以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方、上方、下方を、夫々、コンロ1の前方、後方、右方、左方、上方、下方とする。なお、図1に示すコンロ1は、図示しないキッチンのカウンタートップに設けられた開口に落とし込まれて設置されるビルトインコンロである。
図1を参照し、コンロ1の全体構造について説明する。コンロ1は略直方体状の器具本体2を備える。器具本体2の内側の幅方向中央には、グリル庫(図示略)が取り付けられている。器具本体2の上部には、平面視長方形状のトッププレート3が取り付けられている。トッププレート3にはガスを燃焼する各種バーナ4〜6が設けられている。より詳細には、トッププレート3の右手前には右バーナ4、左手前には左バーナ5、中央奥側には奥バーナ6が夫々設けられている。奥バーナ6の後方には、グリル庫内と連通する排気口7が設けられている。なお、各種バーナ4〜6には、点火の為のイグナイタ51(図3参照)及び失火検知用の熱伝対等が各々取り付けられている。
器具本体2の前面中央には、正面視長方形状のグリル扉8が設けられている。グリル扉8は、器具本体2に配置されたグリル庫内に設けられたレールユニット(図示略)によって前後方向にスライド可能に設けられ、グリル庫の前面のグリル開口(図示略)を開閉する。
器具本体2の前面の右上角部には、電源スイッチ10が設けられている。電源スイッチ10は、コンロ1の電源のオンオフを切り替える場合に押下される。電源スイッチ10の下側には、右側から左側に向かって順に、正面視円形状の点火ボタン11〜13が横一列に夫々設けられている。さらに、グリル扉8の左側にも、点火ボタン11〜13と同一高さ位置に、正面視円形状の点火ボタン14が設けられている。点火ボタン11は右バーナ4、点火ボタン12は左バーナ5、点火ボタン13は奥バーナ6、点火ボタン14はグリル庫内のグリルバーナ(図示略)を点火/消火する為に夫々押下される。点火ボタン11〜14は、点火の為に押下されると、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、器具本体2の前面から前方に円柱状に突出し、該突出した状態で回動操作が可能となる。使用者は、点火ボタン11〜14を夫々回動させることによって、各種バーナ4〜6、及びグリル庫内のグリルバーナの火力調節を行う。
さらに、器具本体2の前面において、点火ボタン11〜13の下方にはパネル16が設けられ、点火ボタン14の下方にはパネル17が設けられている。パネル16を指で押し込むと、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、パネル16の背面に固定された板状のコンロ用操作パネル18(図3参照、図1では図示略)を前方に引き出すことができる。パネル17を指で押し込むと、上記同機構によって、パネル17の背面に固定された板状のグリル用操作パネル19(図3参照、図1では図示略)を前方に引き出すことができる。そして、これらパネル16,17を再度押し込むことによって、コンロ用操作パネル18及びグリル用操作パネル19が、器具本体2の内側に収納され、パネル16,17が器具本体2の前面と面一となる。以下の説明では、点火ボタン11〜14、コンロ用操作パネル18、及びグリル用操作パネル19を総称する場合、操作部21という。
図2を参照し、電源スイッチ10及びその周辺構造について説明する。図2に示すように、電源スイッチ10の中央部には、第一発光部101が設けられている。第一発光部101は、電源を表すマークの形状をしており、透明な合成樹脂で形成されている。器具本体2の内側における第一発光部101の後方には、後述する電源ランプ32(図3参照)が配置されており、電源ランプ32が発光することで、第一発光部101が発光する。第一発光部101は、コンロ1の電源がオンされる場合に発光される。
電源スイッチ10の近傍(本実施形態では左側)には、第二発光部102が設けられている。第二発光部102は、南京錠のマークの形状をしており、透明な合成樹脂で形成されている。器具本体2の内側における第二発光部102の後方には、後述するロックランプ33(図3参照)が配置されており、ロックランプ33が発光することで、第二発光部102が発光する。第二発光部102は、コンロ1が後述するロック状態に設定される場合に発光される。
電源スイッチ10の右側には、「ロック長押し」の文字が印刷されている。「ロック長押し」の文字は、使用者が電源スイッチ10を継続して押下(すなわち、長押し)することで、後述するロック状態に設定できることを表している。なお、印刷される文字は一例であり、例えば、具体的な長押しの時間が印刷されていてもよい。
図3を参照し、コンロ1の電気的構成について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、コンロ1の電気的構成の一部について説明している。図3に示すように、コンロ1は制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、フラッシュメモリ74、及びタイマ75等を備える。CPU71はコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72はコンロ1の各種制御プログラムに加え、「状態設定プログラム」を記憶する。状態設定プログラムは、後述する状態設定処理(図4〜図6参照)を実行する制御プログラムである。フラッシュメモリ74は、コンロ1の各種情報を記憶する。CPU71はタイマ75を使用して時間を計測する。タイマ75はクロック信号に基づいて時間を計測するプログラムであってもよいし、時間を計測する電子部品であってもよい。
RAM73は、コンロ1が設定される状態の情報など、各種情報を記憶する。本実施形態では、コンロ1の状態は、スリープ状態、電源オフ状態、電源オン状態、及びロック状態のいずれかに設定される。
スリープ状態は、電源回路81から制御回路70を含む各種回路に電力が供給されていない状態である。コンロ1がスリープ状態に設定されると、乾電池9の電力の消耗が防止される。電源オフ状態、電源オン状態、及びロック状態では、少なくとも制御回路70に電力が供給されている。電源オフ状態では、CPU71は、操作部21の操作を受け付けないが、コンロ1の電源をオンオフするための電源スイッチ10の操作は受け付ける。また、電源オフ状態では、CPU71は、RAM73及びフラッシュメモリ74に対してデータの読み出し及び書き込みを行ったり、電磁弁34を駆動するモータの回転軸の回転角度を初期位置に戻す動作を行ったりする。使用者は、電源オフ状態では調理を行うことができない。
電源オン状態では、CPU71は、操作部21と電源スイッチ10の操作を受け付ける。使用者は、電源オン状態で、操作部21を操作して調理を行うことができる。ロック状態では、CPU71は、操作部21の操作を受け付けない。また、CPU71は、ロック状態を解除する操作以外の電源スイッチ10の操作を受け付けない。ロック状態に設定されると、例えば年少者などが操作部21及び電源スイッチ10を操作しても、電源オン状態にすることができず、年少者などがバーナの点火動作等を行うことを防止できる。
制御回路70には、電源回路81、スイッチ入力回路82、操作パネル回路83、点火ボタン操作回路84、イグナイタ回路85、D/Aコンバータ86、発光制御回路87、発光制御回路88、及び弁駆動回路89等が各々接続されている。電源回路81は電池ボックス(図示略)に搭載される2つの乾電池9によって各種回路に電力を供給する。なお、図3では、2つの乾電池9を2つの直流電源のマークで示している。
電源回路81はトランジスタスイッチ(図示略)を備える。スイッチ入力回路82は電源スイッチ10の押下を検出する。電源スイッチ10は、スイッチ入力回路82と電池ボックスに格納された乾電池9のプラス側とに接続されている。乾電池9のマイナス側は電源回路81に接続され、スイッチ入力回路82も電源回路81に接続されている。コンロ1の状態が、スリープ状態である場合、使用者によって電源スイッチ10が押下されると、乾電池9の電力がスイッチ入力回路82を介して電源回路81に供給され、電源回路81のトランジスタスイッチがオンされる。これにより、電源回路81から各種回路に電力が供給され、コンロ1の状態が、電源オフ状態、ロック状態、又は電源オン状態に設定される。
操作パネル回路83は、コンロ用操作パネル18及びグリル用操作パネル19の各種操作を検出し、制御回路70に入力する。点火ボタン操作回路84は点火ボタン11〜14の押下、及び回動操作を検出し、制御回路70に入力する。イグナイタ回路85は、制御回路70からの指令を受け、複数のイグナイタ51を各々駆動し、各種バーナ4〜6及びグリルバーナに点火する。弁駆動回路89は、制御回路70からの指令を受け、複数の電磁弁34の夫々を駆動するモータ(図示略)を制御して各種バーナ4〜6及びグリルバーナへのガスの供給量を調整し、火力調整を行う。
D/Aコンバータ86は、制御回路70からの音声のデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ31に入力する。スピーカ31は音声のアナログ信号に基づく音を出力する。発光制御回路87は、制御回路70からの指令を受け、電源ランプ32を発光させる。発光制御回路88は、制御回路70からの指令を受け、ロックランプ33を発光させる。電源ランプ32及びロックランプ33は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
図4〜図6のフローチャートを参照し、CPU71が実行する状態設定処理について説明する。状態設定処理は、コンロ1を、スリープ状態、電源オフ状態、電源オン状態、及びロック状態の何れかに切り替える処理である。コンロ1がスリープ状態にある場合に使用者が電源スイッチ10を押下すると、乾電池9からの電力が制御回路70を含む各種回路に供給される。電力が供給されたCPU71はROM72から「状態設定プログラム」を読み出して本処理を実行する。
まず、CPU71は、スリープ状態に入る直前のコンロ1の状態を示す情報を、フラッシュメモリ74から読み出す(S1)。後述するが、CPU71は、コンロ1をスリープ状態に設定する直前のコンロ1が電源オフ状態であれば、電源オフ状態であることを示す情報をフラッシュメモリ74に記憶し、コンロ1をスリープ状態に設定する。また、CPU71は、コンロ1をスリープ状態に設定する直前のコンロ1がロック状態であれば、ロック状態であることを示す情報をフラッシュメモリ74に記憶し、コンロ1をスリープ状態に設定する。S1では、電源オフ状態であることを示す情報又はロック状態であることを示す情報が読み出される。
次いで、CPU71は、S1で読み出した情報が、ロック状態であることを示す情報であるか否かを判断する(S2)。CPU71はS1で読み出した情報が電源オフ状態であることを示す情報である場合、ロック状態であることを示す情報でないと判断し(S2:NO)、コンロ1を電源オフ状態に設定する(S3)。
次いで、CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S4)。電源スイッチ10が押下されていない場合(S4:NO)、CPU71はS4を繰り返す。すなわち、コンロ1が電源オフ状態で待機した状態となる。なお、図示しないが、S4が繰り返された状態において、3分間操作されなかった場合、CPU71は、コンロ1が電源オフ状態であることを示す情報をフラッシュメモリ74に記憶し、電源回路81から各種回路への電力の供給を停止する。これによって、コンロ1がスリープ状態となり、状態設定処理は終了される。
以下の説明では、使用者によって電源スイッチ10が押下され、コンロ1が電源オフ状態から電源オン状態に設定され、その後、ロック状態に設定される場合を例示しながら説明する。使用者は、コンロ1の状態を電源オフ状態から電源オン状態に切り替える場合、電源スイッチ10を押下する。電源スイッチ10が押下されると(S4:YES)、CPU71は、タイマ75(図3参照)を使用して、時間T1の計測を0秒から開始する(S5)。次いで、CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S6)。電源スイッチ10が押下されている場合(S6:YES)、CPU71は、時間T1が時間A以上であるか否かを判断する(S7)。時間T1は、例えば、1秒以下の時間である。時間T1が時間A以上でない場合(S7:NO)、CPU71は、処理をS6に戻す。
時間T1が時間A未満の間に、電源スイッチ10が押下されなくなった場合(S6:NO)、CPU71は、処理をS4に戻す。すなわち、電源スイッチ10が継続して押下された時間が時間Aより短い場合には、電源オフ状態が継続される。よって、例えば、使用者の体が誤って電源スイッチ10に時間A未満の間触れても、電源オン状態には設定されず、電源オフ状態が継続される。故に、使用者が意図しない場合に電源オン状態に設定されることを防止できる。
コンロ1を電源オフ状態から電源オン状態に設定する場合、使用者は電源スイッチ10の押下を継続する。時間T1が時間A以上になると(S7:YES)、CPU71は、スピーカ31(図3参照)からブザー音を出力する(S8)。S8で出力されるブザー音は、例えば、1回の短音「ピッ」である。CPU71は、電源ランプ32(図3参照)を発光させることで、第一発光部101(図2参照)を発光させる(S9)。CPU71は、S8及びS9を実行することで、電源オン状態に設定するために使用者が行うべき操作が完了したことを使用者に報知している。よって、報知されない場合に比べて、使用者は電源オン状態に設定するための操作が完了したことを認識し易い。
CPU71は、タイマ75(図3参照)を使用して、時間T2の計測を0秒から開始する(S10)。CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S11)。電源スイッチ10が押下されている場合(S11:YES)、時間T2が時間B以上であるか否かが判断される(S12)。時間Bは、例えば、3秒である。時間T2が時間B以上でない場合(S12:NO)、CPU71は処理をS11に戻す。使用者が電源スイッチ10から手を離すと、CPU71は、電源スイッチ10が押下されていないと判断し(S11:NO)、コンロ1を電源オフ状態から電源オン状態に切り替える(S21)。すなわち、コンロ1が電源オフ状態であり、電源スイッチが時間A以上且つ時間B未満の間押下された場合に、コンロ1の電源がオンされる。なお、詳細は後述するが、時間T2が時間B以上になるように電源スイッチ10の押下が継続された場合(S12:YES)、コンロ1がロック状態に切り替えられる(S18)。
電源オン状態に切り替えられると(S21)、図5に示すように、電源スイッチ10が押下されているか否かが判断される(S22)。電源スイッチ10が押下されていない場合(S22:NO)、CPU71は、S22を繰り返す。すなわち、コンロ1は電源オン状態であり、操作部21の操作に基づく動作が可能な状態となっている。図示しないが、使用者は、点火ボタン11〜14を操作してバーナ4〜6及びグリルバーナに点火し、火力を調節するなどして、調理を行うことができる。また、コンロ用操作パネル18、及びグリル用操作パネル19を操作して、種々の設定を行うことができる。
使用者は、コンロ1を電源オン状態からロック状態に切り替える場合、電源スイッチ10を時間C以上押下する。時間Cは、例えば、3秒である。電源スイッチ10の押下が開始されると(S22:YES)、CPU71は、スピーカ31(図3参照)からブザー音を出力する(S23)。S23で出力されるブザー音は、例えば、1回の短音「ピッ」である。CPU71は、電源ランプ32(図3参照)を消灯することで、第一発光部101(図2参照)を消灯する(S24)。CPU71は、S23及びS24を実行することで、電源オフ状態に設定するために使用者が行うべき操作が完了したことを、使用者に報知している。このため、報知されない場合に比べて、使用者が、電源オフ状態に設定するための操作が完了したことを認識し易い。
CPU71は、タイマ75(図3参照)を使用して、時間T3の計測を0秒から開始する(S25)。CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S26)。電源スイッチ10が押下されている場合(S26:YES)、CPU71は、時間T3が時間C以上であるか否かを判断する(S12)。時間T3が時間C以上でない場合(S12:NO)、CPU71は処理をS26に戻す。
使用者が電源スイッチ10から手を離し、時間T3が時間C未満の間に電源スイッチ10が押下されなくなった場合(S26:NO)、CPU71はコンロ1を電源オン状態から電源オフ状態に切り替え(S34)、処理をS4(図4参照)に戻す。すなわち、コンロ1が電源オン状態であり、電源スイッチが時間C未満押下された場合に、コンロ1の電源がオフされる。
コンロ1をロック状態に切り替えようとする使用者は、電源スイッチ10の押下を継続する。時間T3が時間C以上になると(S27:YES)、CPU71は、スピーカ31からブザー音を出力する(S28)。ブザー音は、例えば、2回の短音「ピピッ」である。CPU71は、ROM72に記憶されているアナウンスの音声情報に基づき、スピーカ31からアナウンスを出力する(S29)。S29で出力されるアナウンスは、例えば、「ロックしました。」の文章である。CPU71は、電源ランプ32(図3参照)を消灯することで、第一発光部101(図2参照)を消灯する(S30)。CPU71は、ロックランプ33(図3)を発光させることで、第二発光部102(図2参照)を発光させる(S31)。CPU71は、S28〜S31を実行することで、コンロ1をロック状態に設定するために使用者が行うべき操作が完了したことを、使用者に報知している。このため、報知されない場合に比べて、使用者は、ロック状態に設定するための操作が完了したことを認識し易い。
CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S32)。電源スイッチ10が押下されている場合(S32:YES)、CPU71はS32を繰り返す。使用者が電源スイッチ10から手を離すと、CPU71は、電源スイッチ10が押下されていないと判断し(S32:NO)、コンロ1の状態を電源オン状態からロック状態に切り替える(S33)。すなわち、コンロ1が電源オン状態であり、且つ電源スイッチ10が時間C以上押下された場合に、ロック状態に設定される。
次いで、図6に示すように、電源スイッチ10が押下されているか否かが判断される(S35)。電源スイッチ10が押下されていない場合(S35:NO)、CPU71は、S35を繰り返す。すなわち、コンロ1はロック状態であり、操作部21と電源スイッチ10との操作を受け付けない状態となっている。以上のように、使用者によって電源スイッチ10が押下され、コンロ1が電源オフ状態から電源オン状態に切り替えられ、その後、ロック状態に切り替えられる。
図示しないが、S35が繰り返された状態において、3分間操作されなかった場合、CPU71は、コンロ1がロック状態であることを示す情報をフラッシュメモリ74に記憶し、電源回路81から各種回路への電力の供給を停止する。これによって、コンロ1がスリープ状態となり、状態設定処理が終了される。また、ロックランプ33は消灯される。図4に示すように、コンロ1がスリープ状態にある場合に使用者が電源スイッチ10を押下すると、CPU71は、ロック状態であることを示す情報をフラッシュメモリ74から読み出し(S1)、読み出した情報がロック状態であることを示す情報であると判断する(S2:YES)。次いで、CPU71は、ロックランプ33(図3参照)を発光させることで、第二発光部102(図2参照)を発光させ(S19)、コンロ1の状態をロック状態に設定する(S20)。次いで、CPU71は、図6に示すS35の処理を実行する。このように、スリープ状態に設定される直前のコンロ1の状態がロック状態であれば、コンロ1がロック状態に設定される(S20)。
次に、使用者によって電源スイッチ10が押下され、ロック状態が解除される場合を例示しながら説明する。使用者はロック状態を解除する場合、電源スイッチ10を時間D以上押下する。時間Dは、例えば3秒である。図6に示すように、電源スイッチ10の押下が開始されると(S35:YES)、CPU71は、スピーカ31(図3参照)からブザー音を出力する(S36)。S36で出力されるブザー音は、例えば、1回の短音と1回の長音を組み合わせた音「ピピー」である。CPU71は、ROM72に記憶されているアナウンスの音声情報に基づき、スピーカ31からアナウンスを出力する(S37)。S37で出力されるアナウンスは、例えば、「ロック中です」の文章である。CPU71は、S36及びS37を実行することで、コンロ1がロック状態であることを使用者に報知する。
CPU71は、タイマ75(図3参照)を使用して、時間T4の計測を0秒から開始する(S38)。CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S39)。電源スイッチ10が押下されている場合(S39:YES)、CPU71は、時間T4が時間D以上であるか否かを判断する(S40)。時間T4が時間D以上でない場合(S40:NO)、CPU71は処理をS39に戻す。時間T4が時間D未満の間に電源スイッチ10が押下されなくなった場合(S39:NO)、CPU71は処理をS35に戻す。すなわち、ロック状態が継続される。
ロック状態を解除しようとする使用者は、電源スイッチ10の押下を継続する。時間T4が時間D以上になると(S40:YES)、CPU71は、スピーカ31からブザー音を出力する(S41)。S41で出力されるブザー音は、例えば、2回の短音「ピピッ」である。CPU71は、ROM72に記憶されているアナウンスの音声情報に基づき、スピーカ31からアナウンスを出力する(S42)。S42で出力されるアナウンスは、例えば、「ロック解除しました。」の文章である。CPU71は、電源ランプ32(図3参照)を発光させることで、第一発光部101(図2参照)を発光させる(S43)。CPU71は、ロックランプ33を消灯することで、第二発光部102を消灯する(S44)。CPU71は、S41〜S44を実行することで、ロック状態を解除して電源オン状態に設定するために使用者が行うべき操作が完了したことを、使用者に報知している。このため、報知されない場合に比べて、使用者は、電源オン状態に設定するための操作が完了したことを認識し易い。
CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S45)。電源スイッチ10が押下されている場合(S45:YES)、CPU71はS45を繰り返す。使用者が電源スイッチ10から手を離すと、CPU71は、電源スイッチ10が押下されていないと判断し(S45:NO)、コンロ1の状態をロック状態から電源オン状態に切り替える(S46)。次いで、CPU71は、図5に示すS22を実行する。以上のように、コンロ1がロック状態である場合において、電源スイッチ10が時間D以上操作された場合に、ロック状態が解除され、コンロ1の状態が電源オン状態に切り替えられる。
次に、S3(図4参照)又はS34(図5参照)でコンロ1が電源オフ状態に設定された後、使用者が電源スイッチ10を押下し、コンロ1の状態を電源オフ状態からロック状態に設定する場合を例示しながら説明する。
使用者は、電源オフ状態からロック状態に切り替える場合、電源スイッチ10を時間Aと時間Bとの合計時間以上継続して押下する。電源スイッチ10の押下が開始されると、前述したようにS4〜S12の処理が実行される。時間T2が時間B以上になると(S12:YES)、CPU71は、スピーカ31からブザー音を出力する(S13)。ブザー音は、例えば、2回の短音「ピピッ」である。CPU71は、ROM72に記憶されているアナウンスの音声情報に基づき、スピーカ31からアナウンスを出力する(S14)。アナウンスは、例えば、「ロックしました。」の文章である。CPU71は、電源ランプ32(図3参照)を消灯することで、第一発光部101(図2参照)を消灯する(S15)。CPU71は、ロックランプ33(図3参照)を発光させることで、第二発光部102(図2参照)を発光させる(S16)。CPU71は、S13〜S16を実行することで、コンロ1をロック状態に設定するために使用者が行うべき操作が完了したことを、使用者に報知している。このため、報知されない場合に比べて、使用者は、ロック状態に設定するための操作が完了したことを認識し易い。
CPU71は、電源スイッチ10が押下されているか否かを判断する(S17)。電源スイッチ10が押下されている場合(S17:YES)、CPU71はS17を繰り返す。使用者が電源スイッチ10から手を離すと、CPU71は、電源スイッチ10が押下されていないと判断し(S17:NO)、コンロ1の状態を電源オフ状態からロック状態に切り替える(S18)。
次いで、CPU71は、S35(図6参照)の処理を実行する。以上のように、コンロ1が電源オフ状態である場合において、電源スイッチが時間Aと時間Bとの合計時間以上押下された場合に、ロック状態に設定される。
以上のように本実施形態におけるコンロ1が構成され、状態設定処理が実行される。本実施形態では、使用者は、1つの電源スイッチ10を押下し、電源のオンオフと、ロック状態の設定及び解除とを行うことができる(S18、S21、S33、S34、S46)。電源をオンオフする機能とロック状態の設定及び解除をする機能とは、共にガス調理器の使用の可否等に関係する機能である。本発明では、1つの電源スイッチ10を操作して、使用の可否等に関係する機能を切り替えることができるので、電源のオンオフには電源スイッチを操作し、ロック状態の設定及び解除にはロック状態の設定及び解除を行うためのスイッチを探して操作する場合に比べて、ロック状態の設定及び解除を容易に行うことができる。
また、ロック状態の設定及び解除を行うためのスイッチを電源スイッチ10とは別に設ける場合に比べてスイッチの数が少なくなるので、デザイン性が向上する。また、スイッチの数が少なくなるので、コストダウンすることができる。
また、電源スイッチ10が時間Aと時間Bとの合計時間以上押下された場合に、電源オフ状態にあるコンロ1が、直接ロック状態に設定される(図4のS4〜S18)。すなわち、使用者は、電源スイッチ10を継続して押下するという1つのアクションで、コンロ1を電源オフ状態からロック状態に切り替えることができる。よって、電源スイッチ10を押下して、コンロ1を電源オフ状態から電源オン状態に切り替えた後に、もう一度電源スイッチ10を押下してロック状態に切り替えるという2つのアクションでコンロ1をロック状態に設定する場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
また、電源スイッチ10が時間D以上押下された場合、ロック状態あるコンロ1が電源オン状態に設定される(図6のS35〜S46)。すなわち、使用者は、電源スイッチ10を継続して押下するという1つのアクションで、コンロ1をロック状態から電源オン状態に切り替えることができる。よって、電源スイッチ10を押下してコンロ1をロック状態から電源オフ状態に切り替えた後に、もう一度電源スイッチ10を押下して電源オン状態に設定するという2つのアクションでコンロ1を電源オン状態に設定する場合に比べて、使用者の利便性が向上する。
また、使用者が押下する電源スイッチ10に第一発光部101が設けられ、電源スイッチ10の近傍に第二発光部102が設けられている。このため、使用者は、電源スイッチ10を押下する直前に、容易にコンロ1の状態を確認することができる。よって、例えば、すでにロック状態であるにも関わらず、ロック状態に設定するように電源スイッチ10を押下するなど、使用者が誤操作を行う可能性を低減できる。
また、使用者がコンロ1を使用しようとする場合、まず、電源スイッチ10を押下する場合が多い。このとき、ロック状態であれば、電源スイッチ10が押下された場合に(S35:YES)、ロック状態であることが報知される(図6のS36及びS37)。よって、使用者は、コンロ1がロック状態であることを容易に認識することができる。故に、使用者は、電源スイッチ10を押下した状態から継続して時間D以上押下すれば、ロック状態を解除できることを容易に判断することができる。よって、使用者は、スムーズにロック状態を解除する操作を行うことができる。
上記説明において、コンロ1が本発明の「ガス調理器」に相当し、点火ボタン11〜14が本発明の「点火スイッチ」に相当し、時間Cが本発明の「第一所定時間」に相当し、時間Dが本発明の「第二所定時間」に相当し、時間Aと時間Bとの合計時間が本発明の「第三所定時間」に相当し、S21の処理を行うCPU71が本発明の「オン手段」に相当し、S34の処理を行うCPU71が本発明の「オフ手段」に相当し、S9及びS43の処理を行うCPU71が本発明の「第一発光制御手段」に相当し、S16及びS31の処理を行うCPU71が本発明の「第二発光制御手段」に相当し、S46の処理を行うCPU71が本発明の「ロック解除手段」に相当し、S36及びS37の処理を行うCPU71が
本発明の「報知手段」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、S4〜S7(図4参照)において、時間T1が時間A未満である場合(S6:NO)、電源オフ状態が継続されていたが、継続されなくてもよい。この場合、CPU71は、S5〜S7を実行せず、電源スイッチ10が押下された場合に(S4:YES),S8以降の処理を実行してもよい。本変形例では、コンロ1が電源オフ状態にある場合において、電源スイッチ10が時間B未満押下された場合に(S11:NO)、電源オン状態に切り替えられ(S21)、電源スイッチ10が時間B以上押下された場合に(S12:YES)、ロック状態に切り替えられる(S18)。本変形例の場合、時間Bが本発明の「第三所定時間」に相当する。
また、S46(図6参照)でロック状態が解除されて電源オン状態に切り替えられていたが、電源オフ状態に切り替えられていもよい。この場合、CPU71は、電源オフ状態に切り替えた後、S4(図4参照)の処理を実行してもよい。
また、電源スイッチ10を継続して押下するという1つのアクションで、コンロ1を電源オフ状態からロック状態に切り替え可能であった(図4のS4〜S18)。しかし、電源スイッチ10を押下して、コンロ1を電源オフ状態から電源オン状態に切り替えた後に、もう一度電源スイッチ10を押下してロック状態に切り替えるという2つのアクションでコンロ1をロック状態に設定できるようにしてもよい。
また、電源スイッチ10を継続して押下するという1つのアクションで、コンロ1をロック状態から電源オン状態に切り替え可能であった(図6のS35〜S46)。しかし、電源スイッチ10を押下してコンロ1をロック状態から電源オフ状態に切り替えた後に、もう一度電源スイッチ10を押下して電源オン状態に設定するという2つのアクションでコンロ1を電源オン状態に設定できるようにしてもよい。
また、第一発光部101(図2参照)は、電源スイッチ10に設けられていたが、電源スイッチ10の近傍、例えば、電源スイッチ10の上下左右に隣接して設けられていてもよい。第二発光部102は電源スイッチ10の近傍に設けられていたが、電源スイッチ10に設けられていてもよい。この場合でも、使用者は電源スイッチ10を押下する直前に容易にコンロ1の状態を確認することができ、使用者が誤操作を行う可能性を低減できる。なお、第一発光部101及び第二発光部102は、電源スイッチ10から離れた場所、例えば、器具本体2の前面の左上部に設けられていてもよい。また、第一発光部101及び第二発光部102は設けられなくてもよい。また、「ロック長押し」の文字(図2参照)が印刷されなくてもよい。
また、点火ボタン11〜14、コンロ用操作パネル18、及びグリル用操作パネル19は操作部21に含まれ、作業者は、ロック状態の場合に操作できなかった。しかし、操作部21は、少なくとも点火ボタン11〜14を含んでいればよく、例えば、ロック状態であっても、CPU71はコンロ用操作パネル18及びグリル用操作パネル19の操作を受け付けてもよい。
また、コンロ1がロック状態である場合において、電源スイッチ10が押下された場合(S35:YES)、ロック状態であることが報知されたが(S36及びS37)、例えば、S36及びS37の一方のみが実行されてもよい。また、報知の方法は限定されず、例えば、コンロ1にディスプレイを設け、CPU71がディスプレイにロック状態であることを表示することで、報知してもよい。また、CPU71は、ロックランプ33を点滅させることで第二発光部102を点滅させて、報知してもよい。
また、電源スイッチ10の操作は、押下することで行われていたが、例えば、左右方向にスライド可能、且つ右方向に弾性付勢されるように電源スイッチ10を構成し、使用者は、電源スイッチ10を操作する場合、左方向に電源スイッチ10をスライドさせるようにしてもよい。
また、ビルトインコンロであるコンロ1を本発明の一例として説明したが、ガス調理器であればよく、例えば、テーブルコンロ、又はグリル庫のみを備えたグリル調理器であってもよい。