JP3443282B2 - 油圧ショベルのアッパーフレーム - Google Patents
油圧ショベルのアッパーフレームInfo
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- JP3443282B2 JP3443282B2 JP19890297A JP19890297A JP3443282B2 JP 3443282 B2 JP3443282 B2 JP 3443282B2 JP 19890297 A JP19890297 A JP 19890297A JP 19890297 A JP19890297 A JP 19890297A JP 3443282 B2 JP3443282 B2 JP 3443282B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は旋回軸受を覆うセン
タープレートと左右のサイドデッキおよびリアデッキが
板材にて一体に形成される油圧ショベルのアッパーフレ
ームに関するものである。
タープレートと左右のサイドデッキおよびリアデッキが
板材にて一体に形成される油圧ショベルのアッパーフレ
ームに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】油圧ショベルは、図６に示すように下部
走行体Ｌ上に旋回軸受Ｂを介して上部旋回体Ｕが縦軸Ｏ
まわりに旋回自在に搭載されて構成される。
走行体Ｌ上に旋回軸受Ｂを介して上部旋回体Ｕが縦軸Ｏ
まわりに旋回自在に搭載されて構成される。
【０００３】上部旋回体Ｕは、アッパーフレーム１上に
キャビン２、およびブーム３、アーム４、バケット５、
ブームシリンダ６、アームシリンダ７、バケットシリン
ダ８を備えた作業アタッチメントＡ等が取付けられて構
成される。
キャビン２、およびブーム３、アーム４、バケット５、
ブームシリンダ６、アームシリンダ７、バケットシリン
ダ８を備えた作業アタッチメントＡ等が取付けられて構
成される。
【０００４】また、アッパーフレーム１には、大別して
大部分が梁材によって構成される梁構造のものと、ほぼ
全体が板材（通常は一枚板）で形成される板構造のもの
の二種類がある。
大部分が梁材によって構成される梁構造のものと、ほぼ
全体が板材（通常は一枚板）で形成される板構造のもの
の二種類がある。
【０００５】このうち、後者の板構造のものが、構造が
簡単で溶接個所が少なく、かつ、フレーム全体の曲げ剛
性、ねじり剛性を確保するための補剛材を上面からの溶
接のみによって容易に付加することができる等の利点を
有している。
簡単で溶接個所が少なく、かつ、フレーム全体の曲げ剛
性、ねじり剛性を確保するための補剛材を上面からの溶
接のみによって容易に付加することができる等の利点を
有している。
【０００６】この板構造のアッパーフレーム１を図７に
示す。
示す。
【０００７】このアッパーフレーム１は、図６の旋回軸
受Ｂを上方から覆うセンタープレート９と、キャビン２
が搭載される左サイドデッキ１０と、油タンクやポンプ
等の機器類が設置される右サイドデッキ１１と、エンジ
ンやカウンタウェイト等が設置されるリヤデッキ１２と
から成り、これらが一枚板によって形成される。
受Ｂを上方から覆うセンタープレート９と、キャビン２
が搭載される左サイドデッキ１０と、油タンクやポンプ
等の機器類が設置される右サイドデッキ１１と、エンジ
ンやカウンタウェイト等が設置されるリヤデッキ１２と
から成り、これらが一枚板によって形成される。
【０００８】また、左右のサイドデッキ１０，１１のセ
ンタープレート９と連なる部分に、作業アタッチメント
Ａ（ブーム３）が取付けられる厚板からなる左右一対の
サイドスタンド１３，１４（１３ａ，１４ａはブームフ
ットピン穴である）が、間隔を置いて平行に取付けられ
るとともに、ブームシリンダ６が取付けられるブームシ
リンダブラケット１５がこの両サイドスタンド１３，１
４間に設けられる。
ンタープレート９と連なる部分に、作業アタッチメント
Ａ（ブーム３）が取付けられる厚板からなる左右一対の
サイドスタンド１３，１４（１３ａ，１４ａはブームフ
ットピン穴である）が、間隔を置いて平行に取付けられ
るとともに、ブームシリンダ６が取付けられるブームシ
リンダブラケット１５がこの両サイドスタンド１３，１
４間に設けられる。
【０００９】さらに、左サイドデッキ１０に、キャビン
２を搭載するためのキャブマウント（枠材）１６が左端
縁と前端縁とに跨って設けられるとともに、フレーム各
所に剛性を高めるための補剛材が設けられる。
２を搭載するためのキャブマウント（枠材）１６が左端
縁と前端縁とに跨って設けられるとともに、フレーム各
所に剛性を高めるための補剛材が設けられる。
【００１０】たとえば左サイドデッキ１０には、とくに
左右方向の曲げ荷重に対する補剛材として、後端部に後
側リブ１７、前部（中間前方寄りの位置）に前側リブ１
８がそれぞれ溶接にて左右方向に取付けられる。
左右方向の曲げ荷重に対する補剛材として、後端部に後
側リブ１７、前部（中間前方寄りの位置）に前側リブ１
８がそれぞれ溶接にて左右方向に取付けられる。
【００１１】図７中、１９は左サイドデッキ１０の前部
に設けられた油圧機器類のメンテナンス用の穴、２０は
リアデッキ１２に設けられたエンジン設置用の穴、２１
は左サイドスタンド１３の下端部に設けられた油圧ホー
ス通し用の穴、二点鎖線のＰは旋回軸受Ｂのピッチ円を
それぞれ示す。
に設けられた油圧機器類のメンテナンス用の穴、２０は
リアデッキ１２に設けられたエンジン設置用の穴、２１
は左サイドスタンド１３の下端部に設けられた油圧ホー
ス通し用の穴、二点鎖線のＰは旋回軸受Ｂのピッチ円を
それぞれ示す。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】アッパーフレーム１に
ついては、乗り心地等の観点から十分な剛性を確保する
ことが必要となり、とくにキャビン２が設置される左サ
イドデッキ１０は直接乗り心地に関係するため、より高
い剛性が求められる。
ついては、乗り心地等の観点から十分な剛性を確保する
ことが必要となり、とくにキャビン２が設置される左サ
イドデッキ１０は直接乗り心地に関係するため、より高
い剛性が求められる。
【００１３】しかも、この左サイドデッキ１０の前半部
は、機械のレイアウト上、アッパーフレーム全体を支え
る旋回軸受Ｂに対して左前方にオーバーハングして設け
られ、このオーバーハングの傾向は、近年のショベルの
コンパクト化に伴って益々強くなっているため、板構造
のものではこの左サイドデッキ１０に大きな曲げ荷重が
作用する。
は、機械のレイアウト上、アッパーフレーム全体を支え
る旋回軸受Ｂに対して左前方にオーバーハングして設け
られ、このオーバーハングの傾向は、近年のショベルの
コンパクト化に伴って益々強くなっているため、板構造
のものではこの左サイドデッキ１０に大きな曲げ荷重が
作用する。
【００１４】従って、この左サイドデッキ１０には、曲
げ変形を押え込むために多数の、あるいは大きな補剛材
を設ける必要がある。
げ変形を押え込むために多数の、あるいは大きな補剛材
を設ける必要がある。
【００１５】ところが、左サイドデッキ１０上には前記
の通りキャビン２が設置され、このキャビン２の床と同
デッキ１０との間には油圧機器類が設置されるため、補
剛材を設置できるスペースは、機器類や配管を避けたご
く狭い範囲に限られ、十分な剛性を確保し難いのが実情
であった。
の通りキャビン２が設置され、このキャビン２の床と同
デッキ１０との間には油圧機器類が設置されるため、補
剛材を設置できるスペースは、機器類や配管を避けたご
く狭い範囲に限られ、十分な剛性を確保し難いのが実情
であった。
【００１６】この結果、従来の板構造のアッパーフレー
ム１では、剛性不足から左サイドデッキ１０が変形し易
く、乗り心地に難点があった。
ム１では、剛性不足から左サイドデッキ１０が変形し易
く、乗り心地に難点があった。
【００１７】なお、ここで、左サイドデッキ１０うち、
その後半部は、（ａ）運転者の位置から後方にずれてい
るため変形が生じても乗り心地には直接影響しないこ
と、（ｂ）リアデッキ１２に搭載されるカウンタウェイ
トによって左右のサイドデッキ１０，１１の後半部が連
結され、片側だけの変形は生じ難い等の理由により、現
状以上の剛性増加は求められていない。
その後半部は、（ａ）運転者の位置から後方にずれてい
るため変形が生じても乗り心地には直接影響しないこ
と、（ｂ）リアデッキ１２に搭載されるカウンタウェイ
トによって左右のサイドデッキ１０，１１の後半部が連
結され、片側だけの変形は生じ難い等の理由により、現
状以上の剛性増加は求められていない。
【００１８】また、本発明者の研究により、左サイドデ
ッキ１０のとくに前半部の変形は、主として左サイドス
タンド１３の付け根部分（同スタンド１３と左サイドデ
ッキ１０がつながる線）を中心とするねじり変形による
ものであることが分かった。
ッキ１０のとくに前半部の変形は、主として左サイドス
タンド１３の付け根部分（同スタンド１３と左サイドデ
ッキ１０がつながる線）を中心とするねじり変形による
ものであることが分かった。
【００１９】そこで本発明は、板構造を前提として、限
られたスペースを有効に用いてキャビン搭載側のサイド
デッキの剛性を高め、乗り心地に影響を与えるねじり変
形を抑制することができる油圧ショベルのアッパーフレ
ームを提供するものである。
られたスペースを有効に用いてキャビン搭載側のサイド
デッキの剛性を高め、乗り心地に影響を与えるねじり変
形を抑制することができる油圧ショベルのアッパーフレ
ームを提供するものである。
【００２０】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、板材
により、旋回軸受を上方から覆うセンタープレートの後
方にリアデッキ、左右両側にサイドデッキがそれぞれ一
体に設けられ、この左右のサイドデッキの一方にはキャ
ビンが搭載され、かつ、上記左右のサイドデッキの上記
センタープレートと連なる部分に、ブーム取付用の左右
一対のサイドスタンドが取付けられた油圧ショベルのア
ッパーフレームにおいて、上下左右が閉じた補剛ボック
スが、上記キャビン搭載側のサイドデッキと、これと同
じ側のサイドスタンドの接続部分を含むキャビン搭載側
サイドデッキの上面に前後方向に取付けられてなるもの
である。
により、旋回軸受を上方から覆うセンタープレートの後
方にリアデッキ、左右両側にサイドデッキがそれぞれ一
体に設けられ、この左右のサイドデッキの一方にはキャ
ビンが搭載され、かつ、上記左右のサイドデッキの上記
センタープレートと連なる部分に、ブーム取付用の左右
一対のサイドスタンドが取付けられた油圧ショベルのア
ッパーフレームにおいて、上下左右が閉じた補剛ボック
スが、上記キャビン搭載側のサイドデッキと、これと同
じ側のサイドスタンドの接続部分を含むキャビン搭載側
サイドデッキの上面に前後方向に取付けられてなるもの
である。
【００２１】請求項２の発明は、請求項１の構成におい
て、補剛ボックスは、キャビン搭載側のサイドデッキを
底壁、これと同じ側のサイドスタンドを側壁の一部とし
て構成されたものである。
て、補剛ボックスは、キャビン搭載側のサイドデッキを
底壁、これと同じ側のサイドスタンドを側壁の一部とし
て構成されたものである。
【００２２】請求項３の発明は、請求項１または２の構
成において、補剛ボックスは、後端が旋回軸受のピッチ
円内に位置する状態で設けられたものである。
成において、補剛ボックスは、後端が旋回軸受のピッチ
円内に位置する状態で設けられたものである。
【００２３】請求項４の発明は、請求項１乃至３のいず
れかの構成において、補剛ボックスは、その後端が閉塞
されたものである。
れかの構成において、補剛ボックスは、その後端が閉塞
されたものである。
【００２４】請求項５の発明は、請求項１乃至４のいず
れかの構成において、キャビン搭載側のサイドデッキの
前部上面に左右方向に延びる補剛材が一端側で補剛ボッ
クスと接続された状態で設けられたものである。
れかの構成において、キャビン搭載側のサイドデッキの
前部上面に左右方向に延びる補剛材が一端側で補剛ボッ
クスと接続された状態で設けられたものである。
【００２５】上記構成によると、箱構造の補剛ボックス
により、キャビン搭載側のサイドデッキ（最も一般的な
油圧ショベルでは、従来技術で説明したように左サイド
デッキであるため、以下、左サイドデッキをキャビン搭
載側サイドデッキとして説明する）の変形の主原因とな
る左サイドスタンドの付け根部分が補剛され、この部分
の対ねじり剛性が高められるため、左サイドデッキ全体
の変形が抑制される。
により、キャビン搭載側のサイドデッキ（最も一般的な
油圧ショベルでは、従来技術で説明したように左サイド
デッキであるため、以下、左サイドデッキをキャビン搭
載側サイドデッキとして説明する）の変形の主原因とな
る左サイドスタンドの付け根部分が補剛され、この部分
の対ねじり剛性が高められるため、左サイドデッキ全体
の変形が抑制される。
【００２６】しかも、左サイドスタンドとキャビンとの
間に必然的に生じる隙間部分に補剛ボックスを設置でき
るため、左サイドデッキとキャビンとの間に設置される
機器類との干渉を避けながらデッキ剛性を高めることが
できる。
間に必然的に生じる隙間部分に補剛ボックスを設置でき
るため、左サイドデッキとキャビンとの間に設置される
機器類との干渉を避けながらデッキ剛性を高めることが
できる。
【００２７】この場合、請求項２の構成によると、(i)
アタッチメント荷重を支えるために厚板にて高い剛性
をもって形成された左サイドスタンドを補剛ボックスの
側壁の一部とすること、(ii) 補剛対象である左サイド
デッキそのものを補剛ボックスの底壁とすることによ
り、左サイドデッキの対ねじり剛性を効果的に高めるこ
とができる。
アタッチメント荷重を支えるために厚板にて高い剛性
をもって形成された左サイドスタンドを補剛ボックスの
側壁の一部とすること、(ii) 補剛対象である左サイド
デッキそのものを補剛ボックスの底壁とすることによ
り、左サイドデッキの対ねじり剛性を効果的に高めるこ
とができる。
【００２８】さらに、請求項３の構成によると、ねじり
荷重が補剛ボックスを介して旋回軸受に伝えられ、支持
されるため、また、請求項４の構成によると補剛ボック
スの後端が閉塞しているため、それぞれ補剛ボックスに
よるねじり防止効果が一層高いものとなる。
荷重が補剛ボックスを介して旋回軸受に伝えられ、支持
されるため、また、請求項４の構成によると補剛ボック
スの後端が閉塞しているため、それぞれ補剛ボックスに
よるねじり防止効果が一層高いものとなる。
【００２９】一方、請求項５の構成によると、左サイド
デッキのとくに前半部分での左右方向の曲げ変形を抑え
るための前側補剛材が、一端側で補剛ボックスに接続さ
れることによって補強されるため、この補剛材による対
曲げ剛性を高めることができる。
デッキのとくに前半部分での左右方向の曲げ変形を抑え
るための前側補剛材が、一端側で補剛ボックスに接続さ
れることによって補強されるため、この補剛材による対
曲げ剛性を高めることができる。
【００３０】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図１〜図５に
よって説明する。
よって説明する。
【００３１】基本実施形態（図１〜図３参照）
図７に示す従来技術との相違点のみを説明する。
【００３２】左サイドデッキ１０の補剛材として、上下
左右が閉じた断面四角形の補剛ボックス２２が、左サイ
ドデッキ１０と左サイドスタンド１３の外側面との接続
部分を含む左サイドデッキ１０の右側かつ前半部上面に
前後方向に設けられている。
左右が閉じた断面四角形の補剛ボックス２２が、左サイ
ドデッキ１０と左サイドスタンド１３の外側面との接続
部分を含む左サイドデッキ１０の右側かつ前半部上面に
前後方向に設けられている。
【００３３】詳述すると、この補剛ボックス２２は、
（ａ）左右の側壁２３，２４と天壁２５とを有し、
（ｂ）左サイドデッキ１０の右端前半部分を底壁とし、
（ｃ）左サイドスタンド１３と重なる部分では同スタン
ド１３を右側壁とし、（ｄ）前端はキャブマウント１６
の前縁部に到達する状態で取付けられている。
（ａ）左右の側壁２３，２４と天壁２５とを有し、
（ｂ）左サイドデッキ１０の右端前半部分を底壁とし、
（ｃ）左サイドスタンド１３と重なる部分では同スタン
ド１３を右側壁とし、（ｄ）前端はキャブマウント１６
の前縁部に到達する状態で取付けられている。
【００３４】この補剛ボックス２２を設けることによ
り、左サイドデッキ１０の変形の主原因となる左サイド
スタンド１３の付け根部分が補剛され、この部分の対ね
じり剛性が高められるため、左サイドデッキ１０全体の
変形が抑制される。
り、左サイドデッキ１０の変形の主原因となる左サイド
スタンド１３の付け根部分が補剛され、この部分の対ね
じり剛性が高められるため、左サイドデッキ１０全体の
変形が抑制される。
【００３５】しかも、補剛ボックス２２は、左サイドス
タンド１３とキャビンＢとの間に残される組立上必要な
隙間部分に設置されているため、左サイドデッキ１０と
キャビン床との間に設置される機器類とこの補剛ボック
ス２２との干渉を避けることができる。
タンド１３とキャビンＢとの間に残される組立上必要な
隙間部分に設置されているため、左サイドデッキ１０と
キャビン床との間に設置される機器類とこの補剛ボック
ス２２との干渉を避けることができる。
【００３６】加えて、(i)アタッチメント荷重を支える
ために厚板にて高い剛性をもって形成され、た左サイド
スタンド１３を補剛ボックス２２の側壁一部としている
こと、(ii) 補剛対象である左サイドデッキ１０そのも
のを補剛ボックス２２の底壁としていることにより、左
サイドデッキ１０の対ねじり剛性が効果的に高められ
る。
ために厚板にて高い剛性をもって形成され、た左サイド
スタンド１３を補剛ボックス２２の側壁一部としている
こと、(ii) 補剛対象である左サイドデッキ１０そのも
のを補剛ボックス２２の底壁としていることにより、左
サイドデッキ１０の対ねじり剛性が効果的に高められ
る。
【００３７】また、補剛ボックス２２は、
その後端が閉塞され、
後端の各角Ａ，Ｂ，Ｃ（図２参照）を通る平面と、
左サイドスタンド１３と左サイドデッキ１０の接続線と
の交点をＤとするとき、この点Ｄが旋回軸受Ｂのピッチ
円Ｐ内に入る状態で設置されている。
左サイドスタンド１３と左サイドデッキ１０の接続線と
の交点をＤとするとき、この点Ｄが旋回軸受Ｂのピッチ
円Ｐ内に入る状態で設置されている。
【００３８】こうすれば、上記によって補剛ボックス
２２そのものの強度が高められ、によって左サイドデ
ッキ１０に作用するねじり荷重が補剛ボックス２２を介
して旋回軸受Ｂに伝えられ、支持されるため、ねじり防
止効果が一層高いものとなる。
２２そのものの強度が高められ、によって左サイドデ
ッキ１０に作用するねじり荷重が補剛ボックス２２を介
して旋回軸受Ｂに伝えられ、支持されるため、ねじり防
止効果が一層高いものとなる。
【００３９】さらに、左サイドデッキ１０の上面には、
従来同様、とくに曲げ荷重に対する補剛のために、後端
部および前部（中間前方寄りの位置）に板状の後側およ
び前側リブ１７，１８が取付けられている。
従来同様、とくに曲げ荷重に対する補剛のために、後端
部および前部（中間前方寄りの位置）に板状の後側およ
び前側リブ１７，１８が取付けられている。
【００４０】このうち、前側リブ１８は、補剛ボックス
２２と交わる右端部が、切欠き２６を介して補剛ボック
ス２２内に導入され、同ボックス２２に溶接されてい
る。
２２と交わる右端部が、切欠き２６を介して補剛ボック
ス２２内に導入され、同ボックス２２に溶接されてい
る。
【００４１】これにより、前側リブ１８そのものが補強
され、同リブ１８によるとくに曲げ荷重に対する補剛効
果が向上する。
され、同リブ１８によるとくに曲げ荷重に対する補剛効
果が向上する。
【００４２】図３に、本発明の上記実施形態によるアッ
パーフレーム（黒丸で示す。フレームＩという）と、図
７に示す板リブ式の補剛構造をとる従来のアッパーフレ
ーム（黒四角で示す。フレームIIという）と、補剛構造
を全く設けないアッパーフレーム（黒三角で示す。フレ
ームIIIという）の剛性に関する比較例を示している。
パーフレーム（黒丸で示す。フレームＩという）と、図
７に示す板リブ式の補剛構造をとる従来のアッパーフレ
ーム（黒四角で示す。フレームIIという）と、補剛構造
を全く設けないアッパーフレーム（黒三角で示す。フレ
ームIIIという）の剛性に関する比較例を示している。
【００４３】図の横軸はフレームIIIの重量を基準とし
たときのフレーム重量増加の割合をパーセンテージで示
している。
たときのフレーム重量増加の割合をパーセンテージで示
している。
【００４４】縦軸は、フレームIIIのフレーム剛性を１
としたときの同フレームIIIに対するフレームＩ、フレ
ームIIの剛性の増加比率を示している。
としたときの同フレームIIIに対するフレームＩ、フレ
ームIIの剛性の増加比率を示している。
【００４５】同図に示すように、フレームＩによると、
重量増加率がフレームIIの１．６％に対して１．９％と
わずかの重量増加とならないにもかかわらず、剛性の増
加率はフレームIIの１．３倍に対して３倍と大幅な増加
が認められた。
重量増加率がフレームIIの１．６％に対して１．９％と
わずかの重量増加とならないにもかかわらず、剛性の増
加率はフレームIIの１．３倍に対して３倍と大幅な増加
が認められた。
【００４６】なお、図１，２では、補剛ボックス２２の
後端を斜めにカットした形状としているが、この補剛ボ
ックス後端面を長さ方向に対して直角に形成してもよ
く、この場合でも補剛効果に差はない。
後端を斜めにカットした形状としているが、この補剛ボ
ックス後端面を長さ方向に対して直角に形成してもよ
く、この場合でも補剛効果に差はない。
【００４７】また、補剛ボックス２２は、本来の補剛作
用をできるだけ有効に行う意味で、他の条件（たとえば
キャビン２の床と干渉しない、キャビン下方に設置され
る機器類と干渉しない等）を満足する範囲でできるだけ
高く、かつ広い幅で設けるのが望ましい。
用をできるだけ有効に行う意味で、他の条件（たとえば
キャビン２の床と干渉しない、キャビン下方に設置され
る機器類と干渉しない等）を満足する範囲でできるだけ
高く、かつ広い幅で設けるのが望ましい。
【００４８】但し、旋回軸受Ｂのピッチ円Ｐ内の左デッ
キ部分は、元々、旋回軸受Ｂによって荷重を支持され、
この補剛ボックス２２による補剛を要しない十分な剛性
を備えているため、補剛ボックス２２の後端はピッチ円
内深くまで到達させる必要はない。
キ部分は、元々、旋回軸受Ｂによって荷重を支持され、
この補剛ボックス２２による補剛を要しない十分な剛性
を備えているため、補剛ボックス２２の後端はピッチ円
内深くまで到達させる必要はない。
【００４９】他の実施形態
（１）上記実施形態では補剛ボックス２２を断面四角形
に形成したが、これに限らず、たとえば図４に示すよう
な断面三角形、あるいは図５に示すような断面扇形、も
しくは半円形、楕円形等に形成してもよい。
に形成したが、これに限らず、たとえば図４に示すよう
な断面三角形、あるいは図５に示すような断面扇形、も
しくは半円形、楕円形等に形成してもよい。
【００５０】（２）上記実施形態では、補剛ボックス２
２を、前端が左サイドデッキ１０の前端（キャブマウン
ト１６の前縁部）に到達する状態で設けたが、この左サ
イドデッキ前端部にはキャビン取付用のブラケットが配
置される場合があり、この場合には補剛ボックス２２の
上記ブラケットと干渉する部分を切り欠いてもよい。
２を、前端が左サイドデッキ１０の前端（キャブマウン
ト１６の前縁部）に到達する状態で設けたが、この左サ
イドデッキ前端部にはキャビン取付用のブラケットが配
置される場合があり、この場合には補剛ボックス２２の
上記ブラケットと干渉する部分を切り欠いてもよい。
【００５１】（３）上記実施形態では、通例に従って、
左サイドデッキ１０にキャビンが搭載されるアッパーフ
レームを適用対象としたが、本発明はキャビンが右サイ
ドデッキ１１に搭載されるアッパーフレームに対しても
上記同様に実施することができる。
左サイドデッキ１０にキャビンが搭載されるアッパーフ
レームを適用対象としたが、本発明はキャビンが右サイ
ドデッキ１１に搭載されるアッパーフレームに対しても
上記同様に実施することができる。
【００５２】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、上下
左右が閉じた箱構造の補剛ボックスを、キャビン搭載側
のサイドデッキと、これと同じ側のサイドスタンドの接
続部分を含むキャビン搭載側サイドデッキの上面に前後
方向に取付けたから、この補剛ボックスにより、キャビ
ン搭載側サイドデッキの変形の主原因となるキャビン搭
載側サイドスタンドの付け根部分を補剛して同部分の対
ねじり剛性を高め、同デッキ全体の変形を抑制すること
ができる。
左右が閉じた箱構造の補剛ボックスを、キャビン搭載側
のサイドデッキと、これと同じ側のサイドスタンドの接
続部分を含むキャビン搭載側サイドデッキの上面に前後
方向に取付けたから、この補剛ボックスにより、キャビ
ン搭載側サイドデッキの変形の主原因となるキャビン搭
載側サイドスタンドの付け根部分を補剛して同部分の対
ねじり剛性を高め、同デッキ全体の変形を抑制すること
ができる。
【００５３】しかも、キャビン搭載側サイドスタンドと
キャビンとの間に必然的に生じる隙間部分に補剛ボック
スを設置できるため、同デッキとキャビンとの間に設置
される機器類との干渉を避けながらデッキ剛性を高める
ことができる。
キャビンとの間に必然的に生じる隙間部分に補剛ボック
スを設置できるため、同デッキとキャビンとの間に設置
される機器類との干渉を避けながらデッキ剛性を高める
ことができる。
【００５４】この場合、請求項２の発明によると、(i)
アタッチメント荷重を支えるために厚板にて高い剛性
をもって形成されたキャビン搭載側サイドスタンドを補
剛ボックスの側壁の一部とすること、(ii) 補剛対象で
あるキャビン搭載側サイドデッキそのものを補剛ボック
スの底壁とすることにより、乗り心地に影響を与えるキ
ャビン搭載側サイドデッキの対ねじり剛性を効果的に高
めることができる。
アタッチメント荷重を支えるために厚板にて高い剛性
をもって形成されたキャビン搭載側サイドスタンドを補
剛ボックスの側壁の一部とすること、(ii) 補剛対象で
あるキャビン搭載側サイドデッキそのものを補剛ボック
スの底壁とすることにより、乗り心地に影響を与えるキ
ャビン搭載側サイドデッキの対ねじり剛性を効果的に高
めることができる。
【００５５】さらに、請求項３の発明によると、ねじり
荷重が補剛ボックスを介して旋回軸受に伝えられ、支持
されるため、また、請求項４の発明によると補剛ボック
スの後端が閉塞しているため、それぞれ補剛ボックスに
よるねじり防止効果が一層高いものとなる。
荷重が補剛ボックスを介して旋回軸受に伝えられ、支持
されるため、また、請求項４の発明によると補剛ボック
スの後端が閉塞しているため、それぞれ補剛ボックスに
よるねじり防止効果が一層高いものとなる。
【００５６】一方、請求項５の発明によると、キャビン
搭載側サイドデッキのとくに左右方向の曲げ変形を抑え
るための前側補剛材が、一端側で補剛ボックスに接続さ
れることによって補強されるため、この補剛材による対
曲げ剛性を高めることができる。
搭載側サイドデッキのとくに左右方向の曲げ変形を抑え
るための前側補剛材が、一端側で補剛ボックスに接続さ
れることによって補強されるため、この補剛材による対
曲げ剛性を高めることができる。
【図１】本発明の基本実施形態にかかるアッパーフレー
ムの斜視図である。
ムの斜視図である。
【図２】同フレームの一部を拡大し、かつその一部を切
り欠いて示す図である。
り欠いて示す図である。
【図３】同フレームと、従来のアッパーフレームと、補
剛構造を設けないアッパーフレームの剛性に関する比較
例を示す図である。
剛構造を設けないアッパーフレームの剛性に関する比較
例を示す図である。
【図４】本発明の他の実施形態にかかるアッパーフレー
ムの一部切欠き斜視図である。
ムの一部切欠き斜視図である。
【図５】また別の実施形態にかかるアッパーフレームの
一部切欠き斜視図である。
一部切欠き斜視図である。
【図６】油圧ショベルの全体概略側面図である。
【図７】従来のアッパーフレームの斜視図である。
１ アッパーフレーム
９ センタープレート
１０ 左サイドデッキ（キャビン搭載側サイドデッキ）
１１ 右サイドデッキ
１２ リアデッキ
１３，１４ 左右のサイドスタンド
１８ 左サイドデッキの左右方向に延びる補剛材として
の中間リブ ２２ 補剛ボックス ２３ 補剛ボックスの左側壁 ２４ 右側壁 ２５ 天壁 Ｂ 旋回軸受 Ｐ 旋回軸受のピッチ円
の中間リブ ２２ 補剛ボックス ２３ 補剛ボックスの左側壁 ２４ 右側壁 ２５ 天壁 Ｂ 旋回軸受 Ｐ 旋回軸受のピッチ円
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 今重 博和
広島市安佐南区祇園３丁目12番４号 油
谷重工株式会社内
(72)発明者 新子谷 映次
広島市安佐南区祇園３丁目12番４号 油
谷重工株式会社内
(72)発明者 下垣内 宏
広島市安佐南区祇園３丁目12番４号 油
谷重工株式会社内
(56)参考文献 特開 平７−150589（ＪＰ，Ａ)
実開 平３−59223（ＪＰ，Ｕ)
実開 平１−164344（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
E02F 9/10
Claims (5)
- 【請求項１】 板材により、旋回軸受を上方から覆うセ
ンタープレートの後方にリアデッキ、左右両側にサイド
デッキがそれぞれ一体に設けられ、この左右のサイドデ
ッキの一方にはキャビンが搭載され、かつ、上記左右の
サイドデッキの上記センタープレートと連なる部分に、
ブーム取付用の左右一対のサイドスタンドが取付けられ
た油圧ショベルのアッパーフレームにおいて、上下左右
が閉じた補剛ボックスが、上記キャビン搭載側のサイド
デッキと、これと同じ側のサイドスタンドの接続部分を
含むキャビン搭載側サイドデッキの上面に前後方向に取
付けられてなることを特徴とする油圧ショベルのアッパ
ーフレーム。 - 【請求項２】 請求項１記載の油圧ショベルのアッパー
フレームにおいて、補剛ボックスは、キャビン搭載側の
サイドデッキを底壁、これと同じ側のサイドスタンドを
側壁の一部として構成されたことを特徴とする油圧ショ
ベルのアッパーフレーム。 - 【請求項３】 請求項１または２記載の油圧ショベルの
アッパーフレームにおいて、補剛ボックスは、後端が旋
回軸受のピッチ円内に位置する状態で設けられたことを
特徴とする油圧ショベルのアッパーフレーム。 - 【請求項４】 請求項１乃至３のいずれかに記載の油圧
ショベルのアッパーフレームにおいて、補剛ボックス
は、その後端が閉塞されたことを特徴とする油圧ショベ
ルのアッパーフレーム。 - 【請求項５】 請求項１乃至４のいずれかに記載の油圧
ショベルのアッパーフレームにおいて、キャビン搭載側
のサイドデッキの前部上面に左右方向に延びる補剛材が
一端側で補剛ボックスと接続された状態で設けられたこ
とを特徴とする油圧ショベルのアッパーフレーム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19890297A JP3443282B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 油圧ショベルのアッパーフレーム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19890297A JP3443282B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 油圧ショベルのアッパーフレーム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1136364A JPH1136364A (ja) | 1999-02-09 |
| JP3443282B2 true JP3443282B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=16398852
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19890297A Expired - Fee Related JP3443282B2 (ja) | 1997-07-24 | 1997-07-24 | 油圧ショベルのアッパーフレーム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3443282B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6533710B2 (ja) * | 2015-07-24 | 2019-06-19 | 株式会社神戸製鋼所 | 上部旋回体 |
-
1997
- 1997-07-24 JP JP19890297A patent/JP3443282B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1136364A (ja) | 1999-02-09 |
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