量がこれらより少ない本発明No.14と同レベルに留まっている。
比較例No,119、120は、それぞれTi,Nbの含有量が本発明範囲を外れているため満足すべき耐食性は得られない。
一方、本発明No.1〜34は、Si,Mn,Al,Mo,Snの含有量およびA値が本発明の範囲内にあり、満足すべき加熱後耐食性が得られた。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.0150%以下、Si:0.200.70%、Mn:0.200.60%、P:0.050%以下、S:0.0100%以下、N:0.0150%以下、Al:0.010〜0.20%、Cr:10.5011.50%、Mo:0.02〜0.20%、およびSn:0.005〜0.050%を含有し、さらにTi:0.030〜0.30%およびNb:0.030〜0.50%の1種または2種を含有し、かつ(1)式で定義するA値が0.00065%2以上であることを満たし、残部がFeおよび不可避的不純物より成ることを特徴とする耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
    A=[Mo]×[Sn] −−−−−−−(1)
    ここで[Mo]、[Sn]は、それぞれMo、Snの質量%としての含有量である。
  2. 質量%で、さらにCu:0.01〜0.10%、Ni:0.02〜0.20%、V:0.01〜0.10%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
  3. 質量%で、さらにB:0.0002〜0.0050%を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性に優れた排気系部材用フェライト系ステンレス鋼。
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