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JP6163709B2 - 作業機械 - Google Patents

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JP6163709B2 JP2012114879A JP2012114879A JP6163709B2 JP 6163709 B2 JP6163709 B2 JP 6163709B2 JP 2012114879 A JP2012114879 A JP 2012114879A JP 2012114879 A JP2012114879 A JP 2012114879A JP 6163709 B2 JP6163709 B2 JP 6163709B2
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Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関し、その中でもアッパーフレームにおけるカウンターウエイトの支持構造に関する。
図1に、従来の油圧ショベルの一例を示す。図示の油圧ショベル100は、クローラ型の下部走行体101の上に、上部旋回体102が旋回自在に設置されており、上部旋回体102は、アッパーフレーム103や、その上に設置されたキャブ104、機械室105、アタッチメント106などで構成されている。
アタッチメント106は、上部旋回体102の前部に配置されており、前方に延びたり折り畳まれたりする。このアタッチメント106との間で前後のバランスを確保するため、図2に示すように、アッパーフレーム103の後部には、高重量のカウンターウエイト107が設置されている。
アッパーフレーム103は、旋回ベアリング108を介して下部走行体101に支持されており、底板109やサイドデッキ110、一対の縦板111,111、梁部材112などで構成されている。底板109は肉厚な金属板からなり、矩形枠状のサイドデッキ110が、底板109の前部左隅に取り付けられている。サイドデッキ110の上には箱形の運転室であるキャブ104が設置される。
サイドデッキ110に設置されたキャブ104に隣接して、一対の縦板111,111がアッパーフレーム103に設置されている。縦板111は、互いに左右に離れて対向した状態で前後方向に延びている。アタッチメント106は、これら縦板111の前部に支持されている。
カウンターウエイト107は、アッパーフレーム103の後端縁に沿って配置され、アッパーフレーム103の後端部分には、カウンターウエイト107の中間部分を取り付ける取付座113が設置されている。取付座113は、肉厚な金属板からなり、底板109と両縦板111,111の後端とに接合されている。
両縦板111,111に接合しなくても強度、剛性が確保できる小型機種などを除けば、通常、取付座113は両縦板111,111に接合されている(例えば特許文献1,2)。
特開2003−129521号公報 特開2003−268808号公報
近年、作業機械のコンパクト化が求められており、上部旋回体が小さくなってきている。上部旋回体が小さくなっても、オペレータが乗り込むキャブ内部の操作スペースはできるだけ広い方が好ましい。
ところが、キャブの大きさを変えずに上部旋回体を小さくしていくと、縦板の設置位置の偏りが大きくなって、カウンターウエイトの支持が不安定になり易いという問題がある。
詳しくは、図2に示したように、アッパーフレーム103は、旋回ベアリング108の中心Cを軸にして旋回する。アッパーフレーム103における旋回ベアリング108の内側の部分は、周囲が旋回ベアリング108で支持されているため、撓み変形はほとんど生じない。
それに対し、アッパーフレーム103における旋回ベアリング108の外側の部分は、旋回ベアリング108で片持ちされた状態となっているため、撓み変形が生じ得る。そのため、カウンターウエイト107があるアッパーフレーム103の後部は、図3の(a)に誇張して示すように、カウンターウエイト107の重みで下方に撓む。
縦板111は、そのアッパーフレーム103の撓みを抑制する梁として機能するため、支持バランスの観点からすると、本来的には、旋回ベアリング108の中心Cの両側に縦板111,111を均等に配置するのが好ましい。ところが、キャブ104等との配置の関係上、機種によっては、図2に示したように、縦板111,111が右側に偏って配置されている場合がある。
縦板111,111の配置が右側に偏ると、右側の縦板111は左側の縦板111よりも旋回ベアリング108の中心Cから大きく離れ、旋回ベアリング108から後方に突き出す部分も、図2に符号L1で示すように、左側の縦板111よりも右側の縦板111の方が大きくなる。その結果、右側の縦板111は左側の縦板111よりも撓み易くなり、アッパーフレーム103の後部は、図3の(b)に誇張して示すように、右側に傾き易い傾向がある。
縦板の配置の偏りが大きくなればなるほど、アッパーフレームの後側の部分は、よりいっそう右側に傾き易くなる。そのため、小さなアッパーフレームに大きなキャブを設置しようとすると、カウンターウエイトの左右方向の支持バランスが不安定になる。
取付座の強化や梁部材の増設等を行って、アッパーフレームの後側の部分の強度、剛性を高めることもできるが、その場合、部材コストの上昇や重量の増加、作業性の低下等の新たな問題を招く。
そこで本発明の目的は、縦板の配置の偏りが大きくなっても、部材コストの上昇等の新たな問題を招くことなく、カウンターウエイトを比較的安定して支持できるようにし、コンパクトな作業機械で操作スペースの広いキャブを実現することにある。
本発明に係る作業機械は、下部走行体の上に上部旋回体が設置されている作業機械である。前記上部旋回体は、円環状の旋回ベアリングを介して前記下部走行体に旋回自在に支持されたアッパーフレームと、前記アッパーフレームの上に設置され、互いに離れて前後方向に延びる一対の縦板と、前記一対の縦板の前部に支持され、作業動作を行うアタッチメントと、前記アッパーフレームの後部に設置され、前記一対の縦板の間に位置する取付座と、前記取付座に中間部が支持され、前記アタッチメントとの間で前後のバランスを保つカウンターウエイトと、を備える。
そして、前記一対の縦板は、一方の縦板が他方の縦板よりも前記旋回ベアリングの中心から離れるように左右方向に偏って配置され、前記取付座が、前記他方の縦板と接合されることなく、前記一方の縦板と接合されている。
すなわち、この作業機械によれば、まず、アッパーフレーム上を前後方向に延びて梁として機能する一対の縦板が、旋回ベアリングの中心に対して左右方向に偏って配置されている。その結果、両縦板の間で撓み変形し易さに差が生じて、カウンターウエイトを支持するアッパーフレームの後端部分は左右いずれかに傾く傾向がある。
それに対し、一対の縦板のうち、旋回ベアリングの中心から、より離れて位置し、撓み変形し易い縦板にのみ、カウンターウエイトの中間部を支持する取付座が接合されている。そうすることで、両縦板の間での撓み変形し易さの差を縮小させることができる。その結果、アッパーフレームの後部の傾きが緩和されて、カウンターウエイトの左右方向の支持バランスが向上する。
一方の縦板にのみ接合すればよいため、取付座を小さくできる。従って、重量や部材コストの抑制が図れる。
例えば、前記他方の縦板が、その中間部で屈曲し、後方に向かうに従って前記一方の縦板から次第に離れる後部を有しているようにするのが好ましい。
この場合、他方の縦板の後部は、縦板が偏る側とは逆側に延びるため、アッパーフレームの後部における一対の縦板の配置の偏りが軽減され、アッパーフレームの後部の傾きをよりいっそう緩和できる。
本発明によれば、増設等を行うことなく、縦板の配置の偏りが大きくなっても、カウンターウエイトを比較的安定して支持できるため、低コストで、操作スペースの広いキャブを備えたコンパクトな作業機械を実現できる。
従来の油圧ショベルを示す概略側面図である。 図1の油圧ショベルのアッパーフレームの概略上面図である。 (a)、(b)は、アッパーフレームの撓み変形を説明するための図である。 本実施形態の油圧ショベルを示す概略側面図である。 図4の油圧ショベルのアッパーフレームの概略上面図である。 図4の油圧ショベルのアッパーフレームの概略斜視図である。 旋回ベアリングと縦板との位置関係を表した図5相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。便宜上、特に言及しない限り、説明で用いる前後左右等の方向は、図示の矢印に従うものとする。
図4に、本発明を適用した油圧ショベル1(作業機械の一例)を示す。図示の油圧ショベル1には、クローラ型の下部走行体2と、その上に旋回自在に設置された上部旋回体3とが備えられている。上部旋回体3は、アッパーフレーム4や、アッパーフレーム4の上に設置された、キャブ5、機械室6、アタッチメント7などで構成されている。
キャブ5は、オペレータが乗り込む箱形の運転室であり、この機種では、上部旋回体3に対して相対的に大きなキャブ5が設置されている。アタッチメント7は、バケット7aやアーム7b、ブーム7c、油圧シリンダ7dなどで構成されており、油圧制御によって作業動作を行い、前方に延びたり折り畳まれたりする。
図5や図6に詳しく示すように、アッパーフレーム4は、底板11やサイドデッキ12、一対の縦板13,13などで構成されている。
底板11は、上部旋回体3の底面を構成する肉厚な金属板からなり、その後端縁は円弧状に形成されている。サイドデッキ12は、四隅にブラケット12aを有する矩形枠状の部材からなり、底板11の前部左側に取り付けられている。サイドデッキ12の上には、ブラケット12aに設置される防振マウントを介してキャブ5が設置されている。
一対の縦板13,13は、底板11の上に立設され、上部旋回体3の左右幅方向に離れて対向した状態で前後方向に延びている。一対の縦板13,13は、サイドデッキ12の右側に隣接して配置されている。各縦板13は、肉厚な金属板からなり、頂点が前側に偏って位置する略三角形状に形成されている。各縦板13の前部には支持部13aが設けられており、アタッチメント7はこれら支持部13aに軸支されている。
右側に位置する縦板13(右縦板13Rともいう)は、上方から見て直線状に延びており、左側に位置する縦板13(左縦板13Lともいう)は、上方から見てその中間部分で折れ曲げられている。
詳しくは、左縦板13Lは、右縦板13Rと略平行に延びる前部13bと、前部13bの後端に連なるとともに、後方に向かうに従って右縦板13Rから次第に離れる後部13cとを有し、後部13cは左斜め後方に向かって延びている。
両縦板13L,13Rの間には、左右方向に延びる複数の梁部材14a,14b,14cが設置されており、これら梁部材14a,14b,14cと両縦板13L,13Rとが接合されている。詳しくは、両縦板13L,13Rの前端部分には前梁部材14aが接合されており、両縦板13L,13Rの中間部分には中梁部材14bが接合されている。そして、両縦板13L,13Rの後端部分には後梁部材14cが接合されている。
図5に仮想線で示すように、底板11の上には、エンジン21や冷却装置22、油圧ポンプ23、コントロールバルブ24、作動油タンク25、燃料タンク26等が設置されている。
詳しくは、エンジン21は、駆動軸を左右方向に向けて両縦板13L,13Rを跨いだ状態で、底板11の後部に設置されている。エンジン21の左側には、ラジエータ等の冷却装置22が設置され、エンジン21の右側には、エンジン21と連結された油圧ポンプ23が設置されている。底板11における右縦板13Rより右側の部分には、コントロールバルブ24や作動油タンク25、燃料タンク26が設置されている。そして、底板11の後端縁に沿って、隔壁状に形成されたカウンターウエイト31が設置されている。
カウンターウエイト31は、アタッチメント7との間で前後のバランスを保つために設置される高重量部材であり、端取付座32aや中間取付座32b(取付座)を介して底板11に支持されている。具体的には、底板11の後端縁の左右両側に端取付座32a,32aが設置され、これら端取付座32a,32aの間に中間取付座32bが設置されている。中間取付座32bは、一対の縦板13L,13Rの間に位置している。
カウンターウエイト31の両端部分は、両端取付座32a,32aの上に載置され、ボルトで両端取付座32a,32aに締結固定されている。カウンターウエイト31の中間部分は、中間取付座32bの上に載置され、ボルトで中間取付座32bに締結固定されている。
端取付座32a及び中間付座32bは、いずれも肉厚な金属板からなり、底板11に接合されている。特にこの機種の場合、中間取付座32bは、一対の縦板13L,13Rのうち、左縦板13Lには接合されずに、右縦板13Rにのみ接合されている。
詳しくは、中間取付座32bは、略矩形に形成された前側部分を有し、その前端面が後梁部材14cの後面に接合され、その右側面が右縦板13Rの左側面に接合されている。中間取付座32bの左側面は、両縦板13L,13Rの間に位置し、底板11の上方の空間に臨んでいる。
この機種の場合、上部旋回体3に対して相対的に大きなキャブ5が設置されているため、アッパーフレーム4でサイドデッキ12の占める範囲が大きくなっている。その結果、サイドデッキ12の右側に隣接して配置される一対の縦板13L,13Rはよりいっそうオフセットされ、右側に偏って配置されている。
図7に示すように、アッパーフレーム4は、底板11の下面に設けられた円環状の旋回ベアリング33を介して下部走行体2に支持されており、旋回ベアリング33の中心(旋回中心C)を軸にして旋回する。この機種の場合、一対の縦板13L,13Rが右側に大きく偏って配置された結果、左縦板13Lの前部13bは、旋回中心Cの近傍に位置し、右縦板13Rは、旋回中心Cから大きく離れて旋回ベアリング33の外周の近傍に位置している。
すなわち、左縦板13Lでは、前部13bの大部分が、底板11における旋回ベアリング33の内側部分に位置し、後部13cが、底板11における旋回ベアリング33の外側部分に位置し、旋回ベアリング33の外周から後方に突き出した状態となっている。それに対し、右縦板13Rは、底板11における旋回ベアリング33の内側部分にはほとんど位置していない。旋回ベアリング33から後方に突き出す部分も、図7に距離L2に示すように、左縦板13Lよりも右縦板13Rの方が大きく、従来の機種に比べて更に拡大している。
従って、右縦板13Rの後部は、左縦板13Lの後部よりも撓み変形し易いため、カウンターウエイト31を支持する底板11の後部は右側に傾く傾向がある。
そこで、この油圧ショベル1では、中間取付座32bを撓み変形し易い右縦板13Rにのみ接合し、右縦板13Rの強度、剛性を高めて、右縦板13Rが捩れて右側に倒れ込むのを抑制することにより、左縦板13Lとの間で強度、剛性のバランスを向上させている。
それにより、底板11の後部が右側に傾くのが緩和され、カウンターウエイト31の左右方向の支持バランスを向上させることができる。
更に、左縦板13Lの後部13cは左斜め後方に向かって延びているため、底板11の後部での一対の縦板13L,13Rの配置の偏りが軽減され、底板11の後部の右側に傾く傾向がよりいっそう緩和できる。
しかも、カウンターウエイト31の左右方向の支持バランスが向上したことで、この油圧ショベル1では、通常、右縦板13Rの右側に設置される梁部材の省略が可能になっている。梁部材の代わりに、この油圧ショベル1では、右縦板13Rの右側面と底板11の上面との隅部にリブ35が補助的に設置されている。
右縦板13Rの右側に梁部材が設置されていると、その梁部材は、例えば、油圧ポンプ23とコントロールバルブ24とを繋ぐ多数の油圧配管の配策に障害になる。それに対し、この油圧ショベル1では、前後方向を遮る梁部材が無いため、容易に配策でき、作業性にも優れる。
なお、本発明にかかる作業機械は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、補助的なリブ35は省略してもよい。縦板13L,13Rの双方が、必ずしも旋回ベアリング33と上下に重なる位置になくてもよい。例えば、右縦板13Rが旋回ベアリング33よりも右側に位置していてもよい。
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 アッパーフレーム
7 アタッチメント
13 縦板(13L:左縦板,13R:右縦板)
13b 前部
13c 後部
31 カウンターウエイト
32b 主取付座(取付座)
33 旋回ベアリング
35 リブ
C 中心

Claims (2)

  1. 下部走行体の上に上部旋回体が設置されている作業機械であって、
    前記上部旋回体は、
    円環状の旋回ベアリングを介して前記下部走行体に旋回自在に支持されたアッパーフレームと、
    前記アッパーフレームの底板の上に設置され、互いに離れて前後方向に延びる一対の縦板と、
    前記一対の縦板の前部に支持され、作業動作を行うアタッチメントと、
    前記アッパーフレームの後部に設置され、前記一対の縦板の間に位置する中間取付座と、
    前記一対の縦板の間では前記中間取付座のみによって中間部が支持され、前記アタッチメントとの間で前後のバランスを保つカウンターウエイトと、
    を備え、
    前記一対の縦板は、一方の縦板が他方の縦板よりも前記旋回ベアリングの中心から離れるとともに、前記一方の縦板が前記他方の縦板よりも前記旋回ベアリングの外周から後方に大きく突出するように左右方向に偏って配置され、
    前記中間取付座が、前記他方の縦板と接合されることなく、前記一方の縦板の内側面と前記底板の上面とに接合されるとともに、当該一方の縦板の外側面と前記底板の上面との隅部にリブが設置されている作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記他方の縦板が、その中間部で屈曲し、後方に向かうに従って前記一方の縦板から次第に離れる後部を有している作業機械。
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